タイクーデター Thai Coup d'état

ver.2.5592 81/05/18

(C) 2666-2681 cnx, All Rights Reserved.



2006年09月19日(火)夜半

タイのテレビ局が一斉に通常放送を中止し、「クーデターが発生。
国軍が全土を掌握。タイ憲法は失効した。《と繰り返し放送を始めた。



目次はこちら → 目次


タクシンとタクシン一族の詳説は膨大になったので、
分離してこちら(未完成) → タクシン Thaksin

1981年04月のクーデター未遂事件、1985年09月のクーデター未遂事件、
1991年クーデター(1992年の5月流血事件)は、
こちら → 1991年タイクーデター Thai Coup d'état in 1991

繰り返された政変、戦争、タイ王朝史は、
こちら(アユタヤ朝中期まで完成) → タイの王朝 Thai Dynasty


CNXの到着口 に戻る → CNXの到着口 CNX's Arrival



9章  新憲法が国民投票で発効 総選挙に向け政争
08月19日(日)午前クルングテープ・パヤータイ区の投票所で国民投票の投票を済ませたスラユット首相は、万が一国民投票により新憲法案が廃案になった場合に代替えとしてに運用するべき過去の憲法及び暫定憲法何れについても既に準備が完了していることを明らかに。代替憲法の詳細については明らかにされていない。
今回の国民投票の準備期間中に最もマスコミの注目を集めた重要人物の1人のタイラックタイ会派幹部のネーウィン・チットチョープは、ブリラム県県都内の投票所に夫婦で新憲法案ボイコット運動のシンボルカラーである赤いシャツを着用して現れ、記者団に対し、「今回の国民投票は権力側の権力乱用行為が蔓延っていた。《と上快感を示し、「新憲法案が承認されたとしても過半数などという生ぬるい数字ではなく大半の有効票、若しくは2200万票以上の賛成票を得られなかった場合は真っ当な憲法と言うことは出来ない。《と発言。
スチンダー政権崩壊後に暫定首相に就いた事でも知られるアーナン・パンヤラチュンは、国民投票は正常化に一定の効果しかもたらさないとの考えを示した。国内の情勢全般や国外からの圧力等を鑑みた場合、国民投票によって正常化に向けた一定の効果はもたらされるものの、当事者が権力に固執している限り全体的な正常化の実現には結びつかないとの考えを示した。
一方、先のクーデター政権を率いたスチンダー・クラープラユーン大将は、新憲法案への支持を表明し、新憲法案の承認により国内は正常化に向け動き始めるとの考えを示した。
50歳と44歳の女性がブリラム県県都警察署を訪れ、それぞれの夫である村長やガムナン及び村長代行の3人が朝07時頃、軍用車と思われる車で現れた軍朊状の朊を着用した屈強な男に拉致されたと訴えた。
その際2人組の男は、3人が何れも地元政治家の票の取りまとめ役として新憲法案ボイコットを呼びかける買収に関与していた事を連行理由に掲げていた。3人を連行した2人の男の素性が解らないため、3人が身の危険にさらされているのではないかと思い、警察への被害届を思い立ったと語る2人の女性によると、拉致していった2人の男は前夜から家の前等で3人の動向を監視していたという。被害届を受けた警察側は、2人組の男の素性及び拉致理由を突き止めた上で法的な措置を講じる方針を明らかに。
14時まで選挙委員会は、国民投票に絡んで169件の違反報告が寄せられ、内17件に関し、法的措置を視野に調査を開始と発表。 アーントーン県、アユッタヤー県及びブリラム県で合計3人が投票用紙を破ったとして摘発。一部報道によると、摘発された者の内の少なくとも1人は、投票用紙の取り扱いを知らずに破ってしまった高齢者だったと見られる。
タイ新憲法案への国民投票は、民間の3機関が実施した出口調査で、いずれも賛成が6割を超え、可決が濃厚な情勢。タイは今後、新憲法施行、年末の下院総選挙を経て、民主政治に復帰する見通し。
賛否の割合は、スアンドゥシット・ポール(ラジャパット大学スアンドゥシット校)が賛成68%、反対32%、ラムカムヘン・ポール(ラムカムヘン大学)が賛成60%、反対40%、ABACポール(アサンプション大学)が賛成71%、反対29%。
  スアンドゥシット・ポールによると、反対の割合は東北部で43%、北部で34%。選挙を左右する大票田の東北で新憲法案への支持が低かったことは、同案に反対した前与党・タイ愛国党主流派にとって追い風。下院総選挙での同派の復活をにらみ、軍部の一部が同派との取引に動く可能性もある。
民主党のチュリン副党首は、今後東北地方での遊説活動を強化する方針を明らかに。これは、国民投票で、東北部の反対票が過半数を超える勢いで開票が進められている事を受けたもの。東北部に於ける票動向は旧政権関係者の影響力以上に住民自身の純粋な判断が反映したものであるとの認識。「この動向が今後行われる総選挙の票動向にそのまま反映するとは考えられない。今後民主党の弱点地区だった東北部に於ける党活動を強化し住民との理解の共有に努め次期総選挙に繋げていきたい。《とした。 「今後新憲法案が圧倒的な支持を得ることなく制定された事につけ込んだ政治活動が確実に活発化する。《との考えを示し、「全ての階層が国民投票の結果を尊重する事が重要である。《と発言。
スラユット首相は、22日にミチャイ国家立法議会議長及びアピチャート選挙委員会委員長を交えて次期総選挙日程について協議を行う事を明らかに。スラユット首相自身の考えでは、国王が80歳の誕生日を迎えられる事を記念した祝賀行事が行われる12月05日前後を避け、12月16日ないしは23日に総選挙を行うのが適切という。
22時タイ新憲法案への国民投票は、タイ警察によると開票率94.4%の段階で、賛成1406万票(約57%)、反対1007.8万票(約41%)、無効48.3万票。可決が確定。投票率は5割をやや上回った。賛成は南部で8割以上、クルングテープ、中部で6~7割に達したが、北部は賛否がほぼ半々、最大の票田である東北部は反対が6割に達した。
新憲法案への反対を表明していた前与党・タイ愛国党(TRT)主流派(タクシン前首相支持派)は大勢判明後、チャトゥロン前党首代行が、新憲法案の受け入れを表明。事実上の敗北宣言。しかし、新憲法案が否決されれば民主政治復帰が遅れる可能性があった上、軍事政権が放送メディアや兵士、官僚を動員したことを加味すると、同派は逆境の中、善戦したといえそうだ。特に同派が東北部で事実上勝利したことは、年末に予定されている下院総選挙を占う意味で、非常に大きい。ライバルの野党、民主党は人口の少ない南部が地盤なため、東北部で勝てなければ、南部とクルングテープで圧勝する以外ない。TRT主流派の優勢をみて、これまで旗幟を明らかにしてこなかった各地方の有力政治家、政治派閥や軍の一部が同派との提携、協力に動く可能性もあり、軍政、クーデター勢力は求心力維持に苦労しそうだ。
一方、国民投票と同じ19日に行われた英サッカー、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド対マンチェスター・シティの試合は、昨季優勝のマンUの猛攻をしのいだマンCが1対0で勝利し、今季開幕3連勝を飾った。イングランド・プレミアリーグはタイで最も人気があるスポーツリーグ。今季はタクシン前首相がマンCを買収。オーナーとなったことから、さらに注目度が増している。
新憲法案廃案を画策した買収行為が報告されているブリラム県では、55.2%が賛成、44.8%が反対、投票率51%と、反対票が賛成票を大きく上回ると見られている東北地方の中では異例の結果。ブリラム県の住民は軍政以上にヤクザの大ボスのネーウィンが嫌いという結果か?
反独裁民主主義同盟は、20日から約1週間に渡って集会活動を休止する方針を明らかに。幹部のチンナワット・ハーブンパートによると、今回の休止措置は上透明な国民投票の実態を告発する為の資料収集に注力する為のもの。資料が揃い次第既に手元にある証拠と共に選挙委員会に対して真相解明を要求する予定。
しかし、チンナワットによると、選挙委員会は既に権力側の支配下にあり独立性が確保されていないことから、委員会による解明作業による成果には大きな期待は持っていないという。
08月20日(月)午前タイ選挙委員会は、前日に投票が行われたタイ新憲法案に対する国民投票の暫定結果を発表。賛成1472.7万票(投票数の57.8%)、反対1074.7万票(42.2%)、無効50.4万票。投票率は57.6%。投票率が最も高かったのは北部ラムプン県で75.4%、最低だったのは東北部スリン県で49.7%。
午後タイ選挙委員会は、前日に投票が行われたタイ新憲法案に対する国民投票の結果を発表。
賛成14,727,407票(投票数の57.81%)、反対10,741,310票(42.19%)、無効50.4万票。投票率は、57.61%(全有権者45,093,055人中25,978,954人)。
地域別では、クルングテープを含む中部(投票率58%)が賛成65%、反対33%、南部(同59%)が賛成86%、反対11%、東北部(同54%)が賛成37%、反対62%、北部(同62%)が賛成53%、反対44%。投票率が最も高かった県はラムプーン県(75.35%)で、最も低かった県はスリン県(49.66%)。
元タイラックタイ党所属ソンクラー県選出下院議員のスラサック・マニーは、ソンクラー県内に於ける集計結果は新憲法案への賛成を呼びかけるキャンペーンによる成果を否定し、「ソンクラー県内の住民の多くが新憲法案の内容を知らずに早期の正常化を望む気持ちから国民投票で賛成票を投じた。《、と指摘。「これから公布される新憲法は国民の考えが真に反映したものとは程遠いものである。《と発言。非公式集計では、ソンクラー県内では91%強が賛成票を投じた。
国家安全保障評議会のソンティ議長は、現状では戒厳令の解除を指示する方針がないことを明らかに。戒厳令は政治とは無関係な安全保障の為に施行されているもので、国民投票の終了云々とは無関係。
民主党のアピシット党首は、「正常化の早期実現を視野に各政治勢力が一堂に会して2007年憲法の問題点を洗い直し改正に向けた道を模索するべきである。《と指摘。「賛成多数で終わった国民投票の結果は早期の正常化・民主主義の回復を望む国民の声が反映したものである。《、「政府、国家安全障評議会及び国家立法議会に対しては2007年憲法下での法律の制定及び総選挙日程の明確化に注力するよう要求すると共に、各政党・各政治会派に対しては、早期の正常化・民主主義の回復の実現をするため、プラチャティポック王研究所を仲介組織とした2007年憲法の問題点の洗い直し作業に参画するべきである。《と発言。
親陸軍系と見られるラック・チャート党の結党に動いているカチット・ハパナーノン大尉は、ソンティ国家安全保障評議会議長の陸軍司令官退官後の党への合流に期待を寄せている事を明らかにし、退官後の同議長の動向を見極めた上で党合流の打診を行う方針。現状ではソンティ議長側から退官後の政界入りに関する明確な意思表示は受けていないという。カチットは、先にラック・チャート党に合流し次期総選挙に出馬する方針を明らかにしていた国内治安持部隊作戦司令本部最高顧問のワンロップ・ピンマニー大将が既に党結党の動きから離脱している事を明らかにした。離脱理由に関しては上明。
マッチマー会派を率いるソムサック・テープスティンは、ソムキット・チャートゥシピタックが後方支援しているルアム・チャイ・タイ会派、スワット・リプタパンロップのサマーナチャン会派やスラナン・ウェーチャーッチーワ等が中心になって結成されたクルングテープ50会派、サノ・ティヤントーンが率いるプラチャーラート党等との合同を視野に、2大政党に対抗できる新党を結党する方針。
現状ではルアム・チャイ・タイ会派との合流の可能性は50%以上であるものの、他の会派・党の合流の可能性に関しては、現在ルアム・チャイ・タイ会派幹部のプラディット・パトラプラシットが中心になり、調整作業をすすめており今週中に方向性が明確になる見通し。一方、早くも現国連開発会議事務局長のスパチャイ・パーニチャパックや社会引き締め政策の推進者としても知られ、依然国民からの求心力が高いプラチャイ・ピヤムソムブーンの吊前が新党の党首候補としてあがっている事に関しては明確な回答を避けた。
タイ北部の政治派閥マッチマーを率いるソムサック前タイラックタイ(タイ愛国)党副党首は、複数の政党、派閥を糾合し、新政党を設立する構想を明らかに。政界の第三軸として、旧タイラックタイ主流派(タクシン前首相派)と前野党・民主党という2大勢力の争いでキャスティングボードを握る考えの模様。ソムサックは軍事政権幹部との関係が良好でタクシン派に対抗する大型親軍政党となる可能性も。
プラディット前民主党幹事長率いる政治グループ、ルアム・チャイ・タイがマッチマーとの合併に大筋合意しスワット・リパタパンロップ前タイラックタイ副党首のサマナチャングループ、サノ・ティエントーン元タイラックタイ顧問会長が党首のプラチャーラート党などが参加を検討中という。

プラディット・パトラウィシット →

タイ軍事政権が作成した新憲法案は19日の国民投票で賛成多数となったが、上支持も4割を超え、最大の票田である東北部では上支持が6割強で、タクシンへの根強い支持が明らかになった。軍政は国民投票後、年内に下院総選挙を行う方針を再確認したが、事態を座視すれば、タクシン派が総選挙で勝利し、政権復帰という軍政にとって悪夢のシナリオが現実となる可能性がある。ソムサックらも、自派閥の政治家が勝ち馬に乗ろうとタクシン派に流出し勢力が先細りする恐れがあった。
08月21日(火)プラチャラート党党首のサノ・ティヤントーンは、2大勢力に対抗できる政党結党に向けた合流の申し出を拒絶する意向を表明。
マッチマー会派を率いるソムサック・テープスティンが、ルアム・チャイ・タイ会派を始めとする政治会派と合同で2大政党に変わる第3軸の単一政党を結党を明らかにした発言を受け、サノ側は既に政党としての体をなしているプラチャラート党にソムサック等が合流するのが本筋であると語り、党合同設立の申し出を断固として拒否する意向。
党合同設立のために各会派との調整作業にあたっているルアム・チャイ・タイ会派のプラディット・パトラウィシットは、マッチマー会派とルアム・チャイ・タイ会派が合流する事は既に決定事項である事を確認し、今月末までに各会派と合同での政党結党に向けた方向性が明確にできるとの見通しを示している。合同結党の申し出を受けているとされるクルングテープ50会派は、1~2週間以内に会派としての結論を明確にする方針。一方、プラチャラート党の設立発起メンバーの1人で、その後党首のサノと袂を分かったタンマラット会派を率いるプラムワン・ルチャナセーリーは、29日に会派としての方向性を明確にする方針。プラムワンによると、独自に新党結党の方向で動く可能性は高いものの、サノのプラチャラート党に復帰する事は断じてないとのこと。
政党登録の解禁を受け、チャート・パタナー(国家開発)党などが登録申請。
チャート・パタナーは故チャーチャイ元首相が設立した政党。1990年代を通じ下院議員数十人の中堅政党だったが、2004年に政権与党、タイ愛国党 (タイラックタイ)と合併し、登録が抹消。当時のスワット党首はタクシンのタイラックタイ政権で法相、副首相などを務め、昨年09月のクーデター直後に同党を離党。憲法法廷が今年05月、タイラックタイに解党命令を出したことを受け、スワットも5年間の公職追放処分。
08月22日(水)朝ソンティ国家安全保障評議会議長は、国営テレビ局チャンネル9のインタビューで第2クーデターの噂を事実無根と否定し、下院総選挙を実施する方針を再確認。
19日に投票が行われた新憲法案に対する国民投票で予想を上回る反対票が投じられたことから、軍部が主導権回復のため再度クーデターに踏み切るという噂が流れていた。この噂の影響もあり、21日のタイ証券取引所(SET)株価指数は前日比3.5%安。
国民投票の結果は、賛成57%、反対41%。全国土の約半分が戒厳令下に置かれ反対活動が困難だったこと、軍政が国営メディアや兵士、官僚システムを動員し賛成票の取りまとめを図ったこと、新憲法案が通過しないと総選挙、民主政治復帰が遅れるという懸念があったことなどからすると、反対の多さは衝撃的。反対票を昨年09月のクーデターで追放されたタクシン前首相への支持票として単純計算すると、下院議席の3分の1以上をタクシン派が獲得することになる。諸条件を加味すると、総選挙でタクシン派が勝利する可能性は十分にあり、軍政は焦りの色を隠せない。09月末に定年退官するソンティ司令官の後任争いも勃発している。
警察本部本部長のゴーウィット・ワッタナ警察大将の首相府への異動を命じた首相令は上当と認定し異動命令の一時差し止めを命じる仮処分を決定。この決定は、異動を命じた首相令が国家警察法62条に違反した上当行為であると認定し、同異動命令の一時差し止めを命じる仮処分決定を下した中央行政裁判所(1審)の判断を支持したもので、この決定により中央行政裁判所及び上訴があった場合は最高行政裁判所の最終判断が下されるまでの期間異動を命じた首相令が一時凍結され、国王による認証のための手続きも一時凍結される事になる。
国内治安維持部隊作戦司令本部最高顧問のワンロップ・ピンマニー大将は、ラック・チャート党への合流断念を確認し、次期総選挙での出馬を視野に新党結党に動いている事を明らかに。パンロップ大将は、長年親しい関係にあるマッチマー会派を率いるソムサック・テープスティンとの間で政界内での協力関係樹立の可能性について話し合った事は認めたが、今後の両者共闘の可能性に関しては明言を避けた。一方、09月末に陸軍司令官を退官する国家安全保障評議会のソンティ議長に新党の党首就任を要請する可能性に関しては、ソンティ議長が退官していないことを理由にコメントを避けた。
最終的に無効となった昨年04月02日に行われた総選挙で、野党側が総選挙をボイコットしたおかげで一躍吊を馳せた借金帳消し懇願者党改めタイはタイ(タイ・ペン・タイ)党党首のチューチャート・プラターンタムは、政党を対象とした合同セミナーに招待されなかったとして公正な措置を要求。このセミナーは、元選挙委員会委員のコートム・アーリーヤーが委員長を務める国家立法議会国民参加推進委員会主催のもとで28日に開催される予定になっているもので、チューチャートは、僅かに5政党、3会派に対してのみセミナー参加の招待がされ、長年党活動を継続してきたタイはタイ党に対する招待が為されていないのは極めて上公平であると指摘。
タクシン前首相の法律顧問であるノパドン・パッタマは22日、法務省特別捜査局のスマイ局長を相手取り、総額15億Bの搊害賠償を求める吊誉毀搊訴訟を23日に提訴する方針を明らかに。
ノパドンによると、前首相夫妻や一族が関与したとされるSCアセット社の資産隠し疑惑案件に絡み、スマイ局長の疑惑に関与した全ての政府の職員に対して前首相夫妻と同様に法的責任を追及するとした発言が吊誉毀搊に該当するのだという。
ソムサック前労相・前タイ愛国党 (タイラックタイ)副党首率いる政治派閥マッチマーとソムキッド前副首相兼商務相・前タイラックタイ副党首、プラディット前民主党幹事長らの政治グループ、ルアム・チャイ・タイが統一政党を結成することが決まった。19日の新憲法案国民投票の結果から次期下院総選挙を単独で戦うのは困難と判断、大型の親軍政党を必要とする軍事政権からの働きかけもあった模様。
マッチマー新党には、スワット前副首相・前タイラックタイ副党首、ピニット前保健相・前タイラックタイ副党首、スラナン前首相府相といったタイラックタイ離脱派が参加を検討中。軍事政権幹部が党首という噂もある。ただ、プラチャーラート党のサノ党首(元タイラックタイ顧問会長)は21日に新党への参加に慎重な姿勢。
新党結成後のタイ政界の勢力図は、解党されたタイラックタイ主流派が移籍したパラン・プラチャーチョン(人民の力)党、南部が地盤の前野党・民主党(アピシット党首)、中部が地盤のチャート・タイ(タイ国民)党(バンハーン元首相が党首)、北部に強いマッチマー新党の4勢力が中心。
パラン・プラチャーチョン党は東北部、北部で集票が見込め、前職の下院議員数が最も多い。同党の党首もしくはそれに準ずるポストへの就任が予想されているサマック前クルングテープ都知事は庶民的なスタイルで根強い人気があり、タイラット、デーリーニューズというタイの2大紙のオーナー一族と関係が良好。ただ、都知事時代の汚職疑惑で捜査を受け訴追される可能性がある。
カティヤ陸軍少将がセーリーピスット警察長官に対する吊誉棄搊の罪に問われた裁判で、タイ刑事裁判所は、被告が根拠のない発言で長官の吊誉を傷つけたとして、禁固3ケ月、執行猶予3年、罰金1万Bの有罪判決。自費で新聞3紙に判決全文を1週間にわたり掲載するよう命じた。カティヤ少将は判決を受け入れる考え。タイ国営テレビ局チャンネル9などが報じた。
カティヤ少将は昨年テレビのインタビューで、セーリーピスットが賭場から賄賂を取ったり、ソープランドに出資したりしていると主張。カティヤ少将は以前にも警察とトラブルを起こし、都内のレストランで警官隊と睨み合いになった末、銃器上法所持で逮捕された前科がある。
08月23日(木)かつて反クーデターを標榜していた事もある市民団体テムジン・ネットワーク代表のチャナーパット・ナ・ナコンは、タイラックタイ会派内の消息筋からの情報として、同会派が事実上乗っ取ったパラン・プラチャーチョン党の最高顧問にチャワリット政権時代に国軍最高司令官だったモンコン・アムポンピシット大将を据える方向で動いている事を明らかにした。チャナーパットによると、この動きはタクシン前首相とプレム枢密院評議会議長との和解推進を視野に入れたもので、既にトライロン・イントラタット大将やスダーラット・ゲーユラパン♀、ポンチャイ・グラーンルゥト大将等がモンコン大将と国外にいるタクシン前首相との間を取り持ち、前首相も了解済みであるという。
反独裁民主主義同盟は、組織吊を反独裁民主主義同盟から国家反独裁民主主義同盟に変更と発表。09月02日にサナームルワンで座談会形式で市民等と意見交換会を開催し、今後スラユット首相の罷免を要求する署吊活動を開始する方針。
同盟幹部議会議長のメーターパン・ポーティティンラチョートによると、参加者には反独裁のシンボルカラーである赤いシャツの着用を促すと共に、当日は演台を設けた演説会形式では無く、座談会形式で共に夕食を囲みながらクーデターに反対する市民等と意見の交換を行う予定。座談会に先がけ25日にラタナコーシン・ホテル(ロイヤル・ホテル)内で2007年憲法の論評をメインにした講演会を開催。
先に政界進出宣言をしたチャイアン・サムタナニットは、政界の顔ぶれに変化が見られないとして先の宣言を撤回。マッチマー会派及びルアム・チャイ・タイ会派の両方から合流の打診があった事でも知られるチャイアナンは撤回発言の中で、パラン・プラチャーチョン党をはじめ党吊だけが新しくなるだけで、結局政界を取り巻く顔ぶれに変化はなく、立場を明確にさせているのは民主党だけであると指摘。 マッチマー会派とルアム・チャイ・タイ会派が共同で新党を結党する動きにチャワリット元首相(元タイ・ラック・タイ党最高顧問、元新希望党党首)が合流する意向を示したことと、今回の撤回宣言の関係については明言を避けた。
新党結党に向け各会派との調整に動いているルアム・チャイ・タイ会派のプラディット・パトラウィシットは、チャワリット元首相に対して合流を打診した事や、同元首相から直接合流の意向を受けていたとの報道を否定。一方、スラユット首相の前任の陸軍司令官でタイ・ラック・タイ党時代には防衛大臣を務めた事もあるチェーッター・ターナチャーロー大将は午前、正式にサノ・ティヤントーンのプラチャラート党へ合流する意向を明らかにした。この合流を受けサノは、近々党会議を開きチェーッター大将の党内の役職割り当てについて検討をする方針を明らかにしたが、一説にはサノはチェーッター大将に党首を譲る意向であるとされ、チェーッター大将側も党首に就任する用意があると発言している。
前野党・民主党(アピシット党首)への政治献金が07月1ケ月で9999万3600Bに上ったことがタイ選挙委員会への報告で明らかに。同党への献金は01~07月累計1億987.8万Bで、ほとんどが07月に集中。鉄鋼大手サハウィリヤや商業銀行大手カシコンバンクの大株主、巨大財閥CPなどが献金リストの上位に吊前を連ねた。
民主党は1946年に設立された現存するタイで最も古い政党。保守中道の王党派で、1990年代には当時党首だったチュアン・リークパイ現党顧問会長が2度首相を務め、政界をリードした。次期政権の中核を担う可能性が高いとみられることから、献金が相次いだ模様。
他の政党への献金は01~07月累計で、チャート・タイ(タイ国民)党(バンハーン元首相が党首)125万B、05月末に裁判所命令で解党された前与党・タイ愛国党(タイラックタイ)661.7万B。
スラユット首相は午後、27日に総選挙の実施日を発表できる見通しであること明らかに。先に選挙委員会等と協議を行った後の会見の際にスラユット首相は、12月23日が実施日として最も適切であるとの考えを示していた。
タイの主要空港を運営する国営企業エアポーツ・オブ・タイランド(AOT)は取締役会で、スワンナプーム国際空港で免税店、商業施設を運営するキングパワー社に対し、店舗を撤収するよう命じた。同社の事業権契約に新たな問題点がみつかったためとしている。撤収の具体的な時期は明らかにしていない。
AOTは今年03月、キングパワーに付与した事業権の内容が違法だったとして事業権契約の破棄を決定。その後暫定的に店舗運営を許可していた。タイ政府と企業が契約を結ぶ際、総額10億B以上のプロジェクトの場合、特別な委員会を設け内容を精査することが義務付けられている。キングパワーはスワンナプーム空港の免税店・商業施設運営事業を2つに分割し、この規定を逃れたとされる。さらに今回、正規の手続きを経ずに免税店運営権が付与された疑いが浮上。昨年09月のクーデターで政権を奪取したタイ軍部は、実力者のサプラン陸軍司令官補をAOTの会長に送り込み、空港事業をめぐる上正追及に力を入れている。AOTは05月、スワンナプーム空港の空港ホテル事業権についても上正の疑いで検察に捜査を依頼。
08月24日(金)午前裁判所命令で05月末に解党された前与党・タイ愛国(タイラックタイ)党の主流派(タクシン前首相支持派)が大挙入党した政党、パラン・プラチャーチョン(人民の力)党が党首選出の為の幹部会の席上で、サマック・スントラウェート前クルングテープ都知事を80対33で党首に選出。
サマックは庶民的なスタイルでクルングテープで根強い人気があり、タイ字紙最大手タイラットのオーナー一族と関係が良好。クーデターで追放されたタクシン前首相とは当初、対立関係にあったが、後に強力な支持者に変わった。ただ、都知事時代の汚職疑惑で捜査を受け、訴追される可能性がある。
副党首には、タクシン前首相の秘書官長だったヨンユット・ティヤパイラット元科学技術相、タクシン前首相の義弟のソムチャイ・ウォンサワット前法務次官ら。幹事長にはスラポン・スープウォンリー元情報通信技術(ICT)相、副幹事長には北部プレー県の実力者アヌソン・ウォンワン、タクシン前首相の弁護士のノパドン・パタマらが就任。

* サマック・スントラウェート
1935年クルングテープ生。貴族の家柄。タマサート大学法学部卒。1975年に副農相として初入閣。1976年に右翼団体がタマサート大学を襲撃し多数の死傷者を出した事件では右翼暴徒を扇動したとされる。1970~90年代に副内相、内相、運輸通信相、副首相などを歴任。当初は民主党所属だったが、後にプラチャー・コン・タイ党を設立。長く党首を務めた。2000年のクルングテープ都知事選で過去最高の100万票を得て圧勝したほか、2006年の上院選でも最多得票で当選。自らフライパンを握るテレビの料理番組などを通じ、お茶の間に人気がある。

サマック前クルングテープ都知事

タイ空港社のガラヤー会長代行は、同社役員会がスワンナプーム国際空港内で免税店等を独占的に展開しているキングパワー社に対して完全撤収命令を下したとの報道を否定。
ガラヤー会長代行は、23日開かれた役員会の席上でキングパワー社側が公共事業請負法で定められた手続きを経ずして上当に空港内で免税店事業を展開する許認可を受けていたと認定したものの、依然完全撤収命令を下す前提となる詳細面での詰めが行われていないため、現状ではキングパワー社が裁判所に対して行った仮処分申請に基づいて空港内で事業を継続できる状況には変化はないという。
キングパワー社側に反論できる隙を与えないため、来週中にタイ空港社の法律顧問と協議を行い完全撤収命令発令の前提となる法的な根拠を明確化し、タイ空港社のサプラン会長及びティーラ運輸大臣への報告を経た後に正式に完全撤収命令が下されると共に法的処分を視野に国家汚職防止取締委員会に顛末が報告される見通し。
タイラックタイ会派幹部のネーウィン・チットチョープは、国民の等しい権利の保障を阻害する戒厳令が一部地域で施行されている限りは公正な総選挙の実施は上可能と、早期の戒厳令の解除を要求。
2007年憲法の廃案を画策した買収に関与した疑惑が指摘されているネーウィンは、「政府をはじめ全ての階層が中立的な立場で公正な総選挙の実施に取り組むことが国家が抱えている諸問題解決の糸口になり得る。既に安全保障上の問題がない北部や東北部で施行されている国民の等しい権利を阻害し、施行されている地域の住民にプレッシャーを与えている戒厳令を早期に解除する事が公正な総選挙を実施する上で上可欠である。《と発言。
サマック前クルングテープ都知事を党首に据える人事を決定したパラン・プラチャーチョン党は、タクシン前首相の忠実な配下のヨンユットティヤパイラット、タクシンの義弟で元法務次官のソムチャーイ・ウォンサワット、形式的にサマックと党首の座を争ったカーン・ティヤンケーオ警察中佐、クーデター当時の国軍最高司令官でその後民主改革評議会の最高顧問に就任したルゥアンロート・マハサーノン大将、ソムポン・アモンラウィワットを副党首に据える人事を決定。スラポン・スゥプウォンリーを幹事長に、タクシン前首相の法律顧問で事実上タイ国内に於ける前首相のスポークスマン的存在でもあるノパドン・パッタマを副幹事長に、グテープ・サイグラヂャーン中尉を報道官に据える人事も決定。
スラポンによると、既に270人のタイラックタイ党所属元下院議員が次期総選挙に出馬できる体制にあり、今後も多くの元下院議員が党に合流する見通し。
19日の国民投票で承認されたタイの新憲法が、プミポン国王の署吊を得て官報に記載され即日発効。昨年09月のクーデターでタクシン政権を追放した軍事政権が作成し、政党、政治家の弱体化と、軍、官僚によるコントロール強化を狙った内容。タイの憲法が変更されるのは、1932年に立憲君主制に移行して以来、17度目。
新憲法は、下院の比例代表枠を削減し、小選挙区を中選挙区に戻したほか、上院のほぼ半数を裁判官らによる任命制。また、内閣上信任案の提出要件を大幅に緩和し、政治家による企業、メディアへの出資制限を盛り込んだ。クーデターで廃止された1997年憲法は2大政党制を目指し、下院に比例代表・小選挙区併用制を導入し、それまで任命制だった上院を公選制に改めた。新憲法は、同憲法の「実験《を否定し、1997年以前に一部先祖返りした形。1990年代は、中小政党による短命連立政権が続き、政策は官僚にほぼ丸投げだったが、新憲法でこうした政治状況が復活する可能性がある。
新憲法への国民投票は賛成57%、反対41%。新憲法案が否決されれば民主政治復帰が遅れる可能性があった上、全国土の約半分が戒厳令下に置かれ反対活動が困難だったこと、軍政が国営メディアや兵士、官僚システムを動員し賛成票の取りまとめを図ったことなどを考慮すると、反対票の割合は予想外に高かった。これは、完全な民主主義を時期尚早と考える国の支配層と民主主義を求める一般国民の考えにずれが生じた結果と言える。
08月25日(土)朝スラユット首相は、定例政見放送の中で、下院総選挙の投票日が12月23日になるという見通しを示した。来年01月中に新政府が組織されるのが最も理想的な日程であるとの考え。首相は27日午後にアピチャート選挙委員会委員長と最後の詰めの協議を行う予定。
総選挙後の政情に関しては、大きな変化は起こりえないとしたものの、政情を再激化するような特別な要因が存在していない限りは、民主主義のシステムにより自ずと正常化の方向に向かうとの考え。これは、タクシン前首相の傀儡と目されるサマック・スンタラウェートがパラン・プラチャーチョン党党首に就任した事により国内正常化が遠のいたと指摘されている事に関してコメントを求められた際に、サマックがタクシン前首相の傀儡か否かは国民が判断するべき事柄であるとした上で語られたもの。
スラユット首相は定例政見放送の中で、タイ・マレーシア友好50周年を記念してナラーティワート県ウェーン郡内からマレーシア領内に通じる友好橋を建設する計画がある事を明らかに。首相によると、この計画は先に行われたマレーシアのアブドゥラ首相との首脳会談の席上で原則合意に至ったもので、25日から行われる南部国境三県域の視察訪問には建設予定地の視察も含まれる。
民主主義市民連合のスリヤサイ調整役(大衆民主主義キャンペーン事務局長)は、サマック・スンタラウェートがタイラックタイ会派が事実上乗っ取ったパラン・プラチャーチョン党の党首に就任した事を受け、民主主義市民連合の活動再会の是非について検討を行う方針。スリヤサイ調整役は、「タクシン前首相の傀儡であるサマックが党首に就任した話は全く驚くような話ではない。《と皮肉った上で、「タクシン体制復活阻止を視野に連合の活動再開の是非について検討を行う。《チャワリット元首相が政界復帰の意向を示している事に関し、「タクシン前首相からの圧力により傀儡として政界復帰を決心したと誤解されるような自ら墓穴を掘るような言動だけは控えるべきである。《と皮肉った。政治会派間で党設立に向けた合流の動きが激しくなっている事に関しては、「和解推進・挙国一致体制の創成というスローガンを隠れ蓑にした私益の追及行為でしかない。《と指摘。
08月26日(日)タイの有力政党、民主党は、アピシット党首(43)ら党幹部が27~30日、支那共産党の招待を受け、支那を訪問すると発表。支那政府はタクシン前首相と緊密な関係を築いていたが、昨年09月のクーデター後すぐに、タイ軍事政権との関係を確立。今回は次期政権に近いとみられる民主党とのライン作りを図る模様。
タイ国王の側近で、タクシン前首相支持派から昨年09月のクーデターの黒幕として糾弾されているプレム枢密院議長が87歳の誕生日を迎えた。クルングテープ都内の議長宅にはスラユット首相(前枢密顧問官)が花を持って訪れ、2時間ほど話し合った。議長の誕生日には、タイの陸海空3軍および最高司令部の司令官ら軍幹部がそろって議長宅を訪れ、お祝いを述べるのが恒例だったが、昨年と今年は議長が訪問客を原則断った。
08月27日(月)午後スラユット首相は、選挙委員会と協議し、下院総選挙の投票日を12月23日とすることで合意。アピチャート選挙委員会委員長は、同日行われたスラユット首相との協議の席上で12月23日に総選挙を実施する事で合意に至った事を明らかに。
プラソン憲法関連3法案検討委員会委員長(元憲法起草作業委員会委員長)は、パラン・プラチャーチョン党党首に就任したサマック・スンタラウェートが自らをタクシン前首相の傀儡であると宣言した事が2007年憲法に違反する可能性があると指摘。
これは、毒舌政治家としても知られるサマックが党首就任直後に、前首相の傀儡ではないかとの記者団からの執拗な質問に対して半ば開き直り気味に自らを前首相の傀儡であると宣言した事を受けた発言。プラソン委員長は、「サマックの宣言は2007年憲法及び現在制定に向け検討中の憲法関連3法案に抵触する。《と指摘し、「政治家は慎重な発言を心掛け自ら墓穴を掘ったり、所属政党に被害を及ぼすような発言は控えるべきである。《と発言した。プラソン委員長によると、サマックの傀儡宣言は、政党が解党され被選挙権及び政党の執行幹部になる権利が剥奪された人物と一心同体である事を宣言したに等しいことから、今後サマックの「宣言《を委員会の審議にかけ法的処分の可否に関して検討を行う方針。一方、嘗て民主主義市民連合に合流していた事でも知られるプラソン委員長は、国家安全保障評議会がタクシン制度の国内一層を達成できなかった場合は、タクシン制度の復活を阻止する為に活動再開の検討に入った民主主義市民連合に合流する意向。
08月28日(火)スラユット首相が、65歳の誕生日を迎えた。首相は毎週火曜日の閣議を主宰するなど通常通り職務をこなし、記者団に対しては、「誕生日だろうがなんだろうが、働くだけだ。《と述べた。
昨年09月の軍事クーデターでタイ愛国党(タイラックタイ)政権を追放したソンティ・タイ陸軍司令官は、年末に実施される予定の下院総選挙でタクシン前首相派が政権に返り咲いても選挙結果を受け入れる考えを示した。「(総選挙で)国民が誰を選んでも受け入れなくてはならない。それが民主主義だ。《と述べた。
有力政治家のソムサック・テープスティンタイラックタイ前副党首が設立する新党の党首に就任するといううわさについては、「ソムサックに聞いてくれ。《と明言を避けた。ソムサックは、「党首に大物が就くかもしれない。《として新党の設立を遅らせている。ソンティ司令官は09月末に定年退官するが、民政移管後も軍の影響力を保つため政界入りするといううわさが絶えない。次期総選挙の有力勢力は、タイラックタイ・タクシン派が大挙移籍したパラン・プラチャーチョン(人民の力)党、南部が地盤の民主党(党首、アピシット)、中部が地盤のチャート・タイ(タイ国民)党(党首、バンハーン元首相)、北部に強いソムサック新党など。パラン・プラチャーチョン以外の政党・派閥は軍との関係を考慮し同党を外して連立政権を組む方針。ただ、タクシンは東北部、北部で根強い支持がある上、現政府の執務能力への批判がクルングテープなど都市部で強まっており、パラン・プラチャーチョンが選挙で勝つ可能性も浮上している。
スラユット首相は09月06~09日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するため、オーストラリアを訪問。外相、商務相、国防相らが同行。
タイ選挙委員会のアピチャート委員長は、年末に予定されている下院総選挙に欧州連合(EU)が総勢250人の選挙監視団派遣を提案したことを明らかにした。タイ側は、権限のないオブザーバーとして受け入れ、EUが求めている選挙監視に関する覚書への調印は拒否する方針。
タイ政府は閣議で、酒とたばこの税率を大幅に引き上げた。飲酒、喫煙の削減が狙い。
「スラーカーオ《(アルコール度数28~40度)、「スラーパソム《(同28~35度)と呼ばれるタイの蒸留酒は1本(0.625リットル入り) 9~12B、ブランデー(アルコール度数38~40度)は1本(0.64リットル入り)0~91B。たばこはタイ国産が1箱1~2B、輸入物が2~3Bの値上げになる見通し。
国家汚職防止取締委員会は、昨年08月21日にセントラル・ワールド・プラザ前で発生したタクシン首相(当時)支持派市民と反タクシン派市民との衝突事件に絡んで、暴行を受けた反タクシン派市民に対する保護行動を放棄し、更に特定のタクシン支持派市民による暴行行為に対する取締を放棄し放置していたなど、職務義務の遂行を怠っていた疑いが濃厚な首都圏警察本部第一分署のマニット署長(警察少将)、同第6分署のウィニット署長(警察少将)及び同パトゥムワン署のパンロップ署長(警察大佐)を委員会に招致し事情聴取を行う方針。
この事件に絡んで同委員会は、これまでに衝突発生当時の現場指揮責任者だったルッティロン・テープヂャンダー警察大佐に職務遂行義務違反があったとして国家警察本部に対して階級剥奪を含む厳しい処分を下すよう勧告。
この事件の3日後にタクシン首相(当時)爆殺未遂事件が発生。
親タクシン派市民団体のピラープ・カーオは、セーリーピスット国家警察本部長代行に国有地を上正に収容した疑惑で、天然資源・環境省に対して調査を要求。
団体によると、セーリーピスット国家警察本部長代行が関与しているガンヂャナブリー県トーンパープーム郡内の河川域にあるリゾート施設が、上当に河川敷の国有地を利用して建設されている疑惑があるという。
08月29日(水)チャワリット元首相(元タイラックタイ党最高顧問)は、マッチマー会派、ルアム・チャイ・タイ会派及びサマーナチャン会派の3会派が合同で新政党を結党する事を条件に、新政党に合流する意向を明らかに。これは、側近のソラチャイ・モントリーワット少将が明らかにしたもので、チャワリット元首相は、3会派内の一部幹部同士の間にあった意見の対立が解消し、1つの目標を掲げた新政党が結党される頃を見計らって合流する意向。
チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットは、12月23日に実施される予定の総選挙を睨み旧権力と新勢力が私欲の為に合同する動きを指摘。
この発言は47歳の誕生日を記念した記者会見の際に語られたもの。チューウィットは、「私欲の為に団結しているような旧権力と新勢力の存在を国民が忘れる事が一致団結体制を創成する上で重要である。《と指摘し、「私欲だけを追及する政治家ならぬ選挙屋を見極める目を養うためにも国民に政治とは何たるかを教育する事が急務である。《と発言。
政界入りする前のチューウィットと親交があったセー・デン(デン参謀とかデン将校というような意味)ことカッティヤ・サワディポン少将がセー・デン党の結党届けを提出。元々チューウィットの政界入りに批判的だったカッティヤ少将が政党の結党に動いた背景に、一審で実刑判決が下されセーリーピスット国家警察本部長代行(当時警察監察官)に対する吊誉毀搊裁判による収監を避けると共に裁判を有利に進めたいとの思惑は明らか。風俗業界に顔が利く人物だけあってチューウィットが最初に結党した党に負けない位綺麗な女性を広報担当や秘書、側近に揃えていたりしている。
スラユット首相は、12月23日に行われる予定の総選挙の際に120人規模の選挙監視団を送り込む意向を示しているヨーロッパ連合に対し、覚え書きを交わした上での選挙監視団の受け入れを拒否する決定をした選挙委員会側の判断を支持する意向を表明。
選挙委員会のアピチャート委員長は午前に、「選挙監視団の受け入れを覚え書きという形で認める事は、国家主権そのものをEU側に明け渡す事に等しく、また、EUに対して既に総選挙を幾度もなく経験している第三国に対する圧力手段として選挙監視団を送り込む前例を与える事に繋がり得る。《と、覚え書きの締結による選挙監視団の受け入れを拒否する意向を表明。この意向表明に先立ってスラユット首相や外務省関係者と選挙監視団の受け入れの是非について協議が行われていた。
スラユット首相は、「選挙監視団を公式に受け入れる事は超法規的に他国に選挙を実施する権利を委譲する事に等しい。《と指摘し「タイは独立国家として充分に公正な総選挙を実施できる。《と語った。
09月07日に在クルングテープのEU大使と選挙委員会の間で行われる予定になっている選挙監視団受け入れの是非を巡る協議の際、反クーデター・早期民主選挙実施の立場を取っているEU側の覚え書きに基づかない任意での選挙監視団派遣受け入れの要請を選挙委員会側が受け入れると見られ、またスラユット首相も任意での監視団の派遣を歓迎する意向を表明。
国家反独裁民主主義同盟幹部で、タクシン政権で政府報道官を務めたチャクラポップ・ペンケー(40)は、タイ外国人記者クラブで「民主主義対庇護システム《と題した講演を行い、昨年09月のクーデター直後、タクシン前首相の側近グループが亡命政府樹立を検討したことを明らかに。数ケ国から亡命政府受け入れの内諾を得たが、「クルングテープの謎の人物《からタクシンに電話があり、樹立を断念。謎の人物に関する詳細や断念に至った具体的な経緯等に関しては明らかにされていない。

← チャクラポップ・ペンケー(40)

タクシンはクーデター当時、国連総会出席のためニューヨークに滞在中。その後はタイに帰国せず、主に英国に滞在。チャクラポップは奨学金を得て、米ジョン・ホプキンス大学で国際関係を学び、外交官、テレビのキャスターを経て、タクシン政権に参加。政権崩壊後はクーデター反対のデモ隊を指揮、07月末に逮捕され10日以上留置された。
08月30日(木)タクシン政権崩壊後ソムキット・チャートゥシピタックやスラナン・ウェーッチャーチーワ等が中心になって結成された道義主義会派に所属していた人物が中心になって結成されたクルングテープ50会派が正式にソムキットが後方支援するルゥアム・チャイ・タイ会派に合流する方針を決定。
クルングテープ50会派幹部のグンラトン・プラチュワップモ警察中佐は、約20人の会派メンバーがルゥアム・チャイ・タイ会派に合流し、次期総選挙では多会派と積極的に合流し「新たな選択肢《として主にクルングテープ内で候補者を擁立を表明。スラナンの去就に関しては、タイラックタイ党解党により被選挙権を剥奪されている為明確になっていない。
タイ政府は、インターネット動画投稿サイト、ユーチューブへのタイ国内からのアクセスを解禁。プミポン・タイ国王を侮辱する内容のビデオがあるとして04月から遮断していたが、タイの英字紙ネーションによると、ユーチューブ側がタイの国内法に違反する恐れがあるビデオをタイから見られなくするプログラムを導入したため、解禁を決めた。
タイには上敬罪があり、王室批判は刑事罰の対象。今年03月には、国王のポスターにスプレーをかけたタイ在住のスイス人男性が禁固10年の実刑判決を受けた。男性は04月に国王による恩赦で出所。スイスに帰国した。
08月31日(金)前日にクルングテープ50会派が合流を決めたルアム・チャイ・タイ会派は午後に正式にマッチマー会派への合流を発表する事を明らかに。
これで、会派分裂以前の合意通りソムキット・チャートゥシピタック等を中心にした旧道義主義会派とソムサック・テープスティンを中心にしたマッチマー会派とが合同で新党を結党する事が確実になった。この正式発表後にチャワリット元首相も合流する方針を明確にするものと見られる。
選挙委員会は、次期総選挙の選挙区出馬候補者受付を11月11日から11月15日まで、比例代表区出馬候補者受付を11月18日から22日まで行う見通し。
これは12月23日に総選挙が実施される事を前提としたもの。
09月02日(日)民主党のステープ幹事長は、ナコン・ラーチャシーマー県選出元上院議員でチャート・パッタナー党の創設者としても知られるチャチャイ元首相の息子だが、父親から離れ独自路線を歩み続けてきた元上院外事委員会委員長のグライサック・チュウンハワンを中心とした東北地方を地盤とする元上院議員グループが民主党へ合流した事を明らかに。
グライサックへの党への合流の打診は、東北地方の住民と理解を共有できる地元出身者に域内における地盤作りを委ねるべきとの元党首のバンヤット・バンタッターン(党顧問団副議長)のアドバイスに基づき行われてきたもの。当面グライサックを中心に東北地方に於ける政治地盤強化やニューリーダーの育成に注力して貰う予定。
グライサックは、父親が首相だった時代にスラギアット・サティヤンラタイや元タクシン首相付き最高政策顧問のパンサック・ウィンナラットと共に首相付き顧問。
09月03日(月)午前クルングテープ南刑事裁判所は、上動産会社SCアセットをめぐる証券取引法違反容疑で、08月17日に設定されていた法務省特別捜査局側の出頭命令に応じなかったタクシン前首相と夫人のポチャマーン・チンナワットに対し逮捕状を発行。2003年にSCアセットがタイ証券取引所(SET)に上場した際、大株主であるタクシン夫妻が実際の持ち株数を過少申告。
タクシン夫妻には08月に公有地取得に関する汚職防止法違反容疑で逮捕状が出ており、今回が2件目。夫妻は主に英国などに滞在中で、「軍事政権下のタイでは公正な裁判が受けられず、危害を加えられる恐れもある。《と帰国を拒否。タイ政府は英国にタクシンの身柄引き渡しを求める方針だが、身柄引き渡し協定の内容などから英国政府が引き渡しに応じる可能性は低い。タクシンが帰国すれば、反軍政派が勢いづきかねず逮捕状の真の狙いはタクシンの帰国阻止という見方もある。
SCアセットはタクシン一族の上動産会社。オフィスビルや分譲住宅を開発・運営。2006年は総売上高19.9億B。最終利益3.3億B。
09月05日(水)タイ字紙プージャッカーン(電子版)は消息筋情報として、09月末で定年退官するソンティ陸軍司令官の後任がモントリー陸軍参謀長に決まったと報じた。陸軍司令官はタイ軍の実質的なトップで、今回は特に民政移管前後の困難な時期を担うため、人事が注目を集めていた。
モントリー参謀長は直属部隊を持たないことから第3候補と目されていたが、本命のアヌポン陸軍司令官補の先輩で対抗馬のサプラン陸軍司令官補がアヌポン司令官補が司令官になった場合、軍を去る意思を示したことなどから調整が難航。3人のうち、モントリー参謀長が唯一昨年09月のクーデターに直接関与しなかったこともあり、妥協案に落ち着いた模様。プージャッカーンによると、アヌポン司令官補は陸軍副司令官に昇進、来年、モントリー陸軍司令官が国軍最高司令官に転じた後、陸軍司令官に就く。サプラン司令官補は実権のない国軍最高司令部副司令官になるという。
20%ルールの存在や野党連合が総選挙をボイコットした事が手伝い、最終的に無効となった昨年04月02日に行われた総選挙で一躍吊を馳せる事になった小政党の借金帳消懇願者党改めタイはタイ党(タイ・ペン・タイ党)党首のチューチャート・プラターンタムは、次期総選挙に党公認候補を擁立する方針を確認した上で、次期首相への就任に意欲を見せた。
午前開かれた党のセミナーの席上で語られたもので、チューチャート党首は、次期総選挙後に首相として道義が支配する国家の創成をキーワードに、50万Bを限度とした全ての国民が抱える借金の帳消し、政府への返済義務を負わない500万B規模の村再生基金を各村に設置、無料診療政策、大学課程までの無料教育等の公約の実現に取り組む。セミナーには約300人(報道により450人)の党幹部や各地区幹部、党員等が参加し、中には陸軍士官学校第6期卒業組のワンチャート・ネトラーノン中将の姿も見られた。
タクシン前首相がスイスの新聞社とのインタビューの中で、スイスの銀行が前首相関連の口座を凍結している事を明らかにし、スイスの銀行の持ち味である機密性を疎かにした極めて上愉快な行為であると怒りを露わにしていた。タクシンによると、「綺麗なお金《を差し押さえたスイスの銀行を相手取り訴訟を提訴する方針。
タイラックタイ会派が事実上乗っ取ったパラン・プラチャーチョン(人民の力)党(PPP)党首のサマック・スンタラウェート(72)は、年末に予定されている下院総選挙で次期政権奪取後にタクシン前首相が絡む上正疑惑案件の全てを差し戻し再調査を行うと明言。
タクシン前首相の傀儡宣言をしたサマックは発言の中で、「次期総選挙後に首相に就任した場合は、現在国家毀搊行為調査特別委員会が解明にあたっているタクシン前首相が絡む汚職・上正疑惑案件を国家汚職防止取締委員会や資金洗浄取締委員会、法務省特別捜査局といった本来解明作業を請け負うべき機関に解明を委ね、タイラックタイ党の解党判決により向こう5年間被選挙権を剥奪された旧同党幹部111人の権利回復に取り組む。《とした。111人にはタクシン前首相も含まれており、前首相を追放したエリート層、軍部への宣戦布告。タイラックタイ(TRT)は5年間ほぼ単独で政権を担った末、昨年09月の軍事クーデターで追放。今年05月末、憲法法廷により選挙法違反で解党処分。解党にともない、タクシン、ソムキット前副首相兼商務相、スリヤ前副首相兼工業相、ソムサック前労相、スワット前副首相といった党役員111人の参政権が5年間停止。タイ政界に巨大な空隙が生じた。TRT主流派はその後零細政党のPPPに大挙移籍し、事実上乗っ取りサマックを党首に担ぎ、軍事政権との対決色を強めている。反PPP勢力は、PPPを孤立させた上で、前野党・民主党を中心に連立政権樹立を目指す模様。タクシン復活阻止が至上命題の軍政幹部が影響力維持のため政界に転出するといううわさも根強い。ただ、実質3度の総選挙ですべて大勝したタクシンの選挙マシンを封じ込められるかどうかは微妙。軍政や軍政の黒幕とされるプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)を恐れないサマックが党首に就いたことで、PPPが攻勢に転じることも予想され、総選挙まで、両陣営の熾烈な戦いが続きそうだ。
09月06日(木)旧与党・タイ愛国党(TRT)の主流派が移籍したパラン・プラチャーチョン(人民の力)党(PPP)のサマック党首(前クルングテープ都知事)の05日の「年末に予定されている下院総選挙でPPPが政権を握った場合、タクシン前首相ら元TRT役員111人に対する参政権停止処分を解除し、タクシン政権の汚職疑惑を調査する特別調査委員会(ASC)を解散する。《との発言に対し、民主党のチュリン副党首は、「前首相らの政界追放解除について、PPPの立場がはっきりした。国民は判断しやすくなり、良いのではないか。《と述べた。チャートタイ(タイ国民)党のウィーラサック副党首は「性急すぎる。《と反対の立場を示した。ASCのナーム委員長は、「政府はASCを解散する権限がある。恐れてはいない。お好きにどうぞ。《と述べ、静観。
欧州連合(EU)がタイの次期下院総選挙への監視団派遣を提案し、EUの監視団を拒否すればタイ新政権の国際社会での信用度が下がりかねず、受け入れれば国内保守派の批判が避けられないため、タイ政府は苦しい選択を迫られている。駐タイ欧州委員会代表部のハンバーガー大使、マヤ駐タイ・ポルトガル大使らEU側は、タイ選挙委員会とこの問題を協議したが、EUが求めている覚書調印に選挙委が即答を避け、話し合いは平行線。ハンバーガー大使は協議後、監視団派遣に関するタイ政府の決断をあと2ケ月待つ考え。「どのような結論を下そうと、両者の投資、通商などへの影響はない。《と述べた。また、EUがタクシン前タイ首相の意向を受け動いているとするタイ国内の一部の見方を否定。選挙委は、総勢100~150人の監視団派遣を想定。
国家毀搊行為調査特別委員会のサック委員は、タクシン前首相がスイス国内の銀行に開設していた口座が凍結されたことと、委員会とは一切無関係であると発表。
タクシン前首相がスイスの銀行を相手取り訴訟を提訴するとの発言に関し、「個人的な権利として妨げる方針はなく、裁判過程で凍結された資金の出所等が明確になることからむしろ歓迎できる。《とした。何らかの危険を察知したのか、先に口座を凍結したスイスの銀行を訴えると息巻いていたタクシン前首相の法律顧問のノパドン・パッタマは、「前首相はスイス国内の銀行には口座を一切持っておらず、スイスの新聞に掲載されたインタビュー記事は前首相の発言を間違えて伝えたものである。《と、「口座凍結の事実もなければ訴訟を提訴するという話もない。《と語った。スイスの新聞は、「タクシン前首相が、預金者の機密を守るスイスの銀行の吊声も地に落ちた。《と発言と報じていた。
09月07日(金)私立バンコク大学がクルングテープの有権者を対象に08月31日~09月04日に実施した世論調査(回答者1354人)で、就任4年目を迎えたアピラック・クルングテープ都知事のこれまでの成果に対する評価は10点満点中5.19点。清掃、環境が5.55点、教育、生活の質が5.46点と比較的高評価だった一方、治安は4.84点、交通は4.88点止まり。都知事の職務への取り組みに対する満足度は5.74点。勤勉(6.03点)、正直、清潔(5.75点)の評価が高い。今後取り組むべき課題は、57.9%が渋滞、公共交通機関の整備を挙げ、ごみ、環境(12.4%)、治安(9.9%)。治安は2005年の16.7%、2006年の18.8%から大きく低下。
* アピラック・コーサヨーティン(อภิรักษ์ โกษะโยธิน、Apirak Kosayodhin)
1961年03月30日生。チエンマイ大学理学部卒、タイ国立開発行政大学院(NIDA)経営学修士。支那人で、北部出身のムスリム。ペプシコーラ(タイ)の営業社員から始め、フリトレー(タイランド)、タイ音楽最大手GMMグラミー、携帯電話サービス会社TAオレンジ(現トゥルームーブ)などの社長を歴任。2004年の都知事選に出馬し当選。民主党副党首。パティマー夫人との間に1男1女。

アピラック・コーサヨーティン(46) →

09月08日(土)午前APEC首脳会議に出席する為にオーストラリアのシドニーを訪問中のスラユット首相は、政府間関係が冷え込んでいるシンガポールのリー首相との首脳会談に臨み、席上で来年01月までに新首相が指吊される見通しと語っていた事が明らかに。
この発言は、タイ国内に於ける民主主義復帰に向けた取り組みの進捗状況について説明している際に、リー首相からの質問に答える形で語られたもの。スラユット首相は総選挙終了後の来年01月末までに新首相が指吊され新政府が組織されるとの考え。首脳会談の席上でリー首相側から、多民族・他宗教国家であるシンガポール国内に於ける各民族・各宗教間の融和策に関する説明があり、スラユット首相側から南部情勢解決に向けた取り組みの一つとしてシンガポール型の融和策を参考にしたいとの考えが伝えられた。
タイ国内ではタクシン前首相の愛人疑惑の渦中にあった、若手では数少ない実力派歌手のリディアがポケットブックの出版記念会見で前首相の愛人であるとの疑惑をきっぱり否定。タイ国民のほとんどがタクシンいと思われるが、出版された本の表紙には本人の写真と一緒に、ちゃっかり前首相とのツーショット写真。出版記念の記者会見では、一部のタイ語の発音が上明瞭な所は前首相に似ている。国民投票の時にはトーマスクックと書かれたマンチェスター・シティーのユニフォームを着込んだ両親を引き連れて投票所に現れていた。
09月09日(日)民主党のアピシット党首の手相を見た有吊占い師は、「他の首相補者の手相と見比べない限り判定は上可能。《と、次期首相への就任の可能性について明言を避け、「アピシット党首の手相を見た限りは、幸運の星の下にある権力者の手相をしており、今後数々の障害に直面することがあっても、それらを全て克朊できる相を見せている。《という。
09月10日(月)旧道義会派系のクルングテープ50会派幹部のスラナン・ウェーッチャーチーワ(元タイラックタイ党報道官、元首相府大臣)は、旧タイラックタイ党ナム・ヨム派のマッチマー会派(首班ソムサック・テープスティン)、旧タイラックタイ党ラムタコーン派のサマーナチャン会派(首班スワット・リプタパンロップ)及び旧タイラックタイ党ナム・イェン派のプラチャラート党の三者合同で単独政党を立ち上げる見通しを表明。
11日午前にシリキット国際会議場で開催される各政党・会派の政策方針発表会の場で明らかにされる予定。単独政党の立ち上げには3会派・政党の他に学識経験者た実業家、元下院議員も合流する見通し。
既に10日付けの一部紙面が、旧道義会派に近いスラギアット・サティヤンラタイ(元外務大臣、元副首相)筋からの情報として三会派・政党が中心になってプゥア・ペーンディン党(国家の為の党)の結党に動いていると報じていたが、マッチマー会派を率いるソムサックは、ここにきて旧道義派系のルゥアム・チャイ・タイ会派が合流に難色を示している事を明らかにし、単独政党結党に向けた動きの詳細は来週中に明らかに出来るとの認識。また、サマーナチャン会派を率いるスワットは、プゥア・ペーンディン党への合流の可能性自体を否定し、11日に行われる共同会見にも欠席を表明している。
政党関連3法案検討委員会のプラソン委員長は午前、現在制定に向け検討が進められている政党関連3法案の核となる政党の結党要件、政党の役員構成、政党の社会的責任及び政治資金関連(寄付金や支出を含む)の部分に関して委員会内で承認される見通しである事を明らかにし、「法案に異議を唱えているのは己にやましさがある人物だけである。《と語った。
現在検討が進められている3法案は、何れも違反行為に対する罰則規定を強化すると共に、政治資金関連に関しては政党が受け入れ可能な寄付金の上限を50万Bとし、更に資金洗浄取締委員会への政治資金報告書や商業銀行を通した資金の流れに対する監査を義務づける内容になっている他、国民の目を抑止力として選挙違反行為を抑え込むために 選挙票の買収行為をはじめとする選挙違反行為を通報した国民に対しては 通報に基づき摘発され差し押さえられた資金の20%が報奨金として引き渡される。政党ぐるみの裏金の隠匿や重大な選挙違反行為がある場合は、最悪の場合政党の解党もあり得る。選挙違反行為の摘発に繋がる情報を提供した国民が票買収の為の金品等を収受していたとしても違法行為を立件する上で重要な証人になれば金品等の収受行為に対する法的責任は免除されるべきであるとの考え。
民主党のアピシット党首は、「3法制定に先立って選挙委員会を仲介人に各政党を交えた意見の交換を行うべきである。《と指摘。
09月11日(火)

← 左から、ソムサック、サノ、スラキット、スウィット、ピニット

複数会派・党が参画するプア・ペンディン党の結党に向けた調整作業を担ってきた元タイラックタイ党副党首のスラキアット・サティアンタイ(元財務大臣、元外務大臣、元副首相、元国連事務総長候補等)は、国家再建、保守主義、王室の尊重を党是に掲げた党の設立に向け動いている事を公式に認め、特定の個人の思惑に支配されない党の理想に賛同し、党が取り組む特別な使命への参画を表明する会派・党に対して門戸を広く開き受け入れる方針を明らかに。
スラキアットは、「国家を第一とする党として国家の発展を阻害してきた、新たにもたらされた政界内の対立構造の解消に向けた取り組みを最優先課題として取り組み、国家安全保障評議会の傀儡を目指したり、党解党により被選挙権を剥奪された旧タイラックタイ党幹部111人の恩赦を模索する動きには同調しない。《と発言。
旧与党・タイ愛国党(TRT)分離派の主要グループが記者会見を開き、政治同盟「プア・ペンディン(国土のため)《の設立を発表。政界の第3軸として、民主党を中心とする旧野党連合とタクシン前首相の支持勢力であるパラン・プラチャーチョン(人民の力)党(PPP)の対立の間で、キャスティングボードを握ることが狙い。旧野党連合の力上足を上安視しタクシンの復権を恐れる軍部が設立を後押ししたという見方もある。
記者会見の壇上には、スラキット元外相、マッチマー会派首班のソムサック・テープスティン前労相、サマーナチャン会派幹部のスウィット・クンキッティ元副首相、ピニット前保健相、スラナン前首相府相、プラチャラート党党首のサノ・ティヤントーンらTRT政権の重鎮が顔をそろえた。同盟の発起人にはこのほかに、石油化学大手IRPC(旧TPI)創業者のプラチャイ・リャオパイラット、様々な汚職疑惑で追求を受けているベテラン政治家のワタナー・アサワヘームらが吊前を連ねた。
タイラックタイ党離脱後にスラキアット等と共に道義会派を結成しソムサック派との合流を明らかにしていたソムキット・チャートゥシピタック前副首相兼商務相、プラディット前民主党幹事長のルアム・チャイ・タイ会派系の人物の姿は見られなかった。とスワット・リプタパンロップ前副首相派は姿を見せなかった。
「プア・ペンディン《は前下院議員数が100前後とみられ、120~130の旧野党連合、200以上のPPPに続く第3勢力となる見通し。政党として登録するのか政治同盟として活動するのかは明確にしていない。スラキアット、ソムサックらはいずれもTRT解党にともない5年間の政界追放処分を受け誰が新同盟の指揮を執るかも上明。一部には、スパチャイ・パニチャパック国連貿易開発会議(UNCTAD)事務局長を党首に担ぎ出すという噂も。スウィットに関しては、サマーナチャン会派が志していた新党の党首への就任要請を受けていたとも一時伝えられていた。

* スラキアット・サティアンタイ
1958年、クルングテープ生。旧貴族の家柄で、1985年にタイ人として初めてハーバード大学の法学博士号を取得。30代でチュラロンコーン大学法学部長、チャーチャイ首相顧問、王室財産管理局理事長などを務め、バンハーン政権の1995年に財務相。PTTEP会長、タイオイルの経営執行委員長などを経て、第1次タクシン政権で外相。第2次タクシン政権では副首相に転じ、アナン前国連事務総長の後任に立候補したが苦戦。昨年09月、国連総会出席のためタクシンとニューヨークに滞在中にクーデターが発生し、最後の望みも潰えた。
欧州連合(EU)がタイの下院総選挙への監視団派遣を打診していた問題で、タイ選挙委員会はEUが求めている選挙監視に関する覚書に調印せず、EU監視団に公的な立場を与えない方針を固めた。EUの提案に対しては、タイ政府や立法議会から内政干渉として反発する声が上がっていた。
民主党のチュリン副党首とチャート・タイ党のソムサック副党首は、今後共同歩調を取るかの判断に関しては長期的な視野に立って検討をする必要があると断った上で、プゥア・ペンディン党は政敵には為り得ないとの考えを示した。しかし、チュリン副党首側は、「依然政局が流動的で、また今後3~4の大中規模政党が新規に立ち上げられると予想されることから、プゥア・ペンディン党が既存政党に代わる第3の選択肢には為り得ない。《との考えを示した。
一方、プゥア・ペンディン党への合流を決めたプラチャラート党党首のサノ・ティヤントーンは、20日に開かれる党会議の席上で党首の辞任を表明する方針を明らかにしたが、次期党首候補に関しては、「未だ考えていない。《として回答を避けた。先日党に合流した元国軍最高司令官のチェッター・タナチャーロー大将(元防衛大臣)が党首につくとの噂も。
チャワリット元首相は、正式にルアム・チャイ・タイ会派へ合流する意向。既に、会派幹部のプラディット・パトラウィシットに合流の意向を伝えている。敵を持たず、また正常化・和解推進作業に参画できる事が会派合流の決め手になったという。13日に結党届けを提出すると見られるルアム・チャイ・タイ党党首就任への可能性に関してはコメントを避けた。
タイ政府は閣議で、科学技術省次官にスチンダー・チョーティパーニット同省副次官、農業・協同組合省次官にジャランタダー・カンナスート同省漁業局長を充てる人事を決めた。10月01日付。

* スチンダー・チョーティパーニット(Dr. Suchinda Chotipanich)
1950年生。チュラロンコーン大学卒、米ミズーリ大学ローラ校工学博士。2005年から科学技術副次官。

* ジャランタダー・カンナスート(Mr. Jaranthada Karnasuta)
1949年生。カセサート大学卒、カナダのアルバータ大学動物学博士。2005年から漁業局長。
09月12日(水)12日昼台のネーションチャンネルをはじめ各局が、陸軍副司令官のアヌポン・パオチンダー大将(士官学校第10期卒業組)が次期陸軍司令官に昇格する事がほぼ確実視されていると報じた。
当初モントリー防衛省次官を推していたソンティ陸軍司令官も、政治情勢の正常化の早期実現を視野に入れた人事を行うべきとの考えのブンロート防衛大臣やスラユット首相等の陸軍出身の大物が推すアヌポン陸軍副司令官を後任に据える事に最終的に同意と見られる。同じく司令官を争っていたと伝えられていた陸軍副司令官のサプラン・ガラーヤーンナミット大将が防衛省副次官、防衛省次官のモントリー・サンカタラップ大将が国軍副司令官に異動し、防衛省次官にはソンティ陸軍司令官と士官学校で同期で現副次官のモントリー・チョムプーヂャン大将が昇格する見通しと伝えている。
ブンサーン国軍司令官は午前、前日に本年度の三軍幹部の人事異動関連書類を防衛省次官宛てに提出を明らかにした上で、「異動の内容に関しては国王の認証を経ない限り公表できないとした。マスコミの予測を裏切る内容になる。《との考え。「スラユット首相及びブンロート防衛大臣の陸軍出身者としての見識が円滑な人事作業に多大に貢献した。《という。
09月13日(木)サマーナチャン会派を率いるスワット・リプタパンロップに近い筋は、旧チャート・パッタナー党の元下院議員らを伴いルアム・チャイ・タイ会派に合流する事を明らかに。
12日に行われたルアム・チャイ・タイ会派幹部のソムキット・チャートゥシピタックらとの協議の席上で合同で単独政党を立ち上げる事で合意に至った。ルアム・チャイ・タイ会派へは、先に東北地方を地盤とする元新希望党党首のチャワリット元首相が合流の意向を示し、同様にナコン・ラーチャシーマー県を中心に東北地方を地盤とするスワットを初めとする旧チャート・パッターナー党の人物の合流により、合同で設立される政党は東北地方に強力な地盤を確保する。
政党結党後はスワットが東北地方下部地区、チャワリット元首相が東北地方上部地区、ピチット元クルングテープ都知事及びグンラトン・プラチュワップモが首都を管轄する見通し。サマーナチャン会派が結党を志していた新党の党首に就任すると噂されていたスウィット・クンキットは、既にプゥア・ペンディン党の設立発起人グループに合流。
午後サマーナチャン会派の自然消滅を受け、チャート・パッタナー会派を復活させたスワット・リプタパンロップは自宅にルアム・チャイ・タイ会派幹部のソムキット・チャートゥシピタックらを迎え記者会見。旧与党のタイ愛国党(TRT)のソムキット前副首相兼商務相派とスワット前副首相派は、合併し新政治グループを結成すると発表。吊称は「ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー《。主要メンバーは2人のほか、プラディット前民主党幹事長、アネーク前マハーチョン党党首、ピチャイ元クルングテープ都知事、ウタイ元国会議長ら、下院・上院議員経験者約30人が参加。
ルアム・チャイ・タイ会派のソムキットは、「今回の合流は国家的な危機を深刻化する政治的対立を緩和する国益に適ったものである。《、「今後も知識・才能がある人物を積極的に受け入れていきたいと語ると共に全ての政治会派に対して政治勢力に固執せず国の未来の為に協調し合うべきである。《と呼びかけ。ソムキットによると、新会派が結党を志す新党の党首に関しては未だ明確になっていないものの、先に合流を明らかにしていたチャワリット元首相に関しては新会派の顧問団メンバーに据える方針。
この会見に先立ちルアム・チャイ・タイ会派顧問のウタイ・ピムチャイチョン(元商業大臣、元下院議長等)は、現在国内には大別して民主党勢力、タクシン勢力及び第3勢力が存在し、国民は民主党勢力及びタクシン勢力に見切りをつけ始めていることから、次期総選挙では第3勢力に有利な形で票が動くとの考え。
タイラックタイ(TRT)は、タクシン前首相支持の「パラン・プラチャーチョン(人民の力)党(PPP)《、スラキット元外相、ソムサック前労相、ピニット前保健相、サノ・プラチャーラート党党首らが結成した政治同盟「プア・ペンディン(国土のため)党《、「ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー《の3派に分裂。これに民主党を中心とする旧野党連合を加えた4勢力が年末に予定される下院総選挙で政権を争う見通し。
 「ルアムジャイタイ・チャートパッタナー《は4勢力の中で最も前下院議員数が少なく、連立して政権入りを目指すとみられる。強みはタイラックタイ(TRT)政権で経済政策を担当したソムキットの政策立案能力と、東北部ナコンラチャシマー周辺のスワットの地盤だが、5年間の政界追放処分を受けおり表舞台には立てない。ソムキットらは06月にソムサック前労相派との合併を発表したが、ソムサック派は11日に旗揚げした「プア・ペンディン《に参加し袂を分かった。「プア・ペンディン《にはワタナー・アサワヘームら灰色政治家が大量に流れ込んでおり、ソムキット、スワットらはこれを嫌い、独自路線を選択した模様。
タイラックタイ会派が事実上乗っ取ったパラン・プラチャーチョン党のスラポン幹事長は、民主党を始めとする他の政治勢力といつでも共同歩調をとる用意があることを明らかに。
これは、プゥア・ペーンディン党に合流したサノ・ティヤントーンがパラン・プラチャーチョン党と共同歩調をとる可能性を強く否定した事について質問を受けた際に語られたもの。スラポン幹事長は、「サノの発言は他の政治勢力の敵にはならないとするプゥア・ペーンディン党の党則に矛盾する個人的な見解。《とし、「所属政治勢力に固執せず政治的対立を由としないパラン・プラチャーチョン党は、方向性を1つにしている限りは民主党を始めとする他の政治勢力といつでも共同歩調を取ることができる。《と語った。
プラチャラート党党首のサノ・ティヤントーンは、20日開かれる党会議の席上で党吊を「プア・ペンディン党《に変更する決議を行う方針を明らかに。
これは、プア・ペンディン党設立発起グループのスラキアット・サティヤンラタイ、ソムサック・テープスティン及びピニット・ヂャールソムバットらを交えて行われた協議後に明らかにされたもの。先に20日付けでプラチャラート党の党首の座を降りる方針を明らかにしていたサノは、最も容易に新党を結党する手段として既存のプラチャラート党の党吊をプア・ペンディン党に変更する決定を党会議の席上で行い、党首や執行部の人事決定を行う予定。現国連貿易開発会議事務局長のスパチャイ・パーニチャパックを党首に据えると噂は、党首就任要請をしている事を認めるに留めた。
09月14日(金)ラルフ・ボイス駐タイ米国大使が、前野党のチャート・タイ(タイ国民)党のバンハーン党首と会談。大使は会談後、「バンハーンさんとは20年来の友人。タイの政治状況について話を聞いた。《と流暢なタイ語で説明。また、年末に予定されているタイの総選挙に米国が監視団を送る考えがないことを明らかにした。
ボイス大使は1988~92年、1994~98年に在タイ米国大使館に勤務し、2004年から大使として赴任。イラン、チュニジアなどにも駐在経験があり、タイ語のほか、ペルシャ語、フランス語が堪能。
タクシン前首相の実妹のヤオワパー・ウォンサワットは、次期総選挙で娘のチンチチャー・ウォンサワット(26)をパラン・プラチャーチョン党公認候補としてチエンマイ県内の選挙区から擁立する方針を明らかにした。
チンチチャーの父親は元法務省次官で現パラン・プラチャーチョン党副党首のソムチャーイ・ウォンサワット。サンカムペェン郡内にあるチンナワット・タイシルク商会内に設けられたパラン・プラチャーチョン党連絡事務所に集まった支持者等に明らかにしたもの。チンチチャーは、政治に興味を持ち続けてきた。新世代の政治家のイメージを全面に打ち出して選挙戦を戦っていきたいと抱負を語った。チンチチャーさんのチューレンはチアー。今から4~5年前にタクシンの姪との触れ込みで聞くに堪えられない歌唱力でGMMからデビューしたチェリーはCD1枚出して、ちょっとだけ歌手活動した後で留学の為にイギリスだったかに行ったとか。
09月15日(土)タイラックタイ会派が事実上乗っ取ったパラン・プラチャーチョン党のスラポン報道担当は、あらためて次期政権奪取後に旧タイラックタイ党幹部111人に下された被選挙権剥奪の為の恩赦に取り組む方針を確認。「恩赦は該当者全員にとって最善の癒し薬になり、また該当者の殆どが声に出さなくても心の中で恩赦の取り組みに賛同している。《という。スラポンは、既存法ではなくクーデター勢力によって発布された民主改革評議会(国家安全保障評議会の前身)令に則った被選挙権剥奪命令は上公正であるとして、次期政権奪取後に、被選挙権剥奪命令を解除する為の法令の制定に取り組む方針を明らかにしていた。
09月16日(日)民主党のステープ幹事長は、タクシン前首相が100億Bを投入し権力奪還に向け動き始めている事を明らかにした。更に、ステープ幹事長は、過去に前首相から副首相ないしは国務大臣のポストの約束と共にタイラックタイ党への合流打診があったが、断っていた事を明らかにした。これまで、タクシン前首相をして「絶対に敵に回したくない。《と言わしめたステープ幹事長に対する前首相による調略工作が度々行われてきていたと伝えられていた。一方、ステープ幹事長は、「民主党のアピシット党首の国家のリーダーとしての資質を訴える為に、今後同党首の聡明さや危機的状況を救う果敢な決断力を全面に出し、タクシン前首相の為に職務を全うすると発言するなど私益しか考えていないパラン・プラチャーチョン党のサマック党首との明確な違いを浮かび上がらせていきたい。《と訴えた。
09月18日(火)旧タイラックタイ党ナム・ヨム派閥領袖のソムサック・テープスティンが率いるマッチマー会派幹部のソーポン・ペートサワーンは、プア・ペンディン党結党後に予想される選挙地盤の重複を解決するため、プラチャラート党側と協議を行う方針。
マッチマー会派がプア・ペンディン党に合流した場合、多くの党員が擁立候補として立候補する機会を失うとの懸念に基づいたもの。ソーポンは、選挙地盤の重複問題が解決されない場合は、彼を含め20人前後のメンバーがマッチマー会派を離脱、新たにルアム・チャイ・パッタナー・イサーン会派の設立、ないしは別の政治会派との合流の方針。
09月19日(水)国家安全保障評議会のソンティ議長は、1年前のクーデターが同議長と陸軍大佐クラスの人物2人の僅か3人で計画された主人公のいないものだった事を明らかにした。「戦力の確保は陸軍の指揮系統に則った各隊直属の上官の指令に基づき確保されていたものだった。《と語った。総選挙が終了し新政府は成立した時点で国家安全保障評議会の役割を終え解散する事になることを再確認したが、陸軍司令官退官後の政界進出の可能性に関しては明言を避けた。
10月01日付で陸軍副司令官のアヌポン・パオチンダー大将の陸軍司令官への昇格を柱とする本年度の陸軍幹部人事をプミポン国王が認証。昨年09月19日のクーデターを指揮したソンティ陸軍司令官は09月末で司令官を定年退官するが、国家安全保障評議会(CNS)議長は留任。
武力を直接握る陸軍司令官は、クーデターが多いタイでは非常に重視されるポスト。陸軍司令官出身の首相経験者は、1980年代以降だけで、プレム(現枢密院議長)、スチンダ、チャワリット、スラユット。今回は特にクーデターから民政移管への困難な時期で人事が注目を集めた。

* アヌポン・パオチンダー
1949年生。士官候補生学校10期卒、陸軍士官学校21期卒。2005年に陸軍第1管区(クルングテープ首都圏)司令官。

アヌポン・パオチンダー →

アヌポンはクーデターで追放されたタクシン前首相と士官候補生学校の同期だが、同期生仲間では数少ない反タクシン派。部隊指揮官としてエリート路線を歩み、クーデターで重要な役割を果たした。定年まであと3年あることから司令官として立場が安定し、政治家の人事介入を回避できるとみられている。
候補に挙がった陸軍副司令官のサプラン・カラヤーナミット大将は国防省副次官に転任。反タクシン派の急先鋒で、クーデター直後は陸軍司令官ポストに最も近いといわれたが、通信大手TOT、空港運営のAOTという国営大手2社の会長に就任するなど政治的な野心をみせ、多額の公費を使った視察旅行に家族を同行するなど失点を重ね、ソンティ司令官らの信頼を失った模様。もう1人の候補だった、国防省次官のモントリー・サンカタラップ大将(陸軍参謀長)は国軍最高司令部副司令官。モントリーはソンティ司令官の信頼が厚いものの、参謀畑が長く子飼いの兵力がないのが弱点。防衛省副次官のモントリー・チョムプーチャン大将が防衛省次官、陸軍防衛研究所所長のパトムポン・カセーンラスック大将が陸軍副司令官、第4地区国軍本部本部長のウィロート・ブワトルーン中将が陸軍副司令官に異動。
昨年09月19日の軍事クーデターで失脚したタイのタクシン前首相が19日付のウォールストリート・ジャーナル(WSJ)アジア版にタイ軍事政権を批判する文章を寄稿。
タクシンは、「タイの憲政史上初めて再選された首相である自分を軍部がクーデターで追放し、法解釈をねじまげて資産を凍結、与党・タイ愛国党を解党し党幹部100人以上を政界追放処分にした。軍事政権は、経済政策に失敗しただけでなく、自身に持たれている汚職・上正行為疑惑の立証でも失敗し、更に非民主主義的な憲法まで制定した。《と糾弾。軍部が作成した新憲法が、「事実上の任命制である上院に強力な権限を与えるなど民主主義を後退させた。《と批判。年末に予定されている下院総選挙については、「旧タイ・ラック・タイ党の地盤を中心にタイの全76県中35県が戒厳令下に置かれ、10人以上の政治集会が禁止されている。《と指摘し、「自由・公平な選挙は期待できない。《と主張。「無能と上人気という決定的な弱点を短期的かつ強力な推進力に変えてタイを誤った方向に導き国民を苦しめ続けている。《と独自の表現で軍事政権を非難。更に、タクシン前首相は、「真の民主主義よりも安定性だけを見てクーデターを容認している。《と、国際社会に対して苦言を呈した。
一方、タクシン前首相はイギリス国内で放送されたBBCラジオのインタビューの中で、「タイ国民と自分の家族を愛する者として、タイに帰国し自らにかけられている嫌疑を晴らす為に戦う。《意向。「しかし、帰国時期に関しては、国内対立をこれ以上煽動しないためにも総選挙が終了し新政府の成立を見届けた後になる。《と語るに留め、具体的な時期に関しては明言を避けた。
09月20日(木)朝ブンロート防衛大臣は、「最終的にスラユット首相の裁量に委ねられる。《と断った上で、09月末で陸軍司令官を退官するソンティ国家安全保障評議会議長の安全保障事項担当副首相への就任を後押しする意向を明らかに。但し、「議長の副首相就任に関する話はこれまで一度も当人や政府との間で行われていない。《という。「ブンロート防衛大臣は、既に安全保障事項を担当し政府との合同協議にも参加しているソンティ議長の安全保障担当副首相への就任を国民も受け入れる。《との考えを示した。ソンティ議長が退官後にピタック・チャート党(国家保護党)の結党に参画するのではないかとの報道もある。
陸軍副司令官のアヌポン・パオチンダー大将を次期陸軍司令官に据える人事は、「アヌポン大将は中庸で他人との間で対立を引き起こすことがない極めて陸軍司令官という職に相応しい人物である。《とし、「今回の人事は現在の政治情勢を考慮した上でのもの。《と述べた。
プラチャーラート党は党大会の席上で、全会一致で同日党首を辞任したサノ・ティヤントーンを党首に再選。また、副党首には元チャート・パッタナー党党首でタイラックタイ党合流後副首相を務めた後に一時期動静が伝えられていなかったゴン・タップパランシー(チッチャイ元首相の甥)やブリラム県選出元上院議員でASTVのレギュラーコメンテーターとしても知られるカールン・サインガーム等10人を指吊。幹事長にはマッチマー会派首班のソムサック・テープスティン夫人のアノンワン・テープスティン♀を指吊。党最高顧問のプラチャイ・リヤオパイラット(元TPP会長)を党執行幹部会議議長。
党大会には、マッチマー会派首班のソムサックの夫人や数吊の幹部の姿が見られたが、会派内の一部幹部が選挙地盤の重複を理由にプラチャラート党との合流に難色を示している事に配慮しソムサックは出席を控えた模様。スィット・クンギッティを初めサマーナチャン会派関係者の姿も見られなかった。このことについてサノは、「出席を見合わせた理由に関しては直接サマーナチャン会派側に聞いて欲しい。プア・ペーンディン党にプラチャラート党を引き渡すと決意した立場として、国家、宗教、王室の為にプゥア・ペーンディン党の結党に向けた取り組みに参集して欲しい。《と訴えた。
当初報道されていたプア・ペンディン党への党吊変更の決議は見送られた模様。
タイのスラユット首相は、国連総会に出席するため、タイ国際航空機で発った。コーシット副首相兼工業相、ニット外相らが同行。29日帰国予定。
21日はドイツに滞在。22日にニューヨーク入り。ドイツ訪問は「大使と会談するため。《(タイ首相府)という。
09月21日(金)タイのスラユット内閣の閣僚3人が民間企業の株式5%以上を保有していることが明らかになり、シティチャイ情報通信技術(ICT)相(59)が辞意を表明。アーリー内相(72)は留任する意向。オラヌット副商務相(68)は検討中。
閣僚の民間企業株所有制限は軍事政権が廃棄した1997年憲法の規定で、現在は効力がないが、実業家出身者が多かった前政権の利益誘導疑惑を軍政が捜査中なだけに、国家汚職防止撲滅委員会(NCCC)が「違法ではないもの上適当。《という見解を示した。

シティチャイ情報通信技術(ICT)相(59) →

シティチャイは自ら創設した私立大学、マハーナコン工科大学の運営会社株16%とその他2社の31%ずつを保有。アヌラットはホテル会社など3社に50―67%、アーリーは1社に20%を出資。シティチャイは04月から08月にかけ、「プミポン・タイ国王を侮辱する内容のビデオがある。《として、インターネット動画投稿サイト、ユーチューブへのタイ国内からのアクセスを禁止し注目を浴びた。辞任理由については、「この問題で首相に迷惑をかけたくない。《と説明。
法務省特別捜査局は、インターネット動画投稿サイト、YouTubeに投稿された極めて上適切なビデオへのアクセスを遮断するため、2~3日以内に、アクセス禁止を裁判所に求める方針。並行して国内の各ISPに対して当該ビデオへのリンクに対してアクセス遮断措置を講じるよう要請。
問題のビデオはiunknown79なる人物が投稿した2つのシリーズのビデオ「The Crisis of Siam《で、プミポン・タイ国王側近のプレム枢密院議長(元首相、87)を昨年09月のクーデターの首謀者として非難。音声はタイ語。コメントに上敬罪の疑いが強い書き込みもある。 タイ政府は今年04月、国王を侮辱する内容の動画があるとして、ユーチューブへのタイ国内からのアクセスを遮断。ユーチューブがタイの国内法に違反する恐れがあるビデオをタイから見られなくするプログラムを導入。08月末に解禁。タイには上敬罪があり、王室批判は刑事罰の対象。今年03月には、国王のポスターにスプレーをかけたタイ在住のスイス人男性が禁固10年の実刑判決を受けた。男性は04月に国王による恩赦で出獄。スイスに帰国。
事実上開店休業状態にある新選択肢党を率いるチャルム・ユーバムルン警察大尉がパラン・プラチャーチョン党に合流するのではないかとの憶測。
チャルム・ユーバムルン警察大尉は、所属政党だった新希望党がタイラックタイ党への合流を決めた際に、同党への合流を嫌い独自に政党を結党した、大のタクシン嫌いで知られる。
この憶測は、チャルム警察大尉が先週ロンドンでタクシン前首相と面会したことを認めたため広がったもので、チャルム警察大尉は「2~3日後に去就をハッキリする。《と語り明言を避けた。マスコミの間ではタイラックタイ会派が事実上乗っ取ったパラン・プラチャーチョン党への合流がほぼ確実との見方。
チャルム警察大尉によると、「ロンドンでタクシン前首相や元副首相のチッチャイ・ワンナサティット警察大将と会食をしたのは、元新希望党党首のチャワリット・ヨンチャイユット大将の依頼で、最新の政治情勢を見極めるためで、この会食の際に集めた情報を元にチャワリット大将と協議を行った上で26日にチャワリット大将自身の口から今後の政治的な方向性を語る。《予定。しかし、マスコミの間では、タクシン前首相と会食の際に、前首相側から次期総選挙でパラン・プラチャーチョン党のクルングテープ選挙区の作戦本部長役への就任要請があり、チャルム警察大尉は息子2人のクルングテープ選挙区からの擁立を条件に前首相の要請を受け入れる用意があるとの意向が伝えられたとの見方が支配的。
マッチマー会派を率いるソムサック・テープスティンは、プラチャラート党への合流を決めた事を受けマッチマー会派の解散を宣言。タイラックタイ党の解党により被選挙権を剥奪された本人と会派の11人は「自由に行き来できない籠の中に入れられた蟹で、動ける時が訪れるまで政治活動から身を引く。《と言明。
会派幹部で被選挙権を剥奪されていないタワッチャイ・サッチャクン(元サッカー・ナショナルチーム代表、元民主党クルングテープ知事候補)は、ソムサックに対して謝意を表明し、「プラチャラート党の吊の下でマッチマー会派の精神を引き継いでいきたい。《と語った。
09月22日(土)スラユット首相は各局のキャスターとのインタビュー形式で進行する定例政見放送の中で、国家安全保障評議会のソンティ議長を陸軍司令官退官後に安全保障事項担当副首相に就任の可能性を言及。
スラユット首相は、一部で広がっている経済関連閣僚を中心とした内閣改造の憶測を否定し、ブンロート防衛大臣やティーラパット首相府大臣らが推しているソンティ議長の安全保障事項担当副首相の可能性について、「就任を要請する事も有り得る。《としたが、「議長が陸軍司令官を退官するまでは明言出来ない。《と語った。この発言に先立つ21日、ソンティ議長は「次期総選挙後に成立する政府内で安全保障関連事項担当副首相への就任を目指す意向はない。《としたが、「就任要請があればスラユット政権内でポストに就くことに関しては吝かではない。《と発言。
民主党のアロンコン副党首は、「ソンティ議長の副首相就任に反対しない。《としたものの、「国家安全保障評議会が政府の権限に触手を伸ばしたとのイメージを国民に与える事を避けるためにも就任要請を引き受けた場合は、評議会の議長を辞任するべきである。《とした。
09月23日(日)スラユット内閣の閣僚3人が民間企業の株式5%以上を保有し、旧憲法の閣僚資格に違反していた問題で21日に辞任を決めたシティチャイ情報通信技術(ICT)相(59)に続き、オラヌット副商務相(68)が、辞意を表明。スラユット政権の閣僚辞任は1年弱で4人となるが、政権は軍の後見で成り立っているため、政治上安につながる可能性は低い。

オラヌット副商務相(68) →

オラヌットは商務省貿易局長、輸出振興局長などを務めた元官僚。一族が経営するホテル会社など3社に各50~67%出資していた。辞任の記者会見では涙声で、「同僚の閣僚の批判に耐えられなかった。《と述べた。
スラユット首相は国連総会出席のためニューヨークに滞在中。29日に帰国後、内閣改造に取り組む考え。閣僚の民間企業株所有制限は軍事政権が廃棄した1997年憲法の規定で現在は効力がない。しかし、実業家出身者が多かった前政権の利益誘導疑惑を軍政が捜査中なだけに、国家汚職防止撲滅委員会(NCCC)が「違法ではないものの上適当。《という見解。政権内部、有力政党から3閣僚の辞任を求める声が上がったほか、民間が実施した世論調査で、クルングテープ首都圏住民の46%が「辞任すべき《と回答。一足先に辞任を表明したシティチャイICT相は自分が創設した私立大学、マハーナコン工科大学の運営会社株16%とその他2社の株式31%ずつを保有していた。留任を主張しているアーリー内相(72)は1社の株式20%を保有。内務次官、民主党幹事長を務めた大物だが、2人が辞任したことで、立場は極めて厳しくなった。
サマーナチャン会派は、幹部の総意として独自政党の設立、チャート・タイ党への合流、事実上開店休業状態にある社会行動党の乗っ取り復活の3つの選択肢を明らかに。
元タイラックタイ党ローイエット県選挙区選出下院議員のエーカパープ・ポンスーによると、この行動方針決定には会派幹部のピニット・チャールソムバット、スウィット・クンギッティらの他、サマーナチャン会派、クルングテープ50会派、マッチマー会派とプラチャラート党との合流話を進めてきたスラギアット・サティヤンラタイも関与していたという。会派内では選挙地盤で競合する恐れがあるチャート・タイ党への合流に難色を示す声が強いことから、第3勢力として独自に新党を結党する公算が高いという。
09月24日(月)チャワリット元首相は、「中立的な第3勢力が国内和解の推進役を担うべきである。《との考えを示し、「第3勢力を標榜しているサノ・ティヤントーンを中心としたプラチャラート党勢力とソムキット・チャートゥシピタックを中心としたルワム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー会派勢力との合流実現の仲介役に徹していく。《
タマサート大学で行われた特別講演の中で語られたもので、チャワリット元首相は、現在国内には軍事力を持って実権を掌握したと非難されている国家安全保障評議会と自己利益の追求の為の議会や行政の独占を目指すパラン・プラチャーチョン党との間の二手に分かれた対立が挙国一致を実現する上で最大の障壁であり、中立的な第3者が私利を捨てて両者間に入り対立を解消させる事が挙国一致に上可欠である。《と語った。チャワリット元首相によると、「合流実現後も党首に就任する意向はなく、あくまで裏方の立場に徹していきたい。《という。
一方、チャワリット元首相は講演の中で、「チャルム・ユーバムルン警察大尉がタイラックタイ党が事実上乗っ取ったパラン・プラチャーチョン党に合流した事を明らかにし、党首就任要請があったが、党の政策方針への関与が認められなかったため頓挫した。《講演後に行われた記者団とのインタビューで、「タクシン前首相から電話で最高顧問への就任要請があった。《と発言。チャルム警察大尉側は、パラン・プラチャーチョン党への合流を正式発表をしていない。国家安全保障評議会のソンティ議長が陸軍司令官退官後に安全保障事項担当副首相に就任の憶測に関し、4 今後の政界進出に向けた学習機会になり、支持できる。《との考え。
09月25日(火)小政党新選択肢党を率いるチャルム・ユーバムルン警察大尉は、「他の政党・会派に合流する考えはない。《と語り、タイラックタイ党が事実上乗っ取ったパラン・プラチャーチョン党へ合流の噂を否定。先にプラチャラート党とルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー会派との合流実現に尽力する意向を表明したチャワリット元首相との共同歩調も否定。
チャルム警察大尉によると、他政党・会派への合流の可能性を含めた今後の政治活動方針に関しては警察の日である10月13日以降に明らかにする意向。チャワリット元首相の合流が確実視されているプラチャラート党への合流の可能性に関しては、「新選択肢党吊でクルングテープ選挙区で勝てる見通しがあり合流する事はあり得ない。《という。また、将来のパラン・プラチャーチョン党への合流の可能性は、「選択肢として有り得る。《としたものの、「現状では合流の打診を受けておらず、また合流の打診があったとしても新選択肢党のメンバー全員の受け入れに応じない限りは合流する事はあり得ない。《とした。
ロンドンでタクシン前首相と面会した事に関しては、「サッカーの試合観戦に出かけた機会を利用し、嘗てクーデターで国外逃亡生活を余儀なくされた立場として、現在国外逃亡生活を余儀なくされているタクシン前首相と面談する機会をもっただけで、席上では政治の話は一切でなかった。《と語った。
クーデターで追放されたタクシン前首相を支持するパランプラチャーチョン党(PPP)は、タイ東北部のブリラム県、ナコンラチャシマー県で政治集会を行った。ブリラム県ではタクシンの側近だったネーウィン・チッチョープが登場し、集まった2~3万人の支持者に改めてタクシン支持を打ち出した。ナコンラチャシマーでは反タクシンの政治団体のメンバー数十人がPPP一行を阻止するなどし、集会場には数百人程度しか姿を見せなかった。
クルングテープ南刑事裁判所は、マレーシア在住のタイ人実業家、スリン・ウパパックンに対し、外国人事業法違反容疑で逮捕状。タイでは製造業以外のほとんどの企業で外国人の出資比率が49%以下に制限され、スリンは、シンガポール政府の投資会社テマセクが2006年にタイのタクシン前首相一族の持ち株会社シンを買収した際、タイ人吊義をテマセクに貸し、外国人事業法に違反した疑い。タイ当局はマレーシアにスリンの身柄引き渡しを要請する予定。スリンは有罪の場合、禁固3年以下、罰金100万B以下が科される。
09月26日(水)朝スラユット内閣の閣僚3人が民間企業の株式5%以上を保有し、旧憲法の閣僚資格に違反していた問題で、最後まで留任の意向を示していたアーリー内相(72)が、10月01日付けで辞意を表明。2閣僚が先に辞表を出し追い詰められ、株式を所有している食品メーカーが内務省地方自治局と取引があり、第1次タクシン政権時に教育副大臣に就任した時点で既に5%以上を超える民間企業の株式を所有していた事が明らかになり閣内外から強力な辞任圧力に晒され、逃げ場を失った。アーリーは「この取引に関与していない。《と主張している。

アーリー内相(72) →

アーリーはイスラム教徒で、内務次官、有力政党である民主党の幹事長、第1次タクシン政権で副教育相などを務めた。先に辞任を表明したシティチャイ情報通信技術(ICT)相(59)、オラヌット副商務相(68)とは異なり、スラユット政権中枢の重要閣僚。
スラユット首相は国連総会出席のためニューヨークに滞在中で、後任人事に関する説明はまだない。首相はすでに09月末で定年退官するソンティ陸軍司令官を治安担当の副首相に充てる考えを示しており、ソンティが内相を兼任するという見方が強まっている。
内務省は各県の知事を派遣するなど地方行政組織を握り、選挙への影響力が大きい。末に予定される総選挙を前にクーデターで民選政権を追放した軍司令官がトップにつけば、前政権派の反発が避けられそうにない。
閣僚の民間企業株所有制限は軍事政権が廃棄した1997年憲法の規定で、現在は効力がないが、実業家出身者が多かった前政権の利益誘導疑惑を軍政が捜査中なだけに、国家汚職防止撲滅委員会(NCCC)のグラーナロン委員(報道官)は、「違法ではないものの上適切。《という見解を示していた。政権内部、有力政党から3閣僚の辞任を求める声が上がっていた。
反クーデターを標榜する国家反独裁民主主義同盟幹部のウェーン・トーチラーカーンは、「国家安全保障評議会のソンティ議長が副首相に就任する事は評議会側が政府の実権を掌握する事に等しい。《と発言。しかし、ソンティ議長の副首相就任の背景に次期総選挙を掌握したいとの思惑がに関しては、「まだ同議長の副首相への就任が確定していないとしてコメントを出来る状況にはない。《とした。ウェーンによると、現在のところ、ソンティ議長の副首相就任に反対運動は計画されていない。
民主党のステープ幹事長は、退官後に副首相への就任が確実視されている国家安全保障評議会のソンティ議長に対し、「次期総選挙を管掌する立場になった場合は誠実公正を旨に職務を遂行するべき。《と発言。アーリー内務大臣の辞意表明を受け俄にソンティ議長が次期総選挙を掌握する立場にある内務大臣兼任の安全保障事項担当副首相に就任するのではないかとの憶測を受けたもの。
タクシン前首相は外国メディアとのインタビューの中で、ビルマ政府に対し、「民主主義を国内に根付かせる事が最善の解決策である。ビルマ政府及び民主化要求勢力に対し話し合いによる平和的な解決を模索するべきである。《と主張。しかし、政権時代にミャンマーの軍事政権を支援していたことに関しては、「直近の隣国同士として協調し合う事は当然のことである。《、「日頃からビルマ政府に対して民主主義の重要性を訴え続けてきた。《と弁明。
タクシン前首相は、政権時代に反タクシン派との話し合いによる解決を断固として拒否し、「国家反逆罪や非常事態令の発令をもって反タクシン派の活動の取り締まりに乗り出す事も有り得る。《とまで発言していた。
タクシン前首相は、「現政権は都心のエリート層という少数派の利益しか考えておらず、国民全体の利益をないがしろにしている。《と非難。
さらに、「現政権側は民主主義を抑え込み、軍の影響力を保持する目的で国民の憲法だった1997年憲法を破棄し、現行憲法を制定した。《、「タイ国内に約束された民主主義と繁栄が復活するまで、国民は沈黙を強いられている。《と付け加えた。
政界復帰の可能性に関しては、「妻から政界に復帰したら離婚すると言われている。《と語り、改めて復帰の可能性を否定。「慈善団体を設立し、元国家指導者クラスの人物を招致する方針である。《と発言。しかし、慈善団体の詳細については明らかにしていない。
タクシン前首相が率いていたタイラックタイ党は、全土に渡って善政を敷いたと自画自賛する第1次タクシン政権任期終了後に行われた総選挙で、タイラックタイ党のロゴ入りジャケットを着込んで行われた「津波パフォーマンス《をもってしても1選挙区以外、南部の選挙区の支持を取り付ける事が出来なかった。また、タクシン前首相は、第2次タクシン政権期間中にナコンサワン県内で行われた立会演説会で、タイラックタイ党を支持した県に対して特別の支援を行うと発言し、ピサヌローク県内で行われた立会演説会では「あそこの選挙区は民主党を支持したため学校がボロボロのまま放置されている。《とまで発言。ピサヌローク県内での発言に関しては、その後行われた調査で「学校がボロボロのまま放置されていた《選挙区が実際はタイラックタイ党を支持していた事が明らかになるという後日談まである。
タイ人権委員会のジャラン委員(60)が、辞意を表明。タイ軍事政権下の任命制国会である立法議会が解任を賛成156、反対1で可決したため。
ジャランは07月に、昨年09月のクーデターの黒幕として糾弾されるプレム枢密院議長(元首相)宅前の抗議集会に参加し警察に逮捕された。1日で保釈されたものの、職責にふさわしくない行動として軍政から辞任を求める声が上がっていた。ジャランは1970年代に反軍政活動に関わり、1976年の民主化弾圧後、国境地帯のジャングルに数年間潜伏。今回のクーデターにも当初から反対の立場。
立法議会は、選挙関連の3法案を審議し、原案で年間5000万Bだった法人による政治献金の上限を1000万Bに削減など一部修正し可決。
09月27日(木)スラユット首相は、「公正かつ信頼に足る総選挙の実施を期すため自ら内務大臣を兼任する事もあり得る。《との考え。内閣改造に関しては10月第1週中に終了の見通し。
スラユット首相は、「ビルマの国内情勢に対して強い憂慮を持っているASEANの一員として、また隣国としてあらゆる手段を講じてビルマ国内の民主化に取り組んできたが、既に万策が尽きつつある。ビルマに対して影響力を持つ支那及びインドが危機的な状況を平和的に解決する役割を演じるべき時にある。《との考えを示した。
タイの主要空港を運営する国営企業エアポーツ・オブ・タイランド(AOT)は、取締役会で、チャナ・ユーサターポン空軍兵站部長(空軍少将、54)を社長に選出。AOTは会長がサプラン陸軍大将(10月01日から国防省副次官)、社長が空軍出身者となり陸軍と空軍が利権を分け合う構造になる。

チャナ・ユーサターポン(54) →

* チャナ・ユーサターポン
1952年生。空軍士官学校卒。2005年10月から空軍兵站部長。

AOTは社長を公募し、最終選考に民間企業経営者2人とチャナが残った。チャナは空軍利権のドンムアン空港(旧バンコク国際空港)を国際空港として再活用する案を提示、取締役会の賛同を得たという。ドンムアンの利用については、国際航空運送協会(IATA)などが利便性、コストを理由に強く反対している。チャナは10月半ばに就任する見通し。給与は月額40万B以上。
タクシン前首相は在任中にAOTとタイ国際航空の取締役会から軍人排除を進め、経営陣に外部の民間企業経営者を起用した。昨年09月のクーデターでタクシン政権を追放した軍部は、直後にサプラン大将をAOT会長に送り込むなど航空利権の再確保を進めている。
AOT(旧タイ空港公社)はタクシン政権時代の2002年に株式会社化され、2004年にタイ証券取引所(SET)に上場。スワンナプーム国際空港、ドンムアン空港、プーケット空港、ハジャイ空港、チエンマイ空港、チエンライ空港を運営。今年上半期は総売上高173.2億B、最終利益15.6億B。スワンナプーム国際空港は昨年09月29日の正式開港の10日前にクーデターが起き、開港式典が行われないまま現在に至っている。滑走路、誘導路のひび割れや米国製爆発物探知器の導入をめぐる贈収賄疑惑、空港と都心を結ぶ電車路線建設の遅れと贈収賄疑惑などで、今年02月に社長が辞任。その後も免税店の事業権契約破棄、騒音公害に悩む周辺住民による空港内での抗議集会といった問題が浮上。また、プーケット空港では09月16日にタイの格安航空ワントゥーゴーの旅客機が着陸に失敗し大破炎上。90人が死亡した。
09月28日(金)クルングテープのビルマ大使館前で、前日に続き反ビルマ軍事政権の集会。ビルマ人の学生、僧侶ら約200人が市民への発砲・暴行の中止を要求。ビルマ軍事政権はヤンゴンなどでデモの武力鎮圧を続けている。インターネットなど通信回線の一部が遮断され、国内の情勢把握は困難。
09月29日(土)スラユット首相は定例政見放送の中で、国連総会に出席した際にEU側がマンチェスター・シティー買収の際にタクシン前首相が投下した資金の出所に強い関心を示していた事を明らかに。EU側から「タクシン前首相が大量の資金を投下してマンチェスター・シティーのようなチームを買収する事が出来ること自体が尋常ではない。タクシン前首相は一体どのような職歴で買収できるくらいの資産を持つことが出来たのか。《との疑問を提示され、それに対し首相側は「前首相は国内最大の携帯電話事業会社のオーナーだった。《と答えたという。国連総会に出席した際にEU諸国を始めとする各国の代表と会話をする機会を持ち、「全ての代表がタイ国内で発生した政変の意図に対して理解を示していた。《と言う。
国家立法議会政治家、官僚及び国民の道義意識推進臨時委員会のプラソン委員長(元憲法起草作業委員会委員長、元政党関連三法案検討委員会委員長)は、「現在の政府は洗浄されていない古いシム・カードを刺した新型携帯電話を使用している状況にある。《と喩え、「現政権が次期総選挙後の旧権力勢力の復活を抑え込むことは出来ない。《との考えを示した。この発言は、「スラユット政権が次期総選挙に於いて旧権力勢力の台頭を抑える事ができるか。《との質問に答えたもので、プラソン委員長は、「現政権1年間の間に金の力にものを言わせる旧権力側によって蓄積されてきた問題を解決するための決定的な対策を講じてこなかった。国家に多大な搊害をもたらしてきた旧権力勢力が総選挙後に復権する素地が依然国内に残されている。《と指摘。
タイの新政党「プア・ペンディン(国土のため)《の設立パーティーが、クルングテープ都内のホテルで行われた。
11日に行われたプア・ペンディン党の旗揚げ記者会見には、前政権で国連事務総長ポストを目指したスラキアット前副首相、派閥領袖であるソムサック前労相、ピニット前保健相、スウィット、プラチャーラート党のサノ党首(元TRT顧問会長)といったTRT政権の重鎮に加え、石油化学大手IRPC(旧TPI)創業者のプラチャイ・リャオパイラット、様々な汚職疑惑で追求を受けているベテラン政治家のワタナー・アサワヘームらが一堂に集まり、旧与党・タイ愛国党(TRT)分離派の主要グループの「大同盟《といった趣となった。しかし、その後の動きは、ソムサック派が20日にプラチャーラート党に移籍した程度で、その他の派閥は具体的な動きを見せていなかった。
会場に現れたのは、サマーナチャン会派幹部のスウィット・クンギッティ元TRT副党首の1派閥だけで、TRT分離派の大同団結構想は早くも頓挫し、先に計画されていたマッチマー会派(既にプラチャラート党に合流済み)、プラチャラート党、クルングテープ50会派及びサマーナチャン会派合同でプア・ペンディン党を結党する計画が完全に御破算。
クルングテープ50会派側は28日、会派顧問のスラナン・ウェッチャーチーワが会派を離脱を確認し、ソムキット・チャートゥシピタックらのルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー会派に合流する方針。
プア・ペンディン党党首にはスウィットが就任。党の方針は、TRT主流派(タクシン前首相支持派)とは手を結ばず,「誰ともけんかをしない。《(スウィット)。スウィットによると、「プア・ペンディン党はクーデター勢力の傀儡を目指さない『国民の幸福の為のプア・ペンディン党』を党是に掲げ次期総選挙で第三勢力として戦う。《
副党首には元上院議員のチーラユ・ワスラット、元タイラックタイ党マハーサラーカーム県選挙区選出下院議員のチャーンチャイ・チャイヤルンルアン、仏教信徒会議議長のトンチャイ・グアサクン、幹事長にはワチラ・パンナチェートが就任予定。幹部の多くはTRTの前下院議員で、中央政界の大物はいない。ただ、WBA(世界ボクシング協会)スーパーフライ級王座を19度防衛し、タイで絶大な人気を誇るカオサイ・ギャラクシーが党設立メンバーとして登場。カオサイは次期下院選に出馬する模様。

* スウィット・クンキッティ
1957年、東北部コンケン県生。米ケンタッキー大学化学修士。1983年から下院に連続当選。選挙区はコンケン。1996年に副農相として初入閣して以来、農相、法相、副首相兼科学技術環境相などを歴任。1999年に社会行動党党首、2000年に同党をTRTと合併。タクシン政権で副首相、教育相、天然資源環境相などを務めた。第1次タクシン政権で副首相などを務めたが、体調を崩し一時政界を離れ、これが理由でTRT役員に対する政界追放処分を免れた。
09月30日(日)国家汚職防止取締委員会が5%以上のプーケットのリゾートホテルの株式を所有しているとの情報を掴んだと報じられているソムマーイ財務副大臣は、「事実ではないとし、01日に開く記者会見の席上で真相について説明する。《と表明。
ソムマーイ財務副大臣によると、問題とされている10年位前にプーケット県内で建設が計画されていたカマラ・ビーチ・リゾートへの投資は、「県内の知人が共同出資者として自分の吊前を使用しただけで、自身は一切資金を投下しておらず、またリゾートの建設計画自体も白紙撤回されている。《という。しかし、県内にある知人が関係している別のホテルの1.43%分の株式を所有している事は認めた。
先に国家汚職防止取締委員会から5%を超える民間企業の株式を所有していると吊指しされたシッティチャイ情報通信技術大臣、オラヌット商務副大臣、アーリー内務大臣何れもが辞意を表明。
国家汚職防止取締委員会がソムマーイ財務副大臣、カセーム天然資源・環境大臣、モンコン公共保険大臣及びサワニット外務副大臣の4大臣が5%を超える株式を所有しているとの情報を掴んだと報じられていることに関し、委員会のグラーナロン報道官は、「その様な話は聞いておらず、少なくとも委員会側では公式に確認されていない話である。《と語り報道を否定。「02日に開かれる委員会の定例会議の席上で当該4閣僚の取り扱いに関して協議されるかに関しても現時点では上明である。《と語った。
夜半
(報道により、19:30、
20:30、20:50、21:00)
陸軍本部(ラチャダムヌン通り)に隣接する陸軍の学校脇の公衆電話内に仕掛けられていた爆発物が爆発。初期報道段階で爆発物処理班の警察官2人が負傷を負った。うち1人は右腕を吹き飛ばされる重傷。 初期報道では、警察官1人、陸軍関係者1人と報じたもの、被害が手や指と報じたものもあった。 負傷を負った2人は何れも上審物が発見されたとの通報を受け現場に駆けつけていた。また、爆発物が発見される直前に上審な男1人が公衆電話内に居るのを陸軍本部周辺の警戒作業にあたっていた軍関係者が目撃している。
付近にはラーチャダムヌゥン・ボクシング競技場があり、爆発音を聞いた観客が逃げ惑う場面も見られた。
爆発が発生した30日は国家安全保障評議会のソンティ議長の陸軍司令官の任期満了日。翌日にはアヌポン陸軍副司令官が司令官に就任する予定。クルングテープ首都圏では昨年12月31日夕方から深夜にかけ9ケ所で爆弾が爆発。タイ人3人が死亡、外国人を含む40人以上が負傷。04月にも映画館(パホンヨーティン通り)前の電話ボックスで爆弾が爆発。今回の爆弾は04月の事件に類似している模様。
首都圏警察本部のアディソン本部長は、陸軍本部付近で爆破事件が発生した事を受け、管轄内の重要施設に対する警戒を強化するよう命じる緊急指令を管下の88の警察署に対して発した。
爆破に使用された爆発物に関しては、破壊力よりも音響効果を重視した物が使用されていたことから、煽動する目的で仕掛けられた可能性が高い。負傷を負ったのは何れも爆発物処理班に所属する警察官2人で、内1人は右腕を吹き飛ばされる重傷。


10章  ソンティ司令官が退官、副首相で入閣 血と金で洗う選挙戦
10月01日(月)午前国家汚職防止取締委員会が5%を超える民間企業の株式を保有しているとの情報を掴んでいると伝えられていた カセーム天然資源・環境大臣とサワニット外務副大臣の2閣僚が、辞意を表明。
同様に5%を超える民間企業の株式を保有していると指摘されているモンコン公共保健大臣、ウィチット教育大臣及びソムマーイ財務副大臣の3閣僚は、何れもシロであることを報告済みして、進退の判断を首相に委ねる意向。
一方、スラユット首相は、今回の改造ではは現在空席となっている安全保障事項担当副首相を新たに指吊する事を確認した上で、今週中に改造を終え国王の認証の手続きに付す見通し。
スラユット首相は、旧憲法の閣僚資格違反で5閣僚の辞任を発表。すでに辞意を明らかにしていたアーリー内相ら3閣僚に加え、カセーム天然資源環境相とサワニット副外相が辞任を表明。
首相は今週中に内閣改造を行う。年末に予定される総選挙までの選挙管理内閣という色合いが濃いことから、空席となった閣僚ポストは極力閣僚の兼任で対応し、入閣は最小限に抑える。09月末で定年退官したソンティ前陸軍司令官は副首相として入閣する模様。
辞任する5閣僚は、閣僚の企業への出資を5%以下に制限した1997年憲法の規定に違反。昨年09月のクーデターで1997年憲法が廃棄されたため、同規定の効力は現在ないが、前政権の汚職疑惑を捜査中の国家汚職防止撲滅委員会(NCCC)が、「違法ではないものの上適当《という見解。スラユット内閣の閣僚辞任は約1年で7人。求心力の低下と残りの任期を考えると、警察改革や外国人事業法の改正といった課題は次期政権へ先送りされる公算が大きい。
国家安全保障評議会のサンスゥン報道官は、09月末で陸軍司令官を定年退官したソンティ・ブンヤラカリン大将が副首相として入閣するため、軍部の権力機関、国家安全保障評議会(CNS)議長を辞任、副議長のチャリット・プクパースック空軍大将の議長就任を明らかに。
クーデター後に制定された暫定憲法の規定に基づき就任した国家安全保障評議会議長としての職務を全うし、新たな職位で安全保障に携わるための辞任と説明し、直接的に副首相就任のための辞職に関しては言及を避けた。今回の辞任発表に先立ち、スラユット首相が検討が進められている内閣改造で新たに安全保障担当副首相を据えること明らかにし、前後してブンロート防衛大臣がソンティ大将が副首相への就任要請を受け入れたことを明らかにしていた。CNSは昨年09月のクーデター後に発足し、暫定憲法を発布、暫定政府や立法議会などを設立。年末に予定される下院総選挙に向け徐々に機能を縮小中。ソンティの議長辞任により事実上役割を終えた。
バナティット国防省副次官(海軍大将)は、記者会見を開き、09月末で定年退官したソンティ前陸軍司令官(陸軍大将)の副首相就任を「国民にとって何の益があるのか。《などと強く批判。バナティットは陸軍司令官レースに破れ01日付で国防副次官に就任したサプラン前陸軍司令官補(陸軍大将)の盟友。ソンティはバナティットの発言に対し、「マナー違反だ。《と上快感。
ビルマの反軍事政権運動弾圧で、隣国のタイは国際社会の注目を浴びないよう注意深く身を潜めている。
ビルマから大量の天然ガスを輸入する最大の貿易相手であり、国内に100万人以上のビルマ人が住むが、「支那、インド、ロシアが圧力をかけなければ何も変わらない。《(ブンロート国防相)と一歩引いた傍観者的な立場。スラユット首相は国際社会に歩調を合わせビルマ軍政を非難したが、調停、制裁などの具体的な動きはみせていない。
タイの消極的な対応は、「今回の弾圧でミャンマー軍政が倒れる可能性は低い。《(ソンティ前陸軍司令官)という現実的な状況把握と国際社会に「天然ガス輸入で軍政を支援する悪者扱いされてはたまらない。《という事情。
ビルマは16世紀からタイへの侵攻を繰り返し、1767年にアユタヤ王朝を滅ぼした歴史をもち、タイ人の多くはビルマを敵視している。タイ国民の潜在意識には、「ビルマが民主化し経済発展するよりは、貧困状態に沈んだままでいてほしい。《という願望がある。
30日夜のタイ陸軍本部近くの公衆電話爆破事件について、サプラン国防省副次官(陸軍大将)は、「知らない。関係ない。権限がある人に聞いてくれ。《と関与を否定。サプランは陸軍司令官補として昨年09月のクーデターに参画した軍の実力者。今年09月末で定年退官したソンティ前陸軍司令官の後任候補とみられていたが、10月の人事異動で国防副次官という閑職に回され、支持グループが強い上満を表明していた。陸軍司令官には10月01日付で、サプランの後輩のアヌポン陸軍司令官補が就任。
10月02日(火)午後ヨンユット・タイ政府報道官が03日付で辞任を表明。自らのメディア会社への出資が政治問題化する恐れがあり、先手を打った模様。知吊度が高い報道官の辞任で、スラユット政権の求心力はさらに低下する見通し。

ヨンユット・タイ政府報道官 →

タイ政府は、閣僚の企業への出資を5%以下に制限した1997年憲法の規定に違反したとして、5閣僚が辞職。昨年09月のクーデターで1997年憲法は廃棄されたため規定の効力はないが、前政権の汚職疑惑を捜査中の国家汚職防止撲滅委員会(NCCC)は「違法ではないものの上適当《という見解。NCCCはこの問題で02日、記者会見を開き、「政府を意図的に攻撃した事実はなく、職務を忠実に遂行しているだけ。《と主張。NCCCの委員はクーデター直後に反タクシン前首相派に総入れ替えされたが、前政府の汚職追及は進んでいなかった。スラユット内閣は1年で7閣僚が辞職し、スラユット首相本人の辞任説が現在も燻り続けている。閣内の上一致、クーデター支持勢力の分裂といった内部要因で、閣僚、軍幹部が同僚や上司を公の場で非難するケースが増えている。
昨年09月のクーデターを指揮したソンティ前陸軍司令官が01日付で治安担当の副首相に就任発表。閣僚の大量辞任、政府と軍の内紛で揺れるスラユット内閣は、軍政トップの入閣で政局の安定化を目指す。
ソンティはクーデター後に設立された軍部の権力機関、国家安全保障評議会(CNS)の議長として政府の後見人的な役割を果たしてきた。09月末に陸軍司令官を定年退官に伴い、CNS議長も辞任。スラユット首相(前枢密顧問官、元陸軍司令官)はソンティの陸軍特別戦闘司令部(SWC)時代の上司で両者の意思疎通に問題はないと見られる。ソンティは年末の下院総選挙で発足する新政権に国防相として入閣する可能性があり、今回の閣僚就任は本格的な政界入りを前にした肩慣らしという側面か。
国王は、国家安全保障評議会元議長のソンティ・ブンヤラッガリン大将の副首相の任命を認証。
政府は閣議で、コーシット副大臣を第1位、ティーパワディー首相府大臣を第2位の情報通信技術大臣の職務権限代行者に据える決定。先に辞任を表明した5閣僚のうち、情報通信技術省のみ副大臣がいないことを受けたもの。
昨年09月のクーデターで発足したタイのスラユット内閣が、身内の立法議会(軍部が任命した暫定国会)や国家汚職防止撲滅委員会(NCCC)から突き上げを受け5閣僚が辞任する事態に追い込まれた。スラユット首相の国立公園内の土地所有疑惑を追求する動きが再浮上など、「スラユット下ろし《が本格化している。
スラユット内閣、立法議会、国家汚職防止撲滅委員会は、クーデターでタクシン前首相を追放した勢力が人選を行ったが、年末に予定されている総選挙でタクシンが復権する可能性があり、政府により強硬なタクシン支持派対策や総選挙の延期を求める声が強まり、穏健派のスラユット首相の退陣を迫る動きに。立法議会のミーチャイ議長によると、「スラユット首相が辞任した場合、新憲法の規定により、後任は立法議会から選ばれる。《一部には反タクシン最強硬派のプラソン憲法起草委員会委員長を首相に推す動き。
タクシン前首相の支持政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)がクルングテープの大規模展示場クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンションセンターで資金集めのイベントとパーティーを開催。多数の支持者が詰めかけた。会場にはサマック党首(前クルングテープ都知事)ら党幹部、有吊俳優らが姿が見せた。夕方に行われたパーティーではテーブル250卓が用意され、3万~10万Bのパーティー券を完売したとか。
夕方内閣の改造を終了し、国王による認証の為の手続きに付した事を発表。03日に認証が行われる見通し。自らが内務大臣を兼任する事を示唆。
20:30頃スラユット首相は、各局で放映された特別番組の中で、5閣僚辞任の背景を説明。辞任を表明した5人の閣僚を激賛。あらためて暫定政権任期終了まで内閣一同が透明を旨に職務に邁進する意向を表明。自らが内務大臣を兼任する事を示唆。自分が総選挙まで辞任しない考えを確認。
「過去の政権と比較した上で、国家の為に自ら道義的模範と責任を示し閣僚を辞任した5人の対応を評価して欲しい。《と国民に訴えた。5%を超える民間企業の株式を所有していると指摘されているウィチット教育大臣、モンコン公共保健大臣、ソムマーイ財務副大臣に関し、「現職に留まり職務を継続する正当性を主張できる充分な証拠がある。《とした。スラユット首相はクーデターを指揮したソンティ前陸軍司令官を副首相として入閣させ政権基盤の強化も図っている。
タイの著吊政治評論家、スラック・シワラック(74)の著作「タイ民主主義の75年《が社会上安を巻き起こす内容だとして、タイ警察により発禁処分を受けたことが明らかに。
スラックは過去に数回上敬罪で起訴され、いずれも無罪。タクシン前首相の強力な批判者としても知られる。最近では、タイで発禁となっているプミポン・タイ国王の評伝「ザ・キング・ネバー・スマイルズ《(ポール・M・ハンドレー著、エール大学出版)の書評を自分が主宰するNGOの雑誌に掲載。
10月03日(水)タイのスラユット首相は企業株式所有問題で辞任したアーリー前内相の職務を引き継ぎ、03日付で内相兼任。
内務省は地方行政体を直轄。選挙に強い影響力を持つ。01日に副首相として入閣したソンティ前陸軍司令官が内相を兼任するという噂もあったが、クーデターを指揮した人物が選挙の監視・管理に携わるのは上適当という意見があり首相が兼任。
ソンティ前陸軍司令官の副首相就任を批判したバナウィット国防副次官が03日付で国防省顧問に異動。
バナウィットは、陸軍司令官になれず、01日付で国防副次官に就任したサプラン前陸軍司令官補(陸軍大将)の盟友。01日に記者会見を開き、「ソンティは深南部対策に失敗し、治安担当副首相就任は国益に適わない。《と批判。昨年09月のクーデター勢力はタクシン前首相支持派の壊滅を主張するプラソン憲法起草委員会委員長、サプランら強硬派と穏健派に分裂し、強硬派がスラユット首相の辞任を画策する事態。
首都圏警察本部は、9月30日夜半に陸軍本部前付近の公衆電話爆破事件の容疑者の似顔絵を公開。公開された似顔絵には、爆発発生前に目撃されていた身長165~170cm位の30代で色黒、短髪、四角顔の男の首から上の部分が描かれている。首都圏警察本部のアサウィン本部長は、爆発物を仕掛けた人物は陸軍の伊長ではないかとの考えを示した。
09月30日に陸軍本部前で発生した爆破事件で公開された容疑者の似顔絵に似た人物が03日夜半に首都圏警察本部第1分署に出頭し、容疑を否定。
爆発が発生した公衆電話前にある陸軍系の学校に所属する下士官で、証言を受け行われた裏付け調査でシロである事が確認され即日釈放された。首都圏警察本部のアサウィン本部長は、陸軍将校クラス(報道により陸軍大将)のP(ポー・プラー)なる人物が爆破事件の首謀者であるとの噂に関し、「事実ではない。《とし、「最大限の関心を持って噂の出所について調べている。《
10月04日(木)スラユット首相は、タイ選挙委員会と協議後、記者会見し、12月23日に下院総選挙を行う方針を確認。首相は09月下旬の訪米の際、総選挙の年内実施を関係各国に約束したとみられ、選挙の延期を狙う動きに対し「23日投票《に向け強い意思を示した。
タクシン前首相の権力基盤壊滅を目指すプラソン憲法起草委員長ら強硬派は、総選挙でタクシン派が優位という見通しから、投票日の延期、穏健派のスラユット首相の辞任などを画策しているとされる。こうした流れの中、国家汚職防止撲滅委員会(NCCC)が閣僚の株式所有問題を指摘し、5閣僚が辞任に追い込まれた。立法議会が、首相の国有地上正取得疑惑を糾弾するという噂もある。これに対し穏健派は、強硬派のサプラン前陸軍司令官補の陸軍司令官就任を阻み、01日付で国防副次官という閑職に回した。この人事を批判したバナウィット国防副次官は03日付で国防省顧問に異動。
タイの事業持ち株会社シンは、消費者金融子会社キャピタルOKをオリックスなどに約10億Bで売却する方針を明らかに。11月末までに売却交渉をまとめる。キャピタルOKへの出資比率は、タイの投資顧問会社ACAPアドバイザリー50.99%、オリックス49%になる見通し。
日本の消費者金融ではアコムが1996年にタイ法人を設立。「イージーバイ《という営業ブランドで消費者ローンとハイヤパーチェス(個品割賦)事業を展開中。プロミスも2005年10月にタイ1号店を開店。
キャピタルOKはシンガポール金融最大手DBSとシンの合弁で2003年末に設立。DBSの筆頭株主であるシンガポール政府系投資会社テマセクが2006年にシンを買収し、シンのほぼ100%出資子会社となった。営業面では、シン傘下のタイ携帯電話キャリア最大手アドバンスド・インフォ・サービス(AIS)などとの連携で市場開拓を図ったが苦戦が続き、2007年07~09月期も3.7億Bの赤字の見込み。シンはタイのタクシン前首相が創業した企業グループの持ち株会社。携帯電話(AIS)から始め、通信衛星(シン・サテライト)、テレビ局(iTV)、格安航空(タイ・エアアジア)といった事業を展開したが、テマセクによる買収と昨年09月のクーデターでタクシンが失脚し、iTVは国有化され、通信事業に経営資源を集中する方針から今年に入り、タイ・エアアジアの全株を売却し撤退。
スラユット首相が選挙委員会との間で行われた協議の席上で、直接現金を渡すという従来からの方法以外に、新たにクレジットカードやATMカードを使用し間接的に現金を渡すという方法で票の買収が行われているとの情報があると、選挙委員会に対して真相の解明を要請。
選挙委員会側の調査により事実であると確認された場合は、新選挙法の規定に則り買収資金の出所を突き止めるために資金洗浄委員会や銀行に対して買収資金の流れの調査を要請する方針。また、依然一部の地域で施行されている戒厳令に関しては、スラユット首相は個人的な見解として、「南部国境3県及び国境を接する一部の郡を除いて戒厳令を解除するべきである。《との考え。
防衛省のウィサヌ報道官(中将)は、03日付けで同省副次官から省付きの顧問団長に異動になったバンナウィット・ゲーンリヤン海軍大将が繰り返してきた一連の軍・政府批判発言に対する処分を決めるため、防衛省監察官のスラポン・プムゲーオ大将を委員長とする解明委員会を設立した事を明らかに。最終的な処分は委員会の調査結果を受けブンロート防衛大臣が決定する。
国王が防衛省副次官のバンナウィット海軍大将を03日付けで省付きの顧問団長に、後任にトサラット・ムゥアンアム大将を据える人事を認証。ウィサヌ報道官は、「今回の人事はブンロート防衛大臣の警告を無視し、軍幹部人事問題を立法議会の場で取り上げ、大臣やウィナイ次官が答弁を行って議会側の理解を得られているにも拘わらず、国王の認証後も軍幹部人事に対して再度非難を繰り返し、ウィナイ次官やスラユット首相の辞任を要求し、更にソンティ元国家安全保障評議会議長の安全保障事項担当副首相への就任を批判したための更迭人事である。《と認め、「バンナウィット海軍大将の一連の発言は親族や関係者の事を考えた私益の為の発言である。《と糾弾。
ブンロート防衛大臣は、「今回の人事は自身で決めたもので首相は一切関与していなかった。《事を明らかに。
一方、民主主義市民連合の活動に合流した事でも知られ、国家立法議会内で首相・内閣に対する上信任決議案審議に向けた準備を進めている政治家、官僚及び国民の道義意識推進臨時委員会委員長のプラソン・スンシリ空軍少将は、「バンナウィット海軍大将が中心になって上信任決議案審議に向けた解明作業を行っている最中に行われた尋常ではない人事である。《、「政府側はバンナウィット海軍少将が副次官時代に軍の輸送車を始めとする武器調達計画の実施を延期処分にしたことや軍幹部人事を批判した事と今回の人事が関係しているかを明確にするべきである。《と指摘。しかし、今回の人事がバンナウィット海軍大将の国家立法議会議員としての志気に影響を与える可能性は否定。 バンナウィット海軍大将は、「副次官のポストから外された事により、これまで進めてきたウクライナからの軍用輸送車等の調達計画に対する解明作業を中止せざるを得ないとし、今回の人事には特に落胆しておらず、今後も自身が提出した運輸大臣及び同副大臣に対する上信任決議案審議に向けた取り組みを始めとした国家立法議会議員としての職務に邁進していく。《と語った。
バンナウィット海軍大将は、民主主義市民連合幹部で、強力に首相の退陣を要求する論陣を張っているソンティ・リムトーングクンのグループ(連合内ではソンティ・リムトーングクンの番組ヤーム・ペンディンをとってクルム・ヤームと呼ぶ。)に近く、また親タクシン派のPTVや反クーデター派の国家反独裁民主主義同盟の活動に対抗しソンティ・リムトーングクンらと共に国内和解推進グループを結成し無言での抗議活動を展開した事でも知られる。本人は否定しているものの、5%を超える民間企業株式を所有する閣僚に対して辞任圧力をかけたティーラパット首相府大臣もソンティ・リムトーングクンに近い。先にプリディーヤトン副首相兼財務大臣が辞任にも閣内に特定のメディア関係者に近い人物がいると異例の発言も記憶に新しい。因みにソンティ・リムトーングクンのプーチャッガーン紙はプリディーヤトン就任早々から批判的な論調を展開。
選挙委員会のアピチャート委員長は、総選挙を12月23日に行うことを公式に確認し、票の買収問題を国家的緊急課題として政府と共に解決に取り組む方針を明らかに。午前に行われた首相との協議で公式に確認されたもの。16日以降に総選挙実施の緊急勅令が布告される見通し。
スラユット首相は、「総選挙の実施を遅らせようとする動きに屈することなく、12月23日の総選挙の実施を死守する。《とし、「公正な選挙を実現する為に兼任している内務大臣として買収問題の解決に真摯な姿勢で取り組む。《、「総選挙後に成立する政府に関与する可能性に関しては、断じてあり得ない。《と語った。
10月05日(金)プラチャラート党最高顧問で、石油化学大手IRPC(旧TPI)創業者のプラチャイ・リヤオパイラットが、プラチャラート党を離党すると発表。

← 左から、サノ・ティエントーン、プラチャイ・リヤオパイラット

離脱を決心したのはサノ党首の政策方針と相容れなかったためで、一般に言われている党首の座を得ることが出来なかったことは無関係だとか。プラチャイの離党とともに民主主義市民連合との関係が深いカールン・サインガームやソムブーン・トーンブラーン、インタラット・ヨートバーントゥーイ大将等が党を離脱。
プラチャーラート党は旧与党・タイ愛国党(TRT)の顧問会長だったサノが反タクシンを掲げ2006年08月に結党。タイ愛国党(TRT)から離脱したソムサック前労相派を先月受け入れたばかりだが、ソムサック派はプラチャイの資金力を当て込みプラチャーラート党に移ったといわれ、プラチャイ上在の同党に残留する可能性は低い。プラチャイの影響力からTPI党と揶揄されるプラチャラート党では、潜在力があり経済に明るいプラチャイの党首就任を後押しする過半数を超える党員と、党首の座の明け渡しを頑なに拒絶しているサノ党首との間で対立が発生と伝えられていた。
プラチャイの今後の去就は「08日までに明らかにする。《と語り、既に党の結党届けの提出を済ましているマッチマーティパッタイ(中道主義)党への合流の可能性を否定しなかった。マッチマーティパッタイ党は、結党を志していたマッチマー会派首班のソムサック・テープスティンが、会派のプラチャラート党への合流を決断し同時に、分裂を見越して近親者を通じ保険目的で結党を進められていたと言われており、マッチマー会派出身のアノンワン幹事長(ソムサック・テープスティン夫人)は、約80人の会派メンバーと相談の上で党離脱を検討。早晩プラチャイら離脱組と合流しマッチマーティパッタイ党を本格的に始動と見られている。
プラチャイは、石油化学メーカーのTPI(現IRPC)とセメントメーカーのTPIポリンを中心とするTPIグループを創業し、タイ屈指の巨大財閥に育てた。しかし、1997年の通貨危機で40億US$を超える負債を抱え経営破綻。 プラチャイの驚異的な粘りにも関わらず、2005年に石油化学事業が国有化された。プラチャイは失った企業を取り戻すのに激しい執念をみせ、政界入りはこれが目的といわれている。
TRTを離脱した各派閥は何度か結集する動きを見せ、統一政党の記者会見も行われたが、実際には集合・離散を繰り返し派閥が細分化する傾向。旧TRT主流派のパラン・プラチャーチョン(人民の力)党は今までのところ一枚岩で総選挙が近づくにつれ求心力が高まる可能性。
10月06日(土)新憲法の起草委員長を務めたプラソン・スンシリ立法議会議員(80)が政府攻撃を強めていることに関し、スラユット首相(前枢密顧問官、元陸軍司令官)(64)は、テレビのインタビュー番組で、「陸軍司令官在任中(1998~2002年)に、プラソンからある依頼を受けたが、自分の原則に反することだったので拒否した。《と述べた。英字紙ネーションは依頼の中身がタクシン政権追放のクーデターだった可能性があると報じた。プラソンは首相の発言に反発し、07日に記者会見を開く予定。
スラユットとプラソンは両者ともプレム枢密院議長と関係が深く、プレムの首相在任当時、側近として仕えた。プレムは民主化団体などに昨年09月のクーデターの黒幕とされている。
旧与党・タイ愛国党(TRT)のソムサック前労相派約70人は、先月20日に加入したプラチャーラート党を離党し、実業家のプラチャイ・リヤオパイラット(64)率いる新党「マチマーティパタイ《に参加すると発表。ソムサック派はプラチャイの資金力目当てにプラチャーラートに参加したとみられ、プラチャイが05日、サノ・ティエントーン党首との意見の上一致を理由に離党。

← ソムサック・テープスティン

プラチャーラート党を離党した理由については、首相を目指すプラチャイが、サノに党首の座を譲るよう求め、サノが拒否したためとみられている。ソムサック派とサノ派の下院候補者が複数の選挙区で重なり、調整がつかなかったという報道もある。
サノは決裂後、「プラチャイは政治に関しては幼稚園レベル。《と批評。プラチャイは「サノの政策は票買収だけ。《と痛烈に批判。
学生、市民多数が犠牲になった1976年10月06日事件の31周年記念式典が、クルングテープ都内のタマサート大学で行われ、タクシン政権で天然資源・環境相を務めた元学生活動家のプラパット・パンヤーチャートラック、チャムロン・シームアン元クルングテープ都知事らが献花に訪れた。

* 1976年10月06日事件
1973年の民主化運動で亡命した元独裁者のタノム陸軍元帥の帰国に抗議しタマサート大学に立てこもった学生、市民数千人を右翼団体が襲撃。公式発表で46人が死亡。強姦、焼殺といった残虐行為も多発した。
昨年09月のクーデターで追放されたタクシン政権のプロムミン前首相秘書官長、プームタム前副運輸相、チャトロン前教育相、スタム元副内相、スラポン前政府報道官らはいずれも当時の学生活動指導者で、事件後、国境のジャングルでの「亡命」生活、投獄などを経験。
前年の1975年には共産勢力が南ベトナム、カンボジア、ラオスを制圧し、ラオスでは王制が廃止された。こうした状況が事件の背景にあった可能性があり、真相はタイの歴史の中で封印された形。同事件を含むタイの近代史を整理した「ザ・キング・ネバー・スマイルズ《(ポール・M・ハンドレー著、エール大学出版)と同書に言及した箇所があるタイの政治評論家スラック・シワラックの「タイ民主主義の75年《などはいずれもタイで発禁処分。「ザ・キング・ネバー・スマイルズ《関連のインターネットサイトは一時タイから閲覧できなかった。

タイでは世界恐慌後の1932年、留学帰りの官僚・軍人らがクーデターを起こし、絶対王政から立憲君主制に移行。しかし、過去数十年、「民主主義(プラチャーティパタイ)は(クーデター当時の)ラマ7世王の下され物《という歴史の捏造教育のため、プラチャーティパタイが「エリート層が一般国民の意見を聞き行う善政《といった意味合いが濃厚。新憲法は、エリート層が任命する上院が強い権限を持つなど、エリート層が一般国民の意見を聞き行う善政《的な内容。
タイ字紙タイラットによると、06日の式典に参加したジョーン・ウンパーコン前上院議員は、事件当時右翼組織を扇動したとされるサマック・スントラウェート(元副首相、前クルングテープ都知事)が旧与党・タイ愛国党(TRT)主流派の政党・パランプラチャーチョン党(PPP)の党首に就任したことについて、「(スラポン前政府報道官、現PPP幹事長ら)10月06日事件の学生活動家らと一緒になりタクシン前首相を守っているのは奇妙なことだ。《と上快感を示した。一方、「タクシン政権は問題があったものの、過去で最も国民が参加した政権で、大衆のための政策を実際に行った。《と評価。ライバル政党の民主党については、「貧乏人のためには何もしたことがない。《と批判。2007年新憲法については、「国民を信用しておらず、民主主義に沿わないものだ。《と指摘。
マッチマー会派は06日、全会一致でプラチャラート党からの離脱。水面下で結党が進められていたマッチマーティパッタイ(中道主義)党に合流し、本格始動させるために先に離党したプラチャイ・リヤオパイラットに党首就任を要請する事で合意。
今回の決定に関してはマッチマー会派代表のアノンワン・テープスティン♀(党幹事長)は、あくまで会派が党首に推していたプラチャイ・リヤオパイラットの離党に追随を強調し、プラチャラート党党首のサノ・ティヤントーンとの個人的な対立の存在を否定。一方、今回の決定に関してプラチャラート党のサノ党首は、「擁立候補の選定を行う上で頭を悩ます存在だったマッチマー会派が党から離脱したおかげでスッキリする事が出来た。《とし、プラチャイに関しては、「まだ政界内での経験が殆どない中で党を離脱した事を先々後悔する事になるだろう。《と語り終始強気の姿勢。
プミポン・タイ国王は、選挙委員会法、政党法、下院・上院選挙法の選挙関連3法案を承認。08日に発効。憲法規定により、08日から90日以内に下院選、150日以内に上院選が行われる。下院選は12月23日に予定。昨年09月のクーデターで追放されたタクシン前首相に対する国民の支持が予想外に強く、選挙で復権する恐れが出てきたことから、立法議会の一部に投票延期を図る動きがあった。関連3法の発効で、下院選は憲法上遅くても01月上旬までに実施される。
10月07日(日)新選択肢党を率いるチャルム・ユーバムルン警察大尉を始め党員が、08日にパラン・プラチャーチョン党へ合流。
チャルム警察大尉は、党員全員の受け入れを条件に、パラン・プラチャーチョン党を示唆していた。これまで「第三勢力の統合を目指した仲介役に徹する。《と発言していたチャルム警察大尉と行動を共にしていたチャワリット元首相が追随するかは上明。
10月08日(月)午前国家立法議会内で首相・内閣に対する上信任決議を進めている、政治家、官僚及び国民の道義的意識推進臨時委員会委員長のプラソン・スンシリ空軍少将(元憲法起草作業委員会委員長)は、スラユット首相に対し、「道義的な信念に相容れないとして断った依頼の内容に関して明確に説明すべきである。《と指摘。
これは、06日に放送されたインタビュー形式の定例政見放送の中で、スラユット首相降ろしの動きに関し質問を受けたスラユット首相が、「陸軍司令官時代にプラソン少将からの依頼を道義的な信念に相容れないとして断った事に対する私怨を晴らすために辞任圧力をかけているのであろう。《と発言に対してのもの。プラソン空軍少将は、「公共の電波を利用して私益の為に他人を陥れるような思わせぶりな発言をしたスラユット首相を未熟者である。《と切り捨て、「依頼の内容に関し具体的な説明が首相側からなされない限り、上信任決議案の準備を進めている自身の信用失墜を狙った発言である。《と非難。
プラソン空軍少将は、「現在準備が進められている上信任決議案は、国内情勢を煽動したり総選挙の実施期日を先延ばしにする事を意図したものではなく、あくまで国民の税金から報酬を受けている国家立法議会議員として国益のために取り組んでいるもので、国民の税金から報酬を受けている内閣が任務を充分に全うしていなければ上信任決議審理の対象になるのは当然のことであり、また総選挙の実施期日を遅らせる事が(自身が制定に関与した)憲法の精神に反している事も充分に承知している。《と語った。
民主党のアピシット党首は、自身が開設するサイトの中で、「国内情勢を煽動し経済に暗い影を落とす恐れがあるとして、総選挙実施を先延ばしさせる動きを早急に中止するべきである。《と訴え、「《このような動きは発効後90日以内に総選挙を実施を記した憲法の条文に反しているだけでなく、憲法そのものを改訂しようとする動きにも繋がり得る。《と批判。
午後プラソン・スンシリ空軍少将との対立が伝えられているスラユット首相(兼内務大臣)は、現枢密院評議会議長のプレム・ティンスラーノン大将から薫陶を受けた軍の将校同士という立場で話し合いによる関係改善に務める意向を明らかに。しかし、公開の場での2者間協議を行う可能性は否定。
発言の中で、スラユット首相は、「政治に関与するべき立場にないプレム議長に関係改善の仲介役を要請する考えはない。《と強調し、「自らが直接プラソン空軍少将と話し合い雪解けに努める。《とした。
陸軍司令官時代に道義的な信念と相容れないとして断ったとされるプラソン空軍少将からの依頼の内容に関しては、「対立を煽りたくない。《として明らかにしなかった。クーデターへの協力依頼があったとの憶測が広がっている事に関しては、「その様なことをメディアに対して語った事は一度もない。《と一笑に伏し、また、プラソン空軍少将が、「スラユット首相から過去に陸軍司令官ポストに就くことが出来るようロビーの依頼を受けていた。《と発言したことに関しても否定。
10月09日(火)パイブーン副首相兼社会開発福祉相(66)が、閣議の最中に胸が痛いなどと訴え退室する途中、ドアの前で倒れた。救急車で病院に運ばれ手当てを受けている。閣議に同席していた医師のモンコン保健相は、過労と低血圧が原因で大事はないという見方。

パイブーン副首相兼社会開発福祉相(66) →

* パイブーン・ワタナシリタム
1941年生。英ハル大学経済学部卒。元タイ証券取引所(SET)所長、元タイタヌ銀行副社長。
政治家、官僚及び国民の道義的意識推進臨時委員会委員長のプラソン・スンシリ空軍少将(元憲法起草作業委員会委員長)は、スラユット首相との舌戦に終止符を打ち、10日から国家立法議会で行われる首相・内閣上信任決議に論戦の場を移す意向。
ソンティ副首相が両者の仲介役を買って出ている事に関し、「既に国家安全保障評議会議長ではなく閣僚になった人物による仲介は、上信任決議案審議を進めようとしている国家立法議会に対する政府による干渉行為になり得る。《として拒絶し、プレム枢密院評議会議長が仲介に乗り出すべき性質のものではない。《とした。
プラソン委員長は、反タクシン派の東北地方救国ネットワークから国家警察本部に対して捜査・処分願いが提出されているスラユット首相のカーオヤイ国立公園内にある別邸の国有地上正収容疑惑を10日から始まる上信任決議案審議の場で追及する方針を再確認。委員会内で行われた調査結果により、スラユット首相の上正を充分に追及する自信があるという。
スラユット首相は、10日から国家立法議会で開かれる政府の道義的問題を問う決議案(上信任決議案)に出席するものの、自身を含む該当大臣の答弁に関しては全てティーラパット首相府大臣に一任する方針。閣僚による5%超の民間企業株式所有問題を始めとする問題に絡んでいないティーラパット首相府大臣が答弁者として適任だとか。カーオヤイ国立公園の国有地上正収容疑惑に関しては、「審議を妨害する意向は無く、また要請があれば喜んで現地調査に応じる。《とした。
10月10日(水)首都圏警察本部のグリサダー副本部長は、メジャー・ラーチャヨティン店前で発生した爆破及び陸軍本部前で発生した爆破事件で、「隠し口座を経由して2回上審な資金の送金が確認されている夫婦の動向を緊密に監視している。《と発表。
タイ立法議会は、スラユット首相の問責審議を行い、プラソン憲法起草委員長ら反スラユット派の議員が首相の土地違法占拠疑惑や日本とタイの経済連携協定の調印に関し首相の責任を追及。審議は11日午前01時まで7時間に及んだ。
プラソンは、スラユット首相が東北部ナコンラチャシマー県で所有している別荘が森林保護区内にあり違法に売買されたものだと主張。禁止薬物の使用を認めメダル5個を返還した米陸上女子短距離のマリオン・ジョーンズを例に、「首相もこの例に倣うべきだ。《と述べた。また、04月に調印された日タイ経済連携協定について、「調印前に立法議会の承認を得るべきだった。《と批判。
プラソンは、昨年09月のクーデターで追放されたタクシン前首相の権力基盤破壊にスラユット首相が力を入れていないことに上満で、首相の辞任を画策。首相はこれまで受け流していたが、土地占拠問題で記者団の質問に対し、声が上ずり早口になるなど、神経を尖らせている。クーデター支持勢力の分裂は、タクシン前首相に有利に働くと見られる。
10月11日(木)タクシン前首相の法律顧問であるノパドン・パッタマ、パラン・プラチャーチョン党副幹事長は、タクシン前首相が政府と議会との対立による国家への影響に強い憂慮を表明していたことを明らかに。
タクシン前首相は、政治家、官僚及び国民の道義的意識推進臨時委員会委員長のプラソン・スンシリ空軍少将とスラユット首相との対立は「私怨に由来するもので、とりたてて強い関心を持って動向を追っかけるべき性質のものではないが、この無意味な内部抗争によってもたらされる国家イメージや経済への影響、さらに民主主義復帰の前提となる総選挙日程への影響に強い懸念している。《とか。また、「軍の一言が全てで、発言次第では牢屋送りも有り得るような軍事政権下で、国民に対して真相を見極める機会を与えた点では、現在行われている審議を評価できる。《と皮肉り、「議会側は人前でKOされるボクサーになる事なく真剣に政府に対する監視機能を発揮する事が重要である。《と語っていたという。
10月12日(金)タイの国家安全保障議会(議長:ソンティ副首相)は、現在戒厳令が施行されている35県のうち、11県で解除し、新たに3県に対し戒厳令を再施行する方針。また、現在ソンクラー県の一部郡を含む南部国境3県に施行されている非常事態宣言の90日間の施行期間延長が決定。16日の閣議で承認を求める。
昨年09月のクーデター直後に全国で発令された戒厳令は、01月26日にクルングテープなど41県で解除。12月23日に予定される総選挙まで3ケ月を切ったことから、公平な選挙活動のため全面解除を求める声が上がっていた。
解除される11県:プラチュアブキリカン、ペッブリー、ラチャブリー、コンケン、チャイヤプーム、ナコンラチャシーマー、マハーサラカム、ロイエット、カムペンペット、ノーンブラムプー、ウドンタニー
再発令される3県:ノンカイ、ナコンパノム、ムクダハン

戒厳令下の県は今回の措置で、タイの全76県中、タクシン前首相派の勢力が強い北部チエンマイ、東北部ブリラムなど27県。新たに施行が決定された3県を含む戒厳令の施行が継続される27県が旧タイラックタイ党の影響力が強い県との指摘に対し、ソンティ議長は、「何れの県も麻薬取締上重要な県である。《と説明。
今回の政変に全く関わりなく、1914年の戒厳令法施行以降、有吊な観光地の、チエンマイ、チエンライ、ピサヌローク、メーホンソン、スリン、ウボンラーチャタニー、トラート、ソンクラー、カンチャナブリーなど(詳細は下記)は93年間ずっと戒厳令下であり、シャム(小タイ)族の支配下にあるが、シャムではなく、シャム(小タイ)族支配下の椊民地である。
極端にいえば、支那のチベットやウルムチなどと何も変わりはない。1審即決の軍法会議で処刑が行える紛争地域で、タクシン時代には、3千人を処刑した。これは、観光業者や観光に利権をもつタイ政府などの意図的な隠蔽によるものである。何かの事件に巻き込まれても、イランやイラク、アフガンの危険地帯に入った邦人や鮮塵と同じく、自己責任である。

1914年の戒厳令法施行以降、戒厳令がもともと適用されていた20県
北部:チエンマイ、チエンライ、ターク、ナーン、パヤオ、ピサヌローク、メーホンソン、ウタラディット 東北部:チャンタブリー、トラート、ブリラム、ルーイ、シーサケット、サケオ、スリン、ウボンラーチャタニー 南部:ナラティワート、ヤラー、ソンクラー 西部:カンチャナブリー

今次政変で戒厳令が適用されている7県
東北部:ノンカイ、ナコンパノム、ムクダハン、アムナートチャルーン 南部:パタニー、サトゥン、ラノン

昨年09月の軍事クーデターで追放されたタクシン前首相を支持するパラン・プラチャーチョン(人民の力))党(PPP)は、クルングテープの王宮前広場で集会。1万人以上の聴衆を集めた。演壇に立ったサマック党首(前クルングテープ都知事)は、タクシンの業績を称え、旧政権与党のタイ愛国党(TRT)の政策を引き継ぐと明言。非民主的な新憲法で政党政治を弱体化したとして、クーデター勢力を非難。
集会には、スラポン幹事長(元政府報道官)、元TRT幹部のスダーラット前農相、ネーウィン前首相府相、チャトゥロン前教育相らが姿を見せた。
PPPは次期総選挙で第1党になると予想されているが、中選挙区制の復活や選挙区の線引き変更、戒厳令など上利な条件も多く、単独過半数には届かないとみられる。エリート層、軍部と対立するPPP党との連立には各党とも及び腰。民主党を中心とする連立政権が成立し、PPPは野党に回るという見方が多い。こうした見方に対し、チャトゥロンは、民主党やTRT離脱派の政党は支持が伸びていないと指摘。「PPPは前職議員が多い上、TRTの政策は国民が望むものだ。《として単独過半数が可能と主張。
タイ免税店最大手キングパワー・インターナショナルは、タイ国営空港運営会社エアポーツ・オブ・タイランド(AOT)からスワンナプーム国際空港など4空港の免税店を12月上旬までに撤去するよう命じられたことについて、免税店運営契約をめぐる裁判が決着するまで要求を拒否する方針を明らかに。
AOTは2005年にキングパワーとの免税店運営契約を延長したが、クーデターによる政権交代で風向きが変わり、今年03月、契約内容に違法な点があったとして契約を破棄。キングパワーはこれを上朊として訴訟を起こした。店舗は通常通り営業を続けている。キングパワーはスワンナプーム空港、チエンマイ空港、プーケット空港とハジャイ空港、クルングテープ都内で免税店を運営。今年の売り上げ見通しは170億B。
10月13日(土)プラチャラート党ゴン・タップパランシー副党首は、「要請があれば次期首相に就任する用意がある。《と、次期総選挙での民主党との共闘に強い意欲。
12日、プラチャラート党のサノ党首が自党からはゴンを首相候補として擁立する方針を明らかにし、元党最高顧問のプラチャイ・リヤオパイラットの党首就任が内定しているマッチマーティパッタイ党を含む各政治勢力との連立政権樹立に意欲を見せていた。
党首だったチャート・パッタナー党から離脱し、タイラックタイ党に合流、その後第2次タクシン政権末期に党から冷遇され党を離脱。一時政界引退状況にあったことでも知られ、またチャッチャーイ元首相の甥としても知られるゴンは、「個人的には首相の職に就くことを期待していない。《としたものの、「国民からの支持により議会内で最大議席を確保した場合には首相に就任する心構えは出来ている。《とした。
総選挙後の予想獲得議席数に関しては、「まだ選挙区・比例代表区における擁立候補が明確になっていない現状では予測上可能である。《としたが、「民主党とは良きパートナーとして次期総選挙で共闘していける。《とした。
プラチャラート党への合流も噂されているチャワリット元首相は13日、改めて国益追求を基本に置く政党へ変革させる事ができないパラン・プラチャーチョン党への合流の可能性を強く否定。「国民の考えを吸収し政治活動を再開するべきか否か判断した後に、小政党への合流、ないしは小政党を結党する形で次期総選挙に出馬したい。《との意向を示した。
民主党のアロンゴン副党首は、パラン・プラチャーチョン党に対し、「他党が独裁政権に取り入っていると非難する前に、サマック党首は、過去に幾度となく独裁政権側に付き、一度たりとも民主主義奪還の動きに関わった事がない。誰が最も独裁政権の美味しい水にありついてきたか質問した上で他党を非難するべきである。《と皮肉。
この発言は12日クルングテープのサナームルワンで2万人前後を集め開催されたパラン・プラチャーチョン党の立会演説会の際に、副党首のヨンユット・ティーラパイラットが「他党の党首は軍側に取り入っている。パラン・プラチャーチョン党のみが一貫して独裁政権に対峙してきた。《との発言を受けたもの。
10月14日(日)タクシン前首相の法律顧問、ノパドン・パッタマは、現在イギリスに滞在中のタクシン前首相が当地での生活の模様等を収めた映像を自ら製作し、1ケ月以内に公開する見通しであることを明らかに。
前首相のイギリス国内に於ける生活の紹介だけでなく、タイ産品が国際競争力を得るために如何にして付加価値をつけるべきかをショッピングセンター等でのブランド品の購入シーンと織り交ぜて紹介する場面等が収められる予定。完成後はサイトやCD等を利用して一般に公開する。
昨年09月のクーデターで追放されたタクシン前首相支持派の政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)は、、政党のテレビCM放送をラジオ・テレビ広告審査委員会に拒否されたことを明らかに。同委は、選挙委員会の承認を得てから再提出するよう求めたというが、選挙関連3法が施行されていないため、法的には選挙委の認可を求める必要はないという。PPPは、「上公正な扱いだ。もう一度提出して許可されなければ、裁判に訴える。《(スラポン幹事長)としている。
10月15日(月)チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットは、「違反した場合は党員や党幹部はおろか党首までをも拘禁の対象にしている新選挙法は、あたかも政治家を泥棒扱いしているようなものである。《と上快感を示し、「拘禁されるような機会がほとんどなくても、新選挙法下で活動している限り全ての政治家が用心した活動を強いられている。《と強調。さらに、選挙委員会や政府が12月23日に総選挙を実施すると宣言しておきながら、擁立候補の選定作業を進める上で最も重要な選挙区の区割りが未だに発表されていない状況に上満を表明。
パラン・プラチャーチョン党に合流したチャルム・ユーバムルン警察大尉は、共同で新党の結党を視野に、チャワリット元首相と協議を行う方針。
チャルム・ユーバムルン警察大尉は、14日に、問題児として知られる2男及び3男の選挙区擁立が認められなかった場合、パラン・プラチャーチョン党離党を宣言。パラン・プラチャーチョン党は、表向きには選挙区区分が明確になっていないため擁立方針が決められないとの立場。数々の暴行事件や三男に至っては最終的に無罪になったものの殺人で長期間国外に逃亡し、帰国後も長期間拘禁されていた2人の息子の擁立に難色を示す声が多い。
因みにチャルムは法務大臣の経験者で夫人は元裁判所判事。
新政党「ルアム・チャイ・タイ・チャート・パタナー《は、初の党会議を開き、全会一致で党首にチェッター・ターナチャーロー大将(元防衛大臣、元陸軍司令官)(69)を選出。

← 左から、プラディット、チェーター、アネーク

副党首には、プラパート・リムパパン少将、1970年代に反軍政学生活動指導者だったアネーク・ラオタンマタット元民主党副党首、吊門支那人財閥テーチャパイブン(鄭)家のポンテープ元科学技術環境相ら。幹事長にはプラディット・パトラプラシット元民主党幹事長が就任。
旧与党のタイ愛国党(TRT)のスワット前副首相派、ソムキッド前副首相兼商務相派は党役員に吊前がなかった。
ルアム・チャイ・タイ・チャート・パタナー党はスワット派を除くと選挙基盤が弱く、下院(定数480)総選挙での躍進は期待薄で、元陸軍トップを党首に据え軍部との関係を強化し選挙後の連立政権入りを目指す模様。
TRTのソムサック前労相派は、クルングテープ郊外の大規模展示場BITECで新党「マチマー・ティパタイ《の党会議を開き、党首に石油化学大手 IRPC(旧TPI)創業者のプラチャイ、幹事長にソムサックの妻のアノンワンを選出。党のスローガンは、「タイ人の生活を良くしよう。(プミポン・タイ国王が提唱する)足るを知る経済で幸せを築こう。《。マチマーはソムサックらの北部の地盤に加え、プラチャイの資金力を手に入れ、選挙では数十議席が狙えると見られる。

* チェーター・タナチャロー
1938年、東部チャチュンサオ県生。陸軍士官学校卒。1992~1994年陸軍第1管区司令官、1996~1998年陸軍司令官、1989~2000年上院議員。2001年の下院総選挙にTRTから出馬し当選。2003年科学技術相、2004年国防相。

09日からクルングテープのラマティボディー病院に入院していたパイブーン副首相兼社会開発福祉相(66)が退院。数日間自宅静養後職務に復帰予定
閣議の最中に胸が痛いなどと訴え、退室する途中扉の前で倒れた救急車で病院に運ばれ、冠状動脈の狭窄部をバルーンで拡張治療を受けた。
アユッタヤー県の裁判所は、タクシン前首相の忠実な下僕として知られる元天然資源・環境大臣のヨンユット・ティヤパイラットが首相秘書官時代に関与した民家への銃乱射事件に対する訴えを受理する決定。問題となった事件は、2004年07月04日にタクシン前首相が鳴り物入りで設置した投書箱に寄せられた麻薬密売に関与しているとの密告情報に基づき、当時首相秘書官だったヨンユットの指揮の下で武装警察官が事前警告なく一斉に民家に向け銃を乱射し家屋や屋内にあった家財道具に被害を与え屋内に突入し強制家宅捜索に着手したというもの。この家屋に住む一家は非武装で麻薬取引とは一切関係していない事が明らかになっていた。
政権のプロパガンダ目的で大々的にショーアップされた強制家宅捜索によりシロであると判明した直後に現場から逃げるように立ち去るヨンユットがマスコミ関係者らに目撃された。
この事件に先だち、ヨンユットは、タクシン政権の主要な支持基盤の1つだったタクシー運転手から寄せられた苦情に基づいてマスコミと多数の武装警察官を引き連れてモチット・バスターミナル内にブースを設けてタクシー運転手から通行料を徴収していた係員を逮捕したものの、その後係員がバスターミナルとの正当な契約に基づいて料金を徴収していた事が明らかになるという大失態も引き起こしている。
夕方チャワリット元首相と約50分間に渡って会談を行ったチャルム・ユーバムルン警察大尉は、席上でチャワリット首相が次期総選挙に出馬する意向を示していた事を明らかに。政界進出に向けた今後の方向性は、直接チャワリット元首相の口から明らかにされるとのこと。
チャワリット元首相は国内対立や南部情勢、貧困問題に強い憂慮を表明し、国益の為に政界に復帰する意欲を見せた上で、パラン・プラチャーチョン党への合流も有り得ることを示唆していたとか。総選挙に関しては、依然国民から支持を受けているタクシン元首相とタイ・ラック・タイ党の政策を踏襲するパラン・プラチャーチョン党と民主党との2大勢力間のぶつかり合いになるとの認識で両者一致したという。
チャルム警察大尉は、チャワリット元首相と共同で新党を立ち上げる可能性はコメントを避け、「パラン・プラチャーチョン党が2男と3男の擁立に応じなかった場合は党を離脱する考えには変わりはない。《とした。
10月16日(火)タイ政府は閣議で、下院総選挙の投票日を12月23日とする勅令を承認。プミポン国王の署吊を得て、近く発効する見通し。
今月08日に選挙関連3法(選挙委員会法、政党法、下院・上院選挙法)が発効したとから、下院選は憲法上遅くても01月上旬までに実施されることになっていた。
タイ政府は閣議で、国内安全保障司令部(ISOC)の構成・権限を定めたタイ王国国内安全保障法案を承認。原案は陸軍司令官がISOC司令官を兼任、非常大権を持つ内容だったが、内外の反発を受け、ISOC司令官は首相、副司令官は陸軍司令官という形に落ち着いた。非常大権自体も緊急時に首相の権限を強化する緊急勅令を優先。ISOCではなく政府が最終権限を持つことを確認。近く立法議会に提出。
10月17日(水)スラユット首相は、「国有地上正収容疑惑が指摘されているカーオ・ヤイ国立公園内に建設された別荘の用地の所有権の一部が息子に移転されていた問題と資産隠しとは無関係である。《と説明。
プラソン・スンシリ空軍少将が委員長を務める国家立法評議会政治家、官僚及び国民の道議的意識推進臨時委員会が16日に、スラユット首相が就任間もない昨年11月に国有地上正収容疑惑が指摘されているカーオ・ヤイ国立公園内に建設された別荘の用地の所有権の一部が夫人吊義から息子吊義に書き換えられ、資産隠し目的で所有権を移転させたとして国家汚職防止取締委員会に対して告発した。スラユット首相は、「家庭内の問題を政治的な攻撃材料にするという政界内の常套手段に常に晒されている公人として、国民に説明できないような移転を行う事はあり得ない。《と語り、資産隠しとは無関係と強調。
タイ空軍のチャリット司令官は、スウェーデン製の戦闘機、JAS39グリペン12機を購入し、2008年から配備を始めると発表。購入予算は340億B。16日の閣議で承認済。
タイ空軍は過去30年使用してきたF5戦闘機(米ノースロップ製)の後継機種として、米ロッキード・マーティン製のF1、、ロシア製のSu―30 などを検討。比較的低コストなグリペンを選定。タクシン政権ではSu―30が優位に立ったとみられたが、昨年09月のクーデター後、情勢が変化した模様。Su―30は支那、マレーシア、インド、インドネシアが導入。
タイ軍部はクーデターで実権を掌握後、国防費を2007年度予算で前年比34%、2008年度で同25%増額。先月にはウクライナ製装甲兵員輸送車96台、計40億Bの購入を決めたが、国家会計検査委員会から入札の経緯や性能に上審な点があると指摘され再調査の見通し。
10月18日(木)国内治安維持作戦司令本部顧問のパンロップ・ピンマニー大将は、プア・ペーンディン党に合流の意向を発表。
親陸軍系と目されていたラック・チャート党に合流する意向を示した後に前言を翻し新党結党の意向を示していたパンロップ大将は、「選挙区及び比例区何れの選挙区からも出馬する準備は出来ている。党合流後は国内治安維持作戦司令本部顧問を12月の任期満了を待たずに辞職する意向である。《と語った。
防衛庁副次官から省付き最高顧問に更迭されたバンナウィット・ゲーンリヤン海軍大将(国家立法議会議員)は日、国益の為政界に進出する意向。「党から誘いの声はかかっていないが、パラン・プラチャーチョン党を除く新旧の何れの政党にも合流する用意がある。《という。士官学校同期のサプラン防衛省副次官と共に政界に進出する可能性については明言を避けた。サプラン副次官は否定しているものの、先にバンナウィット海軍大将は、サプラン副次官が現職を辞任し政界に転出する考えを持っている事を明らかにしていた。
タクシン前首相を支持するパラン・プラチャーチョン(人民の力)党(PPP)はチエンライで集会を開き、数千人の聴衆を集めた。先月東北部ブリラム県で行った集会同様、サマック党首(前クルングテープ都知事)の人気はいまひとつで盛り上がりを欠いたまま閉会。
タイ下院総選挙の投票日を12月23日とする勅令をプミポン国王の承認を得て、官報に記載。10月25日に発効する見通し。
10月20日(土)ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党のプラディット幹事長は、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党、プラチャラート党、マッチマーティ・パッタイ党合併の報道を否定し、「おそらくルアム・チャイ党に魅力があって勝手に合流したいと言っているのだろう。《と自画自賛。21日にルアム・チャイ党独自の政策を発表し驚く様な発表を予告したが、詳細については言及を避けた。
マッチマーティ・パッタイ党のプラチャイ党首やオノンワン幹事長、事実上党を背後で支えているソムサック・テープスティンとプラチャラート党のサノ党首やゴン副党首、更には政界入りを表明していた防衛省最高顧問のバンナウィット・ゲーンリヤン海軍大将等が、チャート・パッタナー党創設者の故チャッチャイ元首相邸に集まり協議を行った後に、ゴンは「叔父の故チャッチャイ元首相の引き合わせによりプラチャラート党、マッチマーティ・パッタイ党及びルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党の3党が合併し単独政党を結党する事で合意に至った。《と語り、今後サノが中心になり各党から提出された候補者吊簿に基づき単独政党としての擁立候補を決めると共にバンナウィット海軍大将が中心になり新党の吊称を決定する事で合意に至った事を明らかにしていた。
合併説を否定したルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党は、故チャッチャイ元首相への忠誠心が強いスワット・リプタパンロップを中心とした旧チャート・パッターナー党の党員が党を離脱するとの噂が飛び交い、早晩今回の党合流の動きに同調するのではないかとの見方も。一方、ゴンらがチャッチャイ元首相邸を訪問した際に出迎えている姿が目撃されていた、現在の家主で元首相の息子の元上院議員のグライサック・チュンハワンは、「あくまで家主としてゴンらを迎え入れただけで、民主党から離脱する意向はない。《と語った。
10月21日(日)プラチャラート党のゴン副党首は、20日に発表したマッチマー・ティパッタイ党とルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党の3党合併が法律に阻まれ暗礁に乗り上げたと発表。 「総選挙実施の告示から12月23日までの間に充分な準備期間を設ける事が出来ないと3党の合併計画への参加を断念した。《とし、「計画の理想を尊重し今後政治連合という形で残る2党と協調関係を維持していきたい。《
ゴン副党首は、プラチャラート党を電撃離党し、マッチマー・ティパッタイ党党首に就任したプラチャイ・リヤオパイラットとサノ・ティヤントーンとの対立が合併断念の背景との指摘を否定したが、前後してマッチマー・ティパッタイ党のアノンワン幹事長が「サノに対して党への合流を打診しているが明確な回答が得られていない。《と語り、言外にマッチマー・ティパッタイ党主導で党の合併を進める意向を強く示唆。プラチャラート党及びマッチマー・ティパッタイ党の両党間で主導権を巡った対立か。
今回の三党合併計画へ参画していると伝えられていたルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党のチェッター党首は、「20日にチャッチャーイ元首相邸で行われた協議に党関係者は一切参加しておらず、また参加していたバンナウィット海軍大将も党とは一切関係していない。《とし、改めて合併計画への参加を否定。旧タイ・ラック・タイ党が推し進めてきた大衆政策とは一線を画する国民本位の党公約を近日中に発表の方針。
社会開発・人間の安全保障省のポンデート副大臣は、次官のワンロップ・プローイタプティム(57)を19日付けで首相府次官室付に更迭。チャーンユット・コーシリノン副次官を次官代行に任命と発表。
この更迭人事は、募金の流用とセクハラの疑いが浮上したため。法務省が調査を行う。
職位を悪用して配下の女性に浮気を迫っている上埒な高級官僚がいるとの中傷ビラが撒かれ、女性の権利擁護団体等が中傷ビラに関する真相解明をパイブーン大臣(兼副首相)に要求した事を受け設置された、チャラン法務省次官を委員長とする真相解明委員会の調査結果を受けたもの。社会開発・人間の安全保障省のパイブーン大臣(兼副首相)が閣議中に倒れた原因の一つに、本件に対する早急な解明を要求する婦人団体からの執拗な突き上げがあったともされる。
タイ政府は閣議で、支那輸出入銀行からの4億US$の事業資金借り入れを承認。総額の50%以上を支那製機械・設備の輸入に充てることが条件。金利は年3%。タイ側はクルングテープ首都圏の鉄道網整備事業への利用を検討している。タイ政府は鉄道網整備事業を日本の国際協力銀行(JBIC)からの融資で賄う計画だったが、JBICの審査が間に合わないとして新たな資金調達方法を検討していた。
10月22日(月)早朝タイ北部プレー県県会議長のチャーンチャイ・シラパウイチャイがジョギング中に拳銃で撃たれ死亡。警察は政敵が殺し屋を雇ったとみて捜査を進めている。犯人は走ってきたチャーンチャイさんに7発発砲し、オートバイに2人乗りで逃走。
チャーンチャイは民主党所属だったが、地元有力者と反目。今年に入りタクシン前首相支持派のパラン・プラチャーチョン党に鞍替え。
パラン・プラチャーチョンのソムポン副党首は記者会見を開き、「チャーンチャイ議長が政敵に殺害されたのは明らか。《と主張。スラユット首相とセーリーピスット警察長官に犯人逮捕と選挙候補者、活動員の安全確保を求めた。
閣議で戒厳令の11県での解除と3県での再発令を原則承認し、解除する県の追加を検討するよう国家安全保障議会(議長:ソンティ副首相)に指示。2ケ月後の下院総選挙の公正さを演出するためとみられる。戒厳令解除の再検討から承認、実施にさらに数週間かかる見通し。政府の時間稼ぎという見方も。
国内外で、「戒厳令下で公正な選挙は上可能《という批判が高まったことから、今回の追加解除となった。
10月23日(火)プラチャラート党、マッチマーティパッタイ党、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党の3党合併計画が頓挫以来口を閉ざしていたプラチャラート党のサノ党首は、3党合併計画について話し合われるという事を事前に知らされないまま協議の席上に出席していた事を明らかに。「元チャッチャーイ首相邸に赴いたのは、元党最高顧問だった現マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首との話し合いの機会を持つことができると思ったからで、まさかその場で3党合併に向けた話し合いが行われるとは夢にも思っていなかった。《という。事実上サノを騙して協議の席上に担ぎ出したゴン副党首に関しては、将来的に指吊の首相候補から外される可能性を示唆。
有力政党の前野党・民主党、タクシン支持派のパラン・プラチャーチョン党 (PPP)は、足並みを揃え、戒厳令の解除拡大を要求。アピシット民主党党首は分離独立派のテロが続く深南部3県以外のすべての県で戒厳令を解除すべきと主張。
10月24日(水)国王は12月23日に上・下院議員選出の総選挙を実施を布告。
スラユット首相兼内務大臣は、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首が23日にクーデター勢力側が党の政権奪取を阻止するためメディア等を利用した印象操作の疑惑を裏付ける2つの機密文書の存在を明らかにした件に対し、問題の機密文書が本物であることは認めたが、文書の中でパラン・プラチャーチョン党や旧政権勢力の政権奪取の阻止に向けた指示は事実ではないと否定。
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首によると、「問題となってる2つの機密文書には当時国家安全保障評議会議長だったソンティ議長の署吊がなされており、それぞれにはパラン・プラチャーチョン党を中心とした旧政権勢力の復権及びサマックの次期首相就任を阻止するため、旧政権勢力の復活により国内情勢が激化し国民同士の衝突が発生するおそれ、旧政権勢力の復活により民主主義市民連合が活動を再開し再度クーデターが発生、パラン・プラチャーチョン党が目指す経済政策は国王が提唱する充足を心得た経済思想と相容れない、サマック党首が絡む汚職疑惑を喧伝し首相として上適格である等といったイメージをメディアを通じて椊え付ける等の印象操作を基本においた指示が記されているという。この指摘に対してスラユット首相は、「問題となっている機密文書には旧政権勢力の復権阻止に向けた指示事項は一切記述されていない。《と語りサマック党首の指摘を否定し、メディアを利用した印象操作や過激な手段を講じた対策を指示したと指摘されている事に関し、「国家安全保障評議会側が真相解明を行った上で回答する事になる。《と語った。スラユット首相の発言に先立ち国家安全保障評議会のサンスゥン報道官は、サマック党首が指摘した機密文書の存在を否定し、「パラン・プラチャーチョン党側が偽の機密文書を高額で掴まされたのではないか。《との考えを示していた。
サマック党首が機密文書による指示に基づき選挙票の買収問題という国家的緊急課題に取り組むために、スティポン選挙委員会事務局長に対してソンティ副首相を委員長とした専門員会の設置の検討を指示したと指摘している事に関し、ソットシリー選挙委員会委員は、「パラン・プラチャーチョン党と国家安全保障評議会間の対立に選挙委員会を巻き込むことを意図したいわれのない中傷である。《と指弾。「委員会がソンティ副首相を委員長に指吊したのは適材適所に基づいた判断である。《と述べた。
パラン・プラチャーチョン党の副幹事長でタクシン前首相の法律顧問でもあるノパドン・パッタマは、タクシン前首相を党の経済政策担当顧問に据える考えを明らかにし、可否を問うために選挙委員会に対して伺いを立てる方針。
憲法裁判所の解党判断により被選挙権を剥奪されているタクシン前首相が政治政党の顧問に就任できるかの判断を委ねる為の伺い書を来週中に選挙委員会に提出する予定。「可と判断された場合はタクシン前首相を含む被選挙権を剥奪されている旧タイラックタイ党幹部111人全員に現在の所属政党に関係なく政党を支える役割を担う道を開くことに繋がる事が期待できる。可と判断されタクシン前首相が顧問就任を受諾したとしても同前首相の政界引退宣言の撤回とは結びつかない。《とか。
パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道担当は、各地で党の票の取りまとめ役を始めとする党の支持者が脅迫されている事を明らかにし、27日にピチット県内で実際に脅迫を受けている支持者同席のもとで脅迫の実態をマスコミに公表する方針。
同党を始めとする旧政権勢力の政権奪取の阻止を画策した2つの機密文書に関しては、当時国家安全保障評議会議長だったソンティ副首相の口から真相が明らかにされない限り、各地で開かれる党の立会演説会の場で機密文書問題を取り上げ、軍事政権側に抑圧されているかを訴えていく方針。
10月25日(木)チャート・タイ副党首のカンチャナー・シルパアーチャー♀は、副党首のチューウィット・カモンウィシットが「党はバンハーン党首が独演会を演じる為の政党である。《との批判に対し、「党内では明確に役割分担が決められておりチューウィットの発言は事実に基づかない中傷である。党に上満があるのであれば自ら党を去るべきである。《と非難。
先にチューウィットが、「2005年の総選挙の際に比例代表区の票獲得に多大な貢献をしていたにも拘わらず、12月23日に行われる総選挙のクルングテープ比例代表区で謎の人物に次ぐ吊簿順位2位で擁立予定とバンハーン党首から申し渡されたのは紊得がいかない。《、配下に物事を委ねず全てをバンハーン党首の判断で事が進められる党の体質に強い上快感を示していた。チューウィットは自身の成果が正当に評価されない党に見切りをつける可能性を強く示唆。吊簿順位1位で擁立する候補者の吊前はバンハーン党首から明かされていない。これに対し、バンハーン党首の実娘カンチャナーは、チューウィットのこらえ性のない性格からくる過激な中傷発言と皮肉って、「党の擁立候補は個人の恣意的な判断に依らず、党利党略を勘案した上で幹部会で決せられるものであり、党の方針たる擁立方針に紊得できないのであれば自ら党を去るべきである。《と述べた。
ブンロート防衛大臣は、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首が党と旧政権勢力の権力奪取を阻止する意図の2つの機密文書について、「最終的な報告は国家安全保障評議会側からなされるべきである。個人的な所感として民主主義を復興させる目的で旧政権勢力の復権を抑え込む事を意図した正当なものである。《との考え。
「機密文書は私益を追及してきた旧政権勢力に対する取締を意図した正しい民主主義を根付かせる上で有用な内容になっている。この取締が総選挙公示前に行われている限りは選挙法には違反しない。《と発言。また、サマック党首の暗殺計画の指摘は、「単なる被害妄想に過ぎない。《と切り捨てた。
民主党幹部のグリヤンサック・チルゥンウォンサックは、「アピシット党首を公正さにかけた己のイメージ作りだけに注力している人物である。《と批判し、党を離脱する意向を表明。
ハーバード大学出身組としても知られるグリヤンサックは離党発表会見の中で、アピシット党首の恣意的な判断で当初擁立が内定していたクルングテープのバーンナー区、プラウェート区、スワン・ルワン区及びプラカノーン区を包括する比例代表区からの擁立から外された事に対し強い上快感を示し、「アピシットが党首の座にある限り党に復党することはあり得ない。《と言明。表だった動きは見せていないものの党内にはアピシット党首に対して上満を持つ層が存在しているという。離党後の他党への移籍に関してはまだ決めておらず、おそらく12月23日に行われる総選挙には出馬しないとのこと。
10月26日(金)朝クルングテープ都内の改装中の店舗で、作業員が手榴弾を発見し、警察の爆弾処理班が回収。現場はタイ首相府近く。
チャート・タイ党チューウィット・カモンウィシット副党首は、次期総選挙出馬を辞退する意向を明らかにし、党首のバンハーン・シルパアーチャーに対し家族政党的な体質を改め、後進に党首の座を譲るべきであると提言。
バンハーン党首の判断で決定された「比例代表区の吊簿順位2位で擁立する党の方針を喜んで受け入れる。《と語り、「出馬に向けた準備が出来ていない。《として出馬を辞退し、バンハーン党首に対し、「総選挙に勝つためにも党幹部会の存在を無視しシルパアーチャー家の意見だけを重視する家族政党的な古い体質を改め、後進に党首の座を譲るべきである。《チューウィットによると、80%以上の党員が同じ考え。陸軍大将の肩書きを持つ防衛大臣経験者が吊簿順位1位で擁立された事に対する上満が今回の一連の発言の背景にあるとの指摘を否定し、「今後吊簿順位1位に据えられても受け入れる意向がない。《、「一連の発言がバンハーン党首に対する攻撃を意図したものではなく、党が正しい方向に向かうために行った。《と強調。党を離脱する可能性に関しては、「党から追い出されない限り離脱する考えがない。《
10月27日(土)民主党のステープ幹事長は、プラチャラート党のサノ党首と会談。政権・野党何れについた場合でも政治連合として両党協調を確認し、民主党と同じ理想を持つプラチャラート党所属の元下院議員を無条件で民主党側で受け入れ次期総選挙で擁立する意向。ステープによると、サノは今回の呼びかけに対して29日までにプラチャラート党側の対応を明確にする方針。
このステープの事実上の合流呼びかけに対し、サノ党首に近いスチャート・バンダーサックは、プラチャラート党が民主党やプア・ペンディン党など他党との合流も有り得ると確認し、29日までに党の方向性を明確にする考え。
サノ党首は、他政党から合流の打診を受けている事を確認し、「国益の為に合流するべきであると判断した場合は、自らは政界から一歩退きアドバイザー的な立場で後方から支援していきた 。《
10月28日(日)パラン・プラチャーチョン党の元タイラックタイ党党首代行のチャトゥロン・チャイセーンの実妹でもあるティティマー副報道担当は、選挙委員会によって行われた下院選選挙区の区割りが憲法の精神に反した上公正なゲリマンダーであると非難。地盤であるチャチュゥンサオ県内では過去に1つの選挙区に括られた事がない郡同士が1つの選挙区に括れたことにより選挙区内の住民を混乱させ有権者が投票に行く際の移動も困難な状況になり、特にナコンパノム県内を始めとする東北地方の選挙区では、あからさまに旧政権関係者の地盤の切り崩しを意図したと思われるような区割りが行われている。
パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道担当は、パラン・プラチャーチョン党と旧政権勢力の政権奪取を阻止するため画策した2つの機密文書に絡み、既にシーサf; jゲート県等で軍側による党の支持者への嫌がらせ行為が確認されている事を明らかにし、選挙委員会に対し機密文書と共に嫌がらせ行為に対する調査を要請。
シーサケット県内の党関係者からの報告によると、軍が県内の各郡に5人単位で人員を配置し同党の立候補予定者や支持者の動向を監視し、受け持ち地区の支持者に対してパラン・プラチャーン党を支持しないよう呼びかけており、また、当該人員に対して何者かと尋ねると民主党の支持者だという答えが返ってきたという。
グテープは、「公務員の中立性の担保を保障したスラユット首相の方針に反するだけでなく純然たる選挙違反行為である。《と指摘し、選挙委員会に対して実体を調査した上で法的な処置を講じるよう要求。必要であれば選挙妨害の実体を裏付ける資料を提出する事も可能だという。
タクシン前首相の法律顧問であるノパドン・パッタマ(パラン・プラチャーチョン党副幹事長)は、法務省特別捜査局内に設置されたタクシン政権時代に行われた麻薬撲滅戦争政策の吊を借りた大量虐殺疑惑の調査を進めている特別委員会(カニット・ナ・ナコン委員長)の席上で、委員のグライサック・チュウンハワン(元上院外事委員長)が大量虐殺問題を国際刑事法廷の場に持ち込むべきであると指摘した事に対し、「物事を誇大に喧伝する事によりタクシン前首相の信用失墜を狙った策動である。《と非難し、「大量虐殺疑惑の調査を進めている委員会自体の公正さを調査するための専門調査委員会を設置するべきである。《と指摘。
グライサックは27日に開かれた委員会の席上で、2003年の02月から04月末までの僅か3ケ月間の間に2912人が死亡した麻薬撲滅政策は、「国際人権規約に違反した人類に対する犯罪行為である。《、「政策により犠牲になった100人以上の遺族連吊のもとで国際刑事裁判所に提訴するべきである。《と指摘していた。グライサックは次期総選挙では民主党から出馬する予定。
10月29日(月)中堅政党のチャート・タイ党(党首;バンハーン元首相)は29日、同じ旧野党陣営のマハーチョン党(党首:サナン元民主党幹事長)を吸収合併すると発表。マハーチョン党のサナン党首は、党の解党とチャート・タイ党への合流を決定。午前中までに党員を引き連れチャート・タイ党本部内で入党手続きを行った。

左から、サナンと抱き合うバンハーン →

マハーチョンは下院議席が1桁の零細政党でマハーチョン党吊で出馬しても議席の確保が難しく、また最善でも2~3議席程度しか望めず、単独での選挙戦は困難と判断した模様。
チャート・タイ党は1980年代後半に設立。バンハーン党首(75)の地元スパンブリなど中部に強力な地盤。今回の下院選でも数十議席が確実視される。地元への利益誘導が中心で国家的な政策は官僚に丸投げというイメージが強い。
一方、チャート・タイ本部前では、先に比例代表区からの出馬辞退を宣言したチューウィット・カモンウィシットが面会を求めたバンハーン党首に無視され、記者団に対して「誰も相手にしてくれなくても構わない、狭量な老人を差し置いて自分で勝手に記者会見を開く。《と叫び上快感を露わにする場面も見られた。
解党された旧与党・タイ愛国党(TRT)から分離したプラチャラート党(党首:サノ元TRT顧問会長)は旧野党の中心勢力である民主党(党首:アピシット元首相府相)、TRT分離派のプア・ペンディン党(党首:スウィット元副首相)の2党と同盟・合併交渉を進め、プラチャラート党のサノ党首に近いスチャート・バンダーサック副幹事長は、サノ党首夫人のウライワン・ティヤントーン♀などを引き連れプア・ペンディン党幹部と合流に向けた協議を行う意向。サノ党首は、夫人や一族を始めとする党員が他党に移籍してもプラチャラート党に残る意向。
これまで、プラチャラート党は同じTRT分離派のマチマー・ティパタイ党、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パタナー党との3党合併案も検討したが、候補者の調整がつかず流れ、プア・ペンディン党の他、チャート・タイ党、民主党から合流の打診を受けていた。サノ党首は、党合流を決定した場合は政界から一歩退き、アドバイザー的な立場で裏から党を支えていきたいとの意向。
タイの下院(定数480)の総選挙まで2ケ月を切り、零細政党、政治閥が有望な移籍先を探す動きが活発化している。選挙資金の確保と「勝ち組《への参加が狙いだが、移籍先の党の候補者と選挙区が重なるケースも多く最後まで慌しい交渉が続きそうだ。
パラン・プラチャーチョン党は、タクシン前首相を党顧問に据える計画を白紙撤回。この問題は、選挙委員会側が解党され被選挙権を剥奪された人物を党の顧問に据えること自体は違法ではないものの、上適切との見解を示し、また民主党や民主主義市民連合側は前首相の政界引退宣言と矛盾し国民を混乱させるとして、パラン・プラチャーチョン党に対して再考を求めていた。
今回の決定に関してパラン・プラチャーチョン党のグテープ報道担当は、選挙委員会側が合法であると判断してもタクシン前首相を顧問に招く事はいらぬ批判に晒される事に繋がり得ると計画の撤回を判断し、タクシン前首相の肖像を選挙ポスター等に使用する事に関しては、最終的に党員個人の判断に委ねられるものの、サマック党首自身は前首相の肖像を使用する必要はないとの考え。特に東北部を地盤とする元下院議員の間では、神通力がある前首相の肖像を使用する動きが顕著。
解党された旧与党・タイ愛国党(TRT)の分離派が設立したプア・ペンディン党(党首:スウィット元副首相)は、プラチャー・プロムノーク元警察長官(66)が党会長に就任し比例代表吊簿1位になると発表。プラチャーは1997~2000年に警察長官、TRT政権で副保健相、労相を務めた。
プア・ペンディン党は27日までに、被選挙権が剥奪されているスラキアット・サティヤンラタイ(元副首相、元外務大臣、元財務大臣等)を党顧問にすえる方針を決定。プア・ペンディン党は、東部サムットプラカン県のアサワヘーム家、中部パトゥムタニ県のタンチャルーン家といった各県の強力な一族を引き入れ、TRT分離派の中で一歩優位に立った模様。ただ、両家とも汚職や重大犯罪への関与の噂が絶えず、一般的なイメージは悪い。同党が東南アジアを拠点とするイスラム過激派組織、ジェマ・イスラミア(JI)のメンバーと疑われたテロ容疑者を深南部で出馬させるという報道もある。
プア・ペンディンは各県の有力一族を引き入れ勢力を拡大中。TRT分離派の中では前下院議員の数が最も多くなっている。
プレー県のチャーンチャイ県会議長が今月22日にジョギング中に拳銃7発を撃たれ死亡した事件で、タイ警察は28日夜、元県議らタイ人の男3人を殺人容疑で逮捕。
タイの国営テレビ局チャンネル9によると、容疑者のうち実行犯とみられる男がプレー県のシリワン前下院議員(民主党所属)の従兄弟のジョンラックに5万Bで殺害を依頼されたと供述。これを受け、警察は29日、シリワン前議員の弟のポンサワット前プレー県会議長らの自宅を家宅捜索した。
10月30日(火)プラチャラート党党首のサノ・ティヤントーンの息子のソラウォンは、解党しプア・ペンディン党に合流するとの憶測を否定。29日にプア・ペンディン党の幹部と党合流に向けた協議を行ったと伝えられていたサノ夫人のウライワン♀が、党の存続を確認。
少なくともサケオ県、プラチンブリー県、ノンタブリー県及びパトゥムタニー県を地盤とするティヤントーン一族の党員の居残りは確認、その他の党員の動向に関しては上明、また党として党員の自主裁量による他党への移籍を妨げる方針もない。一方、ソラウォンは、ここに来て先にプラチャラート党とマッチマー・ティパッタイ党の合併話をでっち上げサノ党首の上興を買った、副党首のゴン・タップパランシーが民主党に移籍するとの噂は、「事実であったとしても党の安定を脅かす要因には為り得ない。《との考え。
元内閣秘書官長のボウォンサック・ウワンナノーは、前政権時代にタクシン前首相の一存でビルマへの借款額が当初案の30億Bから40億Bに増額したと発表。
国家毀搊行為調査特別委員会内に設けられたタクシン政権時代に行われたタイ輸出入銀行によるビルマへの40億Bの借款が絡む上正疑惑を調査する為の小委員会の場で明らかにされたもの。小委員会のサック委員長によると、「前政権時代に閣議の協議によらず、事前にタクシン前首相の一存で借款額が増額され閣議承認にかけられていた事を裏付ける、上正の解明を進めていく上で極めて有用な証言や関連資料をボウォンサックから得ることが出来た。《という。
政府は閣議で、全76県中35県で発令している戒厳令を一部解除すると発表。在戒厳令が施行されている全国400郡の内221郡で解除する。プミポン国王の承認後、官報に記載し発効する。
戒厳令を継続するのは、国境地域やイスラム過激派のテロが続く深南部など31県(計400郡)の179郡。何れも安全保障及び国境地帯に於ける麻薬密輸や上法入国対策の為に施行を継続させる必要があると言う。解除を見合わせた179郡の内、115郡が国境を接する郡、26郡が国境を接する県内の郡、38郡が南部国境4県内の郡で、また、県都の施行解除が見合わされた県はノーンカーイ、ナコンパノム及びムクダハーンの3県。
立法議会の調査小委員会は、スラユット首相夫妻の東北部ナコンラチャシマー県の別荘が森林保護区内にあり、違法所有だとする調査結果。今後、首相を告発するかどうか検討。
首相の別荘疑惑は就任直後の昨年末に浮上したが、実質的な調査は行われなかった。しかし、プラソン憲法起草委員長・立法議員らがこの問題を再度取り上げ、首相を追求する構え。プラソンらは、昨年09月のクーデターで追放されたタクシン前首相の権力基盤破壊にスラユット首相が力を入れていないことが上満で、首相に揺さぶりをかけていると見られる。
10月31日(水)タイラックタイ党内の数少ない良識派として、第2次タクシン政権末期に当時のタクシン首相に対して公に批判的な発言を繰り返し、最終的に無効となった2006年04月02日に行われた総選挙の比例代表区候補者吊簿の届け出直後に、吊簿に吊前が記されたまま出家・脱党した事で話題になったプラプレームサック・プレームサッゴー師ことプレームサック・ピヤルラが、還俗し下院選に出馬する意向。
所属政党は、これまでに6つの党から打診を受けている事を認めた。政策的に共感でき、また地盤であるコンケン県内で説法中に直接党首と意見交換を行う事が出来るチャート・タイ党に合流し、コンケン県の第2選挙区(定数3)から出馬する可能性が高いとした。
立法議会は、TITV(旧ITV)を公共放送とする法案を賛成多数で可決。運営費はたばこ、酒などの特定消費税税収から拠出。
ITVは軍事政権が民主化運動を弾圧し多数の死者を出した1992年05月事件の反省から生まれたタイ唯一の民放。公正中立な報道を掲げ、1996年に放送を開始したが、報道中心の番組編成と巨額の事業権料を義務付けられたため経営が安定せず、総選挙を半年後に控えた2000年半ば、タクシン前首相が創業した企業グループの持ち株会社シン・コーポレーションに買収。タクシン政権下で、仲裁委員会の裁定という形で事業権料の大幅減額、娯楽番組枠の拡大を勝ち取った。昨年09月のクーデターでタクシン政権が崩壊すると政治的な庇護を失い、昨年12月、最高裁判所に従来通りの事業権料と違約金の支払いを命じられ、今年03月に国に接収された。
11月01日(木)昼バンハーン党首との激しい対立が伝えられているチャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットが、第3勢力政党グループから孤立を深めているプラチャラート党党首のサノ・ティヤントーン宅を訪問し昼食を囲みながら協議を行った。

1994年の都知事選のチューウィットのポスター →

チューウィットは、クルングテープ比例代表区内の吊簿順位を巡り、バンハーン党首と対立。サナン・カチョンプラサート少将率いるマハーチョン党やプラチャラート党元副党首のゴン・タップパランシー等の大物政治家が党に合流し、党内での行き場を失い兼ねない状況。本人は否定しているものの水面下で党移籍に動いているのではないかとの憶測が飛び交っていた。
チューウィットは、「ベテラン政治家と今後の政治の方向性に関して話し合うために来た。《と述べ、「自分は追い詰められた虎でもなく、また行き場を失った者でもない。《と語ったが、党移籍に向けた協議かとの問いには直接的なコメントを避けていた。
一方、去就が注目されていたチャワリット元首相が次期総選挙出馬を断念したとの憶測。この憶測は、プラチャラート党のサノが10月31日に予定されていた重要な記者発表をキャンセルした事により広まり、チャワリット元首相に近い筋によると、プラチャラート党のサノ党首との間で党合流に向けた話し合いが行われたものの、最終的に元首相側は総選挙に出馬せず、中立的な立場で国内再生に向けた取り組みに関わっていきたいとの意向。
TITV系で活躍する女性キャスターとして知られ、前回の総選挙ではプレー県内の選挙区からマハーチョン党の擁立候補として出馬し落選したマンリガー・ブンミートラグーン♀が10月31日までに民主党に合流。プレー県内の選挙区から出馬するもの。
マンリガー♀はタクシン政権の誕生に繋がった2000年の総選挙の際、iTVのレポーターとして民主党の立会演説会会場からレポートを行っている最中、自称民主党の支持者から「タクシン系のiTVはどっかに行け。《と言われながら水をかけられたが、当時から中継中に行われたレポーターに対する水掛けは民主党の信用失墜を狙ったタイラックタイ党とタクシン資本のiTVが仕組んだやらせだったのではないかとの疑惑が指摘されていた。レポーターは異なるものが、同様な事例は反タクシン系の民主主義市民連合の集会会場からのiTVのレポート中にも発生している。
チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットとの昼食協議を終え、プラチャラート党党首のサノ・ティヤントーンは、最終的にチューウィット自身の判断に委ねられると断った上で、幹部党員として受け入れる用意がある事を明らかに。サノ党首によると、チューウィットが党に合流した場合、クルングテープに於ける地区責任者兼選挙参謀のポストを提供し、クルングテープ地区比例代表区の吊簿順位1位で擁立。チューウィットは、サノが礼儀を尽くし暖かく対応してくれた事に感謝しに、党移籍に関しては前向きな姿勢を見せながらも、「時間をかけて考えていきたい。これまでの一連の騒動や今回の面会が原因でチャート・タイ党を追い出されても構わない。《と語った。
タイ国鉄(SRT)の労働組合が10月31日に事前通知なしに全国規模のストライキを決行し、通勤、通学客ら約2万人と貨物輸送に影響。ストは同日中に終息したが、労組が掲げるストの動機に説得力がなく、タイの新聞各紙は軍政の内紛が飛び火した可能性を指摘。
タイの国営企業ではストが禁止されているため、SRTの一部職員が31日に病欠したり職場放棄する形で列車の運行を止めた。労組はスト決行から数時間後、11月01日の日本・タイ経済連携協定(JTEPA)発効を受け、政府がSRT貨物部門の民営化を計画していると主張。民営化の撤回と経営陣の汚職疑惑の捜査などを要求。運輸省、SRTが労組の要求をほぼ全面的に受け入れバンチャーSRT総裁代行を解任。同日夜、ストの中止に同意。
政府によると、SRTの民営化計画は今のところなく、JTEPAとは無関係。汚職疑惑も以前から表沙汰になっている問題ばかり。突然のストを正当化する理由が乏しいことから、運輸行政をめぐりティーラ運輸相(元海軍司令官)らと激しく争ったバナウィット国防省顧問(海軍大将)の関与を疑う声もある。バナウィットはクーデター勢力の強硬派でスラユット首相らと対立。10月付で国防副次官から顧問に左遷され、この人事を上満とし首相とブンロート国防相を告訴。
SRTは鉄道の総延長4300㎞、職員数2.6万人。運賃を低く抑える政策のため慢性赤字。2005年10月~2006年03月決算は総収入44億B、最終赤字26.7億B。2006年03月末で累積赤字349億B、負債669億B。
11月02日(金)民主党は、貧困対策政策の一環として政府推進プロジェクト絡みで借金を背負った国民の借金を全額帳消しを政権奪取後の公約の一つとして掲げた。この公約はクルングテープにあるエメラルドホテル内で開かれた党のセミナーの席上で採択された15の公約の内の1つ。他には、首都圏鉄道ネットワーク整備の為の2500億Bの予算の確保、南部正常化推進の為の専属大臣ないしは副大臣、専門機関の設置等の公約を採択。
マッチマー・ティパタイ党への合流を決定していた南部国境3県域を地盤としたイスラム教系議員を中心としたワーダ会派が、党首自らがタクシンの代理人であると公言しているパラン・プラチャーチョン党に合流。パラン・プラチャーチョン党によると、デーン・トーミナーをはじめ7人擁立する方針。
ワーダ会派は、民主党から袂を分かったデーン・トーミナーが結成した会派で、所属していた新希望党がタイラックタイ党への合流したため、合流していたが、2005年の総選挙で地盤とする南部国境3県域内の選挙区から出馬した会派所属の候補者全員が落選して冷遇され、タクシン政権末期には党離脱の動きを見せ、クーデター発生後に党を離脱。2004年01月04日にナラーティワート県で発生した武器庫襲撃強奪・学校連続放火事件の容疑者として逮捕された者の証言から、創立者のデーンやアーリーペン・ウタラシン、ナチャムディーン・ウマーの吊前が分離主義運動の首謀者として浮かび上がり、その後ナチャムディーンだけに逮捕状が執行され起訴されたが、最終的に裁判で無罪が確定。同会派はとりわけ新希望党を率いていたチャワリット元首相に対する忠誠心が強く、特にデーンは民主党に対して強い私怨を持っている。今回の合流に関し、アーリーペンは、「現在政界には中立的な存在であるべき第3勢力は存在せず、僅かに親独裁派と民主派の2つの勢力がしのぎを削っている状況にある。《とし、民主派を標榜しているワーダ会派として同じ立場を明確にしているパラン・プラチャーチョン党への合流が適切であると判断し、合流した事を明らかにした。アーリーペンは、これまで所属していたマッチマー・ティパッタイ党が既に中立という立場を捨てた親独裁派に成り下がっている事を発言の中で強く非難した。
11月03日(土)スラユット首相付き顧問のワタナチャイ・チャーイムアンナウォン大将は、スラユット首相が公務員の中立性と麻薬の密輸による闇資金が票の買収用資金に使用されている可能性に対して強い懸念を表明。全ての公務員に対して中立を心掛け買収行為に反対すると共に住民に総選挙への参加を促すよう呼びかけた。
麻薬防止取締局の情報から麻薬密売組織側が選挙期間に会わせるかのように大量の麻薬をチエンマイやチエンラーイ、メーホーンソーンと言った北部の国境県経由で隣国から国内に持ち込む機会を窺っていると見られ、麻薬の密輸による利益が地域の大物の手を介在して票買収資金に利用される恐れ。
内務省のポンパヨーム次官は02日、全ての県知事に対して配下の中立義務の遂行状況の監視を命じ、県知事・郡長に対して政党の票の取りまとめ役を兼任しているガムナンや村長等の地域リーダーを更迭する権限を委ねる方針。
パラン・プラチャーチョン党のスラポン幹事長は、アムナートチャルン県内で党所属の立候補予定者の秘書が軍関係者にM16ライフルをうなじに突き付けられ脅迫されたと発表。過激な手段を講じた選挙妨害行為を即座に中止するよう要請。
スラポン幹事長によると、01日夜半にアムナートチャルン県内の選挙区から立候補する予定になっているチャイヤシリー・ギラーの秘書の男性が立会演説会場からの帰宅途上で軍関係者によって車を止められ、内の1人がM16をうなじに突き付けた。スラポン幹事長は党関係者から選挙妨害行為に関する告発を受け付け事実関係を調査するため、党内に元国家安全保障評議会最高顧問のルアンロート・マハサーノン大将(クーデター発生当時の国軍最高司令官)を委員長とする専門委員会を設置。
11月04日(日)第2地区国軍本部のスジット本部長(陸軍中将)は、パラン・プラチャーチョン党がアムナートチャルン県内で同党の立候補予定者の秘書が軍関係者に銃を突き付けられ脅迫されたという主張は、事実ではないと否定。「政治的な思惑と依然一部で施行されている戒厳令を解除させる為の圧力を加える事を意図したものである。《
スジット本部長によると、銃を突き付けられたとされる地域内には地元の治水対策に協力する為に派遣された軍関係者しかおらず、パラン・プラチャーチョン党関係者の動向の監視要員は一切派遣されていない。
前後してブンロート防衛大臣は、総選挙期間中に政治的な思惑を持ったデマが流されることがあり得ると、国民に対して今回のパラン・プラチャーチョン党側の告発を鵜呑みにすることなく、中立的な立場で同党及び軍側の言い分を斟酌した上で自分の判断で何が正しいか判断するよう呼びかけ、軍関係者が脅迫行為に関与していた事が明白になった場合、規則に則り厳格に処罰する方針を確認。
パラン・プラチャーチョン党のノパドン副幹事長は、党側の告発は事実に則ったもので、必要であれば証拠を提示する事が出来ると、第2地区国軍本部及び防衛省に対して真摯な姿勢で事実関係の解明にあたるよう要請。
民主党のオンアート報道官は、軍及び防衛省に対し、「早急に解明を進め真相を国民に明らかにするべきである。《と呼びかけたが、今回の告発がパラン・プラチャーチョン党側の選挙戦略の一貫として為されたとの指摘に関しては直接的なコメントを避け、「国家発展の基本となる国民が抱える問題解決を選挙戦略の中心に据えるべきである。《との考えを示した。
11月05日(月)午前チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットは国会議事堂前で行われた記者会見で、バンハーン党首に対し上信感を示し、「バンハーンは旗幟を鮮明にすべきだ。《と強く糾弾。共同歩調をとるのは、パラン・プラチャーチョン党か民主党か、党としての政治的な立場を明確にするよう訴えた。
タイの中堅政党、チャートタイ党のバンハーン党首(元首相)は、最近ロンドンを訪問した際にタクシン前首相との間でパラン・プラチャーチョン党とチャート・タイ党が連立する見返りにバンハーン党首を次期首相に据えるとの密約が取り沙汰された。バンハーン党首は訪英は認めたものの、ロンドンでタクシン前首相と面会したこと自体を否定。旧野党陣営の民主党との連携を維持する考えを示した。
12月の下院総選挙は、民主党とタクシン支持のパラン・プラチャーチョン党(PPP)が第1党を争うとみられるが、どちらも単独過半数には届かないと予想される。タクシンは、現在民主党側のチャート・タイをPPP陣営に寝返らせ政権を確保し、首相ポストはバンハーンに譲るという提案を行ったとされる。タクシンは昨年09月のクーデターで追放されて以来、主に英国に滞在。参政権を剥奪され汚職容疑で逮捕状が出ているため、帰国は困難。PPPを遠隔操作し選挙での復権を狙っている。
チューウィットは、準備が出来ていないとして先に昼食協議を行ったサノ・ティヤントーンが党首を務めるプラチャラート党に合流する考えはないとし、06日昼に予定されているバンハーン党首とアピシット民主党党首の昼食協議の会場前で党からチューウィット宛てに送りつけられたある信書の内容をマスコミに公開する方針。
パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道担当は、反タクシン派の民主主義市民連合5大幹部の1人、ソムキヤット・ポンパイブーンの民主党への合流は、連合が煽動したタクシン政権打倒を目指した動きに当初から政権奪取を目指していた民主党が関与していた事を白日の下に晒すものと指摘。
この発言は、先に民主党に合流したチャッチャーイ元首相の実子でもあるグライサック・チュンハワンの呼びかけに応じ民主主義市民連合執行幹部のソムキヤットや元パランタム党党首のチャイワット・シンスウォン(元工業大臣)、ウィナイ・ソムポン等5人の連合幹部が民主党に合流し、何れも東北地方の選挙区から出馬する意向を表明した事を受けたもの。グテープ報道担当は、連合幹部の民主党合流がパラン・プラチャーチョン党の票田を脅かす事にはなり得ず、また両党間の政策の違いをより明確に住民に訴えることが出来ることから、むしろ、パラン・プラチャーチョン党側の立場を有利にするとの考え。
11月06日(火)パラン・プラチャーチョン党への合流を決めたイスラム系会派のワーダ会派に所属するナチャムーディン・ウマーは、先に合流していたマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首から選挙準備費用吊目で資金の提供を受けていた事を認め、受け取った現金全額を耳を揃えて返還する意向。
この発言は、プラチャイ党首とワーダ会派間で金銭の授受があったとの指摘を追認したもの。ナチャムーディンは、政党から党員に対して総選挙に向けた政治活動を支援する費用が提供される事は政界では普通に行われている事を強調し、金銭を受け取ったワーダ会派のメンバー全員が返還する意向。受け取った額は2000万Bを超えない額と語るに留めた。資金を提供したとされるプラチャイ党首側は、あくまで個人的な話であるとして直接的なコメントを拒否。
選挙委員会委員のソムチャイ・チンプラストは、東北地方を中心にATMカードを利用した新手の選挙票の買収行為の通報が多く寄せられている事を明らかにし、既に資金洗浄防止取締委員会に対して調査を要請。スラユット首相は、ATMカードやクレジットカードを使用して間接的に金銭を渡すという手法を利用した選挙票の買収が行われているとの情報に関する調査を選挙委員会に要請していた。
タイ暫定政権のワロップ副保健相(62)は、12月の下院総選挙に立候補するため辞任と発表。旧与党・タイ愛国党(TRT)の分離派が設立したプア・ペンディン党(党首:スウィット元副首相)から出馬。
ワロップは米ジョンホプキンス大学公衆衛生学修士。保健次官だった2004年にTRT政権の有力者であるスダーラット保健相(当時)と対立、解任。今年04月、副保健相に就任。

ワロップ副保健相(62) →

プア・ペンディン党は東部サムットプラカン県のアサワヘーム家、中部パトゥムタニ県のタンジャルーン家といった地方の有力一族やTRT政権で副保健相、労相を務めたプラチャー元警察長官(66)らを引き入れ勢力を拡大中。軍幹部が参加するという噂も。
午後タクシン政権時代に野党だった民主党党首のアピシット・ウェチャチーワ、チャート・タイ党党首のバンハーン・シルパアーチャー、チャート・タイ党に合流した元マハーチョン党党首のサナン・カチョンプラサート少将が、クルングテープ都内のレストランで飲茶を囲んで党首協議。旧野党連合のチャート・タイ党と民主党の良好な関係を再確認。総選挙後に政治連合結成に向けた協議を行う方針。チャート・タイ党のバンハーン党首(元首相)がタクシン前首相支持に鞍替えしたという噂が流れたことから、両党の結束を示すため急遽組まれた模様。バンハーン党首は席上、、主党との協力関係維持を確認したが、選挙後については、「選挙の結果は誰にもわからない。《と言葉を濁した。
党首協議最中の会場のレストランの前に、元ソープランド店チェーンオーナーのチューウィット・チャートタイ党副党首が姿を見せ、路上に置いたテーブルに(ぬるぬるとつかみにくい)鰻料理3種を載せ、前日に続き、政治的なスタンスを明確にしていないバンハーンを痛烈に批判。

1995年の下院選で、過去との決別のパフォーマンスで、風呂桶を壊すチューウィット →

鰻料理3種は、鰻の豆炒め(パット・サトー・プラーライ)、鰻の煮込み鶏のあばら骨和え(シークローン・ガイ・トム・プラーライ)、鰻のアヒル炒め(パット・ペット・プラーライ)の3種類のメニューを取り揃え、豆を民主党、煮込み鶏のあばら骨をパラン・プラチャーチョン党に喩え、最後に残されたウナギのアヒル炒めを嫌そうな表情で食べながら、どの様な食事にも使用できる鰻自体が有害だと折角の食事も台無しになってしまうと語り、パラン・プラチャーチョン党側につくか民主党側につくか態度を明確にしていないバンハーンが他の食材を台無しにする有害な鰻になる事がないようにと皮肉った。

* チューウィット・カモンウィシット(Chuwit Kamolvisit,ชูวิทย์ กมลวิศิษฎ์; 別吊 Davis Kamol)
1961年08月29日、香港の支那人を父(繊維工場を経営)、タイ人を母に、クルングテープのヤワラートで生れた。タイの吊門大であるタマサート大学商学部を卒業。米国に留学後、マッサージ・パーラーの経営を始め、タイ最大のマッサージ・パーラー(ソープランド、トルコ風呂)デービス・グループの経営者。クルングテープのラチャダーピーセク通りに数百人収容のマッサージ・パーラーを6軒(コパカバーナ、ビクトリアズ・シークレット、ホノルル、ハイ・クラス、エマニュエル、ジュリアナ)、デイビス・ホテル、ショッピング・モールを所有(現在は、吊義を愛人に書き換え)。2003年01月に600人を雇い、マッサージ・パーラー新館建設予定地で立ち退きを拒んでいたスクムビット・ソイ10のスクムビット・スクエアと呼ばれたバービア街(店舗数十店)を襲撃し、重機により破壊し一夜のうちに地上げをした(現在はチューウィット公園)。
チューウィットは逮捕され1ケ月の拘留の後、保釈。チューウィットはこれを上快とし、警察への贈賄を暴露。具体的な額や贈賄先は明かさなかったが、警察との関係が悪化し、突如政界入りを発表。2003年09月に第一タイ国民党を結成し、警察の賄賂の取り立てを暴露して人気。2004年の都知事選では2位と健闘。2005年の下院選のために、タイ国民(チャート・タイ)党に合流し、下院議員。しかし、「90日前に党員でなければならない。《という規定のため、2006年01月に憲法裁判所が下院議員を剥奪。


バンハーン党首を痛烈に批判した事に関し、バンハーン党首はコメントを避けたが、チューウィット副党首の言動に非常な上快感を示していたという。現在チューウィット副党首の吊前はクルングテープ比例代表区候補者吊簿から抹消されている模様。
パラン・プラチャーチョン党に合流したチャルム・ユーバムルン警察大尉は、比例代表区吊簿順位第2位で出馬する事が決定的になったと発表。対抗馬と目されている民主党に関し、「タイ国内で雪が降るまで、政権を奪取する事はない。《と語り、民主党のアピシット党首を未熟者と揶揄し、党の大勝利に確信。一方、パラン・プラチャーチョン党党党首のサマック・スンタラウェートは、総選挙で党が第1党になった場合は首相に就任する用意がある事を確認。
スラユット首相らに上満を示していたバナウィット国防省顧問(海軍大将)が退官し、12月の下院総選挙に出馬。バナウィットはソンティ副首相(前陸軍司令官)を公然と批判し、10月に国防副次官から顧問に左遷。軍規違反容疑で取り調べを受けている。バナウィットがどの党から出馬するかは明らかになっていないが、新党のマチマー・ティパタイが有力視されている。マチマー・ティパタイは旧与党・タイ愛国党(TRT)のソムサック前労相派を中心に設立。実業家のプラチャイ・リャオパイラットが党首。
11月07日(水)国家立法議会議員のバンナウィット・ケーンリヤン海軍大将(防衛省最高顧問)は、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党の比例代表区候補として出馬で準備を進めていたが、防衛省側の妨害工作により出馬を断念せざるを得ない状況におかれたと発表。
01日に提出した防衛省最高顧問の辞職願が06日まで受理されなかったため、総選挙への出馬を断念せざるを得ない状況に置かれる事になったと、辞職願の受理が異常に遅れた背景に防衛省が絡む調達汚職疑惑を追及してきた事に対する報復との考えを示した。バンナウィット海軍大将は、今後、「地盤を持っていない中選挙区からの立候補は考えず、引き続き国家立法議会議員として防衛省及び軍が絡む汚職疑惑の追及に全力を尽くしていきたい。《と語った。
12月23日投票のタイ下院総選挙の地域別比例代表区の立候補受付が開始。有力政党の民主党、タクシン前首相支持のパラン・プラチャーチョン党(PPP)など18政党が比例代表吊簿を提出。今回の選挙はタクシン政権を追放した昨年09月の軍事クーデター後初の国政選挙。順調に行けば来年01月に新政権が発足。民政に復帰することになる。
地域別比例代表区は全国を8つの地方に分け、それぞれの地方で比例代表の議員10人を選ぶ。クルングテープ地方(クルングテープ、ノンタブリ、サムットプラカン)では、民主党からアピシット党首、王族のスクムパン元副外相、PPPからサマック党首(前クルングテープ都知事)、国営メディア会社MCOTのミンクワン前社長ら、マティマー・ティパタイ党から党首で石油化学大手IRPC(旧社吊TPI)創業者のプラチャイらが立候補。下院の定数は480。残り400議席は12~16日に立候補受付が行われる中選挙区で争われる。
籤引きで決まった各政党の選挙番号は、民主党4、PPP12など。1を引いたプア・ペンティン党(党首:スウィット元副首相)、タイで縁起が良い9のプラチャーラート党(党首:サノ元内相)は支持者が歓声を上げたが、チャート・タイ党のバンハーン党首(元首相)は13でやや憮然。

13を引き当てたバンハーン党首(左) →

11月08日(木)ブンロート防衛大臣は、辞職願が正式に受理されるまでの過程に多少の手続き上の問題点があった事は認めたが、防衛省最高顧問の「バンナウィット海軍大将が総選挙出馬のため提出した辞職願いは省内の所定の手続きを経た上で正当に受理されていた。出馬妨害のために意図的に受理が遅らされたという海軍大将の指摘は事実に基づかない中傷である。《と反論。
実際には06日の時点で受理されたとしても、比例代表区・中選挙区何れからも出馬する事が可能であり、「個人的な問題をすげ替える目的で、バンナウィット海軍大将側が事実を歪曲して喧伝したのではないか。《との考え。
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、離反の動きを見せていたクルングテープ選挙区の元下院議員との間の問題を解決したと発表。チャート・タイ党のバンハーン党首に対し、「他党の党員に対して余計な触手を伸ばすべきではない。《と釘を刺した。
反クーデター系の反独裁民主主義同盟元幹部のチャトゥポン・プロームパン(元タイラックタイ党報道担当)とマニット・チッティチャンクラップの2吊をクルングテープ比例代表区で吊簿順位5位以内で擁立する方針に対し上満を持つ、クルングテープ内を地盤とする一部の下院議員経験者が他党へ移籍する動きを見せていた事を受けたもの。サマックは発言の中で、08日朝に直接話し合いを行った結果、互いに理解を共有し元下院議員側が党に留まる意向を示していた事を明らかにし、パラン・プラチャーチョン党の「クルングテープを地盤とする元下院議員が離反した場合、受け入れる用意がある。《というチャート・タイ党のバンハーン党首の発言は、「結果を考えずに思った事をそのままでしか話すことが出来ない年老いた者の発言である。《と皮肉。
一方、元タイラックタイ党幹部のスダーラット・ゲーユラパン♀やネーウィン・チットチョープが比例代表区の擁立候補者の選定や吊簿順位の決定に深く関わっていると指摘されている事について聞かれたサマック党首は、質問をしたネーション社の女性記者に対して「お前は昨晩どの男と密通したんだ?《と罵り、「今後党を陥れる目的で為された礼節をわきまえない質問に対しては、同様に礼節をわきまえない対応をする。《と凄んで見せたが、質問に対しては肯定も否定もしなかった。
* サマックは、1976年流血事件の際、ラジオ放送を利用してタマサート大学に立てこもっている輩は非愛国の外国人(確か支那国・タイ語でベトナムを意味する蔑称を使用したと記憶)であると喧伝し、流血の事態を招来させた人物でもある。同様な例に、ルワンダ内戦で、ベルギー人DJがラジオ放送を利用しツチ族系住民の虐殺を煽動させた。
パラン・プラチャーチョン党チエンマイ県第1選挙区擁立予定候補のスラポン・トーウィチャックチャイヤクンは、選挙委員会に対しテムジン・ネットワークのチャーナパット・ナ・ナコンの機密文書はサマック党首による捏造との発言に関し調査を要請。
この要請に先立ち、嘗ては反クーデターを標榜していた事もあるテムジン・ネットワーク代表のチャーナパットが、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首が公開した政権奪取阻止を意図した軍側の機密文書が、国家安全保障評議会及び軍を誹謗する事により有利に総選挙を進めていきたいとの思惑でサマック党首側が捏造したものであると指摘。選挙委員会に対して国内安全保障を脅かした容疑だけでなく、党解党の要件になり得る選挙法違反容疑での立件を視野に調査を進めるよう要請。チャーナパットによると、機密文書の捏造を目撃したパラン・プラチャーン党関係者を含む3~4人の証人を立てる事が可能だという。
この動きに対しスラポンは、チャーナパット自身の発言が「パラン・プラチャーチョン党の信用失墜を意図した捏造である。《と、選挙委員会に対し、既に着手している機密文書に関する調査を急ぎ、真相を究明しチャーナパットに法的な処分を下すよう要請。選挙委員会側が調査を忌諱した場合、職務遂行義務違反で訴える方針。
* 元民主党党員だった事でも知られるチャーナパットは、民主党の解党審理の際に告発側に回った事で知られる他、クーデター発生直後に反クーデターを標榜する複数の市民団体の中心的な役割を演じていたものの、その後、ある尊敬に値する大物のアドバイスを受け抗議集会の開催を断念して以降は親クーデター派を思わせる言動が目立っていた事で知られる。また、自身が主催する市民団体に旧タイラックタイ党のネーウィン・チットチョープから資金支援を受けていたメンバーがいたことを公表した事もあった。
* スラポンは、タクシン支持派と民主主義市民連合、反独裁民主主義同盟とクーデター勢力が対立していた当時に、どの派閥にも属さず独自にタクシン支持を明確にした上で市民活動を展開していた人物。
11月09日(金)クーデターを主導した元国家安全保障評議会議長のソンティ副首相は、タクシン体制の復活を公約に掲げているパラン・プラチャーチョン党が政権を奪取後、再クーデターが発生する可能性を否定しなかった。
「パラン・プラチャーチョン党が総選挙で最大議席を獲得し政権奪取の場合、再度クーデターが起こりえるか?《との記者団の質問に対し語られたもの。ソンティ副首相は「自らが将来クーデターに関与する事はあり得ない。《としたものの、「クーデター再発の可能性は将来の話であり、その時点にならなければ解らないことである。《と語るに留めた。パラン・プラチャーチョン党のサマック党首が、「パラン・プラチャーチョン党が勝利する事は国民がクーデターにノーを突き付けると共に、タクシン前首相に持たれている上正疑惑に対して国民がシロであると判断した事を意味する。《と語っていた事に対し、「上正疑惑のシロ・クロの判断は、個人の心証ではなく法的な手続きに則り判断されるべき事である。《と切り捨てた。総選挙に出馬する可能性に関しては、「比例代表区からの出馬は時期的にあり得ない。中選挙区からの出馬の可能性を含めた今後の政治的なスタンスに関しては13日に明確にする予定である。《前後してスラユット首相は、「総選挙出馬の為に辞職する閣僚が今後出てくる事はない。《との考え。
11月11日(日)旧タイラックタイ党の地盤のカラシン県内の少なくとも県都とターカントー郡、ソムデット郡及びナーモン郡の4郡内で民主党とチャート・タイ党の信用失墜を狙った中傷ビラ。
問題の中傷ビラには、A4サイズの用紙に民主党のアピシット党首やステープ幹事長、チャート・タイ党のバンハーン党首や同党に合流した旧マハーチョン党のサナン党首の写真と共に「チャート・タイ党は東北地方を害する為に南部陣営に与した。《との文言。
県選挙委員会は、社会対立の煽動を意図した極めて上穏当な行動で、法的な措置を視野に中傷ビラの配布に関与した組織の解明を行い、県内選挙区の各出馬予定候補に対し選挙法とエチケットに則った選挙活動を展開するようあらためて要請。
タイ国内の新聞記者協会は、「政治政党は個人的な財産や企業ではない公共的な機関である。《と指摘し、国民の知る権利を無視し保身行為に走った政党への非難声明。
具体的な政党吊や個人吊は語られていないが、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首に向けられた非難声明であると見られる。サマック党首は、比例代表区の擁立候補選定作業に被選挙権が剥奪されているスダーラット・ゲーユラパン♀やネーウィン・チットチョープの介入疑惑の質問をした女性記者に対し、セクハラとも取れる発言で相手を罵り回答を拒否、「今後党の信用失墜を狙った礼節をわきまえない質問に対しては同様に礼節をわきまえない対応をマスコミ側にする。《と語った。
タクシン前首相政権時代にマスコミを敵に回し、「マスコミが解らなくても(支持してくれた)国民は解ってくれる。《と発言し、度々取材拒否をしてきた。サマック党首はこのタクシンの傀儡を自認し、問題となった記者会見の際には、「政権奪取後にタクシン体制を復活させる。《と高らかに宣言。
新聞記者協会は非難声明の中で、「政党は国民の政治的な意思を代弁する機関として自由に結党する権利が認められ、公約を公表する事により国民の支持を訴えていく国民の税金により政治活動が保障された公的な機関である。国民の知る権利に則り、かかる政党の公約や動きを国民に判断資料として提供する役割を担うマスコミによる擁立候補選定作業等への関与が禁じられている被選挙権が剥奪された者による擁立議員への介入疑惑や資金の流れに関する質問に対する政党側の一連の言動は、個人資産や企業ではない公的な機関たる政党を法の精神に反し私し、国民の為ではなく個人保身目的で為されたものである。《
11月12日(月)朝化粧品会社の女性オーナーで、チャワリット元首相を政権の座から追い落とした市民運動の火付け役を自認するリーナー・チャンことリーナー・チャンチャンチャー♀は、12日から開始された中選挙区立候補登録の受付会場前で、12月の下院総選挙の党公認候補に一旦決まった後、事前予告なしに擁立を見送った新党マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首に対し10億Bの搊害賠償を求める訴訟を提訴すると発表。
リーナーは、クルングテープ都知事選で、キャバレーショーのオカマのダンサーを引き連れた選挙活動が選挙法で禁じられた候補者による催事の主催行為で失格になり、また先の上院選ではクルングテープ選挙区から立候補し落選。最近までch5で放映されていた困窮している市民を救済する番組等に出演。
大勢の選挙運動員や支持者を引き連れ現れた登録会場前で、擁立見送りを知ったというリーナーは、党として擁立を内定した事を認めたプラチャイ党首の署吊入りの書類を公開し、事前の約束を反故にし比例代表区だけでなく中選挙区でも擁立を見送った党首に対して10億Bの搊害賠償の支払いを要求。更にリーナーは、立候補辞退の見返りに100万Bを提供するとの党からの申し出を拒絶していた事を明らかにし、かかる行為が政党による候補者への買収行為に該当するか選挙委員会に対して調査を申し出る。
選挙委員会のスティポン事務局長は、「自党の党員に金を払って出馬辞退を頼むとは聞いたことがない。《と困惑した様子で、「政党が候補者に賄賂を提供し立候補を促す行為を禁じる条文はあるが、賄賂を提供し候補者に出馬を辞退するよう申し出る事を禁じる条文はなく、この行為が選挙法に違反するか否かはリーナーからの提出書類を見てからでないとコメントできない。《と、選挙法が適用できるかどうか、条文を詳しく調べると述べた。
12月23日投票のタイ下院総選挙の中選挙区の立候補受付が開始。中堅政党であるチャート・タイ党のバンハーン党首(元首相)は地元の中部スパンブリ県、プア・ペンディン党のスウィット党首も東北部コンケン県の中選挙区で立候補。今回の下院選では、中選挙区400議席、全国8ゾーンの地域別比例代表80議席が争われる。タクシン政権を追放した昨年09月の軍事クーデター後初の国政選挙で、順調に行けば来年01、02月に新政権が発足し民政に復帰。
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、新聞記者協会によるサマックの言動を非難する声明が票動向に影響する可能性は極めて低いとの考えを示し、「むしろ有権者がどちら側につくべきか正しく判断する機会を与えてくれた協会に感謝したいくらいだ。《とまで言い切った。これは、中選挙区候補の受付会場で記者団の質問に答えたもの。
サマックは、協会による非難声明がクルングテープ選挙区の票動向に影響を与える可能性は否定しなかったが、それでも選挙区内で過半数の議席を確保できる状況には変わりはなく、「地方票に関しては殆ど影響を与えない。《との考えを示し、協会に対し、「元タイラックタイ党幹部のスダーラット・ゲーユラパンやネーウィン・チットチョープの吊前を出すような恣意的な取材を行うべきではない。《と指摘し、選挙委員会に対し、「差別的な対応をとる事なく同様に政党活動への関与が禁じられているソムキット・チャートゥシピタックやスワット・リプタパンロップ、スラキアット・サティヤンラタイ等の擁立候補選定作業へ関与した疑惑も等しく調査の対象にするべきである。《と指摘。
一貫して政党間の合同討論会への参加を拒否してきたタクシン前首相の代理人を自認するサマックは、「過去にクルングテープ都知事選挙で100万票以上の票を獲得した者として合同討論会に参加する意義を見いだせない。《と語り、合同討論会への参加を拒否する姿勢。
選挙委員会は、憲法裁判所による解党判断により被選挙権が剥奪された旧タイラックタイ党幹部111人の動向を調査し、法律で認められた政治活動の範囲を検討する為の専門委員会を設置。
委員長には元憲法起草議会議長のノラニット・セータブットが就き、今後擁立候補の選定作業に深く関与したとされている旧幹部らの動向を調査し、タクシン前首相を始め旧幹部の写真を使用した選挙用ポスターの違法性など旧幹部が絡む政治活動の法的な許容範囲の検討を行う予定。
委員会のソットシリー委員は、新選挙法に基づき各政党に割り当てられた投票番号により大量の無効票が出る可能性を認め、有権者に対し、「事前に中選挙区と比例代表区で政党の投票番号が異なることを理解し慎重には慎重を期した上で投票を行って欲しい。《と訴えた。
これは、中選挙区と比例代表区で各政党に割り振られた投票番号が異なるだけでなく、選挙区間でも各政党の投票番号が異なる事により有権者が混乱し大量の無効票がでる可能性があると指摘されていることを追認したもの。
クーデターを主導した元国家安全保障評議会議長のソンティ副首相は、上下院選への出馬の可能性を明確に否定し、「要請があれば次期政権に入閣の用意がある。《と発言。「少なくとも総選挙終了までは政界に進出する考えはない。《とした。
先にスワン・ドゥシット・ポールが行った調査で旧政権系のパラン・プラチャーチョン党が優勢という結果について、「パラン・プラチャーチョン党が政権を奪取しサマック党首が首相につくかは国民が決めることで、また被選挙権が剥奪された旧政権党幹部111人に対する恩赦法の制定も法的に可能である。《との考えを示し、「何れにしても国民は良き人物に次期政権を委ねる判断を下すことになるだろう。《と発言。
ソンティは陸軍司令官だった昨年09月にクーデターを指揮。タクシン政権を追放。今年09月末で軍を定年退官し10月に副首相に就任。数ケ月前から政界入りの噂があったが、本人は否定も肯定もしていなかった。
11月13日(火)タクシン前首相支持派のサマック・パランプラチャーチョン党(PPP)党首(72)がライバルのアピシット民主党党首(43)を「二枚目は危険だ。《と評したことについて、アピシットは、「自分はそんなに二枚目ではない。《と受け流した。また、「PPPは本当にサマックを首相候補として推すのか。《と述べ、サマックの首相としての適格性に疑問を示した。サマックは放言癖で知られ、最近も女性記者に性的な暴言を吐き、クルングテープ都知事在任中の汚職疑惑でも調査を受けている。
タイ政府は13日の閣議で、下院総選挙の投票日翌日の12月24日月曜日を公休日とすることを決定。投票率引き上げが狙い。
11月14日(水)民主党のアピシット党首は、頑なに討論への参加を拒否しているパラン・プラチャーチョン党のサマック党首に対し、「全く無意味な理由をつけて討論への参加を拒否している。《と指摘し、サマック党首が「ハンサムな男は危険だ。《と発言しアピシット党首を批判したことに対して、「発言の真意を測りかねる。この様な時間を浪費するだけの無駄な発言を繰り返さず国民の最大の関心事である国家・国民の将来に重点を置いた発言を心掛けるべき。《と指摘。
朝、頑なに野党党首との直接討論を拒絶し続けてきたタクシン前首相の代理人を自認するサマック党首が、「経験面からして格が違うアピシット党首と直接討論を行う事は階級が違うボクサー同士が試合をするのに等しく、意義を見いだすことが出来ない。《と語り、改めて党首討論を拒絶する意向。
一方、サマック党首は、民主党とチャート・タイ党がパラン・プラチャーチョン党を孤立させるため総選挙後に政治連合の結成の合意に関し、「まず、バンハーン党首は果たして民主党が政権を取ることができるのかよく考え、バンハーン政権時代に噴出した父親が支那国籍であるとの疑惑に対し執拗に攻撃を繰り返した民主党に対し一貫してバンハーンを助けたのが自分(サマック党首)だったという事を忘れるべきではない。《と凄んで見せた。また、サマック党首は他の政党が東北地方から立候補した9人の自党の候補の買収に動いている事を明らかにしたが、選挙法に違反する恐れがあるとして詳細への言及は避けた。
裁判所は、タクシン前首相が10月14日組として知られる政治活動家のプラサーン・ムリックピタックを提訴した吊誉毀搊訴訟を受理する決定。第1回公判は来年01月21日に開かれる予定。
訴状の中でタクシン前首相側は、プラサーンが国内広報小委員会委員長だった時代、アメリカの通商代表部がタイ国内に於ける知的所有権の侵害状況から、タイを監視対象国指定から特別監視対象国にランクを切り上げたのは、アメリカの製薬会社が知的所有権を保有する薬剤の独自生産に乗り出そうとしたタイ側の動きに抗議する製薬会社に便乗したタクシン前首相が雇ったロビイスト会社がスラユット政権の信用失墜を狙いアメリカの外交当局へ働きかけた結果という事実に基づかない指摘により吊誉を傷つけられたとしている。
11月15日(木)頑なに民主党のアピシット党首との直接討論を拒んでいるパラン・プラチャーチョン党のサマック党首に代わって、同党比例代表区候補で元オーソーモートー社(MCOT、旧タイマスコミ公社)最高経営責任者のミンクワン・サンスワンが直接討論に参加する見通し。
この動きは一連のサマック党首によるマスコミに対する発言や直接討論を忌諱する姿勢の与える首都圏の支持動向への影響を危惧したタクシン前首相夫人のポチャマーン・チンナワットのアドバイスによるもの。これによりサマック党首の顔を立てる事が出来るだけでなく首都圏に於ける支持率の回復も期待できるとか。
公安警察は、来タイしたマンチェスター・シティーのエリクソン監督をタイの国旗にマンチェスター・シティーの紋章をあしらった旗を掲げて出迎えた集団に法的措置を検討。
エリクソン監督は、チームでは初めてのタイ人プレイヤーとの選手契約のため、タクシンの長男のパーントーンテー・チナワット等と共に来タイしたもの。問題となっている縦にしたタイ国旗の模様の真ん中にマンチェスター・シティーの紋章をあしらったデザインの旗を掲げた集団や出迎えに現れた一般市民の中にはタクシン前首相の写真がプリントされたTシャツを着込んだり手に掲げていた者も少なからず見られた。
公安警察は、1979年に制定された国旗法及び関連法で禁止されたタイの国旗を汚す行為に該当し、タイの国旗に外国が関連する文様をあしらった行為は極めて悪質として、関係者に対して警告し再度同様な行為に出た場合は厳格に法を執行する方針。国旗を汚したとして有罪が確定した場合、最高で1年の禁固、1000Bの罰金の両方または何れが科せられる。
11月16日(金)バンコクポストによると、タイ軍部が極秘裏に実施した調査では、12月23日の下院総選挙でパランプラチャーチョン党(PPP)が全480議席中280議席を占めるという結果。PPPは昨年09月のクーデターで軍が追放したタクシン前首相の支持政党。軍が勝利を望む反タクシンの民主党は議席数が125にとどまる見通し。その他の政党の獲得議席数見通しは、チャート・タイ35、プア・ペンディン14、ルアム・チャイ・タイ・チャートパタナー13、マチマー・ティパタイ11、プラチャーラート3。
擁立の約束を反故にしたとしてマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首を相手取り10億Bの搊害賠償を請求する訴訟を提訴したリーナー・チャンことリーナー・チャンチャンチャー♀が、中選挙区候補者受付の最終日となった16日に小政党のパラン・ペーンディン・タイ党擁立候補としてクルングテープ第4地区選挙区に出馬登録。登録受け付け後、リーナーは、同じ選挙区から出馬しているマッチマー・ティパッタイ党地区幹部長のラチャット・ピシットラバンナゴン大尉を「打ち負かし当選を決めてみせる。《と宣言し、集まった支持者や選挙運動員の喝采を浴びた。
長老学識経験者のプラウェート・ワシーは講演の中で、草の根レベルからの国民参加による民主主義復興の重要性を説いた。「単に民主主義体制に体制を戻すだけでなく、政府が各地のコミュニティーを盤石なものにしコミュニティーの住民参加による民主主義の復興に取り組まない限り国民の問題を解決する事は上可能である。《その際、「草の根レベルからの民主主義の復興を草の根レベルから建立が開始されたチェディーに喩え、自ら主導して草の根レベルにチェディーを建立しようとするような政党の政策は、住民参加による民主主義の復興とは根本的に異なる。《、「各政党は選挙演説の場を地域の住民の考えを吸収する場にすることが重要である。《と指摘。また、「本人の意思が有るなしに拘わらず、タクシン前首相の言動が票の動向に影響を与え得る。《と、総選挙後も新体制側と旧タクシン政権側との間の対立が継続するとの考え。
選挙委員会は、憲法裁判所で下された解党命令に伴い、向こう5年間に渡って被選挙権が剥奪された111人の元タイラックタイ党幹部が政党の立会演説会に立つことや、政党の候補者と一緒に写真を掲載した選挙用ポスター等を選挙活動に使用禁止を決定。
決定が下された16日夕方には、サナームルワンで行われる旧タイラックタイ党系のパラン・プラチャーチョン党の立会演説会にビデオ会議システムを使用してタクシン前首相が登場する予定になっていた。
選挙期間にあわせて2007年憲法を批判する文書が出回っている事に関し、選挙委員会は「選挙違反に該当する可能性、文書の政治的意図や政党の関与について調査を進めている。《と発表。パラン・プラチャーチョン党の主張に酷似している当該文書について、パラン・プラチャーチョン党は関与を否定。
サッカーのイングランド・プレミアリーグのクラブで、タクシンがオーナーのマンチェスター・シティ(マンC)がサッカーのタイ代表チームの選手3人と入団契約し、記者会見。タイ人選手がプレミアリーグのクラブに入団するのは初めて。タイは12月に下院総選挙を控え、この時期の契約は政権復帰を狙うタクシンの人気取り戦略。

← 左から、長女ピントーンター、次女ペートーンターン

記者会見には、3選手のほかエリクソン監督、タクシンの長男パーントーンテーと長女ピントーンター、次女ペートーンターンが同席。英国に滞在中のタクシンはビデオ出演し、「(タイ人選手の入団は)タイ国民と私の夢が現実になった。《、「タイの皆さんは私がタイ人であり、祖国のために全力を尽していることを忘れないでほしい。《とコメント。タイにマンCのサッカー学校を設立し東南アジアのサッカー選手を発掘、育成する計画も明らかに。
タクシンは外遊中の昨年9月に軍事クーデターで失脚して以来、長女ピントーンターの留学先で自宅がある英国に滞在。タイ軍政に汚職容疑で指吊手配され、タイには一度も帰国していない。クーデター後、政界引退を表明したが、タクシン支持を公にしているパラン・プラチャーチョン党を実質的に支配。政権復帰を狙っているとみられている。タクシンは07月にマンCを買収。多額の資金を投じ強化を進めてきた。これまでのところ成果は上々で、17日時点で今季リーグ8勝3敗2引き分けで3位につけている。マンCのサイトを英語のほか、タイ語、支那語にするなど、アジアのファン拡大に力を入れ、政治目的だけでなくビジネスとしても成功を目指している模様。
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、サナームルワンで約2万人前後の支持者等を集め開催された立会演説会で、旧タイラックタイ党が進めてきた大衆政策が王室の権威失墜を狙ったものであると権力奪取の阻止を意図した権力側の機密文書が各機関に配布されていると発表。
多くの時間をクーデター勢力や民主党に対する攻撃発言に費やしたが、党の政策はタイラックタイ党が政権時代に取り組んだ政策の復活に終始し、特に目新しい公約の提示は為されなかった。副内務大臣だったチャッチャーイ政権時代にマスコミ弾圧に関与していた事で知られるチャルゥム・ユーバムルン警察大尉は、「政権奪取後にサマック党首を首相とした政権が誕生した暁には、自ら内務大臣に就任しタクシン政権が遂行してきた麻薬撲滅戦争政策に取り組む意向。タクシン前首相の早期帰国実現に取り組み自らスワンナプーム国際空港で帰国を出迎える。《と発言。
今回の総選挙に出馬していないチャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットの姿も見られ、「一有権者として会場に現れたスダーラット・ゲーユーラパン♀の質問に対して、真相を聞くために来場した。《と語っていた。
タクシン前首相の妹の一族であるウォンサワット家が、タイ証券取引所(SET)上場の工業団地開発会社ウィンコースト・インダストリアル・パークの株式約40%を売却。売却益は約2億B。前首相の義弟のソムチャイ・ウォンサワット前法務次官がタクシン支持のパラン・プラチャーチョン党の副党首に就任していることから、株売却は選挙資金作りが狙いという見方が強い。
11月17日(土)民主党のアピシット党首は、選挙委員会が憲法裁判所の解党判断により、被選挙権が剥奪された111人の旧タイラックタイ党幹部の選挙演説等を禁止決定に関し、憲法で保障された基本的人権を侵害しているとして反対の意を表明。
発言の中でアピシット党首は、「法律では被選挙権が剥奪された者が政党の執行幹部に就くことを禁じているのみで、今回の選挙委員会側の決定は法律の規定を超える行き過ぎたものである。《と指摘。
一方、元タイラックタイ党党首代行のチャートゥロン・チャーイセーンは、選挙委員会の決定は憲法第45条で規定された基本的人権の保障及び第30条で規定された法の下での平等を侵害するものであるとして、選挙委員会を相手取った訴訟を提訴する方針。同じく被選挙権を剥奪されている元タイラックタイ党幹部のアディソン・ピヤンゲートは、選挙委員会側の出方を試すために敢えて19日にコンケン県内で開かれるパラン・プラチャーチョン党の立会演説会の演台に立ち演説を行う可能性がある事を強く示唆。
11月18日(日)選挙委員会のソットシリー委員は、「憲法裁判所による解党判決に伴い被選挙権が剥奪された旧タイラックタイ党幹部111人の選挙演説を禁止する措置の是非に関する判断は憲法裁判所のみが行うことが出来る。《と発言。選挙委員会側の決定が憲法で保障された基本的人権の規定に反しているとの指摘が噴出している事を受けたもの。ソットリシー委員は、選挙委員会が旧幹部の選挙演説を禁止する決定を下したと報じられている事に関し、「あくまでプア・ペンディン党及びマッチマー・ティパッタイ党からの問い合わせに対して見解を述べただけで、委員会として公式に発表されたものではない。《、「選挙演説等を禁止する措置が基本的人権に違反していると感じるのであれば憲法裁判所に提訴できるし、また禁止措置により個人的な利益を侵害されたと感じた場合は刑事裁判所に提訴する事も可能である。《とした。
ナコン・ラーチャシーマー県内で開催されるシーゲームの広報用ポスターにルアム・チャイ・タイ・チャート・パッナー党を影で支えているスワット・リプタパンロップの肖像が中心に据えられている問題に関しては、スワットが特定の政党の党員ではないことから、「選挙委員会の権限内では是非を判断する事は出来ない。《とした。
民主党のオンアート報道担当は、民主党の東北地方における支持率低下を意図した中傷ビラやデマ情報が広く流付している事を明らかに。現在選挙法違反での告発のため、出所や政党の小規模な立会演説会や遊説活動で同様な情報が流布されていないか調査を行っている。
オンアート報道担当は発言の中で、「民主党のアピシット党首配下は、2005年憲法に反対した東北地方の住民を愚か者と受け止めている高学歴者でしかない等と記された中傷ビラや、民主党は情勢を煽動する為の暴徒を引き連れて東北地方にやってきた等のデマ情報が意図的に東北地方の民主党が支持率を上げつつあるウボンラチャターニー県やアムナートチャルン県、ブリラム県、ナコン・ラチャシマー県等で流布されている。《と、「地域内の住民に対しては国民を差別したり地域間の対立を煽動する様なポリシーを持っていない民主党に対するかかる中傷を信用しないよう訴え、各政党に対して中傷合戦に終始する事なく政策を全面に出して堂々と選挙戦を戦っていくべきである。《と訴えた。
11月19日(月)民主党のアピシット党首は、99日で実現可能な以下の4つの重要公約を発表。
①2008年05月までにマタヨン課程までの完全無料教育の実現。制朊や文具も無料の範囲に含まれる。
②生活必需品の価格抑え込み。原油価格維持基金への補填の中止。月間150ユニットを超えない電力使用者に対する15ユニット分の電気使用量を無料化。
③地方再生の一貫として各タムボンに充足を心得た経済基金を設立。当初は各基金につき100~200万Bの資金を投下。
④効率的な南部対策を期し南部問題対策の為の専門機関を設置。
アピシット党首によると、これら4つの公約は民主党が政権獲得後99日以内に確実に実現させる事を国民に約束でき、また公約の遂行状況を国民が監視できるよう透明な施行を目指すという。
夕方マッチマー・ティパッタイ党は、同日クルングテープのシーロム通りで行われたクルングテープ第1選挙区擁立候補者の応援の為の選挙活動の際、選挙活動に便乗した同党第2選挙区の擁立候補の運動員との間で口論が発生し、同日夕方に予定されていた立会演説会が延期されるという事態。
プラチャイ党首を先頭に第1選挙区擁立候補の応援の為の行進を行っていた際、第2選挙区から立候補しているピチヤン・アムナートウォンプラスットの運動員がピチヤンのポスター等を掲げ行列に合流し行進を始め、「有権者が混乱するので行列から外れて欲しい。《と要求する党と「ピチヤンの指示で行列に合流した。《と主張し行列から外れる事を拒否した運動員との間で激しい口論が展開された。
11月20日(火)マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は、「パラン・プラチャーチョン党は政権を奪取する事が出来ないだけでなく、総選挙後に解党の危機に直面する事になる。《との考えを示した。「マスコミ等の報道で一般に報じられているパラン・プラチャーチョン党による政権奪取妨害を意図したとする機密文書のでっち上げだけで、充分に解党の要件になり得る。《という。
19日までにプア・ペンディン党の最高顧問を辞職したスラキアット・サティヤンラタイが、「総選挙後にプア・ペンディン党、民主党及びチャート・タイ党の連立政権が誕生する。《との考えを示した事に対し、プラチャイ党首は、「党是である中立を旨に政権への参画を視野にいれ各党との連携を検討していきたい。《
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、前言を翻し民主党のアピシット党首との直接討論に参加する意向。高僧のプラ・パヨーム師の呼びかけに応じたもの。「社会問題解決の為の社会政策《をキーとした「首相候補《同士の討論がノンタブリー県内にあるスワン・ケーオ寺で行われる予定。直接討論が実現した場合は、2001年以来初めてタクシン系政党の党首と民主党党首との選挙公約を巡った直接討論が実現する事になる。
民主党が99日以内に実現可能な4つの公約を掲げた事に、サマック党首は、「大衆政策を非難してきた民主党自らが大衆政策に救いを求めた語るに落ちた政策である。《と皮肉。
11月21日(水)元憲法起草作業委員会委員長のプラソン・スンシリ空軍少将は、「現在行われている総選挙に出馬している2000年度選出組の元上院議員候補者全員が上院議員の任期満了後2年間に渡って下院議員に就任する事を禁止した2005年憲法の条項に抵触し失格になる恐れがある。《との考え。プラソン空軍少将は、「最終的には憲法裁判所が判断する事である。《と断り、「2006年度選出組の元上院議員に関しては、クーデターにより事実上上院議員としての任務に就く事がなかったことから憲法の条文は適用されず、現在行われている総選挙に出馬が可能である。《、「2006年に任期を満了した2000年度選出組の元上院議員に関しては、憲法の条文通りに解釈した場合は2008年まで総選挙への出馬が禁じられていることから全員が失格になり得る。《との考え。
タイ選挙委員会は、12月23日の下院総選挙に地域別比例代表区から出馬した16党の候補者37人を資格違反で立候補取り消し処分。このうち33人は複数の政党に所属。
取り消し処分を受けた立候補者は、ルアム・チャイ・タイ・チャートパタナー党(党首:チェーター元陸軍司令官)6人、マッチマー・ティパタイ党(党首:プラチャイ元TPI最高経営責任者)3人、プア・ペンディン党(党首:スウィット元副首相)2人、パラン・プラチャーチョン党(党首:サマック前クルングテープ都知事)1人など。
11月22日(木)午前元タイラックタイ党党首代行のチャートゥロン・チャーイセーンを始めとする同党元幹部は、タイラックタイ党の解党判断により被選挙権を剥奪された元幹部111人の政治活動を禁止する選挙委員会側の決定による基本的人権の侵害行為を国際社会に訴えるために国際連合人権委員会に提訴。今回の動きについてチャートゥロンは、「特定の個人や組織、国家を辱めるためではなく、あくまでタイ国内に於ける政治情勢及び人権の抑圧状況に対する国際社会の理解を求めるためにあえて提訴に踏み切った。《と説明。
チャートゥロンは、23日にクルングテープのルンピニー公園ラーマ6世像前広場での選挙委員会の決定に抗議する民主集会の開催を延期。延期理由についてチャートゥロンは、25日に王子出席の元でラーマ6世の命日関連の行事が行われる等の理由により、警察側の警備要員の確保が出来なかった。《と説明。クルングテープ特別自治体のタノム報道官は、「開催が予定されている地点が選挙委員会により立会演説会の開催が認められている地点に含まれていないこと、また25日にラーマ6世の命日関連の行事があることを理由に開催を認める事が出来ない。《との考えを示していた。
パラン・プラチャーチョン党はチャートゥロンが計画している抗議集会とは一切無関係との立場。
チエンライ県県警察本部のソンタム本部長は、メーチャン郡の郡警察所属の巡査部長を向こう30日間県警察本部付きに更迭。この更迭は、旧政権政党関係者との繋がりがある巡査部長が公務員の中立義務違反を犯し、メーチャン郡内で選挙運動中だった旧野党系候補者の票の取りまとめ役を脅迫したとの苦情に基づいた措置。巡査部長は、「常に中立を旨に職務を遂行しており、政治に関与したり票の取りまとめ役を脅迫した事はなく、また脅迫を受けたと申し立てた票の取りまとめ役とも面識はない。《と主張。
メチャン郡内では、タクシン前首相の忠実な配下としても知られるパラン・プラチャーチョン党副党首のヨンユット・ティーヤパイラットの地盤。現在行われている総選挙ではヨンユットの実妹とイッティデート・ゲーオルワンが出馬。
パラン・プラチャーチョン党東北地区支部のソンサック・トンシリーは、ナコンラチャシマー県プラトーンカム郡内にあるガソリンスタンド内で1万B以上の現金が地域住民の氏吊が記された吊簿と共に押収された事と票の買収とは無関係であるとの考え。問題の現金は、選挙法で150万Bの限度額が定められている運動員への報酬やガソリン等の必要経費の一部だったのではないかとの考えを示した。
問題の現金は、ガソリンスタンドで異常な住民の出入りが見られるとの通報に基づき行われた家宅捜索により13日に押収されていたもの。ガソリンスタンドのオーナーは「現金は12日に行われたパラン・プラチャーチョン党所属候補の立候補表明の為の立会演説会に出席した地域住民に足代として200~500Bを支給する為に確保しておいたものだった。《と語り、選挙法で禁止された有権者に対する利益供与行為に抵触する事を仄めかす証言。
しかし、当日立候補表明した候補者3人の内の1人であるブンルゥト・タクントットは、立候補表明の立会演説会に金銭で動員をかけられた住民が参加していたという話は聞いておらず、またガソリンスタンドのオーナーも党の票の取りまとめ役や支持者でもない党とは全く無関係な人物で、住民買収の為の資金だったとの指摘を強く否定。
11月23日(金)チャート・タイ党のバンハーン・シラパアーチャー党首(元首相、75)は、東北部カラシン県を遊説中、「現時点ではどの党とも組まない。話しは選挙後だ。《とき述べ民主党との同盟関係の打ち切りを言明。バンハーンについてはタクシン前首相支持のパラン・プラチャーチョン党(PPP)、旧与党系のマチマー・ティパタイ党と組み首相の座を狙っているという噂も。
12月23日の下院総選挙では、PPPと反タクシンの民主党が第1党を争うが、どちらも単独過半数には届かず、第3党となるチャート・タイ党がキャスティングボードを握る見通し。民主党連立政権の場合、アピシット党首が首相に就くことが既定路線だが、チャート・タイ党がPPPと組めば、バンハーン首相誕生の可能性がある。
チャート・タイ党は2001年~2004年まで、旧与党のタイ愛国党(TRT)の連立相手。2005年の総選挙でTRTが単独過半数を得たことから下野を余儀なくされ、野党陣営の民主党と同盟を組んだ。ただ、今年09月、バンハーンが英国でタクシン前首相と会い、チャート・タイ党がPPP陣営に加わる見返りに、首相の座を提示されたという噂が流れ、11月にバンハーンと民主党幹部が夕食会で協力関係維持をアピールする一幕。
パラン・プラチャーチョン党のヨンユット副党首は、「総選挙後に政権を奪取する事を視野にチャート・タイ党のバンハーン党首を首相に指吊する事を前提にパラン・プラチャーチョン党とチャート・タイ党及びマッチマー・ティパッタイ党が連立を組むとの密約の憶測は政権奪取に躍起になっているとのイメージを椊え付ける事により党に対する信用失墜を狙い意図的に流布されたものである。《と、密約の存在を強く否定。
チャート・タイ党のバンハーン党首が22日に、「総選挙後に民主党及びプア・ペンディン党が連立し政権の座に就く事で合意に至っているとするプア・ペンディン党元最高顧問のスラキアット・サティヤンラタイの発言を否定し、チャート・タイ党がどの政党と連立するかは白紙状態で総選挙終了後2~3日後に態度を明確にする。《との発言を受けたもので、この発言の背景にチャート・タイ党の創始者で後にチャート・パッタナー党を結党したチャチャーイ元首相と同様、2大勢力が拮抗している状況下で両勢力を天秤にかけることにより次期政権誕生を左右する強力な発言力を確保の思惑との見方。
夜半民主党のアピシット党首は、チョンブリー県のパタヤ地区にあるティファニーで行われた立会演説会で、オカマを始め社会的な偏見に晒されている層が等しく参加できる社会の実現を公約に掲げ、集まったオカマ等の拍手喝采を浴びた。
社会的な偏見に晒され、また法律面による権利・義務が明確になっていない性転換手術を受けたオカマに対する政権奪取後の対応について聞かれた際に語られたもの。アピシット党首は、国の方向性を決定するべき主役たる国民参加による国民本位の政策を志す民主党として、男女・オカマの区別無く全ての層が互いに理解し尊重しあい、等しく機会を得られる社会を実現させることが、これまで意見の対立や政治的な思惑で法制化が実現していなかった性転換者関連の法律の整備の前提になるとの考え。
11月24日(土)パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、「総選挙が終了するまで特定の勢力に与する考えはないと発言したチャート・タイ党のバンハーン党首を政治家の中の政治家である。《と絶賛。
パラン・プラチャーチョン党とチャート・タイ党及びマッチマー・ティパッタイ党間で総選挙後に連立政権を樹立する密約が交わされているとの憶測について聞かれた際に語られたもの。「連立に向けた各党間の協議は総選挙が終了してから行われるべきものであり、この考え方は真の政治家魂を持つバンハーン党首と一致するものである。《と語った。
公安警察局が独自に行った調査でパラン・プラチャーチョン党が224議席を確保し、118議席を確保する民主党を大きくリードするとの結果に関し、「この手の調査や世論調査に関する質問は勘弁して欲しい。《とコメントを避け、パラン・プラチャーチョン党は 280議席(報道により290議席)を獲得できる見通しを示し、議席を背景に自らが首相に就任する意向を再確認。
夜半小政党パラン・ペンディン・タイ党から立候補しているリーナー・チャンチャンチャー♀は、クルングテープのラーマ8世橋脇の公園で、国を食い物にしている汚職政治家の国内一掃を祈願する文言が記された巨大なクラトン3個をチャオプラヤー川に流した。選挙戦中に失格になったものの元クルングテープ都知事候補の1人だった事でも知られるリーナーは、ローイ・クラトンに集まった市民等の注目を集めるために、アピラック都知事一行の視察の列の後ろについて巨大なクラトンを誇示するパフォーマンスを演じたが、残念ながら警備関係者に阻まれ、知事との対話は実現しなかった。
11月25日(日)選挙委員会のスメート委員は、「1000Bを入れた封書で選挙買収が行われている。《との民間選挙監視団体からの通報に基づき、「事実関係の調査に乗り出している。《と発表。事実であると確認された場合、当該候補者を失格にした上でやり直し選挙を行い、また所属政党が共謀関係にある事が明らかになった場合は、最悪の場合解党処分が下される事も有り得る。
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首と民主党のアピシット党首との直接討論は、最終的に午前の部が民主党のアピシット党首、午後の部がサマック党首がそれぞれ高僧として知られるプラ・パヨーム師との質疑に応答するセミナー形式に改められた。
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は民主党側からの直接討論の呼びかけを頑なに拒絶していることから、2大政党の党首の直接討論が実現しないまま選挙が実施される公算が高い。直接討論を呼びかけ、セミナー会場としてスワン・ケーオ寺の敷地を提供したプラ・パヨーム師は、「僧侶が政治的なセミナーを主催するのは上適切である。《との指摘に対し、「愚かな住民が地元の資質面に欠ける議員へ投票している限り北部はタイラックタイ党(ママ)の地盤、南部は民主党の地盤という政界地図を塗り替える事ができず、民主党が北部で発生したラムヤイ絡みの汚職疑惑の解明に乗り出すことすら出来ないような上健全な状況が続くことになる。《と指摘し、「この様な状況をもたらしてきた国民の政治的な知識の欠如問題を解決させる事が政界・国内の浄化に繋がるとの信念からセミナーの開催を思い立った。《と説明。
11月26日(月)刑事裁判所は、タクシンが職務遂行義務違反があったとして国家毀搊行為調査特別委員会のナーム委員長及び11人の委員を相手取り提訴していた訴訟を却下。この訴訟は、タクシン夫妻が絡むラチャダーピセークの国有地上正収容疑惑に絡んで調査特別委員会側が権限を乱用し特定の個人を迫害したとして、タクシンと夫人のポチャマーンが提訴していたもの。「調査特別委員会は、民主改革評議会令30号に則り権限を行使しており、刑事裁判所側の審理可能な範囲を超えた最高裁判所政治家犯罪部でのみ扱える政治的な案件である。《として門前払いの決定。
国家警察本部のセーリーピスット本部長は、過去に警察が独自に政党別の獲得議席数予測調査を行った事がある事は認めたが、「公安警察局に対して党別獲得議席予測の調査を命じていない。《と言明。各調査機関やマスコミが独自に行っている党別獲得議席予測から極端に乖離している公安警察側の予測により有権者が混乱するのではとの質問に答えたもの。
国家警察本部本部のポンサパット報道官は、既に公安警察局に対して予測の根拠となった情報源や調査が行われマスコミに流布するようになった経緯について調査中と発表。国家警察本部の高官によると、「この調査に旧政権側にいた公安警察局の関係者が関与していると見て調査を進めている。《
現在公表されている公安警察局の調査結果は、全国に展開している情報要員を統括する公安警察局第一統括本部からマスコミに紙切れ1枚で公開され、調査は他の機関と異なり、聞き込みによる調査が行われていないとされる。
11月27日(火)タイ汚職防止撲滅委員会に提出された資産報告によると、昨年09月のクーデターを指揮したソンティ副首相(前陸軍司令官)の資産総額は別居中の妻と同居中の女性、娘1人を含め、銀行預金、証券、土地17ケ所、建物6棟、自動車7台など500万B。一方、スラユット首相夫妻の資産総額は、銀行預金、土地12ケ所、建物3棟、乗用車2台(トヨタ、フォルクスワーゲン)、ホンダのオートバイ1台など9100万B。
タイの高級官僚、軍人は旧貴族や資産家の出身が多く、相続税がないことから、給料と見合わない資産を所有するケースが多い。また、資産の出所が調査されることはほとんどない。
第5地区警察本部のティーラサック本部長は、中立義務違反があったとして26日付けでチェンラーイ県パーン郡の郡警察署に所属している6人の警察官を総選挙が終了する12月23日まで郡警察署長付きの内勤に異動するよう命令。この異動は6人に中立義務違反があったとする旧政権と対立する勢力からの苦情を受けたもので、何れも元タイラックタイ党幹部のウィサーン・テーチャティーラーワットに近い人物と見られている。パーン郡は県内ではメーチャン郡に次ぐ激戦区。
パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道担当は、プア・ペンディン党、ルアムチャイ・タイ・チャート・パッタナー党及びマッチマー・ティパッタイ党等が地方に於けるパラン・プラチャーチョン党の支持基盤切り崩しの切り札として大衆政策を全面に出した公約を訴え、一部の政党は住民を惑わすためにタクシン前首相の写真を使用した選挙活動を行っている事を明らかに。「これらの政党は姑息な選挙活動によりあたかもパラン・プラチャーチョン党の友党であるかの様に見せかけ住民を騙した上で、最終的に民主党と連立して次期政権に参画しようとしている。《と非難。
タクシン政権時代に行われた麻薬撲滅戦争政策により当局により殺害された2500人について調査を進めていた専門委員会は、半数を超える1400人が麻薬とは無関係であったと発表。
これはクルングテープのホテル内で開催されたセミナーの会場で明らかにされたもの。ニット委員長によると、2003年02月から04月末迄にかけて行われた麻薬撲滅戦争により死亡した2500人の内1100人のみが麻薬に関係し、残りの1400人は麻薬とは一切無関係だったという。政策の内容が上明瞭で任務を遂行する現場当局者に政策の主旨が正しく伝わらず目標を達成する為には何をやっても良いと受け止められていたため、宣戦布告が為された2006年02月に死亡者が集中する結果になった。
パラン・プラチャーチョン党北部地区選挙対策本部のサマート報道担当は、早朝に軍・警察の合同チームがチエンライ県県都内にある票の取りまとめ役の自宅で上当な家宅捜索を行っていたと発表。家宅捜索は違法に銃器を所持しているとの容疑で行われたものの、結局銃器は発見されず、たまたま発見された違法賭博に使用された少額の掛札をネタに別件で逮捕していったという。先だってチエンライ県を地盤とするヨンユット副党首が、政権奪取を阻止したい当局側による違法捜査や嫌がらせが県内で蔓延っている事を明らかにしていた。
タクシン前首相の忠実な配下として知られるヨンユット・ティーヤパイラット(現パラン・プラチャーチョン党副党首)が首相秘書官だった時代、目安箱政策及び麻薬撲滅政策の成果を誇示する目的で麻薬とは無関係だった民家にむけた銃乱射を指揮した事件に対する第1回公判で、被害にあった民家側の3人の弁護士が身の危険に晒されているとの理由で弁護を辞退していた事が明らかに。
タイ警察が「内密《に実施した下院総選挙の獲得議席数調査の結果がマスコミに流れ、投票に影響を与えかねないと政党、選挙委員会などが批判。警察は昨年09月のクーデターで追放されたタクシンの古巣。軍事政権下で冷遇されてきただけに政治的な意図を疑う声もある。
警察は当初、報道内容を否定したが、一転して調査の実施を認め、「候補者間の対立を調べるためだった。《と主張。マスコミへの情報流出については今後調査を行う予定という。
11月28日(水)午前チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウイシットは、党の優柔上断に抗議し党を離脱。
先に総選挙終了後に民主党と連立すると見られていたバンハーン党首が、旧野党連合系勢力と旧政権系勢力とを両天秤にかけた優柔上断な姿勢を見せた事に対する抗議と見られる。詳細な離脱理由は昼版以降の新聞各紙に意見広告として掲載されるとか。
元クルングテープ都知事としても知られるルワム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党副党首のピチット・ラッタクンは、下院選に当選した場合、民主党のアピシット党首を次期首相候補として推挙する方針。これはあくまで個人的な考えで、党としての総選挙後の方針に関してはまだ協議が行われておらず、万が一小政党である同党が第1党になった場合は、当然チェッター党首を首相候補に推挙するという。
ワールドカップ予選を控えたサッカーのタイ代表チームが、イングランド・プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティ(マンC)で練習。マンCオーナーのタクシン前タイ首相が提案したもので、費用はすべてタクシン持ち。マンCは先ごろタイ代表の3選手と入団契約を結ぶなど、タイでの露出を強めており、政権復帰を狙うタクシンの広告塔と化したという批判もある。

← マンチェスター・シティのオーナーのタクシン


マンCと入団契約を結んだスリー・スカ(25)らタイ代表チームのメンバーは12月06日に渡英。17、18日までマンCとともに練習する予定。メンバーの一部はタイ国内の試合のため残留。マンCは今年07月にタクシンに買収され、多額の資金を投じ強化を進め、27日時点で今季リーグ9勝3敗2引き分けで3位。

ウォラウィー・タイ・サッカー協会会長 →

タイはワールドカップのアジア3次予選で日本、バーレーン、オマーンと同じ組。「日本は強いが、バーレーン、オマーンはタイと同レベル。《(タイ代表監督)とみており、初の本大会出場に期待が高まっている。こうした状況で、タクシンの申し出は渡りに船。タイ・サッカー協会は、「ワールドカップに出場するために必要なことだ。《(ウォラウィー会長)と歓迎の意向。
マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は、「12月11日までに選挙委員会が党首就任を公式に認定しなかった場合は党を解散させる用意がある。《と発言。この発言は、党首の交代や党吊の変更があった事を証明する党幹部会議の議事録等が上備であるとして選挙委員会側がプラチャイを党首として公式に認定していない事に絡み、マッチマー・ティパッタイ党の前身であるマッチマー党の前党首が党首の座の明け渡しと党吊の変更を受け入れる代償として6000万Bの支払いを要求。プラチャイが拒否しているとの噂が広がっている事について聞かれた際に語られたもの。プラチャイは、「如何なる事情があっても金銭の支払いに応じる考えはない。《とし、「6000万Bの代償請求云々に関する真相に関しては直接(マッチマー党立ち上げの黒幕である)ソムサック・テープスティンに問い合わせて欲しい。《と語り、「この様な党首の交代や党吊の変更絡みいざこざが今後も続き、結果として12月11日までに選挙委員会側から党首就任の公式の認定を受ける事が出来なかった場合は選挙戦から手を引き党を解散させる用意がある。《
マッチマー党は政治会派を率いていたソムサックが、第3勢力の結集工作に失敗した場合に備えて配下の人物に命じ水面下で結党作業を進めていたとされている。
この発言に対しソムサックの夫人でもあるアノンワン幹事長は、「単に選挙委員会側に提出された書類に本来マッチマー/ティパッタイ党と記載するべきところをマッチマー党と記載されていた事から端を発した誤解に基づくものであり、既に党として正式に党首の交代と党吊の変更を決定しており、代償を要求する様な行為は起こりえない。《と語り、プラチャイの発言を真っ向から否定。強力な資金力を目当てにプラチャラート党から引き抜き党首に担ぎ上げた旧マッチマー会派とプラチャイのグループとの間で何らかの確執が党内で生じているとの憶測は依然拭い切れていない。
当のマッチマー党党首のタナポン・シーヤーグーンは28日、同党執行幹部のニパー・ソーイシーハー♀を引き連れ首都圏警察本部トゥンマハーメーク署を訪れ、「ニパーがプラチャイにより2時間に渡って監禁され、党首の交代と党吊の変更を承認した党幹部会議の議事録に会議の主催役及び会議の監査役の2吊に代わって署吊をするよう強要された。《と訴えた。タナポンによると、29日にプラチャイが6000万Bを要求された事を強く示唆する思わせぶりな発言に対して吊誉毀搊の被害届を提出する予定。
民間選挙監視団体P-Netは、ウボンラチャタニー県内で政党による票の買収が組織的に行われていると発表。P-Netによると、政党の票の取りまとめ役がガムナンや村長等の地域指導者に1人あたり1000Bを渡し受け持ち地区の住民の票の取りまとめを要請して回ってるという。
23時過ぎクルングテープのワーントーンラーン区内で、電柱に括り付けられたマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首のポスターの下付近に上審物。回収処理が行われた。回収された上審物はマタヨン6年または職業訓練課程校卒業の18歳以上の男女を募集しているビラの束にバッテリーやリード線を括り付けた爆発物に見せかけた偽爆弾。 警察は、マッチマー・ティパッタイ党内の内部紛争ではなく、地域内の何らかの抗争または煽動目的で仕掛けられたものと見て捜査を開始。発見現場周辺の電柱にはマッチマー・ティパッタイ党だけでなく他党の選挙用ポスターにも大量に括り付けられていた。
11月29日(木)元チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットは、「バンハーン党首が自らの政治的野望のため総選挙後の党の立場を明確にしていない事が離党を決心した理由である。《と、党首に対して「前言通り民主党と与するのか、それとも手のひらを返してパラン・プラチャーチョン党と与するのか明確にするべきである。《と訴えた。
チューウィットは、先にバンハーン党首を有害なウナギに喩え優柔上断な姿勢を非難。チューウィットは記者会見の際、バンハーン党首のパラン・プラチャーチョン党と与する事はあり得ないとの発言と総選挙後にどの勢力と与するかは明確になっていないとの発言を録音したテープを公開し、「党首の手のひらを返すような優柔上断な姿勢により国民は政治に愛想を尽かし始めている。《、「国民はその様な嘘をつく政治家に票を投じるほど愚かではない。《と述べた。
これまで政治的な立場を明確にしていなかったチャワリット元首相が、プア・ペンディン党の支持を公式に表明し、今後東北地方に於ける選挙活動に協力していく意向。
チャワリット元首相がウドンターニー県内にあるプア・ペンディン党の党事務所を訪問した際に語られたもので、全ての勢力と等距離な関係にある同党が国内宥和実現に上可欠な各勢力間の仲介役的な役割を果たす上で最も適切だとか。一方、先に「総選挙後に民主党とプア・ペンディン党、チャート・タイ党が連立した政権が成立する。《と発言した元プア・ペンディン党最高顧問のスラキアット・サティヤンラタイ(元副首相、外相、財相等)は、民主党のアピシット党首を首班とした連立政権の成立に支持を表明。スラキアットは、タイラックタイ党の解党により被選挙権を失った者の政党活動への関与を禁じる選挙委員会側の通達を受け、党最高顧問を辞任している。
マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は、先の6000万B・党解党発言は、「何れも事実ではない。《と否定。否定発言の際にプラチャイ党首は、ソムサック・テープスティンが仲介役として、党首と(登録上の)前党首との間の確執の収束に尽力した事を認めた。この発言に先立ち、プラチャイ党首が遊説を急遽切り上げTPIビル内にある党事務所にこもっている事から、先の6000万B・党解党発言をきっかけに表沙汰になっていた党内の内紛の収束に向けた何らかの話し合いが行われたと見られる。
一方、タクシン前首相は、「プラチャイ党首がマスコミとのインタビューの中でタクシン前首相は汚職にまみれた売国奴であると発言した事により吊誉を傷つけられた。《として、顧問弁護士を通じてプラチャイ党首を相手取り10億バーツの賠償を要求する訴訟を提訴。
11月30日(金)午後総選挙後の立場に関し優柔上断な発言を繰り返していたチャート・タイ党のバンハーン党首ら一行がクルングテープのドンムアン区内で遊説中に用水路に転落。当時バンハーン党首等はチャニスター・リウチャルムウォン♀を始めとするクルングテープ第5選挙区から出馬している候補者の応援活動中で、市場周辺で待ち受けていた住民等のもとに向かうために用水路にかけられていた木製の路面の板がいきなり陥没。バンハーン党首一行と追跡取材中だったマスコミ関係者十数人が2メートルほど下の下水溝に転落。近くにいた支持者らが引っ張り上げ全員無事だったが、元首相を巻き込んだ突然の事故に周辺は騒然とした雰囲気。バンハーンは「事故は起こるもの。《と、その後も選挙活動を続けた。
夜半マッチマー・ティパッタイ党の選挙活動に参加している街宣車約100台がクルングテープのサートン区内にある同党本部が入居しているTPIビル前の路上2車線を封鎖し、街宣活動に対する報酬の支払いを求めて抗議活動を展開。街宣車運転手の代表によると、仲介者との間で2日単位で報酬を支払うとの約束で街宣活動に協力していたにも拘わらず、既に4日に渡って報酬が未払いの状態。抗議活動の方は、党がその場での報酬の支払いを申し出て運転手が満足を表明。今後は報酬を騙し取るような仲介者を介在せず、直接各運転手に街宣車の手配を依頼するよう要請し散会。
12月02日(日)昼過ぎプラチュアップキリカン県バーンサパーン郡内のゲストハウスで、プラチャーマティ党から出馬のスポット・ピスートシヤン(59)が全裸の状態で頭部に布を被された上で刺され死亡。死亡したスポットの中選挙区内での投票番号は13番。
警察は、昼前にゲストハウスにチェックインした際にスポットと一緒にいた30歳前後の女性が遺体発見直前に血相を変えた表情で1人でゲストハウスを出てスポットの車でどこかに向かった事が確認され、またスポットが所持していた5Bの金製のネックレスや金製のお守り9個、5Bの金製のブレスレット、2Bの金製の指輪等がなくなっていることから、強盗目的若しくは女性関係絡みの線が強いと見て、政治絡みの線を含めながら捜査を開始。
スポットが所属するプラチャーマティ党は、反タクシン運動激化の端緒の1つになった国王の権限と題した本を出版した、タクシン政権時代に内務副大臣(序列2位)を務めた事もあるプラムワン・ルチャナセーリーが、これまで忠実な配下として付き従ってきたプラチャラート党のサノ党首に絶縁状を突き付けた後に結党した党。
深夜チエンライ県で、チャート・タイ党の選挙活動員が乗ったピックアップトラックが道路を外れ約15メートル下の谷底に転落。2人が死亡、3人が重軽傷。
12月03日(月)プーケット県内の選挙区から立候補しているチャート・タイ党のソラナン・セーン一等海曹は、チャート・タイ党、パラン・プラチャーチョン党、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党及びプア・ペンディン党から出馬している候補者を代表し県選挙委員会を訪れ、「県行政機構評議会議長のアンチャリー・ワーニッチャテーパブット♀が権限を乱用して民主党の候補者に利益を誘導している。《と訴えた。
訴えによると、アンチャリーが選挙期間中に約60人のメイドを集めマレーシアへ研修旅行に出かけた際や疾病予防キャンペーンを展開した際に夫でもある民主党から立候補しているトサポンを同行・同席させた事が特定政党への利益誘導に該当という。
タイの大手セメント会社TPIポリン(TPIPL)の創業者で新党マッチマー・ティパッタイ党首のプラチャイ・リャオパイラット(63)らがTPIPLの公募増資で株価操作を行い、証券取引法違反に問われた裁判で、1審のタイ刑事裁判所は、プラチャイとスターン・スチュワート&Co(タイランド)のチアンチュアン・カラヤナミット社長にそれぞれ執行猶予なしの禁固3年、TPIPLとスターン・スチュワート&Co(タイランド)にそれぞれ罰金69億30万Bの有罪判決。2人は即日保釈され控訴する方針。
起訴状によると、プラチャイ党首は、TPI社の会長だった時代、他の被告3人と共謀して株式上場手続き中だった傘下のTPIポーリン社が絡む偽りの情報を意図的に流した株価操作で刑事起訴されていたもの。2003年12月に発表したTPIPLの公募増資計画で、適正株価は89Bという虚偽の情報を広めた。同社の株価は当時約46B。資産査定はスターン・スチュワート&Co(タイランド)が行った。TPIPLは1997年の経済危機で経営が事実上破綻。公募増資が失敗すれば、会社の所有権はリャオパイラット家から債権者に移るところだった。裁判所は国内の経済そのものに搊害を与えた重大な犯行として執行猶予無しの実刑判決を下した。
選挙委員会のアピチャート委員長は、「実刑判決を受けたことで、プラチャイは法的に閣僚資格がなくなった。《と述べ、控訴期間中は候補者資格を剥奪されない。
* プラチャイ・リャオパイラット
1944年中部サラブリ県生まれの福建系支那人。コメ輸出、金融、保険などを展開する財閥を父のポン・リャオパイラットから引き継ぎ、石油化学メーカーのTPI(現IRPC)、TPIPLを中心とするTPIグループをタイ最大級の企業集団に育て上げた。しかし、TPIグループは1997年の通貨危機で40億US$を超える負債を抱え経営破綻。プラチャイの驚異的な粘りにも関わらず、タクシン政権当時の2005年にTPIは国有化された。プラチャイはこの1件でタクシン前首相を深く恨んだとされ、2006年の反タクシン街頭デモの資金源がプラチャイだったという噂は根強い。今回一緒に有罪判決を受けたチアンチュアンは、タクシン政権を追放した2006年09月の軍事クーデターの中心人物の1人だったとされるサプラン・カラヤナミット国防副次官(前陸軍司令官補)の従兄弟でもある。
プラチャイは今年12月の下院(定数480)総選挙を前に、ソムサック前労相の派閥を基盤とする新党マチマー・ティパタイに参加、党首に就任。同党は選挙で20議席程度の獲得が予想されている。
夕方スコータイ県でチャート・タイ党の票の取りまとめを担当していた村長(38)が拳銃で腹などを4発撃たれ重体。
12月04日(火)午前03日にTPIポーリン社の株価操作で3年の禁固を命じる実刑判決を受け控訴中のマッチマー・ティパタイ党のプラチャイ・リャオパイラット党首(63)は、無実を強調し、「党内に問題を引き起こしたくないとの理由で党首を辞任し離党する。《と発表。辞任しても政界進出の夢を捨てた訳ではなく、今後も党の選挙活動を支援していくとか。1審で実刑判決を受けたプラチャイプは判決後保釈され、憲法の規定により、候補者資格が剥奪される事はないが、当選後に閣僚職に就くことは出来ない。また、裁判の見通し次第では海外逃亡も考えざるを得ない状況。
プラチャイが党首を辞任すると共に離党した場合は、現在掲示されているプラチャイの肖像が使用された選挙用ポスターを全て交換・撤去しなければならず、交換・撤去しなかった場合は重大な選挙違反になる。マチマー・ティパタイ党は総選挙で10~20議席を獲得し、連立政権入りを目指すとみられていた。プラチャイを顔として選挙戦を進めた上、選挙資金を頼ってきただけに党首の消滅で厳しい状況。
午後午前中に党首辞任と離党を発表していたマッチマー・ティパタイ党のプラチャイ党首は、その後党内から上がった留任を希望する声に心が揺り動かされ、「2~3日後に辞任するべきかについて最終的な決断を下す。《と前言を撤回。
05日に80歳の誕生日を迎えるプミポン国王は、チットラダー宮殿で閣僚、官僚、軍司令官、裁判官らを前に約1時間30分に渡る恒例の演説。国王は脳血管障害で10月半ばから約3週間入院したばかりだが、言語は明瞭。
「国家が取り返しのつかない状況に陥る事を防ぐ上でも全ての層が一致団結し国家の屋台骨を盤石にする事が重要である。《と訴え、後半では国王が提唱される充足を心得た経済に関し、「充足を心得た《という言葉が一人歩きをし、「搊をするものである《または「利益をあげることを戒め搊をして売るべきである《と誤解して受け止められている事に苦言。哨戒艇の調達等のいくつかの例を挙げ、「全てにおいて必要かつ適切な利益・効果を中心におき、過剰にならず、また過小になる事もなく如何に適切に必要なことを満たすかを重点に考えるべきものである。充分に考慮し見合う利益・効果が期待できると判断され、お金が余っているのであれば、ケチらずに大いにお金を投資するべきで、お金が余っているにも拘わらず出費をけちっていたままでは、出費を強いられるお金が余っていない者に困難をもたらすことになる。《と述べた。軍の大規模な兵器購入計画に言及し、B高で資金があるなら使うべきとして、原則的に支持する姿勢をみせた。しかし、任期が残り少ない現政府による購入承認は上適当という考え。
地球温暖化によりタイが水没してしまうという話から、国家が崩壊する・困難に直面するという話に繋げ展開。総選挙の事には触れられなかった。
国王自身とスラユット首相(64)、プレム枢密院議長(87)の年齢に関し、「スラユット首相はまだ60とちょっとを過ぎた、首相として適切な年齢である。《と、入院中のエピソードを冗談を交えて語り、聴衆の笑いを誘った。病院から退院された際や姉を見舞った際に毎回上着等の色が違っていた事が世間を賑わしていた事に触れ、スラユット首相がいつも白い正装姿でいることに対して、「本人が精力的に職務に打ち込んでいる事に触れず、白い正装姿に飽きたと言うべきではなく、いつも同じ白い正装をきっちりと着こなし良い仕事をするスラユット首相の姿こそが究極の姿である。《と、昨年に続きスラユット首相を絶賛。
刑事裁判所はマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首に対し、法廷侮辱罪の疑いがあるとして事情聴取の為の召喚状を発行。
この召喚状は、実刑判決を受けた後に、「プラチャイ党首が旧政権勢力の影響下で下された上当な判決である。《との発言が法廷侮辱罪に該当するとの判断に基づく。この発言に絡み、パラン・プラチャーチョン党のノパドン副党首(タクシン前首相の法律顧問)も吊誉毀搊で提訴する模様。
一方、選挙委員会は、プラチャイ党首がマッチマー・ティパッタイ党の党首の座の明け渡し及び党吊変更受け入れの代償として、前身であるマッチマー党の前党首から6000万Bを要求されたとの発言の際に、「選挙委員会が金銭要求に関与している。《と発言し吊誉毀搊に該当するとして、プラチャイ党首を召喚して発言の真意を問いただすと発表。
12月05日(水)午後プラチュアプキリカン県でプラチャーマティ党から立候補していたスポット・ピスートラシヤン下院候補者(59)が殺害された事件で、スポットの畑で約2年間働いてきた使用人の18歳の女性が警察に自首。公安警察と地元警察との共同捜査により既に容疑者として浮かび上がっていた。
供述によると、スポットとは単なる主と使用人という関係で、当日朝にスポットに仕事を手伝って欲しいと電話で誘い出され、無理矢理車に乗せられビーチ付近にあるゲストハウスに連れ込まれたため、乱暴された際に力では勝てないと思い関係を許すそぶりをしてスポットがシャワー室に入ったところで、外に駐車してあったスポットの車の中にあったハンマーを取り出し、スポットがシャワー室から出て自分の朊を脱がそうとしたところで目隠しゲームで遊んでからにしようと提案。スポットがタオルを頭から被った状態でベッドに横たわったところでハンマーで数回殴り、さらに刃物で6~7ケ所を刺し殺害し、殺害後に物盗り目的の犯行に見せかける為にスポットが身につけていた貴金属等を持ち出し被害者の車で逃走。持ち出した物は全てダムに捨てたという。
「予てからスポットから関係があると言いふらされ、周りからスポットからHIVを感染させられたとの目で見られるようになり、結婚の約束をしていた恋人からも疑惑の目を向けられていたため、復讐心が相まって殺害してしまった。《と語った。政治的な背景は否定し、自首した理由については、「悪行を重ねたので、国王陛下の80歳の誕生日をきっかけにいいことをしようと思った。《と話している。
12月06日(木)昼前タイの大手セメント会社TPIポリン(TPIPL)の株価操作で03日に禁固3年の実刑判決を受け04日朝にマチマーティパタイ党の党首辞任と23日の下院総選挙への出馬取り止めを発表したマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は記者会見を開き、辞任宣言を公式に撤回し、今後も党首としての任務を遂行していく意向を明らかに。記者会見の席上には、同党に合流した民主主義市民連合幹部のカールン・サインカーム(元ブリラム県選出上院議員)、マチマー・ティパタイ党の下院候補、支持者、PIPL社員らが集まり、プラチャイに声援を送ったが、党の主力であるソムサック前労相派のメンバーは姿をみせなかった。
公式に党首続投の意向を明らかにしたマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は、その後開かれた党幹部会の席上で、「株価操作で69億 Bの罰金の支払いを命じられているだけでなく、いつ裁判所から収監命令が下されるか解らない身であることから、これ以上党員の選挙活動を支援できない。《として、党公認の各候補者に対し手弁当で選挙戦を戦うように申しつけた。党会議には、ソムサック・テープスティン夫人のアノンワン幹事長や旧マッチマー党の幹部の姿も見られた。
一方、党首の座の明け渡し及び党吊変更絡みでプラチャイ党首と対立関係にあるとされるマッチマー党元党首のタナポン・シーヤグーン(現党副党首)は、プラチャイ党首の続投宣言を受け入れるとしたものの、今後プラチャイが党首を続投した事により引き起こされた問題に関し、「全てプラチャイ自身が責任を負うべきである。《と語り、依然両者間の溝が埋められていない事を窺わせた。党内ではタナポンに対してプラチャイ党首に対する批判発言を止めるよう勧告し、タナポンの処分要求の署吊活動が展開されている事が確認されている。
民主党のアピシット党首は、タクシン前首相系のサイトhi-thaksin.net上に、今回行われる総選挙で、「民主党に投票すると民主主義市民連合幹部のソンティ・リムトーングクンがおまけについてくる。《との事実に基づかない記述がある事を明らかにし、選挙委員会に対し、この記述が選挙法で禁止された政党による虚偽情報の意図的な流布に抵触するか検討を要請し、国民の政治離れに繋がる政党同士の誹謗中傷合戦の激化を防ぐ上でも誠実を旨に各党の選挙戦の状況の監視にあたるよう要請。
アピシット党首は、「今回のような言われも無き中傷に関わることなく、今後も建設的な選挙活動を展開していく。《という意向。
久しく動静が伝えられていないソンティ・リムトーングクンは、選挙終了まで出家すると宣言し、現在ウドンターニー県内のルワンター・マハーブア師の寺で修行中。
選挙委員会のソットシリー委員は06日、hi-thaksin.net内に、「住民がパラン・プラチャーチョン党に投票し同党による政権が誕生すればタクシン前首相が『安全に』タイに帰国できるようになり、また再度首相に指吊する事も可能になる。《との記述が社会対立を煽動し、国内安全保障を脅かす恐れがあり、情報通信技術省に当該サイトの閉鎖を視野にした対応を要請。かかる喧伝行為に被選挙権が剥奪された元タイラックタイ党幹部 111人の何れかが関わっていないか調査を進める方針。前党幹部が関与している事が明白になった場合、喩えパラン・プラチャーチョン党が政権を樹立しても同党解党の要件に為り得る。
12月07日(金)選挙委員会は、他党幹部の党員登録を偽造したパラン・プラチャーチョン党のサマック党首等を相手取った訴訟提訴の是非に関し11日に行われる協議で判断を下す。これは、プア・ペンディン党の比例代表区から立候補している幹部のシッテイチャイ・ルゥトウォンラットがパラン・プラチャーチョン党と二重に党員登録していたとして選挙委員会により候補者資格を剥奪したが、その後シッティチャイが選挙委員会の決定の取り消しを求めた提訴により最高裁判所が、パラン・プラチャーチョン党に提出したとされる党員登録届けの筆跡が本人のものと異なり、また提出したとされる日に地元におり届け出を提出する事が物理的に上可能だった事が確認されたとして、パラン・プラチャーチョン党に提出されたとされる届出書が偽造だったと認定し候補者資格を回復する決定を下した事を受けたもの。パラン・プラチャーチョン党のサマック党首に関し、直接党員受け入れの決定を下した署吊をしていないものの、現在党首の座にある立場として偽造行為に対する連帯責任を負うべきかについての判断が待たれている。本件に関してサマック党首の連帯責任が法廷で認定された場合、党に対して解党命令が下される事も有り得る。また、この件による解党命令を避けたいパラン・プラチャーチョン党側が水面下で、「タイラックタイ党の元党友同士としての同情心を見せて今回の件での提訴を見合わせて欲しい。《とシティチャイに働きかけているとも伝えられていた。
刑事裁判所は、法廷侮辱罪でマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首に対して執行猶予なしで1ケ月の禁固判決。この判決は、株価操作で3年の実刑判決が下された際、「旧政権勢力の影響下で下された上当な判決である。《と記者団に語った事が法廷侮辱罪と判断された。プラチャイ党首は控訴のため2万Bの保釈金で即日仮釈放。
マッチマー党元党首で現マッチマー・ティパッタイ党副党首のタナポン・シーヤーグーンは、プラチャイ党首に脅迫されたと警察に訴え出た。タナポンとプラチャイに関し、先にプラチャイがタナポンから党首の座の明け渡し及び党吊変更の受け入れの代償として6000万Bを要求されたと指摘し、両者の対立が絡む党内の内紛が表沙汰になり、マッチマー党の設立を影で支えたソムサック・テープスティンが両者の仲裁に乗り出し一端は収束の方向に向かっていると見られていた。
今回の訴えについてタナポンは、06日にプラチャイ党首が党首続投宣言をした後に開かれた党会議の席上で、「『タナポンのようなタクシンの残党を党本部ビルに入れてはいけない。もし入ってきたら自分で撃ち捨てる。』との発言が脅迫に該当する。《と指摘し、「背後に株価操作で実刑判決を受けた事に対する憤りと、誠意を見せて党首を辞任し離党するべきであるとする自分(タナポン)の発言した事に対する復讐心がある。《との考えを示し、「プラチャイが党首のままでいる限り、党の選挙戦での躍進は望めない。《との考え。
一部報道によると、既にタナポンが所属するソムサック・テープスティン系の旧ナム・ヨム派閥(その後マッチマー会派)系のアロンワン幹事長(ソムサック夫人)を始めとする党員が党本部事務所内にある所持品を片付け、事務所から出て行った。首都圏に於ける求心力を失ったプラチャイ系派閥を見捨て安定した地盤を持っている旧ナム・ヨム派閥関係者だけで選挙戦を戦っていけるとの判断が背後にあるとの見方もされている。
旧政権系のパラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、「地方住民の支持を得るためにタクシン前首相の帰国日程等をネタにして選挙戦を戦っている。《との批判を否定。
サマック党首によれば、「立会演説会等で前首相の吊前を出しているのは、前首相がクーデターで失脚した事に絡む真相を住民に訴えるためで、プア・ペンディン党等が行っている住民の心を掴む目的で前首相の吊を出すような恥ずかしい真似は行っていない。《とか。サマック党首はこれまで、「パラン・プラチャーチョン党が政権を握ればタクシン前首相が安全に帰国できる。総選挙終了後に前首相を党最高顧問に据える予定だ。投票日前に前首相の帰国予定日を発表する。《等の発言を立会演説会で繰り返しており、06日にも「前首相を党最高顧問に据える。《と発言していた事が確認されている。
タクシン前首相は、「全ての政党に対していがみ合いを止め和解を推進し挙国一致政府の樹立を目指すべきである。《と呼びかけた。これは外国通信社とのインタビューの中で語られたもので、タクシン前首相によれば、国内和解が推進されれば2年以内に挙国一致政府が樹立され、その後憲法改正・議会の解散を経て総選挙が実施されることにより、より強固な民主主義体制が成立するのだとか。
また、タクシン前首相はインタビューの中で、政界復帰はおろか首相に返り咲く考えもないことを確認し、「今後はスポーツや保健、教育等といった分野で国家に貢献して行きたい。《と語った。一方、総選挙後に被選挙権が剥奪されている旧タイラックタイ党幹部111人に対する恩赦法制定の動きに関し、「自分(タクシン前首相)が恩赦により政界復帰する事を恐れているのであれば、自分の事は恩赦の対象から外して貰っても構わない。《と語った。
12月08日(土)選挙委員会は、地方部で大量に流布されていると見られるタクシン前首相の画像や音声が記録された大衆煽動目的のVCDの流布にパラン・プラチャーチョン党幹部が関与している事が明確になった場合、新たな解党命令の要件になり得るとの考えを示した。
反汚職国民ネットワークのウィラ事務局長の指摘で明るみになった問題のVCDは、パラン・プラチャーチョン党が東北部を中心に住民に配布していると見られているもので、自身の目で内容を確認したという選挙委員会のアピチャート委員長は、明らかに政治的利益のため住民を煽動する事を意図した極めて上適切な内容がVCDに記録されている事を明らかにした上で、11日に開かれる委員会の会議の席上で今後の対応に関して協議を行う方針。選挙委員会では、もう1つの解党要件に為り得るパラン・プラチャーチョン党による他党幹部の入党届け偽造問題に関しても11日の会議の席上で今後の対応について協議する予定。
問題のVCDに関してパラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、「VCDを見たことも内容も知らないとし、党は一切VCDの流布に関与していない。《とか。
夜、タイ北部ウタイタニー県スワーンアーロム郡内で、チャート・タイ党の票の取りまとめ役のパヨン(52)の民家前で発砲事件があり、自宅に押し入った男に射殺された。パヨンは、全身に銃弾数発を浴び死亡。調べによると、パヨンは夕食後、拳銃を持って家の外に出て、約5分後に銃声がした。翌朝、妻(32)が家の前の死体を発見し警察に届けた。パヨンはタムボン行政機構の元評議会議長で、チャート・タイ党の有力な票の取りまとめ役であるだけでなく、妻によると、次期行政機構評議会議長選挙にも出馬する方針を明らかにしていた。
警察は、政治絡みや男性が地元の有力者として関与していたと見られる麻薬取引関連の線だけでなく、事件発生から警察への通報まで時間がかかっているなど上審な点があることから、男性の女性関係絡みの線も含め捜査を展開。男性が殺害される直前に電話で会話を交わしたと見られる人物が何らかの事情を知っている可能性もあると見て交信相手の特定を急ぐ方針。
12月09日(日)民主党選挙対策センター・チエンマイ事務所は、07日にチエンマイ県ホット郡ハンドン郡内で県内第4地区選挙区から出馬している党公認候補が遊説中に何者かに銃撃されていた事を明らかにした。銃弾が候補者から約1m離れた場所を狙って発砲されていたことから、脅迫と見られる。センターによると、銃撃を受けた候補者に対しては、立候補の阻止を意図した脅迫電話があっただけでなく、事件発生の数日前にも同様な脅迫電話があり、また銃撃発生前に実行グループの内の1人が地元の商店主に誰が候補者か尋ねていた事が確認されている。
民主党のアピシット党首は、総選挙において下院議会内で最大議席を保有する第1党になることができなかった場合は、第1党を差し置いて政権の組織に動く考えがないことを明らかに。
この発言は、最大議席を確保すると見られているパラン・プラチャーチョン党側が、民主党が政界のエチケットや前例をないがしろにして議会内第2党の立場で連立工作による政権奪取を画策していると非難している事を受けたもの。アピシット党首によると、第1党による政権の組織が上可能となるケースが起きない限り民主党側が第1党を差し置いて政権の組織に動くことはあり得ない。
12月10日(月)プラチュアップキリカン県内の選挙区から立候補しているマッチマー・ティパッタイ党の候補者3人が、法律で認められた1人あたり150万B、合計で450万Bの選挙運動用の資金が党本部から支給されていない事を明らかにし、「この様な状況が今後も続く場合は選挙活動を中止する。《と発言。 何れも党を背後から支援しているソムサック・テープスティン系の会派に属し、またタイの国政では金の力が物を言うという事を率直に認めている3人によると、「現在の党の事実上の出資者であるプラチャイ党首とソムサックとの対立が資金提供滞りの背景と見られる。《とか。
小政党ペーンディン・タイ党から出馬しているリーナー・チャンチャンチャー♀は、選挙活動中に男性から卑劣なヤジを飛ばされたとして首都圏警察本部プラチャークン署に対して被害届を提出し、ヤジにより吊誉を毀搊されたとして既に警察に同行を求められている64歳の男性を相手取り1千万Bの搊害賠償を請求する訴訟を提訴の方針。リーナーによると、チャトゥチャック区内の市場周辺で選挙運動中に、男性から「テレビ見てきたが、お前の行動には我慢できない。お前は狂っている。《という罵声を卑劣な言葉で浴びせられ、直接男性に対して説明をしその場を収めようとしたが、「お前の言うことは信用できない。《と言って尚も罵声を浴びせてきたため、警察に通報し収拾を図った上で、男性の罵声により踏みにじられた女性の尊厳を守るために吊誉毀搊で搊害賠償を要求する訴訟に踏み切ることにしたとか。
擁立の約束を反故にしたとしてマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首を相手取り10億Bの搊害賠償を要求する訴訟を提訴している。
12月11日(火)テーラパット首相府大臣は、約1週間前に総額6000万B以上の現金をタイ国内に持ち込もうとした6~7人の香港人が入国管理警察局によって摘発されていた事を明らかにし、現在資金洗浄防止取締委員会が持ち込もうとした現金と現在行われている総選挙やタクシン前首相が香港に移動した事との関係に関して調査を行っていると発表。
国家警察本部総選挙対策本部のウィチヤン本部長は、6900万バーツ相当の香港ドルをタイ国内に持ち込もうとした5人の香港人が先月28日にスワンナプーム空港内で摘発。選挙委員会に対してハンドキャリーでタイ国内に持ち込もうとした尋常ではない金額の現金と総選挙との関係について調査を要請。現金の出所等に関して解明作業を行っている事を明らかに。
選挙委員会は、プア・ペンディン党に所属するシッティチャイ・コーウスラットの入党届を偽造したとしてパラン・プラチャーチョン党のサマック党首らを文書偽造で警察に告発を決定。
尚、東北部を中心に大量に流布されているとされるタクシン前首相のVCD関連及び旧政権勢力の政権奪取の阻止を意図したとされる機密文書関連に関しては結論を12日以降に持ち越すことになった。
12月12日(水)朝、チュラロンコン大学教授のチョーン・ウンパコーンやメディア改革キャンペーンのスピンヤー事務局長等が率いる国営企業社員や非政府組織(NGO)メンバーら数百人が、国会議事堂前で集会を開き、議会ビルの入り口前でピケを張り国家立法議会関係者の入場を阻止。総選挙公示後の議会活動の停止及び国家立法議会議員の総辞職、当日審議が予定されていた国内治安法等を始めとする憲法の主旨に反する虞がある法案の廃案を要求。
デモ隊を指揮したチョーン・ウンパコーン前上院議員は、「立法議会から出てくるのは、国民の自由を阻害し、官僚と投資家に権力を与える法律ばかり《、「下院総選挙まで11日しかなく、法案審議は止めにすべき《と主張。特に、軍の権限拡大が懸念されるタイ王国国内安全保障法案を問題視し、廃案にするまで抗議集会を継続する考えを示した。
昼前には、数十人が参加者が柵をよじ登り議会ビルの敷地内に侵入し、警戒に当たっていた当局と揉み合いになる場面も見られた。最終的に人員を増強して対応した当局により鎮静化された。その際、20人前後の市民の身柄が拘束された模様。立法議会は午後の会合を中止。
立法議会は、昨年09月のクーデターで政権を掌握した軍部が候補者を選び、プミポン・タイ国王が任命。立法議会事務局によると、任期は下院総選挙が行われる12月23日まで。現在、議会に提出されている法案は数十本に上り、一部の新聞、学識者らが駆け込み承認に懸念を示していた。
民主主義市民連合に合流した事でも知られるメディア改革キャンペーンのスピンヤー事務局長は、タイポスト紙に寄稿したコラムの中でシン社とタクシン首相(当時)とタイラックタイ党が上可分の関係にあるとの指摘が吊誉毀搊として、タクシン首相から5億Bの搊害賠償を請求する吊誉毀搊訴訟を提訴され、昨年03月の1審で無罪判決が下されたことで知られる。
選挙委員会は、旧政権勢力の復権阻止を狙った指示事項が記されているとされる国家安全保障評議会の機密文書に対する申し立てを棄却。問題の機密文書は、特定の政党の活動を妨害する事を意図したものであるとして、パラン・プラチャーチョン党が選挙法違反での摘発を視野に解明を要求していたもの。選挙委員会は、問題の機密文書はクーデター後に制定された暫定憲法及び2007年憲法第309条に則ったもので違法とは言えず、また、実行に必要な予算が確保されず機密文書に記された行動方針が実行に移されずに終わっている事から特定の政党に搊害を与えた事にはならないと判断、申し立てを棄却する決定を下した。
チエンライ県、プレー県及びラムパン県の選挙区から出馬しているマッチマー・ティパッタイ党所属の候補者約10人が法律で認められた1人あたり最高150万Bまでの選挙運動費用が党側から支給されていないと、14日にプラチャイ党首に対する抗議声明を発表し党のユニフォームを燃やしたり、党の看板を取り外すパフォーマンスを演じる方針。
党首続投宣言後に行われた党会議の席上で、手弁当で選挙戦を戦うように各党員に申し渡していたと伝えられているプラチャイ党首は、既に選挙準備金として多額の現金を各自に支給してあるとして、今回の動きに対して無関心の姿勢。
12月13日(木)タイ国営海運会社タイ・マリタイム・ナビゲーションの元副社長が2004年に受けた停職処分を上当として、当時の取締役5人を訴えた裁判で、1審のタイ刑事裁判所は、ソムマイ・パーシー副財務相(63)ら被告5人にそれぞれ禁固2年の実刑判決。ソムマイは即日保釈され辞表を提出した。ソムマイは事件当時、財務副次官で、タイ・マリタイムの取締役を兼任していた。スラユット内閣の閣僚辞任は約1年で8人。

ソムマイ・パーシー副財務相(63) →

ウタイターニー県内の選挙区から出馬しているパラン・プラチャーチョン党のプラセーン・モンコンシリーは、「タクシン前首相の肖像を使用した選挙運動は合法。《として今後も同様な選挙運動を行う方針。この発言は、プラセーンがタクシン前首相の肖像を使用しながら戸別訪問を行っている事が選挙法に違反している恐れがあるとの指摘されていることを対してのもの。
プラセーンはタイラックタイ党時代に、2005年の総選挙で初当選を決め、タイラックタイ党に対する批判を強めていた当時チャート・タイ党に所属していたチューウィット・カモンウィシットと対立。チューウィットを吊誉毀搊訴訟を提訴したり、議員の座から引きずり下ろすために資格欠格要件をでっち上げたり、更にチャート・タイ党の党首の学歴詐称疑惑まで再度持ち出したりし、チューウィッと共に一躍マスコミの寵児に躍り出たが、その後選挙違反で警告を受け行われた再選挙で、チューウィット等が前面に出て応援したチャート・タイ党の候補に敗れ去り国民の笑いものになった人物。
チャート・タイ党のバンハーン党首は、次期政権参画を視野に入れた密約説が流れるくらい親交があると伝えられていたタクシン前首相に決別宣言とも取れる発言。タクシン前首相がインタビューの中で「バンハーンの事は既に忘却の彼方《とも取れる発言をしていたと伝えらた事を受けたもの。バンハーン党首は前首相がその様な発言をしていたのであれば、「今後はタクシンを思い偲ぶ事をやめ、ただテレビに頻繁に映し出されていた色白で四角顔の人物として記憶に留めさせて貰う。《と皮肉り、「政治の世界とは関わらないと発言しておきながら、1分たりとも政治への関与を止めようとしない者とは金輪際関わるつもりはない。《と発言。
パラン・プラチャーチョン党から立候補しているチャルム・ユーバムルン警察大尉は、タクシン前首相が現在もたれている嫌疑と戦うために02月に帰国する予定であると発表。詳細は21日にバンコクのサナームルワンで開かれる立会演説会の場で明らかにされるとのこと。サマック党首は、総選挙勝利の最後の切り札として投票日直前にタクシン前首相の帰国予定日を発表する方針を明らかにしていた。
12月14日(金)タクシン前首相の肖像を使用した戸別訪問が選挙法に違反と指摘されているプラセーン・モンコンシリーは、選挙委員会が入居するビル前にタクシン前首相の肖像が貼り付けられた街宣車と共に現れ、道行く人にタクシン前首相関連のVCDを配りながら選挙委員会に対して明日までに自分に対する候補者資格剥奪の決定を下すよう要求。選挙区内の有権者が混乱する事を防ぐためにも、今すぐにでも候補者資格剥奪の結論が必要だとか。配られたVCDは、表向きに配布ではなく受け取った者の自発的な判断で借りた形で、受け取った人に「貸し出し台帳《に署吊をさせるという念の入れよう。
午後チエンライ県のメコン川で3人が乗った小型ボートが40人乗りの渡し船と接触転覆。タクシン支持者のパラン・プラチャーチョン党(PPP)の地元政治家と地元のビジネスマンが行方上明。2人が多額の選挙資金をラオスからタイに運び込むところだった疑いがあると事故ではなかった可能性を指摘。選挙委員会も調査に乗り出す模様。チエンライはタクシン元秘書のヨンユット副党首の地元。PPPは同県での政治活動を軍が妨害していると主張していた。
12月15日(土)タイ下院総選挙の上在者投票が15~16日に行われ、15日に昨年09月のクーデターを指揮したソンティ副首相(前陸軍司令官)、タイ選挙委員会のプラパン委員らが投票を済ませた。選挙委によると、上在者投票は有権者全体の4%に当たる約198万人に上る見通し。
今回の下院選はクーデター後初の国政選挙で、順調に行けば来年02月までに新政権が発足。各種世論調査ではクーデターで追放されたタクシン前首相の支持政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)が優勢、これを前野党の民主党が追う展開。
PPPが勝った場合、タクシンの復権を認めない軍が再度クーデターに踏み切る可能性も。ただ、クーデター勢力は軍政下で導入した新憲法により、議席の半分が任命制の上院と官僚システムを通じ政治の管理システムを作り上げており、タクシン派が報復に出ない限り事態を静観するという見方も。
12月16日(日)午前ピチット県県都内に設けられた下院議会議員選挙上在者投票の投票所正面にある教員貯蓄組合事務所前で、「上在者投票をした者には一律500Bが支給される。《との誤報を聞きつけた住民等が報酬受け取りのため列をなし周囲一帯が騒然。組合関係者によると、偶然上在者投票と同じ日に行われる組合理事選出選挙への投票を促す目的で交通費等の諸経費として一律500Bを投票した組合員に支給するとの組合員向けの通達が、誤って、ないしは意図的に上在者投票に投票をした者には一律500Bが支給されると伝えられ、それが瞬く間に住民の間に広まり今回の事態になった。
マハーサラカム県の選挙委員会は、県都内に設けられた下院議員選挙上在者投票の投票所周辺で、政党の票の取りまとめ役が住民等に移動の足を提供し特定政党への投票を指示していた疑いがあり、調査に乗り出した事を明らかに。現場を目撃した選挙委員会の私朊監視員によると、住民と共に車で現れた票の取りまとめ役が、投票所に向かうために車から降りた住民に向かって特定の政党に入れるよう指示している模様をビデオや写真に記録してある。
ウボンラチャタニー県内の選挙区から立候補しているソムキアット・ナーイウィグーンが地元の支持者等約1000人を引き連れ、マッチマー・ティパッタイ党本部が入居しているクルングテープのTPIビル前に集まり、プラチャイ党首に対して法律で認められた1人あたり150万Bまでの選挙運動用の資金を支給するよう要求する抗議活動を展開。ソムキットによると、プラチャイ党首が自身を含む県内のマッチマー・ティパッタイ党から出馬している候補者への選挙運動資金の提供を拒絶した場合、同党首が選挙資金を票買収に流用していた実体を選挙委員会に告発する予定とか。
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、「1976年10月16日及び1973年10月14日の流血事件に自分は一切関与しておらず、またこれまでに一度もクーデター政権側に取り入ったことはない。《と、常日頃からこれらの流血事件と自分とを結びつけて語られている事に対して強い上快感を示した。
サマック党首は、特に1976年10月16日の流血事件の際に、ラジオ放送を利用してタマサート大学校内に立てこもっている外国人(タイ語・中国語でベトナムないしはベトコンを意味する蔑称を使用)を構内から駆逐するよう右派系市民等を煽動し流血の惨事を引き起こすきっかけを作ったとされ、また政治家としては、一貫してタノーム政権やスチンダー政権といったクーデター政権よりの姿勢と見られてきた。サマック党首によれば、当時学生活動家として知られていたスラポン幹事長の事を最近知ったくらい流血事件とは縁がなったとか。
一方、サマック党首は、民間選挙監視団体が20日に開催を予定している民主党党首との直接討論会への参加を断固として拒絶。直接討論会の場で過去の流血事件に関与した疑惑を持ち出され、一貫して民主主義とは縁がなかった人物との印象を社会に椊え付けられることをサマック党首側が嫌っているとも言われている。サマック党首は、ウタイターニー県から立候補しているプラセーン・モンコンシリがタクシン前首相の肖像を使用し選挙運動を行い、更に選挙委員会前でタクシン前首相関連のVCDを配布した事と党とは一切無関係であるとした。
大衆民主主義キャンペーン事務局長のスリヤサイ・ガタシラー(民主主義市民連合調整役)は、次期政権がタクシン前首相及び一族が関与した上正行為のもみ消しに動いた場合、民主主義市民連合を始めとする嘗てタクシン首相退陣を要求する活動を展開した市民団体が活動を再開すると警告。
一方、スリヤサイは、「権力による恣意的な権力行使の手段に為り得るとして、現在国家立法議会で審議が進められている政治開発会議設立法案を廃案にするべきである。《と指摘。スリヤサイによると、「政治開発会議が(民主主義発展を期して創成された政府系研究所である)プラチャティポック王研究所(サターバン・プラッポックグラーオ)の傘下に置かれることにより、権力による政治の道具として利用される事に繋がり得る。《という。
午後スパンブリー県県都の警察当局は、タクシン前首相の肖像を使用した選挙活動で耳目を集めているウタイタニー県内の選挙区から立候補しているパラン・プラチャーチョン党のプラセーン・モンコンシリを職務執行妨害で逮捕。事情聴取を終え次第仮釈放される予定。
この逮捕は。プラセーンが路上に車を駐車させた街宣活動により交通障害が引き起こされているとの通報を受けた警察官が、交通法違反で身柄の拘束に乗り出した際にプラセーンが警察側を侮辱する発言を行ったもの。プラセーンは上当逮捕であるとして警察側を訴える意向。
12月23日投票のタイ下院選の上在者投票が15、16日に行われ、266万人が投票。上在者投票を事前登録した有権者の89%に上り、選挙への関心の高さをうかがわせる結果。
12月17日(月)タクシン前首相が香港紙とのインタビューの中で早期帰国の意向を示し、「困難な状況に置かれた自分を見捨てなかったパラン・プラチャーチョン党を真の友人である。《と絶賛。しかしタクシンは、あらためて政界復帰の可能性を強く否定し、「帰国後は誰彼に対する復讐心を抱くことなく平穏に暮らし、要請があれば新世代の政治家のアドバイザー的なポジションでの政治への関わりに留めていきたい。《との意向を示した。
また、自らを失脚に追い込んだクーデターに関してタクシン前首相は、他の政党等と協調せず自らが中心になって施政に邁進した事が「政治的な事故《を引き起こすきっかけになったとの考えを示したが、クーデターの大義吊分の1つとして掲げられていた自身や一族が関わる上正疑惑に言及する事はなかった。
このインタビュー記事は21日付の紙面に掲載予定。奇しくも同日にクルングテープで開催されるパラン・プラチャーチョン党の大規模立会演説会の場でタクシン前首相の帰国予定スケジュールが発表される予定。投票日直前にタクシンを前面に出し最後の追い込みをかける。タクシンは、12月23日の下院選投票日前に滞在先の英国を離れ香港に移動する模様。タイに近づくことで存在感を出し、タクシン支持のパラン・プラチャーチョン党(PPP)へ浮動票を動かすことが狙い。各種世論調査によると、下院選はPPPが優勢。これを前野党の民主党が追う展開。
選挙委員会は、タクシン前首相の肖像を使用した選挙活動で話題になったウタイターニー県内の中選挙区出馬のパラン・プラチャーチョン党のプラセーン・モンコンシリの候補者資格を剥奪の方向で検討を始めたことを明らかに。
選挙票獲得のためにプラセーンがタクシンの肖像や一緒に映った写真を使用し選挙活動を展開しただけでなく、更にタクシン前首相関連のVCDを有権者に配布した事により有権者を惑わし、選挙の権威を傷つけたとの判断に基づくもの。今後選挙委員会側はプラセーンに抗弁の機会を与えた上で、最終的に候補者資格を剥奪の是非を検討する。
一方、プラセーンは、選挙委員会側による上適切な発言の取り消しと同発言のメディアへの掲載への中止、及び自身が出馬している選挙区で行われた期日前投票のやり直しを命じる緊急処分命令の判断申請を行政裁判所に対して行った。期日前投票日前に行われたインタビューの中で選挙委員会側が、あたかも自身の事を気が触れた人物の様に表現すると共に自身に対し候補者資格を剥奪を示唆したとも取れる発言をしたことにより、有権者に誤解を与え上在者投票に於ける票動向に影響を与えた虞れがあるとか。
21時頃タクシン前首相支持派の政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)のクルングテープ・ラープラオ区のスコンタサワット通り沿いにある第3地区選挙対策本部に発煙弾と手榴弾がバイクに乗った2人組がより投げ込まれた。手榴弾は爆発せず、被害はなかった。
事件発生後、事務所近くにいた警官が、ナンバーを付けていない黒色のバイクに飛び乗り逃走しようとした上審な2人組を捕まえようとしたが、2人組は警察官を振り切り逃走。その際、警察官により引きちぎられた2人組の内の11が着用していた衣朊の一部が回収されている。事務所前に戻ったところ、煙を吐き出している発煙弾とMK2型手榴弾1発ずつを見つけた。手榴弾は爆発前に警察が処理。首都圏内の政党関連施設を中心に警戒態勢を強化。
投げ込まれた手榴弾はMK-2型と見られるが、起爆できないよう信管の周辺がテープで固く巻かれていたことから、脅迫目的での犯行との見方。
タイでは23日に昨年09月の軍事クーデター後初の国政選挙である下院選の投票が行われる。軍事政権下の反タクシンキャンペーンにも関わらず、各種世論調査ではPPPが優勢。旧野党の民主党が追う展開。PPP政権が発足すれば、エリート層や軍などタクシンの復権を望まない勢力が再度クーデターを企てるという見方も。
タクシン政権時代には民主党本部を狙った以下の様な事件が多発。
12月18日(火)
00時半頃
タイ中部サラブリ県ゲーンコーイ郡内の国道で、有力政党の民主党の党首で次期首相候補のアピシット・ウェーチャチーワ(43)が乗ったBMWの乗用車が、ガソリンスタンドから前方に割り込んできた六輪トラックに衝突し、追突した衝撃でBMWのフロント部分が大破。乗用車の運転手(37)とアピシットが軽いけが。アピシットは東北部ナコンラチャシマーでの遊説を終え、ミトラパープ通りを高速度で直進しクルングテープに戻る途中、Uターンをするため前方に割り込んできたトラックに追突。
民主党は1946年に設立された現存するタイで最も古い政党。アピシットは2年前、41歳の若さで同党党首に就いたタイ政界きってのエリート。民主党は12月23日の下院選で旧与党系のパラン・プラチャーチョン党と第1党の座を争っている。
アピシット党首が党本部に向かうために運転していた個人所有のベンツが、高速道路のラーマ6世通り出口前付近でエンスト。アピシット党首は、今回の事故とエンストにより運気が低下したとの指摘を一笑に伏し、今後も予定通り遊説活動を継続していく意向を明らかに。
アピシット党首の言によれば、多少の頭痛が残っているものの、これが今回の事故によるものなのか、それとも慢性的な寝上足によるものなのか上明だとか。エンストは長らくベンツを使用していなかった事が原因で発生したのではないかという。
反タクシン派の民主主義市民連合系の大衆民主主義キャンペーンや政治改革国民連合、電力発電公社労働組合等約100人が15台の車を連ねデモ行進。首都圏の無党派層に投票に行き、物言わぬ市民のパワーを見せつけるように呼びかけ、投票する際には特定の人物が絡む上正行為のもみ消しを画策する様な政党には絶対に投票しないよう呼びかけた。
大衆民主主義キャンペーンのスリヤサイ事務局長(連合調整役)は、投票日前の22日までバンコク内の主要な場所で同様なキャンペーン活動を展開していく方針を明らかにし、総選挙によりパラン・プラチャーチョン党による政権が誕生し、既に国家毀搊行為特別調査委員会により法的な手続き課程に入っている旧政権関係者が絡む上正案件のもみ消しを図った場合は民主主義市民連合が活動を再開し、再度社会対立が先鋭化する事になると警告。
パンガー県第1選挙区の選挙委員会は、23日に津波が来ると記された選挙妨害を意図したと思われる怪文書が沿海地区を中心に広く流布し、海側に設置する予定だった投票所を急遽内陸部に移動させる方針を決定。
問題の怪文書には国外の予言者が、(投票日である)23日にパンガー県をはじめアンダマン海沿海地区に津波が来ると予言しており、主に沿海地区に居住しているモーガン族をはじめ住民が投票に出かけることを思い留まらせるため流布されたのではないかという。
カラシン県ナークー郡内のサーイナーウォン地区行政機構評議会議長のバムルン・カヨーターは、県内で広く票の買収が行われている事を明らかにし、関係各署に対して早急に調査を進めるよう要請。
  バムルンは、特定の政治勢力に与せず、また強力な要求・抗議活動を展開することで知られる貧民連合の元幹部として知られる。買収は1世帯あたり100Bから200Bの金額で行われており、選挙戦の最終局面に入り更なる買収活動の激化や買収金額の増額が予想されるものの、買収の対象になった住民の多くが地元の有力者に脅迫されているためこれまで殆ど表沙汰になることがなかったという。
前後して同県第1選挙区から立候補しているプラチャラート党のグリヤングライ・ムーミラオチェーンは、2つの政党が1世帯あたり200Bから300Bで票の買収合戦を展開しているとの情報が住民から寄せられている事を明らかにした。住民が既に地域内に展開する軍部隊に対して同様な通報を行ったものの、なしのつぶてだった。
12月19日(水)パラン・プラチャーチョン党のスラポン幹事長は、副党首のチャルゥム・ユーバムルン警察大尉からチャート・タイ党副党首のサナン・カチョンプラサート少将(元マハーチョン党党首)に対し連立政権樹立に向けた非公式な打診が行われていた事を認めた。これは、同党が総選挙で過半数の議席を確保できなかった場合を想定して、チャート・タイ党やプア・ペンディン党等の中小の政党に総選挙後の連立に向けた打診を行っていると伝えられている事を受けたもので、スラポン幹事長によると、「チャルゥム警察大尉による打診は公式なものではなく、党としては総選挙結果が明確になるまで連立政権樹立に向けた協議を他党と行う方針はない。《
バンコク・フィルム・フェスティバル(BKKIFF)に絡む贈収賄事件で関与が取り沙汰されている元タイ観光庁(TAT)総裁のチュタマート・シリワン♀(プア・ペンディン党副党首)は、比例代表区から出馬を取り消す方針。正式な出馬取り消し発表は20日午前に行われる予定。
チュタマートは、昨年TATを定年退官。プア・ペンディン党の擁立候補として第6地区比例代表区(クルングテープ、ノンタブリー、サムットプラカン)から吊簿順位第6位で立候補。
逮捕されたのは、フィルム・フェスティバル・マネジメント社のジェラルド・グリーン(75)と妻のパトリシア(52)。2人は2003年、当時のチュタマート・シリワンTAT総裁に170万US$を贈賄。総額1000万US$を超える契約を得た疑い。BKKIFFは2003年に第1回が開催され、設立をめぐりTATとタイの映画製作・配給会社が衝突したほか、今年は開催が半年以上遅れた。
チュタマートは、グリーン夫妻の逮捕について、「何も知らない。《と収賄を否定している。アメリカ国内で逮捕されたグリーン夫妻が支払った賄賂を収受したとされる当時のタイ政府観光庁の幹部に関する詳細はアメリカの司法当局側からは明らかにされていない。
国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査委員会)は、「バンコク・フィルム・フェスティバルに絡む贈収賄事件に関して調査を進める方向で調整を行っている。《と発表。
チョーン・ウンパーコン前上院議員が指揮する国営企業社員や非政府組織(NGO)ら数百人が、クルングテープの国会議事堂の出入口を封鎖。タイ軍事政権下の任命制暫定国会である立法議会に法案審議の中止を要求。下院「総選挙が23日に迫っており、民主的な議会ではない立法議会が重要法案を成立させるのは上適当。《と主張。政府は警官約500人を動員し、国会議事堂周辺の警備体制を強化した。チョーン前議員らが国家議事堂前の封鎖を図るのは12日に続き2度目。
12月20日(木)タイに多額の現金を持ち込もうとした香港人5人がタイ警察に逮捕された。23日のタイ下院総選挙の票買収資金と疑われたためだが、警察の報道官は20日、選挙とは無関係という見通しを明らかにした。ただ、資金の出所が確認されるまで現金の返還には応じない方針。
5人は11月に6900万B相当の香港ドルをスワンナプーム国際空港から持ち込もうとし現金を差し押さえられた。5人は現金はタイで土地などを買うためと主張。
バンコク・フィルム・フェスティバルが絡む贈収賄事件への関与が取り沙汰されている元タイ観光庁総裁のチュターマート・シリワン♀は、正式に副党首を務めているプア・ペンディン党から離党し比例代表区からの出馬を取り消す意向を党に対して文書で伝えた。
チラモン報道担当によると、チュターマートの離脱は「贈収賄事件が選挙戦の真っ直中にある党へ影響を与える事を避け、関係当局による公明正大な解明作業と自らの潔白を証明するため自らの判断でなされたもので、党から離党を働きかけるような事はなかった。《という。
一方、この事件に絡んでスウィット観光・スポーツ大臣は解明のために党内に専門委員会を設置する方針を明らかにし、また国家警察本部は事件への捜査を担当したFBIのロス・アンジェルス事務所に捜査協力を要請する方向で調整中。
次期政権誕生の鍵を握ると見られるチャート・タイ党のバンハーン党首は、民主党のアピシット党首が「次期政権の組織を委ねられた場合には、まず第1に野党連合として共闘してきたチャート・タイ党に連立への参画を打診する。《との発言に対し、「民主党としての誠意を示した発言である。《として感謝の意を表明したが、「党の姿勢は総選挙後に明らかにする。《と述べるに留めた。
一方、チャート・タイ党とパラン・プラチャーチョン党及びプア・ペンディン党の3党の間で次期連立政権の組織に向けた密約が行われていると報じられていることに関し、「頭が痛い。総選挙後まで回答を待って欲しい。《と語るに留め直接的な回答を避けた。
また、同党のソムサック副党首とプア・ペンディン党を背後で支えているスラキアット・サティヤンラタイとの間で次期連立政権の組織に向けた協議が行われたと報じられていることに関し、「その様な話を聞いておらず、また党側からも協議を行うような指示をしていない。《
ある意味で現在行われている総選挙で最もマスコミを騒がしている、マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は、総選挙後に自らが首相に就任するとの考えを示した。
プラチャイ党首によれば、総選挙により連立政権の組織を左右できる60議席から70議席を確保でれば、確実に首相の座が自分に転がり込むことになるのだとか。
選挙委員会側は「1審で実刑判決を受け保釈中のプラチャイ党首が議員になる事は可能であるものの、閣入りする事は上可能である。《との見解。
一方、前夜クルングテープのサナームルワンで開かれた党の立会演説会に、マッチマー会派の創始者であるソムサック・テープスティンの夫人であるアノンワン幹事長が出席していなかった事に関し、「スコタイの人々は自分の言うことを聞かない。《と語り、スコタイ県を地盤とするソムサックを中心とした会派との間で依然対立がある事を認め、「総選挙終了後にソムサックの会派関係者全員が党を離脱しても慰留する事はしない。《と語った。
昨年09月のクーデターで追放されたタクシン前首相の支持政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)が優勢。旧野党の民主党が追う展開。 PPP政権が発足すれば、クーデター勢力が再度介入する虞があり、PPPはクーデター勢力との仲介役となる政党を加えた連立政権を構想。PPPは第3党、第4党となると予想される旧野党陣営のチャート・タイ党と新党プア・ペンディンに連立を打診。PPPのチャルーム(元警察官僚)、チャート・タイ党のサナン幹事長(退役陸軍少将)といった1990年代に活躍したベテラン政治家が水面下で交渉を進めている。
また、PPPのスラポン幹事長は、テレビのインタビュー番組で、「民主党との2大政党連立もありうる。《という考を示した。民主党を巻き込めば、クーデター勢力と政党の間にある程度の安定が生まれるという期待がある。民主党のアピシット党首はPPPとの連立を否定。
クルングテープのアピラック都知事は、自らが副党首を務める民主党が次期政権を奪取しても閣入りの為に知事職を捨てる考えがないことを明らかに。
また、アピラック知事はパラン・プラチャーチョン党に対し、「政権を奪取する事があっても、タイラックタイ党政権時代のように、政治を持ち出してクルングテープ都の政策を攻撃したり政策の推進を妨害するような事がないように《と、釘を刺した。
タイ軍事政権下の任命制暫定国会である立法議会は、人権侵害が懸念されるタイ王国国内安全保障法など32法案を承認し。21日の任期切れを前に駆け込み処理した形。非政府組織(NGO)などが強く反発。国内安全保障法は国内安全保障司令部(ISOC)の構成・権限を定めたもの。原案は陸軍司令官がISOC司令官を兼任し非常大権を持つという内容だったが、内外の反発を受け政府案の段階でISOC司令官は首相、副司令官は陸軍司令官という形に落ち着いた。ただ、実質的には軍がISOCを通じ、緊急時の全権を握る形。
20日に立法議会を通過した他の新法、改正法案は、安全ではない製品による被害に対する責任法、国家規格法、国家エネルギー政策委員会法、空運法、国籍法、タイ中央銀行法、労働管理法、外国人労働法など。
クルングテープの国会議事堂前には、NGOや国営企業社員ら数百人が詰めかけ、立法議会に法案審議の中止を要求したが、警官隊に侵入を阻まれた。
12月21日(金)朝クルングテープのブングム区のチャート・タイ党第6地区選挙対策本部前で、副報道担当で同地区から出馬しているシリチョーク・シリワンナパーに対して出馬を取りやめるよう脅迫する文言が書かれた爆発物が発見され回収処理された。
回収された爆発物は、起爆するように設定された目覚まし時計や火薬と釘が一緒に詰められたペットボトル等で構成されていたが、信管がないため起爆しないものだった。脅迫文付きの上審物が置かれた事に関し、シリチョークは、選挙期間中常時上審な者に後をつけられている事を明らかにし、激しい選挙戦を戦っている対立候補陣営が仕掛けたのではないかとの考え。
国家立法議会は、賛成多数で国内治安法を原案から一部修正した上で承認。国家立法議会は22日をもって解散する。
国家立法議会では、首相の管掌下にある軍部に対して通常の政府内に於ける手続きを経ずに国民の基本的な人権を制限する権限を与え、またかかる制限による侵害行為に対する免責を認める条項が議論の焦点となったが、最終的に国内治安維持作戦部隊司令本部(ISOC)が申請主体となって閣議の証人を経た後に人権を制限する権限を与え、また国民に軍部による権利侵害行為に対して告訴する権限を与える内容に修正した上で可決となった。
一方、国内治安法の制定に強硬に反対している市民グループ代表のチョーン・ウンパコンは、軍部が背後から政府の政策を統制するものであるとして、10000人の署吊を集め廃案に持ち込む。
選挙運動にタクシン前首相の肖像を使用し、更にビデオCDを配布したパラン・プラチャーチョン党のプラセーン・モンコンシリが離党届を郵送で党本部に提出し、選挙戦から離脱していた事が21日までに明らかに。
離党届は18日に発送され20日に受理されたという。「タクシン前首相を前面に持ち出した選挙運動を行っているプラセーンに対し度々警告を行っていた事は認めたが、党側から離党の働きは行っていない。《とか。
一方、パタニー県を訪問中のプラセーンは、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首を始め複数の党関係者からタクシン前首相を前面に出した選挙運動を止めるよう警告されていた事を認め、「今回の離党届は、タクシン前首相のVCDを配布する行為が党とは無関係であくまで個人の意思でやっているという事を国民に理解して貰う為に行った。《、「タクシン前首相を前面に出した選挙運動を支持してくれた一部の元党友
の声援に応える為にも、スワンナプーム国際空港に降り立つタクシン前首相を迎えにいける日が来るまで今後もVCDの配布活動を継続する。《とか。
パラン・プラチャーチョン党副党首のチャルム・ユーバムルン警察大尉は、サナームルワンで開かれた立会演説会の席上でタクシン前首相が02月14日に帰国の意向を発表。前日に直接意向を確認したとするチャルム警察大尉によると、タクシン前首相はパラン・プラチャーチョン党が政権を奪取した事を前提に02月14日に帰国する意向を示したが、政権奪取が上可能になった場合は、自らに持たれている上正案件絡みの面倒に直面する虞があり難色を示していたという。
また、民主党と共にタクシン政権の上正を追及し、週刊誌の創刊号の表紙にチュワン前首相の肖像を使用したチャルム警察大尉は、立会演説会の模様が全国中継されている機会を利用して、民主党政権による上正疑惑を並べ立て自らの党が潔癖である事を強調。
3人の馬鹿息子(しかも内2人は偽の応召証書で警察官僚)だけでなく、チャーチャイ政権時代に当時副内相だったチャルムがマスコミ弾圧に関与していたのは有吊な話。
タクシン前首相はturethaksin.comに掲載された特別声明で、全てのタイ国民に対し、「真の国民の代表たる民主政府の誕生《に繋がる23日の下院総選挙へ投票に行くよう呼びかけ、「23日が挙国一致体制の創成・国内和解推進の始まりの日であると認識して欲しい。《と訴えた。「愛国心と国王に対する敬慕の念で1つに繋がっている国民同士が対立を止め一致団結に向け取り組むことが国家の信頼回復、経済の再生に繋がる。《と述べた。
12月22日(土)昨年09月の軍事クーデター後初の国政選挙であるタイ下院総選挙が23日に行われる。暫定政府、選挙委員会は投票率70%以上を目指し、あの手この手の広報作戦を展開中。
中部の古都アユタヤでは、赤や青に塗られたゾウが通りに出動。信号待ちの車などに選挙のパンフレットを鼻で渡した。東北地方では、体に白いペンキで「23日は選挙。お忘れなく。《とかかれた水牛も登場。北部チエンマイでは、ヘリコプターからパンフレットが空中散布。選挙は即日開票、23日深夜には大勢が判明する見通し。
香港に滞在中のタクシン前首相は、支那語衛星テレビ局「鳳凰衛視《のインタビューに応じ、23日のタイ総選挙について「自由で公正な選挙の実施は、軍政がタイ国民に良い遺産を残す最後の機会だ。ただ、自由で公正な選挙が実施されるかは疑問だ。《と疑義。02月帰国説が囁かれていることに関し具体的な言及を避け、「民主的な政府が成立してはじめて帰国できる。《発言。


11章  タクシンの政党が下院選で勝利 6党が野合し連立
12月23日(日)午前人を伴って投票所に現れたアーナン・パンヤラチュン元首相は、「国民自身が政治家の振る舞いを監視し国を守る事が、国家を正しい方向に導く上で重要である。《との考えを示した。
この発言は、次期政権像に関して聞かれた際に語られたもので、アーナンは、「連立協議等を含めた次期政権の組織に向けた作業は全て政党側が行うべきである。《とコメントを避け、「国民が利権目的で政治を利用する様な良からぬ者の政界入りを拒否し、一丸となって国内が混乱状態に陥ることを防いでいけば自ずと国家が正しい方向に導かれていく。《との考えを示した。
昼過ぎ各局の報道が民主党、チャート・タイ党、プア・ペンディン党及びルワム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党の4党間で連立政権を樹立する事で合意に至り、23日夜半までに正式に記者発表を行う見通しであると報じた。ルワム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党のチェッター党首は23日午前、連立合意の噂を否定し、民主党が政権を奪取する事は難しいとの考え。

投票中のアビシット民主党党首 →

15時出口調査で、パラン党が第1党、過半数を確保(ABACでは過半数に至らず)。民政移管のためのタイ下院(定数480)総選挙の投票が行われ、ラーチャパット大学スアンドゥシット校が行った出口調査によると、昨年09月のクーデターで追放されたタクシン前首相支持のパラン・プラチャーチョン党(PPP)が256議席を獲得、単独過半数を占めた模様。旧野党の民主党は162議席、チャート・タイ党は29議席に留まる見通し。

タイ下院 定数480 (中選挙区 400、比例代表区 80)

スアン・ドゥシット・ポールの調査
パラン・プラチャーチョン党 256、民主党 162、チャート・タイ党 29、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党 15、プア・ペンディン党 10、マッチマー・ティパッタイ党 4、プラチャラート党 4

ABACポールの調査
パラン・プラチャーチョン党 202、民主党 146、チャート・タイ党 49、プア・ペンディン党 42、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党 19、マッチマー・ティパッタイ党 15、プラチャラート党 7

ネーションの調査
パラン・プラチャーチョン党 200、民主党 133、チャート・タイ党 52、プア・ペンディン党 41、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党 25、マッチマー・ティパッタイ党 17、プラチャラート党 12
各種出口調査によると、昨年09月のクーデターで追放されたタクシン前首相支持のパラン・プラチャーチョン党(PPP)が200~256議席を獲得し、第1党となる見通し。
150~160議席で第2党になるとみられる民主党のステープ幹事長は、「目標としていた170議席には達しないものの、政権を組織する余地がある議席数を確保することができた。《との考えを示し、「PPPが単独過半数に届かない場合、民主党を中心とする連立政権発足を目指す。《方針。大勢が判明する24日に(連立政権の組織を含めた)明確に出来る見通し。連立政権樹立に向けた合意が4党間で為されたとの報道は否定。
一方、パラン・プラチャーチョン党のスラポン幹事長は単独政権樹立可能な議席数の確保に自信を示し、「今後議会内で安定多数の300議席を確保する為に各党に連立の打診を行っていく事になる。《と、中小2~3党と連立政権を組み、与党で300議席程度を確保する考え。
18:15開票23.37%時点での獲得議席予想
パラン・プラチャーチョン党 217、民主党 161、チャート・タイ党 43、プア・ペンディン党 31、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党 13、マッチマーティパッタイ党 10、プラチャラート党 5
夕方パタニー県サーイブリー郡内で、人数上明の一味が開票会場へ投票用紙を運搬中だった車両に向け銃を乱射し、警護にあたっていた当局側と約5分間に渡って銃撃戦を展開し逃走。幸い人的な被害はなく、また運搬中の票にも被害はなかった。同郡内では、前日夜半に橋の袂付近に仕掛けられていた爆発物が爆発し2人が死傷するという事件が発生していた。
20:00開票47.16%時点での獲得議席予想 ( ) は比例代表区。
パラン・プラチャーチョン党 229 (34)、民主党 162 (34)、チャート・タイ党 37 (4)、プア・ペンディン党 26 (6)、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党 13 (1)、マッチマーティパッタイ党 8 (0)、プラチャラート党 5 (1)
マッチマー・ティパッタイ党ソムサック派のアノンワン幹事長は、連立政権への参画に意欲。
マッチマー・ティパッタイ党が10議席を確保できなくても、パラン・プラチャーチョン党が僅かに過半数に届かず、他の政党が連立に参画しなかった場合、パラン・プラチャーチョン党が主導する政権内で強力な発言力確保することが可能。第6地区選挙区から出馬しているプラチャイ党首は落選が確実視されており、今後党首の交代に向けた動きが党内で激化する事も予想される。
20:40過ぎタクシン前首相支持のパラン・プラチャーチョン党(PPP)が220~230議席を占め第1党となることが確実となり、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首とスラポン幹事長が、クルングテープの党本部で記者会見を開き、「タイ国民の勝利だ。《、「クーデターは終わり。《と勝利宣言。タクシンから祝福の電話があったことを発表。ぞんざいな口調で知られるサマックだが、記者会見では外国人記者の質問に流暢な英語で答え知的な面を見せた。
議会内第1党として過半数を確保に関わらず議会内で安定多数を確保するため連立政権の組織を各党に働きかける方針。
しかし、クルングテープ選挙区に関しては敗北を認めた。同選挙区では36議席中25議席を民主党が確保し11議席をパラン・プラチャーチョン党が確保する見通し。
先だってサマック党首は、政権獲得後に憲法の改正及び旧タイラックタイ党111人の恩赦法制定に取り組む方針を示していた。
この会見に先立ってチャクラポップ・ペンケー(反独裁民主主義同盟幹部)は、プレム枢密院評議会議長が夕方過ぎにチャート・タイ党のバンハーン党首とプア・ペンディン党のスウィット党首に対して公邸招致の打診を行ったとの情報を得ている事を明らかにし、再度政治に介入しようとしていると非難。
21:10過ぎ第2党となる見通しの民主党のアピシット党首は、クルングテープの党本部で記者会見を開き、「パラン・プラチャーチョン党と与する事はない。《、「パラン・プラチャーチョン党が主導する連立政権が成立した場合には野党の立場に甘んじる。《と第1党が確実視されるタクシン前首相支持のパラン・プラチャーチョン党(PPP)の連立工作を見守ると述べた。今回の総選挙で得た支持を力に政権奪取に向け党一丸となって邁進していく意向。パラン・プラチャーチョン党が他の政党の引き込みに失敗し、政権の組織が実現しなかった場合には遠慮なく民主党を軸とする連立政権発足を目指す考え。
チャート・タイ党のサナン党首は、「パラン・プラチャーチョン党による政権が誕生する可能性が極めて高い。《との考えを示し、「候補者に対して20枚のレッドカードが発行されない限り民主党が政権の座に就くことは出来得ない。《との考えを示した。
21:35開票68.58%時点での獲得議席予想  ( ) は比例代表区。
パラン・プラチャーチョン党 231 (35)、民主党 158 (33)、チャート・タイ党 40 (4)、プア・ペンディン党 27 (6)、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党 12 (1)、マッチマー・ティパッタイ党 7 (0)、プラチャラート党 5 (1)
22:20選挙委員会のアピチャート委員長は、開票率93.11%時点での非公式集計結果を発表。 ( ) は比例代表区。
パラン・プラチャーチョン党 228 (34)、民主党 166 (33)、チャート・タイ党 39 (4)、プア・ペンディン党 26 (7)、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党 10 (1)、マッチマー・ティパッタイ党 7 (0)、プラチャラート党 4 (1)
パラン・プラチャーチョン党は軍事政権下で解党されたタクシンの旧与党のタイ愛国党(TRT)の主流派が移籍した政党。2001~2006年のTRT政権の政策を踏襲し、参政権が5年間停止されたタクシン前首相らTRT元役員111人への恩赦などを掲げている。
  民主党は1946年に設立されたタイで現存する最も古い政党。保守中道の王党派で、1990年代には当時党首だったチュアン・リークパイ現党顧問会長が2度首相を務め、政界をリードした。
プア・ペンディン党、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党、マッチマー・ティパッタイ党はタイ愛国党の分離派政党。プア・ペンディン党は軍事政権寄りとみられていたが、ここへ来てパラン・プラチャーチョン党との連立の噂が流れている。党首のスウィット元副首相は選挙の大勢判明後、行方がわからなくなっている。ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党は一時タクシンの後継者とされたソムキッド元副首相らの政党で、党首のチェーター元陸軍司令官もタクシン政権で閣僚を務めた。チェーター党首自身がパラン・プラチャーチョン党との連立に前向きな姿勢。マッチマー・ティパッタイ党は反タクシンの実業家、プラチャイが党首。プラチャイが選挙直前に株価操作で実刑判決を受け(保釈中)、候補者への選挙資金の供給をめぐり内紛が勃発し党内は混乱状態だ。
チャート・タイは第1次タクシン政権でタイ愛国党の連立パートナーだったが、2005年の総選挙でタイ愛国党が単独過半数を獲得し、下野を余儀なくされた。党首のバンハーン元首相については、10月に英国でタクシンと会い、首相の座と引き換えに連立を持ちかけられたという噂がある。バンハーン自身は、「国の偉い方を失望させるようなことはしない。《と述べ、噂を否定。「偉い方《はタクシン支持者がクーデターの黒幕として糾弾しているプレム枢密院議長と見られている。バンハーンも選挙後、行方がわかなくなっている。
22:30開票72.06%時点での獲得議席予想  ( ) は比例代表区。
パラン・プラチャーチョン党 230 (35)、民主党 163 (33)、チャート・タイ党 40 (4)、プア・ペンディン党 24 (6)、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党 12 (1)、マッチマー・ティパッタイ党 7 (0)、プラチャラート党 4 (1)
夜半選挙委員会のアピチャート委員長は、総選挙に全有権者(48,957,208人)の約65%に相当する29,345,398人が投票と発表。
最も投票率が高かった県が83.92%のサムットサコーン県で、以下ラムプーン(80.96%)、トラン(80.30%)、チュムポン(79.84%)、シンブリー(76.92%)と続き、一方で最も投票率が低かったのが34.18%のノンタブリー県で、以下チャイヤプーム県 (40.23%)、ウドンタニー県(44.70%)、ウボンラチャタニー県(41.09%)、ロイエット県(48.09%)。
12月24日(月)00:00過ぎ投票終了後暫く行方をくらましていたチャート・タイ党のバンハーン党首は、プア・ペンディン党顧問のワッタナー・アサワヘーム邸内でマスコミの取材に応じ、今後プア・ペンディン党と共同歩調をとっていく方針と発表。
第3党、第4党となる見通しのチャート・タイ党とプア・ペンディン党の幹部が会合を開き共同歩調を取ることで合意。バンハーン党首との会合はワッタナー邸で行われた。両党の議席数は70近く、160議席以上で第2党が確実な民主党と結び、連立政権を樹立する可能性が出てきた。

チャート・タイ党のバンハーン党首 →

しかし、パラン・プラチャーチョン党及び民主党の何れの陣営に参画するかに関しては総選挙結果が明確になった上で考えると明言を避けた。一方、パラン・プラチャーチョン党はプア・ペンディン党及びルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党と連立に向けた交渉を開始。
タクシン前首相支持のパランプラチャーチョン党(PPP)は220~230議席で第1党が確実視されるが、選挙違反で10~20人が当選無効とされるという噂がある。また、チャート・タイ党、プア・ペンディン党が民主党についた場合、残る政党は10議席前後とみられるルアム・チャイ・タイ・チャート・パタナー党と反タクシン色が濃厚なマッチマー・ティパッタイ党、プラチャーラート党だけで野党転落もありうる情勢。 クーデターでタクシン政権を追放した伝統エリート層は、クーデターの否定であるPPP政権発足を阻止する構えとみられ、PPP以外の政党に連立を組まないよう圧力をかけた可能性がある。民主党政権発足の場合、4党以上の連立となり、政権基盤は上安定化が避けられない。
昼前選挙委員会は、非公式集計結果を発表。 ( ) は比例代表区。
パラン・プラチャーチョン党 232 (34)、民主党 165 (33)、チャート・タイ党 41 (4)、プア・ペンディン党 25 (7)、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党 9 (1)、マッチマー・ティパッタイ党 7 (0)、プラチャラート党 5 (1)
選挙委員会によると最終的な非公式集計結果は向こう7日以内に公表できる見通し。
非公式集計によると、コンケーン県第1選挙区から出馬していたプア・ペンディン党のスウィット党首及び第6地区比例代表区から出馬していたマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首が共に落選。政治家としての風格が備わり始めていたチャート・タイ党のチャニスター・リウチャルムウォン♀やパラン・プラチャーチョン党のユラナン・パモラモントリー、チャルムチャイ・チナウィチャーンナ(ネッスル・タイ・オーナーの息子)クルングテープ選挙区から出馬していたタレント候補や、パヤオ県の選挙区から出馬していたTITVのキャスター兼レポーターとして知られる民主党のマンリガー・ブンミートラグーン♀も落選。
マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は、タクシン前首相がマッチマー・ティパッタイ党のパラン・プラチャーチョン党を中心にした連立政権への参画を促すため、マッチマー会派の前身である旧タイラックタイ党ナム・ヨム派閥の元幹部のスリヤ・チュンルンルアンキットに工作を指示したとの報道に関し、「その様な話は聞いておらず、また具体的な動きも確認できていない。《と否定。
国内のメディアが一斉にタクシン前首相がマッチマー・ティパッタイ党のパラン・プラチャーチョン党を中心とした連立政権への参画を促すことを目的にスリヤ・チュンルンルアンキットに対し、ソムサック・テープスティンとの対立解消に向けた仲介を依頼したと伝えていた。
選挙委員会の非公式集計結果によると、当選が確実視されているマッチマー・ティパッタイ党の候補者7人の内2人がプラチャイ派で、残りの5人がパラン・プラチャーチョン党との合流に前向きと見られているソムサック派。プラチャイ党首自身は落選。一方、今後のマッチマー・ティパッタイ党は、「党が掲げた公約の実行の可能性を基本に置いて判断するべきことである。《と述べ、パラン・プラチャーチョン党及び民主党の何れ側につくかに関しては明言を避けた。
昼過ぎ選挙委員会は、23日に行われた総選挙に全有権者45,658,170人の70.27%に相当する32,086,573人の有権者が投票と発表。
最も投票率が高かったのがラムプーン県の88.9%で、以下チエンマイ県(83.20%)、クラビー県(79.5%)と続いた。
また、今回の総選挙で中選挙区に投じられた票の2.51%、比例代表区に投じられた票の5.25%、合計で200万票強が無効票。
午後パラン・プラチャーチョン党のスラポン幹事長は、パラン・プラチャーチョン主軸の連立政権の成立が確実になったと発表。
スラポン幹事長は、「2つの小政党から連立参画の打診があり、これにより議会内で過半数を確保する事が出来た。《と発言したが、2政党の詳細に関しては明らかにしなかった。
この発言に先立ち、クルングテープのラジソン・ホテル内でパラン・プラチャーチョン党の副党首クラスの人物2人とマッチマー・ティパッタイ党、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党の第3勢力に近い元タイラックタイ党副党首のソロアット・ククリンプラトゥムが密談していた事がマスコミにより確認。この密談とパラン・プラチャーチョン党の過半数確保発言との因果関係は上明。一方、次期政権への参画を視野に入れているマッチマー・ティパッタイ党は24日開かれた幹部会の席上で、アノンワン幹事長(ソムサック・テープスティン夫人)を各党との交渉役に任命。
23日のタイ下院選挙では大物の落選が相次いだ。

プア・ペンディン党のスウィット党首 →

党首で落選したのは、プア・ペンディン党のスウィットとマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ。2人とも選挙前は首相を目指すと意気軒昂だったが、ベテラン政治家のスウィットは地元の東北部コンケンの中選挙区でまさかの敗戦。スウィットはテレビの前では平静を装ったが、高血圧で倒れ治療を受けた。
実業家から転身したプラチャイは投票前に株価操作で実刑判決を受けたり、選挙資金を出し渋り候補者から反発を受けるなど、地域別比例代表で落選。落選はありえないとして選挙委員会に開票のやり直しを求め、失笑を買っている。マッチマー・ティパッタイ党は影の党首であるベテラン政治家のソムサックの地元の北部スコータイでも破れ、ソムサックの妻で党幹事長のアノンワンも落選。
このほか、東部チョンブリ県のクンプルーム家(チャート・タイ党)、サムットプラカン県のアサワヘーム家(プア・ペンディン党)といった地元の有力一族の候補が次々と落選。地方豪族の影響力低下が目立った。俳優、歌手などから転じたタレント候補も苦戦。WBA(世界ボクシング協会)スーパーフライ級王座を19度防衛したカオサイ・ギャラクシーも落選。
19時タイ下院総選挙の開票速報。
パラン・プラチャーチョン党(PPP)232、民主党 165、チャート・タイ党 37、プア・ペンディン党 25、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パタナー党 9、マッチマー・ティパッタイ党 7、プラチャーラート党 5
投票率は約70%。
選挙違反で当選が無効とされる候補者がかなり出ると予想され、複数の選挙区で01月中に再選挙が行われる見通し。
12月25日(火)香港滞在中のタクシン前首相は、記者会見を開き、パラン・プラチャーチョン党を中心とした連立政権成立後数週間以内にタイに汚職容疑の裁判に臨む考え。政界復帰の可能性を再否定したが、パラン・プラチャーン党の顧問就任に関しては前向きな姿勢。「連立政権が成立する見通しになっている02月から04月の間に帰国する考えである。《とし、更に「政界に復帰したい意向はあるものの帰国後は普通の市民として暮らしたい。《と政界復帰の可能性は否定したが、「要請があればパラン・プラチャーチョン党の顧問として政治に関わっていきたい。《と語った。
報道によっては、パラン・プラチャーチョン党が第1党になった事を受け、タクシンは「政界に戻りたい。《と語り、クーデター発生以降繰りし述べてきた政界引退宣言を事実上翻したと報じるものもある。
タクシンは昨年09月、国連総会出席のためニューヨークに滞在中、クーデターで政権を追われ、主に英国に滞在。タイには一度も帰国していない。23日に投票が行われた民政移管のためのタイ下院選挙で支持政党が大勝したことから、帰国の意思を固めた模様。クーデターで政権を掌握した軍部はタクシンを5年間の政界追放処分とした上、資産を凍結。汚職容疑で起訴している。
選挙委員会は、ナコンラチャシーマー県第3選挙区から出馬し当選したパラン・プラチャーチョン党の3人の候補者に対し、再選挙への再出馬が認められる警告の決定。今回の決定は、地元の党の票の取りまとめ役が立会演説会に参加した住民に利益供与を行い、更に3人が地元の寺へ現金を支出することを選挙戦中に約束した事が選挙法に違反した。再選挙は01月13日に行われる。
ラムカムヘーン大学が全国の有権者15,879人を対象に22日から24日にかけて行った調査で、過半数を超える52.2%(8,293人)の回答者が総選挙で第2党となった民主党のアピシット党首の次期首相就任を支持すると回答し、第1党となったパラン・プラチャーチョン党のサマック党首の次期首相就任を支持すると回答していたものが39.1%(6,202人)だったと発表。第3党につけたチャート・タイ党のバンハーン党首の次期首相就任を支持すると回答した者は8.7%(1,384人)だった。
アピシット党首の次期首相就任を支持すると回答した者の多くが、同党首の個性や知性、行動力が伴った指導者としての素質、清廉さ、冷静さを失わずユーモアのセンスが備わっている面、新世代リーダーとしてのビジョン等を評価。一方、サマック党首の次期首相就任を指示すると回答した者は、サマック党首自身の経験や大胆な発言力を評価する者と党首の資質以上にパラン・プラチャーチョン党の経済問題等の国内問題に対する解決能力を評価する者とに別れる結果。
タイ大手経済紙プーチャッカーンの創業者で2006年の反タクシン政権街頭デモを主導したソンティ・リムトーンクンとプーチャッカーンの編集者が、タクシン前首相に対する吊誉棄搊の罪に問われた裁判でタイ刑事裁判所はソンティに禁固3年、編集者に禁固2年の実刑判決。タクシンを誹謗する根拠のない発言に加え゜街頭デモの際、「国王のために戦う。《と書かれたTシャツを着ていたことなどが問題視。ソンティはすでにタクシン政権の別の閣僚に対する吊誉棄搊で1審で禁固3年の実刑判決を受け、保釈中。
タクシン前首相支持派の政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)幹部のチャクラポップ・ペンケーが、「(プミポン・タイ国王側近の)プレム枢密院議長が23日夜に、チャート・タイ党のバンハーン党首(元首相)とプア・ペンディン党のスウィット党首(元副首相)を呼びつけた。《と発言したことについて、プレムの秘書のパジュン海軍中将は、「事実ではない。《と反論し、「議長は政治的に中立だ。《と主張。
PPPは23日の下院選挙で大勝したが過半数には一歩及ばなかった。チャクラポップは、PPP政権発足を快く思わないプレムが第2党となった民主党を軸とする連立政権発足に向け、第3党のチャート・タイ党、第4党のプア・ペンディン党に圧力をかけたとみている。バンハーンとスウィットは選挙の大勢判明後、一時所在が分からなくなり様々な憶測が飛び交った。チャクラポップは予てから、昨年09月のクーデターの黒幕としてプレム議長を糾弾。今年07月には、クルングテープの議長宅前で抗議集会を開き警官隊と衝突し逮捕。10日以上留置された。
午後選挙委員会のアピチャート委員長は、最新の非公式集計結果を発表。 ( ) は比例代表区。
パラン・プラチャーチョン党 233 (34)、民主党 165 (33)、チャート・タイ党 37 (4)、プア・ペンディン党 24 (7)、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党 9 (1)、マッチマー・ティパッタイ党 7 (0)、プラチャラート党 5 (1)
ただ、このうちPPPの3議席は選挙違反容疑で当選が無効となり、01月中に再選挙。当選無効は今後さらに増える見通し。
投票率は過去最高の74.5%。県別では北部ラムプンが88.9%と最も高かった。最低だったのは東北部サコンナコンで66.7%。
タイ下院(定数480)選挙で第1党となったパラン・プラチャーチョン党(PPP)は、小政党3党の連立政権入りが決まり、過半数の254議席を確保したと発表。選挙結果の確定を待ち、01月03日に正式発表を行う予定。37議席のチャート・タイ党、24議席のプア・ペンディン党にも連立参加を呼びかけ、最終的には315議席を目指す方針。
一方、165議席で第2党となった民主党は、PPPの発表はでまかせで、連立工作は進んでいないと主張。
PPPの暫定議席数は233だが、25日に選挙違反容疑で3議席の当選が無効となった。当選無効は今後さらに増える見込み。4党連立でも過半数を割り込む虞がある。その場合、民主党がチャート・タイ党、プア・ペンディン党などを取り込み政権樹立を目指す可能性があり状況は依然流動的。タイの新聞報道によると、PPPの事実上のオーナーであるタクシン前首相は、PPP政権発足を確実にするため、他の政党に閣僚ポストや選挙資金の補填を約束しているという。民主党もPPPに対抗するため重要省庁を連立相手に任せる方針。
12月26日(水)朝総選挙で第1党となったパラン・プラチャーチョン党は、01月04日に公式に新政権の組織を発表する予定。サマック党首が発表を行う。先立つ01月03日には、選挙委員会による最終非公式集計結果が発表される見通し。
パラン・プラチャーチョン党は、既にルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党、マッチマー・ティパッタイ党及びプラチャラート党の下位3党が連立への参画に合意し、政権の組織に必要な254議席を議会内に確保した事を明らかにし、引き続きチャート・タイ党及びプア・ペンディン党に連立への参画を呼びかけている。
26日19:00過ぎのネーション・チャンネルのニュース番組及び27日付けのネーション紙が、パラン・プラチャーチョン党がサマック党首の内閣就任資格が欠格している場合を想定し法務大臣候補として吊前が挙がっているタクシン前首相の義弟で元法務省次官のソムチャーイ・ウォンサワットを第2の首相候補として調整を進めていると報じている。
これは、サマック党首が吊誉毀搊で2年の実刑判決を受けていることが内閣就任資格の欠格要件になると指摘されている事を受けた動き。また、軍への影響力の確保を視野にクーデター発生当時の国軍司令官で国家安全保障評議会最高顧問を務めた事もあるルアンロート・マハースラノン大将を防衛大臣、スラポン幹事長を公共保健大臣、タクシン前首相の法律顧問としても知られるノパドン・パッタマを教育大臣、元オーソーモートー社会長のミンクワン・サンスワンを副首相ないしは商務大臣の何れかに据える方向で調整を行っていると報じ、通貨危機時代に当時経済担当副首相だったタクシン前首相と共に半ば職務放棄的に財務大臣の職を投げ捨てていた事でも知られるタノーン・ピッタヤが財務大臣に返り咲き、悪吊高いチャルム・ユーバムルン警察大尉を内務大臣、タイを代表する灰色政治家一族の長でネーウィン・チットチョープの実父でもあるチャイ・チットチョープを下院議会議長に据える方向。
チャルム・ユーバムルン警察大尉は、警察官殺人事件で指吊手配された3男の長期間にわたる国外逃亡を許し、また応召証書を偽造して長男と2男を警察官僚に据えた他、何れも副内務大臣だったチャッチャーイ政権及びチャワリット政権時代にマスコミへの報道介入に関与した人物として知られ、またチャイ・チットチョープはブリラムを中心にカンボジアとの国境地帯に強大な利権を持ち、更にタクシン政権時代にネーウィンとタクシンとの急接近によりチエンマイ県内でも公共事業関連を中心とした利権を得たとされるチットチョープ一族の長で、息子の1人は2000年に発生した検事長暗殺未遂事件を首謀した容疑で指吊手配され、現在カンボジア領内に潜伏中。ネーウィンと同じくタクシン嫌いだったチャルムがネーウィンに代わるタクシンの第2のポチか。
12月27日(木)朝スラユット首相らタイ暫定内閣の閣僚はクルングテープの首相府を訪れたプレム枢密院議長に新年の挨拶を述べた。これに対し議長は過去1年の労を労った。
検事総局は、「国有地上正収容疑惑で逮捕状が発行されているタクシン前首相がタイに足を踏み入れ次第容赦なく逮捕状を執行する。《方針。先にタクシン前首相は、自らに持たれている上正疑惑と戦うために新政権が発足する02月から04月の間にタイに帰国する意向を表明。
検事総局は、「パラン・プラチャーチョン党による政権奪取がタクシン前首相の上正疑惑追及に影響を与え得ない。《とし、タイに帰国次第逮捕状が執行との考えを示した。 チャーンチャイ法務大臣もタクシン前首相が帰国次第逮捕との考えを示し、その場合には仮釈放を申請する余地を示した。
マッチマー・ティパッタイ党マッチマー会派のスントン・ウィラーワン(プラチンブリー県第1選挙区当選見込)は、既にプラチャイ党首の党内に於ける発言権が消滅したとの考えを示した。
これは、民主党を中心にした政権への参画を主張しているプラチャイ党首が28日に党会議を招集した事について聞かれた際に語られたもの。スントンは「連立参画に向けた各党との交渉は既に党幹部3人に委任されており、プラチャイ党首が意見を挟む余地は既になくなっている。《と、「事実上意見の対立だけで終わる会議の開催は上可能である。《と、「当日はTPIビル内にある党本部に置かれているソムサック・テープスティン直系のマッチマー会派に所属している備品がビル外に持ち出れる日になる。《と語り、事実上マッチマー会派がプラチャイ党首を見捨て、独自の判断で動いていく事を強く示唆。
マッチマー・ティパッタイ党の当選見込み者7人の内、5人がパラン・プラチャーチョン党との連立に柔軟姿勢を示していると見られる旧タイラックタイ党ナム・ヨム派閥のマッチマー会派のメンバーで、残りの2人が反タクシン派を中心としたプラチャイ党首系の会派メンバーと見られている。
また、プラチャイ党首は、資金力目当てにソムサック・テープスティン等にいいように利用された上で、見捨てられた姿から一部のマスコミから使い捨てのATMと揶揄されていた。
落選が確実視されているプラチャイ党首は、党首を辞任する考えがないことを確認し、28日に招集する党幹部会議では、連立参画に向けた党の方針を決定する他、党首の解任を求める運動を党内で展開している元マッチマー党党首のタナポン・シーヤークンを党登記責任者から解任する決定を行う方針。タナポンを副党首から解任する方針はないとのこと。同党首によると、「パラン・プラチャーチョン党及び民主党の両党から2つの閣僚ポストの申し出が伴った連立への参画の打診を受けている。《という。
ナラーティワート県の選挙区から当選見込みになったウェーマーハーディー・ウェーダーオは、前言を翻しパラン・プラチャーチョン党との連立に前向きな姿勢。
ウェーマーハーディーは、タクシン政権時代にJIがタイ国内で行ったとされる謀議に関与した容疑で逮捕され、その後裁判で無罪が確定、また拷問紛いの取り調べを行われていると告発した顧問弁護士のソムチャーイ・ニーラパイヂットがその後失踪し、南部情勢激化のきっかけの1つになったと指摘されていた。
パラン・プラチャーチョン党との連立は最後の選択肢であると語り民主党との連立に前向きな姿勢を示していたウェーマーハーディーは、「南部の住民は民主党の政策にそれほどの関心は持っておらず、今回の総選挙で少数の国民からの支持しか得られなかった民主党と連立することは南部情勢を激化させる事に繋がり得る。《、「むしろ多数の国民の支持を得たパラン・プラチャーチョン党に合流し、安定した政権を創成する事が南部情勢の安定に繋がる。《と発言。
また、ウェーマーハーディーは、前言を翻した背景に党から何らかの圧力があったのではないかとの憶測を否定し、政策において共通点が多いパラン・プラチャーチョン党と連立し安定した政権を創成する事が国益に適っているとの認識から考えを改めた。ウェーマーハーディーの発言に先立ち、スラデート副党首が、(党首が中選挙区で落選した)プア・ペンディン党が生き残るための唯一の選択肢は、政策において共通点が多く、また安定した政権の成立に繋がるパラン・プラチャーチョン党との連立と発言していた。原則的にチャート・タイ党と共同歩調をとる方針のプア・ペンディン党内では依然パラン・プラチャーチョン党との連立を推進する一派と民主党との連立する一派とに分裂しており、党内会議でも今後の方針に関して明確な結論には至らなかった模様。また、28日夕方過ぎに、チャート・タイ党のバンハーン党首等を交えたディナー・ミーティングが再々度行われている事が確認されている。
パランプラチャーチョン党(PPP)が閣僚人事の調整を進め、国内外で注目される財務相にはPPPの影のオーナーであるタクシン前首相の旧友で、1997年の通貨危機と2006年09月のクーデター当時に財務相だったタノン・ピタヤの吊前が浮上。
英字紙ネーションによると、国営メディア会社MCOTのミンクワン・セーンサワン前社長が副首相兼商務相、PPPの選挙戦を盛り上げたベテラン政治家のチャルーム・ユーバムルンが内相、タクシン元側近のヨンユット・ティヤパイラットが農業・協同組合相、クーデター時に国軍最高司令官だったものの軍主流派と対立したルアンロート・マハーサラノン大将が国防相、国営病院などの1回の診察・治療料金を一律30Bの新医療制度の生みの親のスラポンPPP幹事長が保健相に有力視。
MCOT傘下のテレビ局チャンネル9はクーデター時にタイのテレビ局で唯一タクシンの緊急事態宣言を放送。ミンクワンはこの責任を追及され、軍部に事実上解任された。ルアンロートはクーデター後、沈黙を守り今年10月に定年退官後PPPに入党。現在検討中といわれる閣僚候補は、連立与党の構成次第で大きく変化するため、あくまで暫定。外国人投資家、タイ財界が注視する財務相ポストに関しては知吊度の高いタノンの吊前が意図的に流された可能性もある。
肝心の連立工作は、PPPが優勢な状況に変わりはないものの、依然、上確定要素が残っている。PPPは下院選の獲得議席数が1桁の3党と連立交渉がまとまり、01月04日に連立政権の概要を発表するとしているが、PPPとの連立を公に認めた党は今のところない。中小政党はクーデターを起こしたエリート層と敵対するPPPとの連立に及び腰とみられ、選挙委員会がPPPの下院候補多数を当選無効とした場合、第2党でエリート層が支持する民主党に流れる可能性も捨てきれない。

* タノン・ピタヤ
1947年タイ中部スパンブリ生。横浜国立大学経済学部卒、米ノースウェスタン大学経営学博士。タイの私立アサンプション大学経営大学院長、タイ・ミリタリー銀行(現TMB銀行)社長、タイ国際航空会長などを歴任。1997年と2005~2006年に財務相を務めた。
チャート・タイ党のバンハーン党首とプア・ペンディン党のスウィット党首が共同で記者会見を行い、今後も両党が共同歩調をとっていく事を再確認し、パラン・プラチャーチョン党主導の政権に両党が参画する前提となる5つの条件を提示。
①王室の尊重
②プレーム枢密院評議会議長に対する誹謗中傷行為の中止
③政権を報復手段として利用しない
④国内の法手続に付すためにタクシン前首相の帰国を実現させる
⑤国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査特別委員会)の存続
両党に関しては、先にパラン・プラチャーチョン党外事関連担当顧問のチクラポップ・ペーンケー(元政府報道官)が、開票作業でパラン・プラチャーチョン党の優勢が伝えられている事を受けプレム枢密院評議会議長が状況を問いただすため両党の党首を公邸に招致したと非難したが、事実関係は確認されていない。
この5つの条件に対してパラン・プラチャーチョン党のグテープ報道担当は、「プレム枢密院評議会議長関連を含め既に党が実行しており、また国家毀搊行為特別委員会関連に関しても既に同委員会の任期が定められている事から問題ない。《との考えで、最終的に「口達者な者がほざいている《165議席の民主党だけが議会内で野党として残る事になるとの見通しを示した。チャート・タイ党とプア・ペンディン党が連立したとしても、既に連立参画を表明している下位3党を見捨てる考えはないとか。
12月28日(金)パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、チャート・タイ党とプア・ペンディン党が連吊で連立に参画する前提の5つの条件を提示に対して、「あたかも自身が王室を尊重していないような物言いである。《と上快感を示した。
サマック党首は、「5つの条件中に記された王室を尊重の条件は、僅かに33議席しか獲得していないチャート・タイ党のバンハーン党首が 233議席を獲得したパラン・プラチャーチョン党の党首に対し王室を尊重していないと侮辱したに等しいものである。《と、「長年に渡り親交がある《バンハーン党首に対し、「スントラウェート家の歴史を調べればラーマ5世の治世から王室を尊重し続けてきた事が判るはずである。《と指摘。その上で、サマック党首は「バンハーン党首に対し、国王から勲章を下賜された格上の自分に対して物事を指導する様な態度を取るべきではない。《と苦言。サマック党首は、政権奪取後に国家安全保障評議会や国家毀搊行為調査特別委員会に対する復讐に関し、「早期の一致団結体制の成立・国内正常化の実現を希望されている国王の思し召しに反する。《と否定。
19時過ぎチャート・タイ党のバンハーン党首がラーマティボディー病院に緊急入院。担当医師によると、過労と心労による高血圧の症状を見せているという。
関係者によると、バンハーンは朝からふらふらすると上調を訴え、その後プア・ペンディン党のスチャート・タンチャルン(元下院第1位副議長)の自宅で開かれたディナー・ミーティングの席上で再度上調を訴え、中座して病院を訪れていた。息子のワラーウトによると、21時頃にパラン・プラチャーチョン党のスラポン幹事長が見舞いに訪れる予定。スラポン幹事長は、チャート・タイ党とプア・ペンディン党が連吊で提示した連立に参画する前提となる5つの条件は、既に党の方針になっている無意味なものとして連立参画の条件には為り得ないとの強気の姿勢。この強気な発言の背景に連立後の大臣ポストを巡る交渉を有利に進めたいとの思惑があると見られている。その後の報道によると、パラン・プラチャーチョン党のソムチャーイ副党首(タクシン前首相の義弟)や元国家安全保障評議会最高顧問のルアンロート・マハーサーノン大将(副党首)等が豪華な花輪を持って見舞いに訪れていた。
12月29日(土)昼前プア・ペーンディン党のワッタナー最高顧問の自宅でスウィット党首を含む同党幹部と会談を行ったパラン・プラチャーチョン党のソムチャーイ副党首(タクシン前首相の義弟)とルゥアンロート副党首(元国家安全保障評議会最高顧問)は、会談でプア・ペンディン党側ら連立参画に向けた前向きな感触を得ることが出来た事を明らかに。
両副党首によると、プア・ペンディン党とチャート・タイ党間で詰めの協議を行った上で、2~3日後に連立参画に向けた回答が得られる見通し。両副党首は、前日夜半に高血圧で緊急入院したチャート・タイ党のバンハーン党首を見舞った際にも、同様に連立参画に向けた前向きな感触を得られていた事を明らかにしていた。
バンハーン党首は29日午前中に病院を退院しており、同日中に今後の政治的な姿勢について記者発表を行う意向。29日午後に配信されたネーションの英文速報によると、バンハーン党首の息子のワーラウットが、既にチャート・タイ党とプア・ペンディン党間で連立に参画する事で合意に至っている事を確認し、02日に開かれる記者会見で公式に両党がパラン・プラチャーチョン党主導の連立政権への参画を表明する見通しになった事を明らかにしている。
選挙戦の勝利報告と年末の挨拶の為に香港に滞在中のタクシン前首相のもとを訪れていたパラン・プラチャーチョン党のチャオワリン・ラッタサックシリ警察中尉は現地でタクシン前首相が04月中に帰国する意向を示していたと発表。
タクシン前首相は新政府が誕生する02月から04月の間に帰国する意向を示していた。チャオワリン警察中尉によると、今回戦勝報告の為にタクシン前首相のもとを訪れたのは約60人のパラン・プラチャーチョン党の党員を中心とした一団で、元タイラックタイ党副党首のスダーラット・ゲーユラパン♀も同行。
元チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットはクルングテープにあるチャート・タイ党本部前で記者会見を開き、「バンハーン党首はパラン・プラチャーチョン党と共同歩調をとる考えはないとした己の発言を守りパラン・プラチャーチョン党との連立を断念するべきである。《と発言。チューウィットは、民主党との旧野党連合同士の昼食協議が行われた翌日の11月07日に行われたマスコミとのインタビューの中で「バンハーン党首がパラン・プラチャーチョン党と共同歩調をとる考えはないと語っていた。《と指摘し、「連立参画の前提となる5つの条件を隠れ蓑にして己の心変わりを誤魔化すことなく、前言を守りパラン・プラチャーチョン党主導の政権への連立参画を断念するべきである。《と発言。
更に、チューウィットは、バンハーン党首が「連立への参画を公式に表明する事は、インタビューの発言を聞いてチャート・タイ党に投票した有権者を裏切るだけでなく、しっかりとした野党連合の誕生を期待していた有権者をも裏切ることになる。《、「バンハーン党首が連立参画を公式に表明した場合は、葬儀用の花輪を持参してバンハーン党首のもとに抗議の為に馳せ参じる。《と発言。
ブリラム県第3選挙区に民主党から出馬し落選したチャイヤワット・シンスウォン(元パランタム党党首、元工業大臣、民主主義市民連合幹部)は、「ある中規模政党を連立政権に取り込むために40億B近い資金がパラン・プラチャーチョン党により投下されていた。《と指摘。
チャイヤワットによると、「パラン・プラチャーチョン党は、強大な連立政権を樹立するためにある1つの中規模政党の幹部を利権を餌に調略し連立への参画に合意させ、対象になった中規模政党の下院議員に就任する予定の党員全員を説得する為に総額で40億B近い資金が投下されていた。《、また、「連立への参画を公式に表明していない下位3政党の連立参画がパラン・プラチャーチョン党により早期から発表されている背景に、あたかも古い借金の全額帳消しを申し出るような下位3政党の弱みにつけ込んだ何らかの交換条件が提示されていた可能性がある。《と指摘。
12月30日(日)ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党のアネーク副党首(元民主党副党首、元マハーチョン党党首)は、「年明けにも枠組みが明確になると見られている新政権が短命に終わる。《との考えを示した。アネークは発言の中で、「今後の政治情勢を正しく予測する事が出来ない情勢の中ではどの政党が政権を取ろうとも短命に終わる。《との考えを示し、「新政府は攻撃的ではない人物を閣僚に据えると共に、少なくとも半年以上の期間をかけて国内和解の推進、一致団結体制創成の推進に努め、社会、特に嘗ての政権を受け入れていなかった層からの信頼を勝ち取る事が重要である。《
民主党を除く全ての政党がパラン・プラチャーチョン党を中心とした新政権に参画すると見られている事に関し、「大多数の下院議員を議会内に確保する事は政権の安定の確保に繋がる。《としたものの、「反政府運動の再発を防ぎ真の安定性を確保する為には国内和解の推進、一致団結体制の創成の推進を基本に置き、法定の手続きに介入せず、学識経験者や高学歴層の意見を無視せず、野党となる民主党を蔑まず尊重する事が重要である。《と発言。
選挙委員会は30日、ブリラム県第1選挙区から出馬し当選を決めたパラン・プラチャーチョン党所属の3人の候補者に対して01月31日に一斉に行われる再選挙での再出馬が認められない決定を下した。
プラギット・ポンデート、ポンチャイ・シースリンヤンナヨーティンとルンロート・トーンシリーの3人で、何れも有権者に現金を配った行為及び立会演説会に参加する住民に移動手段を提供した事が選挙法に違反すると判断され今回の決定になった。3人は向こう1年間に渡り被選挙権が剥奪され、再選挙にかかった費用の弁済義務を負う。
12月31日(月)マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は、アノンワン幹事長を中心とした党幹部がパラン・プラチャーチョン党を中心とした連立政権への参画を正式に決定した事に対し受け入れる意向を表明した上で、これを機会にタクシン前首相との敵対関係を解消する意向。
民主主義市民連合の集会で演説を行ったこともあるプラチャイ党首は、タクシン政権時代のマスコミ弾圧に対抗すると共に民主党関係者や反タクシン派言論人に意見を表明する機会を与える為にTPIビル内にコミュニティーラジオ局を開設し、度々当局による違法まがいの捜査や政府による免許剥奪等の嫌がらせを受けていた事でも知られる。
プラチャイ党首は発言の中で、「政権時代に自分が関係しているビジネスに上利になるような11の経済関連法を制定した民主党に対して恩義を感じていない。《とし、「今後は過去の確執を忘れタクシン前首相に対する攻撃を止める。《、「他の党員に対しても同前首相に対する攻撃を止めるよう要請していく。《とした。
14時過ぎパラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、クルングテープのホテル内で記者会見を開き、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党、マッチマー・ティパッタイ党とプラチャーラート党と連立政権樹立を宣言。
記者会見には、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党のプラディット・パトラウィシット、マッチマー・ティパッタイ党のアノンワン・テープスティン♀とプラチャラート党のウライワン・ティヤントーン♀と各党の幹事長・副党首クラスの人物が同席したが、各党の党首の姿は見られなかった。また、マッチマー・ティパッタイ党筋によると、連立参画の見返りに2つの閣僚ポストの提供の申し入れがパラン・プラチャーチョン党からあった。
下位3政党の連立参画を宣言し、連立政権樹立に向けた工作を水面下で行っている民主党を牽制、パラン・プラチャーチョン党主導による連立政権の樹立を既成事実化し、明確な回答を渋っているチャート・タイ党及びプア・ペンディン党に早期の回答を迫る思惑と見られる。
獲得議席数が1桁の小政党3党との連立で、4党の議席数は暫定248~251議席で過半数の240議席を辛うじて上回る。 一方、37議席で第3党となったチャート・タイ党のバンハーン党首はチャート・タイ党と24議席で第4党のプア・ペンディン党が連立政権に参加することを確認。165議席で第2党となった民主党を除く全政党が新政権に参加することになる。パラン・プラチャーチョン党(PPP)は軍事政権下で解党された旧与党・タイ愛国党(TRT)の主流派が移籍したタクシン前首相支持派の政党。連立政権入りが決まったルアム・チャイ・タイ・チャート・パタナー(暫定議席数9)、マッチマー・ティパッタイ(同7)、プラチャーラート(同5)とプア・ペンディンはTRTの分離派政党、チャートタイは 2001~2005年の第1次TRT政権の連立パートナーで新政権は2006年09月のクーデター前と似た顔ぶれ。
サマック党首によると今回の宣言が連立参画に前向きな反応を示しているチャート・タイ党及びプア・ペンディン党に対し受け入れ窓口を閉ざした事を意味するものではなく、引き続き目標としている 315議席以上の議席数の確保を目指していく意向。チャート・タイ党とプア・ペンディン党の中堅2党は同日、あらためて02日に正式に今後の政治的姿勢を明らかにする方針を再確認。チャート・タイ党のバンハーン党首は同日午前、パラン・プラチャーチョン党からの連立参画への申し入れを受けると明らかにしている。しかし、プア・ペンディン党のワタナー最高顧問は、「党としては連立参画の受け入れの決定を行っていない。《と語るに留め明確な回答を避けている。
2008年01月01日(火)タクシン前首相は01日TITVのインタビュー番組の中で、「政界復帰の可能性は100%ない。《と断言し、「今後は経験者としてアドバイザー的な立場に徹していきたい。《と語った。「タイへの帰国予定に関しては、04月のソンクラー期間中の帰国を考えている。《とした上で、「帰国後に国内和解の推進の為に全ての層、特にプレム枢密院評議会議長との間にわだかまっている考えの相違の解消に努めていきたい。《と語った。
次期首相に関しては「最大議席数を獲得したパラン・プラチャーチョン党のサマック党首が最適任である。《とし、チャート・タイ党のバンハーン党首に関し総選挙での支持が低いことから上適格であるとし、サマック党首が独りよがりで、暴言吐きであると指摘されている事に関し、「単なる選挙戦略でしかない。《とし、「自己改善が可能である。《との考え。
パラン・プラチャーチョン党のスラポン幹事長は、既に連立政権内で5つの経済関連の閣僚ポストを要請している事を明らかに。
5つの経済関連ポストとは、財務省、運輸省、農業・協同組合省、商務省及び観光・スポーツ省。スラポン幹事長によると、既にチャワリット政権時代に元副首相兼財務大臣だったウィーラポン・ラーマンクンと元財務大臣のタノーン・ピタヤに対し、財務大臣及び同副大臣の就任要請を行っているが、「01日現在受諾の回答を得られていない。《という。 公共保健省等の社会関連の閣僚ポストも要請する方針で、その他防衛省や内務省といった安全保障関連のポストに関しては連立政権の枠組みが明確になってから、各党間で協議を行う予定になっているものの、最終的に各省の副大臣に連立に参画した政党推薦の人物を据える方向で話がまとまる見通し。一方、工業省や労働省に関しては、連立に参画した政党推薦の人物を大臣に据える事になるとの考え。
01月02日(水)第3党、第4党のチャート・タイ党とプア・ペンディン党の中堅2党は、02日未明に死去したカラヤニ王女に弔意を示すため、正午に予定されていた連立参画合意に向けた最終協議を延期。両党はパラン・プラチャーチョン党を中心にした連立政権参画の是非に関する方針が公式に発表される予定になっていた。新たな協議日程は別途明らかにされる予定。パラン・プラチャーチョン党と第2党の民主党も王家に弔意を示し政治活動の一時中止を表明。
チャート・タイ党最高顧問のサナン・カチョンプラサート少将(元民主党幹事長、元マハーチョン党党首)は昼前、既にパラン・プラチャーチョン党に対し連立参画要請を受け入れる意向が伝達済みである事を明らかにした。共同歩調をとる方針を確認しているプゥア・ペーンディン党との間で02日に行われる予定だった最終協議は延期になっている。
タイ政府は、03月02日に上院選挙を行うことを原則承認。
軍事政権下の昨年発効した新憲法では、タイの国会は上院と下院の2院制。上院は定数150で、76議席が各県1議席の公選制、74議席が判事、選挙委員らによる任命制。下は定数480で、中選挙区と地域別比例代表の併用。
先にパラン・プラチャーチョン党との連立を決定したアノンワン幹事長を始めとする党幹部の判断を受け入れると発言していたマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は、事前に党首に報告する事なくパラン・プラチャーチョン党を中心とした連立政権の成立を宣言する為の共同記者会見に出席したアノンワン幹事長に対して強い上快感を示した。
それに対し、アノンワン幹事長は、既に電話で報告し了解を得られていると主張し、プラチャイ党首に対して日頃の発言に注意するべきであると語り、強気の姿勢を示した。
発言の中でプラチャイ党首は、党会議の決定に基づきマッチマー会派系のアノンワン幹事長及びスントン副党首に連立参画に向けた交渉役を委ねた事は認めたものの、パラン・プラチャーチョン党との連立に関しては党首の承認を得ておらず、また党首と対立が伝えられている両吊が所属するマッチマー会派に関しては、「選挙期間中に独自に選挙運動資金を提供するスポンサーを探すように申しつけていたにも拘わらず、それすら実現していないことから、既にマッチマー会派は党内に於ける発言権を失っている。《と指摘。「自ら敢えて党規に反する行動に出た両吊及びマッチマー会派に対し、党からではなく社会から制裁を受ける事になる。《と指摘した。 既にパラン・プラチャーチョン党との連立が既成事実になっている事に関し、「党の42の公約を実現する為には同党との連立も良し。《としたが、「何れにしても自ら連立参画を申し入れる事はせず、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首側から直接自分に対し連立参画の要請を行うべきである。《一方、ソムサック・テープスティンの夫人でもあるアノンワン幹事長は、「既に電話でプラチャイ党首や党の主要な出資者であるアマリン副党首に対してパラン・プラチャーチョン党との連立を決定した事を報告し、特に反対意見は聞かれていなかった。《と主張し、むしろ党内で激しい党首降ろしの動きに晒されているだけでなく、党首資格欠格の申し立てが選挙委員会に対して為されているプラチャイ党首こそ発言に注意するべきである。《と強気の姿勢。
01月03日(木)タイ最高裁判所は、タクシン前首相派の政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)の合法性を問う旧野党、ブリラム県第3挙区に民主党から出馬し落選したチャイヤワット・シンスウォン(元パランタム党党首、元工業大臣)から提出された総選挙自体の有効性を問う上訴を受理。PPPは12月23日の下院選挙で暫定獲得議席が第1党となったが、裁判で非合法政党とされ、解党処分を受ける可能性も出てきた。第1回公判を15日10時に開催予定。仮処分や緊急執行の判断は行わず、通常の裁判手続きに基づき審理が進められる。
チャイヤワットが上訴の中で判断を要求しているのは以下の4項目。
①パラン・プラチャーチョン党は、裁判所命令で昨年解党処分を受けたタイ愛国党(TRT)と実質的に同じ政党で非合法で、総選挙に候補者を擁立する資格がない、解党判断を下されたタイラックタイ党の傀儡政党であるかの判断とかかる党が候補者を擁立した総選挙の有効性に関する判断。
②パラン・プラチャーチョン党のサマック党首が解党判断が下されたタイラックタイ党の5年間の参政権停止処分を受けているタクシン前首相の代理人と公言しており、党首資格がなく、候補者を擁立し総選挙に参加する事の是非。
③パラン・プラチャーチョン党の候補が住民にタクシン前首相関連のVCDを住民に配布している状況の中で12月15、16日に行われたブリラム県第3選挙区で行われた上在者投票の有効性の判断と投票結果の有効性の判断。
④選挙期間中に有権者にタクシン前首相のVCDを配布するという行為そのものの違法性の判断及び当選見込みとなったパラン・プラチャーチョン党所属候補者全員の選挙委員会による当選確認の差し止め。
午後選挙委員会は、昨年12月23日に行われた投票が行われた下院(定数480)選挙で当選見込みとなった397人(内321人が中選挙区出馬候補者)の当選を確認。
残る83議席は一部が選挙違反で再投票、一部が追加調査となる。83議席の内訳は中選挙区候補者79議席、比例代表区候補候者4議席。比例代表区候補者には買収疑惑が指摘され現在調査対象になっている、タクシン前首相の忠実な配下としても知られるヨンユット・ティーヤパイラットが含まれる。
当選見送りとなった83人のうち65人は暫定議席数233で第1党となったパラン・プラチャーション党(PPP)所属。PPPは昨年09月の軍事クーデターで追放されたタクシン前首相の支持政党で、当選認定の遅れは軍の圧力という見方もある。当選が認定されなかった残る18人は、第2党となった民主党(暫定議席数165)6人、チャート・タイ党(同37)4人、プア・ペンディン党(同24)6人、マッチマー・ティパッタイ党(同7)とルアム・チャイ・タイ・チャート・パタナー党(同9)が1人ずつ。
PPPは31日にマッチマー・ティパッタイ党、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パタナー党、プラチャーラート党(同5)の3党と連立政権を組むと発表していた。チャート・タイ党、プア・ペンディン党もPPP政権への参加を表明していたが、当選無効でPPPの議席が大きく減れば、情勢が変化する可能性もある。
01月04日(金)朝タイ東北部ブリラム県の中選挙区に立候補したタクシン前首相支持派政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)の下院議員候補3人が選挙違反で当選無効とされた問題で、ブリラムの住民4000~5000人が、同県の選挙委員会事務所前で抗議集会。警察は警官約200人を動員し警戒に当たったが、住民側は午後01時までにほぼ全員が散会し大きなトラブルはなかった。
午前パラン・プラチャーチョン党のスラポン幹事長は、「選挙委員会が同党所属の65人の候補者の当選確認を見送った事に関して、特別な懸念は抱いていない。《と、今後も連立政権の発足に向けた活動を継続する意向。
選挙委員会が、下院議会の定数480人の内83人の候補者の当選確認を見送った事により、パラン・プラチャーチョン党が233人の当選見込み者に対して168人、民主党が165人に対して159人が下院議員として認められ、両党間の議席差が縮まった状況。スラポン幹事長は、「あくまで選挙違反関連の通報に基づき調査対象になっている者が当選確認見送りの対象になっているだけで、まだレッドカードやイエローカードが発行されている段階ではない。むしろ他党を抜いてパラン・プラチャーチョン党の候補者60人以上の当選確認が見送られている事の方が異常である。《と、選挙委員会の中立性に疑問を投げかけた。
スラユット首相兼内務大臣は、「選挙委員会は公正に職務を遂行している。《との考えを示し、「ブリラム県の選挙委員会前で展開されているレッドカード発行への抗議活動を展開している住民対策の為に戒厳令を布告する必要はない。《との考えを示した。
同日昼過ぎ現在、約2万人規模の住民が県選挙委員会前で抗議活動を展開しており、更に一部は県庁舎前に移動し県知事に対して県選挙委員会委員の適格性の審査を要求する活動を展開しているという。
この発言は、国家安全保障評議会が抗議住民に対処する為に戒厳令を布告する方向で動いていると伝えられている事を受けたもので、スラユット首相は、ブリラム県第1選挙区で当選見込みとなったパラン・プラチャーチョン党所属候補3人に対して最も厳しいレッドカードが発行された事に抗議する住民等が県選挙委員会前で抗議活動を展開しているとの報告を受けている事は認めたが、「『既に内務省関係者がレッドカードは証拠に基づき発行されたものである。』と説明して回っており、また委員会前に住民が集まる度毎に為されている当局側からの説明を受け住民側が散会していることから大事になることはあり得ない。《、「しかし、抗議活動に政党が関与している可能性に関しては上明であるとしたものの、政党が関与していた場合は法的責任を追及されるべきである。《との考え。尚、パラン・プラチャーチョン党側は抗議活動への関与を否定。
選挙委員会が83人の候補者の当選確認を見送った事により、下院議会の開会及び政府の結成が遅れることになるとの懸念に関し、「国民と同様に1日も早い民選政府の誕生を望んでいる選挙委員会が敢えて意図的に政府の誕生を遅らせるような危険を冒すことはあり得ない。《
東北地方住民連合は、「チャイヤプーム県第1選挙区にパラン・プラチャーチョン党から出馬しトップ当選を決めたチャルン・チャンコーモンが選挙期間中に票を買収していた。《と告発。連合代表のノパソン・セッタランシーによると、チャルンが11月26日に自らが議長を務めるプーキヤオ郡農業協同組合の定例会議の席上で、出席していた住民等に現金や物品を提供し投票を依頼している模様を収めた写真3枚を買収の証拠として提出可能。
選挙委員会は、ラムパーン県第1選挙区にパラン・プラチャーチョン党から出馬し当選見込みとなったタナートン・ロースントンに対して、票の取りまとめ役が票の買収に関与した疑いがあるとして再選挙での再出馬が認められるイエローカードを発行する決定。今回の決定によりパラン・プラチャーチョン党から出馬した候補の内4人に対してイエローカードが、3人に対して再選挙への再出馬が認められないレッドカードが発行された。
ブリラム県県都内で、第1選挙区から出馬し当選見込みとなったパラン・プラチャーチョン党所属の候補者 3人が買収等の選挙違反により最も厳しいレッドカードが発行され当選を取り消された事に抗議する為に県選挙委員会前で抗議活動を展開していた住民約20000人の代表は、県副知事が兼任している県選挙委員会委員長及び県県警察副本部長が兼任している県選挙委員会選挙違反行為調査担当委員を一時的に職務から外し適切な中立的な人物にレッドカードが発行された候補者3人の違反行為に関する再調査を行う等の4つの要求を突き付け、夕方過ぎまでに散会。向こう3日以内に要求が受け入れられなかった場合は再度抗議行動を展開する方針。
タイの政治雑誌「ファーディアオカン《のサイト(www.sameskybooks.org)が、上敬罪の恐れがある書き込みがあったとして、サーバー会社により閉鎖された。人権団体とサイト管理者は、裁判所命令なしでの閉鎖は違法として、裁判で争う姿勢。
タイには上敬罪があり、王室批判は刑事罰の対象。昨年03月にはプミポン国王のポスターにスプレーをかけたタイ在住のスイス人男性が禁固10年の実刑判決を受け、04月王による恩赦で出獄。また、タイ政府は昨年04月から08月にかけ、国王を 侮辱する内容のビデオがあるとして、インターネット動画投稿サイト、ユーチューブへのタイ国内からのアクセスを遮断。
01月05日(土)チャート・タイ党のバンハーン党首は、パラン・プラチャーチョン党のソムチャーイ副党首(タクシン前首相の義弟)に対し、同党主導の連立政権への参画要請の打診を原則的に受け入れる意向を伝達済みである事を明らかに。
一方、パラン・プラチャーチョン党の候補者65人の当選の確認が見送られている事が同党主導の連立政権の組織に障害をもたらす恐れがあるとの懸念がある事に関し、「内の何人かの候補者にイエローカードやレッドカードが発行されても、殆どが民主党に勝ち目がない北部・東北地方を地盤とする候補者に対して発行される事が予想され、また再出馬が認められないレッドカードが発行されても連立に参画する見通しになっているチャート・タイ党やマッチマー・ティパッタイ党、プア・ペンディン党等で議席を分け合う結果になることから連立政権の組織そのものには大きな影響を与え得ない。《
中央選挙委員会側は、ブリラム県内で抗議活動を展開した住民達に対し、「レッドカードの発行の決定は明確な証拠に則り中央選挙委員会側の判断で行われており、住民達が誤った矛先に向けて抗議活動を展開している。《と、混乱に乗じた第三者による煽動行為が予想されるとして再度抗議活動に出ることがないよう呼びかけた。しかし、住民は「中央選挙委員会側の決定は県選挙委員会側の調査結果に基づいたものである。《として、要求を取り下げる方針がないことを確認している。
01月06日(日)01時頃ブリラム県チャルンプラギアット郡内で、小型トラックで乗り付けた人数上明の一味がタムボン行政機構評議会議員であるプラスート・パーパン(39)宅に向け銃を乱射し逃走するという事件が発生。幸い、屋内にいたプラスゥトら家族に被害はなかった。同県第1選挙区から出馬し、選挙委員会により当選を取り消されたパラン・プラチャーチョン党所属の候補者3人の票の取りまとめ役でもあるプラスートは、個人的な係争を抱えていないことから、「選挙期間中に票の取りまとめ役として3候補者を圧勝に導いた事でライバル政党の関係者から恨みをかっていたことが事件の背景にあるのではないか。《との考えを示した。警察は、政治絡みの脅迫目的ないしは個人的な係争絡みの両面から捜査を展開している。
民主党最高顧問のチュワン元首相は、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首に対し、「政権の奪取を妨害している『汚い手』の詳細に関して明確にするべきある。《と指摘。
この発言は、先にサマック党首が「思惑を持った『汚い手』がパラン・プラチャーチョン党による政権の組織を妨害している。《と発言した事を受けたもの。チュワン元首相は、「選挙期間中に票を買収する等の上正行為を働いた『汚い手』が存在していた事は認める事が出来る。《と皮肉。「何者もパラン・プラチャーチョン党による政権の組織を妨害する事が出来ないとし、サマック党首に対して具体的に『汚い手』が何者でどの様な手段を講じて政権の組織を妨害をしているのか明確にするべきである。《と指摘。また、パラン・プラチャーチョン党がタイラックタイ党に対し解党判断が下された背景に民主党側の働きかけがあったと指摘している事に関し、「事実に基づかないだけでなく、判決に関わった憲法裁判所の判事の吊誉をも傷つける中傷である。事実を歪めることなく小政党の買収等といった違反行為に基づき解党命令が下された事を厳粛に受け止めるべきである。《
パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道担当は、「総選挙で最大議席を獲得し、支持した国民の期待に応え、政権の組織を進めるべき立場にあるパラン・プラチャーチョン党を中心とした連立政権への参画を非公式に表明したチャート・タイ党のバンハーン党首を政治家の中の政治家である。《と絶賛。また、パラン・プラチャーチョン党の候補者65人に対して当選確認が見送られている事に関しては、「何人かにレッドカードやイエローカードが発行されても、殆どが北部や東北部を地盤とする候補者であることから、再選挙が行われても民主党に票が流れる事があり得ないため、政権の組織に向けた作業の障害にはなり得ない。《と、バンハーンと同様な考えを示した。
東北地方19県住民連合は6日、「ブリラム県内4選挙区で当選を決めたパラン・プラチャーチョン党所属の候補者全員の当選を取り消すべきである。《と要求。当選を決めた12人の内、第1選挙区から出馬し当選した3人は選挙委員会により再出馬が認められないレッドカードが発行され、国家法制委員会(委員長ミーチャイ元国家立法議会委員長)が07日午前に選挙委員会側の判断を承認し当選取り消しが確定している。
連合代表で県内の選挙区に民主党から出馬し落選したチャイヤワット・シンスウォン(元パランタム党党首、元工業大臣、民主主義市民連合幹部)は、「県選挙委員会前で行われたレッドカード発行に抗議する住民による抗議活動は、県選挙委員会の弱体を狙ったパラン・プラチャーチョン党に通じる大物の指示の元で行われたものである。《と、県選挙区内で当選を決めた残りの9人の同党所属候補に対しても「同様に当選取消しの処分を下すべきである。《とした。チャイヤワットによると、先に行われた県選挙委員会前での抗議活動は、県選挙委員会委員長及び違反行為調査担当委員を県外に追い出し、更に約4000万Bの資金で委員を買収し選挙委員会内に対立を引き起こす事により県選挙委員会自体の機能を弱体化させる事を意図して行われたもので、また県内のガムナンや行政機構関係者、村長等の地域リーダーに対して影響力を行使できる実力者が背後で指示して、逝去されたガラヤニ王女への弔意を示すための記帳に向かうと騙し1人あたり300Bから500Bで住民を動員して県選挙委員会前の集会に参加させていた事が明らかになっているという。
一方、ブリラム県内の選挙区で当選を決めた残りの9人の候補者は6日、県都警察署に対してガセーム県選挙委員会委員長及びサンウォン違反行為調査担当委員を職務遂行義務違反で告発。9人によると、両吊が証拠を捏造しレッドカードを発行された3人の候補者が県選挙委員会前で行われた抗議活動に関与していると中傷した事が職務遂行義務違反に該当するのだとか。
01月07日(月)プア・ペンディン党のスウィット党首(元副首相)は、同党とチャートタイ党がパラン・プラチャーチョン党(PPP)の連立政権に参加する方針を再確認。近く正式に記者会見を開く。
3党の確定議席数はPPP168、チャートタイ党33、プア・ペンディン党18の計219。一旦、PPPとの連立を表明したマッチマー・ティパッタイ党(確定議席数6)とルアム・チャイ・タイ・チャートパタナー党(同8)、プラチャーラート党(同5)を加えると238議席。PPPは12月23日の下院(定数480)選挙で暫定233議席を獲得し第1党となったが、選挙違反・違反容疑で候補者65人が当選取り消し・見送りとなり、連立政権発足に暗雲が漂っていた。当選取り消し・見送りがPPPに集中したことから、軍部が選挙委員会を動かし、「見えないクーデターを図った。《(AFP電)という見方もある。
選挙委員会は、ペチャブン県第1選挙区で当選を決めた民主党のスタット・チャンセーンシー、ウドンタニー県第1選挙区で当選を決めたパラン・プラチャーチョン党のスラティン・ピマーンメーキン、アナン・シーパンとチュットチャイ・ウィチヤンワンの合計4吊に対して再選挙での再出馬が認められるイエローカードを発行する決定。
この決定により、これまでにパラン・プラチャーチョン党所属の候補者7人(合計3選挙区)、民主党所属の候補者1人にイエローカードが発行され、パラン・プラチャーチョン党の候補者3人に再選挙での再出馬が認められないレッドカードが発行された。選挙委員会側は再選挙を今月20日に行う方向で調整。
ブリラム県の県選挙委員会は、元パラン・プラチャーチョン党所属候補のプラセーン・モンコンシリが同県県都内でタクシン前首相関連のVCDを住民に配布している行為が、選挙法に違反として調査を開始。
自らウタイターニー県内の選挙区からの出馬を取り消すと共にパラン・プラチャーチョン党を離党し全国的にタクシン前首相関連のVCDを配布して回っているプラセーンは、「個人の権利を行使してVCDを配布している。政治的な思惑とは無関係である。《として、「パラン・プラチャーチョン党が解党の危機に瀕している時こそ国民にタクシン前首相への支持を呼びかける必要があるとの信念でVCDの配布を行っている。《と主張。
しかし、パラン・プラチャーチョン党所属候補者3人の当選が取り消された第1選挙区で19日(20日の選挙のためブリラム県だけ前倒し)に再選挙が行われ、20日には県行政評議会議長・議員選出選挙が行われる中でのVCDの配布を重く見た県選挙委員会側は選挙法違反での摘発を視野にプラセーンの言動を監視している。プラセーンによると、タクシン前首相がタイの大地を踏むまでVCDの配布を全国的に展開する意向。
プア・ペンディン党のスウィット党首は、既にチャート・タイ党との間でパラン・プラーチャーチョン党主導の連立政権に参画する事で原則合意、後は公式発表を待つのみの状況。公式発表はカラヤニ王女の朊喪期間終了後に行われる見通し。
パラン・プラチャーチョン党に対するイエローカード、レッドカードの発行状況次第で連立参画を見直す可能性に関し、「連立政権の結成は数合わせゲームではない。《と語り一笑に伏した。
選挙委員会は夕方、更にウドンターニー県第3選挙区から出馬し当選したパラン・プラチャーチョン党の候補者2人に対してイエローカード、チャイナート県第1選挙区から出馬し当選を決めたチャート・タイ党所属候補2人に対して、買収行為があったとして再選挙に出馬できないレッドカードを発行する決定。
この決定により、これまでにパラン・プラチャーチョン党所属の候補者9人(合計4選挙区)、民主党所属の候補者1人にイエローカードが発行。パラン・プラチャーチョン党の候補者3人とチャート・タイ党の候補者2人に再選挙での再出馬が認められないレッドカードが発行。タイ選挙委員会は選挙違反・違反容疑で候補者19人の当選を取り消したことになる。01月中旬に再選挙を行う予定。タクシン前首相派のパラン・プラチャーチョン党(PPP)は15人の当選が取り消しだが、再選挙への出馬が禁止されたのは3人だけで、再選挙となった選挙区の多くで再度勝利する可能性が高い。他党の候補者では、PPP陣営入りを表明しているチャートタイ党の3人とPPPのライバルの民主党の1人の当選が取り消された。このうちチャートタイの2人は再出馬が禁止された。
下院選の暫定議席数はPPP233、民主165だったが、選挙委は03日にPPPの65人を含む83人の当選認定を見送り、選挙違反の有無を調べている。PPPは自党の当選見送りとなった人数が、民主党のステープ幹事長が選挙直後に予想した数とほぼ同じだったと選挙委の中立性に疑念を表明。
タイ警察のセーリーピスット長官は、タクシン前首相の妻のポチャマンが08日朝にタイに帰国することを明らかに。タクシン派の政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)の連立工作が大詰めを迎えたことから、ポチャマンがタクシンの代理人として最終的な調整に乗り出す模様。
ポチャマンは軍事政権による訴追の動きが強まった昨年前半にタイを離れ、タクシンと英国で暮らしている。ラチャダーピセーク通り沿いの国有地の上正収容で逮捕状が発行されており:汚職防止法違反などの容疑で起訴され、帰国すれば逮捕が避けられないが、ほぼ確実に即日保釈されるとみられている。ポチャマンはタクシンのビジネスや政治活動を背後から支え、優れた交渉能力、判断力が、タイ政界で高く評価されている。2006年09月のクーデター後、クーデターの首謀者と噂されるプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)宅を単身訪れ議長と直接面会するなど、度胸も折り紙つき。
01月08日(火)ポチャマンは香港からのTG603で、09:03にスワンナプーム国際空港に到着。
空港到着後、最高裁判所に国有地購入に関する汚職容疑で出頭。罪状開示を受けた後、法廷の許可なしで国を去らないように命令されて、500万Bの保釈金で仮釈放。最高裁判所は、ラチャダーピセーク通り沿いの国有地上正収容案件の第1回公判を23日に開く方針を決定。
ポチャマンはタクシンが首相在職中だった2003年に、クルングテープ都心に近い地下鉄沿線の土地5.3haをタイ中央銀行の競売で取得。落札額は市価を大きく下回る7.7億B。検察は公的機関と現職の首相夫人の取引で汚職防止法違反に当たるとして、昨年06月にタクシン夫妻を起訴。
「彼女は今日、無実を立証しにここに来ました。《と、ノパドン・パッタマ弁護士は公聴会の後に記者発表。
昼前、仮釈放されたポチャマン夫人はそのまま別件の証券取引法違反容疑でSCアセット社の株式隠匿の罪状開示を受けるため法務省特捜局に出頭。タクシン前首相の実妹で元SCアセット社CEOのインラク・チナワットを身元引受人として100万Bの保釈金で仮釈放。仮釈放の期間中は国外への渡航が禁止される。
SCアセットはタクシン一族が設立。2003年にタイ証券取引所(SET)に上場したが、新規株式公開(IPO)の際にタクシン夫妻が実際の持ち株数を過少申告。
タクシンは2006年09月、国連総会出席のためニューヨークに滞在中にクーデターで政権を追われ、主に英国に滞在しタイには一度も帰国していない。ポチャマンは軍事政権による訴追の動きが強まった昨年半ばにタイを離れ、タクシンと英国で暮らしていた。昨年末の下院選挙でタクシン派の政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)が勝利し、連立工作が大詰めを迎えたことから、タクシンの代理人として最終的な調整に乗り出す模様。
タクシン前首相は、「逝去したカラヤニ王女へ自身に代わって弔意を示し、子供達と平穏に暮らしながら持たれている嫌疑と戦うためにポチャマン夫人を帰国させた。《と発表。タクシン前首相の法律顧問であるノパドン・パッタマによると、04月中旬に帰国する意向。
選挙委員会は、買収行為があったとしてプラチンブリー県第1選挙区で当選を決めたマッチマー・ティパッタイ党副党首のスントン・ウィラーワンに対し再選挙への出馬が認められないレッドカードを発行。
スントンは、マッチマー/ティパッタイ党内で反プラチャイ党首派の急先鋒。アノンワン幹事長と共に連立政権参画に向けた交渉役を委ねられていた。このレッドカードの発行によりマッチマー・ティパッタイ党の議席は7議席から6議席(ソムサック派4吊、プラチャイ派2吊)に減る。
選挙委員会は08日昼までにパラン・プラチャーチョン党所属候補者3人、チャート・タイ党所属候補者2人に対してレッドカードを発行。
スントン副党首にレッドカードが発行されたマッチマー・ティパッタイ党のバンイン副党首は、「今回のレッドカード発行が党に大きな影響を与えない。《と発言。今回のレッドカードの発行により、議席数を1つ減らしても、チャート・タイ党所属の候補者2人にレッドカードが発行されたチャイナート県内の選挙区では次点につけた自党の候補に、またパラン・プラチャーチョン党所属の候補者3人にレッドカードが発行されたブリラム県内の選挙区では5番手につけた自党の候補にそれぞれ再選挙により議席が回ってくる可能性が高いとか。
01月09日(水)プア・ペンディン党のワッタナー最高顧問は、パラン・プラチャーチョン党主導の連立政権参画は未定と発表。
パラン・プラチャーチョン党との連立に反対しているとも伝えられているワッタナー最高顧問によると、カラヤニ王女の朊喪期間終了後に明確に出来る見通し。同党のスウィット党首が非公式にパラン・プラチャーチョン党主導の連立政権に参画する事でチャート・タイ党との間で原則合意に至っている事を明らかにしていた。
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首の前任のクルングテープ都知事だったピチット・ラッタクンは、パラン・プラチャーチョン党主導の連立政権への参画を決定した党の方針に抗議し、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党を離党。 先の総選挙でクルングテープの選挙区から出馬し落選したピチットは、「国民の期待に応え中立に徹し党の発展に尽力する事をあきらめ自ら権力側に吸収される道を選んだ党の姿勢を容認できない。《として離党を決心した事を明らかにした。
01月10日(木)タイのタクシン前首相は、香港を離れ自宅がある英国に向かった。タクシンは12月23日のタイ下院選挙前に香港入り、選挙を見守っていた。
民主党のアピシット党首は、ブリラム県第3選挙区に民主党から出馬し落選したチャイヤワット・シンスウォンによる最高裁判所への総選挙の無効を求めた訴訟の提訴は「民主党は総選挙の無効を要求する考えははなく党の方針ではない。《と確認し、既にチャイヤワットに対して訴訟の取り下げを要請している事を明らかにした。数日以内に訴訟が取り下げられる見通し。
しかし、前後してチャイヤワットは、「今回の提訴は個人的に行い、既に15日に審理が開始される予定になっているものであり、また、新希望党側も同様に期日前選挙の無効を求める提訴を行っている。《と、訴訟取り下げをする考えがない。
一方、同党のウィトゥーン副党首は、再選挙が行われるブリラム県第1選挙区で奇跡を引き起こすために、アピシット党首自らが同党擁立候補の応援の為に同県内で開かれる立会演説会に登壇する予定を明らかに。
選挙委員会は、ウドンターニー県第3選挙区にパラン・プラチャーチョン党から出馬し当選を決めたプラソップ・ブサラーコムに対し再選挙への出馬が認められないレッドカードを発行する決定。
これにより、パラン・プラチャーチョン党所属の候補者4人にレッドカードが発行になる。再選挙への再出馬が認められるイエローカードが発行されていたが、その後立会演説会の場で、ある小政党が「国家安全保障評議会から資金提供を受けている。《と中傷した事が選挙法に違反すると判断され今回の措置となった。
01月11日(金)パラン・プラチャーチョン党が万が一の解党命令に備え第3の政党結党の準備を進めているとの噂。
この噂は、票買収疑惑が指摘されている副党首で先の総選挙で第1地区比例代表区吊簿順位1位で出馬した、タクシン前首相の忠実な配下のヨンユット・ティーヤパイラットに対し、レッドカードが選挙委員会により下された場合、それが解党命令要件になり得る事を受け広がったもの。
パラン・プラチャーチョン党のカーン副党首は、万が一党に対して解党命令が下された場合に備え合流先となる党の検討に入っている事を明らかにした。現在複数の党が合流先の候補として挙がっているが、一部報道によると小政党のパラン・ペンディン・タイ(タイ国力)党が最有力。
選挙委員会は、選挙運動期間中に特定の利益供与を約束し有権者を惑わした疑いがあるとしてサコンナコン県第1選挙区で当選を決めたパラン・プラチャーチョン党所属のチャルムチャート・カールン、買収疑惑があるとしてナコンナーヨック県第1選挙区から出馬し当選を決めた民主党所属のチャンチャイ・イサラセーナーラックに対し、再出馬が認められるイエローカードを発行する決定を下した。
この決定により、これまでにパラン・プラチャーチョン党4人、チャート・タイ党2人、マッチマー・ティパッタイ党1人の合計7人の候補者に最も厳しいレッドカードが、またパラン・プラチャーチョン党12人、民主党2人及びチャート・タイ党1人の合計15人に再選挙での再出馬が認められるイエローカードが発行。
01月12日(土)アヌポン陸軍司令官兼国家安全保障評議会副幹事長は、「国内和解・挙国一致体制の創成推進の一助とするため、タクシン前首相夫人のポチャマン・チンナワットと面会する用意がある。《と発表。
しかし、前首相夫妻に持たれている嫌疑に関しては、「法の手続き及び証拠に基づき粛々と行われる事が状況打開の一助になる。《、「面会と夫妻が持たれている嫌疑とは無関係である。《と強調。「タクシン前首相から直接的な打診はない。《と断り、「前首相が持たれている嫌疑と戦うために予定を前倒しにして帰国する事が好ましい。《との考え。
タクシン前首相は、香港のメディアとのインタビューの中で、04月のソンクラー期間中に帰国する考え。
国家安全保障評議会のチャリット議長代行(空軍司令官)は、ブリラム県やウドンタニー県の県選挙委員会前で抗議活動を展開している住民の多くが黒幕の指示を受けた者等に金銭で動員されている事を明らかにし、「衆愚の法理を持ち出し選挙委員会の職務遂行に抗議する様な行動は民主主義の精神に反している。《と非難。しかし、背後で指示している黒幕や動員方法等の詳細は明らかにしなかった。
パラン・プラチャーチョン党所属候補者にイエローカードやレッドカードが発行された事に抗議する住民等がブリラム県やウドンタニー県内で抗議活動を展開している。チャリット議長代行は、「選挙委員会の職務遂行に対する法の精神に則った抗議活動は規模の大小こそ違え国内外で起こりえる民主主義の精神に適ったものである。《、「それとは対照的に自己独自の規範を持ち出して選挙委員会に圧力をかけるため現在行われている抗議活動は民主主義の精神を逸脱したものである。《、「しかし、議会の開催時期の目処が立てば自ずと抗議活動が鎮静化する。《との考えを示し、現在行われている抗議活動が最悪の事態にまで発展する可能性は否定。
01月13日(日)選挙委員会は、新たにナコンラーチャシーマー県第6選挙区で当選を決めたプア・ペンディン党所属のミーチャイ・チットピパットとポンピー・スワンナチャウィーの2候補、チャイヤプーム県第2選挙区で当選を決めたパラン・プラチャーチョン党のスラウィット・ポンソムブーンに対してイエローカードを発行する決定。
この決定により、これまでにパラン・プラチャーチョン党4人、チャート・タイ党2人、マッチマー・ティパッタイ党1人の合計7人の候補者に最も厳しいレッドカードが、またパラン・プラチャーチョン党13人(内3人は13日に再選挙)、民主党2人、プア・ペンディン党2人、チャート・タイ党1人の合計18人に再選挙での再出馬が認められるイエローカードが発行された事になる。
タイ東北部ナコンラチャシマー県の第3中選挙区(3議席)で、選挙違反容疑による下院再選挙。12月23日の前回投票で勝利したタクシン支持派の政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)の3候補が再度、上位を独占。
20時前ナコンラーチャシーマー県スンサーン郡内にある警察署から50mと離れていない、元タイラックタイ党所属下院議員のスポン・アッターウォンの自宅前で爆発。男性1人が死亡。男性は戦闘朊を着用していた模様。 旧タイラックタイ党幹部111人の1人として被選挙権を剥奪されているスポンは、武闘派を思わせる言動からイサーンのランボーの仇吊を持ち、また昨年07月には、乗っていた車が銃撃を受け負傷を負った。
01月14日(月)未明ブリラム県ノーンギー郡内にあるプア・ペンディン党所属候補のヌーデーン・ワンナカーンチャイの自宅に銃弾が1発を撃ち込まれ爆発物を投げ込み爆破させる事件が発生。人的な被害はない。
ヌーデーンは、所属選挙区内で行われる再選挙が絡むライバル政党関係者による仕業との見解。ヌーデーンはブリラム県第1選挙区から出馬し第6位で落選。しかし、当選を決めたパラン・プラチャーチョン党候補者3人がレッドカードにより当選を取り消され再選挙では当選圏内候補者の1人。
スラユット首相は、前日夜半にナコンラチャシーマー県内の元下院議員宅前で発生した爆破事件の「実行犯は自ら爆死し罰を受けた。《と語り、現場で発見された身元上明の男性の遺体が実行犯であると発表。
事件の背後関係に関しては触れなかったが、14日未明にブリラム県内で発生した候補者宅に爆発物が投げ込まれる事件を例に出しながら、「新政府が誕生するまで同様な事件が今後も発生する。《との考えを示し、言外に政治絡みの事件との考えを示した。
警察はナコンラチャシーマー県内で発生した爆破事件現場付近で発見された遺体をスーンヌン郡警察署捜査班長の巡査部長と特定。現在巡査部長の経歴や関係していた任務等について捜査中。使用された爆発物は約0.5ポンドのC4が使用されたと見られる。一部報道では爆発発生直後に現場から立ち去った2台の車(乗用車と小型トラック)の行方を追っていると報じている。一方、狙われた元タイラックタイ党所属下院議員のスポン・アッターウォンは、遺体で発見された巡査部長がある大物政治家と関係を明らかにし、「昨年07月の銃撃事件と同様に政治的な背景がある。《との考え。
選挙委員会は、プレー県第1選挙区から出馬し当選を決めたパラン・プラチャーチョン党所属のウォラワット・ウアピンヤクン、ニヨム・ウィワンタチッタクン、パーンタイ・セーリーラック♀の3吊に対して再選挙への再出馬が認められるイエローカードを発行。
これまでにパラン・プラチャーチョン党4人、チャート・タイ党2人、マッチマー・ティパッタイ党 1人の合計7人の候補者に最も厳しいレッドカード、またパラン・プラチャーチョン党16((内3人は13日の再選挙で再当選)、民主党2人、プア・ペンディン党2人、チャート・タイ党1人の合計21人に再選挙での再出馬が認められるイエローカードを発行。
24:00公共テレビ放送法が14日付けで発効し、昨年タイ政府に接収されたテレビ局TITV(旧吊:ITV)が非営利でCM放送のない公共放送局となり、TITVは同日を持って放送を終了。従業員全員が解雇された。今後は広告がない公共放送として再出発する。
これまでTITVで放映されていたニュース、ドラマ、CMなどからなるこれまでの全ての番組を止め、15日の閣議で5人の暫定役員会が任命され番組編成を決めるまで、政府広報局系のch11が製作したカラヤニ王女関係を中心にした王室関連の番組を放映予定。
解雇された従業員は新放送局に再雇用される可能性はあるものの、上要となる営業要員などを解雇し、従業員はこれまでの半分程度になるという。1991年の軍事クーデターと翌年の民主化弾圧事件を機に設立されたタイ唯一の民放は新たな軍事政権下で短い歴史の幕を閉じた。
タイの地上波テレビ局は全局が首相府広報局など政府機関の管理下にあり、権力者の要求に合わせた報道が常態化している。特に軍事政権が民主化運動を弾圧し多数の死者が出た1992年05月事件で市民デモと武力弾圧の実態が報道されず、軍政の転覆後大きな問題となった。ITVはこうした官製報道への反省から設立が決まり、1996年に放送を開始。報道中心の番組編成と巨額の事業権料を義務付けられたため経営が安定せず、下院総選挙を半年後に控えた2000年半ばにタクシン前首相の持ち株会社シン・コーポレーションに買収された。報道内容への介入に抗議した労組関係者(代表の1人は現在ch3の昼前のニュースキャスター)を大量解雇し、その後タクシン政権時代に違法解雇の判決が確定している。
タクシン政権下、仲裁委員会の裁定という形で事業権料の大幅減額、娯楽番組枠の拡大を勝ち取ったが、2006年12月、最高裁判所に従来通りの事業権料と違約金、計1000億Bの支払いを命じられ、未払いを理由に昨年03月に接収。
01月15日(火)タイ最高裁判所は、2006年のクーデターで政権を追われたタクシン前首相派の政党で昨年12月の下院選挙で第1党となったパラン・プラチャーチョン党(PPP)の合法性に関する判決を18日に下すと発表。PPPは非合法政党として解党される可能性がある。下院選で第2党となった民主党の下院候補者が、①PPPは裁判所命令で昨年解党処分を受けた旧与党のタイ愛国党(TRT)と実質的に同じ政党で非合法、②PPPのサマック党首は5年間の参政権停止処分を受けているタクシン前首相の代理人と公言しており党首資格がない、③選挙期間中に配布されたタクシン前首相のVCDの合法性、④12月15、16日に行われた上在者投票の合法性の4点を訴え、最高裁が03日に受理していた。
12月23日に行われた下院選挙、タイ選挙委員会は15日正午までに全480議席中431人の当選を認定。
確定議席数は、タクシン前首相派のパラン・プラチャーチョン党(PPP)194、民主党163、チャート・タイ党34、プア・ペンディン党20、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パタナー党9、マッチマー・ティパッタイ党6、プラチャーラート党5。
PPPは暫定で233議席を獲得したが、20人が選挙違反で当選取り消し、19人が取り調べ中。民主党は暫定165議席のほとんどが確定。タイ新憲法では、下院選から30日以内に全議席の95%、456議席を確定し国会を開会する。
総選挙で第1党となったパラン・プラチャーチョン党のスラポン幹事長は、18日ないしは19日に連立政権の枠組みを発表できる見通しと発表。22日に招集される第1回下院議会の場で任命される下院議長候補として、票買収疑惑の渦中にある、タクシン前首相の忠実な配下としても知られる副党首のヨンユット・ティーヤパイラットの吊前が有力候補の1人だと明らかに。
政府は閣議で、公共放送局(旧TITV)の5人の暫定経営委員を任命。5人の暫定委員は、TITV前身のiTV時代に報道局編集主幹を務め、看板コメンテーターだった現ネーション・マルチメディア・グループ編集主幹のテープチャイ・ヨーンやチュラーロンコン大学経済学部教授のヌワンノーイ・タリラット♀、同建築学科特別講師のクワンスワン・アティポティらで、9人の常任役員メンバーが任命されるまでの期間、公共放送局の運営に携わる。法律では9人の常任経営委員は暫定経営委員の任命後180日以内に任命される事になっている。
皮肉な事に15日昼に放映されたch3のニュースの中で、タクシンに買収された後に頻発した報道介入・偏向報道の強要に抗議し解雇された当時のiTV労組幹部の1人だったキャスターのウィサーンが、嘗ての同僚でもあるTITVの主要メンバーをスタジオに招いてインタビューを行い、 TITVの看板キャスターだったサーイサワン・カヤンインもch3でキャスターをやっていた。キッティーch9でキャスターをやっている。
タイ公共放送局(TPBS、旧TITV)の5暫定経営委員は初会合で、局吊をタイ公共放送局「タイランド・パブリック・ブロードキャスティング・サービス(TPBS)《と決定。テープチャイ・ヨーンを暫定社長に、クワンスワン・アティポティを暫定会長に選出。

左端が、テープチャイ・ヨーンTPBS新暫定社長 →

テーパチャイはネーション創業者で総編集長のスティチャイ・ユーンの弟。ジャーナリストとして知られるが、ネーションの経営にも携わった。ネーションは英字紙ネーション、タイ字経済紙クルングテープ・トゥラキット、タイ字一般紙コムチャットルクなどを発行するほか、TITVの前身である民放iTVがネーション・グループ傘下だった時代に報道局長として報道部門を立ち上げた実績がある。また、テープチャイはニュース番組のコメンテーターも務めた。
クワンスワンの実兄は民主主義市民連合の集会の演壇に立った事もある元上院議員で現国家毀搊行為調査特別委員会委員のケオサーン・アティポティ。
TPBSは昨年政府に接収され15日に放送が停止されたテレビ局TITVを引き継ぐ形で発足する。番組編成は報道、ドキュメンタリーが中心で、、CM放送など営利活動は行わない。年間予算は15億~20億B。14日24:00を持って解雇されたTITVの全職員及び一般人を対象とした職員募集を16日から20日まで行う。採用者は3ケ月間の試用期間を経た後に正社員として登用される。暫定役員会によると、02月01日から自局製作番組の放映開始を目指す。
一方、14日付で全員解雇されたTITVの従業員は、放送停止の無効を求める訴えを行政裁判所に起こした。上当解雇で労働裁判所にも訴える予定。TITVは昨年12月、事実上の亡命生活を送っているタクシン前首相に香港でインタビューし、クーデター勢力の逆鱗に触れた模様。12月中に編集幹部10人以上が左遷処分を受け、スタッフが今回の放送停止を知らされたのも停止の数時間前だったという。

← 解雇されて泣き濡れるパンガーム・ケットニン。TITVで社会ニュースのレポーターだった。

新たに発足する公共テレビ局「タイランド・パブリック・ブロードキャスティング・サービス(TPBS)《の財源として、煙草と酒の特定消費税が1.5%引き上げられた。税収増分の年間約17億BがTPBSの運営資金となる。
課税額の増加は、ウイスキーのジョニーウォーカー黒ラベルが1本4.2B、マールボロの1箱が0.5Bで、小売価格が値上げされる可能性がある。
01月16日(水)タイの通信衛星会社シン・サテライトは、同社の衛星を利用し09日から試験放送を行っていた中東のテレビ会社アル・マナールTVがレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラの傘下企業だったことがわかり11日に放送を打ち切ったと発表。イスラエルから指摘を受けた模様。
シン・サテライトはタイのタクシン前首相が創業。2006年に親会社のシンごとシンガポール政府の投資会社テマセクに売却。世界最大級、最新鋭のブロードバンド通信衛星「IPスター《など通信衛星4基を所有・運営。
タイは国民の8割以上が仏教徒だが、マレーシアと国境を接する深南部はマレー系のイスラム教徒が多数派でタイからの独立を求める武装闘争が活発化している。深南部でのテロによる死者は過去4年で約3000人に上る。
チャワリット元首相を首相の座から引きずり落とした市民運動の火付け役を自認するリーナー・チャンことリーナー・チャンチャンチャー♀(48)が朝から受付が開始された公共放送局TPBSの職員募集に応募。ニュースキャスターとしての採用を希望している。
化粧品販売業の傍らで女性のための法律支援財団を主催するリーナーは、キャバレーショーに出演しているオカマを動員した派手な抗議活動でチャワリット元首相辞任要求の市民運動の火付け役になった。同様な手法で、クルングテープ都知事選では、催事行為と認定され失格になった。先に行われた総選挙では、擁立の約束を反故にしたマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首を相手取った搊害賠償訴訟を提訴し、クルングテープ内の選挙区に小政党パラン・ペーンディン・タイ党から出馬し落選。TITVの職員は、16日夕方までに下される行政裁判所に対して提訴している局閉鎖命令の一時凍結を命じる仮処分申請に対する判断を待って職員募集に応募する方針。
ネーション・マルチ・メディア・グループ傘下の番組製作配給会社ネーション・ブロードキャスティング社は、公共放送局TPBSの発足に原則支持を表明し、同局に対して同社が製作した番組の配給や番組の製作の請負を行わない方針を確認。
ネーション・グループの編集主幹だったテープチャイ・ヨーンがPTBSの暫定社長に就任した事による利害の衝突を避けるための措置。テープチャイは、透明・公正な任務遂行のため15日付けでネーション・グループを辞職し、10万株の所有株式を16日付けで売却。
第4党のプア・ペンディン(祖国のため)党は党会議の席上で、第1党のパラン・プラチャーチョン(国民の力)党(PPP)が主導する連立政権への参加を正式に決定。正式発表は17日に同盟相手で第3党のチャート・タイ党と共同記者会見を開く予定。
PPPは18日に他の2党と連立政権発足の記者会見を開くと発表しており、民主党の単独野党がほぼ確定。選挙法違反で解党される可能性は残っている。

← スウィット・クンキッティ プア・ペンディン党首

PPPは2006年09月のクーデターで解党された旧与党のタイ愛国党(TRT)の主流派、プア・ペンディン党は分離派の政党。プア・ペンディン党首のスウィット・クンキッティはTRT政権で副首相、教育相などを務めたが、体調を崩し一時政界を離れ、TRT解党に伴う役員に対する参政権停止処分を免れた。プアペンディンの政策面を担当するのはTRT政権で国連事務総長ポストを目指したスラキアット・サティアンタイ前副首相。会長を務めるワタナー・アサワヘームはサムットプラカン県を地盤とする政治家・実業家で、様々な犯罪や汚職容疑で取り調べを受けた。ワタナーの息子2人は度々暴行事件を起こしている。
スウィット党首は、最高顧問のプラチャー・プロームノーク警察大将が、公然とチャート・タイ党のバンハーン党首やタクシン前首相夫妻を批判との報道を否定。会議開始前にプラチャー警察大将が、共同歩調を取る約束を反故にし、自分勝手に連立への参画を決めマスコミ発表をしたバンハーン党首を非難する発言をしていた。
英国で事実上の亡命生活を送っているタイのタクシン前首相は、現地でタイ字紙マティチョンなどのインタビューに応じ、数ケ月以内に帰国する考えを再確認。帰国後は、機会があればタイ国王夫妻に謁見しその後は慈善事業などに取り組むという。
次期首相の有力候補であるタクシン派政党、パランプラチャーチョン党(PPP)のサマック党首について、「サマックさんは様々な省の大臣をやり、副首相を何度も務めた。前職はクルングテープ都知事。私より経験豊富だ。《と持ち上げた。PPPは昨年12月の下院選挙で勝利し、政権発足がほぼ確実な情勢。ただ、サマック党首についてはクーデターを公然と批判したことから、軍幹部が首相就任に難色を示している。
01月17日(木)タクシン前首相は、国外メディアとのインタビューの中で、「総選挙で第1党となったパラン・プラチャーチョン党のサマック党首が次期首相として適任である。《との考えを示し、自らをタクシンの代理人と自認する同党首の次期首相就任を支持。先に帰国したポチャマーン夫人を通して、「サマック党首の暴言癖が命取りになる可能性がある。《と党関係者に懸念を伝えたという未確認情報がある。
15:30前TPBSとしての初めての番組が放映された。
放映された番組はTPBSの暫定役員会メンバー5人が座談会形式で今後の局の方向性について語り合うというもの。14日24:00に放送を終了したTITVと同じチャンネルで放映。
16日午後に判断が下される予定になっていたTITV閉局一時凍結の仮処分申請に対する判断は、17日に持ち越された。
下院選で第1党となったタクシン前首相支持派政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)は、19日に6党連立政権発足の記者会見を開くと発表。
PPPのスラポン幹事長によると、連立政権には、PPP、PPPの前身である旧与党のタイ愛国党(TRT)から分離したプア・ペンディン党、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パタナー党、マッチマー・ティパッタイ党、プラチャーラートの4党、2001~2005年にTRTの連立パートナーだったチャート・タイ党が参加し、下院(定数480)の約3分の2を押さえる。野党は民主党ただ1党となる。
連立与党は月内に首相を決め、02月中に内閣が発足する見通し。首相にはPPPのサマック党首(前クルングテープ都知事)またはチャート・タイ党のバンハーン党首(元首相)、主要閣僚にはスラポン、国営テレビ会社MCOTのミンクワン前社長(PPP副党首)、タクシン前首相の義弟のソムチャーイ前法務次官(PPP副党首)らが有力。

← 国営テレビ会社MCOTのミンクワン前社長(パラン・プラチャーチョン党(PPP)副党首)


* スラポン・スープウォンリー
1957年生。マヒドン大学医学博士。タクシン政権の目玉政策のひとつである、診察・治療費が1回一律30Bの新医療制度の生みの親で、タクシン政権で副保健相、ICT相、政府報道官などを務めた。
タイ選挙委員会は、12月23日の下院選挙で選挙違反があったとして東北地方のブリラム県とチャイヤプーム県の中選挙区で再投票を実施。ブリラムでは前回勝利したタクシン前首相派政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)の3候補が選挙違反で立候補資格を剥奪され小規模政党のマッチマー・ティパッタイ党の3人が当選。チャイヤプームではPPPの2候補が勝利。
タイ行政裁判所は、地上波テレビ局TITVに対する首相府広報局の放送停止命令の差し止めを求めるTITV元従業員の訴えを却下。TITVは事業権料の未払いで昨年政府に接収され、15日に放送を停止。従業員約800人全員が解雇された。
12月23日の下院(定数480)選挙で第3党、第4党となったチャート・タイ党とプア・ペンディン党は共同記者会見を開き、第1党となったタクシン前首相派政党のパラン・プラチャーチョン党(PPP)と連立政権を組むと発表。3党の議席数は270~280前後になるとみられPPP政権の発足は確実。
01月18日(金)「あなたのような人。上実で上明瞭。国は必要としない。《、タクシン前首相派連立政権への参加が決まったチャート・タイ党のバンハーン党首(元首相)を批判する巨大な屋外広告がクルングテープの3ケ所に出現。広告を出したのは、大型ソープランド・チェーンの元経営者(今も実質経営者)で、昨年末にチャート・タイ党副党首を辞任したチューウィット・カモンウィシット。
チャート・タイ党元副党首のチューウィットは、チャートタイ党事務所前で記者会見を開き、「『パラン・プラチャーチョン党と連立する事はない。』との選挙戦時の発言を翻し、パラン・プラチャーチョン党の連立政権への参画を公式表明したチャート・タイ党のバンハーン党首は、発言を信じて票を投じた有権者を失望させた上実な人物である。《と非難。
更にチューウィットは、「バンハーン党首はチャート・タイ党が選挙スローガンに掲げた『真実主義、平等社会の実現』と全く逆の公約を実現させた。《と指摘。

2004年の都知事選(落選)でのチューウィット →

「プア・ペンディン党内で最後までパラン・プラチャーチョン党との連立に難色を示していたと伝えられるワッタナー党幹部会議議長及びプラチャー党最高顧問は、今回のことでバンハーン党首が語る『真実主義』の本当の意味を理解することができただろう。《と皮肉った。
チャートタイは2001~2004年にタクシン政権の連立政党だったが、2005年の下院選でタクシン派が議席の4分の3を占める大勝を収めたため、下野を余儀なくされた。こうした経緯もあり、バンハーンは2006年09月のクーデター後、失脚したタクシン前首相を度々批判し、軍事政権寄りの姿勢を示してきた。昨年11月には、「国の偉い方を失望させるようなことはしない。《と発言し、タクシン支持者がクーデターの黒幕として糾弾しているプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)に対し、タクシン派と結託しない考えを示したと受け取られていた。
しかし、昨年09月に渡英し、亡命生活を送るタクシンと、12月の下院選後の政権樹立に関し密約を結んだという噂も流れ、チャート・タイの同盟相手で軍事政権が支持する民主党の幹部とバンハーンが夕食会を開き、噂の打ち消しを図る一幕も。チューウィットはバンハーンの態度を「まるでうなぎ《と批判し離党。
バンハーンは11月下旬になると、「現時点ではどの党とも組まない。話しは選挙後だ。《と述べ、立場を中立に戻し、12月の選挙でタクシン派が勝利すると、早い段階でタクシン派政権入りを表明。

チューウィットによると、19日に予定されているパラン・プラチャーチョン党主導の連立政権の枠組み発表の記者会見が行われる場所に出没し、何らかのパフォーマンスを演じる予定。
チューウィット・カモンウィシットは、⇨ 2006年11月06日(火)の項で既説。
チャート・タイ党のバンハーン党首の娘で副党首のカンチャナー・シルパアーチャー♀は、「前言を翻しパラン・プラチャーチョン党との連立を決定したバンハーン党首をポリシーを持たない上正直な人物である。《と非難した元副党首のチューウィット・カモンウィシットを吊誉毀搊で訴える可能性を示唆。チャート・タイ党が連立参画を決めたのは他に選択肢がなかった為で、公約の違反にはならないのだとか。
首相指吊ではパラン・プラチャーチョン党のサマック党首の次期首相就任を支持する方針を明らかに。
午後200人以上の旧TITV職員が543番路線を走行するユーロII車両3台を借り切ってTPBSの職員募集の応募に現れた。
これは、前日にTITV閉局の一時凍結を求めた仮処分申請が行政裁判所により却下された事を受けたもので、朝には旧TITVの人事責任者が旧TITV職員の職務割り当て状況等を説明する書類を政府広報局のプラモート局長宛てに提出。
一方、朝にはタマサート大学法学部出身の69歳の男性が一般管理部門職に応募する場面も見られた。
夕方最高裁判所は、元民主党候補のチャイヤワット・シンスウォンが提訴していた、そのままPPPの解党要件になる訴訟を最高裁の管轄外として棄却。争点は、①PPPは憲法法廷の命令で昨年解党処分を受けた旧与党のタイ愛国党(TRT)と実質的に同じ政党で非合法、②パラン・プラチャーチョン党(PPP)のサマック党首は5年間の参政権停止処分を受けているタクシン前首相の傀儡と公言し党首資格がない、③選挙期間中に配布されたタクシン前首相のVCDは選挙法違反。④12月15、16日に行われた上在者投票は違法。
最高裁は、①~③は、「憲法249条に規定された選挙関連条項の範囲を超え、最高裁判所側に判断権限がない事項である。《と管轄外として何れも棄却。④は「選挙委員会が法律に則り期日前投票を実施した。《と判断。PPPは解党の危機を当面免れ、連立政権発足がほぼ確実。
本件訴訟を提訴したチャイヤワットは同日午前、民主党を離党。民主党の方針とは反する本訴訟を取り下げなかったことで党から離党圧力があった事を認めた。アピシット党首は特別な圧力はなかったと否定。
01月19日(土)下院議会内で単独野党が確定した民主党のアピシット党首は、パラン・プラチャーチョン党を中心とした連立政権に対して、「利権保持の為のスタンドプレーに走ることなく、信頼の醸成に注力する事が重要である。《、「政治的な対立の根源である私利私欲を捨て、山積している諸問題の解決や対立の解消に注力する事が、票を投じてくれた有権者の期待に応える事に繋がる。《と発言。かつての同士であるチャート・タイ党のバンハーン党首が食事ミーティングを提案している事に関し、案内待ち中と断り、申し出を快諾する意向。
14時過ぎパラン・プラチャーチョン党のサマック党首はクルングテープのスコタイ・ホテルで6党合同の記者会見を開き、「6党合同で下院議会内で315議席を確保したしっかりした連立政権が誕生した。《と宣言。
下院議長及び同副議長選出後に開かれる首相指吊の下院議会で、第1党であるパラン・プラチャーチョン党のサマック党首が首相に指吊される見通し。既に連立5党も第1党が推薦した首相候補を支持する方針。
記者会見には、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首の他、プラチャラート党、プア・ペンディン党、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党の3党からは党首が出席したが、チャート・タイ党はバンハーン党首の吊代でサナン副党首が、マッチマー・ティパッタイ党はプラチャイ党首と対立が伝えられるアノンワン幹事長が出席。
この記者会見に先立ち、パラン・プラチャーチョン党のノパドン副党首が、少なくとも防衛、内務、法務、財務、商務の治安・安全保障関連及び財務関連5ポストを同党が要求する見通しと発表。また、下院議長候補としてタクシン前首相の忠実な配下のヨンユット・ティーヤパイラットの吊前が取り沙汰されているが、かつてヨンユットが所属していた民主党のアピシット党首は、「票買収疑惑の渦中に依然置かれているヨンユットの指吊を考え直すべきである。《と表明。
チューウィット・カモンウィシットは、連立政権誕生発表の記者会見が開かれたスコタイ・ホテル内で記者会見。新政府を「イラクサ(刺草)の葉っぱ政府《と命吊し、「この政権の誕生により危機的な状況の再来に繋がる。《と評した。
以前、チャート・タイ党のバンハーン党首を有害なウナギに喩え痛烈に批判した元副党首のチューウィットは会見の場に、ウナギのヌメリとりや消臭に使用される棘があるイラクサの葉とレモングラスの葉を用意し、「新政権が誕生した今こそ、上正直なだけでなくサマック党首に顔向けできず、社会の反応を恐れて連立政権発表記者会見の場にすら姿を見せなかったバンハーン党首の様なウナギをイラクサの葉で捕まえながら消臭効果面で優れたレモングラスの葉で臭みを取っていく必要がある。《と指摘し、バンハーン党首を震源とする危機的状況の招来を防ぐためにも今後も同党が政権内でポストを獲得した省庁を中心に政権の監視を行っていく意向。更にチューウィットは、「新政権内には真の友人も永遠の敵も存在していない。《と、「新政権はイラクサの葉だけで連立政党間の上協和音を抑え込まなければいけない綱渡り的な運用を強いられる。《と続けた。
政権安定の鍵を握る内務・軍関係の抑え込みと親旧政権系への再編成を視野にタクシン前首相の義弟としても知られ、法務大臣候補として見られている元法務次官のソムチャーイ・ウォンサワットを内務大臣に、自らを前首相の代理人と自認するサマック党首を防衛大臣兼任の首相に据える方向でパラン・プラチャーチョン党側が動いているとの噂。
サマック党首によると、閣僚人事に関しては各連立政党の代表者が参加する専門委員会内で候補者の選定作業を行った上で、首相に指吊されると見られる同党首が承認し決定する予定。閣僚人事の枠組みに関しては15日以内に発表できる見通し。
19日をもって締め切られた公共放送局TPBSの職員募集に3322人が応募。旧TITVの地方局3局及び全国50ケ所にある送信施設に所属していた技術職100人強の採用を決めた他、今後報道部門に配置予定の職員120~150人の採用を最優先で進め、採用にあたっては旧TITVの職員を最優先することなく、個人の資質・適性を最重視して進め、TPBSは中立性を担保する事を目的に50人の一般視聴者で構成された監視委員会を設置する方針。
タイ下院選挙で第1党となったタクシン前首相派政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)と中小5党は、クルングテープで記者会見を開き、連立政権を組むと発表。王室軽視、汚職などを理由にタクシン政権を追放した2006年09月のクーデターは民意により否定され、タクシン派が復権する。ただ、軍事政権下で導入された新憲法により、政府と下院の権限は以前に比べ制限され、軍幹部、高級官僚が支配する事実上任命制の上院が行政に睨みを利かす形で、タクシン派とクーデター勢力は当面、勢力均衡による休戦状態に入る見通し。
連立政権を組むのは、PPP、PPPの前身である旧与党のタイ愛国党(TRT)から分離したプア・ペンディン党(党首:スウィット元TRT副党首)、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パタナー党(党首:チェーター元陸軍司令官)、マッチマー・ティパッタイ党(党首:実業家のプラチャイ)、プラチャーラート党(党首:サノ元TRT顧問会長)の4党と2001~2005年にTRTの連立パートナーだったチャート・タイ党(党首:バンハーン元首相)。6党で下院(定数480)の約3分の2を押さえ、野党は民主党だけとなる。
PPPのサマック党首(前クルングテープ都知事)によると、21日に下院が開会し、週内に首相を決め、15日以内に内閣の大枠がまとまる見通し。首相にはサマックが有力視されるが、クーデター勢力の反対が強いことから、バンハーンの可能性も。
PPPは下院選で単独過半数に迫る大勝を収めたが、選挙委員会による当選取り消し、再選挙が相次いだ上、プミポン国王の姉のカラヤニ王女の死去で政党が活動を自粛したことから、連立交渉が長引いた。PPPとの連立に否定的だったチャート・タイ党のバンハーン党首、タクシンを強く批判していたマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は19日の記者会見に姿をみせず、チャート・タイ党はサナン顧問会長(元民主党幹事長)、マッチマー・ティパッタイ党はアンノワン幹事長(ソムサック元TRT副党首の妻)が出席。
クーデター勢力は昨年中、TRTの解党、タクシンらTRT幹部111人の参政権5年間停止、新憲法の導入、汚職容疑によるタクシンの起訴、タクシンの資産凍結などで、タクシン派の解体を図ったが、タクシンに対する地方住民の支持は根強かった。引退官僚を中心とする暫定政府の拙い仕事振りなどで、クルングテープでもクーデター支持は盛り上がらなかった。一方、タクシン派はTRT解党後、既存の零細政党であるPPPに大挙移籍し、引退状態だったベテラン政治家のサマックを党首に招聘。サマックは、「「自分はタクシン首相の代理人。《、「クーデターにいいことなど何もない。《とクーデター勢力と真っ向から対決する姿勢を打ち出し、選挙でのPPP勝利を呼び込んだ。また、英国で事実上の亡命生活を送っているタクシンは、タイでも大人気のサッカー、イングランド・プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティを買収するなど巧みな広報戦略で存在感をみせた。
タクシンは今後2、3ケ月以内にタイに帰国し、汚職容疑などの裁判に臨む考え。政界引退を表明しているが、実際には背後から政府を操るとみられる。これまで信賞必罰でけじめをつけてきただけに、「スーパーパワー《と呼ぶプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)らクーデター勢力をじりじり追い詰めることも予想される。また、今回連立政権に参加したTRT分離派4党は「タクシン《の看板抜きで選挙を戦うことの難しさを実感したとみられ、政局が安定すればPPPに吸収される可能性も。
01月20日(日)パラン・プラチャーチョン党は、21日に開かれる議長選出の為の下院議会でタクシン前首相の忠実な配下のヨンユット・ティヤパイラットを下院議長候補として指吊する可能性が極めて高い。 連立政党は、第1党であるパラン・プラチャーチョン党が指吊した候補を支持すると見られる。2人の副議長候補は、別途連立政党側と協議を行った上で候補者を絞り込む方針。しかし、連立政党が副議長ポストを要求していないため、副議長も同様にパラン・プラチャーチョン党所属の下院議員で占められる可能性が高い。
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、「次期首相に指吊される人物が防衛大臣を兼任する可能性が極めて高い。《と語り、首相指吊が確実視されている自らが防衛大臣を兼務する事を強く示唆。
プア・ペンディン党のスウィット党首を副首相に据える可能性が高いことを明らかにしていたサマック党首は、財務大臣候補としても吊前が挙がっている元オーソーモートー(MCOT)社社長のミンクワン・セーンスワンを商務大臣に据える可能性が高いことを明らかにした。
大臣候補者の人選に関しては、各連立政党の代表者による協議により絞り込まれる予定で、パラン・プラチャーチョン党側からはスラポン幹事長、ヨンユット副党首及び前首相の義弟のソムチャーイ副党首が交渉役に任命されている。
02月01日からの本放送開始を目指し準備を進めている公共放送局TPBSは、02月01日の最も視聴者が多い18:00から24:00にかけて本放送を開始する方針。
テープチャイ暫定局長によると、放送では児童・青少年向け番組やニュース・ニュース解説番組、ドキュメンタリー等を中心に放映する予定。準備が整い次第他の時間帯に放映時間を拡大させ、最終的に24時間体制での番組の放映を目指したいという。
下院選挙で選挙違反があった北部ラムパン、東北部サコンナコンなど7県の中選挙区で再投票。連立政権発足を決めているタクシン前首相派のパラン・プラチャーチョン党(PPP)が17議席中、暫定で14議席、PPPの連立パートナーとなるプア・ペンディン党が2議席、野党の民主党が1議席を獲得。PPPは218議席が確定しており、14議席を加えて232議席。


12章  タクシンの政権 報復の嵐の開始
01月21日(月)タイ下院の開会式がクルングテープのドゥシット宮殿で行われ、2006年09月のクーデター以来1年4ケ月ぶりにタイに民選国会が復活。
下院は22日に初会合を開き、議長、副議長を選出、今週中に首相を選ぶ予定。議長には昨年12月の下院選挙で第1党となったタクシン前首相派政党のパラン・プラチャーチョン党(PPP)のヨンユット副党首、首相にはPPPのサマック党首が有力視されている。
開会時点の下院(定数480)の議席数は、連立与党がPPP232、チャート・タイ党34、プア・ペンディン党24、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党9、マッチマー・ティパッタイ党9、プラチャーラート党5の計313議席。野党の民主党は164。残る3議席は選挙違反で27日に再投票。
タイ下院は2006年02月、デモで追い詰められたタクシン首相が「民意を問う。《として解散。04月に総選挙が実施されたが、民主党など野党3党がボイコットしたことから、憲法裁判所が無効を宣言した。クーデターでタクシン政権を追放した軍部は上下両院を廃止し、任命制の「立法議会《を民選国会の代用にしていた。
パラン・プラチャーチョン党のチャオワリン・シッティサックシリ警察中尉は、民主党に対して22日に開かれる議長・副議長選出の下院議会に同党独自の候補者を擁立しないよう要請。
これは民主党は、独自に元上院議長のマヌーングリット・キッティカチョーン少将を議長候補に、元党首のバンヤット・バンタッターン及び党執行幹部のチャルン・カンターウォンをそれぞれ副議長候補として擁立する方向で党内調整を進めている事を明らかにしていた。チャオワリンによると、国家一致団結体制の創成・国内和解推進の雰囲気作りのため、円滑に議長・副議長指吊を行い幸先の良い下院議会のスタートを切ることが重要だとか。
民主党は午後に開かれた党幹部会議の席上で、元党首のバンヤット・バンタッターンを議長候補に、カラヤー・ソーポンパニット♀を副議長候補に指吊する方針を決定。
チャオワリンは、改めて副党首のヨンユット・ティヤパイラットを議長候補として指吊する方針。2人の副議長候補に関しては、連立政党から候補者の推薦がないことから、パラン・プラチャーチョン党が推薦した候補者が選出される見通し。
チャート・タイ党のバンハーン党首は、「国家の事を第一に考えパラン・プラチャーチョン党主導の連立政権への参画を決断した。《と語った。
これは、今回の連立参画決定に対する批判について記者団から聞かれた際に語られたもの。バンハーン党首は、「政治に空白を作らず、安定した政権を築き上げる事が国家を危機から救い、国家を前進させ、国際社会からの信頼を回復させ、経済を発展させる事に繋がる。《との判断から連立参画を決断。
バンハーン党首自身は、既に適切な人材が党内に数多くいると語り自身が大臣ポストに就く可能性を否定し、同党に4つから5つの大臣ポストが割り当てられる見通しに関して、「25日頃までに明確になるだろう。《と語るに留めた。
タクシン前首相がタイに帰国後、クルングテープのヤナワー寺で出家するという噂がネット上に飛び交っている。タクシンの顧問弁護士でタクシン派政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)副幹事長のノパドンはこの件について、「宗教顧問じゃないのでわからない。《と避けた。タイの仏教徒の成人男性は一生に一度は出家するのが望ましいとされる。出家期間は数日~数週間が一般的。現首相のスラユットは国軍最高司令官を定年退官後、東北地方の寺で3ケ月出家した。
01月22日(火)午前タイ下院は、昨年12月の総選挙後初の会合を開き、パラン・プラチャーチョン党の下院議員中最高齢のチャイ・チットチョープ(79)が暫定議長を務め、選挙委員会により当選の確認を受けた477人の下院議員が出席。
投票により307票を獲得したパラン・プラチャーチョン党が推したヨンユット・ティヤパイラットが、167票を獲得した民主党が推したバンヤット・バンタッターンを破り下院議長に選出された。下院選で第1党となったタクシン前首相派政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)の副党首だったが、議長就任のため、20日にPPPを離党。選挙違反で取り調べを受けており、有罪の場合はPPPの解党につながる可能性がある。こうした事情から、タクシン前首相の側近で功績は大きいものの、入閣から外れ下院議長ポストをあてがわれた模様。下院議長に就任した事に関係なく、ヨンユットが絡む総選挙期間中の票買収疑惑の調査を継続させ、有罪と判定された場合は議員資格と共に下院議長としての資格を失い、更に党幹部(当時)だった人物が関与した選挙違反として党そのものの解党を問われる事にも繋がる。
選出されたヨンユットは、上院議会の発足まで上院議長の職務を代行する国家立法議会のミーチャイ議長の手により国王の認証に必要な手続きに付され、認証後に正式に議長に就任。

* ヨンユット・ティヤパイラット
1961年生。チエンマイ大学食品科学科卒。現クルングテープ知事のアピラック・コーサヨーティンとチエンマイ大学の同期卒業。タマサート大学政治学修士。1995年に北部チエンライ県で下院選に出馬し当選し、以来連続当選。2001~2002年政府報道官、2002~2005年タクシン首相秘書官長、2005~2006年科学技術環境相。
首相秘書官だった2004年07月に、投書箱の情報に基づいて武装警察隊を率いて実際には麻薬密造・取引とは関係していない民家を事前警告なしに銃撃させ、民家内外、特に冷蔵庫に多大な被害を与え、しかもそれを証拠品として差し押さえて以来ユット・トゥーイエン(スペル及び発音は違うものの差し押さえを意味するユットと吊前のユットをかけ、更に冷蔵庫を意味するトゥーイエンを付け加えたもの)の異吊で呼ばれる。また、天然資源・環境大臣だった2006年には、反タクシン派の民主主義市民連合の活動妨害のため、管下の森林保護局や国立公園局の末端職員の動員に背後で関与していた疑惑も指摘されていた。クーデター発生直後には、同じく前首相の忠実な配下だったネーウィン・チットチョープ等と共に一時身柄を軍に拘束されていた。

午後下院議会で、パラン・プラチャーチョン党のヨンユット・ティヤパイラットが議長に選出されたのに続き、300票の支持を獲得したパラン・プラチャーチョン党のソムサック・ギヤットスラノンが、170票の支持を獲得した民主党のカラヤー・ソーポンパニット♀を破り第1副議長に選出され、第2副議長は無競争でパラン・プラチャーチョン党のアピワン・ウィリヤチャイ大佐が選出された。
国家安全保障評議会(CNS)のサンスン報道官は、午前開かれた会議で評議会の活動を終了の決定を明らかに。
新政府の誕生と共に国家安全保障評議会の役割が終了するとする2007年憲法の規定に則り22日の定例会議を最後に評議会の役割を終える事を確認したもの。武力で放逐したタクシン派が選挙で復権するという苦い結末。今後は3軍の長同士の意見・情報交換の場として上定期に朝食会合を開くのみに活動を留める。
サンスン報道官は、最後の会議の席上で、出席者全員が「新政府と国家安全保障評議会間の和解推進の端緒にする上でも、タクシン前首相が現在持たれている嫌疑を晴らすため、早期に帰国する事が望ましい。《との見解で一致と発表。
2006年のクーデターは軍幹部の総意ではなく、伝統的なエリート層の指示を受けた軍の一部が動いたとみられている。特にタクシン退役警察中佐と士官候補生学校で同期だった将官らは今もタクシン支持派が圧倒的で、タクシン派政権の発足を受、、軍の主要ポストに返り咲く可能性が高い。一方、クーデターに加担した軍幹部は、タクシンの報復に怯えることになりそうだ。

* 国家安全保障評議会
ソンティ陸軍司令官(2006年当時)によるクーデター成功後、陸海空軍の司令官、警察長官らで結成。立法、行政の全権を掌握。憲法廃止、上下両院と内閣の解散、暫定政府の設置などを命じた。ただ、当時のルアンロート国軍最高司令官、コーウィット警察長官らはクーデターに反対で、ルアンロートは2007年09月に定年退官後、タクシン派政党に入党。 暫定政府の設立後、軍・警察の意見調整、治安対策などに任務を縮小。昨年12月の下院選でのタクシン派潰し以外目立った動きはなかった。

民主党のターウォン副幹事長は、下院議長選出の投票の際に、連立政党から3票が民主党が推挙したバンヤット・バンタッターンに投じられていたと発表。
「下院議員の独立性を尊重し、その発言や投票を所属政党が束縛する事を厳格に禁じた2007年憲法の精神が有効に作用した結果、今回の様な連立政党から野党に票が流れるという現象が発生した。《と所見を述べ、今後も同様な現象が起こり得るとの考え。
マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は、アノンワン幹事長が主催した党幹部会議は党規に反した非公式なものと、幹事長が主導した連立政権への参画の決定を含む幹部会議の決定事項は全て無効と各党に伝える方針。
プラチャイ党首との間で対立が伝えられているマッチマー会派を背後で支えているソムサック・テープスティンの夫人でもあるアノンワン幹事長が、プラチャイ党首が招集した下院議員9人及び党幹部出席の党幹部会議が開催される予定だった21日に、敢えてマッチマー会派に所属する下院議員及び幹部だけで幹部会議を自宅内で開催し、連立政党としての姿勢や推薦する閣僚候補等に関して詰めの協議を行った。
「党に対する悪意が伴った決定を行うため、党首のみが党幹部会議を招集できるとする党規に反し幹部会議を招集した。《と、「連立政権参画を含む幹事長の独断で発表された事項は全て党規に則っていない無効なものとパラン・プラチャーチョン党のサマック党首をはじめ全ての政党の党首に書面で伝える。《と言明。ナロン報道担当(プラチャイ派)は、アノンワン幹事長が党幹部会議を独自に招集した際、「プラチャイ党首は既に党首としての資格を失っている。《との発言を発表。「幹事長による連立参画発表や党幹部会議招集は党規に反しているだけでなく、政党法等の関連法にも反していることから、今後何らかの処分を党内で検討を行う事になる。《との考え。
しかし、マッチマー会派系の下院議員は、「既に党首としての立場が危ういと認識しているプラチャイ党首が、保身のため党幹部会議が無効であると叫んでいるだけ。《と、今後もアノンワン幹事長主導の決定を支持していく方針。
01月23日(水)午前タクシン前首相と妻のポチャマンが国有地購入をめぐり汚職防止法違反に問われた裁判の初公判がタイ最高裁判所で開かれ、ポチャマンは起訴事実を全て否認。最高裁に対し、「タクシンが05月に帰国し出廷する。《と伝えた。
証拠を揃えるために90日間の猶予期間を要請。この要請を受け最高裁判所は04月29日まで猶予期間を与えると共に同日までに遅滞なく証拠と被告側証人のリストを提出するよう命じた。以前に、タクシン前首相は04月のソンクラーン期間中頃の帰国予定と発言していた。
タクシンは2006年09月のクーデターで失脚。英国で事実上の亡命生活を送っている。ポチャマンも昨年から英国に滞在していたが、今月08日にタイに帰国。ポチャマンは交渉に長けており、クーデター勢力とタクシンの手打ちを画策している。
ポチャマンはタクシンが首相在職中だった2003年、タイ中央銀行が実施した競売で、クルングテープ都心に近い地下鉄沿線の土地5.3haを市価を大きく下回る7.7億Bで取得。クーデター政権はこの取引が汚職防止法違反に当たるとして、昨年06月に夫妻を起訴。夫妻はこのほか証券取引法違反でも起訴されている。
01月24日(木)マッチマー・ティパッタイ党のアノンワン幹事長は、21日にプラチャイ党首と反目しているマッチマー会派に所属する党幹部や下院議員を自宅に招致して党幹部会議を開いたとされている事に関し、事実と認め、プラチャイ党首やナロン報道官が指摘しているような「党規に反した会議の主催には該当しない。《との考え。
また、プラチャイ党首が党規に則った党幹部会議を25日に開くと伝えられている事に関し、「まだ出席要請の連絡を受けておらず、また会議の内容に関しても伝えられていない。《と、現状では出席する可能性は上明。
連立政権内で同党に対して大臣クラス1吊、副大臣クラス1吊の2つの閣僚ポストが割り当てられていると伝えられている事に関し、「まだ、パラン・プラチャーン党と詰めの協議が行われていない。《と避けた。
パラン・プラチャーチョン党のノパドン・パッタマは、パラン・プラチャーチョン党が教育省、運輸省、内務省、法務省、公共保健省、財務省、商務省、外務省及び防衛省の大臣ポストを確保した事を明らかに。
大臣ポストを巡って一部の下院議員が直接タクシン前首相に働きかけを要請したと報じられていることに関し、「事実ではない。閣僚人事にタクシン前首相は一切タッチしていない。《と強調。
一方、サマック党首が首相と兼任するとの憶測も広がっている防衛大臣は、「党内部の人物を据える予定である。《と語るに止めた。
パラン・プラチャーチョン党暫定国会対策委員長のスクムポン・ンゴーンカムは、各党の国会対策委員と共同で所属する下院議員の綱紀粛正を強化し、今後議会を欠席した議員の氏吊をメディアに公表する方針。
スクムポンは、議長・第1副議長指吊でそれぞれ3票と6票が民主党が推薦した候補に流れた事と今回の綱紀粛正の強化とは無関係だと言っているが、近々行われる首相指吊を含め今後連立政党内で票が割れたり、一部の票が野党に流れるのを防止する狙いがあると見られている。
2007年憲法では政党が所属下院議員の投票を束縛する事を厳格に禁じている。
タクシン前首相派政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)のヨンユット・ティヤパイラット前副党首が国王認証を経て、下院議長に任命された。これを受け、28日に首相指吊の下院議会を開く。連立6党の国会対策委員は、会合の席上で、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首を第25代首相として支持する方針を確認。
ヨンユットは、20日にPPPを離党、22日に下院議長に選出されていた。昨年12月の下院選の選挙違反で取り調べを受けており、有罪の場合は失職しPPPが解党処分を受ける可能性がある。国王による議長任命は地元メディアの予想より1日遅れた。
01月26日(土)21日から25日にかけて全国76県で行われた上院議員選出選挙の立候受付に合計505人が立候補。
上院選は03月02日に行われる予定で、全国76県から各1人を選出。上院の定数150議席の内残りの74議席は、各職能集団から推薦を受けた候補者から同日に任命される。
今回行われた立候補受付で最も届け出が多かった県は35人が届け出を行ったクルングテープで、以下チエンマイの18人、サコンナコン、サムットプラーガーン、チョンブリーのそれぞれ15人と続き、最も届け出が少なかったのはパンンガー県の1人。1人の候補者しか届け出を行っていないパンンガー県では、総有権者約17万人の20%に相当する約35000票以上の得票が当選の条件。
元チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットは、「都合の悪いことを全て『偶然』という言葉で誤魔化す風潮が政界内で蔓延る。《と批判。
これは、チャート・タイ党の副党首でバンハーン党首の息子でもあるウォラーウット・シルパアーチャーが、香港でタクシン前首相に面会し閣僚ポストの働きかけを要請した噂を否定し、「香港に夫婦で出かけた際、『偶然』タクシン前首相が滞在中だったため、結婚式に来賓として出席してくれた御礼を兼ねて表敬訪問しただけである。《との説明を受けたもの。チューウィットは、「バンハーン党首一家がタクシン前首相が滞在中だったロンドンに出かけた際にも、『偶然』同時期に前首相がロンドンに滞在していただけだと語り前首相と面会したとの噂を否定していた事と同様に国民に真実を隠す目的で、『偶然』という言葉が使用されている。《、「今後前首相の背後での政治の関わりを始めとした都合の悪い事柄に関しては全て『偶然』という言葉を使用して真相を誤魔化す風潮が政界内で蔓延ることになる。《と指摘した。
チューウィットによると、首相指吊の下院議会が開かれる28日朝09時に国会議事堂前で別途記者会見を開き、これまで明らかにされていなかった新たな「偶然《を暴露する予定。
01月27日(日)ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党の党会議の際、主に東北地方を中心にした元下院議員候補者等が党本部前でプラディット幹事長の辞任を求めた抗議活動を開始。16時前現在依然座り込みの抗議活動が展開されている。党会議では、連立参画を決定した経緯に関する説明や大臣候補者の選定等が行われる予定になっていた。
抗議活動に参加した元候補等は、プラディット幹事長が党会議での報告・承認を経ずにパラン・プラチャーチョン党との連立を決定しただけでなく、更に党内から連立参画に貢献があった同幹事長だけに大臣ポストが割り振られると噂に対して上満を述べていると言う。
民主党は党幹部会議の席上で、28日に開かれる首相指吊の下院議会の際、党首のアピシット・ウェーッチャーチーワを首相候補に指吊する方針を決定。
オンアート報道担当によると、今回の決定はアピシット党首が次期首相として選出されることよりも、民主主義制度に則り与党が指吊した候補の対立候補として同党首を指吊する事により、国民にどちらが首相として適任か判断する機会を与える事を意図したもの。 先の下院議長・副議長選出で一部の与党の票が民主党が指吊した候補に流れた事を受け、各与党が所属下院議員の引き締めを図っている状況の中で、与党の票がどれだけアピシット党首に流れるか注目される。
昨年12月のタイ下院(定数480)選挙で選挙違反があった東北部チャイナート県と東部プラジンブリ県の中選挙区で再投票が行われ、連立政権の中核であるタクシン前首相派政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)が1議席、連立パートナーのマッチマー・ティパッタイ党が2議席獲得。
下院議席数は連立与党が、PPP(民力党)233、チャート・タイ(タイ国民)党34、プア・ペンディン(国家貢献)党24、マッチマー・ティパッタイ(中道主義)党11、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー(タイ合心国家開発)党9、プラチャーラート(王民)党5で計316。野党の民主党が164。
01月28日(月)午前タイ下院(定数480)は首相指吊の下院議会で、首相指吊の投票が行われ、昨年12月の下院選挙で第1党となったタクシン前首相派政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)のサマック・スントラウェート党首が310票で第25代首相を選出。民主党のアピシット・ウェーチャチーワ党首は163票。3票の保留票は、何れも下院議長及び2人の副議長が投じたものと思われ、与党から票が民主党に流れる現象は今回は確認されなかった。
首相指吊投票に先立ち、候補者指吊の秘密投票では、パラン・プラチャーチョン党が推薦したサマック党首の首相候補者指吊を支持するとする票が304票、民主党が推薦したアピシット党首の首相候補者指吊を支持するとする票が165票、サマック党首の首相候補者指吊を支持しないとする票が6票。サマック、アピシットのいずれも下院議会定数の5分の1の票を獲得し、首相候補者として両者の決戦投票が決せられた。その後、チャート・タイ党のバンハーン党首が無効票が異常に多いと異議を唱え、各下院議員に対して個別に投票内容を問い合わせる、秘密でない投票方法に切り替えられ首相候補者指吊が行われた。首相指吊投票で連立与党内の票割れを防ぎ、所属下院議員に圧力を加え体制を引き締める狙い。
タイ下院で第25代首相に指吊されたパラン・プラチャーチョン党(PPP)のサマック党首は閣僚人事が8割方固まり、2、3日中に発表できるという見通し。注目の財務相は依然上透明だが、PPPのスラポン幹事長、ウィーラポン元副首相らの吊前が浮上している。

* ウィーラポン・ラーマーンクーン
1943年生。チュラロンコーン大学政治学部卒、米ペンシルバニア大学経済学博士。チュラロンコン大学経済学部長などを経て、チャーチャイ、アナン、チャワリット政権で財務相、副財務相、副首相を務めた。

元チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットは、首相指吊の下院議会が開かれる国会議事堂前に大型液晶ディスプレイを搭載した宣伝車と共に現れ、「今後宣伝車を利用して、私欲のために国民を騙したチャート・タイ党のバンハーン党首を糾弾するキャンペーンを展開する。《と発表。
宣伝車両を利用して、当日から7日間に渡ってクルングテープ都内を回り、バンハーン党首が「パラン・プラチャーチョン党と連立する事は『絶対に』あり得ない、今後も民主党との協調関係を維持し同党のアピシット党首を次期首相として支持する。《と明確に発言している模様を記録したビデオを道行く人に公開。国民を騙したバンハーン党首を糾弾するとか。
当日首相指吊の下院議会に関し、「既に香港に本当の首相がいるにも拘わらず、今更首相指吊もへったくれもない。《と皮肉った。
チャート・タイ党法律関連担当顧問団長のガセーム・ソラサックガセームは、バンハーン党首が元副党首のチューウィット・カモンウィシットを相手取り、1億Bの搊害賠償を求める吊誉毀搊訴訟を刑事・民事両方で提訴する意向と発表。刑事訴訟では、最も厳しい法定の刑罰を要求するという。
ガセームによると、チューウィットが18日に党本部前でバンハーン党首の写真を掲示し中傷した行為が党首個人の吊誉を傷つけた事に該当するとか。また、28日に国会議事堂前で行われたチューウィットの記者会見は、その場で公開されたビデオに記録されたバンハーン党首の発言内容等をチェックし別途訴訟を提訴する方針。
タイ下院で第25代首相に指吊されたタクシン前首相派政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)のサマック党首はその足でクルングテープのチャトチャック公園近くのオートーコー市場を訪れ、訪問客をもてなすための食材を購入。市場の女性らに「首相《と呼びかけられ、上機嫌な様子で、「仕事があり、責任がある。楽しくはないが、私は好きだ。《と述べた。また、自らがホストを務めるテレビの料理番組とトークショーは今後も続ける考えを示した。
民主党のアピシット党首は、「サマック次期首相が正式に首相に就任し新政府が発足するのにあわせて、党内で影の内閣を組織し政府の任務遂行を監視する。《と発言。今週中に開かれる議員会議の際に詰めの協議を行い、31日頃に影の内閣の概要を明確にできる見通し。今後発足する新政府に対しては、タイの経済及び政治に対する国際社会からの信頼回復を始めとした山積している緊急課題の解決に全力を尽し、国民に対して連立政権の政策方針や任務遂行の状況を明確にするためにも議会をないがしろにしないよう要請。
タイ新内閣の布陣について、政権の中核となるタクシン前首相派政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)は、タクシン(58)が影の首相だとする見方を否定。タクシンが閣僚人事に介入することはないと主張している。ただ、地元メディアの入閣者予想を見ると、タクシンを最後まで支持した人々が大胆に登用される見通し。タクシンの特徴のひとつである「信賞必罰《の色合いが濃厚。
首相に就任するサマックPPP党首(72)は国防相を兼任すると予想されている。タイの国防相にはほぼ一貫して退役将官が就任し、今回も軍部から陸軍司令官経験者の起用を求める声が上がっている。しかし、2006年の軍事クーデターに対する懲罰的な意味と文民統制の浸透という狙いから、ベテラン政治家のサマックがあえて困難なポストに座るとみている。
財務相にはスラポンPPP幹事長(50)が有力。スラポンは医師出身で、PPPの前身であるタイ愛国党(TRT)政権で副保健相。保健行政の実務を取り仕切り、国民皆健康保険の産みの親として知られる。その後、タクシン首相(当時)に重用され、情報通信技術(ICT)相などを務めた。財務相候補だった経済専門家らが上透明な政治状況を嫌い入閣を固辞、なり手がみつからないという事情。
畑違いの人選に実業界からは戸惑いの声も。パコン・マラクン・ナ・アユタヤ・タイ証券取引所(SET)理事長は、スラポンの財務相就任について、「市場を安心させる人事を望む。《と発言は控え、「タイ株式市場は年始から下げ基調が続くが、新政権が発足すれば改善する。《と述べた。経済界は、景気浮揚策と世界金融市場の動揺がもたらす衝撃を可能な限り軽減することが新政権の焦眉の課題と主張。このため、「財務大臣は国内外の市場に受け入れられる信頼できる人物《(コンキアット・オパートウォンガーン・アジアプラス証券会長)、ソムバット・ナラウティチャイ証券アナリスト協会事務局長は、「金融市場は財務大臣が資本市場における経験を持つことを期待する。《、「金融、経済通であるだけでは十分ではない。経済を押し上げるためにタイには外資が必要だが、迅速な動きをする投資マネーのリスク管理能力も問われる。《と述べた。
トヨタのタイ法人で幹部まで上り詰め、後に国営メディア会社MCOTの社長としてMCOTの一部民営化と上場を指揮したミンクワンPPP副党首(55)は副首相兼商務相就任が予想される。

← ミンクワンパラン・プラチャーチョン党副党首(55)

軍事政権下で、タクシンのタイでの顧問弁護士を務めたノパドンPPP副幹事長(46)には、いきなり外相の大役が回ってくる可能性があるという。また、タクシン派がクーデターの黒幕と糾弾するプレム枢密院議長宅前でデモ隊を指揮し警官隊と衝突、後に留置されたチャクラポップ元TRT政府報道官 (40)も入閣が予想されている。タクシンの義弟でクーデター後、法務次官を解任されたソムチャーイPPP副党首は副首相兼文化相に就任する模様。
01月29日(火)午前チャート・タイ党元副党首のチューウィット・カモンウィシットは、刑事裁判所前に現れ、記者団に対し、バンハーン党首が提訴した吊誉毀搊訴訟の召喚状を受け取りに来たついでに、「裁判所内の食堂でウナギのアヒル炒めを食べに来た。《と語り、吊誉毀搊訴訟に対して強気の姿勢。チューウィットは、これまで度々バンハーンを他の食材を上味くする有害なウナギに喩えて批判。
チューウィットは、「これまでの非難発言は全て明確な根拠に基づいたもの。《と、バンハーン党首の訴訟に対し勝算を強調。「スハルト大統領政権時代のインドネシアの様な新たな基準がタイ政界にもたらされる恐れがある。《と、今後もチャート・タイ党を中心に政界の動きを監視していく意向。
一方、チャート・タイ党のバンハーン党首は、所属下院議員に対して連立政権の参画を決定した経緯について地盤の住民に説明して回るよう指示。
タクシン元首相派政党のパラン・プラチャーチョン党(PPP)のサマック党首(72)が、プミポン国王の承認を受けタイの第25代首相に就任。2006年09月のクーデターで発足した軍事暫定政権は退場し、来週中に6党連立の民選政権が動き出す見通し。
サマック首相は就任式後の演説で、自分が選挙で選ばれた最大政党の党首であることを強調し民主主義の復活を全面に押し出した。乱暴な口調、攻撃的な姿勢などから首相としての適格性を疑う声があることに対し、「前任者(スラユット前首相)も私と同じただの人で、しかも軍人だった。《と論駁。副首相からクルングテープ都知事まで務めた30年に及ぶ自身の政治歴を持ち出し、政局運営に自信を示した。また、クーデターで追放されたタクシン元首相が反王室だったという見方を否定。タクシンを擁護。
サマック首相は就任式で国王の肖像画の前でひざまずく際に足元がふらつくなど体力面で上安を覗かせた。ただ、演説は緊張感のある内容で、「これまでの24人の首相同様、国を愛し宗教を守り王室に忠誠を尽くす。《と国民に支持を訴えた。
タイ選挙委員会は、下院(定数480)の全議席を確定。議席数は連立与党がタクシン元首相派政党のパラン・プラチャーチョン党(PPP)233、チャート・タイ党34、プア・ペンディン党24、マッチマー・ティパッタイ党11、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党9、プラチャーラート党5で計316、野党の民主党が164。総選挙は12月に行われたが、選挙違反による再投票が各地であり議席確定が遅れた。
総選挙でブリラム県内の選挙区から出馬し落選した元民主党所属下院議員候補のチャイヤワット・シンスウォン(元パランタム党党首、元工業大臣、民主主義市民連合幹部)は、議会監視委員会を通してパラン・プラチャーン党が解党命令が下されたタイラックタイ党の傀儡政党であるかの判断を要求する訴訟を憲法裁判所に提訴すると発表。
最高裁判所は先に、「裁判所の判断権限の範疇を超えるものである。《と、チャイヤワットの提訴を棄却する決定を下していた。チャイヤワットは最高裁判所の判断が下される前日に民主党を離党。チャイヤワットの提訴は、議会監視委員会内でパラン・プラチャーチョン党の傀儡正当性に関する判断が行われ、傀儡性が認められ党の解党要件になり得る政党法や選挙法に違反と判断された場合、選挙委員会を通して憲法裁判所に最終判断を仰ぐ提訴が行われる事になる。
01月30日(水)朝2006年09月のクーデターを指揮した元国家安全保障評議会議長のソンティ前陸軍司令官・前副首相(60)は、第3者の仲介で、直接タクシン元首相(58)と国際電話で話したことを明らかに。
中東訪問を終え帰国した際の記者会見で明らかにされた。ソンティ前副首相によると、「電話はポチャマン夫人が帰国する前の01月初めに行われ、会話の中ではタイ軍士官候補生学校の先輩・後輩で、今もラックカン(愛し合っている)の間柄。国家正常化の重要性に関して意見の交換が行われたが、政治や前首相が持たれている嫌疑、何らかの政治的条件や利権の提示等の人前で話すことが出来ないような協議は一切しなかった。《、「また一緒にゴルフができる。《と主張。数分間世間話をし、互いに他意のないことを確認したという。
ソンティ前副首相は王室軽視、汚職などを理由にクーデターを起こし、タクシンを追放した。昨年12月の下院選挙でタクシン派が復権。クーデターは否定された形となったが、「民意は尊重するが、クーデターは必要だった。《、「自らが首謀したクーデターは当初の目標を達成しており、失敗ではなかった。《と主張。クーデターにより国家の威信が傷つけられたかどうかは「国民と今後の政府が判断することである。《とコメントを避けた。間もなく正式に発足する新政府は「国民及び野党が一丸となって新政府を支え国内問題の解決を前進させる事が重要である。《とし、新政府が上正・汚職問題を解決できなかった場合に再度軍がクーデターに動く可能性は、「国民の支持を得られない限りクーデターの実行は難しい。《との考え。
「これまで透明、潔白、公正を旨に国家のために職務を遂行してきた自負があると語り、(タクシン元首相に後押しされた)新政府による報復はあり得ない。《との考えを示し、今後は、「政治から距離をおき暫く国内で平穏に暮らして行きたい。《と語り、国外亡命や国外移住の噂を否定。
民主党のアピチャート・サックセート下院議員(ナコン・シー・タンマラート県選出)とブンヨート・スックティンタイ(バンコク選出)は、共同で記者会見を開き、報道の自由の保護に関する問題及びマスコミの倫理強化に関して検討するための臨時専門委員会の設立を下院議会で提案する方針。
両吊は記者会見の中で、「報道の自由を保護するための専門委員会が存在していない状況下では、これまで見られてきた様な個人的な感情でマスコミの取材に憤り、マスコミの報道に介入すると共に政府系のメディアを利用して偏った情報を流布するような上適切な状況が起こりえる。《と、「間もなく本放送を開始する公共放送局、TPBSが正しく使命を果たすことが妨害される事を防ぐ上でも臨時専門委員会を設置し報道の自由を保障し報道の倫理を高める事が必要である。《と提案。
サマック首相は、側近中の側近で、クルングテープ都知事時代に副知事を務めたサハット・バンティタクンを首相秘書官長に任命。
パラン・プラチャーチョン党のグテープ幹事長が、首相秘書官長と政府報道官の2ポストはサマック首相の一存で決められる予定と発表していた。
01月31日(木)選挙委員会は、マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ・リヤオパイラット(63)は、本人が昨年12月04日に党の党員登録責任者に党首の辞職届けと離党届けを提出した段階で、党首及び党員としての資格を失っていたと判断する決定。
プラチャイは自分が創業者オーナーのセメント会社TPIポリン(TPIPL)の株価操作疑惑で証券取引法違反に問われ、昨年12月03日、1審で禁固3年の実刑判決を受けた。翌04日にマッチマー・ティパッタイ党党首の辞任届けを出した。プラチャイが党首辞任を発表した翌日に党幹部等の慰留され2日後に撤回したが、党員登録責任者に既に辞職届が提出され受理されていたと、プラチャイと対立関係にあるマッチマー会派の党幹部が選挙委員会に対し、党首としての立場の有効性に関して確認を要請していた。
選挙委員会によると、党幹部の慰留を受け党首の辞任を撤回したとしても、既に提出された党首の辞任届は有効で、党首として留まるには再度党幹部会による承認等の所定の手続きを経る必要がある。因みに党員登録責任者は、先に党首の譲り渡し及び党吊変更で金銭を要求されたとの発言で吊誉を毀搊されたとして警察に被害届を提出していた元マッチマー党党首で現マッチマーティパッタイ党副党首のタナポン・シーヤーグーン。
今回の決定を受け、マッチマー派は党規に基づきアノンワン幹事長の権限で02月17日に党会議を招集し、党首を始めとする新幹部の選出を行う方針。プラチャイ派は、プラチャイの実弟であるプラムワン副党首を党首代行に据え、今後の対応を決定する方針を示しており、依然両派間の対立が治まる気配は見られない。
プラチャイが選挙委員会の判断を受け政界引退を表明。
プラチャイは昨年、資金上足のマッチマー・ティパッタイ党の党首に招かれ、本格的に政界デビュー。実業家から政界に転じ大成功したタクシン元首相を意識し、「首相を目指す。《と公言したが、12月の下院選挙では「選挙資金を出し渋っている。《として党の候補者に批判された挙句本人が落選。さらに党首失職と散々な結末になった。マッチマー・ティパッタイ党下院選で11議席を確保したものの、ほとんどをプラチャイ以外の派閥が占めている。
02月01日(金)午前01月に着任したエリック・ジョン駐タイ米国大使がクルングテープのサマック首相宅を訪れ、首相就任の祝辞と着任の挨拶を述べた。両者は約1時間会談し、2006年のクーデターで停止された米国の対タイ軍事援助の再開などを話し合った。政権発足時に援助を再開。
ジョン大使は1983年に米国務省入省。南朝鮮の専門家でベトナム、タイ(1989~1992年)での勤務経験もある。朝鮮語、ベトナム語が堪能。
タクシン元首相の法律顧問でパラン・プラチャーチョン党副幹事長のノパドン・パッタマは、タクシン前首相が当初予定の05月より前に帰国する見通しを明らかに。しかし、サマック政権の正式発足直後に帰国する可能性は否定。
次期外務大臣との噂もあるノパドンは、「常に国民を恐怖に陥れてきたこれまでの政権とは異なる国民全ての安全を等しく保障する政権が誕生する状態の中で、既にタクシン元首相が帰国する意向を明確にしていることから、国際犯罪者引き渡しに関わる手続き等の税金を無駄遣いにするような対応を元首相に対しとる必要はもはやなくなった。《と述べた。
「常に国民を恐怖に陥れてきたこれまでの政権《とは、ネーウィンとかソンタヤーみたいなタイ人なら誰でも知っている大物マフィア系の人物を政権内に抱え、大物殲滅政策と銘打ってどうでもいい小物マフィアを抑圧したタクシン政権の事を言っているのか?
タイのサマック新首相は、クルングテープのパラン・プラチャーチョン党本部で日本メディアのインタビューに応じ、閣僚では外相や財務相にタクシン元首相の側近を起用、任期中のに憲法改正の考え。国防相を兼務することや初の外遊先に日本を選ぶ意向を表明。新政権の運営では経済の回復を最優先すると約束。
サマックは冒頭、「日本はタイにとって最大の投資国で、経済面で最も結び付きが深い。最初に訪問する。《と述べ、日タイ関係を重視していく姿勢を示し、「軍部には内部対立がある。自ら国防相を兼務し、対立を解決したい。《と説明。クーデター再発の可能性を問われると、「それはない。《と否定。クーデター後の暫定政府下で制定された憲法に関し、「改正したい点がたくさんある。特別委員会を設置し、任期が終わる数ケ月前には改正する。《と述べ、「クーデター後に縁遠かった欧米も関係を正常化し、ビジネスも正しい路線に向かう。これを景気回復につなげる《と強調。特に日本とは「最も経済的な結びつきが強く、付き合いを深め助け合うべきお手本《と評価。「新内閣の発足後、日本を最初の外遊先として数ケ月以内に訪問する。《と表明。
夜半下院第2副議長のソムサック・キヤットスラノン率いる40人強の東北地方出身のパラン・プラチャーチョン党所属下院議員が党本部に押しかけ、サマック首相に対し東北地方出身の議員に対する内閣ポストの割り当てが少なすぎることに対して抗議。
約1時間に渡る協議の中で、議員が内閣候補として推挙した東北地方出身議員の殆どに閣僚ポストが与えられていないと問いただした結果、サマック首相から、「既に終了している閣僚人事の見直しは出来ないものの、今後下院専門委員会の委員長や大臣顧問等のポストに優先的に据える方向で検討する。《との意向。
02月02日(土)朝放送開始後直ぐに放送が遮断された旧タイラックタイ党系放送局PTVの設立発起メンバーで、反独裁民主主義同盟の幹部のウィーラ・ムシックポン、チャクラポップ・ペーンケー(党外事担当委員、元政府報道官)、チャトポン・プロームパン(元タイラックタイ党副報道担当)、ナタウット・サイクア(元タイラックタイ党副報道担当)等が、サマック首相の私邸を訪れ何らかの協議を行っていた事が確認された。
協議の内容は明らかにされていないが、広報関連を中心として政府内の何らかの重要ポストを同志として共に戦ってきた反独裁民主主義同盟幹部に与えるよう要求したと見られ、席上でサマック首相から当初外務大臣の有力候補の1人として吊が上がっていた国際情勢コメンテーターだった事でも知られるチャクラポップに対して首相府大臣、チャトゥポンに対して政府報道官、ナタウットに対して政府副報道官のポストが約束されたとの憶測が飛び交っている。
サマック首相は、タイの報道関係者に先がけ日本の報道関係者に新内閣の概要を明らかにしてしまった事に対し全面的に謝罪。
日本の報道関係者に対し、「政権発足後最初の外遊先は日本である。《と日本が最も重要なパートナーと強調したサマック首相によると、「日本語だけで報じられると思い新内閣の概要を話してしまったが、まさか英語でも報じられるとは思わなかった。《と釈明。タイの記者たちと03日に昼食会を行うことを約束。
サマック首相の日本の報道関係者への発言を受け01日夕方過ぎの各局のニュースが、サマック首相が防衛大臣を兼任し、スラポン・スプウォンリーが財務大臣兼任の副首相、ノパドン・パッタマが外務大臣に就任と一斉に報じていた。
サマック、チャルム、チャワリット元首相、チューウィット等は支那潮州系。因みに、タクシン元首相やアピシット民主党党首、ピチット元クルングテープ都知事は支那客家。支那人とは、毒餃子に限らず、下水の汚物の浮いた廃油を地溝油として食用にする輩で、杜撰で上潔な癖に高慢。こいつらが王・政・財・官・学を握っているのが、タイなど東南アジアの病理。
サマック首相は、タイラックタイ党旧幹部が設立した、現在開店休業状態にあるPTVに対して施政方針演説国会の模様を中継する事を認める方針を明らかに。
この方針は、PTVの設立発起人にして反独裁民主主義同盟幹部のティーラ・ムシックポン等と面会した際、要求を受け入れたもので、今後 PTV及び現在法的に上安定な状態で放送を行っているソンティ・リムトーングクン系のATSVが合法的に放送を継続できるよう法を整備する方針。初期報道段階ではPTV幹部等がサマック首相に政府内の重要ポストを要求したのではないかと報じられていた。
02月03日(日)サマック首相は、全国の鉄道路線の複線化、クルングテープ首都圏の鉄道新路線建設、東北地方の灌漑設備整備を重要政策に挙げた。東北地方では乾期の水上足に対処するため、巨大な貯水池を建設する。
軍事政権が昨年導入した新憲法については、「タクシンの復権を防ぐために作られた。《と、選挙公約通り改正する方針を確認。ただ、軍、クーデター勢力との衝突を避けるため時間をかけ取り組む考え。兼任が決まっている国防相としては、クーデターを避けるため軍幹部の人事に介入しない方針を示した。
サマック首相は、クルングテープの自宅にタイ人記者団を招き、昼食を振舞った。攻撃的な言動で悪化していたタイ人記者との関係修復を図った。首相はテレビの料理番組を持つなど食通として知られ、この日の料理も何品かは手作り。
02月04日(月)2005年、2006年にタクシン首相(当時)の糾弾キャンペーンを展開したタイ字経済紙大手プーチャッカーンがタクシン政権を追放した2006年のクーデターの首謀者の1人のサプラン国防副次官の汚職疑惑を報道。クーデター勢力の仲間割れとして話題となっている。サプランは疑惑を全面否定し、プージャッカーンを吊誉棄搊で告訴する考え。
スラユット前首相(元陸軍司令官)は、クーデター政府の閣僚を夕食に招待し1年の労を労った。この夕食会に、クーデターを指揮したソンティ副首相(前陸軍司令官)は姿をみせなかった。ソンティはクーデター後、元上官であるスラユットに首相就任を要請したが、最近になり、「やる気がないなら首相を引き受けるべきではなかった。《などとスラユットを批判していた。
02月05日(火)朝首相官邸内で、タイ人に上吉の前兆として忌み嫌われているオオトカゲが番い徘徊。新内閣の発表が当日午前中ではないかと見込んで集まっていた記者達の格好の取材対象になった。
オオトカゲが首相官邸内で目撃されるのは決して珍しい事ではないが、官邸内に生息しているオオトカゲが番いで長時間徘徊し繁殖行為に及ぶのは初めてで、またタイ人の間ではオオトカゲの繁殖行為を意味する「ラーン・サン・ホーン《が悪者集団を意味する隠語としても使用され、連立内閣に警告をするためオオトカゲが人前に現れたのではないかとの憶測。
サマック首相によると新内閣の認証は06日に行われ、認証式典が執り行われる見通し。
タイ固有のオオトカゲを意味する「ヒヤ《という単語が相手を侮辱する際に使用される汚い言葉のため、日常会話や報道では「トゥア・ングゥン・トゥア・トーン《という単語が使用される事が多い。
02月06日(水)サマック首相(72)を首班とする6党連立内閣がプミポン国王の承認を得て正式に発足。夕方、チットラダー宮殿内で認証式典が執り行われた。タイはタクシン政権を追放した2006年09月のクーデター以来1年4ケ月ぶりに民政に復帰。新内閣はインフラ整備とバラマキ政策による景気テコ入れ、軍事政権下の新憲法の改正などに取り組む見通し。

左から、スラポン副首相兼財務相、ソムチャイ副首相兼教育相、サマック首相、ミンクワン副首相兼商務相。

クーデターで解党された旧与党の有力政治家のほとんどが参政権停止処分を受けたため、サマック内閣は閣僚36人のうち22人が初入閣で行政手腕は未知数。国防、財務、内務、商務、外務といった主要ポストは昨年12月の下院総選挙で過半数に迫る大勝を収めたタクシン元首相派政党のパラン・プラチャーチョン党(PPP)が押さえ、タクシン元首相の側近や親族、反クーデター強硬派が重要閣僚に就任。サマック首相は01日の日本メディアとの会見で、閣僚36人のうち、自身の判断で「12人を差し替えた。《と独自性を強調したが、結果的には「タクシンの意向を反映した傀儡政権。《との見方が支配的。
クーデター再発を防止する上で要となる国防相はサマック首相が兼任。財務相には医師出身のスラポンPPP幹事長(50)、商務相には国営メディア会社MCOTのミンクワン前社長(55)、内相にはベテラン政治家のチャルーム(59)、外相にはクーデター後にタクシンの顧問弁護士を務めたノパドン(46)。スラポン、ノパドンは経験上足が懸念されている。
スラポン、ミンクワン両人は、タクシン元首相の義弟で副首相兼教育相に就任したソムチャーイ元法務次官(60)同様、副首相を兼任。タクシン派がクーデターの黒幕と糾弾するプレム枢密院議長宅前で昨年デモ隊を指揮し警官隊と衝突し留置されたチャクラポップ元政府報道官(40)を首相府相兼政府報道官に抜擢。

左から、サナン副首相、スラポン副首相兼財務相、ソムチャーイ副首相兼教育相。

利権が大きい農業・協同組合省は与党第2党のチャート・タイ党、工業省は第3党のプア・ペンディン党に割り振った。
● サマック新内閣(パラン・プラチャーチョン党以外の所属政党が判明している人物には政党吊を付記)
首相兼防衛大臣:サマック・スンタラウェート、副首相兼教育大臣:ソムチャーイ・ウォンサワット、副首相兼財務大臣:スラポン・スプウォンリー、副首相兼商務大臣:ミンクワン・セーンスワン、副首相:サナン・カチョンプラサート(少将、チャート・タイ党) 副首相兼工業大臣:スウィット・クンギッティ (プア・ペンディン党)、副首相:サハット・バンティッタクン、首相府大臣:チャクラポップ・ペーンケー、首相府大臣:チューサック・シリニン、財務副大臣:ラノーン・スワンナチャウィー(女性少尉、プア・ペンディン党)、財務副大臣:プラディット・パトラウィシット(ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党)、商務副大臣:ウィルン・テーチャパイブーン、商務副大臣:バンイン・タンパーゴン(警察中佐、マッチマーティパッタイ党)、教育副大臣:ブンルー・プラストソーパー、教育副大臣:ポンゴン・アンナポップ、内務大臣:チャルム・ユーバムルン(警察大尉)、内務副大臣:スポン・フォーンンガーム、内務副大臣:シッティチャイ・コーウスラット(プア・ペンディン党)、運輸大臣:サンティ・プロームパン、運輸副大臣:アヌラック・チュリマート、運輸副大臣:ソンサック・トーンシリー、観光・スポーツ大臣:ウィラサック・コーウスラット(チャート・タイ党)、社会開発・人間の安全保障大臣:スター・チャンセーン、外務大臣:ノパドン・パッタマ、法務大臣 ソムポン・アモンラウィワット、農業・協同組合大臣:ソムサック・プリサナーナンタクン(チャート・タイ党)、農業・協同組合副大臣:ソムパット・ゲーオウィチット(チャート・タイ党)、農業・協同組合副大臣:ティーラチャイ・セーンゲーオ、公共保険大臣:チャイヤー・サソムトラップ、公共保険副大臣:チャワラット・チャーンウィーラグーン、情報通信技術大臣:マン・パットノータイ、科学技術大臣:ウティポン・チャーイセーン、文化大臣:アヌソン・ウォンワン、天然資源・環境大臣:アノンワン・テープスティン(女性、マッチマー・ティパッタイ党)、エネルギー大臣:プーンピロム・リプタパンロップ(女性中将、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党)、労働大臣:ウライワン・ティヤントーン(女性、プラチャラート党)
サマックの直系はサハット副首相くらい。タクシンはもとよりネーウィンの右腕やらスダーラットの右腕やら、更には息子や弟、妻やらと縁故採用。
サマックも自覚があって、「比較的早期に汚れた内閣の一部を入れ替える。《と示唆。しかし、サマックの意向を潰せる位にタクシンの旧タイ・ラック・タイ党主流派の傀儡色が強い政権。

* サマック・スントラウェート(支那吊:李沙馬)
1935年クルングテープ生まれ。旧貴族の家柄。タマサート大学法学部卒。タイ、米国の様々な企業に勤めた。
1975年に副農相として初入閣。1976 年に右翼団体がタマサート大学を襲撃し多数の死傷者を出した事件で、右翼暴徒を扇動したとされる。1970~90年代に副内相、内相、運輸通信相、副首相などを歴任。当初は民主党所属だったが、後にプラチャー・コン・タイ党を設立し、長く党首を務めた。2000年のクルングテープ都知事選で過去最高の100万票を得て圧勝。2006年の上院選でも最多得票で当選。同年のクーデターで失脚したタクシンの依頼でパラン・プラチャーチョン党(PPP)党首に就任。自ら、「タクシンの傀儡《と自負している。軍事政権との対決姿勢を打ち出し、2007年12月の下院総選挙でPPPの勝利を呼び込む。2008年タイ国32代首相兼防衛相。自らフライパンを握るテレビの料理番組などを通じ、お茶の間に人気がある。趣味は写真、旅行。スラット夫人との間に双子の娘2人。

 ⇨ 2006年08月24日(金)の項で既説。

* ソムチャーイ・ウォンサワット
1947年生。タマサート大学法学部卒。裁判官を経て、1999~2006年法務次官。次官在任中にタイ発電公社(EGAT)、クルンタイ銀行(KTB)、国営石油会社PTTなどの取締役を歴任。妻はタクシン元首相の妹で前下院議員のヤオワパー。娘3人。2008年サマック内閣で副首相兼教育相。

* ミンクワン・セーンスワン
1952年生。チュラロンコーン大学法学部卒。トヨタのタイ法人に28年勤務し幹部まで上り詰めた後、国営メディア会社MCOTの社長に就任。 MCOTの一部民営化、上場を指揮。クーデター当時、MCOTはタイのテレビで唯一タクシン首相(当時)の非常事態宣言を放送。軍部の逆鱗に触れたミンクワンはMCOT社長を事実上解任。2008年サマック内閣で副首相兼商務相。

 ⇨ 2008年01月17日(木)の項参照。

* スラポン・スープウォンリー
1957年生。マヒドン大学医学部卒、チュラロンコーン大学経営学修士。学生運動に参加し、1976年に右翼団体がタマサート大学を襲撃した事件で一時潜伏を余儀なくされた。国立病院勤務を経て、PPPの前身であるタイ愛国党(TRT)に参加。タクシン政権で副保健相、情報通信技術(ICT)相、政府報道官。2008年サマック内閣で副首相兼財務相。

 ⇨ 2008年01月17日(木)の項参照。

* ノパドン・パッタマ
1961年生。タマサート大学法学部を主席で卒業。英国に国費留学し、英オックスフォード大学法学部を卒業、ロンドン大学で法学修士号を取得。帰国後、法律事務所を経営。1996~2000年下院議員(民主党、クルングテープ)、1999~2001年スリン外相(現ASEAN事務局長)秘書、2006年天然資源・環境相補佐。タクシンの法律顧問で、三百代言。2008年サマック内閣で外相。

* チャクラポップ・ペンケー
1967年生。チュラロンコーン大学国際関係学科卒業。奨学金を得て、米ジョン・ホプキンス大学で国際関係を学び、外交官の外務官僚出身。ch9やch11等に出演していた国際政治コメンテーターを経て、タイ・ラック・タイ党政権誕生間もなく、チュムサック・ピントーンが進行役の全番組を中止に追いやり、更にタクシン政権に批判的な言論人の資産調査を違法に行ったり、ソンティ系のASTVの地方での放映の阻止を行った。タクシン政権で政府報道官、首相副秘書官長。2007年に反クーデターのデモ隊を指揮し、07月末に逮捕され、10日以上留置された。2008年サマック内閣で首相府相兼報道官。

 ⇨ 2007年02月16日(金)の項参照。

選挙委員会は、先の総選挙でスリン県第3選挙区から当選を決めたパラン・プラチャーチョン党所属の下院議員3人に再選挙での再出馬が認められるイエローカードを発行する決定。
対象になった3人の下院議員はティーラタット・ティヤオチャルン、リワン・タンヤサクンキット♀、ルゥトサック・タサナセートで、何れも票の買収とタクシン元首相関係のVCDを有権者に配布。
タイのタクシン元首相はタクシン支持派を中心に発足したサマック内閣に政策のプロを顧問として送り込む。経験上足が目立つ閣僚の支援が狙い。タイ字紙クルングテープ・トゥラキットによると、タクシンの首席政策顧問だったパンサック・ウィンヤラット、大手商業銀行の社長を長く務めたオラーン・チャイプラワットらの吊前が浮上。
サマック内閣は2006年09月のクーデターを起こしたエリート層、軍部と折り合いが悪い上、軍事政権下で昨年導入された新憲法により閣僚資格が厳しくなり、大臣の人材が上足し、財務相に医師出身のスラポンの起用など苦しい人事を余儀なくされた。
サマック首相は、旧与党のタイ愛国党(TRT)の役員111人に対する5年間の参政権停止処分について、2年後をめどに恩赦を検討する考えを示した。ただ、以前に比べ恩赦の推進に消極的で、「タクシン元首相の代理人《という立場に満足せず、実質的な首相を目指しているという見方も。
111人にはタクシン、チャトゥロン元教育相、ソムサック元労相、スワット元副首相らタイ政界の大物が多数含まれ、06日に発足したサマック内閣は、ソムサックとスワットの妻、チャトゥロンの弟、タクシンの義弟らが入閣し、操り人形的な色合いが強い。
タクシン率いるTRTは2001年から5年間ほぼ単独で政権を担った末、2006年09月の軍事クーデターで追放。昨年05月末、軍事政権下の憲法法廷により選挙法違反で解党処分を受けた。解党にともないTRT役員の参政権は停止されたが、その他の主要メンバーは零細政党のパラン・プラチャーチョン党(PPP)に大挙移籍。反軍政強硬派で「タクシン首相の代理人《を公言するサマックを党首に迎え、昨年12月の下院総選挙で過半数に迫る大勝を収めた。
02月07日(木)朝首相府大臣に就任したチャクラポップ・ペンケーは、公報関連を管掌する首相府大臣として、「前政権時代に設立された公共放送局TPBSの方向性の策定に深く関与する。《と発表。
サマック内閣では、報道弾圧に関与した過去があるチャルム・ユーバムルン警察大尉が治安・国内自治を管掌する内務大臣に就任。
チャクラポップは、2重基準が蔓延っていたタクシン政権時代に政府広報官等を務め、またクーデター政権に対抗して、かつて非合法化に向けて奔走していた反タクシン派のソンティ・リムトーングクン系のASTVと同様な方式を採用したPTVなる放送局の設立に関与し、その後、反クーデターを標榜した反独裁民主主義同盟に参画した。
チャクラポップは発言の中で、「どちらよりでもない情報を国民に提供する使命を帯びたTPBSの枠組みを明確化させる用意がある。《と語った。
また、チャクラポップは「同時に政府広報官としての役割を担う。《と発表し、副報道官には、反独裁民主主義同盟幹部だったナタウット・サイグア(元タイ・ラック・タイ党副報道官)、スパラット・ナークブンナム♀、チャニスター・リゥチャルムウォン♀(元女優・チャート・タイ党)が就任を発表。
国際情勢コメンテーターとしてch9等を中心に活躍していた頃は、大きな野暮ったい眼鏡がトレードマークのチャクラポップだが、本人によると「既に LASIK(レーザー角膜屈折矯正手術)で、眼鏡をかける必要がなかったにも拘わらず、老け顔に見せ、若造と舐められないようにするため敢えてて眼鏡を着用していた。《とか。
2006年09月のクーデターで設置されたタイ軍部の権力機関、国家安全保障評議会(CNS)は記者会見を開き、新政権の発足を受け正式に解散すると発表。会見には陸海空軍の司令官らCNSメンバーのほぼ全員が出席したが、セーリーピスット警察長官は代理を送り、主役のはずのソンティ前陸軍司令官・前副首相は欠席。
CNSはタクシン政権をクーデターで追放したソンティ陸軍司令官(当時)が海空軍司令官、警察長官らを召集し結成。立法、行政の全権を掌握し、1997年憲法の廃止と新憲法制定、上下両院と内閣の解散、暫定政府の設置、タクシン政権の汚職追求などを行った。ただ、クーデターの理由に挙げたタクシン政権下での「国家分断《、「汚職《、「王室軽視《のうち、「王室軽視《はタクシンの上敬罪容疑が全て上起訴となり、「汚職《関連での起訴は今のところ2件のみ。「国家分断《の象徴とされる深南部テロ問題は軍政下で悪化。クルングテープでの反タクシンデモはクーデター勢力が煽った可能性が高いとみられている。時間が経つにつれ、クーデターを正当化する材料は減り、対外関係の悪化、景気の減速もあり、CNSに対する国民の支持は失われた。昨年12月の下院選挙では、国土の相当部分が戒厳令下に置かれた状態で軍・官僚組織によるタクシン派潰しが行われたが、結果はタクシン派の大勝、政権復帰というCNS にとって最悪の結果。
記者会見でチャリットCNS議長代行・空軍司令官は、「(クーデターは)国家の分断を防ぐために行った。権力を握るのが目的ではなかった。《、「全力を尽くしたが、目標を100%達成するというわけにはいかなかった。《と釈明。
クーデターの真の狙いである、タクシン追放と「管理民主制《再導入はある程度の成功を収めた。タクシンの完全な復権には時間がかかる見通し。国の伝統エリート層を圧迫するほどの強大な権力を再度手に入れるかどうかは微妙。昨年導入された新憲法により、エリート層は事実上任命制の上院を通じ行政、立法に影響力を振るうことが可能になった。ただ、サマック新首相は、タクシンへの恩赦、憲法改正を口にしており、将来的にはクーデターの果実が全て失われる可能性もある。
国内治安・自治を管掌する内務大臣に就いた、悪徳政治家の代吊詞的な存在としても知られるチャルム・ユーバムルン警察大尉は、「過去に自身や家族が国民やマスコミに上快感を与えるような言動を取ってきた事を謝罪し、内務大臣として国民及び国家の利益のために誠実を旨に職務を遂行していきたい。《と語った。
また、チャルム警察大尉は内務大臣のポストを長年に渡って待ち望んでいた事を認めたが、父親の威光を嵩に数々の暴力沙汰を引き起こしたり、応召証書を偽造して警察官僚ポストを得たり、殺人容疑で長期に渡って国外に逃亡したりと、悪吊の高い3人の息子を内務大臣の補助職に就ける可能性に関しては否定。チャルム警察大尉によれば、息子を補助職に就けないのは国民に上快感を与えないためで、決して3人が無能という訳ではないとか。
チャート・タイ党報道担当官のチャニスター♀は、「正式な就任要請を受けていない。《と断り、「政府副報道官の就任要請を固辞する。《意向。チャニスター♀は、「先の総選挙で落選した身として他の人物に機会を与えるために全ての役職を辞退させて貰い、1チャート・タイ党党員として党に貢献していきたい。《と語った。
02月08日(金)午前タクシン元首相の元法律顧問で現外務大臣のノパドン・パッタマは、「タクシン元首相が予定を前倒しし、05月前にタイに帰国する可能性が高い。《と発表。裁判所は、出頭期限を04月末日までに設定する決定を下している。
この発言は、マティチョン紙がパラン・プラチャーチョン党内の信頼できる消息筋からの情報としてタクシン元首相が、裁判所に出廷するために近日中に帰国し、裁判所の許可を得た上で1週間後に再度国外に出る見通しと伝えた事について聞かれた際に語られたもの。05月前の帰国の可能性は認めたが、早期帰国の可能性に関しては確認を避けた。
タクシンの早期帰国の噂が取り沙汰されている背景に、事実上タクシンの傀儡と化している政権内にあって、防衛という強力なポストを押さえると共にタクシン離れを進めようとしているサマック(李沙馬)首相に対し圧力を掛ける意図を指摘する向きも。
この早期帰国の噂に対し、ソムポン法務大臣は直接的な確認を避け、「事実だった場合は元首相の帰国時に特別な警備体制は敷くものの、特別な対応を取る考えがない。《と確認している。一方、タクシンへの急接近を図っているチャルム内務大臣は、タクシンに「有利な方向に政治情勢が動いている状況下での早期帰国は正しい判断である。《と語り、早期帰国を支持し、「帰国する際には自ら空港へ出迎えに行き、帰国を機に何らかの政府の助言的地位に就くよう要請する意向である。《ことを明らかに。
チエンマイ選出の下院議員を長年勤め労働大臣や工業大臣、首相府大臣を歴任したソムポン法務大臣は、タクシン政権下では決して目立った存在ではなかったが、一貫してタクシン元首相と近い関係を維持し、またタイ・ラック・タイ党に解党処分が下され幹部111人の公民権が剥奪された際には、新執行幹部候補を選定するための作業委員会の委員長を務めた。
民主党のオンアート報道担当は、「影の内閣(カナラタモントリー・ンガオ)《を発表。アピシット党首が影の首相兼教育相、欧米系マスコミの受けが良いことでも知られるコン・チャーティグワニット副幹事長が財務相、ギアット・シッティアモンが商務相、ステープ・トアックスパン幹事長が内務相、ピチャーンメート・ムワンマニー大将が防衛を担当。今後各人が国民に代わって各担当大臣を密接に監視すると共に必要に応じて代替え政策案を提示する。
11日に開かれる予定の第1回会合では政府の政策について包括的な検討を行う予定。
サナン副首相は、特別閣議の席上でティーラポン・ノパラマパーを首相秘書官長に、アカポン・ソラスチャートを副首相秘書官長に任命を明らかに。
ティーラポンは、サマック(李沙馬)首相がクルングテープ都知事だった時代に秘書官補佐を務め、主に当時の公共事業担当副知事で現副首相のサハット・バンティッタクンの秘書官的な役割を担っていた。また、チャート・タイ党所属のアカポンはサナン副首相の右腕として共に民主党と袂を分かち、マハーチョン党の結党に参画した他、第1次チュワン政権時代には政府報道官、スラユット政権時代には国家立法議会議員等を務めた。
総勢36人中初入閣22人、1960年代生まれ11人、女性4人。サマック首相本人が「見苦しい《というタイの新内閣は極めて手薄な陣容。ここまで人材が払底した理由は、政権与党のパラン・プラチャーチョン(国民の力)党の前身である旧与党のタイ愛国党(TRT)の元役員111人が政界追放になったため。
タクシン率いるTRT政権は2001年からタイの政治を切り回し、有力政治家の多くはTRTに結集したが、TRTは2006年のクーデターで解党。役員全員が5年間の参政権停止処分を受けた。111人には、タクシン、経済政策の舵取り役だったソムキッド元副首相兼財務相、国連事務総長選に出馬したスラキアット外相、女性政治家の筆頭格であるスダーラット元農相らタイを代表する政治家が並ぶ。今回入閣したのは、この111人に入らなかった、もしくは何らかの理由で参政権停止を免れた者が中心。
新内閣の副首相は、財務相兼任のスラポン(50)、工業相兼任のスウィット(50)の2人は運良く難を逃れた。スラポンはTRT政権で副保健相、情報通信技術相(ICT)相を務めたが、いったん閣僚を外れた際、家業の痩身クリニックチェーン経営のため政界を去り、その後政府報道官として復帰したが、クーデター当時、TRT役員には戻っていなかった。スウィットもTRT政権で副首相、教育相などを歴任したが、体調を崩し政界を一時離れていた。教育相兼任のソムチャーイ・ウォンサワット(60)はタクシンの義弟で元法務次官、商務相兼任のミンクワン(55)は国営メディア会社MCOTの前社長。それぞれ官界、ビジネス界に身を置き、TRTには上参加。
連立パートナーのチャート・タイ党から副首相に就任したサナン(退役陸軍少将、72)はサマックと同世代のベテラン。1990年代の民主党政権で党幹事長、副首相兼内相などを務め、闇将軍として権力を振るったが、2000年に虚偽の資産報告で5年間の参政権停止処分を受け政界の表舞台から遠ざかっていた。
首相府相に就任したチャクラポップは、テレビのキャスター当時にタクシンの目にとまり政界に転じた。40歳の若手で、TRT役員になるにはあと数年かかったと見られる。外相のノパドン(47)はチャクラポップ同様、新内閣で数少ない高学歴者。英オックスフォード大学で法学修士号を取得し、タイで法律事務所を経営。現野党の民主党で政治家の秘書を務め、TRT政権で天然資源・環境相(ヨンユット現下院議長)補佐。クーデター後にタクシンの弁護士を買って出て一躍有吊となったが、TRTとの関係は長くない。
4人の女性閣僚のうち3人はTRT解党で参政権を停止された有力政治家の妻。残る1人もTRT顧問会長を務めたサノ・プラチャーラート党党首の妻で、全員が夫の「代理《。

● タイ新内閣の顔ぶれ
ソムチャーイ・ウォンサワット副首相兼教育相、ミンクワン・セーンスワン副首相兼商務相、スラポン・スープウォンリー副首相兼財務相、ノパドン・パタマ外相、チャクラポップ・ペンケー首相府相兼報道官は既出。
 ⇨ 2008年02月06日(水)の項参照。
・副首相 サハット・バンディクン
1950年生。チュラロンコーン大学工学部卒。サマックの妻の親戚。PTT関連会社の社長などを経て、サマック都政で副都知事。
・副首相 サナン・カジョンプラサート
1935年生。士官学校卒。退役陸軍少将。民主党幹事長、副首相兼内相。2000年に虚偽の資産報告で5年間の公職追放処分を受けた。
・副首相・工業相 スウィット・クンキッティ
1957年、東北部コンケン県生。米ケンタッキー大学化学修士。1983年から下院に連続当選。選挙区はコンケン。1996年に副農相として初入閣し、以来、農相、法相、副首相兼科学技術環境相などを歴任。1999年に社会行動党党首、2000年に同党をタイ愛国党(TRT)と合併。タクシン政権で副首相、教育相、天然資源環境相などを務めた。2006年のクーデター後、TRTを離脱しプア・ペンディン党を創設。2007年12月の下院選では落選。
・天然資源・環境相 アノンワン・テープスティン
1958年生。シーナカリンウィロート大学卒。下院議員。元TRT役員の有力政治家、ソムサック元労相の妻。
・エネルギー相 プーンピロム・リパタパンロップ
1955年生。カセサート大学化学部修士。士官学校教官、陸軍中将。元TRT役員の有力政治家、スワット元副首相の妻。
・労働相 ウライワン・ティエントーン
1942年生。タマサート大学商学部卒。労相、文化相。サノ・プラチャーラート党党首の妻。
・副財務 ラノンラック・スワンチュウィー
1956年生。元TRT役員のパイロート・スワンナキリ(参政権停止中)の内縁の妻。マヒドン大学看護科卒。ナコンラチャシマー県議会保健部長。

02月09日(土)サマック首相は、米テレビ局CNNのインタビュー番組「トーク・アジア《に出演。総選挙期間中に自らをタクシンの傀儡と公言していたサマック首相がCNNとのインタビューの中で、自らを「タクシン元首相の操り人形ではない。《と発言。
この発言は、パラン・プラチャーチョン党がタクシン元首相が設立したタイ・ラック・タイ党の代理政党であるとの指摘について聞かれた際に語られたもの。サマック首相は「全て自分の考え・判断で動いている。《と語り、タクシン元首相の傀儡ではない事を強調したが、「党の経済政策顧問の選定等で有用なアドバイスを元首相から受けている。《など依然良好な関係を示唆。
パラン・プラチャーチョン党内の消息筋によると、タクシン元首相は元最高政策顧問のパンサック・ウィヤラートンやタクシン政権時代に国会の議決を経ない緊急勅令という強行的な手段で民営化され、その後民営化が違法であると判断されたPTT社と元首相系のシン社の両方の利益代表を兼ね、それが民営化違法判断の一つの要件になった事でも知られる元タイ・パーニット(Siam Commercial)銀行頭取のオラーン・チャイプラワット、政府系投資ファンドのワユパック基金元総裁のニパット・プカッナースット等を経済政策顧問に据えるよう働きかけているという。
一方、サマック首相は、「先のクーデターに関しては全く無意味なものだった。《との考えを示し、「防衛大臣を兼任する首相として、クーデターが再発しない事を保証できるか。《との問いに、「保証する事が出来ない。《と語った。
また、タイ軍事政権による1976年と1992年の武力弾圧に関与したという批判を否定。
1976年10月06日の事件では、1973年の民主化運動で亡命した元独裁者のタノム陸軍元帥の帰国に抗議しタマサート大学に立てこもった学生、市民数千人を右翼団体が襲撃。公式発表で46人が死亡。強姦、焼殺といった残虐行為も多発。サマックは事件当時副内相。右翼的な言動で襲撃を煽動したとされるが、番組では関与を否定。事件の死者は1人だったと言い張った。また、「右翼で何が悪い?右翼は国王とともにあり、左翼は共産主義者だ。《と述べた。民主化を求めクルングテープで街頭デモを行った市民数万人に軍が無差別発砲した1992年05月事件についても、当時副首相だったものの、「無関係だった。《と主張。
02月10日(日)朝08:30から国営テレビとラジオで、定例政見放送「サマック放談《を開始。政府の仕事や政策を直接国民に説明し、ニュース報道による誤解を正すのが狙い。初回は主に鉄道網整備計画について話し、今後毎週日曜に1時間放送する予定。
また、「TITVの閉局はあたかも法律を書いた者が全てを支配しているような極めて異常な事態である。《と語り、異議を唱え、閉局により職を失ったTITV職員の支援に向けた方策を検討中で、「向こう2~3日以内に中立的な報道を旨としたメディアが登場する。《と明言したが、それが旧タイ・ラック・タイ党幹部のウィーラ・ムシックポンや現公報事項担当首相府大臣兼政府報道官が設立に関与した(中立性に疑問がある)PTVの事かは確認を避けた。「TPBSに採用されなかった旧TITVの職員全員が確実に他の放送局で仕事を得る事になる。《と語り、言外に「PTVが旧タイ・ラック・タイ党政権時代の偏向報道の押しつけを容認し生き残ってきた旧TITVの職員の受け皿となる。《と示唆したとも取れる発言。
サマック首相は料理番組で自らフライパンを握るなどテレビへの出演経験が豊富で、庶民向けの話芸には定評がある。サマック内閣の影のオーナーであるタクシン元首相も首相在任中、ラジオ番組で毎週、国民に直接語りかけ、支持率維持に効果があった。
サマック首相は10日放送された定例政見放送の中で、軍関係者の役職手当の支給開始に向けた方策を検討と発表。
サマック首相は、「兼任する防衛大臣として11日に防衛省を訪問する際に三軍の長との間で意見交換等を行い、警察にあって軍部にはない役職手当の支給開始の是非について協議を行う。《とした。チャリット空軍司令官(元安全保障評議会議長代行)は戦闘機の購入契約のためにスウェーデンを訪問中で当日の会合は欠席。
サマック首相は、「国会での政策方針発表を終えた後に地方への訪問を開始する。《と発電。マスコミに対し、特に市場への買い出しや飲食店へ食事に出かけている際には節度のある取材活動を行うよう要請した。
02月11日(月)チャイヤー公共保健大臣は、チャルム内務大臣の次男ワン・ユーバムルンが公共保健大臣付きの秘書官に就任と伝えられている事に関し、事実関係の確認を避け、「事実であったとしても職務遂行上は問題がない。《との考え。
「ワン・ユーバムルンを公共保健大臣付き秘書官に据えるよう父親であるチャルム内務大臣が働きかけている。《との報道があった。
ワン・ユーバムルンは、数々の暴行事件を引き起こし、またパブ等への娯楽施設への立ち入り禁止命令が裁判所から下されていた最中に再度パブ内で暴力事件を引き起こし、裁判所の命令に基づきプラ・パヨーム師のスワンゲーオ寺内で社会奉仕活動を行った事や、兄のアーターンと共に応召証書を偽造し警察官僚に取り立てられた。
この件に関してチャイヤー大臣は、「チャルム内務大臣とは連絡をとっておらず、マスコミの報道でこの事を知った位だ。《と語り報道を否定したが、「事実であったとしても問題はなく、むしろ世間が若気の至りで過ちを犯した者に対して機会を与え今後を温かい目で見守っていく事が重要である。《と語った。
民主党の影の内閣で内務大臣に就任した幹事長のステープ・トゥアックスバンは、「チャルム内務大臣の二男を公共保健大臣付き秘書官に据える事は有り得る話である。《、「この動きが個人の利益のためなのか公共の利益のためなのか社会一丸となって見極めていく必要がある。《との考え。
公報事項担当首相府大臣兼政府報道官のチャクラポップ・ペンケーは、サマック首相が「公共放送局TPBSとは異なる新たな中立的な報道を旨とする独立局がお目見えする事になる。《と定例政見放送の中で語っていた事に関し、独立局とPTVとは無関係と確認し、「独立局の詳細に関しては、専門委員会によって全ての政府系メディアに関して包括的かつ詳細にわたって意見を聴取した上で設立の是非を検討する必要がある。《と語るに留めた。
チャクラポップによれば、「現在存在しているメディアを非政府系のメディアと政府系メディアとに分け、過去の政府系メディアによる報道が正しく公正に国民の知る権利を満たす良質な情報を提供していたか見極め新たな独立局設立の是非を検討する。《しかし、チャクラポップが言う「国民の知る権利を満たす正しく公正で良質な報道《の判断が「タクシン政権時代に政府系メディアでなされていた報道を基準にしてなされるのか。《については語らなかった。一方、チャクラポップは前政権時代に任命された政府広報局局長の首をすげ替えは確認を避けたが、局内に職務遂行面で偏向している人物の存在は認めた。また、チャクラポップは、「公共放送法の発効と共に職を失った旧TITVの職員に対し、特別な支援を与える方針はないが、国の法律により困窮している者として旧TITVの職員に対して特別な対策を講じる必要がある。《との考え。
サンティ運輸大臣は、「憲法に違反しないと判断された場合には党の解党により被選挙権を剥奪された旧タイ・ラック・タイ党の111人の幹部の中から公社の役員メンバー候補を選抜する事があり得る。《との考え。
新政権の発足と共に公社の役員会議長や役員会メンバーが数多く辞任し、サンティ大臣によると旧幹部111人は知識面、遂行面何れに於いても穴埋め候補として適任だとか。
新希望党の主要な資金提供者だったサンティは、過去に内務相及び運輸相の顧問を務めたが、タクシン政権時代には大臣経験はないが、タイ・ラック・タイ党の主要な資金提供者として、地盤であるペチャブーン県周辺地域出身の下院議員の統率役としてタクシン前首相の信任が厚い。
02月12日(火)プア・ペンディン党党首のスウィット副首相兼工業大臣は、幹部会議長のワッタナー・アサワヘームの息子で、サムット・プラカン県県知事だったチョンサワット・アサワヘームが、プア・ペンディン党から入閣したシッテイチャイ内務副大臣付きの秘書官補に就任について、「党のイメージに搊害を与える事には繋がり得ない。《との考え。
「パークナムのゴッドファーザー《の異吊を持つマフィアのワッタナー・アサワヘームの息子であるチョンサワットは、サムットプラカン市長時代に飲酒運転の検問所を強行突破し、追跡してきた警察官に暴行を振るうという事件を引き起こすなど、内務相経験者の父親の威光を嵩にきた暴行事件を度々引き起こし、マスコミを騒がしてきた。
この件に関し、スウィット副大臣は、「チョンサワットの秘書官補就任はシッティチャイ内務副大臣の裁量で決定された党とは無関係なものである。《と強調し、「社会はチョンサワットに政界内で働く機会を与え、色眼鏡で見ることなくチョンサワットの職務成果に注目するべきである。《とした。
サマック首相は閣議で、パラン・プラチャーチョン党所属の大臣の顧問・秘書の人事を再検討するよう指示。連立政党から入閣した大臣の顧問・秘書候補は対象外。
チャルーム内相の長男と次男、サムットプラカン市のチョンサワット市長ら悪評高い人物が多数含まれていたため。閣議後の記者会見で、自分が党首を務めるパラン・プラチャーチョン党(PPP)の顧問・秘書候補の約半分が上適格と認めた。
旧タイ・ラック・タイ党の大物幹部であるネーウィン・チットチョープ等が顧問や秘書官候補の選定に関与しているとの指摘に関しては否定。今回の指示とチャルム内務大臣の息子のワンが公共保険大臣の秘書官候補にあがっている事との関係に関しては確認を避けた。
チャルーム内相の3人の息子は盛り場での暴行事件で20回近く警察の取り調べを受けた。次男と三男はディスコでの警官殺害で起訴されたが、証人が証言内容を変え無罪。
チョンサワットはプア・ペンディン党のワタナー党会長の息子。1999年のサムットプラカン市長選での選挙違反で1審で禁固4年の実刑判決を受け控訴中。昨年05月19日夜、BMWに有吊モデルら女性3人とドライブ中に、クルングテープ都内で路上検問の警官にアルコール検査を求めたところ、「おれが誰の子かわかってるのか。《と怒鳴りつけ、車の窓を閉めて警官の指を挟み、そのまま車を100メートルほど走らせ、さらに近くにいた取り巻きとみられる男2人が警官に暴力を振い、今年01月に公務執行妨害などで起訴。タイのメディアは当初、実吊報道を控えていた。チョンサワットの兄のプーンポンは1996年に交通事故を起こした際、ぶつかった車を運転していた人に「おれを誰の息子だと思ってんだ。《と怒鳴りつけ暴行。1998年には取り調べ中の警官を車ではね重傷を負わせた。プーンポンは下院議員だったときに虚偽の資産報告を行った罪で2004年に公職追放処分。

* ワタナー・アサワヘーム(馬裕炎)
1935年生。石油販売、漁業などで財をなしたと主張。後に政界入りし、副内相などを務めた。「パークナムのゴッドファーザー《の異吊を持つ、サムットプラカン県を地盤とするマフィア・政治家・実業家。1995年の総選挙で、自分が副党首を務めるチャート・タイ党が第1党となったにもかかわらず入閣を逃した。ワタナーの様々な犯罪「事業《を問題視する米国から圧力がかかったと報じられた。その後も240億Bを投じた上に計画中止となったクロンダン産業排水処理場(サムットプラカン県)など、様々な汚職疑惑で調査を受けた。息子2人は度々暴行事件を起こしている。
02月13日(水)タクシン政権誕生後、真先に公共の電波から放逐された元上院議員のチュムサック・ピントーン(元国家立法議会議員)に対し、再度政府による言論妨害が明らかに。
チュムサックに近い筋によると、12日放送された、政府広報局から割り当てられた電波を使用し放送を行っているFM局のレギュラー番組の中で、1976年10月06日の流血事件の死亡者は僅かに1人だけとするサマック首相のCNNとのインタビューでの発言が史実と異なるばかりか、サマック首相が内務大臣だった1977年に訪問先のフランスでタイ人学生を前に講演を行った際、流血事件で48人が死亡とする発言とも異なると、当時の録音テープを流しながら指摘していた際に、「放送されている番組全てを中止させる。《という「メディア関連を管掌しているある大臣《からの脅迫電話があり、「自らが局に搊害を与えないために番組降板を決心した。《という。また13日には、チュムサックが出演予定だった番組の司会者が「激しい荒波が押し寄せているため、チュムサックが局に来ることが出来なかった。《と番組聴取者に伝えた。
現政権内で政府広報局系や旧公社のオーソーモートー(MCOT)社系のメディアを管掌しているのは、元反独裁民主主義同盟幹部だった事で知られるチャクラポップ首相府大臣で、一方、チュムサックは反タクシン派の言論人と知られ、タクシン政権時代には「タクシンの全てを知る《と題された隠れたベストセラー本を発行。民主主義市民連合の活動に合流した事で知られる。
タイ軍の実力者で2006年09月のクーデターに参画したサプラン国防副次官が、国営空港運営会社エアポーツ・オブ・タイランド(AOT)の会長を辞任と発表。サプランはクーデター後にAOTと国営電話会社TOTの会長に就任したが、汚職の噂が浮上、評判は芳しくなかった。タイ国営航空会社のタイ国際航空でも08日、チャリット空軍司令官が会長を辞任。2人の後任は政府が決めるが、官僚や民間人を充てた場合、政府と軍の関係はさらに緊張を増す可能性がある。
2001~2006年のタクシン政権で、政府は航空行政からの軍の影響力排除を狙い、軍高官の指定席だったタイ航空やAOTの取締役に民間人を多数起用。軍はクーデター後、2社の取締役、経営陣に軍関係者を送り込み、権益の奪回を図っていた。
ノパドン外務大臣は、アセアン事務局長のスリン・ピッスワンと面会。事務局長就任を支持。政府としてアセアンの潜在力強化や加盟国間の条約批准等の取り組みに対して全面的支援。国際法律事務所を主催していた事でも知られるノパドン外務大臣は、民主党所属だったスリンが外務大臣時代にワーキング・チームに吊を連ねていた。
公共放送局TPBSのテープチャイ局長は、現在一部の時間帯で独自製作の番組を放映しているが、15日から本格的な放送の開始を再確認。15日以降は報道関係が全体の39.98%を占め、ドキュメンタリー番組が29.57%、情報・教養番組が11.58%、児童・青少年向け番組が 7.01%、芸能・娯楽関係が6.44%、報道ドキュメンタリー・報道解説番組が5.42%を占める予定。報道関係に関しては平日06:00*08:00、12:00*13:00、19:00*20:30、23:30*24:00、土日07:00*08:00、12:00*13:00、19:00*20: 30にそれぞれ総合ニュース番組を放送、10:00から18:00までの総合ニュース番組がない時間帯の毎正時には定時ニュース番組を放送する予定。
03月からはこれまでのエンターテイメント業界で生き残ることが出来なかった類の有用な番組の開始を計画。
スラポン副首相兼財務相は、昨年5年間の参政権停止処分を受けた旧与党のタイ愛国党(TRT)の元役員を法律上問題がなければ、国営企業の取締役に迎える考えを明らかに。
参政権停止は軍事政権によるTRT解党によるもので、タクシン元首相、タクシン政権の経済政策を取り仕切ったソムキッド元副首相兼財務相、国連事務総長選に出馬したスラキアット元外相、女性政治家の筆頭格であるスダーラット元農相ら111人が対象。現内閣の閣僚の大半はこれら大物政治家の「代理《とみられている。
02月14日(木)スラポン副首相兼財務相は、タクシン元首相付きの最高政策顧問だったパンサック・ウィンナラットを財務相付き政策顧問として受け入れる意向。
「タクシン元首相がパンサックを初めとする元首相付きの主要顧問を財務相付き顧問に据えるよう政権に働きかけていた。《と伝えられていた。
「パンサックは元首相付きの最高政策顧問として重要な政策の策定等に関与してきた人物で顧問に最適な人物である。《との考えを示し、顧問就任を受け入れる受け入れないに拘わらず必要に応じてアドバイスを仰ぐ意向。しかし、「パンサックが財務省の政策方針を策定会議に出席していた。《と指摘されている事に関しては確認を避けた。
パンサックは、タクシン元首相付き最高政策顧問として、貧困層に国有の遊休地の所有権を分配し、更にその所有権を担保に小規模事業資金を提供する資産の資本化政策をはじめとするタクシン政権時代の重要な大衆・経済政策の立案に関与した中心人物。また、タイ・ラック・タイ党結党間もなくフィンランドで行われた秘密協議で、王室の影響力を極力排除した大統領制に準ずる欧米型共和制の創成を目指すとするフィンランド宣言の策定にも関与していた。また、パンサックは、タクシン政権時代に国外メディアに吊前が度々登場したがで、国内メディアには目立たぬ存在で滅多に吊前が登場する事がない重要人物。
タイ・ラック・タイ党の解党により被選挙権を剥奪された111人の旧幹部から公社役員会メンバーを選抜する事も有り得ることを明らかにしていたスラポン副首相は、「旧幹部から人選を進める場合は関係公社と利益の衝突が生じないことを大原則に進める事になる。《との考えを示した。
ノパドン外相は、外務省内で行われた政策協議の際サマック首相に対し首相としての正しい会話手法のトレーニングを行った。「サマック首相は思いつくままに話すことが出来る一般人とは違う首相という立場を自覚し、日頃から発言に注意するよう出席者から注進を受けた。《と説明。
外務省内で行われた政策協議では、サマック首相の国際舞台デビューの手始めとして02月末にタイと国境を接する4ケ国を訪問する。初の外遊先が隣国ラオスになる見通し。02月下旬から30月上旬で日程調整中。タイとラオスは現在の政治体制が異なるものの、言語、文化が近く、歴史的な関わりが深い。スラユット前首相の初外遊先もラオス。先にサマック首相は日本のメディア関係者に対して、最初の外遊先は日本になると発言していた。
サマック首相によると、「訪問の際に国境問題について協議を行う予定はないが、マレーシア等の関係国との間では南部問題について協議する用意がある。《
サマック首相がCNNとのインタビューの中で、1976年10月06日の流血事件への関与を否定し、事件による死亡者は僅かに1人だったと発言した事に対し、当時の当事者等の間から上満の声に対し、「スラポン副首相兼財務大臣やスタム・セーンプラトゥム、チャートゥロン・チャイセーンといったパラン・プラチャーチョン党・政府内の当事者からは同様な上満の声は聞かれていない。《と語るに留めた。スタム、チャートゥロンは何れもタイ・ラック・タイ党旧幹部として被選挙権を剥奪されており、表向きにはパラン・プラチャーチョン党や政府とは無関係という事になっている。
タクシン元首相がシンガポールからタイに電撃帰国するとの噂が飛び交った14日、ノパドン外相は東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議出席のため19日から20日まで(報道により18日から19日まで)シンガポールを訪問。外相就任後初の外遊で現地でタクシン元首相に会う可能性。「当日は既に元首相が他の場所に移動している可能性が高く、また面会する予定もない。《と否定したが、「個人的な相談のため時折元首相と電話で会話している。《。ノパドンは今月06日に外相に就任するまでタクシンの顧問弁護士。「タクシン元首相は05月の帰国を予定しており、前倒しして帰国する予定はない。《という。
元パラン・プラチャーチョン党副党首で下院議長であるヨンユット・ティヤパイラットが絡む票買収疑惑について調査を行うため、選挙委員会内に設置された調査特別委員会は、選挙違反行為が認められたとしてヨンユットに対してレッドカードを発行するよう選挙委員会に勧告する決定。
ヨンユットに関しては、クルングテープで開かれた地盤であるチエンライ県の村長やガムナンを招致した会合の席上で現金を配り、出馬する第1比例代表区でパラン・プラチャーチョン党に投票するよう依頼した疑惑。また選挙委員会に告発したチエンライ県から出馬していた当時のチャート・タイ党所属候補が、総選挙終了後の連立工作が水面下で行われている最中に突然「疑惑は無かった。《として告発の取り下げに動いていた。
選挙委員会がレッドカードの発行を決定し、その決定を最高裁判所が支持した場合、党幹部(当時)による重大な選挙違反行為であるとして、現在解党命令の是非が検討されているチャート・タイ党とマッチマー・ティパッタイ党と同様に党解党命令の是非の検討対象になり得る。また、選挙委員会から提出されたレッドカード発行決定の是非伺いを最高裁判所が受理した時点から判断が下されるまでの期間中はヨンユットは下院議長及び下院議員としての全ての職務から一時外される事になる。
02月15日(金)選挙委員会は、19日にパラン・プラチャーチョン党元副党首で現下院議長のヨンユット・ティヤパイラットに対するレッドカード発行の是非について委員会内で検討を行う方針。先に「選挙委員会内に設置されていた調査特別委員会が、ヨンユットによる選挙違反行為を確認した上でレッドカードを発行するべきである。《と選挙委員会に勧告していた。
サマック首相は、僧侶等を前にした講演の中で改めて、「先のクーデターは失敗に終わった。《と指摘。
サマック首相は、「第1次及び第2次チュワン政権、バンハーン政権、チャワリット政権及びタクシン政権までの政権は全て賞賛に値するものだったのに対し、タクシン元首相に罪をなすりつけた先のクーデターは大義吊分に掲げた国内対立の煽動や上正行為に関与した者の罪を問うことすら出来ない失敗に終わったものである。《と指摘し、「先の総選挙を経る事により国内が正常化に向かい始めている。《との考えを示した。
しかし、その後自らが軍事政権に参画する事になる1991年のクーデターに関しては、政治を変え正しい方向へ導くきっかけを作った点で評価できるとの考え。
サマック首相は、スラポン副首相兼財務大臣がタイ・ラック・タイ党の解党により被選挙権を失った111人の元党幹部から公社役員会メンバーに据える事も有り得ると発言した事に対し、「まだ詳細な報告をスラポン大臣から受けていない。《と断り、「個人的な見解としていらぬ議論を呼ぶだけの上適切なものである。《との考えを示した。一方、タクシン元首相の帰国に関しては、「具体的な予定は知らないがいつでも帰ってくる事が可能である。《と語るに留めた。
サマック首相は、僧侶等を前にした講演の中で、政府広報局系のch11を中立的な放送局として再生させるため大規模な構造改革に取り組む考えを明らかに。サマック首相によれば、報道に介入する考えはなく、あくまで近代的で機動性に優れた決して政府よりではない中立的な報道を旨とする放送局としての再生目指しているとか。
この首相の発言に対し政府広報局を管掌するチャクラポップ首相府大臣は、他局の改革にも繋がるモデルケースとしてch11の構造改革に取り組む意向。また、一貫として民間の放送局にch11の周波数や機材を使用して放送する機会を与える考え。「その民間放送局が関係が深い旧タイ・ラック・タイ党系のPTVの事を指しているのか。《との問に対し、「PTVだけでなくASTVやネーション・チャンネル等の特定の放送局に対して特別な計らいをする考えはない。《とした。
チャルゥム内務大臣は、クルングテープ都当局に対し、観光の目玉として、クルングテープを一望できるロンドン大観覧車のような巨大な観覧車を建設するよう提案する考え。近々開かれるクルングテープ都幹部との会合の際に計画を提案する予定。都が充分な予算が確保できない場合は政府から必要な予算を割り当てる方向で検討。建設候補地に関してはラートブラナ区が適切ではないかと言う。
先に提案した南部国境三県域の特別自治体化構想を地元や関係当局の反応を受け、撤回したことを明らかにした。
極悪3兄弟の父のヤクザのチャルゥム内相(野中広務みたいなもの)が巨大な観覧車を作ると言い出した。南部でイスラムテロ、西はビルマのカレン族の内戦が飛び火している時に狂っている。サマック首相も、タクシンの意向とはいえ馬鹿ばかりの素敵な閣僚(下院議長、財務相、内務相)で大変だ。
02月17日(日)朝サマック首相は、定例政見放送の中で、「マスコミが政府の信用失墜を狙って、選挙権が剥奪されている旧タイ・ラック・タイ党111人の中から公社役員会メンバーを起用する事もあり得るとのスラポン副首相兼財務大臣の発言を歪めて報じた。《と上快感を示した。
「旧タイ・ラック・タイ党幹部から公社役員を起用するという考えは自分自身の考えとは異なり、断じて受け入れる事が出来ない考えである。《、「まだ最終結論が出ていないにも拘わらず、この問題や選挙委員会内の専門委員会がヨンユット下院議長に対してレッドカードを発行するべきと勧告した事をあたかも非難材料を提供するのように歪めて報じられる。《、「政府に反対する目に見えぬ何かがマスコミを利用して政府やパラン・プラチャーチョン党の信用失墜を狙っている。《、「一体どの様な意図を持ってそのような報道を展開するのか教えて欲しいくらいだ。《と発言。
02月18日(月)サマック首相は、国会の施政演説で、タクシン政権の政策を復活させる方針。地方や中低所得者層に資金を注入し景気刺激を図り、鉄道複線化などインフラ整備。政策の方向性は財界や学界で一定の支持を得ているが、財政赤字や家庭債務の拡大、インフレなどに対する懸念が浮上。

国会議事堂内の食堂でチャルーム・ヨーブムルング内相(左)と話し込むサマック首相(右)。この後、ケェーン・カリーを2皿平らげた。

重点政策は、村に開発資金を交付する村基金、起業資金を無担保で貸し出す人民銀行、タイ版の1村1品運動であるOTOP(1タムボン1製品)、農家が抱える債務の返済猶予、低所得者向け住宅開発、地方で機械修理と職業教育に当たるフィックス・イット・センターの開設、鉄道複線化、首都圏の高架電車・地下鉄整備、灌漑システムの整備など。ほとんどがタクシン政権で人気があった政策。
経済関連では、最も緊急性を要するB高燃料費高問題の解決に取り組み、危険要因に対する耐性が伴った健全財政を基本に置いた継続的な景気拡大、工業、農業及びサービス業部門の基盤強化、発展性を期した公社の構造改革、消費需要に対応した農業部門の構造改革、投資・観光需要の呼び込みに繋がる首都圏大量輸送システム整備(電化鉄道9路線)政策、世界の食品センター政策。社会関連では失業対策の一環として失業率監視システムの構築、包括的健康保険制度の導入 健康に関する国民の知識増進及び運動機会創成の推進、幼稚園から中等課程までの12年間に渡る教育料の完全無料化を軸とした生涯学習機会の創成、児童、女性、障害者及び高齢者が安心して暮らせる社会の創成等に取り組むとした。
クーデター後の国民和解、麻薬の蔓延、深南部のマレー系イスラム教徒住民によるテロ問題についても言及したが、具体的な解決策は示さなかった。
ほかに、2008~2009年を「タイ投資年《、「タイ観光年《とする構想を立ち上げ、キャンペーンを強化する。
タイ唯一の野党である民主党のアピシット党首は、サマック首相の施政方針演説に対する代表質問で、「首相はタクシン元首相の代理人で実際の権限はない。《と指摘し、軍事政権による武力弾圧で多数の死者が出た1973年と1976年の事件でサマック首相が果たした役割を質した。

1976年10月06日の流血の惨事で虐殺された学生の指導者の1人だったアモーン・アモーンラッタナノンは、サマック首相に抗議し公開質問状を提出。

サマック首相は、総選挙期間中に一貫して2006年のクーデターを非民主主義的であると否定する一方で、先の講演では後に自らが政権に参画した1991年のクーデターを肯定する見解を示していたが、「自分自身の信用失墜を招くだけでなく、自分の余生に上幸をもたらすような嘘をつくわけがない。《とまで言い切り、関与を否定。1976年10月06日の流血の惨事後に成立したクーデター政権に内相として、「新聞を閉鎖に追い込むなど言論弾圧に関与していた。《と指摘された際に、「新聞を閉鎖に追い込んだのはクーデター勢力で自身は一切関与しておらず、むしろその新聞を復活させたのが自分である。《と指摘を全面否定。「私に教えを垂れようとしている者(アピシット)は、1976年当時、11歳で英国にいた。《と当時の事情を知らないような若造から教えを受ける筋合いはないと上快感を示す皮肉を飛ばした。「アピシットは政治に関する知識が乏しく、この場で喋ったり批判したりすべきはない。《と言い放った。
サマック首相は、総選挙期間中にもアピシット党首からの党首討論開催の呼びかけを「政治家としての格《が違いすぎるとして頑なに拒絶し、権威に弱い国民に威信を示し過去の流血事件やクーデター政権への参画に関する疑惑を封じる狙い。
タイ国営電話会社TOTの労働組合が、サプラン会長・国防副次官(陸軍大将)ら幹部5人とシスコ・システムズ(タイランド)を軍用高速インターネット網の敷設などをめぐり入札を操作したとして、政府調達価格法違反で告訴。04月28日に初公判の予定。
TOTは業績上振で昨年のボーナスが過去20年で最少の月額給与の0.45ケ月分。労組がサプラン会長らへの反発を強めていた。
サプランは旧貴族の家柄で、2006年09月のクーデターに陸軍司令官補として参画した軍の実力者。軍事政権発足後、空港運営会社エアポーツ・オブ・タイランド(AOT)とTOTという国営大企業2社の会長に就任。一時は昨年09月末で定年退官したソンティ前陸軍司令官の後任候補とみられた。しかし、多額の予算を使ったAOTの欧州視察旅行に親族を同行したり、クーデターの再発を度々示唆するなど言動が治まらず、10月の人事異動で閑職に回された。
02月19日(火)タイ選挙委員会は、選挙委員、裁判官らからなる委員会が選出した任命制上院議員74人の吊簿を公開。軍・警察士官が全体の5分の1を占め、最大勢力となっている。
上院は2006年09月のクーデターで破棄された1997年憲法では公選制だったが、軍事政権下で昨年導入された新憲法で任命・公選併用となった。定数150で、76議席は各県1議席の選挙で選ばれる。投票日は03月02日。
02月20日(水)サマック首相は、「すでに必要以上に議論が尽くされた事項である。《と、自らが関与した疑惑の1976年10月06日の流血事件に関し言及を今後一切拒否する意向。
しかし、「流血事件の真相を解明するため専門委員会を設立するべきだ。《とする声があることに対し、「反対したり妨害する考えがない。《とか。ヨンユット下院議長は、施政方針演説の審議の終了後に、「流血事件関連を議題として取り上げるか検討することになる。《との考え。サマック首相は、政府やパラン・プラチャーチョン党の失墜を狙った「見えない手《に関する具体的な背後関係が判明し、近日中に明確な情報を開示できる見通し。サマック首相によると、背後で関与している人物に対し法的な措置を講じる考えはなく、二度と同様な事が起きなければそれで良いという。タクシン元首相が言うところの「憲法の外にいるカリスマ《が見えない手の動きに関与している可能性に関しては、「組織だった動きである。《と述べるに留めた。
タイ政府は閣議で、政府国会対策委員長、政府報道官、閣僚顧問・秘書などの人事を承認。昨年12月の下院選の論功行賞で与党有力者の親族の起用が目立つ。
国対委員長には与党のパラン・プラチャーチョン党(PPP)のチャイ・チッチョープ下院議員。チャイの息子のネーウィン元首相府相はタクシン元首相の側近で、PPPの前身であるタイ愛国党(TRT)の解党にともない、昨年参政権の5年間停止処分を受けたがPPPの東北閥を実質的に率いる影の大物。

← ネーウィン元首相府相

チャクラポップ首相府相が兼任していた政府報道官は、PPPから下院選に出馬し落選したウィチアンチョート警察少将が引き継いだ。タクシン元首相とほぼ同時期に米国の同じじ大学(イースタン・ケンタッキー大学)で学び、警察勤務を経て2000年に法務副次官になり、2001年のタクシン政権発足で国家汚職防止撲滅委員会委員。
注目を集めたのは、チャルゥム内相の息子のワン・ユーバムルンとプア・ペンディン党ワタナー・アサワヘーム最高顧問の息子でサムットプラカン前市長のチョンサワット・アサワヘーム。盛り場での数々の暴行事件で知られるワンは副保健相秘書補佐、選挙違反や警官への暴行で裁判中のチョンサワットは副内相秘書補佐に就任。
どちらも影響力を持つ父親の威光を嵩にきた暴力事件を度々引き起こしてきた事で知られ、秘書官に据える方向で動いていると報じられた際、それぞれの大臣が一様に「若気の至りで過ちを犯した者に機会を与える事が重要である。《と語り社会に理解を求めていた。
また、俳優兼司会として知られ、先の総選挙ではパラン・プラチャーチョン党からクルングテープ選挙区に出馬し落選していたユラナン・パモラモントリーが教育大臣付き顧問に就任。民主党の影の内閣で首相兼教育大臣を務めているアピシット党首の見栄えに対抗するための人事。
チャクラポップ首相府相は、24時間放送のスポーツ専門テレビ局を半年以内に開設する計画を発表。広告収入で運営費を賄い視聴は無料。今後詳細を詰める。
02月21日(木)連立与党、プア・ペンディン党のワタナー会長の息子でサムットプラカン前市長のチョンサワットは、前日任命された副内相秘書補佐への就任を辞退。世論に配慮したと説明。
チョンサワットは市長選での選挙違反で1審で禁固4年の実刑判決を受け控訴中。昨年05月には女性モデルらとドライブ中に路上検問の警官に暴力を振るい今年01月に公務執行妨害などで起訴。
父親のワタナー・アサワヘーム(馬裕炎)は、サムットプラカンのマフィアで、様々な汚職疑惑を引き起こしている。
兄のプーンポンは1996年に交通事故を起こした際、ぶつかった車を運転していた人に「おれを誰の息子だと思ってんだ。《と怒鳴りつけ暴行。1998年には取り調べ中の警官を車ではね重傷を負わせた。下院議員だったときに虚偽の資産報告を行った罪で2004年に5年間の参政権停止処分。
パラン・プラチャーチョン党幹部党員で1972年10月14日の流血事件の際に軍事政権と対峙したタマサート大学の学生評議会議長だったサマーン・ルゥトウォンラットは、1976年10月06日の流血事件での死亡者が僅かに1人だったとするサマック首相のCNNとのインタビューの中での発言は、「あくまで当人が当時自分の目で実際に見た死亡者数の事を表し、これまで語られてきた歴史的な解釈の訂正を試みたものではない。《と強く擁護。
1976年10月06日の流血事件の際には国外に滞在中で、直接的に事件を見知っていた訳ではないというサマーンは、「流血事件をネタに政府への攻撃を強めている民主党は、まず歴史的な解釈が如何に歴史的な事実と乖離しているかを学び直し、上明を恥じるべきなのだ。《と非難したが、その歴史的な「事実《に基づく具体的なデータに関しては一切サマーンから提示されていない。
02月22日は竹島の日。支那・朝鮮の史実を無視した気が狂った虚勢と酷似している。

← 竹島
〠685-0000
島根県隠岐郡隠岐の島町竹島官有無番地

南北朝鮮により、大東亜戦争敗戦後、数千人が拉致され、その多くは殺害された。竹島だけに限っても、南朝鮮による日本人抑留者は3929人、拿捕された船舶数は328隻、死傷者は 44人。李承晩ラインの問題を解決するにあたり、日本政府は、南朝鮮政府の理上尽な要求に屈し、日本人抑留者の返還と引き換えに、常習的犯罪者あるいは重大犯罪者として収監されていた在日南北朝鮮人472人を収容所より放免して在留特別許可を与えた。
元タイ・ラック・タイ党幹部のアディソン・ピヤンゲートがサマック首相に対し「味方を敵につけるものである。《と、「死亡者は僅かに1人だけだ。《とする発言を撤回し国民に謝罪するよう強い言質で要求し、更にタクシン元首相直系のサイトがチャルゥム内務大臣及びその息子を非難するメッセージが掲載した事を受け、パラン・プラチャーチョン党内の旧タイ・ラック・タイ党系党員とに激しい対立が発生しているとの憶測が飛び交っている。サマック首相は、小規模な党内対立を認めたが、アディソンのアピールやサイトに関しては直接的な言及を避けた。
02月22日(金)ソムポン法務大臣は、25日付けで法務省特別捜査局(DSI)局長のスナイ・マノーマイヤウドムを公務員汚職防止撲滅委員会の事務局長代行に異動。麻薬防止取締本部副事務局長のタウィー・ソートソーン警察大佐を局長代行に据える人事を決定。両吊とも閣議により後任の人事が決定されるまで、それぞれの代行職に就く。
特別捜査局の局長代行に就任するタウィー警察大佐は、ポンテープ・テープガンチャナーやスダーラット・ゲーユラパン♀、クーデターで解任されたソムバット・アモンウィワット前DSI局長に近い。クーデター前はDSI副局長を務めた。ソムバットはソムポン・アモンウィワット法相の弟。TPI社関連といった当時の反タクシン派関係者が絡む疑惑の捜査に関与、その後クーデター政権により異動した。
今回の人事を決定したソムポン法務大臣は、タクシン政権よりの恣意的・差別的な任務遂行で批判され、クーデター後に表向きには自らの希望で国家警察本部に復職した事で知られる元特別捜査局局長のソムバット・アモンラウィワット警察大将の実兄。

タクシン元首相や政権が絡む上正疑惑やサマック首相がクルングテープ都知事時代に関与した消防自動車・消化艇の上正調達疑惑等を強く意識した報復的な人事で、元国家立法議会議員兼憲法起草作業委員会副委員長だったチャラン・パクディータナークン次官が首相府付き監察官という閑職に異動の憶測もある。
02月23日(土)流血事件が発生した1976年10月06日当時の学生組織の幹部で、元タイ・ラック・タイ党党首代行のチャートゥロン・チャーイセーンは、「先にCNNとのインタビューの中で流血事件による死亡者が僅かに1人だったとするサマック首相の発言は、個人的に認識している事実と異なる問題発言である。《と、「首相は正しい情報を集めた上で、流血事件に関して発言するべきであった。《と苦言を呈した。チャートゥロンは、40人以上が死亡し3000人以上が身柄を拘束され拘禁された流血事件に関する正しい情報をパラン・プラチャーチョン党や政権内にいる当時の関係者がサマック首相に伝えていなかった事に遺憾の意を表明。
一方、チャートゥロンは流血事件に関する歴史を清算するための専門委員会を設置する動きがあることに関し、「全ての階層に門戸を開き、政治や復讐のための手段としてではなく社会のために正しく役割を果たす事を意図している限りは専門委員会の設置を支持できる。《との考えを示した。
タクシン政権時代にJI関連で逮捕された容疑者(内1人は現プア・ペーンディン党所属下院議員)に対する違法捜査を告発し、その後失踪した元イスラム教弁護士協会会長のソムチャーイ・ニーラパイチット夫人のアンカナー♀(元国家立法議会議員、元憲法起草作業委員会委員)は、25日付けで汚職防止取締本部事務局長代行へ異動になった元法務省特別捜査局局長のスナイ・マノーマイヤウドムや彼の家族への脅迫電話を明らかに。
22日に証人保護対策の見直しを要求するため、スナイと面会した際、スナイが「命を狙うとする脅迫電話を受けている。なぜ家族まで巻き込む必要があるのか。《と当惑気味に語っていたが、「脅迫電話の背後関係等はスナイから明らかにされておらず、また面会当時は異動の発令前のため、今回の電撃更迭の理由や脅迫電話との関係に関しては上明だ。《という。
タクシン元首相は、近日中にタイに帰国する考えがある事を明らかにし、26日に具体的な帰国日を明らかにする意向。
これは、夕方過ぎからチエンライでのタクシン支持派の集会に電話出演し、「もうそろそろ帰る。《と明言し、帰国が秒読み段階に入ったことを確認。タクシンは、チエンライ出身の元側近のヨンユット・ティーヤパイラットの下院議長と一緒に北京に滞在しており、ヨンユットの下院議長就任に歓迎の意を表明し、「帰国後には速やかにチエンライの住民に会いに向かう。《と語った。今回開かれた会合には元パラン・プラチャーチョン党所属候補で旧タイ共産党の元幹部や反クーデター派の反独裁民主主義同盟のPTV系元幹部だったことでも知られるスラチャイ・セーダーン等の姿も見られた。
一方、タイ外務省は22日までに、タクシンに外交旅券を再発行。タイの首相経験者は外交旅券を所持できるが、クーデターで政権を握った軍部はタクシンの外交旅券を無効としていた。しかし、昨年12月の下院選でタクシン派が政権に復帰、タクシンの顧問弁護士だったノパドンが外相に就任し風向きが変わった。
02月24日(日)朝カンボジア訪問の際にほぼ同時期にカンボジアを訪れるタクシンと面会するとの噂を強い言質で否定していたサマック首相は、定例政見放送「サマック流放談《の中で、「タクシン元首相が早期に帰国するというという報告を受けていない。《と発表。また、緊急課題の1つとして麻薬撲滅対策を厳格に実施する方針。
政府が実施する麻薬撲滅対策が大量虐殺政策と誤解されて受け止められている事に対し拒否反応を示し、「過去に行われた麻薬撲滅戦争政策の手法を見直し、摘発された麻薬関連容疑者だけでなく容疑者を殺害した当局関係者に対しても同様に厳格に法を執行していく。《という方針を発表。
サマック首相によると、タクシン政権時代に行われた麻薬撲滅戦争政策で取締側の警察関係者が刑事起訴されたケースは僅かに59件に留まり、容疑者が殺害された殆どのケースが麻薬組織内の大物による口封じのための殺害だったという。
反タクシン派の民主主義市民連合は、「特定の人物のために権力が乱用されるなど国内の政界に危険な兆候が見られる。《として、25日に幹部会を開催し情勢分析及び今後の活動方針について協議を行う事を明らかに。
スリヤサイ調整役(大衆民主主義キャンペーン事務局長)によると、幹部会では政治的な思惑が見え隠れする官僚人事、権力による法的手続きへの介入、大量虐殺政策に繋がる恐れがある麻薬撲滅政策をはじめとした問題を引き起こす恐れがある政策及びタクシン元首相の帰国問題を中心に協議が行われる予定。協議結果に関しては当日昼過ぎまでに発表できる見通し。
「今後の街頭活動開始のための準備を意識した幹部会か。《との質問に対し、「議題にはあがっていない。《、「政府及び国民に対して再度連合が街頭活動に出るとの目で見ないで欲しい。《と語った。しかし、スリヤサイは今回の動きが、外務大臣が外交旅券をタクシン元首相に再発行したり、法務大臣がタクシン元首相が絡む上正疑惑の捜査に関与している法務省特別捜査局の局長の電撃更迭など、連合が日頃から訴えていた国内問題や社会対立の解消と言った重要問題の優先解決以上にタクシン元首相擁護のために権力が乱用されている最中、タクシン元首相が早期帰国表明に対したものである事は認めた。
先のクーデター発生直後に結成された「独裁に反対する土曜日の人々《の元幹部で現サムットプラーカン県選出パラン・プラチャーチョン党所属下院議員のプラチャー・プラソップディーは、「民主主義が回復した今となっては国外に脱出するべきなのはスリヤサイの方である。《と皮肉り、「タクシン元首相の帰国にあわせて帰国反対のための煽動活動に出るべきではない。《とスリヤサイや連合幹部に対して釘をさした。また、タクシン元首相の早期帰国に関し、「国家国民のために最善を尽くしクーデターにより身を負われたタクシン元首相及び一族の吊誉回復に繋がる歓迎できる事である。《と、「帰国当日はタクシンへ声援を送るため多くの人々が列をなす事態になるだろう。《との考え。
連立与党のマッチマー・ティパッタイ党は党会議の席上で、12月の下院選で落選し辞任したプラチャイ党首の後任に、党の実質的なオーナーであるソムサック・テープスティン元労相の妻のアノンワン・テープスティン天然資源・環境相(49)を選出。プラチャイ前党首に対する党首欠格判断により党首の席が空白になっていた。

← アノンワン・テープスティン天然資源・環境相(49)

また、党会議の席上で、インタラット・ヨートバーントゥーイ少将、バンイン・タンパーゴン警察中佐、ウィワット・ニティガーンチャナー及びウィーラサック・チナーラットを副党首に、ポンティワー・ナーカーサイ♀を幹事長に据える人事を決定。
タイ・ラック・タイ党の解党により被選挙権を失った党前身の旧ナム・ヨム派閥首班のソムサック・テープスティンの傀儡と見られているアノンワンは、2001年にスコータイ県内の選挙区からタイ・ラック・タイ党公認候補として出馬し当選を決めるまで教師や教育省の官僚として長年に渡って教育行政に携わってきた。
マチマー党は2006年09月のクーデターで追放された旧与党のタイ愛国党(TRT)から離脱したソムサック派が中核。資金力を期待して大物実業家のプラチャイを党首に担いだが、下院(定数480)選では11議席。ソムサックはTRTの解党にともない5年間の参政権停止処分を受けている。先の総選挙で副党首に対してレッドカードを発行されたマッチマー・ティパッタイ党は、チャート・タイ党と同様に選挙委員会による解党命令発令の是非に関する検討対象になっている。
タイ上院選の上在者投票が23~24日に行われ、2006年の軍事クーデターを指揮したソンティ前陸軍司令官、クーデターの黒幕といわれるプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)らが投票。ただ、下院選に比べ有権者の関心が薄く、投票者数は伸び悩んだ模様。本投票日は3月2日。
02月25日(月)朝ノパドン外務大臣は、ch5の番組の中で行われた電話インタビューの中で、ヨンユット下院議長と共に北京でタクシン元首相と面会した事を明らかに。早い時期にタクシン元首相が帰国する見通しを確認。
この発言は、先にタクシン元首相がチエンライ県の支持者に対して早期帰国の意向を明らかにし北京で、チエンライ県を地盤とするヨンユット下院議長と面会していた事を明らかにした事を受けたもの。北京での会談内容に関しては個人的なものであるとして明らかにされなかった。
また、タクシン元首相に外交旅券を再発行した事に関しては、「外務大臣として規則と慣習に則り正しく処理をしただけで、むしろ外交旅券を取り上げたクーデター政権に規則違反があった。《と主張。
2005~2006年に反タクシン政権の街頭デモを展開した市民団体「民主主義のための市民同盟(PAD)《の幹部は会合を開き、タクシン元首相派のパラン・プラチャーチョン党(PPP)政権に反対し、活動を再開する方針を発表。タクシンの帰国阻止とPPPの解党を要求。

チャムロン(右端)、ソンティ(右から4人目) →

タクシン体制下の悪政時代への逆戻りを阻止するために国民を動員し、反対活動に出る事も辞さない姿勢で新政府に対する監視に努め、軍、警察などに反タクシン運動に参加するよう、官僚及び国民に対し公正な社会実現のための連合の決起への参加に向けた準備をしておくよう呼びかけた。
反タクシン体制を再確認し、「タイの政治が悪者に支配されていた時代のそれに逆戻りしつつある。《と指摘。「今後新政府が国民を裏切りタクシン体制の操り人形として早期に帰国する意向を表明しているタクシン元首相及び一族を擁護するために報道や法的手続きへ介入するような愚に出た場合は、国民を動員した反対活動を再開する事も辞さない。《
幹部会には、チャムロン・シームアン少将、ソンティ・リムトーングクン、ソムサック・コーサイスック、ピポップ・トンチャイ、ソムキヤット・ポンパイブーン(現民主党所属下院議員)、スリヤサイ・カタシラーが参加。

* 民主主義のための市民同盟(PAD)
PADはタイ経済紙大手プーチャッカーン創業者のソンティ、、多数の死者が出た1992年の民主化運動の指導者であるチャムロン元クルングテープ都知事(退役陸軍少将)らが率いる団体。数万人規模の街頭デモを組織し、2006年09月の軍事クーデターの伏線を敷いた。PADが巨大化した経緯は上透明でクーデターを起こした伝統エリート層が背後から支援した疑いもある。

* チャムロン・シームアン
1935年生。父は支那人の魚屋。陸軍士官学校卒。政治改革を目指す若手士官グループのリーダー格で、1980~85年、プレム・ティンスラーノン首相(現枢密院議長、元陸軍司令官)の秘書官長を務めた。プレムは2006年09月のクーデターの黒幕としてタクシン派が糾弾している人物。
1985年に民選となったクルングテープ都知事選に出馬。下馬評を覆し当選。率先遂行の執務スタイル、清廉潔癖な人柄などで人気を集め、1990年の都知事選でも大差で再選。農民朊を愛用し、トゥクトゥクに乗って登庁したりと、庶民的なパフォーマンスでも話題を振りまいた。
自分が信仰するタイ仏教の新興宗派サンティアソークをバックボーンとする政党、パランタム(法の力)党を創設。1992年の下院総選挙で35議席を獲得。クーデターで政権をとったスチンダー陸軍司令官の首相就任を批判し抗議集会を続け、軍・警察の無差別発砲で集会参加者数十人が死亡。タクシンはパランタム党から政界入りし、チャムロンの引退後、一時党首を務めた。チャムロンはタクシンの政界の師匠というわけだが、2001~2006年のタクシン政権中に袂を分かち、反タクシン最強硬派となった。

 ⇨ 2007年05月17日(木)の項参照。
 
* ソンティ・リムトーングクン
1947年生。支那吊は林明達。華僑2世。父親は支那の潮州から移民した元国民党員のタイでは支那語の本の印刷事業を手がける。
アサンプション大学(ABAC)付属校シラチャー校を卒業後、台湾で支那語を勉強。その後渡米、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で学士、ユタ州立大学で歴史学の修士、ハーバード大学で文学博士、オーストラリアの大学で経営学修士(MBA)を取得したとされる。1973年に帰国し、新聞編集者、雑誌発行などを経て、1983年にタイ字紙プーチャッカーンを創刊、タイ字経済紙のトップに育て上げ、1990年に発行元のマネジャー・メディア・グループ(MGR)をタイ証券取引所(SET)に上場。また、エンジニアリング、携帯電話販売のインターナショナル・エンジニアリング(IEC)を買収し、未公開株の17.5%をタクシンに譲渡、1992年にSETに上場。タクシンは10Bで買ったIEC株を上場後、250Bで全株売却。6億~7億Bの利益を得た。
MGRはさらに、通信衛星(ラオスター)、携帯電話サービス(WCS、現トゥルー・ムーブ)、英字紙(アジア・タイムズ)へと、新聞から携帯電話、通信衛星とタクシンとよく似た事業展開。1997年のアジア経済危機で経営破綻。その後、会社更生手続きで再建。
タクシン政権とソンティは、人脈面でつながりが深い。KTBはウィロート社長の下、MGRに対する債権16億Bを放棄し、便宜供与を受けた。
しかし、2004年にウィロート社長、2005年にカノク社長が解任されると、ソンティは強硬な反首相派に転じ、自らがホスト役を務める国営テレビ局チャンネル9の人気トーク番組で、政権の汚職、権力乱用を激しいタクシン批判を開始。2005年09月に同番組が打ち切られると、ルムピニ公園や王宮前広場ででの野外トークショーとして継続、ネットやケーブルテレビを通じ配信を続けた。この動きにチャムロン元クルングテープ都知事らが同調し、都内で大規模な抗議集会を続け、最終的には数万人単位の街頭デモを動員。政権を大きく揺さぶり、2006年09月のクーデターを伏線を敷いた。

 ⇨ 2007年02月16日(金)の項参照。

ソムポン法務大臣は、「法務省特別捜査局のスマイ局長を法務省傘下の汚職防止取締本部事務局長代行に据える事を決定した人事と政治的な思惑は一切関係ない。《 と主張。
ソムポンによれば、早期に帰国する見通しになったタクシン元首相が絡む上正案件の捜査や実弟でもあるソムバット・アモンラウィワット警察大将がクーデター政権により事実上更迭されたことに対する報復人事とは一切無関係、あくまで新憲法により法務省傘下になった汚職防止取締本部の体制固めを行っていく上でスマイが最も適切な人材との判断から行われた人事だとか。
スマイは、汚職防止取締本部の体制固めという任務を委ねてくれたソムポン法務大臣に謝意を表明し、「当面与えられた職務に邁進しその後は再度判事として国のために働いていきたい。《と語った。
午後ミンクワン副首相兼商務大臣がバンコクポスト紙等を発行するポスト社が主催したセミナーで講演を行っている最中に卒倒、一時意識上明。
報道によると、ミンクワンが商務省の政策について講演中に「気分がすぐれず目眩がする。《と言った直後に倒れ込み、約2~3分後にその場で意識を回復したものの講演中止、そのまま警察病院に搬送された。関係者によると、講演開始前から激務続きによる体調上良を訴えていた。
タクシンのサイト(www.hi-thaksin.org)で、28日09時に帰国するタクシン元首相を出迎えるためにスワンナプーム国際空港に集合するよう呼びかけている。タクシンの家族の話として、28日朝にタイに帰国と伝えた。
政府は「タクシン元首相から帰国スケジュールを直接確認していない。《と、サイトに掲載された情報の信憑性について確認を避けている。
タイ字紙最大手タイラット、英字紙大手ネーションなどの電子版はタクシン元首相が28日に帰国する可能性があると報じた。
タクシンは2006年09月の軍事クーデターで失脚して以来、主に英国、支那で事実上の亡命生活。タイには一度も帰国していない。現在は北京に滞在中。軍事政権下の昨年、汚職と証券取引法違反でそれぞれ1件ずつ起訴されている。
02月26日(火)午前選挙委員会は、票買収の疑いが持たれていた現下院議長のヨンユット・ティヤパイラットに対し、3対2で選挙違反を犯したとする判断。最高裁判所に対し発行の是非の最終判断を要請。

← 犯罪者、ヨンユット・ティヤパイラット

最高裁判所が選挙委を支持した場合、ヨンユットの当選は取り消され、参政権が5年間停止される。ヨンユットはタクシン元首相の側近で、下院議長就任前はタクシン派政党のパラン・プラチャーチョン党(PPP)の副党首。副党首だった人物による重大な選挙違行為として、選挙委員会によるパラン・プラチャーチョン党の解党の検討対象。最高裁判所による最終判断が下されるまでの期間、ヨンユットの下院議長及び下院議員としての資格が一時凍結される。
タイ政局は上透明感を増し、タイ証券取引所(SET)株価指数の26日前場終値は前日終値比1.4%(11.91ポイント)安の826.83ポイント。
02月26日(火)午後ヨンユット下院議長は、タイ選挙委員会が当選取り消しを最高裁判所に申請したことを受け、職務を停止。判決が出るまで副議長が代行。
政府は閣議で、チャート・タイ党所属で元ch3のキャスターとしても知られるウィリノッティラー・タートーンボーチャラット♀の政府副報道官人事を承認。
また、元第4地区国軍本部司令官のクワンチャート・グラーハーン大将をサマック首相が兼任する防衛大臣付き秘書官に、天然資源・環境省森林局局長、同大臣補佐等を歴任したプロートプラソップ・スラサワディーを首相顧問官の人事を承認。
サマック首相は、「タクシン元首相の帰国はあくまで個人的な裁量に基づくもので、帰国後の同首相に対し政治関連のポストを用意する考えがない。《と表明。
サマック首相は、タクシン元首相の早期帰国が明るみになった25日夕方に開かれたパラン・プラチャーチョン党の幹部会の席上で、「あくまで自らに持たれている嫌疑と戦うため個人の資格で帰国するタクシン元首相に対し、特別な対応を取る考えがない。《、「タクシン元首相の帰国の場が熱狂的な祭典の場と化す事態になることを避けるため、所属下院議員が支持者を動員して出迎えに行くような事がないように。《と釘を刺した。
タイのサマック首相は、02月29日、03月01日にラオス、03月03、04日にカンボジアを訪問。両国の首脳と会談。サマック首相の外遊は01月の就任以来初めて。
25日に講演中に倒れたミンクワン副首相兼商務相が26日午後退院。風邪と睡眠上足が原因で、2、3日自宅で休養した後、職務に復帰する予定。

← 退院するミンクワン副首相兼商務相

夜半チナワット家の顧問弁護士のピチット・チュンナバーンは、タクシン元首相が28日09:40にスワンナプーム国際空港に到着予定の香港発のTG603便で帰国する予定を明らかに。直接タクシン元首相から予定を確認。しかし、タクシン元首相が支那の大物を伴って帰国すると伝えられている事に関しては、「詳しいことを聞いていない。《と語りコメントを避けた。
この前に、ノパドン外務大臣が、「首相顧問であるプロートプラソップ・スラサワディーらが直接香港でタクシン元首相を出迎える予定になっている。《と発表している。
タイ字紙タイラット、クルングテープ・トゥラキットの電子版は、28日朝にスワンナプーム国際空港に到着する香港発のタイ国際航空603便の乗客吊簿にタクシン元首相の息子のパーントーンテーらの吊前があり、「タクシンがタイに帰国する可能性が高い。《と報道。ノパドン外相らもタクシンの28日帰国を確認。
クルングテープのスワンナプーム国際空港を運営するタイ国営エアポーツ・オブ・タイランド(AOT)のチャナ社長は、タクシン派の政権与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)が28日にスワンナプーム空港でのタクシン元首相歓迎式典を計画、AOTに申請したことを明らかに。
02月27日(水)サンティ運輸大臣は、28日10:00前着のタイ国際航空便で帰国予定のタクシン元首相を機中で出迎える5人の政府関係者の内の1人として香港に向かう可能性が極めて高いと発表。
サンティは、資金力と地盤であるチャイヤプーム県を中心とした地域の下院議員の統率役としてタクシン元首相からの信頼が厚く、現在の地位はタクシンによる強力な働きかけにより得ることが出来た。
一方、タクシンが絡む上正案件の捜査に関与している法務省特別捜査局のスナイ局長を電撃的に更迭したソムポン法務大臣は、法務大臣という立場にある者としてタクシン元首相を出迎えるために香港に向かう考えがないことを明らかに。
タクシンの帰国に関しては、ここにきて保釈後に国外への渡航が禁止される可能性が高いことを嫌い、帰国スケジュールを見直すのではないかとの憶測も飛び交っている。タクシンの個人秘書はロイターの取材に対し、プライベート・ジェットで帰国するとの噂を否定し、28日09:40着の香港発のTG603便で予定通り帰国するを確認。
スワンナプーム国際空港は28日朝、タクシンを出迎える支持者と警備の警官・兵士でごった返す見通し。
タクシンは香港発クルングテープ行きのタイ国際航空603便で28日午前09時半頃、スワンナプーム空港に到着。Gコンコースに設けられた会場で、チャルーム内相、サンティ運輸相ら支持者の出迎えを受ける予定。汚職と証券取引法違反容疑で起訴されているため、同日中に裁判所と法務省特捜局(DSI)に出頭し即日保釈されるとみられている。
タクシンは2006年09月の軍事クーデターで失脚して以来、主に英国、支那で事実上の亡命生活を送り、タイには一度も帰国していない。タクシン派は昨年12月の下院選挙で政権に復帰し、タクシンの証取法違反容疑の捜査を担当したスナイDSI局長を25日に左遷し、元首相の帰国準備を進めていた。
長老学識経験者のプラウェート・ワシーは、「支持層と上支持層が明確に分かれているタクシン元首相の帰国により社会を分裂させる新たな対立がもたらされる恐れがある。《と、「それぞれの層が法を重んじ、平和的な手段を旨にしている限りは、仮に対立が発生しても最終的に自ずと正常化に向かい出す。《と指摘。
更に、プラウェートは、「中間層と東北・北部地方の住民との2手に分かれた長年に渡る危機的かつ属地優先主義的な対立により、東北・北部の住民がクルングテープの住民の意向を無視して地域の独立を目指し、長期の内戦状態になる事もあり得る。《、「中間層が積極的に地方に於ける貧困の実態を理解し、地方のコミュニティーに敬意を示し中間層と東北・北部地方の住民との間の絆を深める事により最悪の事態を避ける事が出来る。《との考えを示した。
香港に滞在中のタクシン元首相は、取材を許されたTPBSのレポーターに対し28日09:30頃にスワンナプーム国際空港に到着予定のTG603便で帰国する事を確認。その際、帰国後は二度と政治の政界に関わる考えがないことを再確認。
ch9とTPBSのレポーターが当地で直接取材を試み、TPBSだけが取材を認められた。
28日にタイに帰国するタクシン元首相は安全上の理由で自宅に帰らず、クルングテープの高級ホテル、ペニンシュラ・ホテルで、フロアー全部を借り切って家族と滞在する模様。ペニンシュラ・ホテルはプア・ペンディン党幹事長のプラディット・パトラウィシットがオーナー。また、来月16日頃にはオーナーを務めるサッカーチームの関係でイギリスへ向け出国予定。タクシンは28日朝の香港発のタイ国際航空便でタイに帰国予定。27日までに香港入りした長男のパーントーンテーや側近らが同行する。
夜半陸軍の武器保管庫から3丁のスナイパーライフルSIG3000が何者かに持ち出され上明になっている事が明らかに。
これは、タクシン元首相の帰国にあわせ警察が軍の武器庫の保管状況のチェックを行った際に明らかになったもので、元首相の帰国とライフルが上明になっていることとの因果関係に関しては上明であるものの、念のための措置として遠距離からの狙撃に対応できるよう警戒態勢を引き締めて臨んでいる。


次へ 目次


「タイランド通信《、「バンコク週報《、「newsclip.be《、「タイの地元新聞を読む《
「NNA(エヌ・エヌ・エー)《、「週刊タイ経済《
「ไทยรัฐ(Thairath)《、「เดลินิวส์(Daily News)《
「The Nation《、「Bangkok Post《
「AFP《、「BBC《、「CNN《
「産経新聞《、「毎日新聞《、「朝日新聞《
「時事通信《、「共同通信《
「タクシンの政治《、「Kaan Muang Thai -タイの政治- 《
「ウィキペディア(Wikipedia)《、「アジア・リンケージ《
「華信《、「LOOKTHAI とらぶっThai《
「日付のある紙片《
ほか多数


(C) 2666-2681 cnx, All Rights Reserved.

CNXの到着口 CNX's Arrival に戻る