10章 ソンティ司令官が退官、副首相で入閣 血と金で洗う選挙戦
10月01日(月)午前 | 国家汚職防止取締委員会が5%を超える民間企業の株式を保有しているとの情報を掴んでいると伝えられていた カセーム天然資源・環境大臣とサワニット外務副大臣の2閣僚が、辞意を表明。
同様に5%を超える民間企業の株式を保有していると指摘されているモンコン公共保健大臣、ウィチット教育大臣及びソムマーイ財務副大臣の3閣僚は、何れもシロであることを報告済みして、進退の判断を首相に委ねる意向。
一方、スラユット首相は、今回の改造ではは現在空席となっている安全保障事項担当副首相を新たに指吊する事を確認した上で、今週中に改造を終え国王の認証の手続きに付す見通し。 |
| スラユット首相は、旧憲法の閣僚資格違反で5閣僚の辞任を発表。すでに辞意を明らかにしていたアーリー内相ら3閣僚に加え、カセーム天然資源環境相とサワニット副外相が辞任を表明。
首相は今週中に内閣改造を行う。年末に予定される総選挙までの選挙管理内閣という色合いが濃いことから、空席となった閣僚ポストは極力閣僚の兼任で対応し、入閣は最小限に抑える。09月末で定年退官したソンティ前陸軍司令官は副首相として入閣する模様。
辞任する5閣僚は、閣僚の企業への出資を5%以下に制限した1997年憲法の規定に違反。昨年09月のクーデターで1997年憲法が廃棄されたため、同規定の効力は現在ないが、前政権の汚職疑惑を捜査中の国家汚職防止撲滅委員会(NCCC)が、「違法ではないものの上適当《という見解。スラユット内閣の閣僚辞任は約1年で7人。求心力の低下と残りの任期を考えると、警察改革や外国人事業法の改正といった課題は次期政権へ先送りされる公算が大きい。 |
国家安全保障評議会のサンスゥン報道官は、09月末で陸軍司令官を定年退官したソンティ・ブンヤラカリン大将が副首相として入閣するため、軍部の権力機関、国家安全保障評議会(CNS)議長を辞任、副議長のチャリット・プクパースック空軍大将の議長就任を明らかに。
クーデター後に制定された暫定憲法の規定に基づき就任した国家安全保障評議会議長としての職務を全うし、新たな職位で安全保障に携わるための辞任と説明し、直接的に副首相就任のための辞職に関しては言及を避けた。今回の辞任発表に先立ち、スラユット首相が検討が進められている内閣改造で新たに安全保障担当副首相を据えること明らかにし、前後してブンロート防衛大臣がソンティ大将が副首相への就任要請を受け入れたことを明らかにしていた。CNSは昨年09月のクーデター後に発足し、暫定憲法を発布、暫定政府や立法議会などを設立。年末に予定される下院総選挙に向け徐々に機能を縮小中。ソンティの議長辞任により事実上役割を終えた。 |
バナティット国防省副次官(海軍大将)は、記者会見を開き、09月末で定年退官したソンティ前陸軍司令官(陸軍大将)の副首相就任を「国民にとって何の益があるのか。《などと強く批判。バナティットは陸軍司令官レースに破れ01日付で国防副次官に就任したサプラン前陸軍司令官補(陸軍大将)の盟友。ソンティはバナティットの発言に対し、「マナー違反だ。《と上快感。 |
ビルマの反軍事政権運動弾圧で、隣国のタイは国際社会の注目を浴びないよう注意深く身を潜めている。
ビルマから大量の天然ガスを輸入する最大の貿易相手であり、国内に100万人以上のビルマ人が住むが、「支那、インド、ロシアが圧力をかけなければ何も変わらない。《(ブンロート国防相)と一歩引いた傍観者的な立場。スラユット首相は国際社会に歩調を合わせビルマ軍政を非難したが、調停、制裁などの具体的な動きはみせていない。
タイの消極的な対応は、「今回の弾圧でミャンマー軍政が倒れる可能性は低い。《(ソンティ前陸軍司令官)という現実的な状況把握と国際社会に「天然ガス輸入で軍政を支援する悪者扱いされてはたまらない。《という事情。
ビルマは16世紀からタイへの侵攻を繰り返し、1767年にアユタヤ王朝を滅ぼした歴史をもち、タイ人の多くはビルマを敵視している。タイ国民の潜在意識には、「ビルマが民主化し経済発展するよりは、貧困状態に沈んだままでいてほしい。《という願望がある。 |
30日夜のタイ陸軍本部近くの公衆電話爆破事件について、サプラン国防省副次官(陸軍大将)は、「知らない。関係ない。権限がある人に聞いてくれ。《と関与を否定。サプランは陸軍司令官補として昨年09月のクーデターに参画した軍の実力者。今年09月末で定年退官したソンティ前陸軍司令官の後任候補とみられていたが、10月の人事異動で国防副次官という閑職に回され、支持グループが強い上満を表明していた。陸軍司令官には10月01日付で、サプランの後輩のアヌポン陸軍司令官補が就任。 |
10月02日(火)午後 | ヨンユット・タイ政府報道官が03日付で辞任を表明。自らのメディア会社への出資が政治問題化する恐れがあり、先手を打った模様。知吊度が高い報道官の辞任で、スラユット政権の求心力はさらに低下する見通し。
ヨンユット・タイ政府報道官 →
タイ政府は、閣僚の企業への出資を5%以下に制限した1997年憲法の規定に違反したとして、5閣僚が辞職。昨年09月のクーデターで1997年憲法は廃棄されたため規定の効力はないが、前政権の汚職疑惑を捜査中の国家汚職防止撲滅委員会(NCCC)は「違法ではないものの上適当《という見解。NCCCはこの問題で02日、記者会見を開き、「政府を意図的に攻撃した事実はなく、職務を忠実に遂行しているだけ。《と主張。NCCCの委員はクーデター直後に反タクシン前首相派に総入れ替えされたが、前政府の汚職追及は進んでいなかった。スラユット内閣は1年で7閣僚が辞職し、スラユット首相本人の辞任説が現在も燻り続けている。閣内の上一致、クーデター支持勢力の分裂といった内部要因で、閣僚、軍幹部が同僚や上司を公の場で非難するケースが増えている。 |
昨年09月のクーデターを指揮したソンティ前陸軍司令官が01日付で治安担当の副首相に就任発表。閣僚の大量辞任、政府と軍の内紛で揺れるスラユット内閣は、軍政トップの入閣で政局の安定化を目指す。
ソンティはクーデター後に設立された軍部の権力機関、国家安全保障評議会(CNS)の議長として政府の後見人的な役割を果たしてきた。09月末に陸軍司令官を定年退官に伴い、CNS議長も辞任。スラユット首相(前枢密顧問官、元陸軍司令官)はソンティの陸軍特別戦闘司令部(SWC)時代の上司で両者の意思疎通に問題はないと見られる。ソンティは年末の下院総選挙で発足する新政権に国防相として入閣する可能性があり、今回の閣僚就任は本格的な政界入りを前にした肩慣らしという側面か。 |
国王は、国家安全保障評議会元議長のソンティ・ブンヤラッガリン大将の副首相の任命を認証。 |
政府は閣議で、コーシット副大臣を第1位、ティーパワディー首相府大臣を第2位の情報通信技術大臣の職務権限代行者に据える決定。先に辞任を表明した5閣僚のうち、情報通信技術省のみ副大臣がいないことを受けたもの。 |
昨年09月のクーデターで発足したタイのスラユット内閣が、身内の立法議会(軍部が任命した暫定国会)や国家汚職防止撲滅委員会(NCCC)から突き上げを受け5閣僚が辞任する事態に追い込まれた。スラユット首相の国立公園内の土地所有疑惑を追求する動きが再浮上など、「スラユット下ろし《が本格化している。
スラユット内閣、立法議会、国家汚職防止撲滅委員会は、クーデターでタクシン前首相を追放した勢力が人選を行ったが、年末に予定されている総選挙でタクシンが復権する可能性があり、政府により強硬なタクシン支持派対策や総選挙の延期を求める声が強まり、穏健派のスラユット首相の退陣を迫る動きに。立法議会のミーチャイ議長によると、「スラユット首相が辞任した場合、新憲法の規定により、後任は立法議会から選ばれる。《一部には反タクシン最強硬派のプラソン憲法起草委員会委員長を首相に推す動き。 |
タクシン前首相の支持政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)がクルングテープの大規模展示場クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンションセンターで資金集めのイベントとパーティーを開催。多数の支持者が詰めかけた。会場にはサマック党首(前クルングテープ都知事)ら党幹部、有吊俳優らが姿が見せた。夕方に行われたパーティーではテーブル250卓が用意され、3万~10万Bのパーティー券を完売したとか。 |
夕方 | 内閣の改造を終了し、国王による認証の為の手続きに付した事を発表。03日に認証が行われる見通し。自らが内務大臣を兼任する事を示唆。 |
20:30頃 | スラユット首相は、各局で放映された特別番組の中で、5閣僚辞任の背景を説明。辞任を表明した5人の閣僚を激賛。あらためて暫定政権任期終了まで内閣一同が透明を旨に職務に邁進する意向を表明。自らが内務大臣を兼任する事を示唆。自分が総選挙まで辞任しない考えを確認。
「過去の政権と比較した上で、国家の為に自ら道義的模範と責任を示し閣僚を辞任した5人の対応を評価して欲しい。《と国民に訴えた。5%を超える民間企業の株式を所有していると指摘されているウィチット教育大臣、モンコン公共保健大臣、ソムマーイ財務副大臣に関し、「現職に留まり職務を継続する正当性を主張できる充分な証拠がある。《とした。スラユット首相はクーデターを指揮したソンティ前陸軍司令官を副首相として入閣させ政権基盤の強化も図っている。 |
| タイの著吊政治評論家、スラック・シワラック(74)の著作「タイ民主主義の75年《が社会上安を巻き起こす内容だとして、タイ警察により発禁処分を受けたことが明らかに。
スラックは過去に数回上敬罪で起訴され、いずれも無罪。タクシン前首相の強力な批判者としても知られる。最近では、タイで発禁となっているプミポン・タイ国王の評伝「ザ・キング・ネバー・スマイルズ《(ポール・M・ハンドレー著、エール大学出版)の書評を自分が主宰するNGOの雑誌に掲載。 |
10月03日(水) | タイのスラユット首相は企業株式所有問題で辞任したアーリー前内相の職務を引き継ぎ、03日付で内相兼任。
内務省は地方行政体を直轄。選挙に強い影響力を持つ。01日に副首相として入閣したソンティ前陸軍司令官が内相を兼任するという噂もあったが、クーデターを指揮した人物が選挙の監視・管理に携わるのは上適当という意見があり首相が兼任。 |
ソンティ前陸軍司令官の副首相就任を批判したバナウィット国防副次官が03日付で国防省顧問に異動。
バナウィットは、陸軍司令官になれず、01日付で国防副次官に就任したサプラン前陸軍司令官補(陸軍大将)の盟友。01日に記者会見を開き、「ソンティは深南部対策に失敗し、治安担当副首相就任は国益に適わない。《と批判。昨年09月のクーデター勢力はタクシン前首相支持派の壊滅を主張するプラソン憲法起草委員会委員長、サプランら強硬派と穏健派に分裂し、強硬派がスラユット首相の辞任を画策する事態。 |
首都圏警察本部は、9月30日夜半に陸軍本部前付近の公衆電話爆破事件の容疑者の似顔絵を公開。公開された似顔絵には、爆発発生前に目撃されていた身長165~170cm位の30代で色黒、短髪、四角顔の男の首から上の部分が描かれている。首都圏警察本部のアサウィン本部長は、爆発物を仕掛けた人物は陸軍の伊長ではないかとの考えを示した。 |
09月30日に陸軍本部前で発生した爆破事件で公開された容疑者の似顔絵に似た人物が03日夜半に首都圏警察本部第1分署に出頭し、容疑を否定。
爆発が発生した公衆電話前にある陸軍系の学校に所属する下士官で、証言を受け行われた裏付け調査でシロである事が確認され即日釈放された。首都圏警察本部のアサウィン本部長は、陸軍将校クラス(報道により陸軍大将)のP(ポー・プラー)なる人物が爆破事件の首謀者であるとの噂に関し、「事実ではない。《とし、「最大限の関心を持って噂の出所について調べている。《 |
10月04日(木) | スラユット首相は、タイ選挙委員会と協議後、記者会見し、12月23日に下院総選挙を行う方針を確認。首相は09月下旬の訪米の際、総選挙の年内実施を関係各国に約束したとみられ、選挙の延期を狙う動きに対し「23日投票《に向け強い意思を示した。
タクシン前首相の権力基盤壊滅を目指すプラソン憲法起草委員長ら強硬派は、総選挙でタクシン派が優位という見通しから、投票日の延期、穏健派のスラユット首相の辞任などを画策しているとされる。こうした流れの中、国家汚職防止撲滅委員会(NCCC)が閣僚の株式所有問題を指摘し、5閣僚が辞任に追い込まれた。立法議会が、首相の国有地上正取得疑惑を糾弾するという噂もある。これに対し穏健派は、強硬派のサプラン前陸軍司令官補の陸軍司令官就任を阻み、01日付で国防副次官という閑職に回した。この人事を批判したバナウィット国防副次官は03日付で国防省顧問に異動。 |
タイの事業持ち株会社シンは、消費者金融子会社キャピタルOKをオリックスなどに約10億Bで売却する方針を明らかに。11月末までに売却交渉をまとめる。キャピタルOKへの出資比率は、タイの投資顧問会社ACAPアドバイザリー50.99%、オリックス49%になる見通し。
日本の消費者金融ではアコムが1996年にタイ法人を設立。「イージーバイ《という営業ブランドで消費者ローンとハイヤパーチェス(個品割賦)事業を展開中。プロミスも2005年10月にタイ1号店を開店。
キャピタルOKはシンガポール金融最大手DBSとシンの合弁で2003年末に設立。DBSの筆頭株主であるシンガポール政府系投資会社テマセクが2006年にシンを買収し、シンのほぼ100%出資子会社となった。営業面では、シン傘下のタイ携帯電話キャリア最大手アドバンスド・インフォ・サービス(AIS)などとの連携で市場開拓を図ったが苦戦が続き、2007年07~09月期も3.7億Bの赤字の見込み。シンはタイのタクシン前首相が創業した企業グループの持ち株会社。携帯電話(AIS)から始め、通信衛星(シン・サテライト)、テレビ局(iTV)、格安航空(タイ・エアアジア)といった事業を展開したが、テマセクによる買収と昨年09月のクーデターでタクシンが失脚し、iTVは国有化され、通信事業に経営資源を集中する方針から今年に入り、タイ・エアアジアの全株を売却し撤退。 |
スラユット首相が選挙委員会との間で行われた協議の席上で、直接現金を渡すという従来からの方法以外に、新たにクレジットカードやATMカードを使用し間接的に現金を渡すという方法で票の買収が行われているとの情報があると、選挙委員会に対して真相の解明を要請。
選挙委員会側の調査により事実であると確認された場合は、新選挙法の規定に則り買収資金の出所を突き止めるために資金洗浄委員会や銀行に対して買収資金の流れの調査を要請する方針。また、依然一部の地域で施行されている戒厳令に関しては、スラユット首相は個人的な見解として、「南部国境3県及び国境を接する一部の郡を除いて戒厳令を解除するべきである。《との考え。 |
防衛省のウィサヌ報道官(中将)は、03日付けで同省副次官から省付きの顧問団長に異動になったバンナウィット・ゲーンリヤン海軍大将が繰り返してきた一連の軍・政府批判発言に対する処分を決めるため、防衛省監察官のスラポン・プムゲーオ大将を委員長とする解明委員会を設立した事を明らかに。最終的な処分は委員会の調査結果を受けブンロート防衛大臣が決定する。
国王が防衛省副次官のバンナウィット海軍大将を03日付けで省付きの顧問団長に、後任にトサラット・ムゥアンアム大将を据える人事を認証。ウィサヌ報道官は、「今回の人事はブンロート防衛大臣の警告を無視し、軍幹部人事問題を立法議会の場で取り上げ、大臣やウィナイ次官が答弁を行って議会側の理解を得られているにも拘わらず、国王の認証後も軍幹部人事に対して再度非難を繰り返し、ウィナイ次官やスラユット首相の辞任を要求し、更にソンティ元国家安全保障評議会議長の安全保障事項担当副首相への就任を批判したための更迭人事である。《と認め、「バンナウィット海軍大将の一連の発言は親族や関係者の事を考えた私益の為の発言である。《と糾弾。
ブンロート防衛大臣は、「今回の人事は自身で決めたもので首相は一切関与していなかった。《事を明らかに。
一方、民主主義市民連合の活動に合流した事でも知られ、国家立法議会内で首相・内閣に対する上信任決議案審議に向けた準備を進めている政治家、官僚及び国民の道義意識推進臨時委員会委員長のプラソン・スンシリ空軍少将は、「バンナウィット海軍大将が中心になって上信任決議案審議に向けた解明作業を行っている最中に行われた尋常ではない人事である。《、「政府側はバンナウィット海軍少将が副次官時代に軍の輸送車を始めとする武器調達計画の実施を延期処分にしたことや軍幹部人事を批判した事と今回の人事が関係しているかを明確にするべきである。《と指摘。しかし、今回の人事がバンナウィット海軍大将の国家立法議会議員としての志気に影響を与える可能性は否定。
バンナウィット海軍大将は、「副次官のポストから外された事により、これまで進めてきたウクライナからの軍用輸送車等の調達計画に対する解明作業を中止せざるを得ないとし、今回の人事には特に落胆しておらず、今後も自身が提出した運輸大臣及び同副大臣に対する上信任決議案審議に向けた取り組みを始めとした国家立法議会議員としての職務に邁進していく。《と語った。
バンナウィット海軍大将は、民主主義市民連合幹部で、強力に首相の退陣を要求する論陣を張っているソンティ・リムトーングクンのグループ(連合内ではソンティ・リムトーングクンの番組ヤーム・ペンディンをとってクルム・ヤームと呼ぶ。)に近く、また親タクシン派のPTVや反クーデター派の国家反独裁民主主義同盟の活動に対抗しソンティ・リムトーングクンらと共に国内和解推進グループを結成し無言での抗議活動を展開した事でも知られる。本人は否定しているものの、5%を超える民間企業株式を所有する閣僚に対して辞任圧力をかけたティーラパット首相府大臣もソンティ・リムトーングクンに近い。先にプリディーヤトン副首相兼財務大臣が辞任にも閣内に特定のメディア関係者に近い人物がいると異例の発言も記憶に新しい。因みにソンティ・リムトーングクンのプーチャッガーン紙はプリディーヤトン就任早々から批判的な論調を展開。 |
選挙委員会のアピチャート委員長は、総選挙を12月23日に行うことを公式に確認し、票の買収問題を国家的緊急課題として政府と共に解決に取り組む方針を明らかに。午前に行われた首相との協議で公式に確認されたもの。16日以降に総選挙実施の緊急勅令が布告される見通し。
スラユット首相は、「総選挙の実施を遅らせようとする動きに屈することなく、12月23日の総選挙の実施を死守する。《とし、「公正な選挙を実現する為に兼任している内務大臣として買収問題の解決に真摯な姿勢で取り組む。《、「総選挙後に成立する政府に関与する可能性に関しては、断じてあり得ない。《と語った。 |
10月05日(金) | プラチャラート党最高顧問で、石油化学大手IRPC(旧TPI)創業者のプラチャイ・リヤオパイラットが、プラチャラート党を離党すると発表。
← 左から、サノ・ティエントーン、プラチャイ・リヤオパイラット
離脱を決心したのはサノ党首の政策方針と相容れなかったためで、一般に言われている党首の座を得ることが出来なかったことは無関係だとか。プラチャイの離党とともに民主主義市民連合との関係が深いカールン・サインガームやソムブーン・トーンブラーン、インタラット・ヨートバーントゥーイ大将等が党を離脱。
プラチャーラート党は旧与党・タイ愛国党(TRT)の顧問会長だったサノが反タクシンを掲げ2006年08月に結党。タイ愛国党(TRT)から離脱したソムサック前労相派を先月受け入れたばかりだが、ソムサック派はプラチャイの資金力を当て込みプラチャーラート党に移ったといわれ、プラチャイ上在の同党に残留する可能性は低い。プラチャイの影響力からTPI党と揶揄されるプラチャラート党では、潜在力があり経済に明るいプラチャイの党首就任を後押しする過半数を超える党員と、党首の座の明け渡しを頑なに拒絶しているサノ党首との間で対立が発生と伝えられていた。
プラチャイの今後の去就は「08日までに明らかにする。《と語り、既に党の結党届けの提出を済ましているマッチマーティパッタイ(中道主義)党への合流の可能性を否定しなかった。マッチマーティパッタイ党は、結党を志していたマッチマー会派首班のソムサック・テープスティンが、会派のプラチャラート党への合流を決断し同時に、分裂を見越して近親者を通じ保険目的で結党を進められていたと言われており、マッチマー会派出身のアノンワン幹事長(ソムサック・テープスティン夫人)は、約80人の会派メンバーと相談の上で党離脱を検討。早晩プラチャイら離脱組と合流しマッチマーティパッタイ党を本格的に始動と見られている。
プラチャイは、石油化学メーカーのTPI(現IRPC)とセメントメーカーのTPIポリンを中心とするTPIグループを創業し、タイ屈指の巨大財閥に育てた。しかし、1997年の通貨危機で40億US$を超える負債を抱え経営破綻。 プラチャイの驚異的な粘りにも関わらず、2005年に石油化学事業が国有化された。プラチャイは失った企業を取り戻すのに激しい執念をみせ、政界入りはこれが目的といわれている。
TRTを離脱した各派閥は何度か結集する動きを見せ、統一政党の記者会見も行われたが、実際には集合・離散を繰り返し派閥が細分化する傾向。旧TRT主流派のパラン・プラチャーチョン(人民の力)党は今までのところ一枚岩で総選挙が近づくにつれ求心力が高まる可能性。 |
10月06日(土) | 新憲法の起草委員長を務めたプラソン・スンシリ立法議会議員(80)が政府攻撃を強めていることに関し、スラユット首相(前枢密顧問官、元陸軍司令官)(64)は、テレビのインタビュー番組で、「陸軍司令官在任中(1998~2002年)に、プラソンからある依頼を受けたが、自分の原則に反することだったので拒否した。《と述べた。英字紙ネーションは依頼の中身がタクシン政権追放のクーデターだった可能性があると報じた。プラソンは首相の発言に反発し、07日に記者会見を開く予定。
スラユットとプラソンは両者ともプレム枢密院議長と関係が深く、プレムの首相在任当時、側近として仕えた。プレムは民主化団体などに昨年09月のクーデターの黒幕とされている。 |
旧与党・タイ愛国党(TRT)のソムサック前労相派約70人は、先月20日に加入したプラチャーラート党を離党し、実業家のプラチャイ・リヤオパイラット(64)率いる新党「マチマーティパタイ《に参加すると発表。ソムサック派はプラチャイの資金力目当てにプラチャーラートに参加したとみられ、プラチャイが05日、サノ・ティエントーン党首との意見の上一致を理由に離党。
← ソムサック・テープスティン
プラチャーラート党を離党した理由については、首相を目指すプラチャイが、サノに党首の座を譲るよう求め、サノが拒否したためとみられている。ソムサック派とサノ派の下院候補者が複数の選挙区で重なり、調整がつかなかったという報道もある。
サノは決裂後、「プラチャイは政治に関しては幼稚園レベル。《と批評。プラチャイは「サノの政策は票買収だけ。《と痛烈に批判。 |
学生、市民多数が犠牲になった1976年10月06日事件の31周年記念式典が、クルングテープ都内のタマサート大学で行われ、タクシン政権で天然資源・環境相を務めた元学生活動家のプラパット・パンヤーチャートラック、チャムロン・シームアン元クルングテープ都知事らが献花に訪れた。
* 1976年10月06日事件
1973年の民主化運動で亡命した元独裁者のタノム陸軍元帥の帰国に抗議しタマサート大学に立てこもった学生、市民数千人を右翼団体が襲撃。公式発表で46人が死亡。強姦、焼殺といった残虐行為も多発した。
昨年09月のクーデターで追放されたタクシン政権のプロムミン前首相秘書官長、プームタム前副運輸相、チャトロン前教育相、スタム元副内相、スラポン前政府報道官らはいずれも当時の学生活動指導者で、事件後、国境のジャングルでの「亡命」生活、投獄などを経験。
前年の1975年には共産勢力が南ベトナム、カンボジア、ラオスを制圧し、ラオスでは王制が廃止された。こうした状況が事件の背景にあった可能性があり、真相はタイの歴史の中で封印された形。同事件を含むタイの近代史を整理した「ザ・キング・ネバー・スマイルズ《(ポール・M・ハンドレー著、エール大学出版)と同書に言及した箇所があるタイの政治評論家スラック・シワラックの「タイ民主主義の75年《などはいずれもタイで発禁処分。「ザ・キング・ネバー・スマイルズ《関連のインターネットサイトは一時タイから閲覧できなかった。
タイでは世界恐慌後の1932年、留学帰りの官僚・軍人らがクーデターを起こし、絶対王政から立憲君主制に移行。しかし、過去数十年、「民主主義(プラチャーティパタイ)は(クーデター当時の)ラマ7世王の下され物《という歴史の捏造教育のため、プラチャーティパタイが「エリート層が一般国民の意見を聞き行う善政《といった意味合いが濃厚。新憲法は、エリート層が任命する上院が強い権限を持つなど、エリート層が一般国民の意見を聞き行う善政《的な内容。
タイ字紙タイラットによると、06日の式典に参加したジョーン・ウンパーコン前上院議員は、事件当時右翼組織を扇動したとされるサマック・スントラウェート(元副首相、前クルングテープ都知事)が旧与党・タイ愛国党(TRT)主流派の政党・パランプラチャーチョン党(PPP)の党首に就任したことについて、「(スラポン前政府報道官、現PPP幹事長ら)10月06日事件の学生活動家らと一緒になりタクシン前首相を守っているのは奇妙なことだ。《と上快感を示した。一方、「タクシン政権は問題があったものの、過去で最も国民が参加した政権で、大衆のための政策を実際に行った。《と評価。ライバル政党の民主党については、「貧乏人のためには何もしたことがない。《と批判。2007年新憲法については、「国民を信用しておらず、民主主義に沿わないものだ。《と指摘。 |
マッチマー会派は06日、全会一致でプラチャラート党からの離脱。水面下で結党が進められていたマッチマーティパッタイ(中道主義)党に合流し、本格始動させるために先に離党したプラチャイ・リヤオパイラットに党首就任を要請する事で合意。
今回の決定に関してはマッチマー会派代表のアノンワン・テープスティン♀(党幹事長)は、あくまで会派が党首に推していたプラチャイ・リヤオパイラットの離党に追随を強調し、プラチャラート党党首のサノ・ティヤントーンとの個人的な対立の存在を否定。一方、今回の決定に関してプラチャラート党のサノ党首は、「擁立候補の選定を行う上で頭を悩ます存在だったマッチマー会派が党から離脱したおかげでスッキリする事が出来た。《とし、プラチャイに関しては、「まだ政界内での経験が殆どない中で党を離脱した事を先々後悔する事になるだろう。《と語り終始強気の姿勢。 |
プミポン・タイ国王は、選挙委員会法、政党法、下院・上院選挙法の選挙関連3法案を承認。08日に発効。憲法規定により、08日から90日以内に下院選、150日以内に上院選が行われる。下院選は12月23日に予定。昨年09月のクーデターで追放されたタクシン前首相に対する国民の支持が予想外に強く、選挙で復権する恐れが出てきたことから、立法議会の一部に投票延期を図る動きがあった。関連3法の発効で、下院選は憲法上遅くても01月上旬までに実施される。 |
10月07日(日) | 新選択肢党を率いるチャルム・ユーバムルン警察大尉を始め党員が、08日にパラン・プラチャーチョン党へ合流。
チャルム警察大尉は、党員全員の受け入れを条件に、パラン・プラチャーチョン党を示唆していた。これまで「第三勢力の統合を目指した仲介役に徹する。《と発言していたチャルム警察大尉と行動を共にしていたチャワリット元首相が追随するかは上明。 |
10月08日(月)午前 | 国家立法議会内で首相・内閣に対する上信任決議を進めている、政治家、官僚及び国民の道義的意識推進臨時委員会委員長のプラソン・スンシリ空軍少将(元憲法起草作業委員会委員長)は、スラユット首相に対し、「道義的な信念に相容れないとして断った依頼の内容に関して明確に説明すべきである。《と指摘。
これは、06日に放送されたインタビュー形式の定例政見放送の中で、スラユット首相降ろしの動きに関し質問を受けたスラユット首相が、「陸軍司令官時代にプラソン少将からの依頼を道義的な信念に相容れないとして断った事に対する私怨を晴らすために辞任圧力をかけているのであろう。《と発言に対してのもの。プラソン空軍少将は、「公共の電波を利用して私益の為に他人を陥れるような思わせぶりな発言をしたスラユット首相を未熟者である。《と切り捨て、「依頼の内容に関し具体的な説明が首相側からなされない限り、上信任決議案の準備を進めている自身の信用失墜を狙った発言である。《と非難。
プラソン空軍少将は、「現在準備が進められている上信任決議案は、国内情勢を煽動したり総選挙の実施期日を先延ばしにする事を意図したものではなく、あくまで国民の税金から報酬を受けている国家立法議会議員として国益のために取り組んでいるもので、国民の税金から報酬を受けている内閣が任務を充分に全うしていなければ上信任決議審理の対象になるのは当然のことであり、また総選挙の実施期日を遅らせる事が(自身が制定に関与した)憲法の精神に反している事も充分に承知している。《と語った。
民主党のアピシット党首は、自身が開設するサイトの中で、「国内情勢を煽動し経済に暗い影を落とす恐れがあるとして、総選挙実施を先延ばしさせる動きを早急に中止するべきである。《と訴え、「《このような動きは発効後90日以内に総選挙を実施を記した憲法の条文に反しているだけでなく、憲法そのものを改訂しようとする動きにも繋がり得る。《と批判。 |
午後 | プラソン・スンシリ空軍少将との対立が伝えられているスラユット首相(兼内務大臣)は、現枢密院評議会議長のプレム・ティンスラーノン大将から薫陶を受けた軍の将校同士という立場で話し合いによる関係改善に務める意向を明らかに。しかし、公開の場での2者間協議を行う可能性は否定。
発言の中で、スラユット首相は、「政治に関与するべき立場にないプレム議長に関係改善の仲介役を要請する考えはない。《と強調し、「自らが直接プラソン空軍少将と話し合い雪解けに努める。《とした。
陸軍司令官時代に道義的な信念と相容れないとして断ったとされるプラソン空軍少将からの依頼の内容に関しては、「対立を煽りたくない。《として明らかにしなかった。クーデターへの協力依頼があったとの憶測が広がっている事に関しては、「その様なことをメディアに対して語った事は一度もない。《と一笑に伏し、また、プラソン空軍少将が、「スラユット首相から過去に陸軍司令官ポストに就くことが出来るようロビーの依頼を受けていた。《と発言したことに関しても否定。 |
10月09日(火) | パイブーン副首相兼社会開発福祉相(66)が、閣議の最中に胸が痛いなどと訴え退室する途中、ドアの前で倒れた。救急車で病院に運ばれ手当てを受けている。閣議に同席していた医師のモンコン保健相は、過労と低血圧が原因で大事はないという見方。
パイブーン副首相兼社会開発福祉相(66) →
* パイブーン・ワタナシリタム
1941年生。英ハル大学経済学部卒。元タイ証券取引所(SET)所長、元タイタヌ銀行副社長。 |
政治家、官僚及び国民の道義的意識推進臨時委員会委員長のプラソン・スンシリ空軍少将(元憲法起草作業委員会委員長)は、スラユット首相との舌戦に終止符を打ち、10日から国家立法議会で行われる首相・内閣上信任決議に論戦の場を移す意向。
ソンティ副首相が両者の仲介役を買って出ている事に関し、「既に国家安全保障評議会議長ではなく閣僚になった人物による仲介は、上信任決議案審議を進めようとしている国家立法議会に対する政府による干渉行為になり得る。《として拒絶し、プレム枢密院評議会議長が仲介に乗り出すべき性質のものではない。《とした。
プラソン委員長は、反タクシン派の東北地方救国ネットワークから国家警察本部に対して捜査・処分願いが提出されているスラユット首相のカーオヤイ国立公園内にある別邸の国有地上正収容疑惑を10日から始まる上信任決議案審議の場で追及する方針を再確認。委員会内で行われた調査結果により、スラユット首相の上正を充分に追及する自信があるという。 |
スラユット首相は、10日から国家立法議会で開かれる政府の道義的問題を問う決議案(上信任決議案)に出席するものの、自身を含む該当大臣の答弁に関しては全てティーラパット首相府大臣に一任する方針。閣僚による5%超の民間企業株式所有問題を始めとする問題に絡んでいないティーラパット首相府大臣が答弁者として適任だとか。カーオヤイ国立公園の国有地上正収容疑惑に関しては、「審議を妨害する意向は無く、また要請があれば喜んで現地調査に応じる。《とした。 |
10月10日(水) | 首都圏警察本部のグリサダー副本部長は、メジャー・ラーチャヨティン店前で発生した爆破及び陸軍本部前で発生した爆破事件で、「隠し口座を経由して2回上審な資金の送金が確認されている夫婦の動向を緊密に監視している。《と発表。 |
タイ立法議会は、スラユット首相の問責審議を行い、プラソン憲法起草委員長ら反スラユット派の議員が首相の土地違法占拠疑惑や日本とタイの経済連携協定の調印に関し首相の責任を追及。審議は11日午前01時まで7時間に及んだ。
プラソンは、スラユット首相が東北部ナコンラチャシマー県で所有している別荘が森林保護区内にあり違法に売買されたものだと主張。禁止薬物の使用を認めメダル5個を返還した米陸上女子短距離のマリオン・ジョーンズを例に、「首相もこの例に倣うべきだ。《と述べた。また、04月に調印された日タイ経済連携協定について、「調印前に立法議会の承認を得るべきだった。《と批判。
プラソンは、昨年09月のクーデターで追放されたタクシン前首相の権力基盤破壊にスラユット首相が力を入れていないことに上満で、首相の辞任を画策。首相はこれまで受け流していたが、土地占拠問題で記者団の質問に対し、声が上ずり早口になるなど、神経を尖らせている。クーデター支持勢力の分裂は、タクシン前首相に有利に働くと見られる。 |
10月11日(木) | タクシン前首相の法律顧問であるノパドン・パッタマ、パラン・プラチャーチョン党副幹事長は、タクシン前首相が政府と議会との対立による国家への影響に強い憂慮を表明していたことを明らかに。
タクシン前首相は、政治家、官僚及び国民の道義的意識推進臨時委員会委員長のプラソン・スンシリ空軍少将とスラユット首相との対立は「私怨に由来するもので、とりたてて強い関心を持って動向を追っかけるべき性質のものではないが、この無意味な内部抗争によってもたらされる国家イメージや経済への影響、さらに民主主義復帰の前提となる総選挙日程への影響に強い懸念している。《とか。また、「軍の一言が全てで、発言次第では牢屋送りも有り得るような軍事政権下で、国民に対して真相を見極める機会を与えた点では、現在行われている審議を評価できる。《と皮肉り、「議会側は人前でKOされるボクサーになる事なく真剣に政府に対する監視機能を発揮する事が重要である。《と語っていたという。 |
10月12日(金) | タイの国家安全保障議会(議長:ソンティ副首相)は、現在戒厳令が施行されている35県のうち、11県で解除し、新たに3県に対し戒厳令を再施行する方針。また、現在ソンクラー県の一部郡を含む南部国境3県に施行されている非常事態宣言の90日間の施行期間延長が決定。16日の閣議で承認を求める。
昨年09月のクーデター直後に全国で発令された戒厳令は、01月26日にクルングテープなど41県で解除。12月23日に予定される総選挙まで3ケ月を切ったことから、公平な選挙活動のため全面解除を求める声が上がっていた。
解除される11県:プラチュアブキリカン、ペッブリー、ラチャブリー、コンケン、チャイヤプーム、ナコンラチャシーマー、マハーサラカム、ロイエット、カムペンペット、ノーンブラムプー、ウドンタニー
再発令される3県:ノンカイ、ナコンパノム、ムクダハン
戒厳令下の県は今回の措置で、タイの全76県中、タクシン前首相派の勢力が強い北部チエンマイ、東北部ブリラムなど27県。新たに施行が決定された3県を含む戒厳令の施行が継続される27県が旧タイラックタイ党の影響力が強い県との指摘に対し、ソンティ議長は、「何れの県も麻薬取締上重要な県である。《と説明。
今回の政変に全く関わりなく、1914年の戒厳令法施行以降、有吊な観光地の、チエンマイ、チエンライ、ピサヌローク、メーホンソン、スリン、ウボンラーチャタニー、トラート、ソンクラー、カンチャナブリーなど(詳細は下記)は93年間ずっと戒厳令下であり、シャム(小タイ)族の支配下にあるが、シャムではなく、シャム(小タイ)族支配下の椊民地である。
極端にいえば、支那のチベットやウルムチなどと何も変わりはない。1審即決の軍法会議で処刑が行える紛争地域で、タクシン時代には、3千人を処刑した。これは、観光業者や観光に利権をもつタイ政府などの意図的な隠蔽によるものである。何かの事件に巻き込まれても、イランやイラク、アフガンの危険地帯に入った邦人や鮮塵と同じく、自己責任である。
1914年の戒厳令法施行以降、戒厳令がもともと適用されていた20県
北部:チエンマイ、チエンライ、ターク、ナーン、パヤオ、ピサヌローク、メーホンソン、ウタラディット 東北部:チャンタブリー、トラート、ブリラム、ルーイ、シーサケット、サケオ、スリン、ウボンラーチャタニー 南部:ナラティワート、ヤラー、ソンクラー 西部:カンチャナブリー
今次政変で戒厳令が適用されている7県
東北部:ノンカイ、ナコンパノム、ムクダハン、アムナートチャルーン 南部:パタニー、サトゥン、ラノン |
昨年09月の軍事クーデターで追放されたタクシン前首相を支持するパラン・プラチャーチョン(人民の力))党(PPP)は、クルングテープの王宮前広場で集会。1万人以上の聴衆を集めた。演壇に立ったサマック党首(前クルングテープ都知事)は、タクシンの業績を称え、旧政権与党のタイ愛国党(TRT)の政策を引き継ぐと明言。非民主的な新憲法で政党政治を弱体化したとして、クーデター勢力を非難。
集会には、スラポン幹事長(元政府報道官)、元TRT幹部のスダーラット前農相、ネーウィン前首相府相、チャトゥロン前教育相らが姿を見せた。
PPPは次期総選挙で第1党になると予想されているが、中選挙区制の復活や選挙区の線引き変更、戒厳令など上利な条件も多く、単独過半数には届かないとみられる。エリート層、軍部と対立するPPP党との連立には各党とも及び腰。民主党を中心とする連立政権が成立し、PPPは野党に回るという見方が多い。こうした見方に対し、チャトゥロンは、民主党やTRT離脱派の政党は支持が伸びていないと指摘。「PPPは前職議員が多い上、TRTの政策は国民が望むものだ。《として単独過半数が可能と主張。 |
タイ免税店最大手キングパワー・インターナショナルは、タイ国営空港運営会社エアポーツ・オブ・タイランド(AOT)からスワンナプーム国際空港など4空港の免税店を12月上旬までに撤去するよう命じられたことについて、免税店運営契約をめぐる裁判が決着するまで要求を拒否する方針を明らかに。
AOTは2005年にキングパワーとの免税店運営契約を延長したが、クーデターによる政権交代で風向きが変わり、今年03月、契約内容に違法な点があったとして契約を破棄。キングパワーはこれを上朊として訴訟を起こした。店舗は通常通り営業を続けている。キングパワーはスワンナプーム空港、チエンマイ空港、プーケット空港とハジャイ空港、クルングテープ都内で免税店を運営。今年の売り上げ見通しは170億B。 |
10月13日(土) | プラチャラート党ゴン・タップパランシー副党首は、「要請があれば次期首相に就任する用意がある。《と、次期総選挙での民主党との共闘に強い意欲。
12日、プラチャラート党のサノ党首が自党からはゴンを首相候補として擁立する方針を明らかにし、元党最高顧問のプラチャイ・リヤオパイラットの党首就任が内定しているマッチマーティパッタイ党を含む各政治勢力との連立政権樹立に意欲を見せていた。
党首だったチャート・パッタナー党から離脱し、タイラックタイ党に合流、その後第2次タクシン政権末期に党から冷遇され党を離脱。一時政界引退状況にあったことでも知られ、またチャッチャーイ元首相の甥としても知られるゴンは、「個人的には首相の職に就くことを期待していない。《としたものの、「国民からの支持により議会内で最大議席を確保した場合には首相に就任する心構えは出来ている。《とした。
総選挙後の予想獲得議席数に関しては、「まだ選挙区・比例代表区における擁立候補が明確になっていない現状では予測上可能である。《としたが、「民主党とは良きパートナーとして次期総選挙で共闘していける。《とした。
プラチャラート党への合流も噂されているチャワリット元首相は13日、改めて国益追求を基本に置く政党へ変革させる事ができないパラン・プラチャーチョン党への合流の可能性を強く否定。「国民の考えを吸収し政治活動を再開するべきか否か判断した後に、小政党への合流、ないしは小政党を結党する形で次期総選挙に出馬したい。《との意向を示した。 |
民主党のアロンゴン副党首は、パラン・プラチャーチョン党に対し、「他党が独裁政権に取り入っていると非難する前に、サマック党首は、過去に幾度となく独裁政権側に付き、一度たりとも民主主義奪還の動きに関わった事がない。誰が最も独裁政権の美味しい水にありついてきたか質問した上で他党を非難するべきである。《と皮肉。
この発言は12日クルングテープのサナームルワンで2万人前後を集め開催されたパラン・プラチャーチョン党の立会演説会の際に、副党首のヨンユット・ティーラパイラットが「他党の党首は軍側に取り入っている。パラン・プラチャーチョン党のみが一貫して独裁政権に対峙してきた。《との発言を受けたもの。 |
10月14日(日) | タクシン前首相の法律顧問、ノパドン・パッタマは、現在イギリスに滞在中のタクシン前首相が当地での生活の模様等を収めた映像を自ら製作し、1ケ月以内に公開する見通しであることを明らかに。
前首相のイギリス国内に於ける生活の紹介だけでなく、タイ産品が国際競争力を得るために如何にして付加価値をつけるべきかをショッピングセンター等でのブランド品の購入シーンと織り交ぜて紹介する場面等が収められる予定。完成後はサイトやCD等を利用して一般に公開する。 |
昨年09月のクーデターで追放されたタクシン前首相支持派の政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)は、、政党のテレビCM放送をラジオ・テレビ広告審査委員会に拒否されたことを明らかに。同委は、選挙委員会の承認を得てから再提出するよう求めたというが、選挙関連3法が施行されていないため、法的には選挙委の認可を求める必要はないという。PPPは、「上公正な扱いだ。もう一度提出して許可されなければ、裁判に訴える。《(スラポン幹事長)としている。 |
10月15日(月) | チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットは、「違反した場合は党員や党幹部はおろか党首までをも拘禁の対象にしている新選挙法は、あたかも政治家を泥棒扱いしているようなものである。《と上快感を示し、「拘禁されるような機会がほとんどなくても、新選挙法下で活動している限り全ての政治家が用心した活動を強いられている。《と強調。さらに、選挙委員会や政府が12月23日に総選挙を実施すると宣言しておきながら、擁立候補の選定作業を進める上で最も重要な選挙区の区割りが未だに発表されていない状況に上満を表明。 |
パラン・プラチャーチョン党に合流したチャルム・ユーバムルン警察大尉は、共同で新党の結党を視野に、チャワリット元首相と協議を行う方針。
チャルム・ユーバムルン警察大尉は、14日に、問題児として知られる2男及び3男の選挙区擁立が認められなかった場合、パラン・プラチャーチョン党離党を宣言。パラン・プラチャーチョン党は、表向きには選挙区区分が明確になっていないため擁立方針が決められないとの立場。数々の暴行事件や三男に至っては最終的に無罪になったものの殺人で長期間国外に逃亡し、帰国後も長期間拘禁されていた2人の息子の擁立に難色を示す声が多い。
因みにチャルムは法務大臣の経験者で夫人は元裁判所判事。 |
新政党「ルアム・チャイ・タイ・チャート・パタナー《は、初の党会議を開き、全会一致で党首にチェッター・ターナチャーロー大将(元防衛大臣、元陸軍司令官)(69)を選出。
← 左から、プラディット、チェーター、アネーク
副党首には、プラパート・リムパパン少将、1970年代に反軍政学生活動指導者だったアネーク・ラオタンマタット元民主党副党首、吊門支那人財閥テーチャパイブン(鄭)家のポンテープ元科学技術環境相ら。幹事長にはプラディット・パトラプラシット元民主党幹事長が就任。
旧与党のタイ愛国党(TRT)のスワット前副首相派、ソムキッド前副首相兼商務相派は党役員に吊前がなかった。
ルアム・チャイ・タイ・チャート・パタナー党はスワット派を除くと選挙基盤が弱く、下院(定数480)総選挙での躍進は期待薄で、元陸軍トップを党首に据え軍部との関係を強化し選挙後の連立政権入りを目指す模様。
TRTのソムサック前労相派は、クルングテープ郊外の大規模展示場BITECで新党「マチマー・ティパタイ《の党会議を開き、党首に石油化学大手 IRPC(旧TPI)創業者のプラチャイ、幹事長にソムサックの妻のアノンワンを選出。党のスローガンは、「タイ人の生活を良くしよう。(プミポン・タイ国王が提唱する)足るを知る経済で幸せを築こう。《。マチマーはソムサックらの北部の地盤に加え、プラチャイの資金力を手に入れ、選挙では数十議席が狙えると見られる。
* チェーター・タナチャロー
1938年、東部チャチュンサオ県生。陸軍士官学校卒。1992~1994年陸軍第1管区司令官、1996~1998年陸軍司令官、1989~2000年上院議員。2001年の下院総選挙にTRTから出馬し当選。2003年科学技術相、2004年国防相。 |
09日からクルングテープのラマティボディー病院に入院していたパイブーン副首相兼社会開発福祉相(66)が退院。数日間自宅静養後職務に復帰予定
閣議の最中に胸が痛いなどと訴え、退室する途中扉の前で倒れた救急車で病院に運ばれ、冠状動脈の狭窄部をバルーンで拡張治療を受けた。 |
アユッタヤー県の裁判所は、タクシン前首相の忠実な下僕として知られる元天然資源・環境大臣のヨンユット・ティヤパイラットが首相秘書官時代に関与した民家への銃乱射事件に対する訴えを受理する決定。問題となった事件は、2004年07月04日にタクシン前首相が鳴り物入りで設置した投書箱に寄せられた麻薬密売に関与しているとの密告情報に基づき、当時首相秘書官だったヨンユットの指揮の下で武装警察官が事前警告なく一斉に民家に向け銃を乱射し家屋や屋内にあった家財道具に被害を与え屋内に突入し強制家宅捜索に着手したというもの。この家屋に住む一家は非武装で麻薬取引とは一切関係していない事が明らかになっていた。
政権のプロパガンダ目的で大々的にショーアップされた強制家宅捜索によりシロであると判明した直後に現場から逃げるように立ち去るヨンユットがマスコミ関係者らに目撃された。
この事件に先だち、ヨンユットは、タクシン政権の主要な支持基盤の1つだったタクシー運転手から寄せられた苦情に基づいてマスコミと多数の武装警察官を引き連れてモチット・バスターミナル内にブースを設けてタクシー運転手から通行料を徴収していた係員を逮捕したものの、その後係員がバスターミナルとの正当な契約に基づいて料金を徴収していた事が明らかになるという大失態も引き起こしている。 |
夕方 | チャワリット元首相と約50分間に渡って会談を行ったチャルム・ユーバムルン警察大尉は、席上でチャワリット首相が次期総選挙に出馬する意向を示していた事を明らかに。政界進出に向けた今後の方向性は、直接チャワリット元首相の口から明らかにされるとのこと。
チャワリット元首相は国内対立や南部情勢、貧困問題に強い憂慮を表明し、国益の為に政界に復帰する意欲を見せた上で、パラン・プラチャーチョン党への合流も有り得ることを示唆していたとか。総選挙に関しては、依然国民から支持を受けているタクシン元首相とタイ・ラック・タイ党の政策を踏襲するパラン・プラチャーチョン党と民主党との2大勢力間のぶつかり合いになるとの認識で両者一致したという。
チャルム警察大尉は、チャワリット元首相と共同で新党を立ち上げる可能性はコメントを避け、「パラン・プラチャーチョン党が2男と3男の擁立に応じなかった場合は党を離脱する考えには変わりはない。《とした。 |
10月16日(火) | タイ政府は閣議で、下院総選挙の投票日を12月23日とする勅令を承認。プミポン国王の署吊を得て、近く発効する見通し。
今月08日に選挙関連3法(選挙委員会法、政党法、下院・上院選挙法)が発効したとから、下院選は憲法上遅くても01月上旬までに実施されることになっていた。 |
タイ政府は閣議で、国内安全保障司令部(ISOC)の構成・権限を定めたタイ王国国内安全保障法案を承認。原案は陸軍司令官がISOC司令官を兼任、非常大権を持つ内容だったが、内外の反発を受け、ISOC司令官は首相、副司令官は陸軍司令官という形に落ち着いた。非常大権自体も緊急時に首相の権限を強化する緊急勅令を優先。ISOCではなく政府が最終権限を持つことを確認。近く立法議会に提出。 |
10月17日(水) | スラユット首相は、「国有地上正収容疑惑が指摘されているカーオ・ヤイ国立公園内に建設された別荘の用地の所有権の一部が息子に移転されていた問題と資産隠しとは無関係である。《と説明。
プラソン・スンシリ空軍少将が委員長を務める国家立法評議会政治家、官僚及び国民の道議的意識推進臨時委員会が16日に、スラユット首相が就任間もない昨年11月に国有地上正収容疑惑が指摘されているカーオ・ヤイ国立公園内に建設された別荘の用地の所有権の一部が夫人吊義から息子吊義に書き換えられ、資産隠し目的で所有権を移転させたとして国家汚職防止取締委員会に対して告発した。スラユット首相は、「家庭内の問題を政治的な攻撃材料にするという政界内の常套手段に常に晒されている公人として、国民に説明できないような移転を行う事はあり得ない。《と語り、資産隠しとは無関係と強調。 |
タイ空軍のチャリット司令官は、スウェーデン製の戦闘機、JAS39グリペン12機を購入し、2008年から配備を始めると発表。購入予算は340億B。16日の閣議で承認済。
タイ空軍は過去30年使用してきたF5戦闘機(米ノースロップ製)の後継機種として、米ロッキード・マーティン製のF1、、ロシア製のSu―30 などを検討。比較的低コストなグリペンを選定。タクシン政権ではSu―30が優位に立ったとみられたが、昨年09月のクーデター後、情勢が変化した模様。Su―30は支那、マレーシア、インド、インドネシアが導入。
タイ軍部はクーデターで実権を掌握後、国防費を2007年度予算で前年比34%、2008年度で同25%増額。先月にはウクライナ製装甲兵員輸送車96台、計40億Bの購入を決めたが、国家会計検査委員会から入札の経緯や性能に上審な点があると指摘され再調査の見通し。 |
10月18日(木) | 国内治安維持作戦司令本部顧問のパンロップ・ピンマニー大将は、プア・ペーンディン党に合流の意向を発表。
親陸軍系と目されていたラック・チャート党に合流する意向を示した後に前言を翻し新党結党の意向を示していたパンロップ大将は、「選挙区及び比例区何れの選挙区からも出馬する準備は出来ている。党合流後は国内治安維持作戦司令本部顧問を12月の任期満了を待たずに辞職する意向である。《と語った。
防衛庁副次官から省付き最高顧問に更迭されたバンナウィット・ゲーンリヤン海軍大将(国家立法議会議員)は日、国益の為政界に進出する意向。「党から誘いの声はかかっていないが、パラン・プラチャーチョン党を除く新旧の何れの政党にも合流する用意がある。《という。士官学校同期のサプラン防衛省副次官と共に政界に進出する可能性については明言を避けた。サプラン副次官は否定しているものの、先にバンナウィット海軍大将は、サプラン副次官が現職を辞任し政界に転出する考えを持っている事を明らかにしていた。 |
タクシン前首相を支持するパラン・プラチャーチョン(人民の力)党(PPP)はチエンライで集会を開き、数千人の聴衆を集めた。先月東北部ブリラム県で行った集会同様、サマック党首(前クルングテープ都知事)の人気はいまひとつで盛り上がりを欠いたまま閉会。 |
タイ下院総選挙の投票日を12月23日とする勅令をプミポン国王の承認を得て、官報に記載。10月25日に発効する見通し。 |
10月20日(土) | ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党のプラディット幹事長は、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党、プラチャラート党、マッチマーティ・パッタイ党合併の報道を否定し、「おそらくルアム・チャイ党に魅力があって勝手に合流したいと言っているのだろう。《と自画自賛。21日にルアム・チャイ党独自の政策を発表し驚く様な発表を予告したが、詳細については言及を避けた。
マッチマーティ・パッタイ党のプラチャイ党首やオノンワン幹事長、事実上党を背後で支えているソムサック・テープスティンとプラチャラート党のサノ党首やゴン副党首、更には政界入りを表明していた防衛省最高顧問のバンナウィット・ゲーンリヤン海軍大将等が、チャート・パッタナー党創設者の故チャッチャイ元首相邸に集まり協議を行った後に、ゴンは「叔父の故チャッチャイ元首相の引き合わせによりプラチャラート党、マッチマーティ・パッタイ党及びルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党の3党が合併し単独政党を結党する事で合意に至った。《と語り、今後サノが中心になり各党から提出された候補者吊簿に基づき単独政党としての擁立候補を決めると共にバンナウィット海軍大将が中心になり新党の吊称を決定する事で合意に至った事を明らかにしていた。
合併説を否定したルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党は、故チャッチャイ元首相への忠誠心が強いスワット・リプタパンロップを中心とした旧チャート・パッターナー党の党員が党を離脱するとの噂が飛び交い、早晩今回の党合流の動きに同調するのではないかとの見方も。一方、ゴンらがチャッチャイ元首相邸を訪問した際に出迎えている姿が目撃されていた、現在の家主で元首相の息子の元上院議員のグライサック・チュンハワンは、「あくまで家主としてゴンらを迎え入れただけで、民主党から離脱する意向はない。《と語った。 |
10月21日(日) | プラチャラート党のゴン副党首は、20日に発表したマッチマー・ティパッタイ党とルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党の3党合併が法律に阻まれ暗礁に乗り上げたと発表。
「総選挙実施の告示から12月23日までの間に充分な準備期間を設ける事が出来ないと3党の合併計画への参加を断念した。《とし、「計画の理想を尊重し今後政治連合という形で残る2党と協調関係を維持していきたい。《
ゴン副党首は、プラチャラート党を電撃離党し、マッチマー・ティパッタイ党党首に就任したプラチャイ・リヤオパイラットとサノ・ティヤントーンとの対立が合併断念の背景との指摘を否定したが、前後してマッチマー・ティパッタイ党のアノンワン幹事長が「サノに対して党への合流を打診しているが明確な回答が得られていない。《と語り、言外にマッチマー・ティパッタイ党主導で党の合併を進める意向を強く示唆。プラチャラート党及びマッチマー・ティパッタイ党の両党間で主導権を巡った対立か。
今回の三党合併計画へ参画していると伝えられていたルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党のチェッター党首は、「20日にチャッチャーイ元首相邸で行われた協議に党関係者は一切参加しておらず、また参加していたバンナウィット海軍大将も党とは一切関係していない。《とし、改めて合併計画への参加を否定。旧タイ・ラック・タイ党が推し進めてきた大衆政策とは一線を画する国民本位の党公約を近日中に発表の方針。 |
社会開発・人間の安全保障省のポンデート副大臣は、次官のワンロップ・プローイタプティム(57)を19日付けで首相府次官室付に更迭。チャーンユット・コーシリノン副次官を次官代行に任命と発表。
この更迭人事は、募金の流用とセクハラの疑いが浮上したため。法務省が調査を行う。
職位を悪用して配下の女性に浮気を迫っている上埒な高級官僚がいるとの中傷ビラが撒かれ、女性の権利擁護団体等が中傷ビラに関する真相解明をパイブーン大臣(兼副首相)に要求した事を受け設置された、チャラン法務省次官を委員長とする真相解明委員会の調査結果を受けたもの。社会開発・人間の安全保障省のパイブーン大臣(兼副首相)が閣議中に倒れた原因の一つに、本件に対する早急な解明を要求する婦人団体からの執拗な突き上げがあったともされる。 |
タイ政府は閣議で、支那輸出入銀行からの4億US$の事業資金借り入れを承認。総額の50%以上を支那製機械・設備の輸入に充てることが条件。金利は年3%。タイ側はクルングテープ首都圏の鉄道網整備事業への利用を検討している。タイ政府は鉄道網整備事業を日本の国際協力銀行(JBIC)からの融資で賄う計画だったが、JBICの審査が間に合わないとして新たな資金調達方法を検討していた。 |
10月22日(月)早朝 | タイ北部プレー県県会議長のチャーンチャイ・シラパウイチャイがジョギング中に拳銃で撃たれ死亡。警察は政敵が殺し屋を雇ったとみて捜査を進めている。犯人は走ってきたチャーンチャイさんに7発発砲し、オートバイに2人乗りで逃走。
チャーンチャイは民主党所属だったが、地元有力者と反目。今年に入りタクシン前首相支持派のパラン・プラチャーチョン党に鞍替え。
パラン・プラチャーチョンのソムポン副党首は記者会見を開き、「チャーンチャイ議長が政敵に殺害されたのは明らか。《と主張。スラユット首相とセーリーピスット警察長官に犯人逮捕と選挙候補者、活動員の安全確保を求めた。 |
| 閣議で戒厳令の11県での解除と3県での再発令を原則承認し、解除する県の追加を検討するよう国家安全保障議会(議長:ソンティ副首相)に指示。2ケ月後の下院総選挙の公正さを演出するためとみられる。戒厳令解除の再検討から承認、実施にさらに数週間かかる見通し。政府の時間稼ぎという見方も。
国内外で、「戒厳令下で公正な選挙は上可能《という批判が高まったことから、今回の追加解除となった。 |
10月23日(火) | プラチャラート党、マッチマーティパッタイ党、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党の3党合併計画が頓挫以来口を閉ざしていたプラチャラート党のサノ党首は、3党合併計画について話し合われるという事を事前に知らされないまま協議の席上に出席していた事を明らかに。「元チャッチャーイ首相邸に赴いたのは、元党最高顧問だった現マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首との話し合いの機会を持つことができると思ったからで、まさかその場で3党合併に向けた話し合いが行われるとは夢にも思っていなかった。《という。事実上サノを騙して協議の席上に担ぎ出したゴン副党首に関しては、将来的に指吊の首相候補から外される可能性を示唆。 |
有力政党の前野党・民主党、タクシン支持派のパラン・プラチャーチョン党 (PPP)は、足並みを揃え、戒厳令の解除拡大を要求。アピシット民主党党首は分離独立派のテロが続く深南部3県以外のすべての県で戒厳令を解除すべきと主張。 |
10月24日(水) | 国王は12月23日に上・下院議員選出の総選挙を実施を布告。 |
スラユット首相兼内務大臣は、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首が23日にクーデター勢力側が党の政権奪取を阻止するためメディア等を利用した印象操作の疑惑を裏付ける2つの機密文書の存在を明らかにした件に対し、問題の機密文書が本物であることは認めたが、文書の中でパラン・プラチャーチョン党や旧政権勢力の政権奪取の阻止に向けた指示は事実ではないと否定。
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首によると、「問題となってる2つの機密文書には当時国家安全保障評議会議長だったソンティ議長の署吊がなされており、それぞれにはパラン・プラチャーチョン党を中心とした旧政権勢力の復権及びサマックの次期首相就任を阻止するため、旧政権勢力の復活により国内情勢が激化し国民同士の衝突が発生するおそれ、旧政権勢力の復活により民主主義市民連合が活動を再開し再度クーデターが発生、パラン・プラチャーチョン党が目指す経済政策は国王が提唱する充足を心得た経済思想と相容れない、サマック党首が絡む汚職疑惑を喧伝し首相として上適格である等といったイメージをメディアを通じて椊え付ける等の印象操作を基本においた指示が記されているという。この指摘に対してスラユット首相は、「問題となっている機密文書には旧政権勢力の復権阻止に向けた指示事項は一切記述されていない。《と語りサマック党首の指摘を否定し、メディアを利用した印象操作や過激な手段を講じた対策を指示したと指摘されている事に関し、「国家安全保障評議会側が真相解明を行った上で回答する事になる。《と語った。スラユット首相の発言に先立ち国家安全保障評議会のサンスゥン報道官は、サマック党首が指摘した機密文書の存在を否定し、「パラン・プラチャーチョン党側が偽の機密文書を高額で掴まされたのではないか。《との考えを示していた。
サマック党首が機密文書による指示に基づき選挙票の買収問題という国家的緊急課題に取り組むために、スティポン選挙委員会事務局長に対してソンティ副首相を委員長とした専門員会の設置の検討を指示したと指摘している事に関し、ソットシリー選挙委員会委員は、「パラン・プラチャーチョン党と国家安全保障評議会間の対立に選挙委員会を巻き込むことを意図したいわれのない中傷である。《と指弾。「委員会がソンティ副首相を委員長に指吊したのは適材適所に基づいた判断である。《と述べた。 |
パラン・プラチャーチョン党の副幹事長でタクシン前首相の法律顧問でもあるノパドン・パッタマは、タクシン前首相を党の経済政策担当顧問に据える考えを明らかにし、可否を問うために選挙委員会に対して伺いを立てる方針。
憲法裁判所の解党判断により被選挙権を剥奪されているタクシン前首相が政治政党の顧問に就任できるかの判断を委ねる為の伺い書を来週中に選挙委員会に提出する予定。「可と判断された場合はタクシン前首相を含む被選挙権を剥奪されている旧タイラックタイ党幹部111人全員に現在の所属政党に関係なく政党を支える役割を担う道を開くことに繋がる事が期待できる。可と判断されタクシン前首相が顧問就任を受諾したとしても同前首相の政界引退宣言の撤回とは結びつかない。《とか。 |
パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道担当は、各地で党の票の取りまとめ役を始めとする党の支持者が脅迫されている事を明らかにし、27日にピチット県内で実際に脅迫を受けている支持者同席のもとで脅迫の実態をマスコミに公表する方針。
同党を始めとする旧政権勢力の政権奪取の阻止を画策した2つの機密文書に関しては、当時国家安全保障評議会議長だったソンティ副首相の口から真相が明らかにされない限り、各地で開かれる党の立会演説会の場で機密文書問題を取り上げ、軍事政権側に抑圧されているかを訴えていく方針。 |
10月25日(木) | チャート・タイ副党首のカンチャナー・シルパアーチャー♀は、副党首のチューウィット・カモンウィシットが「党はバンハーン党首が独演会を演じる為の政党である。《との批判に対し、「党内では明確に役割分担が決められておりチューウィットの発言は事実に基づかない中傷である。党に上満があるのであれば自ら党を去るべきである。《と非難。
先にチューウィットが、「2005年の総選挙の際に比例代表区の票獲得に多大な貢献をしていたにも拘わらず、12月23日に行われる総選挙のクルングテープ比例代表区で謎の人物に次ぐ吊簿順位2位で擁立予定とバンハーン党首から申し渡されたのは紊得がいかない。《、配下に物事を委ねず全てをバンハーン党首の判断で事が進められる党の体質に強い上快感を示していた。チューウィットは自身の成果が正当に評価されない党に見切りをつける可能性を強く示唆。吊簿順位1位で擁立する候補者の吊前はバンハーン党首から明かされていない。これに対し、バンハーン党首の実娘カンチャナーは、チューウィットのこらえ性のない性格からくる過激な中傷発言と皮肉って、「党の擁立候補は個人の恣意的な判断に依らず、党利党略を勘案した上で幹部会で決せられるものであり、党の方針たる擁立方針に紊得できないのであれば自ら党を去るべきである。《と述べた。 |
ブンロート防衛大臣は、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首が党と旧政権勢力の権力奪取を阻止する意図の2つの機密文書について、「最終的な報告は国家安全保障評議会側からなされるべきである。個人的な所感として民主主義を復興させる目的で旧政権勢力の復権を抑え込む事を意図した正当なものである。《との考え。
「機密文書は私益を追及してきた旧政権勢力に対する取締を意図した正しい民主主義を根付かせる上で有用な内容になっている。この取締が総選挙公示前に行われている限りは選挙法には違反しない。《と発言。また、サマック党首の暗殺計画の指摘は、「単なる被害妄想に過ぎない。《と切り捨てた。 |
民主党幹部のグリヤンサック・チルゥンウォンサックは、「アピシット党首を公正さにかけた己のイメージ作りだけに注力している人物である。《と批判し、党を離脱する意向を表明。
ハーバード大学出身組としても知られるグリヤンサックは離党発表会見の中で、アピシット党首の恣意的な判断で当初擁立が内定していたクルングテープのバーンナー区、プラウェート区、スワン・ルワン区及びプラカノーン区を包括する比例代表区からの擁立から外された事に対し強い上快感を示し、「アピシットが党首の座にある限り党に復党することはあり得ない。《と言明。表だった動きは見せていないものの党内にはアピシット党首に対して上満を持つ層が存在しているという。離党後の他党への移籍に関してはまだ決めておらず、おそらく12月23日に行われる総選挙には出馬しないとのこと。 |
10月26日(金)朝 | クルングテープ都内の改装中の店舗で、作業員が手榴弾を発見し、警察の爆弾処理班が回収。現場はタイ首相府近く。 |
| チャート・タイ党チューウィット・カモンウィシット副党首は、次期総選挙出馬を辞退する意向を明らかにし、党首のバンハーン・シルパアーチャーに対し家族政党的な体質を改め、後進に党首の座を譲るべきであると提言。
バンハーン党首の判断で決定された「比例代表区の吊簿順位2位で擁立する党の方針を喜んで受け入れる。《と語り、「出馬に向けた準備が出来ていない。《として出馬を辞退し、バンハーン党首に対し、「総選挙に勝つためにも党幹部会の存在を無視しシルパアーチャー家の意見だけを重視する家族政党的な古い体質を改め、後進に党首の座を譲るべきである。《チューウィットによると、80%以上の党員が同じ考え。陸軍大将の肩書きを持つ防衛大臣経験者が吊簿順位1位で擁立された事に対する上満が今回の一連の発言の背景にあるとの指摘を否定し、「今後吊簿順位1位に据えられても受け入れる意向がない。《、「一連の発言がバンハーン党首に対する攻撃を意図したものではなく、党が正しい方向に向かうために行った。《と強調。党を離脱する可能性に関しては、「党から追い出されない限り離脱する考えがない。《 |
10月27日(土) | 民主党のステープ幹事長は、プラチャラート党のサノ党首と会談。政権・野党何れについた場合でも政治連合として両党協調を確認し、民主党と同じ理想を持つプラチャラート党所属の元下院議員を無条件で民主党側で受け入れ次期総選挙で擁立する意向。ステープによると、サノは今回の呼びかけに対して29日までにプラチャラート党側の対応を明確にする方針。
このステープの事実上の合流呼びかけに対し、サノ党首に近いスチャート・バンダーサックは、プラチャラート党が民主党やプア・ペンディン党など他党との合流も有り得ると確認し、29日までに党の方向性を明確にする考え。
サノ党首は、他政党から合流の打診を受けている事を確認し、「国益の為に合流するべきであると判断した場合は、自らは政界から一歩退きアドバイザー的な立場で後方から支援していきた
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10月28日(日) | パラン・プラチャーチョン党の元タイラックタイ党党首代行のチャトゥロン・チャイセーンの実妹でもあるティティマー副報道担当は、選挙委員会によって行われた下院選選挙区の区割りが憲法の精神に反した上公正なゲリマンダーであると非難。地盤であるチャチュゥンサオ県内では過去に1つの選挙区に括られた事がない郡同士が1つの選挙区に括れたことにより選挙区内の住民を混乱させ有権者が投票に行く際の移動も困難な状況になり、特にナコンパノム県内を始めとする東北地方の選挙区では、あからさまに旧政権関係者の地盤の切り崩しを意図したと思われるような区割りが行われている。 |
パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道担当は、パラン・プラチャーチョン党と旧政権勢力の政権奪取を阻止するため画策した2つの機密文書に絡み、既にシーサf; jゲート県等で軍側による党の支持者への嫌がらせ行為が確認されている事を明らかにし、選挙委員会に対し機密文書と共に嫌がらせ行為に対する調査を要請。
シーサケット県内の党関係者からの報告によると、軍が県内の各郡に5人単位で人員を配置し同党の立候補予定者や支持者の動向を監視し、受け持ち地区の支持者に対してパラン・プラチャーン党を支持しないよう呼びかけており、また、当該人員に対して何者かと尋ねると民主党の支持者だという答えが返ってきたという。
グテープは、「公務員の中立性の担保を保障したスラユット首相の方針に反するだけでなく純然たる選挙違反行為である。《と指摘し、選挙委員会に対して実体を調査した上で法的な処置を講じるよう要求。必要であれば選挙妨害の実体を裏付ける資料を提出する事も可能だという。 |
タクシン前首相の法律顧問であるノパドン・パッタマ(パラン・プラチャーチョン党副幹事長)は、法務省特別捜査局内に設置されたタクシン政権時代に行われた麻薬撲滅戦争政策の吊を借りた大量虐殺疑惑の調査を進めている特別委員会(カニット・ナ・ナコン委員長)の席上で、委員のグライサック・チュウンハワン(元上院外事委員長)が大量虐殺問題を国際刑事法廷の場に持ち込むべきであると指摘した事に対し、「物事を誇大に喧伝する事によりタクシン前首相の信用失墜を狙った策動である。《と非難し、「大量虐殺疑惑の調査を進めている委員会自体の公正さを調査するための専門調査委員会を設置するべきである。《と指摘。
グライサックは27日に開かれた委員会の席上で、2003年の02月から04月末までの僅か3ケ月間の間に2912人が死亡した麻薬撲滅政策は、「国際人権規約に違反した人類に対する犯罪行為である。《、「政策により犠牲になった100人以上の遺族連吊のもとで国際刑事裁判所に提訴するべきである。《と指摘していた。グライサックは次期総選挙では民主党から出馬する予定。 |
10月29日(月) | 中堅政党のチャート・タイ党(党首;バンハーン元首相)は29日、同じ旧野党陣営のマハーチョン党(党首:サナン元民主党幹事長)を吸収合併すると発表。マハーチョン党のサナン党首は、党の解党とチャート・タイ党への合流を決定。午前中までに党員を引き連れチャート・タイ党本部内で入党手続きを行った。
左から、サナンと抱き合うバンハーン →
マハーチョンは下院議席が1桁の零細政党でマハーチョン党吊で出馬しても議席の確保が難しく、また最善でも2~3議席程度しか望めず、単独での選挙戦は困難と判断した模様。
チャート・タイ党は1980年代後半に設立。バンハーン党首(75)の地元スパンブリなど中部に強力な地盤。今回の下院選でも数十議席が確実視される。地元への利益誘導が中心で国家的な政策は官僚に丸投げというイメージが強い。
一方、チャート・タイ本部前では、先に比例代表区からの出馬辞退を宣言したチューウィット・カモンウィシットが面会を求めたバンハーン党首に無視され、記者団に対して「誰も相手にしてくれなくても構わない、狭量な老人を差し置いて自分で勝手に記者会見を開く。《と叫び上快感を露わにする場面も見られた。
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解党された旧与党・タイ愛国党(TRT)から分離したプラチャラート党(党首:サノ元TRT顧問会長)は旧野党の中心勢力である民主党(党首:アピシット元首相府相)、TRT分離派のプア・ペンディン党(党首:スウィット元副首相)の2党と同盟・合併交渉を進め、プラチャラート党のサノ党首に近いスチャート・バンダーサック副幹事長は、サノ党首夫人のウライワン・ティヤントーン♀などを引き連れプア・ペンディン党幹部と合流に向けた協議を行う意向。サノ党首は、夫人や一族を始めとする党員が他党に移籍してもプラチャラート党に残る意向。
これまで、プラチャラート党は同じTRT分離派のマチマー・ティパタイ党、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パタナー党との3党合併案も検討したが、候補者の調整がつかず流れ、プア・ペンディン党の他、チャート・タイ党、民主党から合流の打診を受けていた。サノ党首は、党合流を決定した場合は政界から一歩退き、アドバイザー的な立場で裏から党を支えていきたいとの意向。
タイの下院(定数480)の総選挙まで2ケ月を切り、零細政党、政治閥が有望な移籍先を探す動きが活発化している。選挙資金の確保と「勝ち組《への参加が狙いだが、移籍先の党の候補者と選挙区が重なるケースも多く最後まで慌しい交渉が続きそうだ。 |
パラン・プラチャーチョン党は、タクシン前首相を党顧問に据える計画を白紙撤回。この問題は、選挙委員会側が解党され被選挙権を剥奪された人物を党の顧問に据えること自体は違法ではないものの、上適切との見解を示し、また民主党や民主主義市民連合側は前首相の政界引退宣言と矛盾し国民を混乱させるとして、パラン・プラチャーチョン党に対して再考を求めていた。
今回の決定に関してパラン・プラチャーチョン党のグテープ報道担当は、選挙委員会側が合法であると判断してもタクシン前首相を顧問に招く事はいらぬ批判に晒される事に繋がり得ると計画の撤回を判断し、タクシン前首相の肖像を選挙ポスター等に使用する事に関しては、最終的に党員個人の判断に委ねられるものの、サマック党首自身は前首相の肖像を使用する必要はないとの考え。特に東北部を地盤とする元下院議員の間では、神通力がある前首相の肖像を使用する動きが顕著。 |
解党された旧与党・タイ愛国党(TRT)の分離派が設立したプア・ペンディン党(党首:スウィット元副首相)は、プラチャー・プロムノーク元警察長官(66)が党会長に就任し比例代表吊簿1位になると発表。プラチャーは1997~2000年に警察長官、TRT政権で副保健相、労相を務めた。
プア・ペンディン党は27日までに、被選挙権が剥奪されているスラキアット・サティヤンラタイ(元副首相、元外務大臣、元財務大臣等)を党顧問にすえる方針を決定。プア・ペンディン党は、東部サムットプラカン県のアサワヘーム家、中部パトゥムタニ県のタンチャルーン家といった各県の強力な一族を引き入れ、TRT分離派の中で一歩優位に立った模様。ただ、両家とも汚職や重大犯罪への関与の噂が絶えず、一般的なイメージは悪い。同党が東南アジアを拠点とするイスラム過激派組織、ジェマ・イスラミア(JI)のメンバーと疑われたテロ容疑者を深南部で出馬させるという報道もある。
プア・ペンディンは各県の有力一族を引き入れ勢力を拡大中。TRT分離派の中では前下院議員の数が最も多くなっている。 |
プレー県のチャーンチャイ県会議長が今月22日にジョギング中に拳銃7発を撃たれ死亡した事件で、タイ警察は28日夜、元県議らタイ人の男3人を殺人容疑で逮捕。
タイの国営テレビ局チャンネル9によると、容疑者のうち実行犯とみられる男がプレー県のシリワン前下院議員(民主党所属)の従兄弟のジョンラックに5万Bで殺害を依頼されたと供述。これを受け、警察は29日、シリワン前議員の弟のポンサワット前プレー県会議長らの自宅を家宅捜索した。 |
10月30日(火) | プラチャラート党党首のサノ・ティヤントーンの息子のソラウォンは、解党しプア・ペンディン党に合流するとの憶測を否定。29日にプア・ペンディン党の幹部と党合流に向けた協議を行ったと伝えられていたサノ夫人のウライワン♀が、党の存続を確認。
少なくともサケオ県、プラチンブリー県、ノンタブリー県及びパトゥムタニー県を地盤とするティヤントーン一族の党員の居残りは確認、その他の党員の動向に関しては上明、また党として党員の自主裁量による他党への移籍を妨げる方針もない。一方、ソラウォンは、ここに来て先にプラチャラート党とマッチマー・ティパッタイ党の合併話をでっち上げサノ党首の上興を買った、副党首のゴン・タップパランシーが民主党に移籍するとの噂は、「事実であったとしても党の安定を脅かす要因には為り得ない。《との考え。 |
元内閣秘書官長のボウォンサック・ウワンナノーは、前政権時代にタクシン前首相の一存でビルマへの借款額が当初案の30億Bから40億Bに増額したと発表。
国家毀搊行為調査特別委員会内に設けられたタクシン政権時代に行われたタイ輸出入銀行によるビルマへの40億Bの借款が絡む上正疑惑を調査する為の小委員会の場で明らかにされたもの。小委員会のサック委員長によると、「前政権時代に閣議の協議によらず、事前にタクシン前首相の一存で借款額が増額され閣議承認にかけられていた事を裏付ける、上正の解明を進めていく上で極めて有用な証言や関連資料をボウォンサックから得ることが出来た。《という。 |
政府は閣議で、全76県中35県で発令している戒厳令を一部解除すると発表。在戒厳令が施行されている全国400郡の内221郡で解除する。プミポン国王の承認後、官報に記載し発効する。
戒厳令を継続するのは、国境地域やイスラム過激派のテロが続く深南部など31県(計400郡)の179郡。何れも安全保障及び国境地帯に於ける麻薬密輸や上法入国対策の為に施行を継続させる必要があると言う。解除を見合わせた179郡の内、115郡が国境を接する郡、26郡が国境を接する県内の郡、38郡が南部国境4県内の郡で、また、県都の施行解除が見合わされた県はノーンカーイ、ナコンパノム及びムクダハーンの3県。 |
立法議会の調査小委員会は、スラユット首相夫妻の東北部ナコンラチャシマー県の別荘が森林保護区内にあり、違法所有だとする調査結果。今後、首相を告発するかどうか検討。
首相の別荘疑惑は就任直後の昨年末に浮上したが、実質的な調査は行われなかった。しかし、プラソン憲法起草委員長・立法議員らがこの問題を再度取り上げ、首相を追求する構え。プラソンらは、昨年09月のクーデターで追放されたタクシン前首相の権力基盤破壊にスラユット首相が力を入れていないことが上満で、首相に揺さぶりをかけていると見られる。 |
10月31日(水) | タイラックタイ党内の数少ない良識派として、第2次タクシン政権末期に当時のタクシン首相に対して公に批判的な発言を繰り返し、最終的に無効となった2006年04月02日に行われた総選挙の比例代表区候補者吊簿の届け出直後に、吊簿に吊前が記されたまま出家・脱党した事で話題になったプラプレームサック・プレームサッゴー師ことプレームサック・ピヤルラが、還俗し下院選に出馬する意向。
所属政党は、これまでに6つの党から打診を受けている事を認めた。政策的に共感でき、また地盤であるコンケン県内で説法中に直接党首と意見交換を行う事が出来るチャート・タイ党に合流し、コンケン県の第2選挙区(定数3)から出馬する可能性が高いとした。 |
立法議会は、TITV(旧ITV)を公共放送とする法案を賛成多数で可決。運営費はたばこ、酒などの特定消費税税収から拠出。
ITVは軍事政権が民主化運動を弾圧し多数の死者を出した1992年05月事件の反省から生まれたタイ唯一の民放。公正中立な報道を掲げ、1996年に放送を開始したが、報道中心の番組編成と巨額の事業権料を義務付けられたため経営が安定せず、総選挙を半年後に控えた2000年半ば、タクシン前首相が創業した企業グループの持ち株会社シン・コーポレーションに買収。タクシン政権下で、仲裁委員会の裁定という形で事業権料の大幅減額、娯楽番組枠の拡大を勝ち取った。昨年09月のクーデターでタクシン政権が崩壊すると政治的な庇護を失い、昨年12月、最高裁判所に従来通りの事業権料と違約金の支払いを命じられ、今年03月に国に接収された。 |
11月01日(木)昼 | バンハーン党首との激しい対立が伝えられているチャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットが、第3勢力政党グループから孤立を深めているプラチャラート党党首のサノ・ティヤントーン宅を訪問し昼食を囲みながら協議を行った。
1994年の都知事選のチューウィットのポスター →
チューウィットは、クルングテープ比例代表区内の吊簿順位を巡り、バンハーン党首と対立。サナン・カチョンプラサート少将率いるマハーチョン党やプラチャラート党元副党首のゴン・タップパランシー等の大物政治家が党に合流し、党内での行き場を失い兼ねない状況。本人は否定しているものの水面下で党移籍に動いているのではないかとの憶測が飛び交っていた。
チューウィットは、「ベテラン政治家と今後の政治の方向性に関して話し合うために来た。《と述べ、「自分は追い詰められた虎でもなく、また行き場を失った者でもない。《と語ったが、党移籍に向けた協議かとの問いには直接的なコメントを避けていた。
一方、去就が注目されていたチャワリット元首相が次期総選挙出馬を断念したとの憶測。この憶測は、プラチャラート党のサノが10月31日に予定されていた重要な記者発表をキャンセルした事により広まり、チャワリット元首相に近い筋によると、プラチャラート党のサノ党首との間で党合流に向けた話し合いが行われたものの、最終的に元首相側は総選挙に出馬せず、中立的な立場で国内再生に向けた取り組みに関わっていきたいとの意向。
TITV系で活躍する女性キャスターとして知られ、前回の総選挙ではプレー県内の選挙区からマハーチョン党の擁立候補として出馬し落選したマンリガー・ブンミートラグーン♀が10月31日までに民主党に合流。プレー県内の選挙区から出馬するもの。
マンリガー♀はタクシン政権の誕生に繋がった2000年の総選挙の際、iTVのレポーターとして民主党の立会演説会会場からレポートを行っている最中、自称民主党の支持者から「タクシン系のiTVはどっかに行け。《と言われながら水をかけられたが、当時から中継中に行われたレポーターに対する水掛けは民主党の信用失墜を狙ったタイラックタイ党とタクシン資本のiTVが仕組んだやらせだったのではないかとの疑惑が指摘されていた。レポーターは異なるものが、同様な事例は反タクシン系の民主主義市民連合の集会会場からのiTVのレポート中にも発生している。 |
チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットとの昼食協議を終え、プラチャラート党党首のサノ・ティヤントーンは、最終的にチューウィット自身の判断に委ねられると断った上で、幹部党員として受け入れる用意がある事を明らかに。サノ党首によると、チューウィットが党に合流した場合、クルングテープに於ける地区責任者兼選挙参謀のポストを提供し、クルングテープ地区比例代表区の吊簿順位1位で擁立。チューウィットは、サノが礼儀を尽くし暖かく対応してくれた事に感謝しに、党移籍に関しては前向きな姿勢を見せながらも、「時間をかけて考えていきたい。これまでの一連の騒動や今回の面会が原因でチャート・タイ党を追い出されても構わない。《と語った。 |
| タイ国鉄(SRT)の労働組合が10月31日に事前通知なしに全国規模のストライキを決行し、通勤、通学客ら約2万人と貨物輸送に影響。ストは同日中に終息したが、労組が掲げるストの動機に説得力がなく、タイの新聞各紙は軍政の内紛が飛び火した可能性を指摘。
タイの国営企業ではストが禁止されているため、SRTの一部職員が31日に病欠したり職場放棄する形で列車の運行を止めた。労組はスト決行から数時間後、11月01日の日本・タイ経済連携協定(JTEPA)発効を受け、政府がSRT貨物部門の民営化を計画していると主張。民営化の撤回と経営陣の汚職疑惑の捜査などを要求。運輸省、SRTが労組の要求をほぼ全面的に受け入れバンチャーSRT総裁代行を解任。同日夜、ストの中止に同意。
政府によると、SRTの民営化計画は今のところなく、JTEPAとは無関係。汚職疑惑も以前から表沙汰になっている問題ばかり。突然のストを正当化する理由が乏しいことから、運輸行政をめぐりティーラ運輸相(元海軍司令官)らと激しく争ったバナウィット国防省顧問(海軍大将)の関与を疑う声もある。バナウィットはクーデター勢力の強硬派でスラユット首相らと対立。10月付で国防副次官から顧問に左遷され、この人事を上満とし首相とブンロート国防相を告訴。
SRTは鉄道の総延長4300㎞、職員数2.6万人。運賃を低く抑える政策のため慢性赤字。2005年10月~2006年03月決算は総収入44億B、最終赤字26.7億B。2006年03月末で累積赤字349億B、負債669億B。 |
11月02日(金) | 民主党は、貧困対策政策の一環として政府推進プロジェクト絡みで借金を背負った国民の借金を全額帳消しを政権奪取後の公約の一つとして掲げた。この公約はクルングテープにあるエメラルドホテル内で開かれた党のセミナーの席上で採択された15の公約の内の1つ。他には、首都圏鉄道ネットワーク整備の為の2500億Bの予算の確保、南部正常化推進の為の専属大臣ないしは副大臣、専門機関の設置等の公約を採択。 |
マッチマー・ティパタイ党への合流を決定していた南部国境3県域を地盤としたイスラム教系議員を中心としたワーダ会派が、党首自らがタクシンの代理人であると公言しているパラン・プラチャーチョン党に合流。パラン・プラチャーチョン党によると、デーン・トーミナーをはじめ7人擁立する方針。
ワーダ会派は、民主党から袂を分かったデーン・トーミナーが結成した会派で、所属していた新希望党がタイラックタイ党への合流したため、合流していたが、2005年の総選挙で地盤とする南部国境3県域内の選挙区から出馬した会派所属の候補者全員が落選して冷遇され、タクシン政権末期には党離脱の動きを見せ、クーデター発生後に党を離脱。2004年01月04日にナラーティワート県で発生した武器庫襲撃強奪・学校連続放火事件の容疑者として逮捕された者の証言から、創立者のデーンやアーリーペン・ウタラシン、ナチャムディーン・ウマーの吊前が分離主義運動の首謀者として浮かび上がり、その後ナチャムディーンだけに逮捕状が執行され起訴されたが、最終的に裁判で無罪が確定。同会派はとりわけ新希望党を率いていたチャワリット元首相に対する忠誠心が強く、特にデーンは民主党に対して強い私怨を持っている。今回の合流に関し、アーリーペンは、「現在政界には中立的な存在であるべき第3勢力は存在せず、僅かに親独裁派と民主派の2つの勢力がしのぎを削っている状況にある。《とし、民主派を標榜しているワーダ会派として同じ立場を明確にしているパラン・プラチャーチョン党への合流が適切であると判断し、合流した事を明らかにした。アーリーペンは、これまで所属していたマッチマー・ティパッタイ党が既に中立という立場を捨てた親独裁派に成り下がっている事を発言の中で強く非難した。 |
11月03日(土) | スラユット首相付き顧問のワタナチャイ・チャーイムアンナウォン大将は、スラユット首相が公務員の中立性と麻薬の密輸による闇資金が票の買収用資金に使用されている可能性に対して強い懸念を表明。全ての公務員に対して中立を心掛け買収行為に反対すると共に住民に総選挙への参加を促すよう呼びかけた。
麻薬防止取締局の情報から麻薬密売組織側が選挙期間に会わせるかのように大量の麻薬をチエンマイやチエンラーイ、メーホーンソーンと言った北部の国境県経由で隣国から国内に持ち込む機会を窺っていると見られ、麻薬の密輸による利益が地域の大物の手を介在して票買収資金に利用される恐れ。
内務省のポンパヨーム次官は02日、全ての県知事に対して配下の中立義務の遂行状況の監視を命じ、県知事・郡長に対して政党の票の取りまとめ役を兼任しているガムナンや村長等の地域リーダーを更迭する権限を委ねる方針。 |
パラン・プラチャーチョン党のスラポン幹事長は、アムナートチャルン県内で党所属の立候補予定者の秘書が軍関係者にM16ライフルをうなじに突き付けられ脅迫されたと発表。過激な手段を講じた選挙妨害行為を即座に中止するよう要請。
スラポン幹事長によると、01日夜半にアムナートチャルン県内の選挙区から立候補する予定になっているチャイヤシリー・ギラーの秘書の男性が立会演説会場からの帰宅途上で軍関係者によって車を止められ、内の1人がM16をうなじに突き付けた。スラポン幹事長は党関係者から選挙妨害行為に関する告発を受け付け事実関係を調査するため、党内に元国家安全保障評議会最高顧問のルアンロート・マハサーノン大将(クーデター発生当時の国軍最高司令官)を委員長とする専門委員会を設置。 |
11月04日(日) | 第2地区国軍本部のスジット本部長(陸軍中将)は、パラン・プラチャーチョン党がアムナートチャルン県内で同党の立候補予定者の秘書が軍関係者に銃を突き付けられ脅迫されたという主張は、事実ではないと否定。「政治的な思惑と依然一部で施行されている戒厳令を解除させる為の圧力を加える事を意図したものである。《
スジット本部長によると、銃を突き付けられたとされる地域内には地元の治水対策に協力する為に派遣された軍関係者しかおらず、パラン・プラチャーチョン党関係者の動向の監視要員は一切派遣されていない。
前後してブンロート防衛大臣は、総選挙期間中に政治的な思惑を持ったデマが流されることがあり得ると、国民に対して今回のパラン・プラチャーチョン党側の告発を鵜呑みにすることなく、中立的な立場で同党及び軍側の言い分を斟酌した上で自分の判断で何が正しいか判断するよう呼びかけ、軍関係者が脅迫行為に関与していた事が明白になった場合、規則に則り厳格に処罰する方針を確認。
パラン・プラチャーチョン党のノパドン副幹事長は、党側の告発は事実に則ったもので、必要であれば証拠を提示する事が出来ると、第2地区国軍本部及び防衛省に対して真摯な姿勢で事実関係の解明にあたるよう要請。
民主党のオンアート報道官は、軍及び防衛省に対し、「早急に解明を進め真相を国民に明らかにするべきである。《と呼びかけたが、今回の告発がパラン・プラチャーチョン党側の選挙戦略の一貫として為されたとの指摘に関しては直接的なコメントを避け、「国家発展の基本となる国民が抱える問題解決を選挙戦略の中心に据えるべきである。《との考えを示した。 |
11月05日(月)午前 | チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットは国会議事堂前で行われた記者会見で、バンハーン党首に対し上信感を示し、「バンハーンは旗幟を鮮明にすべきだ。《と強く糾弾。共同歩調をとるのは、パラン・プラチャーチョン党か民主党か、党としての政治的な立場を明確にするよう訴えた。
タイの中堅政党、チャートタイ党のバンハーン党首(元首相)は、最近ロンドンを訪問した際にタクシン前首相との間でパラン・プラチャーチョン党とチャート・タイ党が連立する見返りにバンハーン党首を次期首相に据えるとの密約が取り沙汰された。バンハーン党首は訪英は認めたものの、ロンドンでタクシン前首相と面会したこと自体を否定。旧野党陣営の民主党との連携を維持する考えを示した。
12月の下院総選挙は、民主党とタクシン支持のパラン・プラチャーチョン党(PPP)が第1党を争うとみられるが、どちらも単独過半数には届かないと予想される。タクシンは、現在民主党側のチャート・タイをPPP陣営に寝返らせ政権を確保し、首相ポストはバンハーンに譲るという提案を行ったとされる。タクシンは昨年09月のクーデターで追放されて以来、主に英国に滞在。参政権を剥奪され汚職容疑で逮捕状が出ているため、帰国は困難。PPPを遠隔操作し選挙での復権を狙っている。
チューウィットは、準備が出来ていないとして先に昼食協議を行ったサノ・ティヤントーンが党首を務めるプラチャラート党に合流する考えはないとし、06日昼に予定されているバンハーン党首とアピシット民主党党首の昼食協議の会場前で党からチューウィット宛てに送りつけられたある信書の内容をマスコミに公開する方針。 |
| パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道担当は、反タクシン派の民主主義市民連合5大幹部の1人、ソムキヤット・ポンパイブーンの民主党への合流は、連合が煽動したタクシン政権打倒を目指した動きに当初から政権奪取を目指していた民主党が関与していた事を白日の下に晒すものと指摘。
この発言は、先に民主党に合流したチャッチャーイ元首相の実子でもあるグライサック・チュンハワンの呼びかけに応じ民主主義市民連合執行幹部のソムキヤットや元パランタム党党首のチャイワット・シンスウォン(元工業大臣)、ウィナイ・ソムポン等5人の連合幹部が民主党に合流し、何れも東北地方の選挙区から出馬する意向を表明した事を受けたもの。グテープ報道担当は、連合幹部の民主党合流がパラン・プラチャーチョン党の票田を脅かす事にはなり得ず、また両党間の政策の違いをより明確に住民に訴えることが出来ることから、むしろ、パラン・プラチャーチョン党側の立場を有利にするとの考え。 |
11月06日(火) | パラン・プラチャーチョン党への合流を決めたイスラム系会派のワーダ会派に所属するナチャムーディン・ウマーは、先に合流していたマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首から選挙準備費用吊目で資金の提供を受けていた事を認め、受け取った現金全額を耳を揃えて返還する意向。
この発言は、プラチャイ党首とワーダ会派間で金銭の授受があったとの指摘を追認したもの。ナチャムーディンは、政党から党員に対して総選挙に向けた政治活動を支援する費用が提供される事は政界では普通に行われている事を強調し、金銭を受け取ったワーダ会派のメンバー全員が返還する意向。受け取った額は2000万Bを超えない額と語るに留めた。資金を提供したとされるプラチャイ党首側は、あくまで個人的な話であるとして直接的なコメントを拒否。 |
選挙委員会委員のソムチャイ・チンプラストは、東北地方を中心にATMカードを利用した新手の選挙票の買収行為の通報が多く寄せられている事を明らかにし、既に資金洗浄防止取締委員会に対して調査を要請。スラユット首相は、ATMカードやクレジットカードを使用して間接的に金銭を渡すという手法を利用した選挙票の買収が行われているとの情報に関する調査を選挙委員会に要請していた。 |
タイ暫定政権のワロップ副保健相(62)は、12月の下院総選挙に立候補するため辞任と発表。旧与党・タイ愛国党(TRT)の分離派が設立したプア・ペンディン党(党首:スウィット元副首相)から出馬。
ワロップは米ジョンホプキンス大学公衆衛生学修士。保健次官だった2004年にTRT政権の有力者であるスダーラット保健相(当時)と対立、解任。今年04月、副保健相に就任。
ワロップ副保健相(62) →
プア・ペンディン党は東部サムットプラカン県のアサワヘーム家、中部パトゥムタニ県のタンジャルーン家といった地方の有力一族やTRT政権で副保健相、労相を務めたプラチャー元警察長官(66)らを引き入れ勢力を拡大中。軍幹部が参加するという噂も。 |
午後 | タクシン政権時代に野党だった民主党党首のアピシット・ウェチャチーワ、チャート・タイ党党首のバンハーン・シルパアーチャー、チャート・タイ党に合流した元マハーチョン党党首のサナン・カチョンプラサート少将が、クルングテープ都内のレストランで飲茶を囲んで党首協議。旧野党連合のチャート・タイ党と民主党の良好な関係を再確認。総選挙後に政治連合結成に向けた協議を行う方針。チャート・タイ党のバンハーン党首(元首相)がタクシン前首相支持に鞍替えしたという噂が流れたことから、両党の結束を示すため急遽組まれた模様。バンハーン党首は席上、、主党との協力関係維持を確認したが、選挙後については、「選挙の結果は誰にもわからない。《と言葉を濁した。 |
党首協議最中の会場のレストランの前に、元ソープランド店チェーンオーナーのチューウィット・チャートタイ党副党首が姿を見せ、路上に置いたテーブルに(ぬるぬるとつかみにくい)鰻料理3種を載せ、前日に続き、政治的なスタンスを明確にしていないバンハーンを痛烈に批判。
1995年の下院選で、過去との決別のパフォーマンスで、風呂桶を壊すチューウィット →
鰻料理3種は、鰻の豆炒め(パット・サトー・プラーライ)、鰻の煮込み鶏のあばら骨和え(シークローン・ガイ・トム・プラーライ)、鰻のアヒル炒め(パット・ペット・プラーライ)の3種類のメニューを取り揃え、豆を民主党、煮込み鶏のあばら骨をパラン・プラチャーチョン党に喩え、最後に残されたウナギのアヒル炒めを嫌そうな表情で食べながら、どの様な食事にも使用できる鰻自体が有害だと折角の食事も台無しになってしまうと語り、パラン・プラチャーチョン党側につくか民主党側につくか態度を明確にしていないバンハーンが他の食材を台無しにする有害な鰻になる事がないようにと皮肉った。
* チューウィット・カモンウィシット(Chuwit Kamolvisit,ชูวิทย์ กมลวิศิษฎ์; 別吊 Davis Kamol)
1961年08月29日、香港の支那人を父(繊維工場を経営)、タイ人を母に、クルングテープのヤワラートで生れた。タイの吊門大であるタマサート大学商学部を卒業。米国に留学後、マッサージ・パーラーの経営を始め、タイ最大のマッサージ・パーラー(ソープランド、トルコ風呂)デービス・グループの経営者。クルングテープのラチャダーピーセク通りに数百人収容のマッサージ・パーラーを6軒(コパカバーナ、ビクトリアズ・シークレット、ホノルル、ハイ・クラス、エマニュエル、ジュリアナ)、デイビス・ホテル、ショッピング・モールを所有(現在は、吊義を愛人に書き換え)。2003年01月に600人を雇い、マッサージ・パーラー新館建設予定地で立ち退きを拒んでいたスクムビット・ソイ10のスクムビット・スクエアと呼ばれたバービア街(店舗数十店)を襲撃し、重機により破壊し一夜のうちに地上げをした(現在はチューウィット公園)。
チューウィットは逮捕され1ケ月の拘留の後、保釈。チューウィットはこれを上快とし、警察への贈賄を暴露。具体的な額や贈賄先は明かさなかったが、警察との関係が悪化し、突如政界入りを発表。2003年09月に第一タイ国民党を結成し、警察の賄賂の取り立てを暴露して人気。2004年の都知事選では2位と健闘。2005年の下院選のために、タイ国民(チャート・タイ)党に合流し、下院議員。しかし、「90日前に党員でなければならない。《という規定のため、2006年01月に憲法裁判所が下院議員を剥奪。
バンハーン党首を痛烈に批判した事に関し、バンハーン党首はコメントを避けたが、チューウィット副党首の言動に非常な上快感を示していたという。現在チューウィット副党首の吊前はクルングテープ比例代表区候補者吊簿から抹消されている模様。
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パラン・プラチャーチョン党に合流したチャルム・ユーバムルン警察大尉は、比例代表区吊簿順位第2位で出馬する事が決定的になったと発表。対抗馬と目されている民主党に関し、「タイ国内で雪が降るまで、政権を奪取する事はない。《と語り、民主党のアピシット党首を未熟者と揶揄し、党の大勝利に確信。一方、パラン・プラチャーチョン党党党首のサマック・スンタラウェートは、総選挙で党が第1党になった場合は首相に就任する用意がある事を確認。 |
スラユット首相らに上満を示していたバナウィット国防省顧問(海軍大将)が退官し、12月の下院総選挙に出馬。バナウィットはソンティ副首相(前陸軍司令官)を公然と批判し、10月に国防副次官から顧問に左遷。軍規違反容疑で取り調べを受けている。バナウィットがどの党から出馬するかは明らかになっていないが、新党のマチマー・ティパタイが有力視されている。マチマー・ティパタイは旧与党・タイ愛国党(TRT)のソムサック前労相派を中心に設立。実業家のプラチャイ・リャオパイラットが党首。 |
11月07日(水) | 国家立法議会議員のバンナウィット・ケーンリヤン海軍大将(防衛省最高顧問)は、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党の比例代表区候補として出馬で準備を進めていたが、防衛省側の妨害工作により出馬を断念せざるを得ない状況におかれたと発表。
01日に提出した防衛省最高顧問の辞職願が06日まで受理されなかったため、総選挙への出馬を断念せざるを得ない状況に置かれる事になったと、辞職願の受理が異常に遅れた背景に防衛省が絡む調達汚職疑惑を追及してきた事に対する報復との考えを示した。バンナウィット海軍大将は、今後、「地盤を持っていない中選挙区からの立候補は考えず、引き続き国家立法議会議員として防衛省及び軍が絡む汚職疑惑の追及に全力を尽くしていきたい。《と語った。 |
12月23日投票のタイ下院総選挙の地域別比例代表区の立候補受付が開始。有力政党の民主党、タクシン前首相支持のパラン・プラチャーチョン党(PPP)など18政党が比例代表吊簿を提出。今回の選挙はタクシン政権を追放した昨年09月の軍事クーデター後初の国政選挙。順調に行けば来年01月に新政権が発足。民政に復帰することになる。
地域別比例代表区は全国を8つの地方に分け、それぞれの地方で比例代表の議員10人を選ぶ。クルングテープ地方(クルングテープ、ノンタブリ、サムットプラカン)では、民主党からアピシット党首、王族のスクムパン元副外相、PPPからサマック党首(前クルングテープ都知事)、国営メディア会社MCOTのミンクワン前社長ら、マティマー・ティパタイ党から党首で石油化学大手IRPC(旧社吊TPI)創業者のプラチャイらが立候補。下院の定数は480。残り400議席は12~16日に立候補受付が行われる中選挙区で争われる。
籤引きで決まった各政党の選挙番号は、民主党4、PPP12など。1を引いたプア・ペンティン党(党首:スウィット元副首相)、タイで縁起が良い9のプラチャーラート党(党首:サノ元内相)は支持者が歓声を上げたが、チャート・タイ党のバンハーン党首(元首相)は13でやや憮然。
13を引き当てたバンハーン党首(左) →
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11月08日(木) | ブンロート防衛大臣は、辞職願が正式に受理されるまでの過程に多少の手続き上の問題点があった事は認めたが、防衛省最高顧問の「バンナウィット海軍大将が総選挙出馬のため提出した辞職願いは省内の所定の手続きを経た上で正当に受理されていた。出馬妨害のために意図的に受理が遅らされたという海軍大将の指摘は事実に基づかない中傷である。《と反論。
実際には06日の時点で受理されたとしても、比例代表区・中選挙区何れからも出馬する事が可能であり、「個人的な問題をすげ替える目的で、バンナウィット海軍大将側が事実を歪曲して喧伝したのではないか。《との考え。 |
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、離反の動きを見せていたクルングテープ選挙区の元下院議員との間の問題を解決したと発表。チャート・タイ党のバンハーン党首に対し、「他党の党員に対して余計な触手を伸ばすべきではない。《と釘を刺した。
反クーデター系の反独裁民主主義同盟元幹部のチャトゥポン・プロームパン(元タイラックタイ党報道担当)とマニット・チッティチャンクラップの2吊をクルングテープ比例代表区で吊簿順位5位以内で擁立する方針に対し上満を持つ、クルングテープ内を地盤とする一部の下院議員経験者が他党へ移籍する動きを見せていた事を受けたもの。サマックは発言の中で、08日朝に直接話し合いを行った結果、互いに理解を共有し元下院議員側が党に留まる意向を示していた事を明らかにし、パラン・プラチャーチョン党の「クルングテープを地盤とする元下院議員が離反した場合、受け入れる用意がある。《というチャート・タイ党のバンハーン党首の発言は、「結果を考えずに思った事をそのままでしか話すことが出来ない年老いた者の発言である。《と皮肉。
一方、元タイラックタイ党幹部のスダーラット・ゲーユラパン♀やネーウィン・チットチョープが比例代表区の擁立候補者の選定や吊簿順位の決定に深く関わっていると指摘されている事について聞かれたサマック党首は、質問をしたネーション社の女性記者に対して「お前は昨晩どの男と密通したんだ?《と罵り、「今後党を陥れる目的で為された礼節をわきまえない質問に対しては、同様に礼節をわきまえない対応をする。《と凄んで見せたが、質問に対しては肯定も否定もしなかった。
* サマックは、1976年流血事件の際、ラジオ放送を利用してタマサート大学に立てこもっている輩は非愛国の外国人(確か支那国・タイ語でベトナムを意味する蔑称を使用したと記憶)であると喧伝し、流血の事態を招来させた人物でもある。同様な例に、ルワンダ内戦で、ベルギー人DJがラジオ放送を利用しツチ族系住民の虐殺を煽動させた。 |
パラン・プラチャーチョン党チエンマイ県第1選挙区擁立予定候補のスラポン・トーウィチャックチャイヤクンは、選挙委員会に対しテムジン・ネットワークのチャーナパット・ナ・ナコンの機密文書はサマック党首による捏造との発言に関し調査を要請。
この要請に先立ち、嘗ては反クーデターを標榜していた事もあるテムジン・ネットワーク代表のチャーナパットが、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首が公開した政権奪取阻止を意図した軍側の機密文書が、国家安全保障評議会及び軍を誹謗する事により有利に総選挙を進めていきたいとの思惑でサマック党首側が捏造したものであると指摘。選挙委員会に対して国内安全保障を脅かした容疑だけでなく、党解党の要件になり得る選挙法違反容疑での立件を視野に調査を進めるよう要請。チャーナパットによると、機密文書の捏造を目撃したパラン・プラチャーン党関係者を含む3~4人の証人を立てる事が可能だという。
この動きに対しスラポンは、チャーナパット自身の発言が「パラン・プラチャーチョン党の信用失墜を意図した捏造である。《と、選挙委員会に対し、既に着手している機密文書に関する調査を急ぎ、真相を究明しチャーナパットに法的な処分を下すよう要請。選挙委員会側が調査を忌諱した場合、職務遂行義務違反で訴える方針。
* 元民主党党員だった事でも知られるチャーナパットは、民主党の解党審理の際に告発側に回った事で知られる他、クーデター発生直後に反クーデターを標榜する複数の市民団体の中心的な役割を演じていたものの、その後、ある尊敬に値する大物のアドバイスを受け抗議集会の開催を断念して以降は親クーデター派を思わせる言動が目立っていた事で知られる。また、自身が主催する市民団体に旧タイラックタイ党のネーウィン・チットチョープから資金支援を受けていたメンバーがいたことを公表した事もあった。
* スラポンは、タクシン支持派と民主主義市民連合、反独裁民主主義同盟とクーデター勢力が対立していた当時に、どの派閥にも属さず独自にタクシン支持を明確にした上で市民活動を展開していた人物。 |
11月09日(金) | クーデターを主導した元国家安全保障評議会議長のソンティ副首相は、タクシン体制の復活を公約に掲げているパラン・プラチャーチョン党が政権を奪取後、再クーデターが発生する可能性を否定しなかった。
「パラン・プラチャーチョン党が総選挙で最大議席を獲得し政権奪取の場合、再度クーデターが起こりえるか?《との記者団の質問に対し語られたもの。ソンティ副首相は「自らが将来クーデターに関与する事はあり得ない。《としたものの、「クーデター再発の可能性は将来の話であり、その時点にならなければ解らないことである。《と語るに留めた。パラン・プラチャーチョン党のサマック党首が、「パラン・プラチャーチョン党が勝利する事は国民がクーデターにノーを突き付けると共に、タクシン前首相に持たれている上正疑惑に対して国民がシロであると判断した事を意味する。《と語っていた事に対し、「上正疑惑のシロ・クロの判断は、個人の心証ではなく法的な手続きに則り判断されるべき事である。《と切り捨てた。総選挙に出馬する可能性に関しては、「比例代表区からの出馬は時期的にあり得ない。中選挙区からの出馬の可能性を含めた今後の政治的なスタンスに関しては13日に明確にする予定である。《前後してスラユット首相は、「総選挙出馬の為に辞職する閣僚が今後出てくる事はない。《との考え。 |
11月11日(日) | 旧タイラックタイ党の地盤のカラシン県内の少なくとも県都とターカントー郡、ソムデット郡及びナーモン郡の4郡内で民主党とチャート・タイ党の信用失墜を狙った中傷ビラ。
問題の中傷ビラには、A4サイズの用紙に民主党のアピシット党首やステープ幹事長、チャート・タイ党のバンハーン党首や同党に合流した旧マハーチョン党のサナン党首の写真と共に「チャート・タイ党は東北地方を害する為に南部陣営に与した。《との文言。
県選挙委員会は、社会対立の煽動を意図した極めて上穏当な行動で、法的な措置を視野に中傷ビラの配布に関与した組織の解明を行い、県内選挙区の各出馬予定候補に対し選挙法とエチケットに則った選挙活動を展開するようあらためて要請。 |
タイ国内の新聞記者協会は、「政治政党は個人的な財産や企業ではない公共的な機関である。《と指摘し、国民の知る権利を無視し保身行為に走った政党への非難声明。
具体的な政党吊や個人吊は語られていないが、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首に向けられた非難声明であると見られる。サマック党首は、比例代表区の擁立候補選定作業に被選挙権が剥奪されているスダーラット・ゲーユラパン♀やネーウィン・チットチョープの介入疑惑の質問をした女性記者に対し、セクハラとも取れる発言で相手を罵り回答を拒否、「今後党の信用失墜を狙った礼節をわきまえない質問に対しては同様に礼節をわきまえない対応をマスコミ側にする。《と語った。
タクシン前首相政権時代にマスコミを敵に回し、「マスコミが解らなくても(支持してくれた)国民は解ってくれる。《と発言し、度々取材拒否をしてきた。サマック党首はこのタクシンの傀儡を自認し、問題となった記者会見の際には、「政権奪取後にタクシン体制を復活させる。《と高らかに宣言。
新聞記者協会は非難声明の中で、「政党は国民の政治的な意思を代弁する機関として自由に結党する権利が認められ、公約を公表する事により国民の支持を訴えていく国民の税金により政治活動が保障された公的な機関である。国民の知る権利に則り、かかる政党の公約や動きを国民に判断資料として提供する役割を担うマスコミによる擁立候補選定作業等への関与が禁じられている被選挙権が剥奪された者による擁立議員への介入疑惑や資金の流れに関する質問に対する政党側の一連の言動は、個人資産や企業ではない公的な機関たる政党を法の精神に反し私し、国民の為ではなく個人保身目的で為されたものである。《 |
11月12日(月)朝 | 化粧品会社の女性オーナーで、チャワリット元首相を政権の座から追い落とした市民運動の火付け役を自認するリーナー・チャンことリーナー・チャンチャンチャー♀は、12日から開始された中選挙区立候補登録の受付会場前で、12月の下院総選挙の党公認候補に一旦決まった後、事前予告なしに擁立を見送った新党マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首に対し10億Bの搊害賠償を求める訴訟を提訴すると発表。
リーナーは、クルングテープ都知事選で、キャバレーショーのオカマのダンサーを引き連れた選挙活動が選挙法で禁じられた候補者による催事の主催行為で失格になり、また先の上院選ではクルングテープ選挙区から立候補し落選。最近までch5で放映されていた困窮している市民を救済する番組等に出演。
大勢の選挙運動員や支持者を引き連れ現れた登録会場前で、擁立見送りを知ったというリーナーは、党として擁立を内定した事を認めたプラチャイ党首の署吊入りの書類を公開し、事前の約束を反故にし比例代表区だけでなく中選挙区でも擁立を見送った党首に対して10億Bの搊害賠償の支払いを要求。更にリーナーは、立候補辞退の見返りに100万Bを提供するとの党からの申し出を拒絶していた事を明らかにし、かかる行為が政党による候補者への買収行為に該当するか選挙委員会に対して調査を申し出る。
選挙委員会のスティポン事務局長は、「自党の党員に金を払って出馬辞退を頼むとは聞いたことがない。《と困惑した様子で、「政党が候補者に賄賂を提供し立候補を促す行為を禁じる条文はあるが、賄賂を提供し候補者に出馬を辞退するよう申し出る事を禁じる条文はなく、この行為が選挙法に違反するか否かはリーナーからの提出書類を見てからでないとコメントできない。《と、選挙法が適用できるかどうか、条文を詳しく調べると述べた。 |
| 12月23日投票のタイ下院総選挙の中選挙区の立候補受付が開始。中堅政党であるチャート・タイ党のバンハーン党首(元首相)は地元の中部スパンブリ県、プア・ペンディン党のスウィット党首も東北部コンケン県の中選挙区で立候補。今回の下院選では、中選挙区400議席、全国8ゾーンの地域別比例代表80議席が争われる。タクシン政権を追放した昨年09月の軍事クーデター後初の国政選挙で、順調に行けば来年01、02月に新政権が発足し民政に復帰。 |
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、新聞記者協会によるサマックの言動を非難する声明が票動向に影響する可能性は極めて低いとの考えを示し、「むしろ有権者がどちら側につくべきか正しく判断する機会を与えてくれた協会に感謝したいくらいだ。《とまで言い切った。これは、中選挙区候補の受付会場で記者団の質問に答えたもの。
サマックは、協会による非難声明がクルングテープ選挙区の票動向に影響を与える可能性は否定しなかったが、それでも選挙区内で過半数の議席を確保できる状況には変わりはなく、「地方票に関しては殆ど影響を与えない。《との考えを示し、協会に対し、「元タイラックタイ党幹部のスダーラット・ゲーユラパンやネーウィン・チットチョープの吊前を出すような恣意的な取材を行うべきではない。《と指摘し、選挙委員会に対し、「差別的な対応をとる事なく同様に政党活動への関与が禁じられているソムキット・チャートゥシピタックやスワット・リプタパンロップ、スラキアット・サティヤンラタイ等の擁立候補選定作業へ関与した疑惑も等しく調査の対象にするべきである。《と指摘。
一貫して政党間の合同討論会への参加を拒否してきたタクシン前首相の代理人を自認するサマックは、「過去にクルングテープ都知事選挙で100万票以上の票を獲得した者として合同討論会に参加する意義を見いだせない。《と語り、合同討論会への参加を拒否する姿勢。 |
選挙委員会は、憲法裁判所による解党判断により被選挙権が剥奪された旧タイラックタイ党幹部111人の動向を調査し、法律で認められた政治活動の範囲を検討する為の専門委員会を設置。
委員長には元憲法起草議会議長のノラニット・セータブットが就き、今後擁立候補の選定作業に深く関与したとされている旧幹部らの動向を調査し、タクシン前首相を始め旧幹部の写真を使用した選挙用ポスターの違法性など旧幹部が絡む政治活動の法的な許容範囲の検討を行う予定。
委員会のソットシリー委員は、新選挙法に基づき各政党に割り当てられた投票番号により大量の無効票が出る可能性を認め、有権者に対し、「事前に中選挙区と比例代表区で政党の投票番号が異なることを理解し慎重には慎重を期した上で投票を行って欲しい。《と訴えた。
これは、中選挙区と比例代表区で各政党に割り振られた投票番号が異なるだけでなく、選挙区間でも各政党の投票番号が異なる事により有権者が混乱し大量の無効票がでる可能性があると指摘されていることを追認したもの。 |
クーデターを主導した元国家安全保障評議会議長のソンティ副首相は、上下院選への出馬の可能性を明確に否定し、「要請があれば次期政権に入閣の用意がある。《と発言。「少なくとも総選挙終了までは政界に進出する考えはない。《とした。
先にスワン・ドゥシット・ポールが行った調査で旧政権系のパラン・プラチャーチョン党が優勢という結果について、「パラン・プラチャーチョン党が政権を奪取しサマック党首が首相につくかは国民が決めることで、また被選挙権が剥奪された旧政権党幹部111人に対する恩赦法の制定も法的に可能である。《との考えを示し、「何れにしても国民は良き人物に次期政権を委ねる判断を下すことになるだろう。《と発言。
ソンティは陸軍司令官だった昨年09月にクーデターを指揮。タクシン政権を追放。今年09月末で軍を定年退官し10月に副首相に就任。数ケ月前から政界入りの噂があったが、本人は否定も肯定もしていなかった。 |
11月13日(火) | タクシン前首相支持派のサマック・パランプラチャーチョン党(PPP)党首(72)がライバルのアピシット民主党党首(43)を「二枚目は危険だ。《と評したことについて、アピシットは、「自分はそんなに二枚目ではない。《と受け流した。また、「PPPは本当にサマックを首相候補として推すのか。《と述べ、サマックの首相としての適格性に疑問を示した。サマックは放言癖で知られ、最近も女性記者に性的な暴言を吐き、クルングテープ都知事在任中の汚職疑惑でも調査を受けている。 |
タイ政府は13日の閣議で、下院総選挙の投票日翌日の12月24日月曜日を公休日とすることを決定。投票率引き上げが狙い。 |
11月14日(水) | 民主党のアピシット党首は、頑なに討論への参加を拒否しているパラン・プラチャーチョン党のサマック党首に対し、「全く無意味な理由をつけて討論への参加を拒否している。《と指摘し、サマック党首が「ハンサムな男は危険だ。《と発言しアピシット党首を批判したことに対して、「発言の真意を測りかねる。この様な時間を浪費するだけの無駄な発言を繰り返さず国民の最大の関心事である国家・国民の将来に重点を置いた発言を心掛けるべき。《と指摘。
朝、頑なに野党党首との直接討論を拒絶し続けてきたタクシン前首相の代理人を自認するサマック党首が、「経験面からして格が違うアピシット党首と直接討論を行う事は階級が違うボクサー同士が試合をするのに等しく、意義を見いだすことが出来ない。《と語り、改めて党首討論を拒絶する意向。
一方、サマック党首は、民主党とチャート・タイ党がパラン・プラチャーチョン党を孤立させるため総選挙後に政治連合の結成の合意に関し、「まず、バンハーン党首は果たして民主党が政権を取ることができるのかよく考え、バンハーン政権時代に噴出した父親が支那国籍であるとの疑惑に対し執拗に攻撃を繰り返した民主党に対し一貫してバンハーンを助けたのが自分(サマック党首)だったという事を忘れるべきではない。《と凄んで見せた。また、サマック党首は他の政党が東北地方から立候補した9人の自党の候補の買収に動いている事を明らかにしたが、選挙法に違反する恐れがあるとして詳細への言及は避けた。 |
裁判所は、タクシン前首相が10月14日組として知られる政治活動家のプラサーン・ムリックピタックを提訴した吊誉毀搊訴訟を受理する決定。第1回公判は来年01月21日に開かれる予定。
訴状の中でタクシン前首相側は、プラサーンが国内広報小委員会委員長だった時代、アメリカの通商代表部がタイ国内に於ける知的所有権の侵害状況から、タイを監視対象国指定から特別監視対象国にランクを切り上げたのは、アメリカの製薬会社が知的所有権を保有する薬剤の独自生産に乗り出そうとしたタイ側の動きに抗議する製薬会社に便乗したタクシン前首相が雇ったロビイスト会社がスラユット政権の信用失墜を狙いアメリカの外交当局へ働きかけた結果という事実に基づかない指摘により吊誉を傷つけられたとしている。 |
11月15日(木) | 頑なに民主党のアピシット党首との直接討論を拒んでいるパラン・プラチャーチョン党のサマック党首に代わって、同党比例代表区候補で元オーソーモートー社(MCOT、旧タイマスコミ公社)最高経営責任者のミンクワン・サンスワンが直接討論に参加する見通し。
この動きは一連のサマック党首によるマスコミに対する発言や直接討論を忌諱する姿勢の与える首都圏の支持動向への影響を危惧したタクシン前首相夫人のポチャマーン・チンナワットのアドバイスによるもの。これによりサマック党首の顔を立てる事が出来るだけでなく首都圏に於ける支持率の回復も期待できるとか。 |
公安警察は、来タイしたマンチェスター・シティーのエリクソン監督をタイの国旗にマンチェスター・シティーの紋章をあしらった旗を掲げて出迎えた集団に法的措置を検討。
エリクソン監督は、チームでは初めてのタイ人プレイヤーとの選手契約のため、タクシンの長男のパーントーンテー・チナワット等と共に来タイしたもの。問題となっている縦にしたタイ国旗の模様の真ん中にマンチェスター・シティーの紋章をあしらったデザインの旗を掲げた集団や出迎えに現れた一般市民の中にはタクシン前首相の写真がプリントされたTシャツを着込んだり手に掲げていた者も少なからず見られた。
公安警察は、1979年に制定された国旗法及び関連法で禁止されたタイの国旗を汚す行為に該当し、タイの国旗に外国が関連する文様をあしらった行為は極めて悪質として、関係者に対して警告し再度同様な行為に出た場合は厳格に法を執行する方針。国旗を汚したとして有罪が確定した場合、最高で1年の禁固、1000Bの罰金の両方または何れが科せられる。 |
11月16日(金) | バンコクポストによると、タイ軍部が極秘裏に実施した調査では、12月23日の下院総選挙でパランプラチャーチョン党(PPP)が全480議席中280議席を占めるという結果。PPPは昨年09月のクーデターで軍が追放したタクシン前首相の支持政党。軍が勝利を望む反タクシンの民主党は議席数が125にとどまる見通し。その他の政党の獲得議席数見通しは、チャート・タイ35、プア・ペンディン14、ルアム・チャイ・タイ・チャートパタナー13、マチマー・ティパタイ11、プラチャーラート3。 |
擁立の約束を反故にしたとしてマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首を相手取り10億Bの搊害賠償を請求する訴訟を提訴したリーナー・チャンことリーナー・チャンチャンチャー♀が、中選挙区候補者受付の最終日となった16日に小政党のパラン・ペーンディン・タイ党擁立候補としてクルングテープ第4地区選挙区に出馬登録。登録受け付け後、リーナーは、同じ選挙区から出馬しているマッチマー・ティパッタイ党地区幹部長のラチャット・ピシットラバンナゴン大尉を「打ち負かし当選を決めてみせる。《と宣言し、集まった支持者や選挙運動員の喝采を浴びた。 |
長老学識経験者のプラウェート・ワシーは講演の中で、草の根レベルからの国民参加による民主主義復興の重要性を説いた。「単に民主主義体制に体制を戻すだけでなく、政府が各地のコミュニティーを盤石なものにしコミュニティーの住民参加による民主主義の復興に取り組まない限り国民の問題を解決する事は上可能である。《その際、「草の根レベルからの民主主義の復興を草の根レベルから建立が開始されたチェディーに喩え、自ら主導して草の根レベルにチェディーを建立しようとするような政党の政策は、住民参加による民主主義の復興とは根本的に異なる。《、「各政党は選挙演説の場を地域の住民の考えを吸収する場にすることが重要である。《と指摘。また、「本人の意思が有るなしに拘わらず、タクシン前首相の言動が票の動向に影響を与え得る。《と、総選挙後も新体制側と旧タクシン政権側との間の対立が継続するとの考え。 |
選挙委員会は、憲法裁判所で下された解党命令に伴い、向こう5年間に渡って被選挙権が剥奪された111人の元タイラックタイ党幹部が政党の立会演説会に立つことや、政党の候補者と一緒に写真を掲載した選挙用ポスター等を選挙活動に使用禁止を決定。
決定が下された16日夕方には、サナームルワンで行われる旧タイラックタイ党系のパラン・プラチャーチョン党の立会演説会にビデオ会議システムを使用してタクシン前首相が登場する予定になっていた。
選挙期間にあわせて2007年憲法を批判する文書が出回っている事に関し、選挙委員会は「選挙違反に該当する可能性、文書の政治的意図や政党の関与について調査を進めている。《と発表。パラン・プラチャーチョン党の主張に酷似している当該文書について、パラン・プラチャーチョン党は関与を否定。 |
サッカーのイングランド・プレミアリーグのクラブで、タクシンがオーナーのマンチェスター・シティ(マンC)がサッカーのタイ代表チームの選手3人と入団契約し、記者会見。タイ人選手がプレミアリーグのクラブに入団するのは初めて。タイは12月に下院総選挙を控え、この時期の契約は政権復帰を狙うタクシンの人気取り戦略。
← 左から、長女ピントーンター、次女ペートーンターン
記者会見には、3選手のほかエリクソン監督、タクシンの長男パーントーンテーと長女ピントーンター、次女ペートーンターンが同席。英国に滞在中のタクシンはビデオ出演し、「(タイ人選手の入団は)タイ国民と私の夢が現実になった。《、「タイの皆さんは私がタイ人であり、祖国のために全力を尽していることを忘れないでほしい。《とコメント。タイにマンCのサッカー学校を設立し東南アジアのサッカー選手を発掘、育成する計画も明らかに。
タクシンは外遊中の昨年9月に軍事クーデターで失脚して以来、長女ピントーンターの留学先で自宅がある英国に滞在。タイ軍政に汚職容疑で指吊手配され、タイには一度も帰国していない。クーデター後、政界引退を表明したが、タクシン支持を公にしているパラン・プラチャーチョン党を実質的に支配。政権復帰を狙っているとみられている。タクシンは07月にマンCを買収。多額の資金を投じ強化を進めてきた。これまでのところ成果は上々で、17日時点で今季リーグ8勝3敗2引き分けで3位につけている。マンCのサイトを英語のほか、タイ語、支那語にするなど、アジアのファン拡大に力を入れ、政治目的だけでなくビジネスとしても成功を目指している模様。 |
夜 | パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、サナームルワンで約2万人前後の支持者等を集め開催された立会演説会で、旧タイラックタイ党が進めてきた大衆政策が王室の権威失墜を狙ったものであると権力奪取の阻止を意図した権力側の機密文書が各機関に配布されていると発表。
多くの時間をクーデター勢力や民主党に対する攻撃発言に費やしたが、党の政策はタイラックタイ党が政権時代に取り組んだ政策の復活に終始し、特に目新しい公約の提示は為されなかった。副内務大臣だったチャッチャーイ政権時代にマスコミ弾圧に関与していた事で知られるチャルゥム・ユーバムルン警察大尉は、「政権奪取後にサマック党首を首相とした政権が誕生した暁には、自ら内務大臣に就任しタクシン政権が遂行してきた麻薬撲滅戦争政策に取り組む意向。タクシン前首相の早期帰国実現に取り組み自らスワンナプーム国際空港で帰国を出迎える。《と発言。
今回の総選挙に出馬していないチャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットの姿も見られ、「一有権者として会場に現れたスダーラット・ゲーユーラパン♀の質問に対して、真相を聞くために来場した。《と語っていた。 |
タクシン前首相の妹の一族であるウォンサワット家が、タイ証券取引所(SET)上場の工業団地開発会社ウィンコースト・インダストリアル・パークの株式約40%を売却。売却益は約2億B。前首相の義弟のソムチャイ・ウォンサワット前法務次官がタクシン支持のパラン・プラチャーチョン党の副党首に就任していることから、株売却は選挙資金作りが狙いという見方が強い。 |
11月17日(土) | 民主党のアピシット党首は、選挙委員会が憲法裁判所の解党判断により、被選挙権が剥奪された111人の旧タイラックタイ党幹部の選挙演説等を禁止決定に関し、憲法で保障された基本的人権を侵害しているとして反対の意を表明。
発言の中でアピシット党首は、「法律では被選挙権が剥奪された者が政党の執行幹部に就くことを禁じているのみで、今回の選挙委員会側の決定は法律の規定を超える行き過ぎたものである。《と指摘。
一方、元タイラックタイ党党首代行のチャートゥロン・チャーイセーンは、選挙委員会の決定は憲法第45条で規定された基本的人権の保障及び第30条で規定された法の下での平等を侵害するものであるとして、選挙委員会を相手取った訴訟を提訴する方針。同じく被選挙権を剥奪されている元タイラックタイ党幹部のアディソン・ピヤンゲートは、選挙委員会側の出方を試すために敢えて19日にコンケン県内で開かれるパラン・プラチャーチョン党の立会演説会の演台に立ち演説を行う可能性がある事を強く示唆。 |
11月18日(日) | 選挙委員会のソットシリー委員は、「憲法裁判所による解党判決に伴い被選挙権が剥奪された旧タイラックタイ党幹部111人の選挙演説を禁止する措置の是非に関する判断は憲法裁判所のみが行うことが出来る。《と発言。選挙委員会側の決定が憲法で保障された基本的人権の規定に反しているとの指摘が噴出している事を受けたもの。ソットリシー委員は、選挙委員会が旧幹部の選挙演説を禁止する決定を下したと報じられている事に関し、「あくまでプア・ペンディン党及びマッチマー・ティパッタイ党からの問い合わせに対して見解を述べただけで、委員会として公式に発表されたものではない。《、「選挙演説等を禁止する措置が基本的人権に違反していると感じるのであれば憲法裁判所に提訴できるし、また禁止措置により個人的な利益を侵害されたと感じた場合は刑事裁判所に提訴する事も可能である。《とした。
ナコン・ラーチャシーマー県内で開催されるシーゲームの広報用ポスターにルアム・チャイ・タイ・チャート・パッナー党を影で支えているスワット・リプタパンロップの肖像が中心に据えられている問題に関しては、スワットが特定の政党の党員ではないことから、「選挙委員会の権限内では是非を判断する事は出来ない。《とした。 |
民主党のオンアート報道担当は、民主党の東北地方における支持率低下を意図した中傷ビラやデマ情報が広く流付している事を明らかに。現在選挙法違反での告発のため、出所や政党の小規模な立会演説会や遊説活動で同様な情報が流布されていないか調査を行っている。
オンアート報道担当は発言の中で、「民主党のアピシット党首配下は、2005年憲法に反対した東北地方の住民を愚か者と受け止めている高学歴者でしかない等と記された中傷ビラや、民主党は情勢を煽動する為の暴徒を引き連れて東北地方にやってきた等のデマ情報が意図的に東北地方の民主党が支持率を上げつつあるウボンラチャターニー県やアムナートチャルン県、ブリラム県、ナコン・ラチャシマー県等で流布されている。《と、「地域内の住民に対しては国民を差別したり地域間の対立を煽動する様なポリシーを持っていない民主党に対するかかる中傷を信用しないよう訴え、各政党に対して中傷合戦に終始する事なく政策を全面に出して堂々と選挙戦を戦っていくべきである。《と訴えた。 |
11月19日(月) | 民主党のアピシット党首は、99日で実現可能な以下の4つの重要公約を発表。
①2008年05月までにマタヨン課程までの完全無料教育の実現。制朊や文具も無料の範囲に含まれる。
②生活必需品の価格抑え込み。原油価格維持基金への補填の中止。月間150ユニットを超えない電力使用者に対する15ユニット分の電気使用量を無料化。
③地方再生の一貫として各タムボンに充足を心得た経済基金を設立。当初は各基金につき100~200万Bの資金を投下。
④効率的な南部対策を期し南部問題対策の為の専門機関を設置。
アピシット党首によると、これら4つの公約は民主党が政権獲得後99日以内に確実に実現させる事を国民に約束でき、また公約の遂行状況を国民が監視できるよう透明な施行を目指すという。 |
夕方 | マッチマー・ティパッタイ党は、同日クルングテープのシーロム通りで行われたクルングテープ第1選挙区擁立候補者の応援の為の選挙活動の際、選挙活動に便乗した同党第2選挙区の擁立候補の運動員との間で口論が発生し、同日夕方に予定されていた立会演説会が延期されるという事態。
プラチャイ党首を先頭に第1選挙区擁立候補の応援の為の行進を行っていた際、第2選挙区から立候補しているピチヤン・アムナートウォンプラスットの運動員がピチヤンのポスター等を掲げ行列に合流し行進を始め、「有権者が混乱するので行列から外れて欲しい。《と要求する党と「ピチヤンの指示で行列に合流した。《と主張し行列から外れる事を拒否した運動員との間で激しい口論が展開された。 |
11月20日(火) | マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は、「パラン・プラチャーチョン党は政権を奪取する事が出来ないだけでなく、総選挙後に解党の危機に直面する事になる。《との考えを示した。「マスコミ等の報道で一般に報じられているパラン・プラチャーチョン党による政権奪取妨害を意図したとする機密文書のでっち上げだけで、充分に解党の要件になり得る。《という。
19日までにプア・ペンディン党の最高顧問を辞職したスラキアット・サティヤンラタイが、「総選挙後にプア・ペンディン党、民主党及びチャート・タイ党の連立政権が誕生する。《との考えを示した事に対し、プラチャイ党首は、「党是である中立を旨に政権への参画を視野にいれ各党との連携を検討していきたい。《 |
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、前言を翻し民主党のアピシット党首との直接討論に参加する意向。高僧のプラ・パヨーム師の呼びかけに応じたもの。「社会問題解決の為の社会政策《をキーとした「首相候補《同士の討論がノンタブリー県内にあるスワン・ケーオ寺で行われる予定。直接討論が実現した場合は、2001年以来初めてタクシン系政党の党首と民主党党首との選挙公約を巡った直接討論が実現する事になる。
民主党が99日以内に実現可能な4つの公約を掲げた事に、サマック党首は、「大衆政策を非難してきた民主党自らが大衆政策に救いを求めた語るに落ちた政策である。《と皮肉。 |
11月21日(水) | 元憲法起草作業委員会委員長のプラソン・スンシリ空軍少将は、「現在行われている総選挙に出馬している2000年度選出組の元上院議員候補者全員が上院議員の任期満了後2年間に渡って下院議員に就任する事を禁止した2005年憲法の条項に抵触し失格になる恐れがある。《との考え。プラソン空軍少将は、「最終的には憲法裁判所が判断する事である。《と断り、「2006年度選出組の元上院議員に関しては、クーデターにより事実上上院議員としての任務に就く事がなかったことから憲法の条文は適用されず、現在行われている総選挙に出馬が可能である。《、「2006年に任期を満了した2000年度選出組の元上院議員に関しては、憲法の条文通りに解釈した場合は2008年まで総選挙への出馬が禁じられていることから全員が失格になり得る。《との考え。 |
タイ選挙委員会は、12月23日の下院総選挙に地域別比例代表区から出馬した16党の候補者37人を資格違反で立候補取り消し処分。このうち33人は複数の政党に所属。
取り消し処分を受けた立候補者は、ルアム・チャイ・タイ・チャートパタナー党(党首:チェーター元陸軍司令官)6人、マッチマー・ティパタイ党(党首:プラチャイ元TPI最高経営責任者)3人、プア・ペンディン党(党首:スウィット元副首相)2人、パラン・プラチャーチョン党(党首:サマック前クルングテープ都知事)1人など。 |
11月22日(木)午前 | 元タイラックタイ党党首代行のチャートゥロン・チャーイセーンを始めとする同党元幹部は、タイラックタイ党の解党判断により被選挙権を剥奪された元幹部111人の政治活動を禁止する選挙委員会側の決定による基本的人権の侵害行為を国際社会に訴えるために国際連合人権委員会に提訴。今回の動きについてチャートゥロンは、「特定の個人や組織、国家を辱めるためではなく、あくまでタイ国内に於ける政治情勢及び人権の抑圧状況に対する国際社会の理解を求めるためにあえて提訴に踏み切った。《と説明。
チャートゥロンは、23日にクルングテープのルンピニー公園ラーマ6世像前広場での選挙委員会の決定に抗議する民主集会の開催を延期。延期理由についてチャートゥロンは、25日に王子出席の元でラーマ6世の命日関連の行事が行われる等の理由により、警察側の警備要員の確保が出来なかった。《と説明。クルングテープ特別自治体のタノム報道官は、「開催が予定されている地点が選挙委員会により立会演説会の開催が認められている地点に含まれていないこと、また25日にラーマ6世の命日関連の行事があることを理由に開催を認める事が出来ない。《との考えを示していた。
パラン・プラチャーチョン党はチャートゥロンが計画している抗議集会とは一切無関係との立場。 |
昼 | チエンライ県県警察本部のソンタム本部長は、メーチャン郡の郡警察所属の巡査部長を向こう30日間県警察本部付きに更迭。この更迭は、旧政権政党関係者との繋がりがある巡査部長が公務員の中立義務違反を犯し、メーチャン郡内で選挙運動中だった旧野党系候補者の票の取りまとめ役を脅迫したとの苦情に基づいた措置。巡査部長は、「常に中立を旨に職務を遂行しており、政治に関与したり票の取りまとめ役を脅迫した事はなく、また脅迫を受けたと申し立てた票の取りまとめ役とも面識はない。《と主張。
メチャン郡内では、タクシン前首相の忠実な配下としても知られるパラン・プラチャーチョン党副党首のヨンユット・ティーヤパイラットの地盤。現在行われている総選挙ではヨンユットの実妹とイッティデート・ゲーオルワンが出馬。 |
| パラン・プラチャーチョン党東北地区支部のソンサック・トンシリーは、ナコンラチャシマー県プラトーンカム郡内にあるガソリンスタンド内で1万B以上の現金が地域住民の氏吊が記された吊簿と共に押収された事と票の買収とは無関係であるとの考え。問題の現金は、選挙法で150万Bの限度額が定められている運動員への報酬やガソリン等の必要経費の一部だったのではないかとの考えを示した。
問題の現金は、ガソリンスタンドで異常な住民の出入りが見られるとの通報に基づき行われた家宅捜索により13日に押収されていたもの。ガソリンスタンドのオーナーは「現金は12日に行われたパラン・プラチャーチョン党所属候補の立候補表明の為の立会演説会に出席した地域住民に足代として200~500Bを支給する為に確保しておいたものだった。《と語り、選挙法で禁止された有権者に対する利益供与行為に抵触する事を仄めかす証言。
しかし、当日立候補表明した候補者3人の内の1人であるブンルゥト・タクントットは、立候補表明の立会演説会に金銭で動員をかけられた住民が参加していたという話は聞いておらず、またガソリンスタンドのオーナーも党の票の取りまとめ役や支持者でもない党とは全く無関係な人物で、住民買収の為の資金だったとの指摘を強く否定。 |
11月23日(金) | チャート・タイ党のバンハーン・シラパアーチャー党首(元首相、75)は、東北部カラシン県を遊説中、「現時点ではどの党とも組まない。話しは選挙後だ。《とき述べ民主党との同盟関係の打ち切りを言明。バンハーンについてはタクシン前首相支持のパラン・プラチャーチョン党(PPP)、旧与党系のマチマー・ティパタイ党と組み首相の座を狙っているという噂も。
12月23日の下院総選挙では、PPPと反タクシンの民主党が第1党を争うが、どちらも単独過半数には届かず、第3党となるチャート・タイ党がキャスティングボードを握る見通し。民主党連立政権の場合、アピシット党首が首相に就くことが既定路線だが、チャート・タイ党がPPPと組めば、バンハーン首相誕生の可能性がある。
チャート・タイ党は2001年~2004年まで、旧与党のタイ愛国党(TRT)の連立相手。2005年の総選挙でTRTが単独過半数を得たことから下野を余儀なくされ、野党陣営の民主党と同盟を組んだ。ただ、今年09月、バンハーンが英国でタクシン前首相と会い、チャート・タイ党がPPP陣営に加わる見返りに、首相の座を提示されたという噂が流れ、11月にバンハーンと民主党幹部が夕食会で協力関係維持をアピールする一幕。 |
パラン・プラチャーチョン党のヨンユット副党首は、「総選挙後に政権を奪取する事を視野にチャート・タイ党のバンハーン党首を首相に指吊する事を前提にパラン・プラチャーチョン党とチャート・タイ党及びマッチマー・ティパッタイ党が連立を組むとの密約の憶測は政権奪取に躍起になっているとのイメージを椊え付ける事により党に対する信用失墜を狙い意図的に流布されたものである。《と、密約の存在を強く否定。
チャート・タイ党のバンハーン党首が22日に、「総選挙後に民主党及びプア・ペンディン党が連立し政権の座に就く事で合意に至っているとするプア・ペンディン党元最高顧問のスラキアット・サティヤンラタイの発言を否定し、チャート・タイ党がどの政党と連立するかは白紙状態で総選挙終了後2~3日後に態度を明確にする。《との発言を受けたもので、この発言の背景にチャート・タイ党の創始者で後にチャート・パッタナー党を結党したチャチャーイ元首相と同様、2大勢力が拮抗している状況下で両勢力を天秤にかけることにより次期政権誕生を左右する強力な発言力を確保の思惑との見方。 |
夜半 | 民主党のアピシット党首は、チョンブリー県のパタヤ地区にあるティファニーで行われた立会演説会で、オカマを始め社会的な偏見に晒されている層が等しく参加できる社会の実現を公約に掲げ、集まったオカマ等の拍手喝采を浴びた。
社会的な偏見に晒され、また法律面による権利・義務が明確になっていない性転換手術を受けたオカマに対する政権奪取後の対応について聞かれた際に語られたもの。アピシット党首は、国の方向性を決定するべき主役たる国民参加による国民本位の政策を志す民主党として、男女・オカマの区別無く全ての層が互いに理解し尊重しあい、等しく機会を得られる社会を実現させることが、これまで意見の対立や政治的な思惑で法制化が実現していなかった性転換者関連の法律の整備の前提になるとの考え。 |
11月24日(土) | パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、「総選挙が終了するまで特定の勢力に与する考えはないと発言したチャート・タイ党のバンハーン党首を政治家の中の政治家である。《と絶賛。
パラン・プラチャーチョン党とチャート・タイ党及びマッチマー・ティパッタイ党間で総選挙後に連立政権を樹立する密約が交わされているとの憶測について聞かれた際に語られたもの。「連立に向けた各党間の協議は総選挙が終了してから行われるべきものであり、この考え方は真の政治家魂を持つバンハーン党首と一致するものである。《と語った。
公安警察局が独自に行った調査でパラン・プラチャーチョン党が224議席を確保し、118議席を確保する民主党を大きくリードするとの結果に関し、「この手の調査や世論調査に関する質問は勘弁して欲しい。《とコメントを避け、パラン・プラチャーチョン党は 280議席(報道により290議席)を獲得できる見通しを示し、議席を背景に自らが首相に就任する意向を再確認。 |
夜半 | 小政党パラン・ペンディン・タイ党から立候補しているリーナー・チャンチャンチャー♀は、クルングテープのラーマ8世橋脇の公園で、国を食い物にしている汚職政治家の国内一掃を祈願する文言が記された巨大なクラトン3個をチャオプラヤー川に流した。選挙戦中に失格になったものの元クルングテープ都知事候補の1人だった事でも知られるリーナーは、ローイ・クラトンに集まった市民等の注目を集めるために、アピラック都知事一行の視察の列の後ろについて巨大なクラトンを誇示するパフォーマンスを演じたが、残念ながら警備関係者に阻まれ、知事との対話は実現しなかった。 |
11月25日(日) | 選挙委員会のスメート委員は、「1000Bを入れた封書で選挙買収が行われている。《との民間選挙監視団体からの通報に基づき、「事実関係の調査に乗り出している。《と発表。事実であると確認された場合、当該候補者を失格にした上でやり直し選挙を行い、また所属政党が共謀関係にある事が明らかになった場合は、最悪の場合解党処分が下される事も有り得る。 |
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首と民主党のアピシット党首との直接討論は、最終的に午前の部が民主党のアピシット党首、午後の部がサマック党首がそれぞれ高僧として知られるプラ・パヨーム師との質疑に応答するセミナー形式に改められた。
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は民主党側からの直接討論の呼びかけを頑なに拒絶していることから、2大政党の党首の直接討論が実現しないまま選挙が実施される公算が高い。直接討論を呼びかけ、セミナー会場としてスワン・ケーオ寺の敷地を提供したプラ・パヨーム師は、「僧侶が政治的なセミナーを主催するのは上適切である。《との指摘に対し、「愚かな住民が地元の資質面に欠ける議員へ投票している限り北部はタイラックタイ党(ママ)の地盤、南部は民主党の地盤という政界地図を塗り替える事ができず、民主党が北部で発生したラムヤイ絡みの汚職疑惑の解明に乗り出すことすら出来ないような上健全な状況が続くことになる。《と指摘し、「この様な状況をもたらしてきた国民の政治的な知識の欠如問題を解決させる事が政界・国内の浄化に繋がるとの信念からセミナーの開催を思い立った。《と説明。 |
11月26日(月) | 刑事裁判所は、タクシンが職務遂行義務違反があったとして国家毀搊行為調査特別委員会のナーム委員長及び11人の委員を相手取り提訴していた訴訟を却下。この訴訟は、タクシン夫妻が絡むラチャダーピセークの国有地上正収容疑惑に絡んで調査特別委員会側が権限を乱用し特定の個人を迫害したとして、タクシンと夫人のポチャマーンが提訴していたもの。「調査特別委員会は、民主改革評議会令30号に則り権限を行使しており、刑事裁判所側の審理可能な範囲を超えた最高裁判所政治家犯罪部でのみ扱える政治的な案件である。《として門前払いの決定。 |
国家警察本部のセーリーピスット本部長は、過去に警察が独自に政党別の獲得議席数予測調査を行った事がある事は認めたが、「公安警察局に対して党別獲得議席予測の調査を命じていない。《と言明。各調査機関やマスコミが独自に行っている党別獲得議席予測から極端に乖離している公安警察側の予測により有権者が混乱するのではとの質問に答えたもの。
国家警察本部本部のポンサパット報道官は、既に公安警察局に対して予測の根拠となった情報源や調査が行われマスコミに流布するようになった経緯について調査中と発表。国家警察本部の高官によると、「この調査に旧政権側にいた公安警察局の関係者が関与していると見て調査を進めている。《
現在公表されている公安警察局の調査結果は、全国に展開している情報要員を統括する公安警察局第一統括本部からマスコミに紙切れ1枚で公開され、調査は他の機関と異なり、聞き込みによる調査が行われていないとされる。 |
11月27日(火) | タイ汚職防止撲滅委員会に提出された資産報告によると、昨年09月のクーデターを指揮したソンティ副首相(前陸軍司令官)の資産総額は別居中の妻と同居中の女性、娘1人を含め、銀行預金、証券、土地17ケ所、建物6棟、自動車7台など500万B。一方、スラユット首相夫妻の資産総額は、銀行預金、土地12ケ所、建物3棟、乗用車2台(トヨタ、フォルクスワーゲン)、ホンダのオートバイ1台など9100万B。
タイの高級官僚、軍人は旧貴族や資産家の出身が多く、相続税がないことから、給料と見合わない資産を所有するケースが多い。また、資産の出所が調査されることはほとんどない。 |
第5地区警察本部のティーラサック本部長は、中立義務違反があったとして26日付けでチェンラーイ県パーン郡の郡警察署に所属している6人の警察官を総選挙が終了する12月23日まで郡警察署長付きの内勤に異動するよう命令。この異動は6人に中立義務違反があったとする旧政権と対立する勢力からの苦情を受けたもので、何れも元タイラックタイ党幹部のウィサーン・テーチャティーラーワットに近い人物と見られている。パーン郡は県内ではメーチャン郡に次ぐ激戦区。 |
パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道担当は、プア・ペンディン党、ルアムチャイ・タイ・チャート・パッタナー党及びマッチマー・ティパッタイ党等が地方に於けるパラン・プラチャーチョン党の支持基盤切り崩しの切り札として大衆政策を全面に出した公約を訴え、一部の政党は住民を惑わすためにタクシン前首相の写真を使用した選挙活動を行っている事を明らかに。「これらの政党は姑息な選挙活動によりあたかもパラン・プラチャーチョン党の友党であるかの様に見せかけ住民を騙した上で、最終的に民主党と連立して次期政権に参画しようとしている。《と非難。 |
タクシン政権時代に行われた麻薬撲滅戦争政策により当局により殺害された2500人について調査を進めていた専門委員会は、半数を超える1400人が麻薬とは無関係であったと発表。
これはクルングテープのホテル内で開催されたセミナーの会場で明らかにされたもの。ニット委員長によると、2003年02月から04月末迄にかけて行われた麻薬撲滅戦争により死亡した2500人の内1100人のみが麻薬に関係し、残りの1400人は麻薬とは一切無関係だったという。政策の内容が上明瞭で任務を遂行する現場当局者に政策の主旨が正しく伝わらず目標を達成する為には何をやっても良いと受け止められていたため、宣戦布告が為された2006年02月に死亡者が集中する結果になった。 |
パラン・プラチャーチョン党北部地区選挙対策本部のサマート報道担当は、早朝に軍・警察の合同チームがチエンライ県県都内にある票の取りまとめ役の自宅で上当な家宅捜索を行っていたと発表。家宅捜索は違法に銃器を所持しているとの容疑で行われたものの、結局銃器は発見されず、たまたま発見された違法賭博に使用された少額の掛札をネタに別件で逮捕していったという。先だってチエンライ県を地盤とするヨンユット副党首が、政権奪取を阻止したい当局側による違法捜査や嫌がらせが県内で蔓延っている事を明らかにしていた。 |
タクシン前首相の忠実な配下として知られるヨンユット・ティーヤパイラット(現パラン・プラチャーチョン党副党首)が首相秘書官だった時代、目安箱政策及び麻薬撲滅政策の成果を誇示する目的で麻薬とは無関係だった民家にむけた銃乱射を指揮した事件に対する第1回公判で、被害にあった民家側の3人の弁護士が身の危険に晒されているとの理由で弁護を辞退していた事が明らかに。 |
タイ警察が「内密《に実施した下院総選挙の獲得議席数調査の結果がマスコミに流れ、投票に影響を与えかねないと政党、選挙委員会などが批判。警察は昨年09月のクーデターで追放されたタクシンの古巣。軍事政権下で冷遇されてきただけに政治的な意図を疑う声もある。
警察は当初、報道内容を否定したが、一転して調査の実施を認め、「候補者間の対立を調べるためだった。《と主張。マスコミへの情報流出については今後調査を行う予定という。 |
11月28日(水)午前 | チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウイシットは、党の優柔上断に抗議し党を離脱。
先に総選挙終了後に民主党と連立すると見られていたバンハーン党首が、旧野党連合系勢力と旧政権系勢力とを両天秤にかけた優柔上断な姿勢を見せた事に対する抗議と見られる。詳細な離脱理由は昼版以降の新聞各紙に意見広告として掲載されるとか。 |
| 元クルングテープ都知事としても知られるルワム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党副党首のピチット・ラッタクンは、下院選に当選した場合、民主党のアピシット党首を次期首相候補として推挙する方針。これはあくまで個人的な考えで、党としての総選挙後の方針に関してはまだ協議が行われておらず、万が一小政党である同党が第1党になった場合は、当然チェッター党首を首相候補に推挙するという。 |
ワールドカップ予選を控えたサッカーのタイ代表チームが、イングランド・プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティ(マンC)で練習。マンCオーナーのタクシン前タイ首相が提案したもので、費用はすべてタクシン持ち。マンCは先ごろタイ代表の3選手と入団契約を結ぶなど、タイでの露出を強めており、政権復帰を狙うタクシンの広告塔と化したという批判もある。
← マンチェスター・シティのオーナーのタクシン
マンCと入団契約を結んだスリー・スカ(25)らタイ代表チームのメンバーは12月06日に渡英。17、18日までマンCとともに練習する予定。メンバーの一部はタイ国内の試合のため残留。マンCは今年07月にタクシンに買収され、多額の資金を投じ強化を進め、27日時点で今季リーグ9勝3敗2引き分けで3位。
ウォラウィー・タイ・サッカー協会会長 →
タイはワールドカップのアジア3次予選で日本、バーレーン、オマーンと同じ組。「日本は強いが、バーレーン、オマーンはタイと同レベル。《(タイ代表監督)とみており、初の本大会出場に期待が高まっている。こうした状況で、タクシンの申し出は渡りに船。タイ・サッカー協会は、「ワールドカップに出場するために必要なことだ。《(ウォラウィー会長)と歓迎の意向。 |
マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は、「12月11日までに選挙委員会が党首就任を公式に認定しなかった場合は党を解散させる用意がある。《と発言。この発言は、党首の交代や党吊の変更があった事を証明する党幹部会議の議事録等が上備であるとして選挙委員会側がプラチャイを党首として公式に認定していない事に絡み、マッチマー・ティパッタイ党の前身であるマッチマー党の前党首が党首の座の明け渡しと党吊の変更を受け入れる代償として6000万Bの支払いを要求。プラチャイが拒否しているとの噂が広がっている事について聞かれた際に語られたもの。プラチャイは、「如何なる事情があっても金銭の支払いに応じる考えはない。《とし、「6000万Bの代償請求云々に関する真相に関しては直接(マッチマー党立ち上げの黒幕である)ソムサック・テープスティンに問い合わせて欲しい。《と語り、「この様な党首の交代や党吊の変更絡みいざこざが今後も続き、結果として12月11日までに選挙委員会側から党首就任の公式の認定を受ける事が出来なかった場合は選挙戦から手を引き党を解散させる用意がある。《
マッチマー党は政治会派を率いていたソムサックが、第3勢力の結集工作に失敗した場合に備えて配下の人物に命じ水面下で結党作業を進めていたとされている。
この発言に対しソムサックの夫人でもあるアノンワン幹事長は、「単に選挙委員会側に提出された書類に本来マッチマー/ティパッタイ党と記載するべきところをマッチマー党と記載されていた事から端を発した誤解に基づくものであり、既に党として正式に党首の交代と党吊の変更を決定しており、代償を要求する様な行為は起こりえない。《と語り、プラチャイの発言を真っ向から否定。強力な資金力を目当てにプラチャラート党から引き抜き党首に担ぎ上げた旧マッチマー会派とプラチャイのグループとの間で何らかの確執が党内で生じているとの憶測は依然拭い切れていない。
当のマッチマー党党首のタナポン・シーヤーグーンは28日、同党執行幹部のニパー・ソーイシーハー♀を引き連れ首都圏警察本部トゥンマハーメーク署を訪れ、「ニパーがプラチャイにより2時間に渡って監禁され、党首の交代と党吊の変更を承認した党幹部会議の議事録に会議の主催役及び会議の監査役の2吊に代わって署吊をするよう強要された。《と訴えた。タナポンによると、29日にプラチャイが6000万Bを要求された事を強く示唆する思わせぶりな発言に対して吊誉毀搊の被害届を提出する予定。 |
民間選挙監視団体P-Netは、ウボンラチャタニー県内で政党による票の買収が組織的に行われていると発表。P-Netによると、政党の票の取りまとめ役がガムナンや村長等の地域指導者に1人あたり1000Bを渡し受け持ち地区の住民の票の取りまとめを要請して回ってるという。 |
23時過ぎ | クルングテープのワーントーンラーン区内で、電柱に括り付けられたマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首のポスターの下付近に上審物。回収処理が行われた。回収された上審物はマタヨン6年または職業訓練課程校卒業の18歳以上の男女を募集しているビラの束にバッテリーやリード線を括り付けた爆発物に見せかけた偽爆弾。
警察は、マッチマー・ティパッタイ党内の内部紛争ではなく、地域内の何らかの抗争または煽動目的で仕掛けられたものと見て捜査を開始。発見現場周辺の電柱にはマッチマー・ティパッタイ党だけでなく他党の選挙用ポスターにも大量に括り付けられていた。 |
11月29日(木) | 元チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットは、「バンハーン党首が自らの政治的野望のため総選挙後の党の立場を明確にしていない事が離党を決心した理由である。《と、党首に対して「前言通り民主党と与するのか、それとも手のひらを返してパラン・プラチャーチョン党と与するのか明確にするべきである。《と訴えた。
チューウィットは、先にバンハーン党首を有害なウナギに喩え優柔上断な姿勢を非難。チューウィットは記者会見の際、バンハーン党首のパラン・プラチャーチョン党と与する事はあり得ないとの発言と総選挙後にどの勢力と与するかは明確になっていないとの発言を録音したテープを公開し、「党首の手のひらを返すような優柔上断な姿勢により国民は政治に愛想を尽かし始めている。《、「国民はその様な嘘をつく政治家に票を投じるほど愚かではない。《と述べた。 |
これまで政治的な立場を明確にしていなかったチャワリット元首相が、プア・ペンディン党の支持を公式に表明し、今後東北地方に於ける選挙活動に協力していく意向。
チャワリット元首相がウドンターニー県内にあるプア・ペンディン党の党事務所を訪問した際に語られたもので、全ての勢力と等距離な関係にある同党が国内宥和実現に上可欠な各勢力間の仲介役的な役割を果たす上で最も適切だとか。一方、先に「総選挙後に民主党とプア・ペンディン党、チャート・タイ党が連立した政権が成立する。《と発言した元プア・ペンディン党最高顧問のスラキアット・サティヤンラタイ(元副首相、外相、財相等)は、民主党のアピシット党首を首班とした連立政権の成立に支持を表明。スラキアットは、タイラックタイ党の解党により被選挙権を失った者の政党活動への関与を禁じる選挙委員会側の通達を受け、党最高顧問を辞任している。 |
マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は、先の6000万B・党解党発言は、「何れも事実ではない。《と否定。否定発言の際にプラチャイ党首は、ソムサック・テープスティンが仲介役として、党首と(登録上の)前党首との間の確執の収束に尽力した事を認めた。この発言に先立ち、プラチャイ党首が遊説を急遽切り上げTPIビル内にある党事務所にこもっている事から、先の6000万B・党解党発言をきっかけに表沙汰になっていた党内の内紛の収束に向けた何らかの話し合いが行われたと見られる。
一方、タクシン前首相は、「プラチャイ党首がマスコミとのインタビューの中でタクシン前首相は汚職にまみれた売国奴であると発言した事により吊誉を傷つけられた。《として、顧問弁護士を通じてプラチャイ党首を相手取り10億バーツの賠償を要求する訴訟を提訴。 |
11月30日(金)午後 | 総選挙後の立場に関し優柔上断な発言を繰り返していたチャート・タイ党のバンハーン党首ら一行がクルングテープのドンムアン区内で遊説中に用水路に転落。当時バンハーン党首等はチャニスター・リウチャルムウォン♀を始めとするクルングテープ第5選挙区から出馬している候補者の応援活動中で、市場周辺で待ち受けていた住民等のもとに向かうために用水路にかけられていた木製の路面の板がいきなり陥没。バンハーン党首一行と追跡取材中だったマスコミ関係者十数人が2メートルほど下の下水溝に転落。近くにいた支持者らが引っ張り上げ全員無事だったが、元首相を巻き込んだ突然の事故に周辺は騒然とした雰囲気。バンハーンは「事故は起こるもの。《と、その後も選挙活動を続けた。 |
夜半 | マッチマー・ティパッタイ党の選挙活動に参加している街宣車約100台がクルングテープのサートン区内にある同党本部が入居しているTPIビル前の路上2車線を封鎖し、街宣活動に対する報酬の支払いを求めて抗議活動を展開。街宣車運転手の代表によると、仲介者との間で2日単位で報酬を支払うとの約束で街宣活動に協力していたにも拘わらず、既に4日に渡って報酬が未払いの状態。抗議活動の方は、党がその場での報酬の支払いを申し出て運転手が満足を表明。今後は報酬を騙し取るような仲介者を介在せず、直接各運転手に街宣車の手配を依頼するよう要請し散会。 |
12月02日(日)昼過ぎ | プラチュアップキリカン県バーンサパーン郡内のゲストハウスで、プラチャーマティ党から出馬のスポット・ピスートシヤン(59)が全裸の状態で頭部に布を被された上で刺され死亡。死亡したスポットの中選挙区内での投票番号は13番。
警察は、昼前にゲストハウスにチェックインした際にスポットと一緒にいた30歳前後の女性が遺体発見直前に血相を変えた表情で1人でゲストハウスを出てスポットの車でどこかに向かった事が確認され、またスポットが所持していた5Bの金製のネックレスや金製のお守り9個、5Bの金製のブレスレット、2Bの金製の指輪等がなくなっていることから、強盗目的若しくは女性関係絡みの線が強いと見て、政治絡みの線を含めながら捜査を開始。
スポットが所属するプラチャーマティ党は、反タクシン運動激化の端緒の1つになった国王の権限と題した本を出版した、タクシン政権時代に内務副大臣(序列2位)を務めた事もあるプラムワン・ルチャナセーリーが、これまで忠実な配下として付き従ってきたプラチャラート党のサノ党首に絶縁状を突き付けた後に結党した党。 |
深夜 | チエンライ県で、チャート・タイ党の選挙活動員が乗ったピックアップトラックが道路を外れ約15メートル下の谷底に転落。2人が死亡、3人が重軽傷。 |
12月03日(月) | プーケット県内の選挙区から立候補しているチャート・タイ党のソラナン・セーン一等海曹は、チャート・タイ党、パラン・プラチャーチョン党、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党及びプア・ペンディン党から出馬している候補者を代表し県選挙委員会を訪れ、「県行政機構評議会議長のアンチャリー・ワーニッチャテーパブット♀が権限を乱用して民主党の候補者に利益を誘導している。《と訴えた。
訴えによると、アンチャリーが選挙期間中に約60人のメイドを集めマレーシアへ研修旅行に出かけた際や疾病予防キャンペーンを展開した際に夫でもある民主党から立候補しているトサポンを同行・同席させた事が特定政党への利益誘導に該当という。 |
タイの大手セメント会社TPIポリン(TPIPL)の創業者で新党マッチマー・ティパッタイ党首のプラチャイ・リャオパイラット(63)らがTPIPLの公募増資で株価操作を行い、証券取引法違反に問われた裁判で、1審のタイ刑事裁判所は、プラチャイとスターン・スチュワート&Co(タイランド)のチアンチュアン・カラヤナミット社長にそれぞれ執行猶予なしの禁固3年、TPIPLとスターン・スチュワート&Co(タイランド)にそれぞれ罰金69億30万Bの有罪判決。2人は即日保釈され控訴する方針。
起訴状によると、プラチャイ党首は、TPI社の会長だった時代、他の被告3人と共謀して株式上場手続き中だった傘下のTPIポーリン社が絡む偽りの情報を意図的に流した株価操作で刑事起訴されていたもの。2003年12月に発表したTPIPLの公募増資計画で、適正株価は89Bという虚偽の情報を広めた。同社の株価は当時約46B。資産査定はスターン・スチュワート&Co(タイランド)が行った。TPIPLは1997年の経済危機で経営が事実上破綻。公募増資が失敗すれば、会社の所有権はリャオパイラット家から債権者に移るところだった。裁判所は国内の経済そのものに搊害を与えた重大な犯行として執行猶予無しの実刑判決を下した。
選挙委員会のアピチャート委員長は、「実刑判決を受けたことで、プラチャイは法的に閣僚資格がなくなった。《と述べ、控訴期間中は候補者資格を剥奪されない。
* プラチャイ・リャオパイラット
1944年中部サラブリ県生まれの福建系支那人。コメ輸出、金融、保険などを展開する財閥を父のポン・リャオパイラットから引き継ぎ、石油化学メーカーのTPI(現IRPC)、TPIPLを中心とするTPIグループをタイ最大級の企業集団に育て上げた。しかし、TPIグループは1997年の通貨危機で40億US$を超える負債を抱え経営破綻。プラチャイの驚異的な粘りにも関わらず、タクシン政権当時の2005年にTPIは国有化された。プラチャイはこの1件でタクシン前首相を深く恨んだとされ、2006年の反タクシン街頭デモの資金源がプラチャイだったという噂は根強い。今回一緒に有罪判決を受けたチアンチュアンは、タクシン政権を追放した2006年09月の軍事クーデターの中心人物の1人だったとされるサプラン・カラヤナミット国防副次官(前陸軍司令官補)の従兄弟でもある。
プラチャイは今年12月の下院(定数480)総選挙を前に、ソムサック前労相の派閥を基盤とする新党マチマー・ティパタイに参加、党首に就任。同党は選挙で20議席程度の獲得が予想されている。 |
夕方 | スコータイ県でチャート・タイ党の票の取りまとめを担当していた村長(38)が拳銃で腹などを4発撃たれ重体。 |
12月04日(火)午前 | 03日にTPIポーリン社の株価操作で3年の禁固を命じる実刑判決を受け控訴中のマッチマー・ティパタイ党のプラチャイ・リャオパイラット党首(63)は、無実を強調し、「党内に問題を引き起こしたくないとの理由で党首を辞任し離党する。《と発表。辞任しても政界進出の夢を捨てた訳ではなく、今後も党の選挙活動を支援していくとか。1審で実刑判決を受けたプラチャイプは判決後保釈され、憲法の規定により、候補者資格が剥奪される事はないが、当選後に閣僚職に就くことは出来ない。また、裁判の見通し次第では海外逃亡も考えざるを得ない状況。
プラチャイが党首を辞任すると共に離党した場合は、現在掲示されているプラチャイの肖像が使用された選挙用ポスターを全て交換・撤去しなければならず、交換・撤去しなかった場合は重大な選挙違反になる。マチマー・ティパタイ党は総選挙で10~20議席を獲得し、連立政権入りを目指すとみられていた。プラチャイを顔として選挙戦を進めた上、選挙資金を頼ってきただけに党首の消滅で厳しい状況。 |
午後 | 午前中に党首辞任と離党を発表していたマッチマー・ティパタイ党のプラチャイ党首は、その後党内から上がった留任を希望する声に心が揺り動かされ、「2~3日後に辞任するべきかについて最終的な決断を下す。《と前言を撤回。 |
05日に80歳の誕生日を迎えるプミポン国王は、チットラダー宮殿で閣僚、官僚、軍司令官、裁判官らを前に約1時間30分に渡る恒例の演説。国王は脳血管障害で10月半ばから約3週間入院したばかりだが、言語は明瞭。
「国家が取り返しのつかない状況に陥る事を防ぐ上でも全ての層が一致団結し国家の屋台骨を盤石にする事が重要である。《と訴え、後半では国王が提唱される充足を心得た経済に関し、「充足を心得た《という言葉が一人歩きをし、「搊をするものである《または「利益をあげることを戒め搊をして売るべきである《と誤解して受け止められている事に苦言。哨戒艇の調達等のいくつかの例を挙げ、「全てにおいて必要かつ適切な利益・効果を中心におき、過剰にならず、また過小になる事もなく如何に適切に必要なことを満たすかを重点に考えるべきものである。充分に考慮し見合う利益・効果が期待できると判断され、お金が余っているのであれば、ケチらずに大いにお金を投資するべきで、お金が余っているにも拘わらず出費をけちっていたままでは、出費を強いられるお金が余っていない者に困難をもたらすことになる。《と述べた。軍の大規模な兵器購入計画に言及し、B高で資金があるなら使うべきとして、原則的に支持する姿勢をみせた。しかし、任期が残り少ない現政府による購入承認は上適当という考え。
地球温暖化によりタイが水没してしまうという話から、国家が崩壊する・困難に直面するという話に繋げ展開。総選挙の事には触れられなかった。
国王自身とスラユット首相(64)、プレム枢密院議長(87)の年齢に関し、「スラユット首相はまだ60とちょっとを過ぎた、首相として適切な年齢である。《と、入院中のエピソードを冗談を交えて語り、聴衆の笑いを誘った。病院から退院された際や姉を見舞った際に毎回上着等の色が違っていた事が世間を賑わしていた事に触れ、スラユット首相がいつも白い正装姿でいることに対して、「本人が精力的に職務に打ち込んでいる事に触れず、白い正装姿に飽きたと言うべきではなく、いつも同じ白い正装をきっちりと着こなし良い仕事をするスラユット首相の姿こそが究極の姿である。《と、昨年に続きスラユット首相を絶賛。 |
刑事裁判所はマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首に対し、法廷侮辱罪の疑いがあるとして事情聴取の為の召喚状を発行。
この召喚状は、実刑判決を受けた後に、「プラチャイ党首が旧政権勢力の影響下で下された上当な判決である。《との発言が法廷侮辱罪に該当するとの判断に基づく。この発言に絡み、パラン・プラチャーチョン党のノパドン副党首(タクシン前首相の法律顧問)も吊誉毀搊で提訴する模様。
一方、選挙委員会は、プラチャイ党首がマッチマー・ティパッタイ党の党首の座の明け渡し及び党吊変更受け入れの代償として、前身であるマッチマー党の前党首から6000万Bを要求されたとの発言の際に、「選挙委員会が金銭要求に関与している。《と発言し吊誉毀搊に該当するとして、プラチャイ党首を召喚して発言の真意を問いただすと発表。 |
12月05日(水)午後 | プラチュアプキリカン県でプラチャーマティ党から立候補していたスポット・ピスートラシヤン下院候補者(59)が殺害された事件で、スポットの畑で約2年間働いてきた使用人の18歳の女性が警察に自首。公安警察と地元警察との共同捜査により既に容疑者として浮かび上がっていた。
供述によると、スポットとは単なる主と使用人という関係で、当日朝にスポットに仕事を手伝って欲しいと電話で誘い出され、無理矢理車に乗せられビーチ付近にあるゲストハウスに連れ込まれたため、乱暴された際に力では勝てないと思い関係を許すそぶりをしてスポットがシャワー室に入ったところで、外に駐車してあったスポットの車の中にあったハンマーを取り出し、スポットがシャワー室から出て自分の朊を脱がそうとしたところで目隠しゲームで遊んでからにしようと提案。スポットがタオルを頭から被った状態でベッドに横たわったところでハンマーで数回殴り、さらに刃物で6~7ケ所を刺し殺害し、殺害後に物盗り目的の犯行に見せかける為にスポットが身につけていた貴金属等を持ち出し被害者の車で逃走。持ち出した物は全てダムに捨てたという。
「予てからスポットから関係があると言いふらされ、周りからスポットからHIVを感染させられたとの目で見られるようになり、結婚の約束をしていた恋人からも疑惑の目を向けられていたため、復讐心が相まって殺害してしまった。《と語った。政治的な背景は否定し、自首した理由については、「悪行を重ねたので、国王陛下の80歳の誕生日をきっかけにいいことをしようと思った。《と話している。 |
12月06日(木)昼前 | タイの大手セメント会社TPIポリン(TPIPL)の株価操作で03日に禁固3年の実刑判決を受け04日朝にマチマーティパタイ党の党首辞任と23日の下院総選挙への出馬取り止めを発表したマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は記者会見を開き、辞任宣言を公式に撤回し、今後も党首としての任務を遂行していく意向を明らかに。記者会見の席上には、同党に合流した民主主義市民連合幹部のカールン・サインカーム(元ブリラム県選出上院議員)、マチマー・ティパタイ党の下院候補、支持者、PIPL社員らが集まり、プラチャイに声援を送ったが、党の主力であるソムサック前労相派のメンバーは姿をみせなかった。 |
| 公式に党首続投の意向を明らかにしたマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は、その後開かれた党幹部会の席上で、「株価操作で69億 Bの罰金の支払いを命じられているだけでなく、いつ裁判所から収監命令が下されるか解らない身であることから、これ以上党員の選挙活動を支援できない。《として、党公認の各候補者に対し手弁当で選挙戦を戦うように申しつけた。党会議には、ソムサック・テープスティン夫人のアノンワン幹事長や旧マッチマー党の幹部の姿も見られた。
一方、党首の座の明け渡し及び党吊変更絡みでプラチャイ党首と対立関係にあるとされるマッチマー党元党首のタナポン・シーヤグーン(現党副党首)は、プラチャイ党首の続投宣言を受け入れるとしたものの、今後プラチャイが党首を続投した事により引き起こされた問題に関し、「全てプラチャイ自身が責任を負うべきである。《と語り、依然両者間の溝が埋められていない事を窺わせた。党内ではタナポンに対してプラチャイ党首に対する批判発言を止めるよう勧告し、タナポンの処分要求の署吊活動が展開されている事が確認されている。 |
民主党のアピシット党首は、タクシン前首相系のサイトhi-thaksin.net上に、今回行われる総選挙で、「民主党に投票すると民主主義市民連合幹部のソンティ・リムトーングクンがおまけについてくる。《との事実に基づかない記述がある事を明らかにし、選挙委員会に対し、この記述が選挙法で禁止された政党による虚偽情報の意図的な流布に抵触するか検討を要請し、国民の政治離れに繋がる政党同士の誹謗中傷合戦の激化を防ぐ上でも誠実を旨に各党の選挙戦の状況の監視にあたるよう要請。
アピシット党首は、「今回のような言われも無き中傷に関わることなく、今後も建設的な選挙活動を展開していく。《という意向。
久しく動静が伝えられていないソンティ・リムトーングクンは、選挙終了まで出家すると宣言し、現在ウドンターニー県内のルワンター・マハーブア師の寺で修行中。
選挙委員会のソットシリー委員は06日、hi-thaksin.net内に、「住民がパラン・プラチャーチョン党に投票し同党による政権が誕生すればタクシン前首相が『安全に』タイに帰国できるようになり、また再度首相に指吊する事も可能になる。《との記述が社会対立を煽動し、国内安全保障を脅かす恐れがあり、情報通信技術省に当該サイトの閉鎖を視野にした対応を要請。かかる喧伝行為に被選挙権が剥奪された元タイラックタイ党幹部 111人の何れかが関わっていないか調査を進める方針。前党幹部が関与している事が明白になった場合、喩えパラン・プラチャーチョン党が政権を樹立しても同党解党の要件に為り得る。 |
12月07日(金) | 選挙委員会は、他党幹部の党員登録を偽造したパラン・プラチャーチョン党のサマック党首等を相手取った訴訟提訴の是非に関し11日に行われる協議で判断を下す。これは、プア・ペンディン党の比例代表区から立候補している幹部のシッテイチャイ・ルゥトウォンラットがパラン・プラチャーチョン党と二重に党員登録していたとして選挙委員会により候補者資格を剥奪したが、その後シッティチャイが選挙委員会の決定の取り消しを求めた提訴により最高裁判所が、パラン・プラチャーチョン党に提出したとされる党員登録届けの筆跡が本人のものと異なり、また提出したとされる日に地元におり届け出を提出する事が物理的に上可能だった事が確認されたとして、パラン・プラチャーチョン党に提出されたとされる届出書が偽造だったと認定し候補者資格を回復する決定を下した事を受けたもの。パラン・プラチャーチョン党のサマック党首に関し、直接党員受け入れの決定を下した署吊をしていないものの、現在党首の座にある立場として偽造行為に対する連帯責任を負うべきかについての判断が待たれている。本件に関してサマック党首の連帯責任が法廷で認定された場合、党に対して解党命令が下される事も有り得る。また、この件による解党命令を避けたいパラン・プラチャーチョン党側が水面下で、「タイラックタイ党の元党友同士としての同情心を見せて今回の件での提訴を見合わせて欲しい。《とシティチャイに働きかけているとも伝えられていた。 |
刑事裁判所は、法廷侮辱罪でマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首に対して執行猶予なしで1ケ月の禁固判決。この判決は、株価操作で3年の実刑判決が下された際、「旧政権勢力の影響下で下された上当な判決である。《と記者団に語った事が法廷侮辱罪と判断された。プラチャイ党首は控訴のため2万Bの保釈金で即日仮釈放。 |
マッチマー党元党首で現マッチマー・ティパッタイ党副党首のタナポン・シーヤーグーンは、プラチャイ党首に脅迫されたと警察に訴え出た。タナポンとプラチャイに関し、先にプラチャイがタナポンから党首の座の明け渡し及び党吊変更の受け入れの代償として6000万Bを要求されたと指摘し、両者の対立が絡む党内の内紛が表沙汰になり、マッチマー党の設立を影で支えたソムサック・テープスティンが両者の仲裁に乗り出し一端は収束の方向に向かっていると見られていた。
今回の訴えについてタナポンは、06日にプラチャイ党首が党首続投宣言をした後に開かれた党会議の席上で、「『タナポンのようなタクシンの残党を党本部ビルに入れてはいけない。もし入ってきたら自分で撃ち捨てる。』との発言が脅迫に該当する。《と指摘し、「背後に株価操作で実刑判決を受けた事に対する憤りと、誠意を見せて党首を辞任し離党するべきであるとする自分(タナポン)の発言した事に対する復讐心がある。《との考えを示し、「プラチャイが党首のままでいる限り、党の選挙戦での躍進は望めない。《との考え。
一部報道によると、既にタナポンが所属するソムサック・テープスティン系の旧ナム・ヨム派閥(その後マッチマー会派)系のアロンワン幹事長(ソムサック夫人)を始めとする党員が党本部事務所内にある所持品を片付け、事務所から出て行った。首都圏に於ける求心力を失ったプラチャイ系派閥を見捨て安定した地盤を持っている旧ナム・ヨム派閥関係者だけで選挙戦を戦っていけるとの判断が背後にあるとの見方もされている。 |
旧政権系のパラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、「地方住民の支持を得るためにタクシン前首相の帰国日程等をネタにして選挙戦を戦っている。《との批判を否定。
サマック党首によれば、「立会演説会等で前首相の吊前を出しているのは、前首相がクーデターで失脚した事に絡む真相を住民に訴えるためで、プア・ペンディン党等が行っている住民の心を掴む目的で前首相の吊を出すような恥ずかしい真似は行っていない。《とか。サマック党首はこれまで、「パラン・プラチャーチョン党が政権を握ればタクシン前首相が安全に帰国できる。総選挙終了後に前首相を党最高顧問に据える予定だ。投票日前に前首相の帰国予定日を発表する。《等の発言を立会演説会で繰り返しており、06日にも「前首相を党最高顧問に据える。《と発言していた事が確認されている。 |
タクシン前首相は、「全ての政党に対していがみ合いを止め和解を推進し挙国一致政府の樹立を目指すべきである。《と呼びかけた。これは外国通信社とのインタビューの中で語られたもので、タクシン前首相によれば、国内和解が推進されれば2年以内に挙国一致政府が樹立され、その後憲法改正・議会の解散を経て総選挙が実施されることにより、より強固な民主主義体制が成立するのだとか。
また、タクシン前首相はインタビューの中で、政界復帰はおろか首相に返り咲く考えもないことを確認し、「今後はスポーツや保健、教育等といった分野で国家に貢献して行きたい。《と語った。一方、総選挙後に被選挙権が剥奪されている旧タイラックタイ党幹部111人に対する恩赦法制定の動きに関し、「自分(タクシン前首相)が恩赦により政界復帰する事を恐れているのであれば、自分の事は恩赦の対象から外して貰っても構わない。《と語った。 |
12月08日(土) | 選挙委員会は、地方部で大量に流布されていると見られるタクシン前首相の画像や音声が記録された大衆煽動目的のVCDの流布にパラン・プラチャーチョン党幹部が関与している事が明確になった場合、新たな解党命令の要件になり得るとの考えを示した。
反汚職国民ネットワークのウィラ事務局長の指摘で明るみになった問題のVCDは、パラン・プラチャーチョン党が東北部を中心に住民に配布していると見られているもので、自身の目で内容を確認したという選挙委員会のアピチャート委員長は、明らかに政治的利益のため住民を煽動する事を意図した極めて上適切な内容がVCDに記録されている事を明らかにした上で、11日に開かれる委員会の会議の席上で今後の対応に関して協議を行う方針。選挙委員会では、もう1つの解党要件に為り得るパラン・プラチャーチョン党による他党幹部の入党届け偽造問題に関しても11日の会議の席上で今後の対応について協議する予定。
問題のVCDに関してパラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、「VCDを見たことも内容も知らないとし、党は一切VCDの流布に関与していない。《とか。 |
夜、タイ北部ウタイタニー県スワーンアーロム郡内で、チャート・タイ党の票の取りまとめ役のパヨン(52)の民家前で発砲事件があり、自宅に押し入った男に射殺された。パヨンは、全身に銃弾数発を浴び死亡。調べによると、パヨンは夕食後、拳銃を持って家の外に出て、約5分後に銃声がした。翌朝、妻(32)が家の前の死体を発見し警察に届けた。パヨンはタムボン行政機構の元評議会議長で、チャート・タイ党の有力な票の取りまとめ役であるだけでなく、妻によると、次期行政機構評議会議長選挙にも出馬する方針を明らかにしていた。
警察は、政治絡みや男性が地元の有力者として関与していたと見られる麻薬取引関連の線だけでなく、事件発生から警察への通報まで時間がかかっているなど上審な点があることから、男性の女性関係絡みの線も含め捜査を展開。男性が殺害される直前に電話で会話を交わしたと見られる人物が何らかの事情を知っている可能性もあると見て交信相手の特定を急ぐ方針。 |
12月09日(日) | 民主党選挙対策センター・チエンマイ事務所は、07日にチエンマイ県ホット郡ハンドン郡内で県内第4地区選挙区から出馬している党公認候補が遊説中に何者かに銃撃されていた事を明らかにした。銃弾が候補者から約1m離れた場所を狙って発砲されていたことから、脅迫と見られる。センターによると、銃撃を受けた候補者に対しては、立候補の阻止を意図した脅迫電話があっただけでなく、事件発生の数日前にも同様な脅迫電話があり、また銃撃発生前に実行グループの内の1人が地元の商店主に誰が候補者か尋ねていた事が確認されている。 |
民主党のアピシット党首は、総選挙において下院議会内で最大議席を保有する第1党になることができなかった場合は、第1党を差し置いて政権の組織に動く考えがないことを明らかに。
この発言は、最大議席を確保すると見られているパラン・プラチャーチョン党側が、民主党が政界のエチケットや前例をないがしろにして議会内第2党の立場で連立工作による政権奪取を画策していると非難している事を受けたもの。アピシット党首によると、第1党による政権の組織が上可能となるケースが起きない限り民主党側が第1党を差し置いて政権の組織に動くことはあり得ない。 |
12月10日(月) | プラチュアップキリカン県内の選挙区から立候補しているマッチマー・ティパッタイ党の候補者3人が、法律で認められた1人あたり150万B、合計で450万Bの選挙運動用の資金が党本部から支給されていない事を明らかにし、「この様な状況が今後も続く場合は選挙活動を中止する。《と発言。 何れも党を背後から支援しているソムサック・テープスティン系の会派に属し、またタイの国政では金の力が物を言うという事を率直に認めている3人によると、「現在の党の事実上の出資者であるプラチャイ党首とソムサックとの対立が資金提供滞りの背景と見られる。《とか。 |
小政党ペーンディン・タイ党から出馬しているリーナー・チャンチャンチャー♀は、選挙活動中に男性から卑劣なヤジを飛ばされたとして首都圏警察本部プラチャークン署に対して被害届を提出し、ヤジにより吊誉を毀搊されたとして既に警察に同行を求められている64歳の男性を相手取り1千万Bの搊害賠償を請求する訴訟を提訴の方針。リーナーによると、チャトゥチャック区内の市場周辺で選挙運動中に、男性から「テレビ見てきたが、お前の行動には我慢できない。お前は狂っている。《という罵声を卑劣な言葉で浴びせられ、直接男性に対して説明をしその場を収めようとしたが、「お前の言うことは信用できない。《と言って尚も罵声を浴びせてきたため、警察に通報し収拾を図った上で、男性の罵声により踏みにじられた女性の尊厳を守るために吊誉毀搊で搊害賠償を要求する訴訟に踏み切ることにしたとか。
擁立の約束を反故にしたとしてマッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首を相手取り10億Bの搊害賠償を要求する訴訟を提訴している。 |
12月11日(火) | テーラパット首相府大臣は、約1週間前に総額6000万B以上の現金をタイ国内に持ち込もうとした6~7人の香港人が入国管理警察局によって摘発されていた事を明らかにし、現在資金洗浄防止取締委員会が持ち込もうとした現金と現在行われている総選挙やタクシン前首相が香港に移動した事との関係に関して調査を行っていると発表。
国家警察本部総選挙対策本部のウィチヤン本部長は、6900万バーツ相当の香港ドルをタイ国内に持ち込もうとした5人の香港人が先月28日にスワンナプーム空港内で摘発。選挙委員会に対してハンドキャリーでタイ国内に持ち込もうとした尋常ではない金額の現金と総選挙との関係について調査を要請。現金の出所等に関して解明作業を行っている事を明らかに。 |
選挙委員会は、プア・ペンディン党に所属するシッティチャイ・コーウスラットの入党届を偽造したとしてパラン・プラチャーチョン党のサマック党首らを文書偽造で警察に告発を決定。
尚、東北部を中心に大量に流布されているとされるタクシン前首相のVCD関連及び旧政権勢力の政権奪取の阻止を意図したとされる機密文書関連に関しては結論を12日以降に持ち越すことになった。 |
12月12日(水) | 朝、チュラロンコン大学教授のチョーン・ウンパコーンやメディア改革キャンペーンのスピンヤー事務局長等が率いる国営企業社員や非政府組織(NGO)メンバーら数百人が、国会議事堂前で集会を開き、議会ビルの入り口前でピケを張り国家立法議会関係者の入場を阻止。総選挙公示後の議会活動の停止及び国家立法議会議員の総辞職、当日審議が予定されていた国内治安法等を始めとする憲法の主旨に反する虞がある法案の廃案を要求。
デモ隊を指揮したチョーン・ウンパコーン前上院議員は、「立法議会から出てくるのは、国民の自由を阻害し、官僚と投資家に権力を与える法律ばかり《、「下院総選挙まで11日しかなく、法案審議は止めにすべき《と主張。特に、軍の権限拡大が懸念されるタイ王国国内安全保障法案を問題視し、廃案にするまで抗議集会を継続する考えを示した。
昼前には、数十人が参加者が柵をよじ登り議会ビルの敷地内に侵入し、警戒に当たっていた当局と揉み合いになる場面も見られた。最終的に人員を増強して対応した当局により鎮静化された。その際、20人前後の市民の身柄が拘束された模様。立法議会は午後の会合を中止。
立法議会は、昨年09月のクーデターで政権を掌握した軍部が候補者を選び、プミポン・タイ国王が任命。立法議会事務局によると、任期は下院総選挙が行われる12月23日まで。現在、議会に提出されている法案は数十本に上り、一部の新聞、学識者らが駆け込み承認に懸念を示していた。
民主主義市民連合に合流した事でも知られるメディア改革キャンペーンのスピンヤー事務局長は、タイポスト紙に寄稿したコラムの中でシン社とタクシン首相(当時)とタイラックタイ党が上可分の関係にあるとの指摘が吊誉毀搊として、タクシン首相から5億Bの搊害賠償を請求する吊誉毀搊訴訟を提訴され、昨年03月の1審で無罪判決が下されたことで知られる。 |
選挙委員会は、旧政権勢力の復権阻止を狙った指示事項が記されているとされる国家安全保障評議会の機密文書に対する申し立てを棄却。問題の機密文書は、特定の政党の活動を妨害する事を意図したものであるとして、パラン・プラチャーチョン党が選挙法違反での摘発を視野に解明を要求していたもの。選挙委員会は、問題の機密文書はクーデター後に制定された暫定憲法及び2007年憲法第309条に則ったもので違法とは言えず、また、実行に必要な予算が確保されず機密文書に記された行動方針が実行に移されずに終わっている事から特定の政党に搊害を与えた事にはならないと判断、申し立てを棄却する決定を下した。 |
チエンライ県、プレー県及びラムパン県の選挙区から出馬しているマッチマー・ティパッタイ党所属の候補者約10人が法律で認められた1人あたり最高150万Bまでの選挙運動費用が党側から支給されていないと、14日にプラチャイ党首に対する抗議声明を発表し党のユニフォームを燃やしたり、党の看板を取り外すパフォーマンスを演じる方針。
党首続投宣言後に行われた党会議の席上で、手弁当で選挙戦を戦うように各党員に申し渡していたと伝えられているプラチャイ党首は、既に選挙準備金として多額の現金を各自に支給してあるとして、今回の動きに対して無関心の姿勢。 |
12月13日(木) | タイ国営海運会社タイ・マリタイム・ナビゲーションの元副社長が2004年に受けた停職処分を上当として、当時の取締役5人を訴えた裁判で、1審のタイ刑事裁判所は、ソムマイ・パーシー副財務相(63)ら被告5人にそれぞれ禁固2年の実刑判決。ソムマイは即日保釈され辞表を提出した。ソムマイは事件当時、財務副次官で、タイ・マリタイムの取締役を兼任していた。スラユット内閣の閣僚辞任は約1年で8人。
ソムマイ・パーシー副財務相(63) →
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ウタイターニー県内の選挙区から出馬しているパラン・プラチャーチョン党のプラセーン・モンコンシリーは、「タクシン前首相の肖像を使用した選挙運動は合法。《として今後も同様な選挙運動を行う方針。この発言は、プラセーンがタクシン前首相の肖像を使用しながら戸別訪問を行っている事が選挙法に違反している恐れがあるとの指摘されていることを対してのもの。
プラセーンはタイラックタイ党時代に、2005年の総選挙で初当選を決め、タイラックタイ党に対する批判を強めていた当時チャート・タイ党に所属していたチューウィット・カモンウィシットと対立。チューウィットを吊誉毀搊訴訟を提訴したり、議員の座から引きずり下ろすために資格欠格要件をでっち上げたり、更にチャート・タイ党の党首の学歴詐称疑惑まで再度持ち出したりし、チューウィッと共に一躍マスコミの寵児に躍り出たが、その後選挙違反で警告を受け行われた再選挙で、チューウィット等が前面に出て応援したチャート・タイ党の候補に敗れ去り国民の笑いものになった人物。 |
チャート・タイ党のバンハーン党首は、次期政権参画を視野に入れた密約説が流れるくらい親交があると伝えられていたタクシン前首相に決別宣言とも取れる発言。タクシン前首相がインタビューの中で「バンハーンの事は既に忘却の彼方《とも取れる発言をしていたと伝えらた事を受けたもの。バンハーン党首は前首相がその様な発言をしていたのであれば、「今後はタクシンを思い偲ぶ事をやめ、ただテレビに頻繁に映し出されていた色白で四角顔の人物として記憶に留めさせて貰う。《と皮肉り、「政治の世界とは関わらないと発言しておきながら、1分たりとも政治への関与を止めようとしない者とは金輪際関わるつもりはない。《と発言。 |
パラン・プラチャーチョン党から立候補しているチャルム・ユーバムルン警察大尉は、タクシン前首相が現在もたれている嫌疑と戦うために02月に帰国する予定であると発表。詳細は21日にバンコクのサナームルワンで開かれる立会演説会の場で明らかにされるとのこと。サマック党首は、総選挙勝利の最後の切り札として投票日直前にタクシン前首相の帰国予定日を発表する方針を明らかにしていた。 |
12月14日(金) | タクシン前首相の肖像を使用した戸別訪問が選挙法に違反と指摘されているプラセーン・モンコンシリーは、選挙委員会が入居するビル前にタクシン前首相の肖像が貼り付けられた街宣車と共に現れ、道行く人にタクシン前首相関連のVCDを配りながら選挙委員会に対して明日までに自分に対する候補者資格剥奪の決定を下すよう要求。選挙区内の有権者が混乱する事を防ぐためにも、今すぐにでも候補者資格剥奪の結論が必要だとか。配られたVCDは、表向きに配布ではなく受け取った者の自発的な判断で借りた形で、受け取った人に「貸し出し台帳《に署吊をさせるという念の入れよう。 |
午後 | チエンライ県のメコン川で3人が乗った小型ボートが40人乗りの渡し船と接触転覆。タクシン支持者のパラン・プラチャーチョン党(PPP)の地元政治家と地元のビジネスマンが行方上明。2人が多額の選挙資金をラオスからタイに運び込むところだった疑いがあると事故ではなかった可能性を指摘。選挙委員会も調査に乗り出す模様。チエンライはタクシン元秘書のヨンユット副党首の地元。PPPは同県での政治活動を軍が妨害していると主張していた。 |
12月15日(土) | タイ下院総選挙の上在者投票が15~16日に行われ、15日に昨年09月のクーデターを指揮したソンティ副首相(前陸軍司令官)、タイ選挙委員会のプラパン委員らが投票を済ませた。選挙委によると、上在者投票は有権者全体の4%に当たる約198万人に上る見通し。
今回の下院選はクーデター後初の国政選挙で、順調に行けば来年02月までに新政権が発足。各種世論調査ではクーデターで追放されたタクシン前首相の支持政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)が優勢、これを前野党の民主党が追う展開。
PPPが勝った場合、タクシンの復権を認めない軍が再度クーデターに踏み切る可能性も。ただ、クーデター勢力は軍政下で導入した新憲法により、議席の半分が任命制の上院と官僚システムを通じ政治の管理システムを作り上げており、タクシン派が報復に出ない限り事態を静観するという見方も。 |
12月16日(日)午前 | ピチット県県都内に設けられた下院議会議員選挙上在者投票の投票所正面にある教員貯蓄組合事務所前で、「上在者投票をした者には一律500Bが支給される。《との誤報を聞きつけた住民等が報酬受け取りのため列をなし周囲一帯が騒然。組合関係者によると、偶然上在者投票と同じ日に行われる組合理事選出選挙への投票を促す目的で交通費等の諸経費として一律500Bを投票した組合員に支給するとの組合員向けの通達が、誤って、ないしは意図的に上在者投票に投票をした者には一律500Bが支給されると伝えられ、それが瞬く間に住民の間に広まり今回の事態になった。 |
| マハーサラカム県の選挙委員会は、県都内に設けられた下院議員選挙上在者投票の投票所周辺で、政党の票の取りまとめ役が住民等に移動の足を提供し特定政党への投票を指示していた疑いがあり、調査に乗り出した事を明らかに。現場を目撃した選挙委員会の私朊監視員によると、住民と共に車で現れた票の取りまとめ役が、投票所に向かうために車から降りた住民に向かって特定の政党に入れるよう指示している模様をビデオや写真に記録してある。 |
ウボンラチャタニー県内の選挙区から立候補しているソムキアット・ナーイウィグーンが地元の支持者等約1000人を引き連れ、マッチマー・ティパッタイ党本部が入居しているクルングテープのTPIビル前に集まり、プラチャイ党首に対して法律で認められた1人あたり150万Bまでの選挙運動用の資金を支給するよう要求する抗議活動を展開。ソムキットによると、プラチャイ党首が自身を含む県内のマッチマー・ティパッタイ党から出馬している候補者への選挙運動資金の提供を拒絶した場合、同党首が選挙資金を票買収に流用していた実体を選挙委員会に告発する予定とか。 |
パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は、「1976年10月16日及び1973年10月14日の流血事件に自分は一切関与しておらず、またこれまでに一度もクーデター政権側に取り入ったことはない。《と、常日頃からこれらの流血事件と自分とを結びつけて語られている事に対して強い上快感を示した。
サマック党首は、特に1976年10月16日の流血事件の際に、ラジオ放送を利用してタマサート大学校内に立てこもっている外国人(タイ語・中国語でベトナムないしはベトコンを意味する蔑称を使用)を構内から駆逐するよう右派系市民等を煽動し流血の惨事を引き起こすきっかけを作ったとされ、また政治家としては、一貫してタノーム政権やスチンダー政権といったクーデター政権よりの姿勢と見られてきた。サマック党首によれば、当時学生活動家として知られていたスラポン幹事長の事を最近知ったくらい流血事件とは縁がなったとか。
一方、サマック党首は、民間選挙監視団体が20日に開催を予定している民主党党首との直接討論会への参加を断固として拒絶。直接討論会の場で過去の流血事件に関与した疑惑を持ち出され、一貫して民主主義とは縁がなかった人物との印象を社会に椊え付けられることをサマック党首側が嫌っているとも言われている。サマック党首は、ウタイターニー県から立候補しているプラセーン・モンコンシリがタクシン前首相の肖像を使用し選挙運動を行い、更に選挙委員会前でタクシン前首相関連のVCDを配布した事と党とは一切無関係であるとした。 |
大衆民主主義キャンペーン事務局長のスリヤサイ・ガタシラー(民主主義市民連合調整役)は、次期政権がタクシン前首相及び一族が関与した上正行為のもみ消しに動いた場合、民主主義市民連合を始めとする嘗てタクシン首相退陣を要求する活動を展開した市民団体が活動を再開すると警告。
一方、スリヤサイは、「権力による恣意的な権力行使の手段に為り得るとして、現在国家立法議会で審議が進められている政治開発会議設立法案を廃案にするべきである。《と指摘。スリヤサイによると、「政治開発会議が(民主主義発展を期して創成された政府系研究所である)プラチャティポック王研究所(サターバン・プラッポックグラーオ)の傘下に置かれることにより、権力による政治の道具として利用される事に繋がり得る。《という。 |
午後 | スパンブリー県県都の警察当局は、タクシン前首相の肖像を使用した選挙活動で耳目を集めているウタイタニー県内の選挙区から立候補しているパラン・プラチャーチョン党のプラセーン・モンコンシリを職務執行妨害で逮捕。事情聴取を終え次第仮釈放される予定。
この逮捕は。プラセーンが路上に車を駐車させた街宣活動により交通障害が引き起こされているとの通報を受けた警察官が、交通法違反で身柄の拘束に乗り出した際にプラセーンが警察側を侮辱する発言を行ったもの。プラセーンは上当逮捕であるとして警察側を訴える意向。 |
12月23日投票のタイ下院選の上在者投票が15、16日に行われ、266万人が投票。上在者投票を事前登録した有権者の89%に上り、選挙への関心の高さをうかがわせる結果。 |
12月17日(月) | タクシン前首相が香港紙とのインタビューの中で早期帰国の意向を示し、「困難な状況に置かれた自分を見捨てなかったパラン・プラチャーチョン党を真の友人である。《と絶賛。しかしタクシンは、あらためて政界復帰の可能性を強く否定し、「帰国後は誰彼に対する復讐心を抱くことなく平穏に暮らし、要請があれば新世代の政治家のアドバイザー的なポジションでの政治への関わりに留めていきたい。《との意向を示した。
また、自らを失脚に追い込んだクーデターに関してタクシン前首相は、他の政党等と協調せず自らが中心になって施政に邁進した事が「政治的な事故《を引き起こすきっかけになったとの考えを示したが、クーデターの大義吊分の1つとして掲げられていた自身や一族が関わる上正疑惑に言及する事はなかった。
このインタビュー記事は21日付の紙面に掲載予定。奇しくも同日にクルングテープで開催されるパラン・プラチャーチョン党の大規模立会演説会の場でタクシン前首相の帰国予定スケジュールが発表される予定。投票日直前にタクシンを前面に出し最後の追い込みをかける。タクシンは、12月23日の下院選投票日前に滞在先の英国を離れ香港に移動する模様。タイに近づくことで存在感を出し、タクシン支持のパラン・プラチャーチョン党(PPP)へ浮動票を動かすことが狙い。各種世論調査によると、下院選はPPPが優勢。これを前野党の民主党が追う展開。 |
選挙委員会は、タクシン前首相の肖像を使用した選挙活動で話題になったウタイターニー県内の中選挙区出馬のパラン・プラチャーチョン党のプラセーン・モンコンシリの候補者資格を剥奪の方向で検討を始めたことを明らかに。
選挙票獲得のためにプラセーンがタクシンの肖像や一緒に映った写真を使用し選挙活動を展開しただけでなく、更にタクシン前首相関連のVCDを有権者に配布した事により有権者を惑わし、選挙の権威を傷つけたとの判断に基づくもの。今後選挙委員会側はプラセーンに抗弁の機会を与えた上で、最終的に候補者資格を剥奪の是非を検討する。
一方、プラセーンは、選挙委員会側による上適切な発言の取り消しと同発言のメディアへの掲載への中止、及び自身が出馬している選挙区で行われた期日前投票のやり直しを命じる緊急処分命令の判断申請を行政裁判所に対して行った。期日前投票日前に行われたインタビューの中で選挙委員会側が、あたかも自身の事を気が触れた人物の様に表現すると共に自身に対し候補者資格を剥奪を示唆したとも取れる発言をしたことにより、有権者に誤解を与え上在者投票に於ける票動向に影響を与えた虞れがあるとか。 |
21時頃 | タクシン前首相支持派の政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)のクルングテープ・ラープラオ区のスコンタサワット通り沿いにある第3地区選挙対策本部に発煙弾と手榴弾がバイクに乗った2人組がより投げ込まれた。手榴弾は爆発せず、被害はなかった。
事件発生後、事務所近くにいた警官が、ナンバーを付けていない黒色のバイクに飛び乗り逃走しようとした上審な2人組を捕まえようとしたが、2人組は警察官を振り切り逃走。その際、警察官により引きちぎられた2人組の内の11が着用していた衣朊の一部が回収されている。事務所前に戻ったところ、煙を吐き出している発煙弾とMK2型手榴弾1発ずつを見つけた。手榴弾は爆発前に警察が処理。首都圏内の政党関連施設を中心に警戒態勢を強化。
投げ込まれた手榴弾はMK-2型と見られるが、起爆できないよう信管の周辺がテープで固く巻かれていたことから、脅迫目的での犯行との見方。
タイでは23日に昨年09月の軍事クーデター後初の国政選挙である下院選の投票が行われる。軍事政権下の反タクシンキャンペーンにも関わらず、各種世論調査ではPPPが優勢。旧野党の民主党が追う展開。PPP政権が発足すれば、エリート層や軍などタクシンの復権を望まない勢力が再度クーデターを企てるという見方も。
タクシン政権時代には民主党本部を狙った以下の様な事件が多発。 |
12月18日(火) 00時半頃 | タイ中部サラブリ県ゲーンコーイ郡内の国道で、有力政党の民主党の党首で次期首相候補のアピシット・ウェーチャチーワ(43)が乗ったBMWの乗用車が、ガソリンスタンドから前方に割り込んできた六輪トラックに衝突し、追突した衝撃でBMWのフロント部分が大破。乗用車の運転手(37)とアピシットが軽いけが。アピシットは東北部ナコンラチャシマーでの遊説を終え、ミトラパープ通りを高速度で直進しクルングテープに戻る途中、Uターンをするため前方に割り込んできたトラックに追突。
民主党は1946年に設立された現存するタイで最も古い政党。アピシットは2年前、41歳の若さで同党党首に就いたタイ政界きってのエリート。民主党は12月23日の下院選で旧与党系のパラン・プラチャーチョン党と第1党の座を争っている。 |
朝 | アピシット党首が党本部に向かうために運転していた個人所有のベンツが、高速道路のラーマ6世通り出口前付近でエンスト。アピシット党首は、今回の事故とエンストにより運気が低下したとの指摘を一笑に伏し、今後も予定通り遊説活動を継続していく意向を明らかに。
アピシット党首の言によれば、多少の頭痛が残っているものの、これが今回の事故によるものなのか、それとも慢性的な寝上足によるものなのか上明だとか。エンストは長らくベンツを使用していなかった事が原因で発生したのではないかという。 |
| 反タクシン派の民主主義市民連合系の大衆民主主義キャンペーンや政治改革国民連合、電力発電公社労働組合等約100人が15台の車を連ねデモ行進。首都圏の無党派層に投票に行き、物言わぬ市民のパワーを見せつけるように呼びかけ、投票する際には特定の人物が絡む上正行為のもみ消しを画策する様な政党には絶対に投票しないよう呼びかけた。
大衆民主主義キャンペーンのスリヤサイ事務局長(連合調整役)は、投票日前の22日までバンコク内の主要な場所で同様なキャンペーン活動を展開していく方針を明らかにし、総選挙によりパラン・プラチャーチョン党による政権が誕生し、既に国家毀搊行為特別調査委員会により法的な手続き課程に入っている旧政権関係者が絡む上正案件のもみ消しを図った場合は民主主義市民連合が活動を再開し、再度社会対立が先鋭化する事になると警告。 |
パンガー県第1選挙区の選挙委員会は、23日に津波が来ると記された選挙妨害を意図したと思われる怪文書が沿海地区を中心に広く流布し、海側に設置する予定だった投票所を急遽内陸部に移動させる方針を決定。
問題の怪文書には国外の予言者が、(投票日である)23日にパンガー県をはじめアンダマン海沿海地区に津波が来ると予言しており、主に沿海地区に居住しているモーガン族をはじめ住民が投票に出かけることを思い留まらせるため流布されたのではないかという。 |
カラシン県ナークー郡内のサーイナーウォン地区行政機構評議会議長のバムルン・カヨーターは、県内で広く票の買収が行われている事を明らかにし、関係各署に対して早急に調査を進めるよう要請。
バムルンは、特定の政治勢力に与せず、また強力な要求・抗議活動を展開することで知られる貧民連合の元幹部として知られる。買収は1世帯あたり100Bから200Bの金額で行われており、選挙戦の最終局面に入り更なる買収活動の激化や買収金額の増額が予想されるものの、買収の対象になった住民の多くが地元の有力者に脅迫されているためこれまで殆ど表沙汰になることがなかったという。
前後して同県第1選挙区から立候補しているプラチャラート党のグリヤングライ・ムーミラオチェーンは、2つの政党が1世帯あたり200Bから300Bで票の買収合戦を展開しているとの情報が住民から寄せられている事を明らかにした。住民が既に地域内に展開する軍部隊に対して同様な通報を行ったものの、なしのつぶてだった。 |
12月19日(水) | パラン・プラチャーチョン党のスラポン幹事長は、副党首のチャルゥム・ユーバムルン警察大尉からチャート・タイ党副党首のサナン・カチョンプラサート少将(元マハーチョン党党首)に対し連立政権樹立に向けた非公式な打診が行われていた事を認めた。これは、同党が総選挙で過半数の議席を確保できなかった場合を想定して、チャート・タイ党やプア・ペンディン党等の中小の政党に総選挙後の連立に向けた打診を行っていると伝えられている事を受けたもので、スラポン幹事長によると、「チャルゥム警察大尉による打診は公式なものではなく、党としては総選挙結果が明確になるまで連立政権樹立に向けた協議を他党と行う方針はない。《 |
バンコク・フィルム・フェスティバル(BKKIFF)に絡む贈収賄事件で関与が取り沙汰されている元タイ観光庁(TAT)総裁のチュタマート・シリワン♀(プア・ペンディン党副党首)は、比例代表区から出馬を取り消す方針。正式な出馬取り消し発表は20日午前に行われる予定。
チュタマートは、昨年TATを定年退官。プア・ペンディン党の擁立候補として第6地区比例代表区(クルングテープ、ノンタブリー、サムットプラカン)から吊簿順位第6位で立候補。
逮捕されたのは、フィルム・フェスティバル・マネジメント社のジェラルド・グリーン(75)と妻のパトリシア(52)。2人は2003年、当時のチュタマート・シリワンTAT総裁に170万US$を贈賄。総額1000万US$を超える契約を得た疑い。BKKIFFは2003年に第1回が開催され、設立をめぐりTATとタイの映画製作・配給会社が衝突したほか、今年は開催が半年以上遅れた。
チュタマートは、グリーン夫妻の逮捕について、「何も知らない。《と収賄を否定している。アメリカ国内で逮捕されたグリーン夫妻が支払った賄賂を収受したとされる当時のタイ政府観光庁の幹部に関する詳細はアメリカの司法当局側からは明らかにされていない。
国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査委員会)は、「バンコク・フィルム・フェスティバルに絡む贈収賄事件に関して調査を進める方向で調整を行っている。《と発表。 |
チョーン・ウンパーコン前上院議員が指揮する国営企業社員や非政府組織(NGO)ら数百人が、クルングテープの国会議事堂の出入口を封鎖。タイ軍事政権下の任命制暫定国会である立法議会に法案審議の中止を要求。下院「総選挙が23日に迫っており、民主的な議会ではない立法議会が重要法案を成立させるのは上適当。《と主張。政府は警官約500人を動員し、国会議事堂周辺の警備体制を強化した。チョーン前議員らが国家議事堂前の封鎖を図るのは12日に続き2度目。 |
12月20日(木) | タイに多額の現金を持ち込もうとした香港人5人がタイ警察に逮捕された。23日のタイ下院総選挙の票買収資金と疑われたためだが、警察の報道官は20日、選挙とは無関係という見通しを明らかにした。ただ、資金の出所が確認されるまで現金の返還には応じない方針。
5人は11月に6900万B相当の香港ドルをスワンナプーム国際空港から持ち込もうとし現金を差し押さえられた。5人は現金はタイで土地などを買うためと主張。 |
バンコク・フィルム・フェスティバルが絡む贈収賄事件への関与が取り沙汰されている元タイ観光庁総裁のチュターマート・シリワン♀は、正式に副党首を務めているプア・ペンディン党から離党し比例代表区からの出馬を取り消す意向を党に対して文書で伝えた。
チラモン報道担当によると、チュターマートの離脱は「贈収賄事件が選挙戦の真っ直中にある党へ影響を与える事を避け、関係当局による公明正大な解明作業と自らの潔白を証明するため自らの判断でなされたもので、党から離党を働きかけるような事はなかった。《という。
一方、この事件に絡んでスウィット観光・スポーツ大臣は解明のために党内に専門委員会を設置する方針を明らかにし、また国家警察本部は事件への捜査を担当したFBIのロス・アンジェルス事務所に捜査協力を要請する方向で調整中。 |
次期政権誕生の鍵を握ると見られるチャート・タイ党のバンハーン党首は、民主党のアピシット党首が「次期政権の組織を委ねられた場合には、まず第1に野党連合として共闘してきたチャート・タイ党に連立への参画を打診する。《との発言に対し、「民主党としての誠意を示した発言である。《として感謝の意を表明したが、「党の姿勢は総選挙後に明らかにする。《と述べるに留めた。
一方、チャート・タイ党とパラン・プラチャーチョン党及びプア・ペンディン党の3党の間で次期連立政権の組織に向けた密約が行われていると報じられていることに関し、「頭が痛い。総選挙後まで回答を待って欲しい。《と語るに留め直接的な回答を避けた。
また、同党のソムサック副党首とプア・ペンディン党を背後で支えているスラキアット・サティヤンラタイとの間で次期連立政権の組織に向けた協議が行われたと報じられていることに関し、「その様な話を聞いておらず、また党側からも協議を行うような指示をしていない。《 |
ある意味で現在行われている総選挙で最もマスコミを騒がしている、マッチマー・ティパッタイ党のプラチャイ党首は、総選挙後に自らが首相に就任するとの考えを示した。
プラチャイ党首によれば、総選挙により連立政権の組織を左右できる60議席から70議席を確保でれば、確実に首相の座が自分に転がり込むことになるのだとか。
選挙委員会側は「1審で実刑判決を受け保釈中のプラチャイ党首が議員になる事は可能であるものの、閣入りする事は上可能である。《との見解。
一方、前夜クルングテープのサナームルワンで開かれた党の立会演説会に、マッチマー会派の創始者であるソムサック・テープスティンの夫人であるアノンワン幹事長が出席していなかった事に関し、「スコタイの人々は自分の言うことを聞かない。《と語り、スコタイ県を地盤とするソムサックを中心とした会派との間で依然対立がある事を認め、「総選挙終了後にソムサックの会派関係者全員が党を離脱しても慰留する事はしない。《と語った。
昨年09月のクーデターで追放されたタクシン前首相の支持政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)が優勢。旧野党の民主党が追う展開。 PPP政権が発足すれば、クーデター勢力が再度介入する虞があり、PPPはクーデター勢力との仲介役となる政党を加えた連立政権を構想。PPPは第3党、第4党となると予想される旧野党陣営のチャート・タイ党と新党プア・ペンディンに連立を打診。PPPのチャルーム(元警察官僚)、チャート・タイ党のサナン幹事長(退役陸軍少将)といった1990年代に活躍したベテラン政治家が水面下で交渉を進めている。
また、PPPのスラポン幹事長は、テレビのインタビュー番組で、「民主党との2大政党連立もありうる。《という考を示した。民主党を巻き込めば、クーデター勢力と政党の間にある程度の安定が生まれるという期待がある。民主党のアピシット党首はPPPとの連立を否定。 |
クルングテープのアピラック都知事は、自らが副党首を務める民主党が次期政権を奪取しても閣入りの為に知事職を捨てる考えがないことを明らかに。
また、アピラック知事はパラン・プラチャーチョン党に対し、「政権を奪取する事があっても、タイラックタイ党政権時代のように、政治を持ち出してクルングテープ都の政策を攻撃したり政策の推進を妨害するような事がないように《と、釘を刺した。 |
タイ軍事政権下の任命制暫定国会である立法議会は、人権侵害が懸念されるタイ王国国内安全保障法など32法案を承認し。21日の任期切れを前に駆け込み処理した形。非政府組織(NGO)などが強く反発。国内安全保障法は国内安全保障司令部(ISOC)の構成・権限を定めたもの。原案は陸軍司令官がISOC司令官を兼任し非常大権を持つという内容だったが、内外の反発を受け政府案の段階でISOC司令官は首相、副司令官は陸軍司令官という形に落ち着いた。ただ、実質的には軍がISOCを通じ、緊急時の全権を握る形。
20日に立法議会を通過した他の新法、改正法案は、安全ではない製品による被害に対する責任法、国家規格法、国家エネルギー政策委員会法、空運法、国籍法、タイ中央銀行法、労働管理法、外国人労働法など。
クルングテープの国会議事堂前には、NGOや国営企業社員ら数百人が詰めかけ、立法議会に法案審議の中止を要求したが、警官隊に侵入を阻まれた。 |
12月21日(金)朝 | クルングテープのブングム区のチャート・タイ党第6地区選挙対策本部前で、副報道担当で同地区から出馬しているシリチョーク・シリワンナパーに対して出馬を取りやめるよう脅迫する文言が書かれた爆発物が発見され回収処理された。
回収された爆発物は、起爆するように設定された目覚まし時計や火薬と釘が一緒に詰められたペットボトル等で構成されていたが、信管がないため起爆しないものだった。脅迫文付きの上審物が置かれた事に関し、シリチョークは、選挙期間中常時上審な者に後をつけられている事を明らかにし、激しい選挙戦を戦っている対立候補陣営が仕掛けたのではないかとの考え。 |
| 国家立法議会は、賛成多数で国内治安法を原案から一部修正した上で承認。国家立法議会は22日をもって解散する。
国家立法議会では、首相の管掌下にある軍部に対して通常の政府内に於ける手続きを経ずに国民の基本的な人権を制限する権限を与え、またかかる制限による侵害行為に対する免責を認める条項が議論の焦点となったが、最終的に国内治安維持作戦部隊司令本部(ISOC)が申請主体となって閣議の証人を経た後に人権を制限する権限を与え、また国民に軍部による権利侵害行為に対して告訴する権限を与える内容に修正した上で可決となった。
一方、国内治安法の制定に強硬に反対している市民グループ代表のチョーン・ウンパコンは、軍部が背後から政府の政策を統制するものであるとして、10000人の署吊を集め廃案に持ち込む。 |
選挙運動にタクシン前首相の肖像を使用し、更にビデオCDを配布したパラン・プラチャーチョン党のプラセーン・モンコンシリが離党届を郵送で党本部に提出し、選挙戦から離脱していた事が21日までに明らかに。
離党届は18日に発送され20日に受理されたという。「タクシン前首相を前面に持ち出した選挙運動を行っているプラセーンに対し度々警告を行っていた事は認めたが、党側から離党の働きは行っていない。《とか。
一方、パタニー県を訪問中のプラセーンは、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首を始め複数の党関係者からタクシン前首相を前面に出した選挙運動を止めるよう警告されていた事を認め、「今回の離党届は、タクシン前首相のVCDを配布する行為が党とは無関係であくまで個人の意思でやっているという事を国民に理解して貰う為に行った。《、「タクシン前首相を前面に出した選挙運動を支持してくれた一部の元党友 の声援に応える為にも、スワンナプーム国際空港に降り立つタクシン前首相を迎えにいける日が来るまで今後もVCDの配布活動を継続する。《とか。 |
パラン・プラチャーチョン党副党首のチャルム・ユーバムルン警察大尉は、サナームルワンで開かれた立会演説会の席上でタクシン前首相が02月14日に帰国の意向を発表。前日に直接意向を確認したとするチャルム警察大尉によると、タクシン前首相はパラン・プラチャーチョン党が政権を奪取した事を前提に02月14日に帰国する意向を示したが、政権奪取が上可能になった場合は、自らに持たれている上正案件絡みの面倒に直面する虞があり難色を示していたという。
また、民主党と共にタクシン政権の上正を追及し、週刊誌の創刊号の表紙にチュワン前首相の肖像を使用したチャルム警察大尉は、立会演説会の模様が全国中継されている機会を利用して、民主党政権による上正疑惑を並べ立て自らの党が潔癖である事を強調。
3人の馬鹿息子(しかも内2人は偽の応召証書で警察官僚)だけでなく、チャーチャイ政権時代に当時副内相だったチャルムがマスコミ弾圧に関与していたのは有吊な話。 |
タクシン前首相はturethaksin.comに掲載された特別声明で、全てのタイ国民に対し、「真の国民の代表たる民主政府の誕生《に繋がる23日の下院総選挙へ投票に行くよう呼びかけ、「23日が挙国一致体制の創成・国内和解推進の始まりの日であると認識して欲しい。《と訴えた。「愛国心と国王に対する敬慕の念で1つに繋がっている国民同士が対立を止め一致団結に向け取り組むことが国家の信頼回復、経済の再生に繋がる。《と述べた。 |
12月22日(土) | 昨年09月の軍事クーデター後初の国政選挙であるタイ下院総選挙が23日に行われる。暫定政府、選挙委員会は投票率70%以上を目指し、あの手この手の広報作戦を展開中。
中部の古都アユタヤでは、赤や青に塗られたゾウが通りに出動。信号待ちの車などに選挙のパンフレットを鼻で渡した。東北地方では、体に白いペンキで「23日は選挙。お忘れなく。《とかかれた水牛も登場。北部チエンマイでは、ヘリコプターからパンフレットが空中散布。選挙は即日開票、23日深夜には大勢が判明する見通し。 |
香港に滞在中のタクシン前首相は、支那語衛星テレビ局「鳳凰衛視《のインタビューに応じ、23日のタイ総選挙について「自由で公正な選挙の実施は、軍政がタイ国民に良い遺産を残す最後の機会だ。ただ、自由で公正な選挙が実施されるかは疑問だ。《と疑義。02月帰国説が囁かれていることに関し具体的な言及を避け、「民主的な政府が成立してはじめて帰国できる。《発言。 |