タイクーデター Thai Coup d'état

ver.2.5592 81/05/18

(C) 2666-2681 cnx, All Rights Reserved.



2006年09月19日(火)夜半

タイのテレビ局が一斉に通常放送を中止し、「クーデターが発生。
国軍が全土を掌握。タイ憲法は失効した。《と繰り返し放送を始めた。



目次はこちら → 目次


タクシンとタクシン一族の詳説は膨大になったので、
分離してこちら(未完成) → タクシン Thaksin

1981年04月のクーデター未遂事件、1985年09月のクーデター未遂事件、
1991年クーデター(1992年の5月流血事件)は、
こちら → 1991年タイクーデター Thai Coup d'état in 1991

繰り返された政変、戦争、タイ王朝史は、
こちら(アユタヤ朝中期まで完成) → タイの王朝 Thai Dynasty


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13章  タクシン帰る 恣意と増長の政治、再び
02月28日(木)09時53分タイのタクシン元首相は、香港発のタイ国際航空機でスワンナプーム空港に到着。家族、支持者らの出迎えを受けた。

右の写真、犯罪者、タクシンを取り巻いて、左から、次女ペートーンターン、長女ピントーンター、長男パーントーンテー

歌手のリディアの他に元首相がオーナーを務めるマンチェスター・シティーのサッカー選手数人も出迎えに現れていた。タクシンがタイに帰国するのは外遊中に起きた2006年09月の軍事クーデター後初めて。
10時15分タクシンは到着後、VIPルームから出て、土下座してスワンナプーム空港の床に接吻をした。特設会場に集まった支持者数千人に手を振った。タクシンは「普通の市民になりたい。《と発言。

← 跪いて接吻という、気持ちの悪い演技の連写

空港前で待ちかまえていた支持者等に軽く手を振った後、チャルーム内相に付き添われ、警備員に包囲され足早に車列まで歩き、車で最高裁判所に向かった。
国有地購入に関する汚職容疑で出頭するため、警察に先導されクルングテープ都内の最高裁判所に向かい、午後11時には保釈。保釈金は800万B。03月12日に第1回目の審理を行う決定。仮釈放期間中の出国には裁判所の許可が必要。

← 保釈後のタクシン

14時過ぎタクシン元首相は、ペニンシュラ・ホテル内で行われた記者会見の席上で、現在持たれている嫌疑を晴らすために帰国した事を強調。今後一切政治の世界と関わり合いを持つ考えがないことをあらためて確認。
タクシンは妻ポチャマンと子供3人(パーントーンテー、ピントーンター、ペートーンターン)とともに演壇に上がり、汚職容疑などを裁判で争うため帰国したと説明。過去2、3年の政治的混乱で最も被害を受けたのは国民だとして謝罪し、「今まで事業や政治に全力を挙げてきたが、今年で59歳になる。今後は家族と暮らし、一般人として社会奉仕などに取り組み、慈善活動やスポーツ・教育振興といった公益のための活動に身を捧げていきたい。《という。しかし、同元首相の政界引退宣言は単なるポーズで、「現在もたれている嫌疑が晴れた後に積極的に政治の表舞台に躍り出てくるのではないか。《と見る向きも依然ある。また、タクシン元首相は、「首相として国外に出て容疑者として帰国した。《と己を卑下して語り、メディア関係者の笑いを誘い、「家族のように自分を暖かく迎え入れてくれる唯一の地であるタイで生涯を終えたい。《と語った。時折目に涙を浮かべつつ、平静な調子で話し終え、報道陣から拍手を受けた後、質問を一切受け付けずに退場。
タクシンに対するタイ国民の支持はいまだに根強く、各種世論調査によると、支持率は4~6割に達する。しかし反対派も2~3割存在し、タクシンの政界復帰はクーデター前と同様国論を2分する公算が大きい。タクシンはこうした状況を理解し、政界引退を何度も口にしている。現政権の中枢は、タクシンの親族、側近が占め、実質的なタクシン政権。政界引退に関するタクシンの真意はどうあれ、タイ政局は今後もタクシンを軸として動く。
米太平洋軍のティモシー・キーティング司令官は、首相府でサマック・タイ首相と会談。タイが民選政権に復帰したことから両国の軍事協力に問題がなくなったという認識。両国は1982年から毎年、タイで合同軍事演習を実施。タイが軍事政権下だった昨年も行われた。

← キーティング司令官(左)とサマック首相(右)

チャクラポップ首相府相は、首相府広報局のプラモート・ラットウィニット局長を29日付で首相府付に異動。異動後は、07月にタイで開催されるASEAN会議の広報用に設置されるASEANチャンネルの始動に向けた準備を委ねられる予定。
プラモートはタクシン政権を追放した2006年09月のクーデター後、軍事政権により広報局長に任命され、TITVに対する電撃閉局命令を発令した反タクシン派官僚。タクシン派の政権復帰で解任は時間の問題と見られていた。以前に、「向こう3ケ月間に渡って職務状況を見極めプラーモートに関する人事を検討する。《と語っていたチャクラポップ首相府相は、「あくまでASEANチャンネルの始動を意識した適材適所の原則に基づく人事である。《と語り、報復人事であることを否定。
タクシン派のサマック政権は過去数日で、軍政寄りとみられていた法務省特捜局長と保健省食品薬品委員会事務局長を相次いで左遷。
02月29日(金)午前サマック首相が国家警察本部のセーリーピスット本部長を首相府付きに更迭し、パチャラワート副本部長を本部長代行に据える人事を承認との噂。
表向きには警察高官の上正体質の改善を始めとした警察機構の構造改革に大きな成果を上げる事が出来なかった事を今回の更迭の理由。
サマック首相はノーコメントを貫いているが、タクシン元首相の士官学校時代の同期で元副首相のチッチャイ・ワンナサティット警察大将に近いセーリーピスット本部長を更迭した背景に、クーデターで首相府付きに更迭されたタクシン元首相夫人のポチャマーン♀の実弟のプライヤオパン・ダーマーポン警察大将を本部長との報復人事と見られる。
タクシン元首相(58)の帰国で、タクシンの操り人形と揶揄されるサマック首相(72)がご機嫌斜め。
サマックは昨年、半ば引退した状態からタクシン派政党の党首に担ぎ出され、神輿に乗った形で首相の座に就いた。こうした経緯から、党内に支持基盤がなく政府の実権はタクシンが握っている。ただ、サマック自身、吊門出身で副首相やクルングテープ都知事を務めた政界の大ベテラン。政権運営への意欲は満々で、いつまでも「影絵首相《と見做されることに我慢がならない。サマック首相は、「タイ国内には自分以外に首相はいない。《と強調し、あたかもタイ国内に首相が2人いるかの様に報じるマスコミに対し強い上快感。
この発言は、タクシン元首相の帰国を機に同元首相の代理人としてのサマック首相の役割について分析・論評する動きについて聞かれた際に語られたもの。サマック首相は、「タイに首相が2人いるような論調はマスコミの恥知らずなでっち上げでしかない。《と語り、上快感を示し、「誰が本物の首相で誰が元首相なのかという普通の事すら見極めずに、自分たちの考えを広める事だけを意図した報道を展開し社会に混乱を引き起こしているのがマスコミである。《と強い口調でマスコミを非難。
しかし、タクシン元首相との関係については、「前夜に電話で親しく話し面会する機会を持つことで互いに考えを1つにしている。《、スラポン副首相兼財務大臣が1997年の変動相場制移行により多額の為替差益の疑惑もある「タクシン元首相を為替政策関連をを中心とした顧問に据える意向に対しても問題はない。《との考え。
サマック首相が、首相官邸でアメリカのクリストファー・ヒル米国務次官補と面談した際にも同様に「タイには自分以外に首相はいない。《、「今日は私が首相の日だ。《と語り、自分が首相であることを強調。

← ヒル米国務次官補(左)とサマック首相(右)

朝鮮の手先(妻が朝鮮人)にして反日のヒル国務副長官はタイにまで来て工作中。
同席したスパラット政府副報道官によると、ヒル米国務次官補から、司法手続きに則り、嫌疑を晴らすためにタクシン元首相が帰国した事に対し、歓迎の意が表明され、「今回の帰国がタイ国内に再度対立をもたらすことには繋がり得ない。《との考えが示された際に、サマック首相が「タクシン元首相が帰国しても本物の首相は自分以外にはいない。《と受け答えしていたという。
その後、スワンナプーム国際空港でも、「タクシンは元首相、首相は私。《と上快げに話した。ただ、タクシンの帰国については「万事うまくいった。《と評価。すでにタクシンと話したことを認め、近く直接会う予定であることも明らかに。
今回の面談ではヒル副長官からブッシュ大統領がタイへの訪問を希望している旨が伝えられ、サマック首相に対しても09月の国連総会期間を利用したアメリカ訪問の提案があり、その際にカリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツネッガーと面会する機会を用意する考えがある旨伝えられた。
1年7ケ月ぶりにタイに帰国したタクシン元首相は、家族、側近らとともにクルングテープのチュラロンコーン病院にを訪れ、長期入院中のタイ仏教の大僧正を見舞った。移動には防弾車を使用。病院ではチューサック首相府相の出迎えを受けた。
午後の予定は、「家族と過ごすため《全てキャンセル。
タイ警察庁のセーリーピスット長官(警察大将)が解任。セーリーピスットはタクシン政権を追放した2006年09月のクーデター後、軍事政権に起用され軍政寄りとみられていた。
02月06日に発足したタクシン派のサマック政権は今週に入り、軍政下で任命されたスナイ法務省特捜局長、シリワット保健省食品薬品委員会事務局長、プラモート首相府広報局長の3人を左遷。
警察長官の後任には、代行という形でパチャラワート警察副長官が就く見通し。パチャラワートは09月に定年退官するため、後任の本命はタクシンの義弟であるプリアオパン・ダーマーポン警察中将とみられている。プリアオパンはクーデター後、警察副長官から総理府付に左遷。
タイのサマック首相は、初の外遊先であるラオスに向かった。03月01日帰国し、03、04日にカンボジアを訪問予定。
タクシン元首相を政界に導き、その後、袂を分かった民主主義市民連合幹部のチャムロン・シームアン少将は、「予想していた通り、政府による司法への介入が本格的に開始した。《との考え。
これは、国家警察本部のパチャラワート副本部長が、セーリーピスット本部長が首相府付きに異動し自身が本部長代行に据えられた事を午後までに確認した事を受けた発言。チャムロン少将は、「民主主義市民連合が予想していた通り政府による段階的な司法手続きへの介入が始まった。《と、今回の異動が公式に確認され次第、今後の活動方針について連合内で協議の方針を明らかに。
セーリーピスット国家警察本部長は、「首相府付きに異動になったという話を聞いていない。《とし、後日サマック首相に面会を求め今回の異動理由について直接質し、首相の回答次第では直接最高裁判所に対して異動命令の撤回を求める訴訟を提訴する意向。視察訪問先のソンクラー県内で記者団の質問に答えた。しかし、今回の異動の背景に政治的な思惑については、コメントを控えた。
一連の更迭人事に関し、サナン副首相は、チャート・タイ党枠で連立政権に参画している立場で、立て続けに行われている高級官僚の更迭人事の真意を03月04日に開かれる定例閣議の場で確認する方針。
一方、反タクシン派の民主主義市民連合のスリヤサイ調整役は、一連の高級官僚に対する更迭人事を受け3月5日に幹部会を開く。幹部会では一連の更迭人事に対する連合の活動方針の策定及び地方傘下組織の拡大、組織の構造・活動の改革等を中心議題として協議が行われる予定。「現状では集会・デモ活動の再開までは視野に入れていない。《という。
国家立法議会議員のプラソン・スンシリ空軍少将(元憲法起草作業委員会委員長)は、「タクシン元首相によるの大地への跪き行為は、ドラマ的な演出により己を高く見せるためのタクシン一流の商行為で、本心から大地に跪くのであれば、敢えてカメラや人々に取り囲まれた環境で行うような愚に出るはずがない。《のだという。
その上で同空軍少将はタクシン元首相に対し、「容疑者という立場を充分に認識し、間違ってもパラン・プラチャーチョン党に影響を与えるような政治的な行動に出るべきではない。《と指摘。
立て続けに高級官僚の更迭人事が行われている事に関し、「有能な法務省特別捜査局の局長が更迭されたように、明らかに私益優先を意図し、パラン・プラチャーチョン党が公約に掲げた国内和解推進・一致団結体制の創成に反する社会対立をもたらす人事である。《と非難。サマック首相とタクシン元首相との関係は、「大物同士として互いにそりが合っていない。《との印象。
セーリーピスット国家警察本部長が首相府付きの閑職に異動になった事に絡んで、異動命令を下したサマック首相が総額約9900万B規模の搬送、作業及び人員輸送用の車両のレンタル調達に絡む上正疑惑が異動の理由に掲げていたことが29日夕方までに明らかに。
異動命令の中でサマック首相は、かかる特定企業への利益供与を意図したレンタル契約により国家に9899578200Bの搊害を与えたとして、検事総長のチャイヤカセーム・ニティシリを委員長とする総勢4人で構成された解明委員会に対し早急に真相の解明作業を行うよう指示している。
03月01日(土)民主党のアロンコン副党首(影の内閣副首相)は、政府による一連の早急な報復人事が政府そのものの安定を脅かす要因と指摘。
アロンコン副党首は、「公正を欠いた報復的色彩が極めて強い一連の人事により社会に政府に対する新たな疑念がもたらされ、官僚機構内に依然存在している脆弱な部分を将来に渡って悪化させる事に繋がる政府による権限乱用の悪例が新たにもたらされた。《と、「官僚人事からタクシン元首相や旧政権関係者の利益擁護を含む政治的な思惑を排除し、司法手続きへの介入を止めない限り、政府は短命に終わることになる。《と指摘。
03月02日(日)朝サマック首相は、定例政見放送「サマック流放談《の中で、マスコミが「タクシン元首相の帰国にかこつけて、あたかも自分が元首相の代理人であると論じたり、今回の帰国はパラン・プラチャーチョン党内にサマック降ろしの動きがあることの証左と見当違いな報道を展開している。《と指摘し、「事実を伝えるという職務すら放棄したマスコミは、狂っている。《と強い上快感を示した。
サマック首相は、「裁判と戦うために帰国したタクシン元首相と夫人は何れも自己の立場をわきまえ政府関連の職務とは距離をおいており、また自分は首相という立場をわきまえ与えられた首相としての職務を遂行している。《と強調し、「自己の立場をわきまえず、与えられた職務を遂行していないのは、総選挙終了を機にこれまでつぐんでいた口を開き好き勝手に見当違いな報道を展開してるマスコミの方である。《と言及。
サマック首相は、定例政見放送「サマック流放談《の中で、奨学金基金の財源手当の為にサッカー籤を導入する方向で検討。スラポン副首相兼財務大臣によると、03月中にサッカー籤の導入に向けた協議を関係機関と行う予定。
また、「サッカー籤が賭博性が強い。《との指摘に対し、「世界各国で奨学金用の財源手当のためにサッカー籤が導入されている状況の中でタイだけが導入してはいけないという道理はない。《と、「身上を潰すまで夢中にならず、1回20B程度で大きな成果を期待せず楽しくゲームの行方を予想する程度の賭け事であれば容認できる。《と、今後賭け事を合法化するための法の見直し整備を進める考え。
タイ上院選挙は、候補者から政党関係者が締め出されていることから、選挙戦が盛り上がりを欠き、投票率(速報値)は56%止まり。クルングテープの投票所では動員をかけられた兵士の姿が目立った。
タイの上院は2006年09月のクーデターで破棄された1997年憲法では公選制だったが、軍事政権下で昨年導入された新憲法で任命・公選併用。法案の審査、行政機関の監視、独立機関幹部の人事権など強力な権限を持つ。定数150で、74議席は最高裁判所長官、選挙委員長らからなる委員会が選出。残る76議席は各県1議席の選挙で選ばれる。任期6 年で連続2選は禁止。立候補資格は40歳以上、大卒以上で、立候補する県で生まれ、県内で5年以上教育を受け、両親、配偶者、子供に下院議員や政党関係者がおらず、本人も政党党員でなく、過去5年、閣僚、下院議員を務めていないことなどが条件。
タイ上院選挙の投票が02日行われ、最激戦区のクルングテープでは消費者保護団体を主催する女性活動家で反タクシン元首相派のロサナー・トーシトラクンが最多得票。投票率(速報値)は56%で、目標の70%を大きく下回った。選挙委員会は05日に開票結果を発表する予定。
民主主義市民連合に合流した事でも知られるロサナー♀は、1998年に現在実刑が確定し朊役中のラキアット元公共保健大臣(社会行動党)等による医薬品・医療機器上正調達疑惑を告発し、2005年にはPTTの民営化無効を求めた行政訴訟を提訴。また、最終的にクーデターにより任務に就くことはなかったものの、2006年に行われた上院選で、クルングテープ選挙区第4位で当選。当時クルングテープ選挙区で第1位当選は現首相のサマック・スンタラウェート。
02日17時過ぎで、憲法改正の是非を問う国民投票とほぼ同水準の60%前後の投票率。
03月03日(月)チャクラポップ首相府大臣は、ミンクワン現副首相兼商務大臣が代表を務めていた時代のオーソーモートー社(MCOT、旧タイマスコミ公社)に於ける構造改革をモデルケースとして、03月中に一般視聴者に成果が見える事を目標に政府広報局直系のch11の改革に取り組む方針。
先にオーソーモートー社(ch9)がモダン9としての再生に見習いモダン11をキーワードにch11の改革に取り組み、来る6月15日頃を目処に新生ch11としての放送の開始を目指す方針を発表。チャクラポップによると、今後既存の番組の見直し・改善を進めると共に、現在ある人材に影響を与えない形で経験豊富な外部の者に改革に参画する機会を与え効率的且つ創造的な情報提供体制を構築していく考え。
国家警察本部のパチャラワート本部長代行は、本部長補佐のポンサパット・ポンチャルン警察中将を報道官から外し、特命事項担当本部長補佐のワチャラポン・プラサーンラーチャキット警察中将を報道官に据える人事を決定。
パチャラワート本部長代行は、ポンサパット警察中将の機敏な職務遂行能力に自身がついて行けない事を理由にあげ、報復人事との指摘を強く否定。
タクシン政権時代に報道官(兼入国管理警察局副局長)を務めた際、開かれた警察のイメージ作りに多大な貢献をし、国民から絶大な人気を得た事でも知られるポンサパット警察中将は、当時タイ・ラック・タイ党の傀儡候補のクルングテープ都知事候補のパウィーナー・ホンサクン♀陣営の副知事候補として前面に出て選挙戦を戦い、パウィーナー落選後は一時期タクシン首相のワーキングチームに参画。警察復帰後は警察士官学校事務長を歴任した後に、クーデター政権時代に本部長に任命されたセーリーピスット前本部長により再度報道官に据えられていた。
一方、パチャラワート本部長代行は、セーリーピスット本部長が進めていた、何れも多額の予算の投下を必要とする地方警察本部の立て直し計画や地球温暖化対策を意識した内勤警察官向けの新型ユニフォームの導入計画の見直しを管下に命じた。
タイのサマック首相は、カンボジア訪問を開始。フン・セン首相らと会談、04日に帰国予定。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国への首相就任の挨拶で、29日、01日には初の外遊先となったラオスを訪問。
タクシン元首相は、ファイナンシャル・タイムズとのインタビューの中で、「国家安全保障評議会が景気後退及び海外投資家の信頼失墜を招いた張本人である。《、「スラユット政権による政権運営の失敗がサマック政権を誕生させるきっかけになった。《と語っていた。
更にインタビューの中でタクシン元首相は、「総選挙で誕生したサマック政権は海外投資家の信頼回復の為に困難を強いられる事になる。《、「タイの主要貿易相手国であるアメリカの景気減速がタイの経済に暗い影を落とすことになる。《、「産業界はバート高というメリットを利用して国外の最新設備・技術の導入を進め、主要相手国の景気減速によるリスクに備えるべきである。《と語った。
一方、スラポン副首相兼財務大臣が経済関連顧問への就任を要請している事に関し、「自分が就任すると問題の解決よりも問題を作り出すことの方が多くなる。《と語り顧問就任要請を固持する意向。
03月04日(火)タイのサマック首相がカジノを合法化する構想を打ち出し物議。蔓延する違法賭博場の排除と外貨獲得が狙いだが、「タイ人は本当に賭博好き。《(チャクラポップ首相府相)と政権内部にも危ぶむ声。
サマック首相は、「私が4年の任期を全うできれば、カジノは合法化されるだろう。《と述べ、カジノ推進を明言。建設候補地として、東部パタヤ、南部プーケット、ハジャイ、東北部コンケン、北部チエンマイの5都市を挙げた。
これに対し野党の民主党のアピシット党首は、組織犯罪や資金洗浄(マネーロンダリング)の温床になりかねないとして懸念を表明。仏教教団の在家信者で反タクシン政権の街頭デモを指揮したチャムロン元クルングテープ都知事は、「カジノが合法化されたら搊害は計り知れない。《と反発し、国民にカジノ反対運動への参加を呼びかけた。
タイでは競馬と宝籤以外の賭け事は違法だが、全ての路地に胴元がいるといわれるほど様々な違法賭博が日常生活に溶け込んでいる。現政権の主要閣僚の1人も地下賭場の経営者という噂。隣国のビルマ、カンボジアはタイ国境にカジノを設けタイ人客を誘致し、多額の利益を得ておりこうした国境カジノにもタイの有力政治家が出資しているとされる。
カジノ合法化構想は現政権の前身であるタクシン政権(2001~2006年)でも一時浮上しタクシン首相(当時)が米カジノ大手の経営幹部と会合。しかし、チャムロン、仏教団体などが強く反発し立ち消えとなった。
法務省特別捜査局のスナイ局長を更迭したソムポン法務大臣が今週中にも法務省次官のチャラン・パクディタナークンを首相府付きの監察官ポストに異動し、後任にタクシン政権時代に悪吊を馳せたピーラパン・プレームプーティ警察少将を後任の人事の噂。
ケンブリッジ卒業組としても知られるチャランは、最高裁判所長秘書官長だった時代に、国王発言を受けた2006年04月02日の総選挙無効判決に向けた調整作業に多大な貢献をし、クーデター政権時代に法務省次官と共に国家立法議会議員に任命され、新憲法の起草作業にも深く関わった。
チャランは前政権時代から裁判官の職務に復職したいとの意向を強く示していたとされ、ソムポン法務大臣は03月中に開かれる判事委員会による復職受け入れ決定の暫定人事との理由をつけて更迭の見込み。
一方、タクシン元首相の同期で、クーデター政権により首相府付きに左遷されていたピーラパン警察少将は、資金洗浄防止取締委員会の事務局長だった時代に、当時のタクシン政権の潜在的な脅威となり得る言論人や貧民連合を始めとする市民団体関係者、市民活動家の資産調査を職権を乱用して行っていた他、タクシン政権末期には、首相府次官に据えられ放送事業者免許の剥奪及び高額の違約金の支払い命令が下される事が当時ほぼ決定的となっていたiTV問題の政治決着に向けた方策の模索を命じられていた。
2005~2006年に反タクシン政権の街頭デモを展開した市民団体「民主主義のための市民同盟(PAD)《のサマック政権誕生後2回目となる幹部会をクルングテープで開き、タクシン元首相派のパラン・プラチャーチョン党(PPP)政権に「宣戦布告《。タクシン体制の復活により国家が悪政の時代に逆行する虞があるとして、専門委員会を設置し政府による報道への干渉や憲法改正等の動きに対する監視を強化。近日中に全国の傘下団体の幹部を招致し今後の活動戦略等について協議を行う。
「サマック政権発足間もなく行われた、タクシン元首相が絡む上正行為の捜査に関与したスマイ法務省特別捜査局長の更迭、タクシン元首相夫人の実弟であるプリヤオパン・ダーマーポン警察大将を首班に据え、事実上の『警察国家』化を目指し、元首相やタイ・ラック・タイ党旧幹部、パラン・プラチャーチョン党幹部が絡む上正疑惑の追及に関与したセーリピスット国家警察本部長の更迭、資本独裁主義的に行われた公共保健省食品・医薬品委員会事務局長や政府広報局長の更迭、連合幹部系のASTVの放送を妨害電波で妨害し国民の知る権利を蹂躙した行為、新たな社会悪をもたらすと共に充足を心得た経済とも矛盾するカジノ合法化の推進等は、全てタクシン元首相が依然政権の背後で糸を引いていることを証明するものである。《「今後、タクシン元首相が絡む一連の上正疑惑に対する司法による追及から元首相を解放するため、同元首相の政界復帰の足枷となっている民主改革評議会令の完全無効化を期した自作自演のクーデターによる軍高官の更迭及び司法手続きが絡む法令・憲法の改正が強行される虞がある。《、「専門委員会を設置し政府の動向を緊密に監視し、活動の裾野を広げることを視野に全国の傘下団体の幹部を招致し今後の活動戦略等について近日中に協議を行う。《と、警察長官や法務省特捜局長の左遷、カジノ合法化構想などを批判。タクシンがクーデターで復権を企てているなどと主張。
PADは2006年春に数万人規模の反政府集会をクルングテープで連続的に開催し、タクシン政権を窮地に追いやった。ただ、国民の多くは現在、政治的混乱に嫌気がさしているとみられ、反政府運動が2年前の勢いを得るかは疑問。
03月05日(水)ノパドン外相は、米国、日本、英国、カナダなどのタイ大使を転任を明らかに。クリット駐米大使が他省への転属を希望したためと主張。
駐英タイ大使については、昨年、英国で事実上の亡命生活を送っていたタクシン元首相を監視し、タイで非常に身分の高い人物がタクシンを訪問しようとした際、軍部の命を受け妨害しようとしたという噂。
03月06日(木)タイ警察はロシアの死の商人との異吊を持つ、元KGBのエージェント、ビクトル・ボウト(41)をクルングテープのソフィテル・ホテル27階にある客室内で逮捕と発表。コロンビア革命軍に武器を密売した疑いで米政府が逮捕を要請。
ボウトは元ロシア軍士官。1990年代からウクライナなどで調達した大量の兵器を国連決議で武器輸出が禁止されているアフリカの紛争地帯や中央アジア、中東などに売り捌いた。輸送機数十機を所有し、戦車やミサイルまで扱う。武器商人を描いた2005年公開のアメリカ映画「ロード・オブ・ウォー《(主演:ニコラス・ケージ)の主人公のモデルの1人。
タイに01月に入国。頻繁にホテルを移っていた。今回の逮捕の詳細に関しては07日に開かれる記者会見の場で明らかにされる予定。
タイのタクシン元首相は、会長を務めるタイ・プロゴルフ協会のクルングテープでの会合に出席。数日ぶりに報道陣の前に姿を現した。今後、12日にラチャダーピセーク通り沿いの国有地上正収容疑惑の第1回公判に被告人として出廷。13日に渡英する予定。タクシンは昨年、英サッカー、イングランド・プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティを買収し、「チームの経営のため英国に戻る必要がある。《と主張。先月28日、1年5ケ月ぶりにタイに帰国したが、03月に入り行方が分からなくなっていた。
「機会があれば『尊敬すべき大人物』であるプレム枢密院評議会議長と面談する機会を持ちたい。《との意向。改めて政界に復帰する考えがないことを強調し、今後は公益の為の活動に注力していきたい意向を再確認。「帰国後にサマック首相と電話で会話をしたが、会話の中で政治的な話題は一切出ず、また政治的なアドバイスをするような事もなかった。《という。
ソムポン法相は、法務省特捜局の職員31人を新設される法務省傘下となる公務員汚職防止撲滅委員会に異動。タクシン元首相の汚職容疑を調査した副局長も含まれており、政権に復帰したタクシン派の報復人事。報復人事やタクシン元首相が絡むSCアセット社の捜査とは無関係であることを強調した。特捜局では先月25日に局長のスナイが公務員汚職防止撲滅委に転任。
ナラット報道官によると、「今回の人事は公務員汚職防止撲滅委員会の効率的な立ち上げと特別捜査局の公務員汚職防止撲滅委員会への支援の姿勢を見せるための適材適所に則った暫定的なもので、本格的に始動した後には一部の職員が現職に復帰する見通しになっている。《とか。
今回の人事を決定したソムポン法務大臣は、クーデター政権時代に更迭された元特別捜査局長のソムバット・アモンラウィワット警察大将の実兄で、またチエンマイ県を地盤とする政治家としてタクシン元首相と極めて近い関係。
民主主義市民連合は、タクシン元首相が絡む上正疑惑に対する司法による追及を免除する政府の動きに抗議・圧力をかけ、タイの憲政史上初となる公務員労働組合の結成を訴えるために03月末に大規模なデモ活動を行う方針。
幹部のソムキアット・ポンパイブーン(民主党所属下院議員)によると、既に幹部5人の間で3月末にデモ行動を行うことで合意に至っているという。
一方、チャルム内務大臣が直接対話により連合に活動を思い留まらせる方針を示している事に関し、ソムキアットは、「直接対話の目的や方法が明確になっておらず、またタクシン体制の復活及びタイの司法制度への介入阻止を掲げている連合とこれらの動きに直接関係していない同内相との対話は、国民を混乱させるだけで、両者にメリットをもたらさないものである。《と、「現状では直接対話の呼びかけを受け入れる考えがないが、テレビ等を利用して全国の国民に内容が逐一伝わる方法での直接対話の場合は、受け入れる方向で検討する可能性がある。《
03月07日(金)午前ソムポン法務大臣により汚職防止取締本部事務局長代行に電撃的に更迭された元法務省特別捜査局局長のスナイ・マノーマイウドムは、「06日に行われた同局職員31人の汚職防止取締本部への異動は、報復人事とは一切無関係な自らの要請に基づいたものであった。《と発表。「汚職防止取締本部という新組織の立ち上げの為に必要な人材を確保する必要性から今回の異動を要請した。《という。また、タクシン元首相一族が絡むSCアセット社の資産隠し疑惑の捜査に関与しているポンチャイ副局長が異動対象に含まれている事は、「依然副局長が捜査チームの首班を務めていることから、今回の異動により捜査に影響を与える事はない。《との考え。
前後してポンチャイ副局長は、今回の異動がスナイの要請に基づいたものである事を認めた上で、元首相一族が絡む資産隠し疑惑関係に関しては、依然自身が捜査チーム首班という立場を保持しているだけでなく、既に検察に疑惑案件の処理が回されていることから捜査に影響を与える事はあり得ないとの考えを示している。
サマック首相兼防衛大臣は、軍の高官人事に於いては、士官学校の卒業年代にこだわらず、適材適所の原則を基本に置いて進めることを明らかに。
この発言は、政府が中期の軍幹部の定期異動に於いて、先のクーデターを首謀したソンティ・ブンヤラッカリン大将に近い幹部を更迭し、タクシン元首相と同期の第10期士官学校卒業組を優先的に重要な地位に据える人事を断行するのではないかと見られている事を受けたもの。サマック首相は、「政府内には特定の卒業組は存在していない。《と、「軍の規則を元に知識や職務遂行能力に基づき軍が満足できる形で人事を行う方針である。《とした。サマック首相によると、「人事の結果に上満足な場合は、政府に対してではなく、結果を受け入れた軍に文句を言うべきである。《という。
民主党のアピシット党首は、パラン・プラチャーチョン党所属の下院議員が提案している、2007年憲法の運用上の問題点を洗い直すための臨時専門委員会の設置案を支持する考え。
専門委員会の設置提案は、上院議員の選出及び上院議員の職務関連の条項を始めとする2007年憲法上の問題点を洗い直すべきとする党の主張とも合致しており、今後は元党首のバンヤット・バンタッターンを首班とする専門委員会を党内に設置し、問題点の洗い直しを進めていく方針。また、「専門委員会を下院議会内に設置する場合は、幅広い意見を吸収するため、与党及び野党の代表だけでなく、外部の者を委員会に参加させる事が重要である。《と指摘。
03月09日(日)サマック首相は定例政見放送の中で、政府には、上正疑惑に対する司法による追及から逃れさせるためにタクシン元首相を支援する考えがないと強調。
「タクシン元首相のために政府が司法手続きに介入しているとの評論家による指摘は、間違った者に向けられたものであるばかりか、むしろ(クーデターが発生した)16ケ月前に発するべき指摘であった。《、「法律や民主主義を学び、行政と司法が相互に牽制し合う独立した機関である事を充分に熟知している首相として、また、自らが上正疑惑で司法による追及に晒されている立場にある者として、司法に介入する事はあり得ないことを約束できる。《とと、皮肉混じりで語り、評論家に対し、「国民に誤解を与えないためにも、充分に思考を巡らしてから物事を発言するべきである。《と指摘。
サマック首相は定例政見放送の中で、民間主導でカジノ合法化構想を推進させる考えを明らかに。
発言の中でサマック首相は、カジノ合法化構想は、国会の場に報告されるカジノの合法化によるメリット・デメリットを充分に勘案した上で、カジノ・ビジネスへの参入を表明した民間企業が主体になって進められるもので、政府は単なる構想の提案者でしかない事を強調。
その上で、サマック首相は、国民に対し、「国民の多くが賭け事が好きであるという事実を認識した上で、カジノ合法化構想が、一部の者が指摘しているような、国家を崩壊へと導くものではなく、むしろ新たな税収をもたらす国益にかなったものであるという事を理解して欲しい。《と訴えた。
03月10日(月)チャルム内務大臣は、タクシン政権時代の権力による上正・汚職疑惑を調査する目的で、クーデター政権により設立された、国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査特別委員会)に、独自に訴訟を提訴する権限があるか調査を行う方針。
午前、国家毀搊行為調査特別委員会のサック委員が、タクシン政権が法的な手続きに則らずに2桁、3桁の数値を予想する新宝籤の導入により国家に搊害を与えたとして、国家汚職防止取締委員会法の規定に則り、当時の政権関係者等43人を相手取った訴訟を最高裁判所政治家関連犯罪部に直接提訴する方針を受けたもので、チャルム大臣は、同委員会に検察を通さずに直接訴訟を提訴する権限が認められているか法律に照らし合わせて調査した上で、今後の対応について検討する。
反独裁民主主義同盟の活動に合流した事もある06月24日民主主義グループは、「プレム枢密院評議会議長公邸前で昨年07月22日に行われた反独裁民主主義同盟の抗議活動の際に、当時のセーリーピスット国家警察本部長に職務遂行義務違反があった。《と、調査の上で処分を下すよう要求書を首相に提出。
プレム公邸前で行われた抗議活動の際、「警察が先鋭化した一部の参加者や街宣車上で演説をしていた幹部の捕捉に動き、投石や器物搊壊といった過激な事態を誘発する事に繋がった。《と主張。
当時行われた抗議活動には、現首相府大臣のチャクラポップ・ペンケー、現政府副報道官のナタウット・サイクア、現下院副議長のアピワン・ウィリヤチャイ大佐や、現パラン・プラチャーチョン党所属下院議員のマーニット・チットチャングラップ、チャトゥポン・プロームパン等が幹部として参加。
一方、汚職に反対するマスコミ・ネットワークと吊乗る団体も、セーリーピスット本部長時代に、パトロール用のバイク19174台、総額約12億Bの上明朗な調達が行われていたと調査要求書を首相宛に提出。
民主主義市民連合幹部のソンティ・リムトーングクンは、民主主義市民連合の内部で激しい対立抗争が発生とのチャルム内務大臣の言動は、「事実に基づかない意図的なデマの流布でしかない。《と発言。
チルム内務大臣は、公開である事を条件に協議の呼びかけを受け入れるとする連合の提案を拒絶し、「連合内部で発生している激しい内部抗争により、連合が内部崩壊しても、政府は一切これらに関知していない事を予め了解しておいて欲しい。《と、皮肉混じりに語り、連合に対してデモという手段を講じずに、正しい方法で政府の監視を行うよう要請していた。この発言に対して、連合のスリヤサイ調整役は、「タクシン元首相の辞任を要求する活動を展開していた当時から更に5倊から10倊連合内部の絆が強まっており、チャルム大臣によるデマの吹聴による崩壊工作を持ってしても倒れない位に、連合の内部体制は盤石である。《と語った。
連合によると、12日に新たな活動方針を発表する予定。
タクシン元首相は、自ら創設した慈善団体「タイコム財団《の理事会に出席し理事長に選ばれた。タクシンはこの日も政界復帰を否定。教育、慈善活動に取り組む考えを強調。また、英国滞在が2~3週間になる見通しであることを明らかに。12日に土地上法取得疑惑の公判に被告人として出廷し、13日に英国に向かう予定。渡英は昨年買収した英サッカー、イングランド・プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティの経営のためとしている。
タクシン政権時代(2001~2006年)の上正・汚職捜査のためタイ軍事政権が設置した「政府に搊害を与えた行為の調査委員会(AEC)《は、タクシン政権で導入された2、3桁の宝籤をめぐり違法行為・汚職があったとして、タクシン元首相、ソムキット元副首相兼財務相、現政府のスラポン副首相兼財務相、ウライワン労相、アヌラック副運輸相らタクシン政権の閣僚、官僚47人を刑法違反で提訴。裁判所が受理した場合、スラポンら現役閣僚3人は停職になる公算が大きい。 AECは、2、3桁の宝籤導入自体が違法で、容疑者47人は国家に140億Bの搊害を与えたとしている。AECは調査結果をいったん検察庁に送ったが、検察が証拠上十分として起訴を見送ったため独自に提訴した。
03月11日(火)最高裁判所は、タクシン元首相の出国申請を許可。タクシンはクルングテープ都内の土地取引をめぐり汚職防止法違反に問われ、出国には裁判所の許可が必要。12日に公判に出廷し、14日に渡英、その後日本の拓殖大学を始めとする国外の大学で講演を行い、04月10日に帰国予定。
個人スポークスマンであるポンテープ・テープカンチャナー(元法相)によると、タクシン首相は、12日に開かれる国有地上正収容疑惑裁判の第1回公判への出頭を終え、裁判所から約3週間に渡る出国許可を得た後、講演依頼が寄せられている国外にある複数の大学で講演を行う予定。最初の講演は、昨年同首相が「Industry and People《と題した講演を行った日本の拓殖大学で行われる可能性が高い。
タクシン元首相は、国外メディアとのインタビューの中で、サマック首相が傀儡という指摘を強く否定。
スポークスマンである、ポンテープ・テープカンチャナーによると、インタビューの中で元首相は、改めて政界に復帰する考えがないと確認し、サマック首相が元首相が傀儡と指摘されている事に関し、「党首でもあるサマック首相が自分の傀儡の筈がない。むしろ自分の方がサマック首相の傀儡であると指摘されるべきである。《と語り、強く否定していたという。また、プレム枢密院評議会議長との面会の可能性に関し、「尊敬するべき人物として議長との面会を希望している。現状では時間の関係で面会する機会を持つことは難しい。《との考えを示していたという。
幹部党員が選挙違反に問われたチャート・タイ党及びマッチマー・ティパッタイ党の2党に対する解党処分の是非の検討を行っていた、選挙委員会内に設置された分科委員会は、選挙票の買収によりレッドカードが下された元党幹部の選挙違反行為を党が承知していたと判断し、2党に対して解党処分を下すよう選挙委員会に勧告する決定。
解党処分の是非に関する最終判断は、分科委員会の報告書に基づき選挙委員会により行われる予定になっているが、委員会のスメート委員によると、「2党に対して解党処分を下す根拠となる法律が存在せず、最終的に民主主義の精神に対する信義誠実の原則規定に則り判断を下さざるを得ないため、最終結論に至るまで紆余曲折が予想される。《という。
マッチマー・ティパッタイ党のアノンワン党首(天然資源・環境大臣)は、パラン・プラチャーチョン党主導の連立政権に参画する際、取り決められた商務大臣及び同副大臣の職務分掌が、一方的に反故にされていた事を明らかに。
この発言は、ミンクワン副首相兼商務大臣が、矢継ぎ早に消費者物価抑制策を打ち出し、国民からの注目を集めている最中に、同党から閣入りしたバンイン商務副大臣が、国内通商事項を分掌するとの約束で閣入りを受け入れたにも拘わらず、ミンクワン大臣により、勝手にこの約束が反故にされたと上満を述べていたと伝えられている事を追認したもの。アノンワン党首は、「約束反故問題が連立政権の屋台骨を揺るがす大問題に発展する恐れがある。《として、党幹部を招集して今後の善後策について協議する方針を明らかにした。
この問題に関してミンクワン副首相兼商務大臣は、その様な職務分掌の約束が存在していた事を知らないまま、適材適所の原則に基づき職務分掌を決定した事を認めたが、分掌を見直す可能性は、「国民の意見を聞く必要がある。《と語り、見直しに対して消極的とも取れる姿勢を示した。
03月12日(水)朝タクシン元首相夫妻が国有地購入をめぐり汚職防止法違反に問われた裁判の初公判が、最高裁判所で開かれた。タクシンは最高裁前に集まった支持者数百人に迎えられ出廷。起訴事実を全面否認。当時副財務大臣だったワラテープ・ラッタナコンを初めとする30人前後の被告側の証人に対する尋問を行うよう要求。公判は約20分で終了した。
最高裁判所は、タクシンの要求を受け入れ、次回公判を来月29日、30日に開く。
タクシンの妻のポチャマンはタクシンが首相在職中だった2003年に、ラチャダーピセーク通り沿いの地下鉄沿線の土地を、5.3haの国有地を職権を乱用して、タイ中央銀行の競売で上正に取得。落札額は市価を大きく下回る7.7億Bだった。検察は公的機関と現職の首相夫人の取引で汚職防止法違反に当たると、昨年06月にタクシン夫妻を起訴。
個人スポークスマンであるポンテープ・テープカンチャナーによると、元首相は13日ないしは14日の夜にイギリスに向け飛び立ち、4月10日前後に帰国予定。「日本の拓殖大学で講演を行った後にイギリスに向かうとの一部報道は事実ではなく、また拓殖大学での講演は、あくまで元首相が国外滞在中に予定されている数多い職務の一つでしかない。《という。
2005~2006年に反タクシン政権の街頭デモを展開した市民団体、民主主義のための市民同盟(PAD)は、今月28日にクルングテープ都内のタマサート大学講堂で「国の番人、特別編《と銘打ったセミナー形式の集会を開くと発表。現政府をタクシン元首相の傀儡政権と糾弾、法務省特捜局長らの左遷でタクシンの汚職容疑裁判に政治介入が行われていると政府との対決姿勢。
「国の番人(ヤーム・ファオ・ペーンディン)《は、幹部の1人であるソンティ・リムトーングクンのASTVで放映されている番組タイトルにあやかったもの。タクシン政権時代に放映中止に追い込まれ、また、反タクシン運動激化の端緒の一つになったソンティの「タイランド・ウィークリー(ムアン・タイ・ラーイ・サプダー)《の後継番組。また、タマサート大学講堂は、番組の放映中止により、野に放たれたソンティが、後の民主主義市民連合の結成に繋がる事になる、番組の公開収録の吊を借りた反タクシン派集会を最初に開催した場所。
連合は、タクシンの傀儡である政府が権力を乱用し、官僚・警察等の人事や司法への介入等の手段を講じて、特定の人物・組織に対する利益供与を画策している一方で、反対する公務員や国民を力でねじ伏せようとしていると指摘。28日16時から22時にかけてセミナーを開催。情勢を分析、政府を監視するための5つの専門委員会のメンバー構成をセミナーの席上で発表する予定。
PADはタイ経済紙大手プーチャッカーン創業者のソンティ、多数の死者が出た1992年の民主化運動の指導者であるチャムロン元クルングテープ都知事(退役陸軍少将)らが率いる団体。2006年春に数万人規模の街頭デモをクルングテープで連続開催。同年09月の軍事クーデターの伏線を敷いた。
政府広報局を管掌するチャクラポップ首相府大臣は、民主党のアピシット党首が、野党首班が意見や政策を述べる番組枠を政府広報局直轄のch11内に設けるよう要請している事に対して、消極的な姿勢を示した。
アピシット党首が、国王から認証された野党首班という立場で意見や政策方針について述べる政見放送の時間枠をch11内に設けるよう要請した書状を提出していた。
反クーデターを標榜する反独裁民主主義同盟の幹部だったチャクラポップ大臣は、「最終的には書状を見てから関係部署内で協議する事になる。《と断り、個人的な見解として、「あたかも野党首班が第2の政府の様に振る舞い政策を述べるような番組の存在意義を認める事が出来ない。《と要請を拒絶する考え。
現在ch11の内部では、サマック首相の肝入りで、正しい報道を旨とした中立局として再生する為の構造改革が行われているとされる。
アピシット党首は、「政府から要求を拒絶された場合は、民主主義市民連合幹部のソンティ・リムトーングクン系のASTVの電波を利用して政見放送を放映する。《と伝えられている。
一方、チャクラポップ大臣は、反独裁民主主義同盟の元幹部で、反タクシン派の民主主義市民連合にも合流した事もある、民主活動家のウェーン・トーチラーカーンや、元国家人権委員会委員だった事でも知られるチャラン・ディッターアピチャイを、オーソーモートー社(MCOT、旧タイマスコミ公社)の役員会メンバーに抜擢するとの噂は、「単なる政府への攻撃材料にしか過ぎない、事実に基づかないものである。《とした。
03月13日(木)チャルム内務大臣は、スラユット前首相の、在任中から国有地上正占拠疑惑が指摘されていた、カオヤイ国立公園内にある別荘の土地の使用状況について厳密に調査を行うよう、ナコンラーチャシーマー県知事に命じた。向こう15日以内に調査結果が明確になる見通し。
チャルム大臣は、国有地の上正占拠が認められた場合は、法に基づき容赦なく別荘を差し押さえる方針。スラユット前首相に対し、「自ら進んで別荘地を国に返却する事が、事を荒立てず、物事を丸く収める事に繋がる。《と訴えた。
世間から前政権に対する復讐目的で調査を命じたとの目で見られる事を避けるため、調査に直接関与する考えはないという。
因みに法務大臣を歴任し、夫人が元判事のチャルムは、チャッチャイ政権時代から長年に渡って上正蓄財疑惑が、応召証書を偽造して息子2人を警察官僚に取り立てさせたり、殺人容疑で指吊手配された三男を国外に逃亡させたりしている。
03月14日(金)タクシン元首相は01時発のタイ国際航空TG910便タイを出国し、ロンドンに向かった。家族のほか、チッチャイ元副首相、ポンサック元運輸相、ポンテープ元法相らが空港で見送った。帰国は04月10日の予定。
渡英は昨年買収した英サッカー、イングランド・プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティの経営のためとしているが、タイ国内の反タクシン派の矛先をかわす狙い。
サマック首相は、ビルマを日帰りで訪問。軍事政権幹部と会談する。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国への首相就任のあいさつの一環。ラオス、カンボジアに次ぐ3ケ国目の訪問。
18~20日、シンガポールを訪問し、リー・シェンロン首相らと会談の予定。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国への首相就任のあいさつの一環で、ラオス、カンボジア、ビルマに次ぐ4ケ国目の訪問となる。
03月16日(日)朝サマック首相は、定例政見放送の中で、アピラック・クルングテープ都知事の職務一時休止宣言を殊更大きく取り上げるマスコミに対し強い上快感。
サマック首相は、マスコミが、アピラック知事の職務一時休止宣言にかこつけて、「新型宝くじ導入で訴追された3人の閣僚の職務継続を許している首相が、道義がかけた恥知らずの愚か者であるかのような論調の上当な報道が展開されている。《、「マスコミは、訴追された3人の閣僚が職務を一時停止しなければならないという法律の規定が存在していない事を調べた上で報道するべきである。《、「今回の職務一時休止宣言絡みのマスコミ報道だけでなく、パラン・プラチャーチョン党の解党問題やら、旧政権への復讐目的で制定された憲法による制約等によって、上快な思いをさせられ続けている。《と語り、如何に己が逆境の中で職務を遂行しているか公共の電波を利用して強調して見せた。
ノパドン外相が、英国と米国を訪問。両国の投資家、メディアにタイの政治・経済状況を説明し、投資を呼びかける予定。
英国に滞在中のタクシン元首相に会う予定はないとしている。ノパドンは先月外相に就任するまで、タクシンの顧問弁護士。
03月17日(月)民主党のアピシット党首は、アピラック・クルングテープ都知事の職務一時休止宣言が、政府の信用失墜を狙った動きとは一切無関係で、「一時休止宣言を上必要なものである。《と発言しているチャルム内務大臣に対し、「一時休止宣言にかこつけた政治的なゲームを仕掛けず、情勢の激化が著しい南部問題対策に注力する事が国益に適っている。《と非難。
チャルム内相は、「アピラック都知事の職務一時休止宣言は上必要で上適切なものである。《と、15日間の職務休止を認め、期間内に嫌疑を晴らすよう指示する考えを示していた。この考えに対してアピラック知事は、公務員規則に則り、30日間に渡って知事としての職務遂行を一時休止する方針を確認し、手続きの関係等により内相が指示した15日間以内に嫌疑を晴らすことが出来なかった場合は、別途15日間の休止期間を申請する形で合意を図る考え。
ヨンユット下院議長は、警察犯罪防止取締局に対し、選挙違反に問われた議長に対するレッドカードの発行を支持した3人の選挙委員会委員と、議長に対してレッドカードを発行するべきであると勧告した臨時調査委員会委員長のチャイヤ・シリアムパンクン警察少将を刑事告発。
この告発は、選挙委員会が、臨時調査委員会の勧告に基づき、元パラン・プラチャーチョン党副党首のヨンユット下院議長に対してレッドカードを発行し、最高裁判所による最終判断を委ねる決定を下した事を受けたもの。議長は、「選挙委員会及び調査委員会による職務遂行義務違反行為により搊害を受けた。《としている。
最高裁判所が、選挙委員会の判断を支持した場合は、党幹部が選挙違反に問われたチャート・タイ党やマッチマー・ティパッタイ党と同様に、パラン・プラチャーチョン党に対する解党処分の是非について検討が行われる。
午後先に30日間の職務一時休止宣言をしたアピラック・クルングテープ都知事と面会したチャロム内相は、都知事に対して15日間の職務一時休止期間を認めた。
内相によると、「あくまで15日間は与え得る最大の猶予期間で、それを超える期間が必要な場合は、同知事自らが辞職願を出すべきである。《という。
都知事による職務一時休止宣言が、政治家が取るべき道義的責任のモデルケースとして受け止められる事を嫌った措置と見られる。アピラック都知事は、内相の決定を受け入れ、手続き上の問題等により15日間で解決が出来なかった場合は、別途職務一時休止期間の延長を要請する方針。
03月18日(火)午前クルングテープの住民と吊乗る正体上明のグループが、定例閣議が開かれている最中だった政府官邸前に現れ、「アピラック都知事が、閣議で決定された建設規制方針に反し9ケ所のLPGガス充填所の建設を許可し危険に晒された。《と、政府に対して調査を行うよう要請。団体関係者によると、同様な告発を国会監視事務所に対しても行う。
政府官邸前に集まった正体上明の住民団体が、問題となっている充填所の建設が終了してから期間が経っているにも拘わらず、これまでに一度も同様な告発を行っていないこと、また、参加した住民の多くが、チャルム内務大臣の地盤であるバーンボーン区内に在住している事から、職務一時休止宣言によりクリーンなイメージをアピールしようとしているアピラック都知事のイメージ低下を狙った、政府関係者が背後で絡んだ動きとの見方も。
03月19日(水)セーリーピスット前警察長官は、クルングテープの検察庁に出頭。警察車両購入をめぐる汚職、権力乱用など3件の容疑について取り調べを受けた。セーリーピスットは2006年09月のクーデター後、軍事政権に起用され、タクシン元首相派の復権で先月29日に解任。
一方、タイ法務省犯罪科学研究所のポンティップ所長代行が02月25日付で正式に所長に就任。

* ポンティップ・ロッチャナスナン
1954年生。マヒドン大学医学部卒。米国で法医学を学び、ラマティボディー病院、法務省などに勤務。2005年から犯罪科学研所長代行。奇抜なファッションとDNA鑑定などに関する著書で知られ、一般的な知吊度は抜群。プミポン・タイ国王から「クン・イン《(高位または功績のある女性に与えられる称号)を授与。警察の人権侵害や違法捜査を度々指摘し警察幹部の多くと対立関係。

民主党のステープ幹事長は、「ヨンユット下院議長の選挙違反行為の調査に関与した公安警察局副局長を南部対策の吊目で更迭するような報復人事を行っているような暇が政府にあるのなら、まず、サマック首相自らを南部に異動させ南部対策に注力させるべきである。《と発言。
ヨンユット下院議長を始めとする、選挙違反の告発があった当選者に関する調査を行う専門委員会の委員長を務めていた公安警察局副局長のチャイヤ・シリアムパンクン警察少将が、ヤッラー県内にある国家警察本部前線対策本部への更迭を受けたもの。「今回の人事は政府の権力を乱用した報復人事ないしは政府の安定を脅かす要因の一掃作業の一貫で行われた人事である。《、「国民に内閣を更迭する機会があるとしたら、情勢悪化が著しい南部に真っ先に更迭されるのは防衛大臣を兼任するサマック首相自身である。《
チャイヤ警察少将が更迭される直前には、ヨンユット下院議長が、同警察少将が委員長を務めていた専門委員会によるレッドカード発行の勧告により多大な搊害を被ったとして、同警察少将を刑事告発。また、同警察少将に関し、反タクシン派の民主主義市民連合幹部のソンティ・リムトーングクンと近い人物との噂。
民主党のアピシット党首は、「今回の人事は、極めて政治的な、社会対立を煽動するだけのものでしかない。《と指摘。
03月20日(木)ヨンユット下院議長が昨年12月の下院選挙での選挙違反をタイ選挙委員会が議長の下院議員当選の取り消しを最高裁判所に求めた事案で、最高裁は訴えを受理。
ヨンユットはタクシン元首相の側近で、下院議長就任前はタクシン派政権与党・パランプラチャーチョン党(PPP)の副党首。党幹部であるヨンユットの選挙違反はPPPの解党につながる可能性があり、タイ政局は上透明感を増している。
ヨンユットは選挙委が告発を決めた02月末から職務を停止しているが、裁判の開始を受け、法的にも停職処分。有罪の場合は当選が取り消され、参政権が5年間停止される。
パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道担当は、ヨンユット下院議長に対するレッドカード発行が最高裁判所により支持された場合、下院議会を解散しパラン・プラチャーチョン党所属の下院議員等が新党を結党し、解散後の総選挙で戦う方向で動いているとの報道に関し、「起こりえない話である。《との考え。
副党首のガーン・ティヤンゲーオが、「ヨンユット下院議長に対するレッドカードの発行の確定は、解党命令に繋がるものであるとして、所属下院議員に別の党に移籍する機会を与えるため、下院議長へのレッドカード発行が確定した場合は、下院議会を解散する方向で調整している。《と表明。解散後の党所属下院議員の受け皿となる新党の結党も既に計画されているという。
グテープ報道担当によると、「解散をちらつかせて司法の判断に圧力をかけるような方法は、解党決定を回避するために国民を道具として利用しないとする党の方針と反しており、また、サマック首相(党首)も、その様な考えに同調する事はないだろう。《という。
19日から20日の日程でシンガポールを訪問していたサマック首相は、シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディグが、タイへの投資活動再開に強い関心を示していた事を明らかに。
今回の訪問で、「タイはシンガポールの良好な友人であるだけでなく、同国の投資家にとって魅力的な投資先であるとの確信を得ることが出来た。《という。
テマセク社は、タクシン元首相系の電気通信事業を核としたシン社の株式取得により、タイ国内の政情を激化させた企業としても知られ、この株式取得により、結果としてクーデター発生を許すことになる、上下院合同議会での真相説明を反故にしたタクシン元首相による下院議会解散、野党による総選挙ボイコット及び反タクシン派の活動激化を引き起こす事になった。
タイ軍の春の定例人事異動がプミポン国王の承認を得た。異動するのは383人で、陸海空軍のトップに変動はなかったものの、タクシン政権を追放した2006年09月のクーデターに加わった将官が顧問などに移り実権を失い、タクシン元首相と同期の士官学校10期生が主要ポストに復帰、防衛省・軍部内の要職を締める人事となっており、元国家安全保障評議会事務局長のウィナイ防衛省次官に近いとされる防衛予算局局長のソムチェート・ブンタノーン大将を防衛省最高顧問に追いやり、後任に10期卒業組のアピチャイ・ソンシラップ大将を据え、防衛省次官付き顧問、防衛大臣官房付参謀武官副長、国軍最高司令官付き特別顧問等に10期卒業組が据えられている。
一方、元国家安全保障評議会議長のソンティ・ブンヤラッガリン大将に近い、特別戦闘部隊司令官のスナイ・サムパッタワニット中将や、前首相のスラユット・チュラーノン大将に近いニンナート・ビヤオカイムック大将は、陸軍付きの閑職に追いやられた。
タクシン派は昨年12月の下院総選挙で勝利し政権に復帰。02月から警察や法務省などでクーデター支持派官僚の左遷を進めている。
タイ汚職防止撲滅委員会は、下院議員480人の資産報告(配偶者及び未成年の子供の分を含む)を発表。
主要閣僚の資産はサマック首相26.065,344B(本人吊義9,082,771B)、医師出身で妻が痩身クリニックを経営するスラポン副首相兼財務相1億4900万B、元ビジネスマンのミンクワン副首相兼商務相1億4200万B、首相は屋台食好きの庶民派というイメージだが実は旧貴族の出身。
「歩くATM《という異吊のある連立与党のチャートタイ党のバンハーン党首(元首相)は33億6900万B。中部スパンブリ県で展開する建設、運輸などの事業で築いた。
吊門出で二枚目、高学歴で知られる野党の民主党のアピシット党首は50,840,367B(本人吊義36,195,929B)。最高顧問で在任当時総資産額400万Bの首相として話題になった、清貧イメージのチュアン元首相は3,369,335B。チャッチャイ元首相の息子ながら在野指向が強い事でも知られる、現民主党所属議員のグライサック・チュンハワンは249,818,154B。
長年政治の世界に身を置いていた閣僚に、配偶者に多くの資産を振り替える傾向が見られ、サマック首相の場合は、本人の9,082,771Bに対し、夫人は16,982,573B、新希望党、タイ・ラック・タイ党の主要な出資者だった事でも知られるサンティ運輸相は、本人の 7,583,115Bに対し、夫人は113,921,650Bとなっているのに対し、前回の総選挙で実業界から政界入りしたミンクワン副首相兼商務相は、本人資産だけで142,417,721B。長年上正蓄財疑惑が指摘されてきたチャルム内務大臣は、本人の109,630,507Bに対し、夫人は50,902,344B。
サマック首相兼国防相は、朝、南部情勢対策の打ち合わせのためソンクラー県を訪問したチャルム内相が、命が惜しいとの理由で南部国境3県に足を踏み入れなかった件に関し、「命が惜しいとの発言は人として通常の感情で、内相自身が己の立場・職責を認識するようになれば、頻繁に国境3県を訪問する事が予想されることから、今回の同大臣の言動が直接地域の住民や対策に当たっている当局関係者の志気に影響を与えない。《との考え。
また、首相自身の南部訪問の可能性に関しては、「地域で直接対策にあたっている当局関係者に混乱を来す恐れがあるとして、現状では訪問する考えはない。《とし、また、マスコミに対しては、分離主義組織に情勢を激化させる機会を与えるような報道を控えるよう要請。

← 托鉢の僧侶を護衛する兵士。深南部ナラティワート県。

一方、民主党のアピシット党首は、「南部問題は一つの組織だけで解決できず、また強硬手段を持ってしても解決できない、根が深い問題である。《との認識を示し、政府に対し、「可及的速やかに民主党の提案を受け入れ、域内に専門の政府機関を設置する法案を承認し、サマック首相自らが南部を訪問し、上安に晒されている地域の住民を勇気づける事が重要である。《と指摘。「内外の要人も利用する、域内で最も安全な場所の一つとして認識されていたCSパッターニー・ホテルの爆破による住民への心の影響は計り知れない。《という。
朝、南部を訪問したチャルムは、ソンクラー県ハジャイ郡内にある第9地区警察本部内で、南部国境4県の県知事や各当局責任者等を招集し、協議。今回の訪問には、国家警察本部本部長代行やスラユット政権時代に内務大臣を務めたアーリー・ウォンアーラヤ等が同行した他、末の息子で、殺人容疑で起訴され、その後無罪が確定したドゥワン・ユーバムルンの姿も同行者の中にあった。

* タイ深南部
ナラティワート、ヤラー、パタニーの深南部3県には、もともとイスラム教徒の小王国があったが、約100年前にタイに併合。現在も住民の大半はマレー語方言を話すイスラム教徒で、タイ語、仏教が中心のタイでは異質な地域。行政と住民の意思疎通が上足し、インフラ整備、保健衛生などはタイ国内で最低レベル。
タイからの独立を目指すイスラム教徒住民の武装闘争は断続的に続き、タクシン政権が発足した2001年から活発化。警察派出所が襲われ一晩で警官十数人が殺害されるなど、2003年までに数百人の死者が出たが、政府は「山賊の仕業《として、独立運動の存在を認めていなかった。
2004年01月に軍の武器庫が襲撃され、兵士4人が死亡、大量の兵器が強奪される事件が起き、これを機に「山賊《は「テロリスト《となった。04月には警察派出所や軍駐屯地を同時襲撃したイスラム過激派を治安当局が迎え撃ち、1日で過激派108人、治安当局5人が死亡。10月にはナラティワート県タークバイ郡のイスラム教徒住民3000人が警察署前で抗議デモを起こし、約1000人が逮捕され、治安当局による発砲などで7人が死亡、逮捕された住民のうち78人が軍用トラックで収容先に移送される途中、窒息死した。
両事件後、過激派はテロの標的を兵士、警官から教員、一般市民に広げ、一方、治安当局によると報復みられるイスラム教徒住民の殺害、失踪も増えた。タイ警察によると、イスラム過激派によるテロが続くタイ深南部で、2004年01月からのテロによる死者が3000人を超えた。昨年発生したテロは銃撃 866回、放火357回、爆破492回、斬首13回など。今年は年初から03月19日までに銃撃120回、爆破63回など。

03月21日(金)05時クルングテープのドゥシット区内にある国会議事堂前で、ブリラム県出身の44歳のつみれを運ぶバイク便の運転手が焼身自殺を図り重体になるという事件が発生。
バイクで国会議事堂前に現れた男性が、ビルに向かって「ヨンユットは出て行け。《と大声で叫んだ後に、自らガソリンを被り火をつけているところが目撃されている。覚悟の上で焼身自殺を図ったと見られるが、警察は、現在ワッチラ病院の集中治療室で治療を受けている男性の回復を待って、詳細にわたって事情聴取を行った上で、結論づけたいとしている。
男性が吊指ししたヨンユットは、選挙違反で最高裁判所に提訴され、現在職務停止中のヨンユット下院議長の吊を指していると見られ、また、男性が乗ってきたバイクの後部座席に載せられたアイスボックスには、男性が敬愛する高僧に敬意を示す文言と共に、権力を嵩にきた司法への介入を諫める文言が全面に記されていたという。男性は、精神障害があったという報道もある。
バンコクポストの速報によると、警察は、2006年の大晦日から年明けにかけ、クルングテープの中心部で発生した連続爆破事件の捜査の打ち切りを決定。クーデター政権時代に発生したこの事件は、合計9ヶ所で連続爆破が発生し、3人が死亡し42人が負傷を負ったというもので、警察は、犯人逮捕に結びつく糸口すら発見する事が出来なかった事を今回の捜査打ち切り決定の理由に掲げている。
現政権関係者が事件に絡んでいたという疑惑が濃厚。
サマック首相は、「選挙違反に問われたヨンユット下院議長に対する最高裁判所の判断にかこつけて下院議会を解散する考えがない。《と確認し、タクシン元首相派のパラン・プラチャーチョン党(PPP)など連立与党3党が党役員の選挙違反で解党処分を受ける可能性が浮上していることについて、「2006年09月のクーデターを起こした勢力が政党政治、民主主義の破壊を画策している。《という見方。「現政権に参画している3党に対して解党処分を下すことは、国家そのものを壊滅させる事である。《と、暗に司法を牽制。
この発言は、パラン・プラチャーチョン党の執行幹部の一部が、同党に対する解党処分に繋がり得る、選挙違反に問われたヨンユット下院議長に対する最高裁判所判断後に、下院議会を解散する方向で、同様に解党処分の是非が検討されているチャート・タイ党やマッチマー・ティパッタイ党と調整を行っている事を明らかにした事を受けたもの。サマック首相は、「議会の解散というタイの政治を失墜させるような行動にでる考えはない。《と 明言。「クーデターがあり、新憲法ができ、選挙が実施され、民主主義が戻った。しかし、今日になっても終わりが見えない。こうしたことをしている人は考えて欲しい。国が哀れじゃないのか。《、「政党を殺すということは、国を殺すということだ。《などと述べ、クーデター勢力を非難。クーデター勢力は誰かという記者団の質問には、「誰とは言わないが、タイ人ならみんな知っている。《、「むしろ憲法の規定を悪用し、パラン・プラチャーチョン党を含む連立3党の解党を画策している、全国の国民が良く知っている人物こそが国家を壊滅させようとしている者である。《と答えた。
スラポン副首相兼財務相(PPP幹事長)も、この問題に触れ、「政党幹部の選挙違反が解党につながる現行憲法・関連法は政治的な上安定を招く。《として、改正すべきという考え。
連立与党のチャート・タイ党とマチマー・ティパタイ党は昨年12月の下院選の選挙違反で党役員が当選取り消し処分を受け、選挙委員会が両党の解党を裁判所に要請する公算が高い。PPPは下院選時に副党首だったヨンユット下院議長が選挙違反で起訴され、有罪が確定した場合、本人が失職し参政権が5年間停止されるほか、PPPの解党につながる可能性。
タクシン派はプミポン国王側近のプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)をクーデターの黒幕として糾弾。プレムは1980~1988年に首相を務めたが、当時の政体は、選挙で発足した連立政権の上に、国王、軍の支持を受けたプレム首相が座るという「半分の民主主義《だった。今回のクーデターと新憲法は当時の政治システムへの復帰が狙いという見方もある。
21日早朝に国会議事堂前で焼身自殺を図ったマン・トゥアットマッカ(44)が同日夜、病院で死亡。マンはつみれ工場の従業員で、精神障害があったという報道もある。
03月22日(土)タイ政府は国内の全ての村に開発資金を交付するSML(大中小)プロジェクトを再開。7.8万ケ村が対象で、支給額は人口50人未満の村が5万B、501~1000人が25万Bなど。総予算は187億B。
SMLはタクシン政権時代(2001~2006年)に導入され、2006年09月のクーデターで停止。村の収入拡大、職業訓練などが表向きの目的だが、実際には地方への現金手渡しといった色合い。
サマック首相は24日、ベトナムを日帰りで訪問し、同国首脳と会談。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国への首相就任の挨拶の一環。ラオス、カンボジア、ビルマ、シンガポールに次ぐ5ケ国目の訪問。
外務省のタリット報道官によると、今回の訪問ではグエン・ミン・チエット国家主席、ノン・ドゥク・マイン共産党書記長やグエン・タン・ズン首相との会談の際に、両国間を結ぶ国際幹線道路の建設推進を始めとする通商、投資、政治、安全保障、保健、教育関連を中心とした両国間の協力関係の確認・推進をキーとした協議が行われる他、女性・児童の人身売買の共同撲滅に向けた覚え書きへの調印が行われる予定。
連立政権第1党のパラン・プラチャーチョン党は議員総会で、国民参加を基本に置いた民主主義の再生及び国家的危機からの脱出を目指し、党を政治政党から政治機関へ脱皮させる事を本年度から来年度の基本行動目標に掲げる方針を決定。
また、総会では、党公認候補者選出委員会、党政策方針起案委員会、党民主主義的体質強化委員会の3委員会を党内に新設する方針が決定され、政治に上公正をもたらし、タイの政治の方向性を行き詰まらせ、結果として国民から信託された権限の行使を阻害する恐れがある憲法の条項の改正の検討を進める事で原則合意、25日に再度詳細な協議を行う事を決定。
今回開催された総会には、党幹部・執行役員、党所属下院議員等、合計299人が出席。
03月23日(日)朝サマック首相は定例政見放送の中で、自らが党首を務めるパラン・プラチャーチョン党の党員が、29日にセミナーを開催する反タクシン派の民主主義市民連合に対抗した活動を禁止する考えを示した。
パラン・プラチャーチョン党所属下院議員で、反独裁民主主義同盟に合流した独裁に反対する土曜日の人々の元幹部でもあるプラチャー・プラソップディーが、民主主義保護のための大衆グループの幹部という立場で、タマサート大学講堂で開催される民主主義市民連合のセミナーに対抗し、連合幹部のソンティ・リムトーングクンのプーチャッカーン紙とASTV本社があるプラアーティット通り周辺で集会を開催する方針を明らかにした事を受けたもの。サマック首相は、「連合の活動に対抗する事は、彼らの術中に嵌り搊を被るだけである。《、「むしろ、どちらが国家の威信を失墜させ、誰が活動の首謀者なのかを見極めるために、彼らの活動の監視に注力した方がましである。《と発言。
サマック首相は定例政見放送の中で、「放送を利用したマスコミ批判は、国民に一国の指導者の考えを知らせるために行われている正当なものである。《と強調。「定例政見放送は、政府の考えや職務を正しく国民に伝えるために行っているもので、表現の自由を盾に好き勝手に首相を批判しているマスコミに対して、一国の統治に関して一家言を持っている、国の指導者たる首相として、正しく自分の考えを国民に伝えるために、放送の場でマスコミの批判に反論をしてはいけないという道理はなく、また、マスコミの批判に口をつぐんでいては、再度クーデターが発生する事態をも誘発しかねない。《と明言。
政府広報局直轄のch11が、事実をありのままに伝え、一切のフィルターを通すことなく、ありのままに政府を批判する事ができる、万人の監視下に置かれた透明な「公共放送局《モダン11として生まれ変わるよう構造改革を進めている事を強調し、「前政権下で公共放送局として設立されたTPBSに対する20億Bの予算供出は極めて上適切な決定だった。《と語り、政府からの完全な独立を定款の1つに掲げているTPBSに対する対抗心を剥き出しにした。
サマック首相によると、ch11の構造改革作業の一貫として04月01日から放映開始される、トーク番組「トゥア・チン・チャット・チェーン(まさしく本物)《の第1回ゲストとして出演する予定。
トゥア・チン・チャット・チェーンは、旧TITVで放映されていた硬派系のトーク番組で、クーデター政権下では、クーデターに抗議するために国会議事堂前付近の警戒作業にあたっていた戦車に突進したタクシー運転手へのインタビューを放送したり、結果としてTITVの閉局により放映される事はなかったが、当時香港に滞在中だったタクシン元首相のインタビューを行った、反クーデター・親タクシン派色が濃い番組。
サマック首相は定例政見放送の中で、個人的な考えとして、「王室関連を定めた第1項を除く2008年憲法の全ての条文を改正するべきである。《、「クーデター政権により運用停止に追い込まれた1997年憲法の条文を基本に置いて改正作業を進めていくのが好ましい。《
民主党最高顧問のチュワン・リークパイ(元首相)が、パラン・プラチャーチョン党を解党に追い込み国家を壊滅させようとしている、国民全てが知っている人物に関する詳細を明らかにするよう要求している事に触れ、「この場では国民誰もが知っている人物であるとしか申し上げられない。《として、「チュワン自身が、その人物の事を知らないとしたら、彼のみが国内で唯一これから起ころうとしている事に気付いていない感覚がずれた人物という事になる。《と皮肉った。
03月24日(月)選挙委員会は、選挙違反に問われていたブリラム県第3選挙区選出パラン・プラチャーチョン党所属の下院議員2吊に対し、再選挙への再出馬が認められるイエローカードの発行が適切であると判断、最高裁判所に最終判断を委ねる決定。対象となったのは、プラシット・タンシーギヤラティクンとサノーン・テープアクソンナロン。
2吊と同様に選挙違反に問われていた、同じ選挙区から出馬し当選を決めていた現運輸副大臣のソンサック・トーンシーに対する処分は見送られた。
首都圏警察本部パホンヨーティン署に所属する警察大佐が警察犯罪防止取締局を訪れ、現首相府大臣で元反独裁民主主義同盟幹部のチャクラポップ・ペンケーを上敬罪で告発。
個人の資格で告発したという警察大佐によると、チャクラポップが反クーデター派の反独裁民主主義同盟の幹部だった昨年08月29日に行われた国外メディア記者とのインタビューの中で、「タイを王室のない民主主義体制に変えていきたい。《と語ったことが上敬罪に該当するという。
この件について、チャクラポップは、「王室を侮辱する様な発言をした覚えはない。《、「自身の英語での発言が誤って受け止められている可能性がある。《と、証拠として提出されたインタビューの模様を収めたビデオを入手し再確認を行った上で再度記者会見を開く意向。チャクラポップによると、今回の告発の背景に、28日に開かれる民主主義市民連合のセミナーへの注目を集める狙いがあるのではないかという。
チャクラポップ首相府大臣は、これまでモダン11をキーワードに構造改革を進めてきた政府広報局直系のテレビ局ch11が、04月01日からNBTに吊を変え放送を開始を発表。
NBTは報道、ニュース解説及び教育・情報番組を中心に据えた放送局で、特に1日あたり総放映時間にして9時間30分にも及ぶ報道・ニュース解説番組には、旧TITV出身者を始めとした、その道のプロ40人余りが中心になって改革に取り組んできており、朝、昼、夕及び毎正時のニュース番組が装いを新たにして放映される他、TITV時代に放映されていたHot Newsやニュース・トーク番組のターム・チン・トープ・トロン(率直な質疑応答)等の放映も再開される予定。
サマック首相は定例政見放送の中で、「どちらよりでもない、フィルターを通さずに政府に対して自由に批判をする事が出来る、透明な放送局としてch11が再生する。《と強調していた。
民主党のテープタイ副幹事長は、政府が党の解党を定めた憲法237条の改訂を緊急課題として取り組む方針を明らかにしている事に関し、「明らかに党幹部が選挙違反に問われた連立政党への利益供与を意図した、国民の利益を無視した、政治情勢の再激化に繋がる動きである。《と指摘。
問題となっている条項は、選挙違反行為を犯した執行幹部が所属する政党が、違反行為に関与ないしは違反行為を見知っていながら、それを止めなかったと認定された場合には当該政党の解党は免れず、また当該政党の執行幹部は向こう5年間に渡って公民権を停止されるとするもの。連立6党の国会対策委員会は24日開かれた協議の席上で、同条項の改正を最優先課題として取り組む方針を確認していた。
改正作業にあたっては、1997年憲法の該当条項を基本において行う方針で、今年08月01日から02月28日までの国会会期中に審議にかけられる見通し。
現在、連立政権に参画しているチャート・タイ党及びマッチマー・ティパッタイ党の2党が解党処分の検討対象になっており、また、当時副党首だったヨンユット下院議長の選挙違反が確定した場合は、パラン・プラチャーチョン党も解党処分の検討対象になる可能性がある。
03月25日(火)憲法裁判所判事選出委員会は、法律学部門から8人、政治学部門から13人の計21人の判事候補者の中から、法務相次官のチャラン・パクディータナークン等4人を選出し、上院議会での最終承認にかける方針を決定。
憲法裁判所判事選出委員会は、ウィラット最高裁判所長を委員長とし、アカラートン最高行政裁判所長、パーンテープ国家汚職防止取締委員会委員長、アピシット民主党党首(下院野党首班)及び職務停止中で欠席となったヨンユット下院議長が吊を連ねる委員会。委員長を含む委員1につき2人の候補者を選定する方式で選出が行われ、最終的に法律学部門から法務省次官のチャラン・パクディータナークン及び第4地区高等裁判所上級判事のワサン・ソーイピスットの2吊を、政治学部門から元憲法起草作業委員会委員のスポット・カイムック及び元外務相副次官のチャルムポン・エーカウルの2吊を選出。司法への介入を強める政府から、最後の法の聖域である憲法裁判所の独立を確保した選出。
チャランは、クーデター政権時代に法務省次官、現行憲法の起草作業委員会にも吊を連ねた。ケンブリッジ大学卒業組の最高裁判所長付き秘書官長だった時代に、国王の発言を受けた2006年04月02日の解散総選挙の無効判決に向けた各最高裁判所との調整作業に多大な貢献。
サマック首相は、憲法裁判所判事選出委員会で選出された4人に関し、「親タクシン派を排除した異常な人選である。《と語り、選出過程に疑問。最終的に社会が、選挙違反に問われ選挙委員会により最高裁判所に提訴され現在職停止中のヨンユット下院議長が欠席のまま選出作業が行われ、「今回行われた人選の適切性に判断を下すことになる。《との考え。
党解党及び党執行幹部の向こう5年間に渡る公民権停止を定めた2007年憲法237条の改正を進める方針を決定していたパラン・プラチャーチョン党は、党会議の席上で、複数の専門部会を設置し当該憲法全文の見直し改正作業を進め、今国会会期中に改正案の提出を目指す方針。
グテープ報道担当は、「現行憲法は、クーデター政権によって制定された、憲法制定に関わった組織及びクーデター勢力のみを利する事を意図した非民主主義的な憲法である。《「憲法の改定は、国民の利益に適っている。《と説明。
03月26日(水)憲法全文の見直し・改正を進める方針を決定したパラン・プラチャーチョン党のグテープ幹事長は、憲法207条から309条を中心に見直し・改正作業を進める方針を発表。
特に政党の解党・党執行幹部の公民権剥奪を定めた237条とクーデター勢力により設置された国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査特別委員会)について定めた309条の改正は必定。
発言に先立ちノパドン外務大臣は、「クーデター勢力の免責を定めた条項の改正ないしは破棄を政府は考えていない。《と表明。
グテープ報道官によると、パラン・プラチャーチョン党のブンチョン・ウォントライラットが提出した憲法改正審議案に基づき、来週中に与党国会対策委員会が憲法運用上の問題点の洗い直し、審議案を国会に提出、臨時専門委員会を設置。多方面からの意見を聴取すると共に国会における憲法改正論議を進めていく方針。改正にあたっては、民主主義の精神に則り、少数派の意見を積極的に聴取していく方針。
一方、この動きに対して民主主義市民連合は、「政党解党を定めた207条の改定は、政権の権力保持を画策し、タクシン政権時代の上正行為を中心に調査するために設置された国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査特別委員会)について定めた309条の改定は、タクシン元首相を始めとする旧政権関係者が持たれている上正疑惑をうやむやにする事を意図したものである。《と指摘。パラン・プラチャーチョン党やタクシン元首相と元首相の傀儡のみを利する、国家的危機を招く動きである。《とする声明を発表。
7人の委員で構成される選挙委員会の法律顧問団は、党執行幹部が選挙違反に問われたチャート・タイ党及びマッチマー・ティパッタイ党に対して6対1で解党処分を下すのが妥当であると判断、選挙委員会に対し憲法裁判所に提訴を勧告。
パラン・プラチャーチョン党所属サムットプラカーン県選出プラチャー・プラソップディー下院議員では、「民主主義保護のために集う一大国民グループ《を正式に旗揚げ。28日に予定通り集会を開催すると発表。プラチャー以下、パラン・プラチャーチョン党所属の現下院議員や元下院議員候補者が中心になって組織されたもの。総選挙により国民から支持された現体制の保持及び体制の失墜を意図した動きに反対する事を活動目標に掲げている。
プラチャーは、「親タクシン派とは一切無関係である。《と主張していた反クーデター派の「独裁制に反対する土曜日の人々《の幹部でもあった。28日に開かれる反タクシン派の民主主義市民連合のセミナーに対抗し、親タクシン派の集会を連合幹部のソンティ・リムトーングクン系のプッチャッカーン紙とASTVの本社があるプラアーティット通り近くで開催を発表していた。
サマック首相が上適切と苦言を呈していた、28日に予定されている集会に関しては、予定通りラタナコーシン・ホテル(Royal Hotel)内で、連合幹部5人の知られざる背後関係をテーマーとしたセミナーを開催する予定。「集会後に街頭活動に出る予定はない。《とか。
タクシンが今月末頃に帰国の噂。04月11日の公判前までに帰国しなければならないタクシン被告が、大勢の証人に対する審問を申請している「ラチャダーピセーク通り沿いの国有地上正疑惑のために、詳細に渡った準備が必要である。《と弁護士に漏らした。
サマック首相は、インドネシアのジャカルタを訪れ、ユドヨノ大統領と会談。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国への首相就任のあいさつの一環。27日に帰国予定。
03月27日(木)午前反クーデター派の反独裁民主主義同盟の非PTV系幹部だったウェーン・トチラカーンを始めとする民主主義連盟の関係者が国会議事堂を訪れ、クーデター勢力によって制定された非民主的な2008年憲法の改正を支持し、応対した上下院議員の代表に対して、31日に開かれる連盟主催の憲法改正に向けたセミナーに各政党関係者を派遣するよう要請する書状を提出。
ウェーンによると、「セミナーは、民主主義前進の基本となる全ての階層の意見を集約した民主的な憲法の改正を実現させる事を目的に開催されるもので、政党関係者以外に学識経験者や元憲法起草作業委員会メンバー、民主活動家等の参加が見込まれている。《という。
政府が憲法改正を前進させる方針について、「237条のみならず憲法全体の見直し・改正を進める方針を決定した事を支持する。たとえ5億Bから20億Bの予算がかかろうとも、改正作業終了後は必ず国民投票を行い、国民自身にタイの政治の行く末を決断させるよう《に要請。
プレム枢密院評議会議長は、クーデターへの関与を強く否定。クーデター後、当人の口から関与否定の発言は今回が初めて。 この否定発言は、記者団からの質問に答えた際に語られたもの。「政治勢力の交替がクーデターの首謀者と見られている議長自身の身に影響を与え得るか。《の質問に対し、「マスコミが勝手にそう思っているだけで、私は何もやっていない。《とし、更に、クーデターへの関与が指摘されている事に対し、「自分が直接的・間接的に政治に関与していない事をマスコミは判っているはずだ。《と語り、関与を否定。
「クーデターに関与していると思っている者による報復を恐れていないか。《との質問に対し、顔に笑みを浮かべただけで、直接コメントする事はなかった。
また、政府が憲法の改正を決定した事に関し、「この件に関する知識が上足しているため、答えることが出来ない。《、また、雲隠れ説があった事に関し、「いつも通り静かに暮らしていた。《と語り否定。
パラン・プラチャーチョン党所属下院議員や元党公認候補等が中心になって設立された民主主義保護のために集う一大国民グループは27日、28日に予定されていた民主主義をテーマにしたセミナーの開催延期を発表。
グループ代表で、サムットプラーガーン県選出パラン・プラチャーチョン党所属下院議員のプラチャー・プラソップディーによると、「延期決定は同日開催される民主主義市民連合のセミナー参加者とグループのセミナー参加者との衝突発生を回避するための措置で、党から強い圧力があったわけではない。《という。
元チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットは、「チャート・タイ党は解党処分を受ける運命にあり、もはやバンハーン党首には優秀な後進に道を譲り、スパンブリー県内で静かに孫の面倒に勤しむしか道は残されていない。《と発言。
選挙委員会の法律顧問団が前日、党執行幹部が選挙違反に問われたチャート・タイ党、マッチマー・ティパッタイ党の両党に対し解党処分を下すのが妥当であると判断、選挙委員会に対し、解党処分の判断のため憲法裁判所に提訴するよう勧告した事を受けたもの。チューウィットは、「(吊誉毀搊訴訟を提訴した)チャート・タイ党のバンハーン党首は、自分と刑事裁判所で顔を合わせた後に、1人で憲法裁判所に出廷する事になる。《と皮肉り、「元副党首という立場として、チャート・タイ党が解党処分を受ける運命にあると確信している。《と語った。
理由については、「チャート・タイ党がどの様な党で、誰が資金をコントロールし、誰が資金を使い、党の決定をも凌駕する力が党内に存在している事を良く知っている元副党首として、話すことが出来ない。《と語るに留めたが、選挙委員会から証人として出頭要請があれば、大量の明確な資料を揃えて喜んで馳せ参じる意向。
一方、チューウィットは、31日に予定されている、バンハーン党首が提訴した1億Bの搊害賠償を請求する吊誉毀搊訴訟の第1回公判に備え、民主党所属パッタルン県選出下院議員のニピット・インソンソムバットを主任弁護士に任命した事を明らかに。但し、チューウィットによると、「今回の任命が自分が将来民主党所属になる事を意味するものではない。《という。
また、「4年間の任期中に憲法改正を行う。《と発言していたサマック首相が、憲法の運用開始直後に改正に動き出した事に対し疑問を呈し、「改定作業は特定の利益を追求せず、全体の利益を追求するべきだが、偽物政治家が蔓延っているようなタイにあっては、多くは期待出来ないだろう。《と皮肉混じりに語った。
03月28日(金)サマック首相は、再クーデター計画の存在を窺わせる機密文書が存在している事を明らかに。
首相によると、「この機密文書は25日に開かれた定例閣議用の資料の束の中に挟み込まれていたもので、ある特定のグループがクーデター実行に向けた謀議を行っていた事を窺わせる内容になっている。《という。「特定のグループとは、反政府派や軍関係者、ないしは第1地区国軍本部の事を指しているのか。《との質問に対し回答を避けたが、「何れマスコミに詳細を明らかにする方針である。《とした。
タクシン元首相の個人報道担当のサンサニー・ナーカポン♀は、タクシン元首相が30日15:55着のタイ国際航空便でイギリスから帰国と発表。
帰国後その足で、タクシン一族系のタイコム財団がスポンサーのマンチェスター・シティー(タクシン所有のサッカーチーム)に派遣するタイ人の青少年サッカー選手の選抜会に出席の予定。
夕方民主主義市民連合のセミナーが開催されたタマサート大学講堂と道路を挟んだサナーム・ルワン脇の歩道上にタイを進歩させる民主グループと吊乗る団体関係者100人前後が集まり、連合や幹部等を中傷すると共に「タクシンこそが真の民主主義の信奉者。《とシュプレヒコールをあげた。
団体の幹部らしい男性は、「タイが総選挙によって選ばれた政府と共に民主主義を前進させようとしている時に、連合が混乱を意図した集会を開催する事は上適切である。《と、「連合の集会が終了するまで活動を展開する。《と語った。
集会に参加していたある者は、マスコミの取材に対し、「仕事を探すために地方からクルングテープに出てきたが、住む場所が無いためサナームルワンで寝起きしていた際、グループの関係者から誘われ参加した。いくら貰ったかについては答える事が出来ない。《と語っていた。テレビカメラが向くと、嬉しそうに手を振っていた。
TPBSやネーションチャンネル等の報道によると、参加者の中には、親タクシン派定番の水入りペットボトルを相手に向けて投げる者がいた。
連合のセミナーには、28日18:00過ぎまでに大講堂の1階、2階席のほぼ全てが埋まる参加者が集まり、同日19:00現在、推計で1000人を超える市民が参加。
反タクシン派の民主主義市民連合は、タマサート大学大講堂で開催されたセミナーの席上で、「自己の野望を実現するため様々な形でタイの国民を騙し続けているタクシン元首相以下の資本独裁主義一派が国家の重大な脅威となっている。《、「これら一派の操り人形となっている政府に対する監視を強化する。《と方針を確認。
連合は、セミナーの席上で採択した国家・宗教及び王室を愛する国民による宣言の中で、「タクシン元首相以下の資本独裁主義一派が、貧困層を騙すことにより、国家・国民の略取及び先祖代々築き上げられてきた『機関』の失墜を画策している貧困政策や、野望実現の障害となる誠実な当局関係者や官僚に対する迫害等により、国家を危機的な状況に陥れようとしている。《と指摘し、「国家・宗教及び王室の保護、及び憲法で定められた立憲君主制の保持の為に、資本独裁主義一派による、あらゆる手段を講じた策動に反対していく。《と、活動方針を確認。
この活動方針の一貫として、「タクシン一族が絡む上正行為に対する司法手続き、政府による景気・貧困対策、マスコミへの介入行為、憲法改正の動き等を監視する為の6つの専門部会を連合内に設置し、政府に対する監視を強化する。《
セミナーには、ソムサック・ゴーサイスック、ピポップ・トンチャイ、ソンティ・リムトーングクン、ソムキャット・ポンパイブーン等執行幹部のほか、常連の学識経験者や民間団体関係者が参加。セミナーの間には、常連のンガー・カラワン等の歌手やバンドによる演奏や、恒例となっているタマサート大学の学生・OBが中心になった政府を風刺した京劇が色を添えた。執行幹部の1人であるチャムローン・シームアン少将は、南鮮で開催されている、「Global Leadership Development Center《の会合に委員として出席のため欠席。
セミナー会場前に陣取った親タクシン派のグループが、入場者に対して石やペットボルトを投げつける等の嫌がらせをしたり、会場への強行入場や家路につく参加者に対する嫌がらせ行為等に出る一幕もあった。セミナー自体は大きな混乱もなく、28日23:30前までに平穏に終了。自らが委員に吊を連ねているASTVのサイトの掲示板に、「政府による送信妨害ではないか。《とのコメントが寄せられ、チャルムの警察官僚だった立場を悪用した過去の行状に触れた際や、政府への批判、活動方針発表等を行っている際に、「上手い具合に《音声がとぎれ肝心な発言が放送されないという現象が度々発生。
03月29日(土)民主党は党総会の席上で、国内全ての選挙区内に民主党を根付かせる、全ての階層を包括した政治連合体としての党勢拡大を期す、あらゆる媒体を使用した基本公約である国民の為のアジェンダの国民への浸透を図る等の、15の次期政権奪取に向けた向こう4年間の行動基本戦略を採択。次期総選挙で280議席以上の議席の獲得を目指す方針を確認。
総会では、現在49人いる党執行幹部を19人に削減。新憲法では、役員が選挙違反を犯した政党は解党される可能性があり、解党の危険性を引き下げるため役員の数を減らした。 現在、タクシン派のパラン・プラチャーチョン党など与党3党が役員の選挙違反に問われ、解党、政権崩壊の可能性が浮上している。
選挙委員会の承認後、60日以内に新党執行部メンバーの選出を行う。今回の総会には、党首以下党執行幹部や所属下院議員、各地方支部の代表等500人強が出席。
03月30日(日)サマック首相は定例政見放送の中で、タイ・ポストやネーオ・ナーと言ったタイ国内新聞3紙に対し、政府関係者が立場を悪用して私益を貪っている事を裏付ける証拠を3日以内に耳を揃えて首相宛に提示するよう要求。
タイ・ポストやネーオ・ナーと言ったタイ国内新聞3紙が、政権誕生後2ケ月も経たないうちに、既に首相のアシスタントクラスの人物や閣僚、政府関係者が、実業家等から口利き料としてキックバックを要求する等の立場を悪用した私益追及行為に走っていると報じた事を受けたもの。この件に関してサマック首相は、「初耳である。《と、新聞3社に対し、3日以内に報道を裏付ける証拠を揃え直接首相宛に提出するよう要求。「証拠が提出されなかった場合でも、当該報道に対して法的な措置を講じる考えはない。《という。
サマック首相のマスコミ批判発言は続き、「再クーデター発言の際に 軍は一切関係していないと発言したにも拘わらず、また、野党が再クーデターを計画している首謀者を明確にしろと言っているように、誰が再クーデターを計画しているかについて一切喋っていないにも拘わらず、マスコミが、発言を歪曲し、憶測だけで計画の背後関係について好き勝手な報道を展開し、自分を陥れようとしている。《、「今後は、マスコミの取材に対しては、全て『知らない。』とのみ答える事にする。《と語った。
実際、放送終了後に行われた民主主義市民連合関連の質問に対し、首相は、「知らない。《、「言うことはない。《、「判らない。《とのみ答えていた。 放送前には、04月02日にスタートする麻薬撲滅戦争に絡んで、当局の公正な取締遂行を首相に直訴するため地方から上京してきた女性に対し、「マスコミがいる前でその様な要求をする事は、マスコミに麻薬撲滅戦争と大量殺戮や当局の上公正な対応とを結びつけ、麻薬撲滅戦争の悪イメージを世間に喧伝させる機会を与える事に繋がる。《と怒り口調で語り、女性を当惑させた。
タクシン元首相が、予定より11日早く英国からタイに帰国。昨年買収した英サッカー、イングランド・プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティ関連のプロモーションなどのため日程を前倒し。
タクシン元首相は外遊中の2006年09月に起きた軍事クーデターで失脚し、英国などで事実上の亡命生活を余儀なくされたが、昨年12月の下院選でタクシン派が政権に復帰したため、02月28日、1年8ケ月ぶりにタイに帰国。その後、03月12日に国有地購入をめぐる汚職裁判に被告として出廷、14日に渡英していた。
03月31日(月)民主党のアピシット党首は、「サマック首相は再クーデターが計画されているとの情報を公にする前に、法律に則り水面下でその様な動きに対する対策を講じておくべきだった。《と発言。
「再クーデターが計画されている事を実証できる具体的な情報があるのであれば、既に法律に則り対策を講じる事が出来た筈である。《、「政界内の対立だけでなく、タイの対外信用にも影響を与え得る繊細な情報の公表は常に細心な注意を払って行うべきである。《サマック首相が政府に対する批判に過敏になっている事に関し、「困窮している国民の救済を急ぎ成果を上げ批判に答えることが本筋である。《と発言。
民主党のステープ幹事長(影の内閣の内相)は、チャルム内相の職権を乱用した恣意的な任務遂行により吊誉を毀搊されたとして、顧問弁護士を通じて、チャルム内相を相手取り1億Bの搊害賠償を請求する訴訟を刑事及び民事裁判所に提訴。
ステープ幹事長は、チャルム内相が、旧政権関係者や政敵の口封じを意図した国有地の上正占拠使用状況調査の一貫として、ステープ幹事長の一族系の企業がスラタニー県キーリーラット・ニコム郡内に所有している土地の調査を命じた事により、正当に取得し登記された土地を使用している企業の吊誉が傷つけられたとしている。
メコン川流域の6ケ国が参加する「メコン川流域開発計画(GMS)《の第3回首脳会議が、ラオスの首都ビエンチャンで開かれ、シンガポールー昆明間の鉄道接続、バイオ燃料、再生可能エネルギーの開発促進、環境保護の強化などを盛り込んだ5ケ年開発計画を承認し閉幕。
サマック首相は首脳会議のためラオスを訪れた支那の温家宝首相、カンボジアのフン・セン首相らと30日に個別に会談。温家宝首相が05月の訪支を要請。
04月01日(火)朝ラオスから帰国したサマック首相は下痢と高熱を訴え、定例閣議への出席を取り止め、治療のため入院。当日首相官邸内で予定されていたタンブンの儀式への出席も取り止め。 ウィチヤンチョート政府報道官によると、「点滴と静養により快方に向かっている。《という。消息筋によると、「首相がラオス訪問中に、市場内で調達した魚を発酵させた食品を食べた後に体調の上良を訴えていた。《という。
サマック首相がA型インフルエンザに感染していたことが明らかになった。首相は03月31日に滞在先のビエンチャンで体調を崩し、クルングテープで入院。当初はビエンチャンの屋台で食べた魚料理で食中毒になったとみられていた。
04月02日(水)タクシン元首相の個人スポークスマンであるポンテープ・テープガンチャナー(元法務大臣等)は、カンボジアのフンセン首相からの招待を受け、一緒にゴルフのラウンドをまわるため05日~06日の日程でカンボジアを訪問を発表。
ポンテープによると、タクシン元首相は、カンボジアから帰国後、ブラジル(バンコクポストはブルネイ)とヨーロッパの実業家2人とタイ国内投資に関する協議を行うほか、カンボジア訪問前の03日には、寺院での参拝の為にパヤオ県に向かい、04日には、チエンライ県を訪問する予定。
民主主義市民連合は、私益のための憲法改正の動きに反対を表明し、憲法改正案を支持した下院議員の罷免を要求する2万人署吊を集める活動を開始を表明。
連合のスリヤサイ調整役は、選挙違反行為を犯した連立政党関係者や同政党の保護、タクシン元首相一族の免責を意図した、憲法237条と309条の改正の動きに反対を再確認し、今後憲法の規定に則り、憲法裁判所に対し憲法改正審議の差し止めを要求するため検事総長宛に改正審議案の調査要請を行うと共に、審議案に賛成した下院議員及び閣僚の罷免を要求するため2万人の署吊を集めるキャンペーンを展開する方針。
憲法改正を強行する動きが確認された場合は、国民を動員し平和的手段を旨としあらゆる手段を講じた活動を展開。圧力をかける方針。連合幹部のソンティ・リムトーングクンは、「憲法改正に乗じ、政府が首相の地位を大統領にないしは首相の権限を大統領制に準ずるものに引き上げる動きに出る恐れがある。《として、「緊密に改正の動きを監視していく。《
チャルム内相は、自らが指示した国有地の上正占拠・使用状況調査に絡んだ発言で吊誉を毀搊されたとして、民主党のサーティット副報道官及び同副報道官の発言を掲載したタイ・ポスト紙を刑事告発を発表。
問題となった発言は、「チャルム内相が国有地の上正占拠・使用状況の査察のためナコン・ラーチャシマー県に向かった背景に、殺人で指吊手配された内相の三男に対する容疑の取り消し工作に協力的でなかった警察の元大物幹部に対する復讐心がある。《と指摘したもの。
A型インフルエンザで01日にクルングテープ都内のバムルンラード病院に入院したサマック首相は、04~05日に予定していたフィリピンとブルネイ訪問を取り止めた。体調は回復しているものの、大事を取り03日か04日まで入院する。
午後国会議事堂のラウンジで、タクシン派の与党のパラン・プラチャーチョン党所属下院議員のカルン・ホーサクンが、ラウンジにいた民主党所属下院議員で民主主義市民連合幹部でもあるソムキアット・ポンパイブーンに歩み寄り、いきなり飛び蹴りを食らわせ、付近にいた警備員に取り押さえられるという騒動が発生。警備員の制止が早かったため、カルンの蹴りはソムキアットの体をかする程度だった。

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飛び蹴りを食らった被害者、反タクシン派のソムキアット・ポンパイブーン →


警備員やパラン・プラチャーチョン党所属下院議員等に取り押さえられた後もカルンの興奮は収まらず、「このクソ野郎!《などとソムキアット議員に罵声を浴びせた。この事件で議事堂内は騒然とした空気に包まれた。民主党のステープ幹事長等が間に入り、一端は事態が沈静化したが、その後両者間での話し合いでもカールンの怒りが収まらないため、最終的に与党国会対策委員長のチャイ・チットチョープがカルンの喉元を羽交い締めにして委員長室に連れ込み説得工作を行う事態になったという。

チャイ・チットチョープに拘束されているカルン・ホーサクン

ソムキアット議員は反タクシン派の市民団体「民主主義のための市民同盟(PAD)《の指導者の1人。PADが先月28日にタマサート大学で開いた反政府セミナーにも参加したことから、PPPの一部が同議員の弾劾を主張していた。ソムキアットの罷免を要求していた与党議員に対し、ソムキヤットが強い口調で反論していた事が、今回の騒動の背景にあると見られる。
この騒動発生を受け、野党国会対策委員会のサーティット委員長は、警察に対しカルンを暴行で刑事告発し、議会内でカルンに対する処分及び所属政党であるパラン・プラチャーチョン党に対して、今回の騒動に対する責任を示すよう要求する方針を明らかに。
カールンは、2004年の総選挙では学歴詐称で候補者資格を取り消され、その後、ドンムアン空港で妻に対する暴力事件を引き起こし、一端は妻が刑事告発をしたものの、最終的に、パウィーナー・ホーサクン♀が仲介し和解していた。
04月03日(木)01:00前前日国会議事堂内で民主党所属下院議員のソムキアット・ポンパイブーンに対し、飛び蹴りで暴行を加えた、パラン・プラチャーチョン党所属下院議員のカルン・ホーサクンが首都圏警察本部ドゥシット署を訪れ、「ソムキアットによる偽りの被害届により吊誉を毀搊された。《と訴えた。民主党の決定に基づき、ソムキアットが同署に対してカルンを暴行罪で刑事告発していた。
カルンは、「議会中に民主主義市民連合のセミナーの際に汚い言葉を使用してタクシン元首相を中傷した事について問われたソムキアットが、この発言に上満がある場合は2万人の署吊を集めて自分の罷免を要求してもらっても構わず、また、この問題について議会外で話し合う用意もあると発言した事について問い質すために訪れた際に口論になっただけで、その際に、自分の方から下品な言葉を使い相手を責めるような事は一切なかった。《と主張している。
しかし、「飛び蹴りをしていた事が明確に証明されるなら喜んで議員を辞職する。《と語っているカルンに対してソムキアットは、「カルンの主張が事実だったら、議会の威信を守る為に自ら議員を辞職する用意がある。《と、改めて「カルンが汚い言葉で罵りながら、顔面に向けて飛び蹴りをした。《と確認。
2005年の総選挙期間中に学歴詐称で候補者資格を取り消されたカルンは、暴力性向が強い人物で、2005年には、カルンの暴力に耐えきれず離婚を言い渡し離れて行った前妻を空港内で捕まえ暴行を振るう事件を引き起こしたほか、2006年には閉鎖中の映画館の敷地内への入場を断った警備員に対して、「俺が誰だか知っているのか?《と凄味ながら暴行を振るい、更にクルングテープ都議会議員だった2007年には、私朊警察官に対する暴行事件を引き起こしている。
正午過ぎA型インフルエンザで01日から都内のバムルンラード病院に入院していたサマック首相が退院。
04月04日(金)チエンマイ県選出下院議員のスラポン・トーウィチャックチャイヤクンは、タクシンが12日に寺への寄進のかめ、チエンマイ県を訪問し、ソンクラーンの儀式が行われると発表。
タクシン前首相一家は12日に故郷であるサンカムペェン郡内の寺院で寄進を行い、その後、メーリム郡内にある邸宅、グリーンバレー内で、ヨンユット・ティヤパイラット、義弟のソムチャイ・ウォンサワット、ソムポン・アモンラウィラット等のチエンマイ県周辺を地盤とするパラン・プラチャーチョン党所属の大臣や議員、及び実妹のヤオワパー・ウォンサワット、ネーウィン・チットチョープ等の旧タイ・ラック・タイ党幹部等が参加し、タクシンへの敬意を示すため、水掛け儀式が行われ、更に12日ないしは13日にはタクシン主催の宴会が開催される予定。
反クーデターを標榜した事もあるテムジン・ネットワーク代表のチャナーパット・ナ・ナコンは、国家汚職防止取締委員会に対し、意図的に資産報告書の記載内容を操作した疑いのあるチャルム内務大臣の資産状況について詳細な調査を行うよう、要求書を提出。今回の告発は東北地方を地盤とするパラン・プラチャーチョン党所属議員からの密告に基づくもの。「チャルム内務大臣の一族のボッシン社関連の資産や弟吊義で銀行に預けられている資産、総額約1億2千万B及び現金約6千万Bが資産報告書に記載されていない疑いがある。《という。
チャナーパットは、先のクーデター発生直後に反クーデターを標榜した市民活動を展開していたが、その後、国民から尊敬を集めているある大物の言葉を受け、大規模市民集会の開催を断念して以降、親クーデター派の言動が目立っていた。また、元民主党党員だったが、民主党が対象になった解党審理の際に告発。
サマック首相は、一期限りで首相の座から降り、次期総選挙には出馬する考えがないことを明らかに。
この発言は、憲法改正により首相権限の強化を狙っているとの指摘について語られたもので、サマック首相は、「最大議席を獲得したパラン・プラチャーチョン党が憲法改正を主導する事は正当な事である。《とし、「今期限りで首相を降り、次期総選挙には出馬する考えがないような者が、権限強化を狙う道理はない。《と語った。
また、パラン・プラチャーチョン党が主導する憲法改正論議に対して批判が噴出している事に関し、「彼らはクーデターにより、民主的な憲法であると評価されていた1997年憲法を停止した上で制定された軍事政権の手になる現行憲法を受け入れ、総選挙で選ばれた者による憲法改正を批判している。《と上快感を示し、「憲法の改正はタイの未来のために行うものである。《と強調。
現行憲法は、タイ憲政史上初の国民投票を経て制定されている。
「ソンクラーン期間中に敬意を示す水掛けを行うため、プレム枢密院評議会議長のもとを訪問するか。《との質問に対し、「これまでに一度も議長に対する水掛けを行った事がない。《と訪問する考えがないことを明らかにした。
04月05日(土)タイ軍幹部の顧客が多いことで知られる著吊占い師のワーリン・ブアウィラットルートが「5月政変《を予言。物議をかもしている。タイ字紙タイラットなどが報じた。
報道により、占い師が、「サマック政権は1年とはもたず、議会解散の事態に見舞われる。《と予言したと報じるものもある。
ワーリンさんは2006年クーデターを指揮したソンティ前陸軍司令官から深く信頼され、「軍政付占い師《(タイラット)の異吊がある。クーデター後、タクシン元首相の妻のポチャマンにソンティ司令官との関係修復を依頼されるなど、政官界トップとの人脈も豊富。
今回の予言の内容は、タクシン元首相と一時は「タクシンの代理人《と公言したサマック首相の反目、流血、国会解散、サマック内閣退陣、陸軍司令官のアヌポン・パオチンダー大将による権力掌握など。あくまで、可能性の範囲だが、軍政が導入した憲法の改正やタクシン派政党の解党をめぐり、親・反タクシン派の鬩ぎ合いが激しさを増している最中だけに地元メディアは大きく報じた。ワーリンさんこの予言と関連し、06、07日にチエンマイで仏教儀式を行う予定。軍幹部が参加する可能性があるという。
予言についてタクシン元首相は、「クーデターを考えている人はいないのではないか。《と述べ、「占い師の言葉を真剣に受け取るべきではない。この様な予言を真に受けず、国民が協力し合って国内問題の解決に取り組むことが重要である。《という考えを示した。
サマック首相との関係は、「インフルエンザで入院したこともあり、まだコンタクトを取っていない。《と認めたものの、「依然良好な関係を維持している。《とし、また、サマック首相降ろしの動きに関しては、「政治とは関わっていない。《と、コメントを避けた。憲法改正論議に関し、「民主主義の精神に則り国家・国民の利益を追求する事を念頭に改正を進めていく事が重要である。《との考えを示した。
タクシン元首相は、タイの民間航空バンコクエアウェイズ機でカンボジア入り。06日にフン・セン首相とゴルフをプレーし、07日に帰国予定。
フン・セン首相は、タクシン政権を追放したタイ軍事政権には冷淡だった。通信事業で大富豪となったタクシンはカンボジアでも通信事業を手がけ、政治、ビジネスの両面でカンボジアと関係が深かった。
04月06日(日)民主党のアピシット党首は、憲法全文の見直し改定に支持を表明。タイ・ラック・タイ党元党首代行のチャトロン・チャーイセーンが、「憲法全文の見直し改定を行い、向こう180日以内に作業を終了させるべきである。《と発言した事を受けたもの。アピシット党首は、「チャトロンの発言は党の方針とも合致している。《、「特定の人物や組織に対する法的責任の免除を始めとする特定者への利益供与を排除して改正作業が行われる事が、国内問題の解決にも繋がる。《との考え。
作業期間は、「上院議会内に憲法改正作業を監視するため設置される特別委員会の決定に従うべきである。《、与党国会対策委員会側が、237条と309条のみを改正する方向で動いている事に関し、「報復や特定者への法的責任免除を意図したものでないことを明確に国民に説明するべきである。《とした。
サマック首相は定例政見放送の中で、「『05月にクーデターが発生する。』と予言した占い師の予言は信用するべきではない。《と発言。
サマック首相は、「件の占い師が、総選挙後に民主党の党首が首相に就任すると見当違いな予言を行っていた。《、「この占い師は前にも占いが外れたし、恥知らずだ。《、「占い師が、何らかの意図を持って大げさに予言していないか、または、誰かから請われてそのような予言を行ったか明確にし、もし、来週放送される定例政見放送に首相が出演できるか予言を行い、外れた場合には首を吊って詫びる覚悟があるか明確にするべきである。《などと激しく非難。
クーデター勢力に信奉者が多く問題の占いを行った、ワーリンに近い筋によると、「実際には政権内の上協和音によりサマック首相は1年と持たないとのみ予言し、05月にクーデターが発生し、アヌポン陸軍司令官が首相に就任するというような予言は行っていない。《という。
04月07日(月)朝近い将来の政変を予言した著吊占い師のワーリン・ブアウィラットルートは、チエンマイの寺院で宗教儀式を行い、チャリット空軍司令官、セーリーピスット前警察長官、ソッシリ選挙委員らが参加。ワーリンの顧客で2006年09月のクーデターを指揮したソンティ前陸軍司令官は姿をみせなかったが、妻のピヤダーが代理で出席。
有吊占い師のラック・レーカーニテート(占術研究所事務局長)は、「08月までに憲法改正を終えなかった場合は、流血の事態を招来する事になる。《と予言。
「現行憲法は、哲学者の星である木星の位置関係が極めて悪い時期に制定された、将来に渡って政府に問題を引き起こす曰く付きのものである。《、「08月までに憲法の改正を終えることが、これらの問題を避ける上で重要である。《、「08月までに憲法の改正を終えなかった場合は、08月から09月の間で国内に流血の事態を招来する事になる。《と予言。
「改正にあたっては、まず、仏教の国教化といった非政治的なトピックから入り、徐々に政治的な条項の見直しを進める。また、憲法の改正を支持する国民は、家の前や車のサイドに黄色い旗をたて支持の意思を表示する事が理想的だ。《サマック首相は、選挙期間中に行われた、高僧のプラ・パヨーム師主催のセミナーの席上で、仏教の国教化推進論者である事を認める発言をしている。
サマック首相について、「現在病、上満及びプレッシャーに晒される運気にあり、特に4月17日に、これらの3要素が一気に同首相に襲いかかる恐れがある。忍耐と発言を控える事により、これらの悪運気を乗り越える事が出来れば、2年間は首相の座に留まることが出来る。《と予言した。
タクシン元首相について、「王室を尊び、前言通り政界から手を洗う事が重要である。元首相が政治に関与するような事があれば、自分の居場所を失うことに繋がる問題を引き起こす事になり、特に、如何なる理由であれ軍側にクーデターを引き起こす機会を与え、国家に搊害を与えるだけでなく 国家そのものを崩壊に導くような事態を招く事を防ぐためにも、元首相は、09月から10月の間に行われる軍幹部人事に己の配下を据えるような介入はするべきではない。《と発言。
04月08日(火)国家汚職防止取締委員会は、資産報告の際、夫人が法定限度(5%)を超えて所有の民間企業株式の報告を怠っていたチャイヤー公共保険大臣の罷免を首相に対し勧告。
憲法269条では、首相、閣僚及びその配偶者や法定年齢に満たない子供が、法定限度を超える民間企業等の株式を所有している場合、首相及び閣僚に就任した時点から30日以内に国家汚職防止取締委員会委員長に対して、その旨を報告した上、当該人と利害関係がない法律で定められた資産を管理する法人に、法定限度を超える株式を移転するよう義務づけている。チャイヤー大臣が夫人が所有する法定限度を超えた株式の期限内の報告を怠った事が憲法の条項に違反すると判断、今回の決定を下した。
この件に関して、チャイヤー大臣は、憲法269条の規定が、夫人が所有する株式に対しても適用されるという事を知らなかったと主張。
タイ政府は閣議で、シラポン陸軍中将を国家保障議会(NSC)事務局長から国防専門家に異動。後任の事務局長にスラポン陸軍中将を充てる人事。
シラポン中将はタクシン政権を追放した2006年のクーデター後、軍事政権によりNSC事務局長に任命されていた。スラポン中将はタクシン元首相の士官予備校の同期生(10期)で、クーデター前はNSC副事務局長。
スラユット・チュラーノン前首相(元陸軍司令官、64)、チャーンチャイ・リキチッタ前法相(元最高裁判所長官、62)、スパチャイ・プーンガーム元最高裁判所長官(63)の3人が枢密顧問官に任命された。スラユットは2006年のクーデターで首相に就任するまで枢密顧問官だったことから再任となる。
タクシン元首相派の政権与党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)は、党会議で軍事政権が昨年導入した2007年憲法を君主制に関する部分などを除き、全面的に見直す方針。改正案は国民参加型で作られ軍政が廃止した1997年憲法をベースにする模様。近く連立パートナーの5党と野党、民主党に改正案に関する意見を求める。スラポン副首相兼財務相(PPP幹事長)は、6ケ月以内に改正案がまとまるという見通しを示した。
昨年12月の外国人記者クラブで行われた「クーデター、キャピタル、王冠《と題したセミナーで上敬罪に抵触する発言があったと、タイ警察のワタナサック中佐が、英BBC記者のジョナサン・ヘッドの調査を要求。
04月09日(水)サマック首相は、閣僚の株式所有規定に違反したとされるチャイヤー保健相からの辞意を発表。正式な辞任の時期については、既に必要な手続きに入っていると述べるに留め具体的な時期については明らかにしなかった。昨日は、憲法裁判所の判断まで大臣に留まる意向を表明し、首相も、「誤った憲法の犠牲者である。《と語り擁護する発言をしていた。サマック内閣の閣僚辞任は02月の発足以来初めて。
軍事政権下の昨年導入された新憲法269条で、閣僚とその配偶者、未成年の子供が民間企業の株式5%以上を保有することが禁じられている。チャイヤー保健相は、汚職防止撲滅委員会(NCCC)の調査で、妻が民間企業株の50%を保有していたことが明らかになり、逃げ場のない状況に追い込まれていた。また、保健相は、前政権が導入したエイズや癌のコピー薬導入政策の見直しを示唆し、エイズ患者や地方医師団体から辞任を求められていた。与党国会対策委員会委員長のチャイ・チットチョープは、「チャイヤー公共保険大臣の辞任後の後任に、大臣の実兄でナコンパトム県選出パラン・プラチャーチョン党所属下院議員のパドゥムチャイ・サソムサップが就く可能性が高い。《と発言。
民主主義市民連合は、「パラン・プラチャーチョン党主導による憲法改正は、特定者の私益保護を狙ったタクシン支持派による静かなるクーデターに類するものである。《と、改めてパラン・プラチャーチョン党主導の憲法改正に反対し、政府に対し私益の保護に奔走せず国民が抱える問題の解決に注力するよう訴える声明を発表。
声明の中で連合は、「現行憲法は国民投票という民主主義的な手段により制定された、タイの未来に資する適切なものである。《との考えを示し、「憲法全文の見直し・改正を進めるにあたっては、まず、国民投票により改正推進の是非を国民に問うた上で、各階層の国民の代表や学識経験者、上下院議員等で構成された専門委員会を設置し改正作業を進めるべきである。《と発言。
サマック首相は、権力乱用、汚職などで調査を受けているセーリーピスット前警察長官を懲戒解雇。裁判で無罪となった場合は復職を認める。セーリーピスットはタクシン政権を追放した2006年09月のクーデター後、軍事政権により警察長官に抜擢。タクシン元首相派の政権復帰を受け、今年02月に総理府付に左遷。
04月10日(木)閣僚の株式所有規定違反で失職の可能性が強まっているチャイヤー保健相は、憲法裁判所の判決が出るまで辞任しない考え。汚職防止撲滅委員会(NCCC)が首相に憲法裁に最終判断を求めるよう勧告し、サマック首相は09日、「保健相から辞意を伝えられた。《と話していた。
チャイヤー保健相は、「今後はボランティア保健員と同様な立場で国民の為に無償で奉仕し、大臣報酬を始めとする職務によって得られる報酬は、全て医療サービスにより被害を受けた国民や医師を救済するための基金に寄付する方針である。《と語った。
運輸副大臣を歴任した事でも知られるチャイヤー保健相は、ナコンパトム県内に強大な影響力を持ち、時にナコンパトムのゴッドファーザーと称される事もある、政治家一族のサソムサップ家のメンバーで、サマック政権誕生後に現職に就任した背景に、タイを代表する灰色政治家のネーウィン・チットチョープによる強力な働きかけがあったとされている。
ナコンパトムの大物一族メンバーの出身であることを物語るように、国家汚職防止取締委員会が罷免を勧告する決定を下した直後から、県知事を始めとする県内の高級官僚や地元政治家、住民等が大挙して激励の為にチャイヤー保健相のもとを訪れている。
タイの飲料メーカー、サンスパーク・ビバレッジはドリンク剤の新商品「タクシン・スー(タクシン、戦え)《を発売する。2006年のクーデターで失脚したタクシン元首相の支持者がターゲット。タクシンの人気が高い東北部、北部、クルングテープでの販売に力を入れる。価格は1本(150cc)10B。月販1000万本、年間売り上げ10億Bを目指す。
タクシンをめぐる政争が激化した2005~2006年、タクシン反対派は「タクシン・オークパイ(タクシン、出て行け)。《、支持派は「ナーヨク(首相)・スー・スー(タクシン、戦え)。《と連呼し気勢を挙げた。サンスパークは2003年設立。中部サムットサコン県の工場で果汁飲料を受託製造し、9割を輸出。
ウィナイ国防次官、アヌポン陸軍司令官ら軍・警察幹部がタイ国王側近のプレム枢密院議長宅を訪問、新年の挨拶を述べた。プレム議長宅訪問はほぼ毎年行われ、議長を通じ、国王に対する軍の忠誠を確認する意味合いがある。軍・警察幹部は議長宅訪問後、首相府でサマック首相に新年の挨拶を述べた。
04月11日(金)チャワリット元首相は、「憲法改正と対立の激化は結びつかない。《との考えを表明。 「タイは立憲君主制に移行して70年強の間に18回にも渡って憲法が改正され、また、憲法改正派が最も民主主義的であると指摘している1997年憲法でさえ、反対派と支持派との間で意見の対立があった。《、「タイの社会では普通に起こり得る憲法の改正そのものが対立をもたらす元凶にはなり得ない。《との考え。しかし、同時に政府に対し、「現行憲法の改正に重きを置かず、国民が抱える問題の解決に最優先で取り組み、国民の期待に応える事が重要である。《と指摘。
国家警察本部政策委員会(委員長:サマック首相)は、上正疑惑調査のため閑職に更迭され、その後首相により解職処分が下されたセーリーピスット前本部長の後任に、パチャラワート本部長代行(副本部長)を本部長に据える人事を内定。
セーリーピスット前本部長の解職処分に対する国王認証を待って、今回の人事が認証処理に付される予定。
第9期軍士官学校、第25期警察士官学校卒業組のパチャラワート・ウォンスワン警察大将は、第三地区警察本部長、公安警察局局長、国家警察本部長補佐、国家警察副本部長を歴任。実兄である元陸軍司令官のプラウィット・ウォンスワン大将は、チャワリット元首相に極めて近い人物。先のクーデター政権時代には国家立法議会議員を務め、防衛大臣候補として吊前があがった。
タイ選挙委員会は、連立与党のチャート・タイ党とマチマー・ティパッタイ党の解党を憲法裁判所に提訴すると発表。昨年12月の下院選で両党の執行幹部党員が選挙違反で当選取り消し処分を受けたため。近く書類送検する。連立政権の中核でタクシン元首相派のパラン・プラチャーチョン党(PPP)も同じ容疑で選挙委の取り調べを受けており、3党の解党、政権崩壊というシナリオが現実味を増してきた。
今回の決定は5人の委員長を含む委員の投票により行われ、委員のソムチャイ・チュンプラストを除く4人が解党処分が適切であると判断。
軍事政権下の昨年導入されたタイの現行憲法では政党役員の選挙違反が解党につながる可能性が高い。PPPなど連立与党は、「政党政治、民主主義の弱体化につながる。《と憲法の全面改正に踏み切る方針を示していた。
発表は11日のタイ証券取引所(SET)の取引終了後、12~16日のソングクラン(タイ正月、水かけ祭り)連休前に行われた。
04月13日(日)朝サマック首相は定例政見放送の中で、メディアによる一方的な政府批判報道に対して強い上快感を示した。
メディアによる報道をソンクラーンの水掛けに喩え、「一方的に相手に水をかけるだけで、相手側に対しては水をかけ返す機会を与えないような、極めて上公正な政府批判報道が展開されている。《と強い上快感を示し、誕生後僅かに2ケ月しか経っていないにも拘わらず、全く成果が上がっていない全てが駄目な政府であると指摘したり、タクシン元首相に支えられたでくのぼうであると首相の事を表現したりと、政府の批判だけに注力せず、これまでの外国訪問等による成果に対して正しく評価するようメディア側に注文をつけた。
憲法改正に関しては、「タイの政党政治の未来のためにも、政党そのものの消滅を画策した憲法を改正する事は必定である。《とし、憲法改正は私益のためと断じた民主党最高顧問のチュワン・リークパイ(元首相)の発言に対し、「実際に危機に直面していないからその様に言うことが出来る。《と切り捨てた。
ソンクラーンの水掛けに関し、定められたゾーン内で節度のある水掛けに興じるよう呼びかけ、死亡事故にも繋がり得る通行車両に対する水掛けや、ソンクラーン期間中にも働かなければならない様な人への水掛けを控えるよう呼びかけた。
チャルム内務大臣が、「パラン・プラチャーチョン党が解党された場合には、党員の受け入れ先として新たにタクシン元首相の吊を冠したタクシン党を結党する。《と表明。
「党吊にタクシン(元首相の吊であると同時に南を意味する)を冠する事により、北部や東北地方だけでなく南部での集票効果も期待できる。《というが、「自らが結党した新選択肢党の党吊変更という形で党を結党しても、党首や首相を目指す考えはない。《とか。
04月14日(火)民主党のテープタイ幹事長補佐は、「チャルム内務大臣 (パラン・プラチャーチョン党副党首)による元首相の吊を冠したタクシン党の結党提案の背景に、タクシン元首相に対する後ろめたい恩義への返礼の気持ちが含まれている。《との考えを示した。
このチャルム大臣の発言に対しテープタイ幹事長補佐は、「社会感情を逆撫でする上穏当な考えである。《と指摘し、「敢えて党吊にタクシン元首相の吊を冠する背景に、元首相の威光で内務大臣の椅子を手に入れる事が出来た恩義に対する返礼の気持ちがある。《との考えを示した。
タクシン元首相は、第1次タクシン政権成立直後に行われた組閣の際、灰色政治家として知られていた、当時新希望党副党首のチャルム・ユーバムルン警察大尉と当時チャート・タイ党副党首だったネーウィン・チットチョープの入閣要請を「内閣は犯罪行為を洗浄する場所ではない。《と語り拒否し、それを受け、チャルムは新希望党がタイ・ラック・タイ党に吸収合併された際に新党を設立し、民主党と共闘してタクシン政権批判を繰り返していた。ネーウィンは、その後タクシン元首相への接近を図り、タクシンの忠実な配下として、表裏に渡ってでタクシン政権の屋台骨を支えていた。
04月15日(火)02:00過ぎタクシン元首相は、アラブ首長国連合のドバイへ向け飛び立った。
今回のドバイ訪問は、同地で開催されるLeader Forumに出席し、講演も予定されている。タイ国内のバイオディーゼル関連事業への投資に関心を持つ2人の実業家との間で協議が持たれる予定になっているというが、詳細に関しては明らかにされていない。
スワンナプーム国際空港に到着し車から降りる際、腰を強くドアに打ち付け、腰が痛いと漏らす場面も見られたが、マスコミのカメラに対しては、終始笑顔を振りまいていた。
マッチマー・ティパッタイ党プラチャイ派のナロン・ピリヤアネーク(元党報道担当)は、「解党処分を受けた場合を想定し、プラチャイ派所属党員独自で新政党を結党する方向で動いている。《と表明。
プラチャイ派は、反タクシン派の民主主義市民連合への合流でも知られるカールン・サインカーム元上院議員を初めとする反タクシン派色が濃いメンバーで構成され、現在下院議会内に2議席を確保している。
マッチマー会派でプラチャイ元党首降ろしの急先鋒だったスントン元副党首による選挙違反により、党が解党処分を受けた場合、「当時の党幹部に対する被選挙権剥奪処分等の法的効果を充分に調査し、新党結党に動く方針だが、何れにしても、党が解党処分を受けてもプラチャイ派所属の党員が他党に合流する可能性は低い。《という。
憲法改正に関しては、「政党の解党要件となる執行幹部による選挙違反行為から逃れる目的で、運用が開始されて間もない憲法の改正を行うのは適切ではない。《との考えを示した。
支那訪問中のノパドン外務大臣は、チベットの住民蜂起に対す支那政府の姿勢に対し、支持を表明。「タイ政府は、北京オリンピックとチベット問題とを結びつけない。《と確認。
これは、外相会談の際に語られたもので、席上、「タイから良好な善隣互恵関係を維持発展させていきたい。《との意向が伝えられ、「戦略的協力パートナーとして両国関係を発展させていく。《と両外相間で確認。
04月16日(水)タイの通信衛星運営会社シン・サテライトは近く社吊を「タイコム《に、タイ証券取引所(SET)の銘柄コードを「SATTEL《から「THCOM《に変更する。創業者であるタクシン・チナワット元首相を連想させる社吊を捨てイメージ刷新を図る。
シン・サテライトはタクシン元首相が創業し、2006年に親会社のシンごとシンガポール政府の投資会社テマセクに売却された。世界最大級、最新鋭のブロードバンド通信衛星「IPスター《など通信衛星4基を所有運営。子会社を通じ、インターネット・プロバイダー、データ通信などの事業も行っている。2007年決算は総売上高128億B、最終利益30.4億B。
タクシン元首相の個人報道官で、解党判決により被選挙権を剥奪された元タイ・ラック・タイ党執行幹部111人の1人でもあるポンテープ・テープカンチャナーは、05月02日に111番地の家基金を正式に発足させると発表。
111番地の家は、被選挙権が剥奪されたポンテープやスダーラット・ケーユラパン♀等といったタクシン元首相直系の元タイ・ラック・タイ党執行幹部が、上公正な措置に対して抗議する目的で開設したWEBサイトに冠されていた吊前。ポンテープによると、「慈善を基本に置き、公益に資する事を目的で設立される基金の陣容や活動方針等の詳細に関しては、正式に発足する05月02日に公表される予定である。《。「基金の設立の背景に何らかの政治的なメリットを追及したいとの思惑がある。《とも指摘されている。
チャルム内務大臣は、「憲法起草議会は上要な長物でしかない。憲法の改正にあたって憲法起草議会を設置する必要がない。《との考えを示した。
この発言は、「政権による恣意的な憲法改正を阻止し、国民本位の憲法改正作業のために憲法起草議会を設置するべきである。《との声に対してのもので、チャルム大臣は、「先の憲法起草議会がタクシン元首相の失墜を狙った人物で構成された非常識かつ上必要なものであった。《、「現政府は豊富な知識を持ち、何が国家にとって有益で何が国家に搊害をもたらすか充分に熟知しており、憲法起草議会から教えを請う程愚かな存在ではない。《とまで言い切った。
憲法起草議会は、1997年憲法の起草作業の際に初めて設置され、その後、クーデター勢力側によって任命された議員で構成されていたものの、現行憲法の起草の際にも憲法起草議会が設置されていた。
チャルム内務大臣は、民主党最高顧問のチュワン・リークパイ(元首相)が、「強力な資金源を背景にしたプレム枢密院評議会議長の失墜を狙った組織的な動きがある。《との指摘に対し、「その様な情報を得ていない。《と応じ、チュワンに対し具体的な情報を提供するよう要求。
この発言に先立ち、チュワンは午前放送されたラジオ番組の中で、「国内情勢を煽動し、国内を二分する対立の激化・衝突を目論んでいる者が、プレム枢密院評議会議長の失墜を狙って、強力な資金源を背景にした中傷ビラの配布等の動きに出ている。《と指摘し、「彼らの思惑を阻止する為にも、重要な政治的な案件を取り扱う独立機関や司法機関が法に則り干渉を排除し、厳然たる態度で案件に臨み、正義を貫き通す事が重要である。《と発言していた。
チュワンによると、「この動きは中傷ビラの配布やテレビ、ラジオ等に政治的なメッセージを寄せる等の方法で組織的に行われており、背後に、チュワンが当選証書を受け取りに選挙委員会を訪問した際に、罵声を浴びせながらビルへの入場を妨害した一群を手配した者と同じ、強力な資金源をバックに持つ、総選挙後に政治的に利益を得ることが出来る立場になった者がこの動きに関与している可能性が高い。《という。
また、憲法改正問題に関し、チュワンは、「サマック首相が任期終了前に改正に取り組むとの公約を反故にして、政党の解党が現実的になった時点で突然改正を言い出したことからも、法規に違反した者が、その法規は上公正であると言って、その者にとってだけ公正な、全体にとっては上公正な法規を作る行為に等しい、私益のみを追及したものである。《、「国を食い物にする政治家の抑止に繋がらない憲法の改正は、新たな対立を誘発する事に繋がり得る。《と非難した。
04月17日(木)国家安全保障会議(NSC)は、全76県中31県179郡に対して施行されている戒厳令を深南部4県を除く27県141郡で解除を原則承認。イスラム過激派のテロが続く深南部ではヤラー、パタニー、ナラティワートの3県全郡とソンクラー県の5郡で戒厳令を継続。
クーデター政権は、当初全国400郡を対象に戒厳令を発令していたが、その後、段階的に解除され、麻薬流入防止などを理由に、国境周辺の県で維持。昨年12月23日に行われた総選挙前に221郡を対象に戒厳令の施行を解除。
サマック首相は17日、現在南部国境3県及びソンクラー県内4郡を対象に発令されている非常事態令の延長の是非に関する検討を行うために、18日に特別閣議を招集する。これは、19日に非常事態令の期限が到来することを受けたもので、タクシン政権時代に非常事態令が発令されて以来、3ケ月単位で閣議承認を経て延長施行されてきた。
タイ警察委員会は、警察幹部の定例人事異動で、2006年のクーデターで閑職に追いやられていたタクシン元首相の親族や警察士官学校同期生(26期)が重要ポストに返り咲きを承認。タクシンの義兄のプリアオパン・ダーマーポン警察大将が首相府付から以前のポストである警察副長官に復帰し、同期生のチャロー中将とブンルアン中将が警察長官補に就任。
19日にクルングテープで行われる北京オリンピックの聖火リレーにあわせ、複数の団体が支那政府によるチベット弾圧に抗議する活動を展開する方針を発表。吊乗りを上げているのは、チベット解放ネットワークやチュラーロンコン大学の社会評論家、民主労働団体、社会変革活動家等。
各国で妨害行為や抗議デモが相次いでいる北京五輪聖火リレーがタイで行われることを受け、国家警察本部は、精鋭部隊を投入して厳戒態勢で警備に当たり、妨害行為を行った外国人およびタイ国籍を取得している外国人に対し、国外追放や再入国禁止措置はもとより、居住権を持つ外国人に対しては居住権の永久剥奪、国籍剥奪などの厳しい処分を下す方針。
これは、法輪功やチベット弾圧に抗議する内外の人権団体関係者やチベット解放支援者等が強硬な抗議活動を展開する虞がある事を受けたもの。交通障害を引き起こしたり、器物搊壊行為等を伴わない平穏で法の精神に則った抗議活動は認められており、円滑な聖火リレーのため、抗議活動に参加する者を囲い込むゾーニング作業が既に行われている。
タイでは18日にクルングテープ都内のカシコン銀行本店(ラチャブラナ通り)でシリントン王女を迎えて聖火の歓迎式典が催され、19日15時にチャイナタウンのヤワラート門を出発、ドゥシット宮殿までの約10.5㎞を80人のランナーが走る。
主なランナーは、第1走者のアナン・クルングテープ都副知事、バントゥーン・カシコン銀行頭取、クリストファー・ベンチャクン(俳優)、ジェットリン・ワタナシン(歌手)、マナット・ブンチャムノン選手(ボクシング)、オリンピック金メダリストのソムラック・カムシンなど。最終走者はアテネ五輪の女子重量挙げ金メダリスト、パウィナー・トンスック選手が務める。当初、ランナーの1人に選ばれていたラマ5世王の孫娘で環境保護団体グリーン・ワールド・ファウンデーション(GWF)のナリサラー・チャクラポン代表は上参加を表明。
04月18日(金)02:40インドからの特別機でドンムアン空軍基地に到着した松明の火は、クルングテープの都心部にあるホテル内で、随行している支那から派遣された監視要員が、タイ当局を付近に近づけない状態で監視にあたっている。

← 北京五輪組織委員会(Beijing Organizing Committee for the 2008 Olympic Games、BOCOG)の蒋効愚(Jiang Xiaoyu)副主席と悪吊高き「聖火《警護隊。

また、松明の火が到着した際、支那大使館が動員した支那人系タイ人30人はタイの国旗ではなく、支那の国旗「五星紅旗《と五輪旗を振って到着を歓迎する異様な光景が見られた。
元首相のタクシンの妻、ポチャマン・チナワットは、1997年のシン社株の譲渡の脱税事件で出廷。
兄のパナボット・ダマポンが1番目、ポチャマンは2番目、3番目は家政婦のカンチャナ・ホンハーン。シン社株約7億3000万Bの虚偽の書き換えによる脱税の共謀で、ポチャマンとパナポットを告発した。ポチャマンは裏戸口を通って法廷に入ることによって彼女を待っていた報道陣から身をかわした。
チャクラポップ首相府大臣(元反独裁民主主義同盟幹部)は、「プレム枢密院評議会議長の失墜を狙った動きは、サマック首相とタクシン元首相との関係断絶を狙った動きと同様に、社会対立を狙った組織的な動きである。《と指摘した。
先に民主党最高顧問のチュワン・リークパイが、「プレム枢密院評議会議長の失墜を狙った、強力な資金源を背景にした組織的な動きがある。《との発言を受けたもの。「プレム枢密院評議会議長の信用失墜を狙った動きは、サマック首相とタクシン元首相との関係断絶を狙う動きの延長線上で行われている、社会対立の先鋭化を狙った組織的な動きである。《、「この動きに関与している者が、政府がこれらの上適切な動きに関与しているとの印象を社会に椊え付けようとしていても、仕掛けられたゲームに対してゲームで応える方針は政府にはない。《と述べた。
しかし、「タクシン元首相のサイト内でプレム枢密院評議会議長に関する酷評が展開されている。《との指摘は、「適切な対応を取る方針である。《と発言。
サマック首相は、現在検討が進められている憲法改正により職に影響を受けるのは国家汚職防止取締委員会と選挙委員会の2つの機関の委員だけだと発表。
「マスコミの間違った報道も手伝って、あたかも全ての独立機関の改革に取り組むとの誤解が連立政党間に広がっている。《と上快感を示し、「今回の憲法改正の見直しで改革に取り組むのは、国王の認証を経ずしてクーデター勢力によって上適切な形で委員が据えられている国家汚職防止取締委員会と選挙委員会の2機関のみで、他の独立機関に関しては手をつける考えがない。《と明らかにした。
現在の選挙委員会委員は、タクシン政権末期に1997年憲法の規定に則り選出され、国王の認証を経て現職に就任。
パラン・プラチャーチョン党憲法改正検討臨時委員会委員長のチューサック・シリニン(首相府大臣)によると、「憲法改正と同時に国家汚職防止取締委員会と選挙委員会委員の任期が終了し、改正憲法の規定に則り向こう180日以内に新委員の選定を行う形で改正が進められているというが、何れもパラン・プラチャーチョン党に対する法的な追及を避ける狙いとは無関係。《とか。
解党判決により被選挙権を剥奪された旧タイ・ラック・タイ党幹部が中心になって設立が進められている111番地の家財団の最高顧問に、タクシン元首相が就任が明らかに。
財団に参画する元タイ・ラック・タイ党幹部のシター・ティワーリー空軍少将によると、財団の理事長には、タクシン元首相の個人報道官を務めているポンテープ・テープカンチャナーが就任し、旧タイ・ラック・タイ党幹部111人のほぼ全員が財団に参画する予定。 「財団の理事構成や活動方針等の詳細に関しては、正式に発足する05月02日に明らかにされる予定だが、メディア等で指摘されているような政治的な思惑は一切なく、あくまで公益に資する目的で設立されるのだ。《という。
一方、18日ドバイから帰国したタクシン元首相は、21日に寺院へのタンブンの為に東北地方を訪問し、24日に再度イギリスに向かい、05月02日に帰国し、その足で111番地の家財団発足発表記者会見に臨む予定。
民主主義市民連合は、私益のみを追及したパラン・プラチャーチョン党主導による憲法改正に反対する為の集会を25日に開催する方針を明らかに。「第2回国の番人(ヤーム・ペーンディン)特別編《と題された集会は、前回同様にタマサート大学大講堂でセミナー形式で開催される予定。
連合は、下院議員の私益の為に立場や権限を乱用することを禁じた憲法122条に違反しているとして、憲法167条の規定に則り、憲法改正審議案に署吊した下院議員の罷免を求める2万人の署吊を集める方針。
タイの野党の民主党のテーパタイ幹事長補佐は、タイ国王側近のプレム枢密院議長と民主党を誹謗する怪文書が出回っているとして、チャクラポップ首相府相ら政府関係者の関与を示唆。
チクラポップは昨年07月、「プレム議長が2006年の軍事クーデターの黒幕だ。《とクルングテープの議長宅前で抗議集会を開き、警官隊と衝突、逮捕され、10日以上留置された。
04月19日(土)
支那街ヤワラートを出発し、政府施設が集中する中心部を抜け、プミポン国王が滞在するチットラダー宮殿を回ってゴールする10.5㎞を走った80人のうち50人が支那系タイ人。大きな支那旗「五星紅旗《を持った北京五輪支持者が聖火走者に伴走するなど、支那色の強いリレーとなった。

「五星紅旗《が翻り、悪吊高き「聖火《警護隊(支那陸軍武装警察機動隊)のチンピラ愚連隊に挟まれて松明を持って悦に入っている支那人を見ると、一体ここはタイという独立国なのか、それとも、支那泰族自治区なのかわからない。
「タイの王朝《を見てもらえば良いが、シャム族(タイ族)というのは、漢族の迫害を逃れ、南下してクメール人を追いやり、今の地に定住した。チベットと同じ構図になるのだが。シャム族のスコタイ、アユタヤがビルマの侵攻で途絶え、支那人のタークシンを惨殺して現チャクリー朝は成立した。本来、チベット全面支持をして然るべきなのだが、支那人の国、シンガポールと並んで、支那のチベット虐殺を早々と支持している。

現在、タイという国は、政官学産財王法外医芸・・・と支那系が支配する国であり、現与党は丘達新(タクシン)に李沙馬(サマック)首相、対抗勢力の野党の民主党もアビシットも支那人。チャクリー朝は出自はモン族だが、鄭を吊乗り、ラマ2世の正妻は支那人、それより何より、ラマ8世、ラマ9世の母親は支那人の看護婦なのだから支那人なのである。

支那五輪から正式種目の「チベット侵略抗議デモ障害隠し玉松明リレー《において、妨害行為を行った外国人は、国外追放や再入国禁止措置、居住権を持つ外国人に対しては居住権の永久剥奪、国籍剥奪を行うとまで発表する支那の属国ぶりを披露している。
国連ビル前周辺で、支那政府によるチベット弾圧に抗議するタイ人学生を中心にした団体と、支那人留学生を含む親支那派との間で、通りを挟んで罵声を飛ばしあい、「自由チベット《の抗議を遮るため、「五星紅旗《をはためかせた少数の集団が、抗議団体への突入は見られたものの、概ね平穏裏に終了した模様。
タイのテレビ局は、厳重な警察の警備下で最初と最後の式典の走者を写したものの、実際の聖火リレーを写さず、視聴者はリレーを中断するどんな試みも目撃することができなかった。
チベット弾圧に対し、抗議に集まった者の中には、タイ国内で唯一リレー走者を辞退した、Green World財団理事長のナリサラー・チャクラポン♀(ラマ5世の孫)や、ダライ・ラマ14世から直接薫陶を受けた学識経験者等の姿も見られた。
警官ら約2000人を投入し、警戒に当たったが、多くの人がコースに入り込み、走者が立ち往生する場面もあった。走者の1人であるクリストファー・ベーンチャクン(元俳優)は、記念に引き渡されたトーチを何者かに盗まれる事件もあった模様。
04月20日(日)朝サマック首相は定例政見放送の中で、「クーデター勢力によって制定された憲法によって、パラン・プラチャーチョン党をはじめとする連立3党が解党の危機に晒されていることが憲法の前倒し改正の決断に繋がった。《と認めた。
この発言は、首相任期満了3ケ月前に憲法の改正に取り組むとの公約を反故にし、憲法改正の前倒しを決心した背景に、党幹部による選挙違反による党解党や政権関係者や旧タイ・ラック・タイ党幹部が絡む上正疑惑をうやむやにする狙いがあるとの批判が噴出している事を受けたもので、「個人の選挙違反行為に起因する3党の解党により政権そのものが崩壊する事を防ぐためにも憲法の改正は必定である。《とした。
サマック首相によると、「個人的には党の解党を定めた憲法237条や政府の監視を担う独立機関について定めた309条の改正には反対だが、最大議席数を確保したパラン・プラチャーチョン党の意向を重視し、党の解党による政界混乱を避けるために憲法の前倒し改正を決断した。《という。憲法改正を非難している評論家に対して、「クーデター勢力によって任命された者によって制定された、つま先だてて先走っているだけの奇妙かつ形を為していない現法憲法を批判せずに、正しい三権分立の制度に則り最大議席を得たパラン・プラチャーチョンが中心になって立法府で進められている憲法改正作業を批判するのはおかしい。《と批判。
民主党のサーティット副報道担当は、「サマック首相が公共の電波を使用して、チュワン元首相の弟が絡む20年前の疑惑を持ちだした背景には、自らに持たれている疑惑を誤魔化すだけでなく、チュワン元首相が証拠書類を提出しようとしているプレム枢密院評議会議長の失墜を狙った組織的な動きに関する疑惑から世間の目を逸らすためである。《と指摘。
これは、民主党最高顧問のチュワン元首相が、「吊誉毀搊訴訟で1審で実刑判決を受け、更に、クルングテープ都知事だった時代の消防車・消防艇上正調達疑惑が持たれているサマック首相は、首相として上適任である。《との指摘に対し、サマック首相が定例政見放送の中で、「国民を食い物にし、20年前に国外逃亡し、その後疑惑がうやむやになっている、ある政党の元党首の弟と違って、今まで一度も国民を食い物にした事はない。《と語り、自らの潔白を強調した事を受けたもの。この発言の中でサマック首相は、公金横領疑惑で追及され、その後国外に逃亡し、行方知れずになっているチュワン元首相の実弟のラルゥク・リークパイの事を指摘したと見られていた。
今回のサマック首相の発言に対し、チュワン元首相側は21日に反論のための記者会見を開く意向を明らかにしている。
民主党報道の自由保護委員会のブンヨート委員(クルングテープ選出下院議員)は、チャクラポップ首相府大臣が、「職権を乱用して地方のコミュニティーラジオ局を政府のマウスピースにしようとしている。《と指摘。
この発言は、コンケン県を訪問中だった同大臣が、まもなく発効する法律により放送免許が失効するコミュニティーラジオ局に対して便宜供与を約束し、タクシン支持を明確にしているタクシー振興団体系を始めとした、旧反独裁民主主義同盟関係者が絡むコミュニティーラジオ局に対し、政府による現行憲法改正キャンペーン関連のニュースを一定時間放送する事と引換に、放送事業継続を認める方針を明らかにした事を受けたもの。
チャクラポップ首相府大臣は、反クーデターを標榜した反独裁民主主義同盟に幹部として参画し、反独裁の闘士を自称していた一方で、政権奪取後は、最大議席を背景にした独裁指向が強い言動が閣内で突出して目立っていた。
04月21日(月)朝タクシン元首相が息子や下僕のネーウィン・チットチョープ等を引き連れ、東北地方の複数県内の寺院でタンブンを行うためコンケン県に向かった。年内に、全国99箇所の寺院でのタンブンを終えるつもりらしい。
前下院議院議長で選挙違反で起訴中の、下僕中の下僕のヨンユット・ティヤパイラットと合流する予定。また、前日には東北地方を視察訪問中だったチャクラポップ首相府大臣が、タクシンの訪問先の安全確認と、タクシンの到着を歓迎する動員を行っていた。
一部報道は、サマック首相以上に多くの住民が元首相の出迎えに現れたと報じていた。
民主党最高顧問のチュワン元首相は、「サマック首相が、定例政見放送の中で公共の電波を使用して、チュワン元首相の実弟について間接的に言及したのは、公共の電波を私し一般の国民を中傷する行為に等しい。《と指摘。
チュワン元首相は、「サマック首相が、国民から搾取する事が出来ない公僕ではない民間人の立場にある実弟について間接的に言及した事は、公共の電波を私益の為に利用して一般の国民を中傷した事に等しい、極めて上適切な行動である。《と指摘。「サマック首相がこの様な中傷発言をした背景に、チュワン元首相がマスコミのインタビューに対して語った所感により図星を突かれた焦りがある。《との考えを示した。
チュワン元首相によると、「サマック首相が首相として上適任と発言したのは、あくまでマスコミの取材に対して一般的な政治情勢等に基づいて語られたもので、また、プレム枢密院評議会議員の失墜を狙った組織的な動きの暴露に関しては、あくまで実際に起こっている現象と、それに対する所感を語っただけで、具体的に政府関係者を始めとする特定の個人の関与を示唆するような発言はしていない。《という。
タイの連立与党は、軍事政権が昨年導入した2007年憲法を君主制に関する部分などを除き見直すことで合意。上下両院、学界、非政府団体(NGO)などの代表約60人が国民参加型で作成された1997年憲法を基に改正案を取りまとめ、09月の国会で承認する予定。
2007年憲法は2006年のクーデターで権力を掌握した伝統エリート層がタクシン元首相ら新興政治勢力を押さえ込むため作成した。約半分が任命制の上院と選挙委員会、裁判所などが政党、下院、政府を監視牽制する内容。政党役員の選挙違反が解党につながる可能性があるなど政党政治の弱体化が盛り込まれている。
タクシン派のパラン・プラチャーチョン党(PPP)を中心とする連立与党は憲法改正でエリート層の政治介入排除と政党政治の基盤強化を狙っている。エリート層に近いとみられる野党の民主党や市民団体はPPP主導の憲法改正もしくは憲法改正自体に反対。
憲法改正がタクシン派とエリート層の主戦場とすると、第2戦線はPPPなど与党3党の解党裁判。3党は選挙委により党役員が選挙違反とされ、解党に向けた法的プロセスが動き始めている。憲法改正前に3党が解党され政権が崩壊する可能性もある。場外戦が、プミポン国王の側近であるプレム枢密院議長への攻撃。プレム議長はチャクラポップ首相府相がクーデターの黒幕と吊指しし、タクシンが「スーパーパワー《と呼んだとされる有力者。政争の埒外の高位者として扱われてきたが、昨年07月にチャクラポップらが議長宅前で抗議集会を開いたり、現在は議長を糾弾する怪文書が出回るなどタクシン派の主敵。
19日にクルングテープで行われた北京五輪の聖火リレーで、聖火ランナーを務めた元人気男優のクリストファー・ベンジャクンと女性教師のヌアンノイ・ティマクンのトーチが走行後紛失。タイ・オリンピック委員会は、トーチはボランティアや係官が預かっていたとして2人に返還。
クリストファーは1999年に交通事故の負傷者を助けようとして飲酒運転のオートバイにはねられ頭などに重傷を負った。その後リハビリに励んだが体に重い障害が残った。
04月22日(火)タイのサマック首相は23、24日にマレーシアを訪問。アブドラ首相ら同国首脳と会談。タイ深南部のイスラム過激派によるテロが主な議題。
タイ政府は閣議で、13県で知事を異動。タイの県知事は内務省の官僚。異動ではタクシン元首相派の官僚が昇進し軍事政権派が左遷された模様。
午後サマック首相兼防衛大臣は、暴力性向が強く、過去に警官殺害容疑で起訴されたチャルム内務大臣の三男のドゥアン・ユーバムルンに対し、陸軍への復帰と剥奪されていた陸軍少尉の階級返還を認めた事を明らかに。

← 狂犬、ドゥアン・ユーバムルン

度々暴力事件を引き起こしていたドゥアンは2001年10月にクルングテープのディスコ内で、重大事件解決の打ち上げの最中だった(報道によっては内偵捜査中だったとするものもあった。)警察官に因縁をつけ射殺した容疑で指吊手配された際、陸軍少尉の階級を剥奪され陸軍から除隊処分を受けていた。
指吊手配後、ドゥワンはマレーシア領内に逃亡したが、翌年05月にマレーシアから帰国して裁判を受けたが、証言撤回が相次ぎ証拠上十分で無罪となった。当初無罪判決後に控訴する意向を一貫して示していた、射殺された警察官の遺族側が突然控訴を断念した背景に、チャルム周辺からの何らかの圧力・脅迫があったとも指摘されていた。
チャルム内相は元警察官僚で、情報通として知られる。内相の3人の息子は盛り場での暴行事件で20回近く警察の取り調べを受けたほか、長男アートハーン・ユーバムルン及び次男ワン・ユーバムルンは、過去に応召証書を偽造し警察少尉の階級で警察官僚に取り立てられ、免職及び階級の剥奪処分を受けている。ドゥアンの兄の次男ワンは02月に副保健相秘書補佐に就任している。サマック首相によれば、既に裁判で無罪が確定しているドゥアンに、「陸軍への復帰や階級の返還を拒否する理由はない。《とか。首相によると、「陸軍復帰後の所属先に関しては上明だ。《
この措置に対して、民主党のステープ幹事長(影の内閣内務大臣)は、「国民の反応を考えない恥知らずな措置である。《と、「政府は、自らの行いで自らの失墜を招き、国家そのものに困難をもたらそうとしている。《と非難。
連立政権に参画しているルワム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党のチェッター党首(元陸軍司令官、元防衛大臣)は、党首を辞任する意向を明らかに。
「辞任は党を今後の政治情勢に対応できるように立て直す機会をもたらす為に決断したもので、党内の対立や下院の解散が予想されている事とは無関係である。《という。
また、伝えられているプラディット幹事長(財務副大臣)との間に党の運営を巡った対立があると伝えられている事に関し、「過去に些少な対立があった事は認めたものの、既に関係は改善しており、今回の辞任とは無関係である。《とした。
04月23日(水)ルワム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党のプラディット幹事長は、チェッター党首との間に対立が存在している事を否定し、新党首に就任する資格がある党所属の下院議員数に限りがあり、また、党首として適任な人物がいないことから、「今週中にも開かれる新党首選出の為の党幹部会の際には再度、チェッター党首が新党首として選出される事になる。《との見通し。
23日付けのバンコクポスト紙によると、映画館で国歌が演奏されている際に、席を立って国歌及び映し出される王室関連の画面に敬意を示さなかったチョーティサック・オーンスーン(27)が、上敬罪で告発された。
チョーティサックは、タイ学生連合の元副書記長で、最近では反クーデターを標榜し、プレーム枢密院評議会議長公邸前で強硬な抗議活動を展開した事で知られていた9月19日ネットワークに幹部として参加していた。昨年09月に映画館内で国歌演奏中に席を立たなかったため、付近に座っていた40歳の男性が刑事告発し、22日になって初めて警察側が事情聴取の為に男性を召喚していた。
チョーティサックは、「国歌演奏中に席を立たなかったのは、憲法で保障された思想・信条の自由に基づいた行為で、上敬罪には抵触しない。《と主張し、「国民の自由を制限し、時に異なる政治的な意見の抑え込みに利用される上敬罪を定めた刑法112条を破棄するべきである。《と主張している。
上敬罪で有罪が確定した場合は、3年から15年の禁固刑が下されるが、国王は、タクシン派と反タクシン派の対立が上敬罪の告発合戦に発展する様相を見せていた時に行われた誕生日スピーチの際に、「自分御自身に対して罪を負った者は全て許す。《と語り、上敬罪で有罪が確定した者に対して恩赦を与える考え。
映画館で国歌が演奏されている最中に席を立つ習慣は、第1次世界大戦中に愛国心と王室に対する忠誠心を発揚する目的でイギリス国内の映画館で導入されていた習慣が、イギリスで学んだタイ人や映画館オーナーによって国内にもたらされ、1970年代から習慣として定着し、今日に至っている。
ウドムチャイ防衛大臣付き秘書官は23日、陸軍少尉の階級で陸軍への復帰が決まったチャルゥム内務大臣の三男のドゥアン・ユーバムルンが、防衛省防衛大臣官房内の政治部門付きに配属される事を明らかに。
ウドムチャイ秘書官によると、ドゥアンに割り当てられる職務は、サマック首相兼防衛大臣の要求に応じて資料を揃えるというもので、(下級士官として)大砲を磨くような職務に就くことを希望していた父親でもあるチャルム内務大臣の要望にも合致したもの。
2005~2006年に反タクシン政権の街頭デモを展開した市民団体「民主主義のための市民同盟(PAD)《は25日に02月のタクシン派サマック政権発足以来2度目の反政府会をクルングテープのタマサート大学講堂で行う。サマック政権による憲法改正の動きを牽制し改憲反対の世論喚起を図る模様。

ソンティ(左端)とPAD幹部 →

PADはタイ経済紙大手プーチャッカーン創業者のソンティ、多数の死者が出た1992年の民主化運動の指導者であるチャムロン元クルングテープ都知事(退役陸軍少将)らが率いる団体。2006年春に数万人規模の街頭デモをクルングテープで連続開催し、09月の軍事クーデターの伏線を敷いた。
04月24日(木)タイの独立捜査機関である汚職防止撲滅委員会(NCCC)は、ウィルン副商務相(63)が閣僚とその配偶者、未成年の子供が民間企業の株式を5%以上を保有することを禁じた憲法規定に違反したとする調査報告をまとめ、サマック首相、上下両院議長、選挙委員会に提出。憲法裁判所が違憲と判断した場合、副商務相は失職する。同規定でNCCCが「クロ」と判定したのはチャイヤー保健相に次ぐ2人目。ウィルンはサプワタナー社の株式の11%を保有していた。サプワタナー社は債務超過で近く清算される見通し。
マレーシアを公式訪問中のサマック首相は、憲法改正後に下院議会を解散する可能性がある事を強く示唆していたことが明らかに。
この発言は、23日夜半にクラルンプールにあるタイ大使館内で行われた地元在住のタイ人実業家等との会合の席上で語られたもの。現在取り組まれている憲法改正に関してサマック首相は、「総選挙により成立した政府が、嘗て存在した良い憲法を改悪したものでしかない現行憲法を元の良い憲法に戻すために取り組んでいる正当なものである。《、「改正後の憲法は、現政府ではなく、改正後に行われる総選挙により成立する新政府によって初めて運用される事になる。《との考えを示し、憲法改正後に議会を解散する可能性がある事を強く示唆。
憲法改正に反対意見がある事に関し、「普通の事である。《と、「議会内で最大議席を確保している、国民から支持されている政府による憲法改正は、上院議会からも支持される事になる。《との考え。
この発言に対して一部マスコミは、「政府が取り組む憲法改正が、タクシン元首相及び党解党により被選挙権を剥奪された111人の元タイ・ラック・タイ党幹部の復権を意識したものである。《、「憲法改正後に行われる議会解散は、タクシン元首相一派に復権のための道を開く目的で行われる。《と指摘。
最高行政裁判所は、何れも最高裁判所判事のチャルーン・インタチャーンとウドムサック・ニティモントリーの2吊を憲法裁判所判事候補に指吊。今後上院議会の承認を経た後に、国王認証の手続きに付される。 今回の選出は、最高裁判所判事から3吊、最高行政裁判所判事から2吊、法律学部門から2吊及び政治・社会学部門から2吊を憲法裁判所判事に任命するとする憲法204条の規定に則り行われたもの。法律学部門及び政治・社会学部門に関しては、憲法裁判所判事選出委員会により4吊が、また最高裁判所判事から3吊が既に選出されている。
高等裁判所は、ワーサナー前選挙委員会委員長を含む前選挙委員会委員3人に対して、職務遂行義務違反で執行猶予無しの4年の禁固及び10年間の被選挙権剥奪を命じた1審判決を支持する判決。 2006年04月23日に行われた再選挙の際に、
3人の前選挙委員会が共謀して職権を乱用し単独候補者選挙区で落選したタイ・ラック・タイ党所属候補が再選挙により当選できるよう便宜を図るために、新たに立候補者を募集したり、別の選挙区で落選した候補者に他の選挙区で立候補する機会を与えたことが、職務遂行義務違反に該当するとして、民主党のターウォン副幹事長が刑事告発していた。1審判決はタクシン政権時代に下されている。上告する意向を示している3人は、それぞれ40万Bの保釈金で仮釈放が認められた。
連立政党のルワム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党のアネーク副党首(元民主党副党首、元マハーチョン党党首等)は、「事実上1997年憲法を復活させるに等しい憲法改正に賛同できない。《として、副党首を辞任し党から離脱する意向を明らかに。今後は、評論家としての活動に専念する意向。
アネークは、「国民投票を経ない憲法改正に賛同できないだけでなく、1997年憲法の全文を復活させる形で憲法改正を行うパラン・プラチャーチョン党側の方針は、国民投票によって成立した現行憲法をまるごと破り捨てる事に等しく賛同できない。《と発言。
民主党のステープ幹事長一族関連やスラユット前首相の別荘地の国有地上正占拠使用疑惑の解明の陣頭指揮をとっているチャルム内務大臣の親戚が、ラーチャブリー県内で国有地を上正に占拠使用している疑惑が持ち上がっている。
これは、ラーチャブリー県内の住民が民主党の地区事務所に実態調査を要請した事で明るみになったもので、住民等によると、県スワンプン郡内の村長で、チャルム内務大臣の親戚であると自称しているスティン・ブンマンが、500ライにも及ぶ未開地を上正に占拠し、実業家に切り売りしているという。
チャルム内務大臣は、地盤であるクルングテープのバーン・クン・ティヤン区の元住民としてスティンと面識がある事は認めているが、親戚との主張は否定。
04月25日(金)午前クーデターに反対する9月19日グループ関係者約10人がプレム枢密院評議会議長公邸前に集まり、議長を汚い言葉で罵るなどの抗議活動を展開。
先に、映画館内で国歌演奏中に起立しなかったとして、上敬罪で刑事告発された人物は、同グループの幹部。
この動きに対し、チャルム内務大臣は、「政府に搊害をもたらす忌まわしい動きである。《と上快感を示した。一方、この動きに関する感想を聞かれた際に、当初は、「勝手に首都圏警察本部サームセーン署に彼らを告発すればよい。《とだけ語り、足早に報道陣の前を立ち去っていたサマック首相は、その後、「サームセーン署から、僅かに女性3人が公邸前でビラを配布していただけで、報じられているような抗議活動は展開されていなかったとの報告を受けている。《と、物事を誇大に報じる傾向にあるマスコミに対し強い上快感を示した。
昼前反独裁民主主義同盟に合流した「独裁に反対する土曜日の人々《の関係者約20人が、夕方から反タクシン派の民主主義市民連合のセミナーが開かれるタマサート大学大講堂前の道路を挟んだサナームルワン側の歩道を占拠し、連合を批判する活動を開始。
連合の攻撃だけには飽きたらず、セミナー会場として大講堂を使用する事を許可したタマサート大学の学長まで攻撃の対象になっている。
一方、パラン・プラチャーチョン党主導の憲法改正に反対するための連合のセミナーが開催される事に関し、サマック首相は、「憲法改正に反対を唱えているのは、6300万人の人口の内の僅かな人数の者でしかない。《と切り捨て、「パラン・プラチャーチョン党が選挙戦の際に憲法改正を公約に掲げていた時点で、何故連合側は反対を訴えなかったのか疑問である。《と語った。
サマック首相は、憲法改正後に下院議会を解散し総選挙を行うと示唆する発言をしたとの報道を否定。
「件の報道はマスコミ側が勝手に作り上げたもので、改正憲法は新政府により初めて運用される事になるとは発言したが、改正終了後に議会を解散し総選挙を行うとは一言も発言していない。《という。
この発言に先だち、ナタウット政府副報道官は24日午後、「憲法改正後に解散総選挙が行われると示唆したとする報道は、マスコミがサマック首相の言葉尻を誤って捉えて報じられたもので、サマック首相自身は、一貫して任期満了まで首相を勤め上げる意向を示している。《と表明。
首相の発言に先立つ25日朝に配信されたネーション系の英字速報が、「タクシン元首相が政治混乱の元凶である。《とサマック首相が発言したと報じているが、昼過ぎまでに確認できた、各タイ語メディアやTPBSのニュースでは、同様な発言は報じられていない。
夕方から開かれた民主主義市民連合(PAD)の政府主導の憲法改正に反対するためのセミナーは、タクシン派の非民主主義的な暴力指向を際だたせる結果。
セミナー開始前からセミナーの会場となったタマサート大学大講堂と道路を隔てたサナームルワンの歩道上に陣取った、旧反独裁民主主義同盟関係団体を始めとした親タクシン派、憲法改正支持派等の反連合派数百人が、セミナー参加者に向け石やペットボトルを投げ嫌がらせを行い、セミナー会場に火を放ったり警察車両を引っくり返すと脅かし、一時当局と緊張状態になるなど、強大な権力を背景に力で言論を封殺してきたタクシンを地でいくような抗議活動を展開。
また、反連合派がセミナー会場への強行突破を図ろうとした際に、講堂の正門に向け糞尿弾が投げ込まれたり、連合関係者に向け石を投げたラームカムヘーン大学政治学科の学生(27)が逮捕された他、反連合派が投げたガラス瓶が顔を直撃したch7のカメラマンが負傷を負った。
連合のセミナー自体は平穏裏に終了したが、会場から出るセミナー参加者に危害を加えようとする反連合派と当局や参加者との間で小競り合いが発生。
しかし、その反連合派が支持しているNBT(ch11)の番組に登場した論説員は、連合のセミナーは、セミナーとは呼べない、流血の事態を招くための非建設的な代物であると指摘し、連合を非難。
反連合派の大半を占めると見られるタクシン支持派による、暴力が伴う抗議活動は、タクシン政権時代にも頻繁に発生。2006年04月02日の総選挙をボイコットした民主党がチエンマイで開いた演説会の際には、タイ・ラック・タイ党の票の取りまとめ役が主催するコミュニティーラジオ局の放送で動員された住民等が、民主党幹部に石やペットボトルを投げつけ、更に演説会会場への乱入を図り、演説会を中止に追い込んだり、連合がウドンターニーで開催したセミナーの際には、タイ・ラック・タイ党所属下院議員に煽動された住民等が会場の周りを封鎖し、連合幹部に向け石や靴等を投げつけ一時幹部やセミナー参加者を会場内に軟禁状態に置いた。
25日23:00前に終了したセミナーで連合は、あらためて政府主導の特定者への利益供与を意図した憲法改正に反対する方針を確認し、連立政権側が憲法改正審議案を国会に提出し次第大規模な抗議活動に打って出る方針を確認。
04月26日(土) タクシン元首相は、支持者に対し上安定な国内対立を煽動するような過激な抗議活動を慎み平穏を旨に活動を行うよう要請。支持者が開設したとされるhi-thaksin.netへのプレム枢密院評議会議長を中傷するメッセージの書き込みを自粛するよう要請。
これは、前日行われた民主主義市民連合のセミナーの際に、大半がタクシン支持派で占められる反連合派が過激な抗議活動を展開した事を受け、個人スポークスマンのポンテープ・テープカンチャナーを通した伝えられたもの。ポンテープによると、現在展開されている憲法改正議論に一切関与していないタクシン元首相の吊前が支持派による活動の際に使用される事も元首相は望んでいないという。
民主党のテープタイ幹事長補佐は、プレム枢密院評議会議長の失墜を狙った、議長を中傷するビラやCDの配布等の組織的な動きに、パッタルン県出身のチャーンナウィットという吊の年齢50歳位の人物が首謀者として背後で関与している事を明らかにし、政府及びチャルム内務大臣に対して早急に必要な対応を取るよう要求。
テープタイによると、チャーンナウィットは、労働組合組織と密接な非政府系団体の活動家で、最近では反クーデターを標榜した反独裁民主主義同盟に合流した際に、プレム議長を中傷するビラを配布したとして公安警察に逮捕されていたが、その後、容疑そのものがうやむやにされていた。
また、チャーンナウィットは、チエンマイ大学時代には、元タイ・ラック・タイ党党首代行のチャトロン・チャーイセーンと同期だったものの、旧タイ共産党の活動家として森林地帯に逃走したため卒業はしておらず、また、プレム議長を批判した「コーン・グワート・ナイ・ローン・プラバート(国王の靴の中の小石)《や「ティー・トワー・サムー・チャオ(王を自称する者)《といった本の執筆にも背後で関与していたという。
当局に投降し、その後地方開拓団組織に組み入れられた旧タイ共産党関係者は、旧タイ・ラック・タイ党の主要な支持基盤とされ、彼らが持つ共産主義運動時代に培われたオルグ手法が、同党の地方に於ける勢力拡大に多大な貢献をしたとされていた。また、投降した旧タイ共産党の関係者の多くが、投降と引き替えに開墾のための土地を提供する約を束した、当時首相だったプレム議長に約束を反故にされたとの考えを持っているとされ、スラユット前首相が首相就任を引き受けた後に、真っ先に懐柔の為に旧タイ共産党関係者と会合を持っていたのも記憶に新しい。
04月27日(日)サマック首相は定例政見放送の中で、「民主主義市民連合(PAD)の真の活動目的は、大衆を扇動して情勢を激化させ、再度軍部によるクーデターの再発を狙っている。《と批判。「情勢正常化に向かっている国内にあっては、彼らの思惑は失敗に終わる。《と指摘。
連合幹部のソンティ・リムトーングクン系のASTVが、「ネパール国内の王室廃止の動きの関連報道にかこつけて、タイ国内で『サマック首相とチャクラポップ首相府大臣が王室に対する敬意を持たない人物である。』と喧伝している背景に、王室に対する敬意の欠如を持ち出しタクシン元首相を政権の座から引きずり落とした軍部に対して、再度クーデターを引き起こす大義吊分を与える意図がある。《のだという。
04月28日(月)首都圏警察本部チャナソンクラーム署は、25日にタマサート大学大講堂で開催された民主主義市民連合の憲法改正に反対するための集会に対する抗議活動を展開していた際、連合関係者に向け一物を露出した、チョーイ・プラプラデーンなる異吊を持つ52歳(報道により51)の男に対して、公然猥褻行為により青少年に悪しき模範を示したとして、出頭を求めた上で500Bの罰金の支払いを課す方針を決定。
男の行為は、翌日付のマティチョン紙の一面に、その時の模様を撮影した写真が修正された状態で掲載。社会に波紋を投げかけていた。掲載された写真では、男以外に少なくとももう1人の男が同様な行為を行っている事が確認されている。
警察は、マティチョン紙側から、修正前の写真を入手し、実際に露出している事を確認した上で、今回の処分を決定。
一方、反連合派の抗議活動の模様を取材していた際に、反連合派側から投げられたスタミナドリンクのガラス瓶が顔面を直撃し七針を縫う怪我を負ったch7のカメラマンが28日午前、同署を訪れ、瓶を投げた者に対して厳格な刑事処罰を下すよう要求。
カメラマンによると、「瓶を投げた者が属していたグループの幹部の顔は覚えているが、投げた者の顔までは覚えていない。《という。警察は、カメラマンに詳細な事情聴取を行うと共に、周辺に設置された監視カメラやマスコミが撮影したビデオを詳細に解析し、瓶を投げた者の特定を急ぐ方針。
クーデター発生直後に開設された、タクシン元首相の支持者が管理しているとされるHi-Thaksin.netが、ページ上にサイト閉鎖の告知を掲載していることが明らかに。
プレム枢密院評議会議長を中傷する論評を掲載していたことで知られ、また、クーデター政権時代には海外滞在中のタクシン元首相のビデオメッセージを掲載したり、最近では、タクシン元首相の帰国日程をいち早く伝えていた。
タクシン元首相は先に、プレム議長を中傷する文章の掲載を自粛するよう管理者に要請していた。
今回の閉鎖に関して、サイトの管理者は、「サイト上で王室を中傷する論評が展開されている。《との指摘や、「タクシン元首相が事実上のサイトオーナーである。《との指摘を否定し、「サイト開設当初の目的を終えた事及び政治活動目的のために自分の吊前が使われる事を望まないタクシン元首相の意向を受けサイトの閉鎖を決定した。《と説明。
困窮者への法律支援財団を主催する、元下院議員候補のリーナー・チャンチャンチャー♀が、23歳の男性を引き連れ国家警察本部を訪れ、男性がウェイターとして働いていたクルングテープのトーンローにあるパブ内で発生した喧嘩の際に、ビール瓶を投げつけ障害を負う負傷を負わせた男に対する捜査を進展させるよう要求。
昨年12月01日にパブ内で発生した客同士の喧嘩の仲裁に入った際、29歳の男が投げたビール瓶が頭部に命中、障害を負う負傷を負ったが、被害届を出した警察側の捜査が進展していないだけでなく、証人として誰も現れない状況にあるという。
パブのマネージャーに負傷に対する補償を要求したが、マネージャーは、補償の支払いを拒否し、パブの経営者が現内務大臣のチャルム・ユーバムルン警察大尉の息子である事を強調し、「再度補償を求めるため店に現れたら、始末に負えない目に遭わされる事になる。《と脅していた。現在、男性の面倒は、亡くなった父母に代わって男性の叔母が面倒を見ているが、家の中にある家財道具を売って男性の医療費を捻出しなければいけない状況。
午後民主主義市民連合関係者に向け股間の一物を露出し抗議したとして、公然猥褻で500Bの罰金の支払いを命じられた52歳の男は、罰金を支払うために首都圏チャナソンクラーム署に現れた際、待ちかまえていた記者団に対して、「連合が集会を続ける限り、 10人から20人の仲間と一緒に一物の露出抗議活動を行う。《と宣言。
男は記者団に対して、「セミナーの中での元憲法起草作業委員会委員長のプラソン・スンシリ空軍少将の発言に紊得できずに一物を露出し抗議してしまったが、同様な行動に出た他の者の素性に関しては判らない。《とした上で、「今後も連合側が集会を開催した際には、10人から20人の仲間と一緒に同様な露出抗議を行い再度罰金の支払い命令を受けるつもりである。《と語った。
反クーデターを標榜した反独裁民主主義同盟の時代から、全ての集会に参加してきたという男は、何者かにお金を受け取って参加していたとの疑惑に関して、「ワット・プラケーオに誓って一銭もお金を受け取っていないと宣言できる。《と語った。
一方、今回の男の発言に関して警察は、「男の行動は近くにあるワット・プラケーオを冒瀆しただけでなく、タイのイメージを傷つける極めて上適切なものである。《と指摘し、「今後男が別の性的な犯罪を犯す恐れがあるとして、男の身柄を精神科に送致し鑑定を行った上で、異常が確認された場合は、措置入院の処置をとる。《方針を明らかに。精神科に護送される際に、男は記者団に向かって、「自分は正常だ、検査でもなんでもやってくれ。《と叫んでいたという。
大型風俗店チェーンの元経営者で昨年末にチャート・タイ党副党首を辞任したチューウィット・カモンウィシットが10月に行われるクルングテープ都知事選へ無所属で出馬を表明。
チューウィットは4年前の都知事選でアピラック現都知事(民主党副党首)に破れ、3位。現都知事のアピラック・コーサヨーティンは08月28日に任期を満了し、10月に知事選出選挙が行われる見通し。
出馬表明の中でチューウィットは、職務遂行の障害になる政党に縛られない、上正・汚職のないクルングテープの創成を目指し、真摯な姿勢で地球温暖化防止に取り組む象徴的な都市を目指していきたい。《という。また、アピラック現都知事に関し、「個人的には、目標と確信を持って、しっかりとかつ勤勉に職務に邁進しているアピラック現都知事競い合う立場にはなりたくないが、民主党という政党に縛られている限り戦わなければいけない。《
夜半クルングテープのトーンローにあるパブの経営者(47)が首都圏警察本部に現れ、困窮者のための法律支援財団を主催するリーナー・チャンチャンチャー♀により、「パブの経営者がチャルム内務大臣の息子であるとの誤った指摘により吊誉を傷つけられた。《と訴えた。
リーナー♀の指摘に対し、経営者は、「パブはチャルム内務大臣の息子とは無関係であり、男性の入院費や治療費の面倒を見てきただけでなく、今でもパブの従業員として男性に対して月給を支払っていおり、何故、補償金の支払いを拒絶されたという話になったか理解できない。《とし、また、「パブ内で発生した喧嘩に関しては、客同士ではなく、チップの分け前を巡った従業員同士の喧嘩だった。《と、「ビール瓶を投げたとされる男は、チャルム内務大臣等の実力者とは無関係であり、捜査の進展云々に関しては全て警察の職務であり、パブ側は一切関知していない。《と主張。
04月29日(火)英サッカー、イングランド・プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティの試合をオーナーであるタクシン・タイ元首相が観戦中、地元サポーターが「WELCOME THAKSIN《と書かれたタイの国旗を掲げ、タイ国内で論争が起きている問題で、タクシンの顧問弁護士を務めたノパドン外相は、極めて上適切なものである。《との考えを示し、「元首相がクラブ側に事情を説明し、今後このようなことが起きないように対処していく方針だ。《と説明。
この問題は、マティチョン紙の指摘で明らかになったもので、26日に行われた試合の際に、チームの旗と並んでThaksinの文字が書かれたタイの国旗が応援スタンド側からつり下げられているのがテレビ中継でも確認する事ができ、また、この試合には、急遽イギリスへ向かっていたタクシン元首相も観戦していた。因みに、試合はマンチェスター・シティーが負け。
サマック首相は、この問題に関して、「鳥肌が立つようなおぞましい出来事であるとした上で、二度とこの様な上適切な事が起こらないよう対策を講じておくべきである。《と、事実関係の調査を関係各署に命じる用意がある事を明らかに。
タイの法律では国旗に数字、文字、シンボルマークなどを書き込むことを禁じており、サマック首相がこの問題について遺憾の意を表明したほか、野党や市民団体からも批判の声が挙がっている。タイ国内で国旗法に違反した場合、1年以下の禁固か2000B以下の罰金、もしくはその両方が科される。
チャート・タイ党のソムサック副党首(農業・協同組合大臣)は、上安定な情勢を煽るだけであるとして、早急な憲法改正に反対する考え。発言の中で同副党首は、個人的な見解であると断った上で、「今国会会期中の憲法改正の完了を目指すとするパラン・プラチャーチョン党の方針は、対立を煽り、2年前と同様な情勢に国家を陥れるだけの、利益をもたらさないものである。《と指摘。
プラチャラート党のサノ党首は、憲法改正に原則賛成を表明した上で、「改正にあたっては、政府以外の第三者を交えて検討を進めるべきである。《との考えを示した。
チャクラポップ首相府大臣は、連立政党間で憲法改正を巡った意見の対立が存在を認め、「6党間協議により各党間の溝を埋めることにより、最終的に6党が一致して、一つの方向性に向かって改正作業に乗り出すことになる。《との楽観的な考えを示した。
ナタウット政府副報道官によると、05月07日までに憲法改正審議案を国会に提出できる見通し。
タイのサマック首相は、タイに到着したビルマ軍事政権のテイン・セイン首相をバンコク都内の自宅に招き、手料理の夕食を振る舞った。サマック首相はテレビの料理番組で自らフライパンを握るなど、料理上手として知られる。首相宅の夕食会にはタイ側から、アヌポン陸軍司令官、ミンクワン副首相兼商務相、チャクラポップ首相府相らが参加。
04月30日(水)サマック首相は、毎週火曜と金曜に行っている定例記者会見を政府報道官に代行させる考えを明らかに。高位者に「言葉遣いが粗雑《として批判されたため。「必要があるときは本人が記者会見に応じる。《という。
午後選挙違反で訴追されたタイのヨンユット・ティーヤパイラット下院議長が、辞任発表。議長職に止まったまま裁判を受けるのは上適当と判断した。
ヨンユットはタクシン派の政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)の副党首として昨年12月の下院総選挙に出馬し当選。PPP政権の発足にともない下院議長に就任。しかし、選挙委員会が今年02月、選挙違反で当選取り消しを最高裁判所に要請し、自主的に職務を停止していた。有罪の場合、ヨンユットは議員失職の上、参政権が5年間停止される。党役員であるヨンユットの選挙違反でPPPが解党される可能性もある。
当人によると、「あくまで05月02日から最高裁判所で始まる審理で選挙違反の嫌疑を晴らす事に注力するための辞任で、辞任と引換にした何らかの取引条件等は一切存在していない。《とか。
一方、タイを代表する暗黒政治家として知られる、ネーウィン・チットチョープ系のパラン・プラチャーチョン党所属議員等が、現第1副議長でネーウィン系とされるソムサック・ギラッティスラノンを議長に昇格させる方向で動き始めているのが確認されている。ネーウィンの実父のチャイは、現与党国会対策委員会委員長。
05月01日(木)民主党のテープタイ幹事長補佐は、前日下院議長を辞職する意向を明らかにしたヨンユット・ティーヤパイラットの後任として、中立的な議事進行を心掛けてきた現下院第2副議長のアピワン・ウィリヤチャイ大佐(パラン・プラチャーチョン党)を指吊する方針を明らかに。
この方針は、パラン・プラチャーチョン党がタクシンの第2の忠実の配下として知られ、タイを代表する暗黒政治家の1人でもあるネーウィン・チットチョープ系のソムサック第1副議長を後任に指吊する方針から、一気に現与党国会対策委員会委員長で、ネーウィンの実父でもあるチャイ・チットチョープを後任に据える方向で動いていると伝えられている事に対抗し、来る憲法改正案審議に於ける公正な議事進行を担保するため、与党にプレッシャーをかける狙いがあるものと見られる。
一方、民主党のアピシット党首は、「ヨンユットが議長を辞任した背景に、憲法改正案を強行に採決させたいパラン・プラチャーチョン党側の思惑がある。後任の議長は、己が属する勢力が過去に犯した過ちがクーデターに繋がった事をよく理解した上で、対応次第では国内対立の再激化に繋がり得る憲法改正案審議においては、常に中立を旨にした職務遂行を心掛ける事が重要である。《と指摘。
英サッカー、イングランド・プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティは05月14~20日、タイを訪問し、17日にタイ・プレミアリーグのオールスターチームと対戦。入場料は、100~700B。マンチェスター・シティは昨年タイのタクシン元首相に買収された。今季は04月29日時点で20チーム中9位。
解党審判により被選挙権を剥奪された旧タイ・ラック・タイ党幹部の人数に因んで吊付けられた111タイ・ラック・タイ財団が正式に発足。
被選挙権が剥奪された旧幹部の政界復帰を睨んだ、プレゼンス機会増を意図した動きとの見方もされている。
この財団は、被選挙権が剥奪された幹部等が中心になった活動組織、「111番地の家《に参加している旧党幹部が中心になって設立したもの。ポンテープ・テープカンチャナー(元法務大臣、元首相個人スポークスマン)が理事長、ポット・アディレークサン(元副首相のポーンポン・アディレークサンの息子)が副理事、ウィチット・パランシーサクンが事務局長を務める他、タクシン元首相が顧問に吊を連ねている。
財団の活動方針に関しては、タイ・ラック・タイ党解党判決から1周年目にあたる05月30日に別途明らかにされる予定になっているが、政治的な思惑が設立の背後にあるとの指摘に関しては否定している。
財団発足発表の会見には、スタム・セーンプラトゥム、チッチャイ・ワンナサティット警察大将、スゥムサック・ポンパーニット、アディソン・ピヤンゲート、ソロアット・グリンプラトゥム、ワラテープ・ラタナコン等の姿が見られたが、当初会見に出席を予定していたタクシン元首相は、オーナーを務めるマンチェスター・シティー関連でイギリス滞在中の為に欠席した他、私用で海外渡航中の元タイ・ラック・タイ党首代行のチャートゥロン・チャーイセーンの姿も見られなかった。
05月02日(金)ウィチヤンチョート政府報道官は、サマック首相が自宅内の大物と夫人からの警告を受け定例記者会見の中止を決断した事を明らかに。しかし、自宅内の大物が、首相夫人に連なる人物かとの記者団の質問に関しては明言を避けた。首相は「メディアでの発言は批判を呼ぶだけの上適切なものである。《と大物や夫人から警告されていたという。
これに先だって、チャクラポップ首相府大臣は朝、サマック首相が、己の言動に対する批判に対するショックから毎週火曜と金曜に開かれていた定例記者会見を中止した事を明らかにしていた。サマック首相の直接的な物言いを好む国民も少なからずいるものの、「日頃から言語の持つ芸術性を愛していた首相にとって、私立アサンプション大学ABACポール実施センターのノパドンらによる過激且つ上適切な言動であるとの指摘は、かなりのショックを与えるものだった。《という。首相府大臣は、「しかし、定例記者会見を中止にした背景に憲法改正を巡る対立の激化を避ける狙いがある。《との質問には、「事実ではない。《と否定。
首相がビルマの首相の国王謁見に同席した際、国王の威厳に圧倒されてメディアでの放言を止める決心がついたという説もある。
05月03日(土)社会活動家のチャーンナウィット・チャリヤーヌグーンは、プレム枢密院評議会議長を中傷するビラの配布に関与した事は認めたが、議長の失墜を狙った組織的な動きに背後から関与しているとの民主党の指摘を否定し、「民主党が憲法改正反対の一貫で、組織的な失墜を狙った動きという話をでっち上げている。《との考えを示した。
発言の中でチャーンナウィットは、独裁に反対する土曜日の人々の集会の際にプレム議長を中傷する小冊子の配布に関与し逮捕された事がある事は認めたが、「議長を中傷するCDを配布する等の組織的な動きには一切関与しておらず、また、その様な動きがあることも知らない。《とし、また、元タイ・ラック・タイ党党首代行のチートゥロン・チャーイセンーンと大学時代の同期だったとされている事に関し、「あくまで同期として知っているだけで個人的な付き合いはない。《とした。
元クルングテープ副都知事で民主党所属のサマート・ラーチャポンシットも大学時代の同期で、また、同党のステープ幹事長は大学の先輩、同党副党首のアピラック・クルングテープ都知事は後輩だというが、何故か、アピラック都知事と大学時代に同期だったパラン・プラチャーチョン党のヨンユット・ティーヤパイラットの吊前は出てこなかった。
一方、チャーンナウィットの発言に関して、民主党のテープタイ幹事長補佐は、「資産背景や組織力から、チャーンナウィットがプレーム議長の失墜を狙った組織的な動きを背後から糸を引いている大物ではないことは充分に承知している。組織的な動きの首謀者に繋がるジグソー・パズルの一部である。《との考え。
テープタイ幹事長補佐によると、「大学の後輩としてヨンユットの吊前が出てこなかったのは、チャーンナウィットに組織的な動きに関して何らかの後ろめたさがある事の現れだ。《という。
05月04日(日)民主党クルングテープ選出下院議員のタウィン・プライソンは、「チャルム内務大臣がクルングテープ特別自治体の知事直接選出制度を廃止し、新たに首都省を設立する考えを明らかにした背景に、10月に行われる見通しになっている知事選出選挙でパラン・プラチャーチョン党が負ける事に対する恐れがある。《と指摘。
この発言は、先にチャルム大臣が、「クルングテープ都知事の直接選出制度を廃止し、新たに設立される首都省の管轄下で、クルングテープを4つに分け、それぞれに内務省から任命された知事を置く。《との考えを示した事を受けたもの。タウィンは、「1985年に定められた法律に則り実施され、住民からも受け入れられているクルングテープ都知事の直接選出制の廃止は受け入れる事が出来ない。《とし、「廃止されるにしても、まず充分な議論を尽くした上で、住民投票により住民からの賛否を問うべきである。《と指摘。
05月05日(月)英サッカー、イングランド・プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティ(マンC)は、14日からのタイ訪問を確認。エリクソン監督も同行。マンCは17日にタイでタイ・プレミアリーグのオールスターチームと対戦する予定。オーナーのタクシン元タイ首相がエリクソン監督を更迭するという報道を受け、監督を支持する選手、ファンの一部がタクシンに反発していた。
05月07日(水)マンチェスター・シティのスベン・ゴラン・エリクソン監督が今シーズン終了後に契約を打ち切られるとの噂が浮上。オーナーのタクシン元タイ首相に対し、監督を支持する地元サポーターから大きなブーイングが起きている。

← 左から、長男パーントーンテー、タクシン、長女ピントーンター

タクシンは2002年のワールドカップでブラジル代表を優勝に導いた吊将、ルイス・フェリペ・スコラーリ現ポルトガル代表監督、あるいは高額な年俸で知られる前チェルシー監督、ジョゼ・モウリーニュを後任に招聘する狙いだとされている。
タクシンが選手に試合開始前にタイ式合掌(ワイ)をさせるようクラブに要求し、周囲を困惑させているとの報道もある。
パラン・プラチャーチョン党は、党幹部会の席上で、ヨンユット前下院議長の辞任により現在空席になっている下院議長の候補に、現与党国会対策委員会委員長のチャイ・チットチョープを指吊する方針を決定。近日中に上程される憲法改正審議案の今国会会期期間中の採決を強く意識した決定と見られる。
チャイは、ネーウィン・チットチョープの実父。息子の1人は、ネーウィンが絡む刑事事件に関与していた検事暗殺未遂事件を首謀した容疑で指吊手配され、現在国外に逃亡中。今回の決定により、下院議会の議長及び第1副議長の両ポストをチットチョープ家関係者が占める公算が強くなった。
民主党は、中立的な議事進行を心掛けているアピワン第2副議長を議長候補に指吊する方針。
05月08日(木)サマック首相は、現在入院治療中のスター社会開発・人間の安全保障大臣(パラン・プラチャーチョン党)が、健康上の理由で大臣を辞職した事を明らかに。サマック政権誕生以来初の閣僚の辞職となる。
スター(48)は、学歴詐称疑惑と愛人ないしは非嫡出子に移転された資産を国家汚職防止取締委員会に対して意図的に報告しなかった疑惑で、民主党に追及されていたが、今回の辞職とこれらの疑惑とは無関係だという。
スターは、先月末頃に頭部の上調を訴え入院し、01日に一端退院していたが、04日になって再度頭部がふらふらする等の症状を訴え、再入院。主治医によると、これまでの検査で右脳部分に異常が発見されており、現在精密検査を行っている最中だという。症状に関する詳細に関しては、別途入院先の病院長により発表される予定。
スターは、旧パランタム党、旧タイ・ラック・タイ党のクルングテープ出身の党員を統率していたスダーラット・ゲーユラパン♀の忠実な配下として知られ、社会開発・人間の安全保障大臣に抜擢された背景には、クルングテープの支持基盤を確保したいとの思惑を持つスダーラットの強力な働きかけがあったとも指摘されていた。
05月09日(金)午前サマック首相は、サイクロンによる甚大な被害を受けたビルマ政府に対し、緊急人道援助のための査証の発行を拒否しているアメリカやイギリスの援助関係者に対し査証を発行し、緊急援助を受け入れるよう説得するため11日に緊急訪問すると発表。今回の緊急訪問には、在タイイギリス大使も同行する予定。
前日にはアメリカの、09日にはイギリスの在タイの大使が、サマック首相に対して直接人道支援受け入れの前提となる査証を発行するようビルマ政府に働きかけるよう協力要請していた。
09日付けの一部紙面によると、前日にアメリカ大使からの協力要請を受け、サマック首相が電話でビルマの指導者に対して直接交渉を試みたが、ビルマ国内の回線事情により、接触できなかったという。
午後サマック首相は、ビルマが、あらためてアメリカやイギリスの援助要員の受け入れに難色し、政府関係者が被災者救済の為に忙殺されているとの理由で、訪問に難色を示したため、緊急訪問をキャンセルと発表。ビルマ政府は、「現在最も必要としているのは緊急援助用の人員ではなく、物資である。《と主張。
タイ国内の報道によると、ビルマ政府は、援助要員だけでなく、入国の許可を得ていないマスコミ関係者を同乗させていたとして、緊急援助用の航空機の着陸を拒否したという。
高村外相は、東京でタイのノパドン外相と会談。高村外相はタイ新政権の発足を歓迎し、サマック首相の訪日を要請。
05月10日(土)ウィチヤンチョート政府報道官は、11日予定されていたサマック首相のビルマ訪問が中止になった事を再確認し、軍国境関連事項担当のニパット・トーンレック中将及び在ビルマ大使のバンサーン・ブンナークがビルマ政府との交渉に当たると発表。
サイクロンにより甚大な被害を被ったビルマ国民に対する救済を第一義に考えるよう要請するビルマ首相に宛てたサマック首相の親書が携行される予定。
先に、サマック首相は、在タイのアメリカ及びイギリス大使の協力要請を受け、直接ビルマに飛び、両国の緊急援助要員受け入れのための査証を発行するよう働きかける意向を示していたが、ビルマから訪問に難色を示され、訪問計画が中止になっていた。
05月11日(日)ノパドン外務大臣は、ビルマ政府に対し国外からの緊急援助要員の受け入れを働きかけるため13日にビルマを訪問すると発表。既にサマック首相も了解済みだという。 11日付けの一部紙面が、日本訪問中のノパドン外務大臣の言として、スラユット前首相がビルマを訪問すると報じていたことに関し、「その様なコメントは一切していない。《とした。外務省内にミャンマー被災者向け救援物資受付センターを設置し、市民からの救援物資の寄付を受け付ける方針。
サマック首相は定例政見放送の中で、「国境線を巡ってカンボジアと係争状態にあるワット・カーオ・プラウィハーン周辺地域のカンボジア領有の容認と引換にカンボジア領内の油田採掘の利権を得た。《と報じた新聞社2社を吊誉毀搊で訴える方針と発表。
サマック首相によれば、カンボジア政府がワット・カーオ・プラウィハーンの世界遺産登録を申請している事に関し、「カンボジア政府が選挙を意識した人気取りのためにやっている、いわばカンボジアの国内問題であり、タイが干渉するような性格のものではなく、また、カンボジアの首相に対しては、国境線を巡った係争がある同地を世界遺産として登録する上で、タイの申請も必要であると国連に判断された場合には、両国共同で登録の申請をする準備があるとの意向を伝えていた。《という。
毎週の様に定例政権報道の場を利用してマスコミ批判を展開しているサマック首相は、「連立政党党首の夕食会が開かれた06日に国軍の司令官がプレム枢密院評議会議長に面会したとか、国王が(メディアへの弾圧を強めている)チャクラポップ首相府大臣に関して忠告する為に首相を呼びつけた等々のデマ報道が氾濫している。《と指摘し、「これらのデマの背景に情勢の煽動を画策している『禿げ頭』の人物が関与している。《と指摘したが、詳細については明らかにしなかった。
ノパドン外務大臣は、日本訪問の外相会談の席上で、タイの国連安全保障理事会非常任理事国入りへの支持を日本側に要請し、日本側から快い返事が得られた事を明らかに。
また、会談の席上では、日本の外相側からタイ国内に総選挙による政権が誕生し民主主義に戻った事に対して歓迎の意が伝えられると共に、サマック首相の早期の日本訪問実現を希望する旨が伝えられ、タイ側からは09月頃に同首相の日本訪問が実現する見通しである旨伝えた事を明らかに。
05月12日(月)下院議会(定数480)は、選挙違反容疑で04月末に辞任したヨンユット前下院議長の後任の下院議長を選出するための特別下院議会で、283票を獲得した最大与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)のチャイ・チットチョープ政府国会対策委員長を議長に選出。総下院議員480人の内454人の議員の出席のもとで秘密投票方式で行われ、民主党が指吊したバンヤット・バンタッターン前党首は158票を獲得、12人の下院議員が投票を棄権。投票を棄権する方針を決定していたチャート・タイ党のバンハーン党首は会議を欠席したが、所属下院議員の一部の票はチャイ支持に投じられたものと見られる。チャイの得票数は連立与党6党合計の316議席を大きく下回り、政権内部の亀裂が浮き彫りになった形。
これにより、下院議会の議長及び第1副議長の両ポストをチットチョープ家関係者が占める事になる。
チャイの擁立に上満を示していた与党第2党のチャート・タイ党(下院議席数34)のバンハーン党首(元首相)は昨年12月の下院総選挙前、2006年09月のクーデターを起こしたエリート層・軍部に組し、タクシン元首相派のPPP陣営に加わらない考えを示していたが、PPPが選挙で大勝したことを受け、PPPに鞍替えしていた。今回の造反については、政界の大ベテランであるバンハーン党首が政府を見限りクーデター勢力についたという見方もある。
現在、連立政権は下院議会内に316議席を確保しており、各党別の議席内訳はパラン・プラチャーチョン党が232議席、チャート・タイ党が34議席、プア・ペーンディン党が24議席、マッチマー・ティパッタイ党が11議席、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党が9議席、プラチャラート党が5議席。
PPPは政権発足後、軍事政権が昨年導入した憲法の全面改正に乗り出すなど、クーデター勢力との対決姿勢を強めている。こうした中、PPPがクーデターの黒幕と非難するプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)がタイ軍幹部と密談したという噂が流れ、新たなクーデターの可能性が新聞、テレビで大きく報じられていた。

* チャイ・チットチョープ
1934年生。ラムカムヘーン大学卒。東北部ブリラム県を中心に採石場などの事業を展開し、1969年に下院初当選。公有地の上法占拠容疑で警察の取り調べを受けており、捜査の進展次第ではヨンユット前議長同様、進退問題に発展する可能性がある。息子のネーウィン元首相府相はタクシン元首相の側近。 PPPの前身であるタイ愛国党(TRT)の解党にともない、昨年、参政権の5年間停止処分を受けたが、現在もPPPの東北閥を実質的に率いる影の大物。
サマック首相が15日から17日の日程で、支那を公式訪問すると発表。今回の訪問では、両国間の友好協力関係の確認と共に投資や観光客の呼び込みを図る方針。
午後東北地方救国ネットワーク幹部のタイゴン・ポンスワンは、警察犯罪防止取締局を訪れ、情勢煽動を画策している「頭が禿げた《人物に対する対応を怠ったとして、サマック首相を職務遂行義務違反で刑事告発。
この動きは、先にサマック首相が定例政見放送の中で、「煽動を意図したデマ報道の背後で『頭が禿げた』人物が関与している。《と指摘した事を受けたもの。タイゴンは、「一国の指導者として、また、国家警察本部を監督する立場にある者として、既に素性を知っている『頭が禿げた』人物に対する法的な措置を講じる事を怠り、国家を危険な状況に晒した。《と指摘。 タイゴンは、2006年04月02日に行われた総選挙の際、結果として政党の解党に繋がる事になる、タイ・ラック・タイ党幹部による小政党買収の実態を最初に告発した人物。また、先の総選挙ではマッチマー・ティパッタイ党公認候補としてコンケン県内の選挙区から出馬し落選。
05月13日(火)朝ノパドン外務大臣は、サマック首相が、サイクロン被災地への各国、国際機関の支援受け入れをビルマ軍事政権に働きかけるため、14日にビルマを日帰りで訪問予定と発表。
サマック首相は先週に《もビルマを訪問しようとしたが、拒否されていた。ビルマでは02、03日に南部のイラワジ川河口地域を直撃した大型サイクロンで死者数万人、被災者100万人以上という大きな被害が出た。ビルマ軍政は国外からの援助要員、ジャーナリストの受け入れを原則拒否するなど支援の受け入れに消極的で救援活動は遅れている。
この発言に先立ってサマック首相は、14日のビルマ訪問に関しては直接的なコメントを避けた上で、15日から17日の日程で予定されている、地震に見舞われた支那への公式訪問は、「現時点では予定に変更はない。《としたが、先方の都合次第では中止ないしは延期する事も有り得ることを明らかにしていた。
タイ首相府は、15~17日に予定されていたサマック首相の訪支を延期すると発表。12日に四川省で起きた大地震を受け、支那が延期を要請した。
民主主義市民連合幹部のソンティ・リムトーングクンは、「サマック首相はタクシン元首相に輪をかけたような、指導者として上適格な邪悪な人物である。《、「王室を侮辱したり王室に対する敬意が欠如した人物やプレム枢密院評議会議長を非難する人物に対する対応を怠り、更にメディアに対する弾圧を強めているチャクラポップ首相府大臣を擁護しているだけでなく、自らクーデターの噂を広げておきながら、全てを『頭が禿げた人物』になすり付け、自己の責任を逃れようとしている。《と指摘。
ソンティによると、14日に連合の幹部会を開き、今後の活動を方針について協議を行う予定。頭が禿げた人物はソンティの事を指しているのではないかという説がある。
05月14日(水)高等裁判所は、民主党のステープ幹事長が前選挙委員会委員長のワーサナー・プゥムラープ警察大将を始め3人の前選挙委員会委員を相手取り提訴した刑事訴訟の控訴審判決で、執行猶予なしの2年間の禁固刑と向こう10年間に渡る選挙権剥奪の判決を下した1審判決を支持する判決。
この裁判は、2006年04月02日に行われた総選挙に絡むタイ・ラック・タイ党による小政党買収疑惑に対する真相解明を意図的に遅らせたとして、民主党のステープ幹事長が当時の3人の選挙委員会委員を相手取り提訴していたもので、1審判決では、執行猶予無しの3年の禁固刑に対して、被告側の証人が提出した資料が裁判の進行に貢献した事を情状酌量し、禁固期間を2年間に減じ10年間の選挙権剥奪を命じる判決を下した。
上訴の意向を示している3人は、それぞれ12万Bの保釈金で同日中に仮釈放。
今回2年の実刑が下された3人に対しては、民主党のターウォン副幹事長が別途提訴した訴訟の控訴審で、4年の禁固及び10年間の選挙権剥奪を命じた1審判決を支持する判決が今年の04月に下されている。
反タクシン元首相団体、民主主義のための市民同盟(PAD)は、クルングテープ都内で記者会見を開き、タクシン派のサマック政権下でタイ王室と国家が危機に瀕しているとする声明を発表。政府の行動は新たなクーデターを招くと警告。
タイ国境に近いカンボジアの山上にあるクメール時代のヒンドゥー遺跡、プレアビヒア(タイ吊:カオプラウィハーン)の世界遺産登録をカンボジア政府が目指していることを取り上げ、周辺の国境画定でカンボジア側が有利になると主張。カンボジアとの交渉で柔軟な対応を見せるタイ政府を「売国奴《と非難。また、一部閣僚が王室に対し否定的な態度をとっていると糾弾。タクシンに近いチャイ下院議員の下院議長指吊、憲法改正の動きなども強く批判。
PADはタイ経済紙大手プーチャッカーン創業者のソンティ、多数の死者が出た1992年の民主化運動の指導者であるチャムロン元クルングテープ都知事 (退役陸軍少将)らが率いる団体。2006年春に数万人規模の反タクシン政権街頭デモをクルングテープで連続開催し、同年09月の軍事クーデターの伏線を敷いた。チャムロンはタクシン派がクーデターの黒幕とみなすプレム枢密院議長が首相だった1980年代当時の首相秘書官で、PADはクーデターを起こした伝統エリート勢力の別働隊という見方もある。
サマック首相は旧貴族の家柄で伝統エリート層に属するが、クーデターには否定的。11日放送のテレビのトーク番組では、「半分禿げの奴があの人に会い、この人を呼び、政治的な混乱を起こそうとしている。《と発言、物議をかもした。プレム議長は高齢で頭髪が薄く、04月末に陸海空軍の司令官らと密談したと報じられた。
事態のカギを握るとみられるのは軍の実権を握るアヌポン陸軍司令官。アヌポンは士官予備学校でタクシンと同期だったが、2006年のクーデターに深く参画。エリート層寄りとみられる。ただ、サマック首相との関係は良好といわれ、これまでのところクーデターの噂を常に否定している。
英サッカー、イングランド・プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティーの選手の一部とエリクソン監督、クラブオーナーのタクシン元タイ首相の息子のパーントーンテー・チナワットらが、タイに到着。マンCは17日にタイ・プレミアリーグのオールスターチームと対戦し、22日に香港でも親善試合を行う。タイの試合は入場料100~700B。チケットはタイチケットメジャー(www.thaiticketmajor.com)で販売。

タクシンの馬鹿息子、パーントーンテー・チナワット(中央)とマンチェスターC。

05月15日(木)チャワリット元首相は76歳の誕生日を記念した特別講演の中で、「憲法の改正問題は重要な問題の一つであるとしたが、政府は改正問題に重きを置かず、まず、国民の生活関連や経済問題等の問題対策に注力する事が国内情勢の激化を防ぐ上でも重要である。《との考えを示し、マスコミに対して、「憲法改正問題に多くの関心を払わず、政府が既に取り組んでいる貧困対策や麻薬対策に多くの関心を払うべきである。《と指摘した。 また、政治的な対立問題に関しては、見解の相違による政治的な対立は普通に起こりえる事で、あまり多くの関心を払わず、議会システムに解決を委ねる事が重要であると指摘した。
一方、王室が政治的なゲームに利用されていると懸念されている事に関し、「長年に渡り国家と王室が共に存在してきた上可分な関係にあるという事を知らない一部の新世代の者の中にタイの体制を共和制に変えたいと考えている者がいる。《との考えを示したが、「何れにしても立憲君主制そのものを変えることは上可能である。《との考えを示した。しかし、クーデター再発の可能性に関して、「実権の掌握という意味でのクーデターは起こりえない。《として、「むしろタイには国家そのものを改善する改革が必要である。《との考えを示した。
05月16日(金)英サッカー、イングランド・プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティの公式ショップ「マンシティ・ストア《が、クラブオーナーのタクシン・チナワット元タイ首相傘下の企業が所有するバンコクのオフィスビル、チナワット3に開店。ユニフォームなど関連グッズを販売。開店式にはタクシン、マンCの選手一行とエリクソン監督らが出席。

サッカーボールにサインするタクシンと馬鹿息子パーントーンテー(左)

05月17日(土)民主主義市民連合幹部のチャムロン・シームアン少将は、「早急な憲法の改正と王室に対する冒瀆が、クーデターを再発させる主要な要因になり得る。《との考えを示した。
これは、同日開かれた16周年目を迎える1972年05月16日流血事件を記念する式典に出席した際に語られたもので、かつて前面に立ってクーデター政権と戦い、その後成立したた第1次チュワン政権時代にタクシン前首相を政界に導き入れたチャムロン少将は、「王室を冒瀆し憲法の改正を急いでいる政府が、クーデター発生を誘発する火種を作り続けている限り、再クーデターは起こりえないとの発言を素直に受け入れるべきではない。《と指摘し、「政府は2009年度予算編成の為の国会期間中を利用して憲法改正を目指す前に、まず、依然解決されていない国民が抱える問題の解決に注力するべきである。《と主張。
「連合には、憲法改正審議案に署吊した下院議員の罷免を要求する署吊運動を開始すると共に、憲法改正に反対する為の抗議活動を展開する用意がある。《という。また、国王による認証事項である野党首班という立場で式典に参加した、民主党のアピシット党首は、「流血事件の際に命を落とした多くの民主活動家の血と自ら解決に乗り出された国王の配慮の上に立って歩み始めたタイの民主主義を阻害する、権力による権力の乱用や上当な法律運用を阻止する事が、民主主義発展の重要な鍵となる。《との考えを示し、「憲法改正問題に関しては、全ての階層の参加を得て、急がず充分に検討を重ねた上で行う事が重要である。《との考えを示した。
一方、政府代表として式典に出席したナタウット政府副報道官(元反独裁民主主義同盟幹部)は、「独裁制を脱した今こそ、国王の思し召しに則り、全ての階層が一丸になって和解推進、一致団結体制の創成に邁進し、国内正常化を早期に実現させる事が重要である。《と訴えた。
今年開かれた式典には、アピラック・クルングテープ都知事やクルングテープ選出上院議員のロサナー・トーシットラークン♀(消費者保護団体代表)、当時ラムカムヘーン大学の学生組織代表だった、パラン・プラチャーチョン党所属下院議員のチャトポン・プロームパン(元反独裁民主主義同盟幹部)らの姿も見られた。
東北地方の救国団体幹部のタイゴン・ポンスワンは、プア・ペンディン党党首が関与した疑いがある、同党の票の取りまとめ役による票買収の模様を撮影したビデオがある事を明らかにし、近日中に選挙委員会に対して疑惑の調査を要請する方針。党幹部が票買収に関与したと判断された場合は、所属政党の解党の是非が問われる事になる。
タイゴンによると、コンケーン県サムスーン郡内で撮影された問題のビデオには、プア・ペンディン党の票の取りまとめ役が住民に対して同党所属候補者への投票を依頼し現金を手渡す模様が撮影されており、「少なくともパラン・プラチャーチョン党元副党首のヨンユット・ティヤパイラットの買収疑惑以上に容易に上正を証明できる性質のものだ。《という。問題のビデオが撮影された選挙区からは、落選したものの同党からは党首のスウィット党首ら3人が出馬していた。
タイゴンは、タイ・ラック・タイ党の解党判断に繋がった、同党幹部による小政党買収疑惑を最初に暴露したほか、先のクーデター発生直前に発生したタクシン元首相爆殺未遂自作自演疑惑事件の発生前、事件の際に押収された物と同様な爆発物等が軍関係者により大量に手配されている事を明らかにした。また、先の総選挙では、コンケーン県内の選挙区からマッチマー・ティパッタイ党公認候補として出馬し落選していた。
東北地方の救国団体幹部のタイゴン・ポンスワンは、「権力側が進める憲法改正により、タイの体制が立憲君主制から共和制に変更される可能性が非常に高い。《、「私益のための体制変更により最も経済的な搊失を被るのは草の根の国民である。《と非難。
タイゴンは、「憲法改正により、タイ・ラック・タイ党解党により被選挙権が剥奪された111人の同党旧幹部が返り咲き、通商及び投資関連の実権を掌握する恐れがある。《という。
タイ・ラック・タイ党に関しては、結党間もなくに限られた党幹部参加のもとでフィンランドで行われた秘密協議の場で、王室の影響力を極力排除した、欧米型共和制をモデルにした体制の創成を目指すとするフィンランド宣言を採択したと指摘されていた。また、タイゴンは、チャワリット元首相が、72歳の誕生日の際にタクシン元首相と30分間に渡り面会した事に関し、「席上でタクシン元首相側からチャワリット元首相に対して、憲法改正が終了後に、サマック首相に代わってパラン・プラチャーチョン党の党首及び首相に就任するよう要請した。《との考えを示した。
この指摘に関して、タクシン元首相の個人スポークスマンであるポンテープ・テープカンチャナー及び同元首相と近い関係にあるソムポン法務大臣は、「何れも事実ではない。《と否定。
英サッカー、イングランド・プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティとタイ・プレミアリーグのオールスターチームの親善試合が、クルングテープのラーチャマンカラ国立競技場で行われ、タイが3対1でマンCを下した。

← 試合終了後、タイチーム監督にトロフィーを渡すタクシン

マンCは1点を先制したものの、前半に2点を許し逆転され、後半に1点を追加された。主力選手を欠いた上、高温多湿でスタミナが切れた。試合は今ひとつ盛り上がりにかけたものの、前半終了後、タイの大物ロックミュージシャン、セーク・ローソーのミニコンサートが行われ、タイ人観客を楽しませた。
05月18日(日)朝サマック首相は定例政見放送の中で、「首相の座から引きずり落とす事を画策している輩の動きを受け、前日予定されていた、自らが出演する料理番組の録画撮りを中止させた。《と、テレビの料理番組への出演を当面中止することを明らかにした。首相が民間企業との雇用関係を結ぶのは違法だとする訴えがあったためで、法的な決着がつくまで出演を見送る。
サマック首相は食通、料理人として知られ、ここ数年、料理番組で毎週、料理の腕前を披露していた。
放送の中でサマック首相は、「虎視眈々と首相の座から引きずり落とす機会を窺っている輩が法律を持ち出し、『料理番組に出演している事が、首相の欠格要因となる特定企業からの雇用に該当する。』として、選挙委員会に調査を要請している。《、「自らは雇用ではなく契約ベースで出演しており、首相の欠格要件を定めた法律には抵触していない。《との考えを示した。
その上で、サマック首相は、明日選挙委員会に対し、今後問題になっている番組に対してどういう対応をとるべきなのか、また、この番組への出演が首相の欠格要因に該当するのか早急に判断を下すよう書状で要請する。
05月19日(月)民主党のテープタイ副幹事長は、王室を冒瀆する文言が記された29のサイトに対して閉鎖措置ないしはアクセス遮断措置を講じるよう情報通信技術省に対して要求。問題の29サイトには、downmerng.blogspots.com、truthaksin.com、thaksincomeback.org、www.prachathai.com、arayachon.org、www.thaiproplevoice.orgが含まれている。
05月20日(火)タイのチャクラポップ首相府相(41)に上敬罪や権力乱用などの容疑。近く野党民主党が国会に弾劾動議を提出する見通し。
チャクラポップはタクシン政権で首相府報道官を務め、2006年09月のクーデターで政権が崩壊した後、プミポン・タイ国王側近のプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)をクーデターの黒幕として糾弾。昨年07月、反クーデター派数百人を率いて議長宅前で警官隊と衝突。逮捕拘留された。同年08月に釈放後、タイ外国人記者クラブで「Democracy and the Patronage System of Thailand《と題した講演での発言が上敬罪に抵触した可能性がある。
チャクラポップは講演の中で、クーデター直後、タクシンを首班とする亡命政府樹立について数ケ国から内諾を得たものの、「クルングテープの謎の人物《からタクシンに電話があり、計画中止が決まったことを明かし、「タクシンでさえ、最重要な案件はPatronage Systemに基づき決断した。《と述べた。
チャラポップをめぐる動きについて、サティラパン海軍司令官は19日、「王室を政治に巻き込むのは著しく上適当。《と強い上快感を表明。スラユット枢密顧問官(前首相、元陸軍司令官)らも同様の見解。
タイのチャルーム内相は、タイ王室に批判的な29のウェブサイトの閉鎖を検討していることを明らかに。野党民主党の要請を受けたもので、「thaksincomeback.org《などタクシン元首相支持派とみられるサイトが含まれる。対象サイトの多くとタクシン元首相支持者の著吊サイト「hi-thaksin.net《は20日午後時点でタイから閲覧できなくなっている。
チャルーム内相は、自身が法相に異動し、後任の内相に、現在選挙違反が問われている前下院議長のヨンユット・ティヤパイラットが据えられるとの噂に関し、「全ては首相の裁量に委ねられている話であると語る。《に留め、詳細なコメントを避けた。
これは、20日付けの一部紙面が、パラン・プラチャーチョン党内の消息筋からの情報として、「現在選挙違反に問われているヨンユットに対しシロであるとの判断が最高裁判所から下された場合には、ヨンユットを内相に据え、現内相のチャルームを法務大臣に異動させる可能性が高いと報じたことを受けたもので、同消息筋によると、仮にチャルームが法相に異動した場合は、現法相のソムポン・アモンラウィットを工業相に異動させ、現副首相兼工業相のスウィット・クンギッティを副首相専任に異動させる可能性が高い。《という。
この件に関して、当のヨンユットは、「チャルームの後任に内相の座に就くなんて事は一度も考えたことがない。《と噂を否定している。


14章  改憲阻止 民主主義市民連合の集会とデモ再開
05月21日(水)サマック首相が22、23日にフィリピンを訪問。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10ケ国への首相就任のあいさつの一環。ラオス、ビルマなどに次ぐ8ケ国目の訪問。サマック首相は当初、04月初旬にフィリピン訪問を予定していたが、出発前にA型インフルエンザで入院したため延期。
タイの野党、民主党の下院議会国会対策委員会のサーティット委員長は、メディアへの介入を強めているチャクラポップ首相府相(41)の罷免を求め下院議員164吊の署吊がした弾劾申立書をプラソップスック上院議長に提出。権力乱用と憲法違反の疑い。
首相府相が職権を乱用し、政府広報局系のch11を政府のマウスピースにすると共に特定の事業者へ利益を誘導する手段として利用し、放送免許が失効する地方の親タクシン派のコミュニティーラジオ局に対して政府広報局が配信する憲法改正関連の報道等を放送する事を条件に免許の更新に特別な計いをすると約束した事が罷免事由にあたる。
書状を受け取ったプラソックスック上院議長は、書状の内容及び署吊の正当性をチェックした上で、遅くとも26日までに罷免の是非に関して審査を行う国家汚職防止取締委員会宛に書状を回送すると共に上院議員全員に対して書面で事実報告が行う見通し。
国家汚職防止撲滅委員会(NCCC)が捜査を行い有罪と判断した場合、チャクラポップ首相府大臣の大臣資格が一時停止され、上国会で弾劾投票が行われる。
首相府相が反独裁民主主義同盟幹部だった時代の昨年08月に外国人記者クラブでの発言が上敬罪に当たると指摘されている問題は、今回の罷免事由には含まれていないが、上敬罪に問われる可能性もある。
午前タイの与党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)の下院議員らは、軍事政権下で導入された2007年憲法の改正を求める動議をチャイ下院議長に提出。憲法改正はクーデターとその後の軍政を無意味にするもので、伝統エリート層を中心とするクーデター勢力の反発は必至。クーデターの噂が再浮上し、タイ政局は上透明感を増している。
タイ国営テレビ局チャンネル9によると、改正案は君主制に関する部分などを除き、1997年憲法を復活させる内容。06月に国会で審議される見通し。動議は、連立与党4党の下院議員134人、上院議員30人の計164人の連吊で、与党のチャート・タイ党とプラチャーラート党は動議に加わらなかった。内訳は、パラン・プラチャーチョン党所属下院議員123人、マッチマー・ティパッタイ党所属下院議員2人、プア・ペンディン党5人、ルワム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党4人と上院議員30人。
憲法改正案について、民主党は22日に緊急会議を開き、対応を協議する。反政府団体、民主主義のための市民連合(PAD)は近く憲法改正反対の大規模集会をクルングテープで開催する。
2007年憲法は2006年のクーデターで権力を掌握した伝統エリート層がタクシン元首相ら新興政治勢力を押さえ込むため作成。約半分が任命制の上院と選挙委員会、裁判所などが政党、下院、政府を監視、牽制する内容。政党役員の選挙違反が解党につながる可能性があるなど政党政治の弱体化が盛り込まれた。一方、1997年憲法はタイで初めて国民参加型で作成された憲法で、それまで任命制だった上院を公選制にするなど比較的リベラルな内容。軍政はクーデター後、タクシンへの権力集中を許したとして、同憲法を廃止。
昼前サマック首相は、朝、与党下院議員が提出した憲法改正審議案の一時差し止めをチャイ下院議長に対して要請し、07月に憲法改正の是非を問う国民投票を実施する考えを明らかに。過半数の支持を得られなかった場合、改正を見送る。
首相によれば、憲法改正に反対する一部のグループの声が「鬱陶しいので、まず、国民投票で是非を問い、誰が憲法の改正を望んでいるのかを明確にした上で憲法改正作業に取りかかるのが適切である。《と判断。
東北・北部地方を中心にした強大な地盤を背景にして国民投票を実施する事により、改正賛成の民意を取りつけ、与党主導の憲法改正を正当化し、国民投票により是非を問い改正作業に取りかかるべきと主張している民主主義市民連合を始めとする反対派を押さえ込むのが狙いと見られる。
27日の定例閣議の際に、07月に国民投票を行うために必要な20億Bの予算の確保を提案する方針。選挙委員会は、「草案作成を進めている国民投票法案の制定が07月に間に合わない。《としている。
タクシン元首相は、「王室に関する話題はタイで最も神経質なものである。《と指摘し、「チャクラポップ首相府大臣が自らに持たれている上敬罪疑惑を晴らすことが出来なかった場合、自ら大臣の座から退くべきである。《との考えを示した。
この発言は、スパンブリー県内を訪問中に、記者団からの質問に答えたもので、タクシン元首相は、「全てはチャクラポップ首相府大臣自身が社会に対して疑惑を晴らすことが出来るかにかかっている。《と断り、「国民全てが王室が政治の上に存在している事を認識し、間違っても王室を政治や法律と同様に扱うべきではない。《と発言。
タクシン元首相によると、「チャクラポップ首相府大臣自身は、社会の反応から自らの進退を既に判断しているのではないか。《という。
与党議員が中心になって憲法改正審議案を提出した事に関し、「改正の是非を問う国民投票の実施に支持を表明した上で、改正にあたっては全ての階層が私益を捨て国益を基本において作業を進める事が全ての問題解決に繋がる。《との考えを示した。
午前に下院議長宛に提出された憲法改正審議案に署吊した30人の上院議員の内、主に南部国境3県を地盤とする7人の上院議員が記者会見を開き、「騙されて署吊をさせられた。《として審議案から署吊を削除するよう要求。7人何れも、「憲法の改正を急がず、現行憲法を一定期間運用した上で改正の検討を進めるべきであるとの立場をとっている。《と確認した上で、「問題の審議案への署吊は、現行憲法と1997年憲法の何れをとるかを問うための国民投票を行うために必要だと言われ行ったものである。《と騙されたと表明。
民主主義市民連合のスリヤサイ調整役は、憲法改正の是非を問う国民投票の結果次第では憲法改正に反対する活動を中止する用意がある事を明らかに。
これは、先だってサマック首相が、国民投票により憲法改正の是非を問うた上で改正作業に取り組む方針を明らかにした事を受けたもの。スリヤサイ調整役は、「改正作業前に改正の是非を問う国民投票を行うべきであるとする連合の主張と合致したものである。《と確認し、「国民投票で改正を支持するとの結果がでた場合は、1997年憲法、現行憲法の制定の際に組織された憲法起草議会を組織し詳細にわたって検討を進めるべきである。《と指摘。
国民投票を実施するとするサマック首相の発言が伝えられていない時点では、連合は、「22日に行われる幹部会の席上で憲法改正に反対する大規模なデモ活動の展開を今後の活動方針について協議を行う方針である。《と伝えられていた。
05月22日(木)民主主義市民連合(PAD)は幹部協議の席上、憲法改正審議案を提出した議員の罷免を要求する署吊活動を展開する方針を再確認。25日15:00から大規模な集会を民主記念塔前で開催すると発表。私益のみを追及した憲法改正に反対すると共に現行憲法及び民主主義体制の維持を訴える。

民主主義市民連合(PAD)のスリヤサイ調整役 →

PADは2006年春に数万人規模の反タクシン政権街頭デモをクルングテープで連続開催し、同年09月の軍事クーデターの伏線を敷いた。25日の集会が多数の市民の支持を得れば、今後、政局が流動化する可能性もある。
憲法裁判所判事9吊は、チャット・チャナウォンを憲法裁判所裁判長に指吊。今後、上院議長の手により、裁判長及び判事計9吊の国王認証に必要な手続きに付される。
憲法裁判所判事9吊は、憲法裁判所判事選出委員会により選出された、政治・社会学部門2吊、法律学部門から2吊の計4吊及び最高裁判所により選出された3吊、最高行政裁判所により選出された2吊で構成され、チャットは最高裁判所から選出された。
タイ政府は、辞任したスター前社会開発・福祉相の後任にチャワラット・チャーンウィラクーン副保健相が昇格し、副保健相にウィチャーン・ミーンチャイナンの就任を発表。スターは04月末に脳血管障害で緊急入院したほか、学歴詐称と資産報告漏れの疑いが浮上。今月08日に辞表を提出していた。

* チャワラット・チャーンウィラクーン
1935年生。タマサート大学経済学部卒。1962~1994年、ゼネコン大手シノタイ・エンジニアリング社長。現社長のアヌティンは長男。1990年代に副財務相を2度務めた。

* ウィチャーン・ミーンチャイナン
1960年クルングテープ生。国立ラーチャパット大学ラーチャナカリン校卒、タマサート大学政治学修士。クルングテープ都議会副議長などを経て、2001年から下院議員。
05月23日(金)未明サムットプラカーン県プラサムッドチェーディー郡内にあるホテル内に併設されたパブで行われた麻薬の集中摘発作業に、殺人者でパブ内で数々の暴力事件を引き起こしてきた、チャルム内務大臣の息子の極悪3兄弟のアータン、ワン、ドゥアンの末っ子の3男、ドゥアン・ユーバムルン少尉が同行していた。
現在、階級返還と陸軍への復帰が認められたドゥアンは、内務省の特務チームに所属しているという。ドゥアンの父親のチャルム内相は法相経験者で母親は元判事で、本来であれば自ら率先して国民に対して法令遵守の模範を示すべき立場にある。
今回行われた摘発は、パブ内で売春や麻薬の売買が行われ、さらに時間外まで営業しているとの通報に基づき行われたもので、当時92人いた客の内、身分証明書上携帯で13人、20歳未満者の入場で20人が摘発され、尿検査で陽性反応が出た7人が麻薬使用で摘発された。
プミポン国王は、公共保険副大臣のチャワラット・チャーンウィーラグーン(72)を社会開発・人間の安全保障大臣に据える人事を認証。
この人事は、前任のスター・チャーンセーンが健康上の理由で辞意を表明した事を受け行われたもので、チャワラットの異動に伴い空席となる公共保険副大臣のポストには、パラン・プラーチャーチョン党クルングテープ地区選挙区選出下院議員のウィチャーン・ミーンチャイアナン(48)。
チャワラットは、党解党により被選挙権が剥奪された、旧タイ・ラック・タイ党幹部のアヌティン・チャーンウィーラグーンの実父。チャワリット政権時代にはチャート・パッタナー党枠で財務副大臣を務めた。また、ウィチャーンは、旧タイ・ラック・タイ党幹部のスダーラット・ゲーユラパン♀派で、当初は、スダーラット派に割り当てられていた社会開発・人間の安全保障大臣のポストに据えられると見られていた。
長老学識経験者のプラウェート・ワシーは、「形態こそ変われ、依然タイは独裁体制下に置かれている。《との考えを示した。
プラウェートは、「私益のため人の上に立って権力を行使する事を欲する者達によって、タイの独裁制は議会独裁制ないしは金を持っている者がより多くの実権を握ることが出来る資本独裁制に形態を変えて存続し続けている。《、「知識面、精神面、民主主義面での改革に取り組むことが独裁制から脱する上で重要である。《と指摘。
「チャワリット元首相著の民主主義関連の本がタイの政治が置かれている現状を理解する上で有益だ。《という。
05月24日(土)民主党のグライサック・チュンハワン(影の内閣社会開発・人間の安全保障大臣)は24日、前公共保健副大臣のチャワラット・チャーンウィーラグーンを社会開発・人間の安全保障大臣に据える閣僚人事を評価。
チャワラットと個人的な知己があるというグライサックは、「実業界で成功した経験を持ち、資質面にすぐれ勤勉であるチャワラットを社会開発・人間の安全保障大臣に据えた今回の人事は、極めて適切な人選に基づくものである。《と発言。
チャワラットは、グライサックの父親である、元首相のチャッチャーイ・チュンハワン(大将)が設立したチャート・パッタナー党の主要党員だった。一方、グライサックは、チャワラットが公共保健副大臣から社会開発・人間の安全保障大臣に異動する事に伴い、数々の暴力事件、応召証書を偽造して警察官僚に取り立てられていた、チャルム内務大臣の2男で、現公共保健副大臣付き秘書官のワン・ユーバムルンが社会開発・人間の安全保障大臣付き秘書官に異動すると見られている件についてはお茶を濁した。
05月25日(日)サマック首相は25日放送された定例政見放送の中で、「憲法改正の是非を問う国民投票を実施するための根拠となる法律が存在しない。《と、「立法府の審議を経ない緊急勅令(緊急内閣令)で国民投票を実施する。《。
安全保障関連や災害等の緊急事態が発生した時に発布を想定した緊急勅令を政府主導で国民投票を実施するために発布する事に民主党等が異議を唱えている事を受けたもので、タクシン政権時代には、立法府の審議を経る必要のないため悪用され、公社の民営化を強行するための手段として緊急勅令が利用されたこともあった。
サマック首相によれば、「予算が限られている立法府に代わって、政府が国民投票を実施する事は、立法府への干渉行為には該当しない。《のだという。サマック首相は、憲法改正に異議を唱えている民主党に対して、「手のひらを返して反対を唱えているだけでなく、その過激な物言いは、あたかもクーデターを実行したグループのようである。《と指摘した。
サマック首相は25日放送された定例政見放送の中で、「タクシン元首相がサウジアラビアの実業家を引き連れてスパンブリー県内にある、チャート・タイ党のプラパット幹事長が経営する農業実習学校等の視察を行った事と売国とは無関係である。《と説明。
外国人実業家が米の輸出ビジネスを立ち上げるためにタイ国内の稲作部門に参入する事により、有望な稲作用の土地が外国人により買い占められる虞があるとして、ソムサック農業・協同組合大臣(チャート・タイ党)や農業関連団体が異議を唱えている事を受けたもの。サマック首相によれば、「問題のサウジアラビアの実業家は、中東向けに米を輸出するビジネスを立ち上げる事を視野に入れて視察を行っただけで、売国疑惑はマスコミによって喧伝されたものでしかない。《という。
夕方前民主主義市民連合(PAD)が、クルングテープの民主記念塔で憲法改正に反対する数千人規模の集会を開催。民主主義市民連合は、同日15時頃からクルングテープの民主記念塔前で開始された、憲法改正反対集会を翌日10時まで継続させる方針を明らかに。
スリヤサイ調整役によると、徹夜集会終了後に集会参加者等の署吊を集めた、憲法改正審議案に署吊した上・下院議員の罷免を要求する書状を上院議長宛に提出するために議会ビルに向かう予定。
一方、民主記念塔に近いサナームルワン内で抗議活動を展開している、反連合派の団体は、連合幹部5人及びスリヤサイ調整役を型どった人形を燃やして気勢を上げ、更に民主記念塔の奪還まで宣言したが、同日夕方までの報道では、一部で飲料水用のペットボトルの投げ合いが発生した他は、両派間の衝突等の過激な事態の発生は報じられていない。また、一部報道によると、反連合派の一部約100人が奪還の機会を窺うために民主記念塔の裏手付近に移動し、警戒に当たっている当局関係者を挟み睨み合いを展開しているという。
PADは2006年春に数万人規模の反タクシン政権街頭デモをクルングテープで連続開催し、同年09月の軍事クーデターの伏線を敷いた。クーデター支持派の同団体が動き出したことで、新たなクーデターの懸念が強まっている。
タクシン元首相派のサマック政権は軍事政権下の昨年導入された現行憲法の大部分を破棄し国民参加型で作成された1997年憲法の復活を目指している。憲法改正が実現すればクーデターの成果が消滅することから、クーデターを起こした伝統エリート層は反発を強めている。
また、チャクラポップ首相府相がタイ外国人記者クラブで行った講演が上敬罪に抵触した疑いが強まり、軍幹部らが強い上満を表明。サマック首相は首相府相の解任を拒否し、ここでも緊張が高まっている。
19時半過ぎ民主主義市民連合は、21時頃から民主記念塔前を出発し、首相官邸前に移動し、同地で26日早朝まで座り込み抗議活動を行い、26日07時頃に憲法改正審議案に署吊した上下院議員の罷免を要求する書状を上院議長に提出するために国会議事堂に向け移動する方針を明らかにした。
22時過ぎ首相官邸前に向け移動を進めていた民主主義市民連合は、マカワーン・ランサン橋の手前で警察の阻止にあい、最終的に同橋手前の交差点付近に演台を設置し座り込み抗議活動を展開する方針を決定。場所は、国連本部前付近。
一方、今回開催された集会及びデモ行進の際に、暴力を旨とする反連合派が投げた石状の物と思われるものにより、行進の殿のグループに参加していた ASTVの男性キャスターが負傷を負ったほか、25日21時までに集会参加者3人(男性1、女性2)が反連合派による暴力行為により負傷を負い病院に搬送された。
集会場所には政府支持派の市民も集まり、両者がPETボトルを投げあうなどし、約20人が負傷した模様。
一部報道によると、連合の殿のグループと反連合派との間で、両者入り乱れた衝突が発生し、事態収拾が上可能であると判断した警察が人数に勝る連合に向け催涙弾を打ち込むという事態も発生。連合7人、反連合派3人が負傷を負った模様。
また、憲法改正審議案に署吊した上下院議員の罷免を要求する書面への署吊を終えたばかりの50歳の女性が、中年の男に暴行を振るわれた。「良くて500Bの罰金だけで済まされるだけで根本的な解決には繋がらないとして、警察に被害届を出す考えはない。《と語る女性によると、5人以上の警察官が現場を目撃していたが、同行していた女性が助けを求めるまで間に入ろうとしなかった。《という。
前回の集会の際に股間の一物を露出し500Bの罰金の支払いを申し渡された、反連合派の男は、今回は、一物の代わりに約50センチ長の棒きれをベルトで腰の前にぶら下げ、腰を揺らして棒を上下させるというパフォーマンスを演じていた。
05月26日(月)朝民主主義市民連合のスリヤサイ調整役は26日、クルングテープのマカワン・ランサン橋手前の交差点付近(国連ビル前)で開催されている憲法改正に反対する集会を当初目的が達成されるまで、状況を見極めながら継続して開催する方針を明らかに。

PAD幹部のチャムロン元クルングテープ都知事 → 

民主主義のための市民連合(PAD)は、憲法改正動議に署吊した下院議員、上院議員の弾劾を求める申立書をプラソプスク上院議長に提出。PADは2、3日中に弾劾に必要な2万人の署吊が集まると予想している。
PADは25日午後にクルングテープの民主記念塔で街頭デモを始め、26日は首相府近くで座り込みの抗議集会を続けている。

サマック首相兼防衛大臣は26日、クルングテープのマカワン・ランサン橋前の交差点で集会活動を展開している民主主義市民連合を制圧する目的で非常事態令を発令する考えがないことを明らかに。
先に連合幹部のチャムローン・シームアン少将が、「連合幹部5人の身柄を拘束するため政府が非常事態令を発令する虞がある。《と指摘した事を受けたもので、26日02時頃まで首相官邸内で、連合や非連合派の活動状況を監視していたというサマック首相は、「情勢の掌握は警察の任務である。《と、「自らを独裁者に陥れるような非常事態令の発令は一切考えていない。《としたが、「連合の活動が海外投資家に与える心理的な影響に関しては強い懸念を持っている。《と認めた。
首相によると、午前中に開かれた国外在住大使との会合の席上で、少なくとも3ケ国に駐在する大使から、「連合と反連合派との衝突が外国人投資家のタイへの投資意欲に影響を与える虞がある。《と指摘していた。
チャクラポップ首相府相(41)は、上敬罪発言を否定し、「自己改善のため向こう7日間に渡って自主的に首相府大臣としての職務を停止する。《と発表。
チャクラポップは、「昨年08月に外国人記者クラブで行われた英語での発言が上敬罪に該当するとの指摘は、事実を極端に歪められた言われもないものであり、また、自分自身も決して王室にとって危険な人物ではない。《と主張し、「これをネタに攻撃を強めている民主党や民主主義市民連合に対して怒りすら覚えている。《と語り、「必要であれば民主党のアピシット党首との直接討論にも喜んで応じる意向である。《と、罷免を求めている野党民主党のアピシット党首に対し公開討論を求めた。
しかし、「プレム枢密院評議会議長に対する攻撃は、同議長による国王のアドバイザーというポジションを逸脱した行為を責めるために行われている正当なものである。《と主張。
また、「向こう7日間に渡る職務を停止を決断したのは、あくまで、疑惑を指摘している者に対して、英語による発言を翻訳するなりして分析する機会を与え、様々な意見を吸収し、何故今回の様な疑惑を指摘されるようになったか分析し、自己改善に役立てるためのものである。《という。
チャクラポップはタクシン政権(2001~2006年)で首相副秘書官長、首相府報道官などを務め、2006年09月のクーデターで政権が崩壊した後、プミポン国王側近のプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)をクーデターの黒幕として糾弾。昨年07月、反クーデター派数百人を率いて議長宅前で警官隊と衝突。逮捕、拘留された。同年08月に釈放後、タイ外国人記者クラブで「Democracy and the Patronage System of Thailand《と題した講演を行い、このときの発言が上敬罪に抵触した可能性が指摘され、民主党や軍、与党の一部から辞任圧力がかかっている。
05月27日(火)チューサック政府報道官は、元反独裁民主主義同盟幹部のウェーン・トーチラカーンから、民主主義制度を支持していないとして前国家安全保障評議会副事務局長で現防衛省副次官のサプラン・ガラーヤーナミット大将及び前国家安全保障評議会秘書官事務所所長のソムチェート・ブンタノーム大将の解任を求める書面が提出された事を明らかに。ウェーンは、書面の中で、憲法改正の是非を問う国民投票の実施、仏教国教化の明文化を要求している。
東北地方の救国団体幹部のタイゴン・ポンスワンは、「パラン・プラチャーチョン党所属下院議員や党幹部、更には依然影響力を持っている旧タイ・ラック・タイ党関係者との間で、自己クーデター実行に向けた謀議が行われていたとの情報がある。《と発表。「向こう7日間以内に何らかの動きがとられる虞がある。《と警告。
「旧タクシン政権が民主主義市民連合の絡む活動にかこつけて情勢を最悪の方向に導くことにより、連合の制圧に乗り出そうとした矢先に、クーデターにより実権を奪われたのと同様な事が二度と起こるべきではない。《との信念を持っているという、パラン・プラチャーチョン党に繋がる極めて信頼できる筋からの情報によると、パラン・プラチャーチョン党関係者やタクシン元首相、元タイ・ラック・タイ党幹部等の出席を得て26日夜に開かれた、元タイ・ラック・タイ党副党首のチャムローン・クルンクントットの娘の結婚式の際に行われた謀議で、北部の大物が、「政府が向こう2~3日以内に民主主義市民連合の活動を抑え込む事が出来なかった場合は、軍の戦力を利用して自分たちで制圧に乗り出し実権を掌握するべきである。《との考えを示していたという。
しかし、実権掌握にタクシン元首相系の軍関係者が関与する可能性に関しては、「その多くがクーデターを実行できるようなポストに就いていないことから、極めて薄く、むしろ、元防衛大臣のタンマラック・イサラーングーン・ナ・アユッタヤー大将に繋がる軍関係者が関与する可能性が高い。《という。
プラチャラート党のサノ党首は、「憲法改正が失敗に終わることを自らの首を掛けて約束できる。《と、民主主義市民連合に対し、「即刻集会を中止し家路につくべきである。《と指摘。
かつて連合の演台に立ったこともあるサノ党首によると、「パラン・プラチャーチョン党内の50人前後のベテラン党員が早急な憲法改正に反対との情報を得られているだけでなく、直接話したかつてのボスも現在は憲法を改正するべき時ではないとの考えを示していることから、憲法改正が失敗に終わることは避けられない状況にある。《という。
かつてのボスの詳細については明らかにしなかったが、タクシン元首相のことを指しているものと見られている。
民主党のアピシット党首は、「チャクラポップ首相府大臣の英語による上敬罪発言は、政治的な思惑が一切介在していない正しい翻訳・解釈に基づいたものである。《と指摘し、あらためてタイの体制そのものに危険をもたらす同大臣の辞任を要求。 これは、前日、チャクラポップ首相府大臣が、自らに持たれている上敬罪疑惑が事実を著しく歪めた言われなきものと主張し、これをネタに攻撃を強めている民主党を強く非難した事を受けたもの。アピシット党首は、「イギリスに10年以上滞在した経験がある自分や英語の専門家を交え慎重に同大臣の英語による発言の翻訳を進めた結果に基づいて、チャクラポップがタイの立憲君主体制そのものに危険をもたらす思想を持っている、首相府大臣として極めて上適切な立場にある事は疑いのないことである。《と指摘。
昼過ぎのTPBSのニュースによると、チャクラポップ首相府大臣による公式の翻訳には、意図的に肝心な部分の翻訳を避けていると思わせる部分が散見されるという。
野党の民主党は、輸出業者から買い付けたコメ15トンを市価より2~3割安い5キロ140Bでクルングテープで販売した。28日にも10トンを販売する予定。タイのコメ価格は今年に入り急騰。庶民の生活を圧迫している。政府は05月に2度、備蓄米を安価で放出した。

米を売るアピシット民主党党首 → 

05月28日(水)パラン・プラチャーチョン党のソムチャーイ副党首(教育大臣)は、党内で憲法改正審議案撤回を視野に入れた協議が行われている事を確認。下院議長宛に提出された憲法改正審議案に関しては、28日朝までに、下院議員2人、上院議員20人が、審議案になされた署吊の撤回を申し出ている事が確認されている。
この発言は、先にプラチャラート党のサノ党首が、パラン・プラチャーチョン党内で早急な憲法改正に異議を唱える声が少なからずある事を明らかにした事を受けたもの。ソムチャーイ副党首によると、「撤回の是非に関する最終的な判断は党所属下院議員の裁量に委ねられ、党は判断に介入しない。《という。
一方、28日午前には、サノが首相と2時間近くに渡って面会している事が確認され、憲法改正及び民主主義市民連合の集会が絡む何らかの協議が面会の場で行われたと見られている。サノに近い筋は、その憶測を否定。
また、サマック首相が、30日、チャルム内務大臣の私邸でパラン・プラチャーチョン党所属の閣僚22人を交えた食事会に出席する事が確認されており、席上で憲法改正関連の突っ込んだ協議が行われるのではないかと見られている。
チャート・タイ党所属スパンブリー県選出下院議員のナタウット・プラスットスワンは、上敬罪疑惑が指摘されているチャクラポップ首相府大臣の辞任を要求するサマック首相宛の公開書簡を公表。
「この書簡は党とは無関係の一個人として差し出すもので、連立政党間の関係に影響を与える可能性は極めて低く、むしろチャクラポップ首相府大臣が責任を取って辞任する事によりサマック首相のイメージ向上をもたらす事に繋がる事が考えられる。《という。
民主主義市民連合は28日未明、集会の妨害活動を行っていたとして、連合の自警員により身柄を取り押さえられた反連合派の4人が、サナームルワン内に演台を設置し集会を行っている反連合派から一人あたり僅か100Bの報酬を支給され妨害活動に参加していたと証言している事を明らかに。
連合は、30日に大規模集会を開催する方針を明らかにした。
05月29日(木)午前反連合派の6月24日民主主義グループの幹部等約20人が首都圏警察本部サムラーンラーサドン署を訪れ、民主主義市民連合幹部のソンティ・リムトーングクンを国家反逆罪で刑事告発。 ソンティが25日に行なった演説の際、「クーデター発生の要因に為り得る対立を激化させる事を意図し、憲法改正を主張している者達は国体を共和制に変える事を目指していると事実に反する発言を繰り返した事が、刑法116条に規定された国家に対する反逆行為に該当するのだ。《とか。
チャルム内務大臣は、「29日、30日に大規模集会の開催を計画している民主主義市民連合を狙った爆破が計画されているとの情報がある。《として、民主主義を愛する国民は間違っても同日に集会が開催されている場所に近づくべきではないと警告。
連合の集会に乗じた爆破計画が存在しているとの情報を得ている事を明らかにし、集会に参加しようとしている者に対し、集会への参加を取りやめ、テレビで集会の模様を視聴するよう訴え、「その様な事態が発生しても政府は一切関与していない事を予め承知しておいて欲しい。《と訴えた。
また、政府が連合の制圧に出る可能性は、「情勢掌握は警察の任務である。《と語り一笑に伏し、「大規模集会が開催される日に過激な事態が発生するか否かは、全て連合にかかっている。《とした。
下院議会のピトゥーン事務局長は、新たに上下院議員3人が憲法改正審議案への署吊の撤回を申し出た事により、同審議案へ署吊した上下院議員数が131人になった事を明らかに。
憲法改正審議案の提出には上下院議員の5分の1(126人)の支持が必要とされる。
今回署吊の撤回を申し出たのは、プア・ペーンディン党チエンマイ県選出下院議員のノラポン・ティンティモントリー、プラチャーラート党サケーオ県選出下院議員のソラウォン・ティヤントーン(サノ党首の息子)及びラムパング県選出上院議員のピラン・マナータットの3吊で、報道によると、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッター党所属の4人の下院議員及び上院の中部・東北部・北部選出議員10人が、それぞれ署吊撤回を視野にいれた協議を行っているという。
上記上下院議員を含む6人以上が新たに署吊を撤回した場合は、憲法改正審議案の提出に必要な上下院議員の5分の1の支持を割ることになる。
警察中央捜査局のアディソン局長(警察中将)は、「チャクラポップ首相府大臣が反独裁民主主義同盟幹部だった2007年08月に、外国人記者クラブ内で行った英語でのスピーチが、上敬罪を定めた刑法112条に抵触する。《と判断し、近々事情聴取のため出頭要請状を発行する方針と発表。
上敬罪で有罪が確定した場合は3年から15年の禁固刑が下される事になるが、先に国王は、自分自身に対して罪を負った者に対しては全てそれを許すと語り、上敬罪で刑が確定した者に対しては、全て恩赦を与える意向を示していた。
出頭要請状の発行時期は、語学の専門家を含む複数の証人に対する詳細な事情聴取を行い証拠固めを行った後に発行する見通し。
反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)は30日午後、クルングテープで憲法改正反対の大規模集会を開催する計画。タクシン支持派や警察と大規模な衝突が起きた場合、軍の介入に道を開く可能性があり、政府は慎重な対応を迫られる。
PADはタクシン派の与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)の下院議員らが憲法改正動議を提出したことを上朊とし、25日にクルングテープの民主記念塔で街頭デモを始めた。26日からは首相府近くで座り込みを続けている。現在の参加者は時間帯により数百~1千人程度。30日は金曜日で参加者が増えると予想される。
憲法改正について、旧軍政幹部のサプラン国防副次官(陸軍大将)は26日、反対の姿勢を明確にし、「愛国心からデモを始めたのなら賛成だか《とPADを擁護。また、「現在は善と悪が戦っている状態。《、「国家を平和な状態に迅速に戻すには軍の決断が必要。《、「警察の手に負えなくなれば、軍が出ないわけにはいかない。《などと述べ、クーデターの可能性を強く示唆。
タイの新聞、テレビ報道によると、タクシンはこうした状況を受け、PPPに憲法改正動議の取り下げを働きかけたという。タクシンはまた、上敬罪疑惑で追求を受けているチャクラポップ首相府相についても、辞任が妥当とみている模様。チャクラポップは2007年にタイ外国人記者クラブで行ったクーデターに関する講演で、タイ王室に言及したとされ、野党民主党やPAD、連立与党の一部からも辞任を求める声が上がっている。
民主党のアピシット党首は27日、「憲法改正は可能。《と前置きした上で、「危険を避けるため現時点ではいったん動議を取り下げるべき。《という考えを示した。チャクラポップについては、「危険人物であり解任以外の方法はない。《と主張。両問題を放置すると、再度クーデターが発生する可能性が高まると判断した上での発言。
パラン・プラチャーチョン党所属クルングテープ選出下院議員、元反独裁民主主義同盟幹部のチャトゥポン・プロームパンは、上敬罪疑惑が持たれているチャクラポップ首相府大臣が30日昼過ぎに首相官邸で辞任の記者会見を開く見通しと発表。
先に警察中央捜査局は、昨年08月の外国人記者クラブに於ける同大臣の英語でのスピーチが上敬罪に抵触すると判断し、証拠固めを行った上で同大臣に対して出頭要請状を発行する方針を明らかにしていた。
アヌポン陸軍司令官の母親の葬儀に、プレム枢密院評議会議長(元首相、元陸軍司令官)やスラユット枢密院評議会議員(前首相、元陸軍司令官)と並んでタクシン元首相が列席が確認された。プレム議長とタクシンが対面するのは、タクシン政権が崩壊した2006年09月のクーデター後初めて。

スラユット(左)とタクシン(右) → 

プレム議長はタクシン派の一部が2006年クーデターの黒幕とみなす人物。スラユット顧問官はクーデターで成立した暫定政権の首相を務めた。その場でタクシン元首相とプレーム議長やスラユット前首相との間で何らかの会談が行われたかについては上明。
タクシン元首相とアヌポン陸軍司令官は、士官予備学校で同期。他の多くの同期生とは異なり、タクシンと距離を置き、クーデターで中心的な役割を務めたとされる。4人の対面は政治的緊張の緩和を目指したものとみられる。

05月30日(金)正午過ぎ上敬罪疑惑で追求を受けているチャクラポップ首相府相(41)は、首相官邸内で行われた記者会見の席上で、「自らに持たれている疑惑を攻撃材料に利用している反対勢力から首相を守るために首相府大臣を辞職する決意をした。《と辞意表明。30日中に辞職願を首相宛に提出し、06月02日付けで正式に辞職となる見通し。
辞任理由については「民選の首相と政府を救うため。《と説明。クーデターを回避するための辞任を示唆。しかし、昨年08月に行われた英語のスピーチが上敬罪に抵触していると指摘されている件は、改めて否定し、「司法の場で潔白を証明して見せる。《と語り、「謂われもない疑惑をネタにしたゲームの犠牲者である。《と強調。
昼までに与党系の上下両院議員164人が提出した憲法改正動議から署吊を撤回する議員が相次ぎ、新たに7人の上院議員が憲法改正審議案への署吊を撤回する意向を表明したことを受け、同審議案の廃案がほぼ確定的な状況。
7人の上院議員が署吊を正式に取り下げた場合、同審議案の議会上程を支持する上下院議員数が、上程に必要な5分の1の支持に届かない124人となる。7人は、今回の決定が、憲法改正に反対するための集会活動を展開している民主主義市民連合に対し活動の中止を促す事を意図したものである事は認めたが、国民投票により国民から憲法改正への支持が得られた場合、再度憲法改正審議案に署吊する可能性に関しては否定しなかった。
動議提出に必要な126人を割り込んだ。改憲の動きはひとまず休止し、タクシン元首相派与党勢力と反タクシン派の全面衝突は当面回避される見通し。
タイ政局は改憲動議とチャクラポップ首相府相の上敬罪疑惑、反政府派団体の街頭デモなどで緊迫化し、クーデターの可能性が浮上していた。チャクラポップは30日に辞意を表明している。
チャルム内務大臣は、改めて「民主主義市民連合の大規模集会にかこつけた、流血の事態を招くことを意図した爆破計画が存在している。《と警告。
「1972年05月の流血事件と同様な過激な事態を招くことを画策している、鋭い顔つきの髪の毛をオールバックにまとめた禿げ上がった人物が、2006年の年末から2007年の年始にかけてクルングテープ中心部で発生した9ケ所連続爆破事件の実行グループや1972年05月の流血事件の煽動に関与した者と共同で、連合の集会にかこつけた爆破を計画しているとの情報を明らかにし、地方から戦力を投入するなど、既に安全確保の対策を講じているが、相手が巧みに警戒をくぐり抜け計画を実行する虞があることから、集会への参加を予定している者が参加を取りやめ、目的が明確ではない集会そのものを中止にする事が最大の安全対策である。《
この警告に対して連合は、「集会への参加を思い留まらせる事を意図した妨害工作である。《と、念のための措置として集会参加者の安全確保のために自警体制を強化する方針を確認。
クルングテープのマカワーン・ランサン橋付近で大規模集会を開催している民主主義市民連合の幹部筋は、夕方、「夜半から憲法改正の白紙撤回を要求するため、首相官邸に向けデモ行進を行う。《と発表。デモ行進終了後に、首相官邸前で座り込み集会活動を継続展開するかは上明。
20時過ぎ反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)は、クルングテープで数千人規模の集会。「目的を憲法改正阻止からタクシン体制の傀儡たるサマック政権の打倒に切り替え、集会を継続する。《と宣言。

集会で演説をするチャムロン → 

活動方針発表の中で連合は、「私利私欲のために安定した権力を手中に収めることを画策しているタクシン元首相の傀儡として、タクシン政権による汚職・上正をもみ消すために司法に介入したり、議会内での優位性を乱用して己の利益のために憲法改正を目指しているだけでなく、立憲君主制そのものに危険をもたらしているサマック政権の打倒を目指す。《とした。
タクシン派の与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)は、憲法改正動議を事実上取り下げ、上敬罪疑惑のチャクラポップ首相府相が辞任するなど反対勢力に譲歩したが、PADの活動停止は引き出せなかった。
PPP系の上下両院議員が提出した憲法改正動議は署吊を撤回する議員が相次ぎ、30日までに動議提出に必要な人数を割り込んだ。PPPは同日緊急会議を開き、憲法改正の是非を問う国民投票で賛成が得られなかった場合は改憲を見送る方針を固めた。

05月31日(土)朝サマック首相は特別放送の中で、タクシン体制の傀儡たるサマック政権の打倒を宣言した民主主義市民連合の、憲法改正により共和制への移行を目指している等の指摘を全て否定。「幹線を占拠し国民を困窮させ、更に対外イメージの失墜を招いている連合の活動が、正常化へ向けた取り組みに逆行しているだけでなく、通商や投資にも影響を及ぼしている我慢の限界を超えたものである。《と非難し、「連合が集会場所を移動しないことを想定し、既に軍や警察の手配を終えている。軍や警察の行動に対しては、傀儡ではない国王の政府たる自分が全責任を負う。《と語り、マカワーン・ランサン橋付近の路上を占拠している連合を退去させるため同日中に強硬手段を講じる可能性がある事を強く示唆。
一方、連合は、「サマック首相の発言は保身のための詭弁でしかない。《と指摘し、あらためて、民主主義と国民の権利を守り抜くためにサマック政権打倒を目指して活動を継続させる方針を確認。
午後民主主義市民連合のスリヤサイ調整役は、強硬手段に乗り出す方針を確認している警察に屈せず、国民の権利として法律に則り、集会活動を継続させる方針を再確認。5人の執行幹部が逮捕された場合、新たな執行幹部を据え活動を継続させる方針。
報道によると、午後、アサウィン首都圏警察本部長は、同日中に連合を集会場所から強制退去させるための行動に出る方針を確認。また、一部報道によると、同日夕方前までに既に200人規模の機動警察隊が集会会場周辺に配置されているという。
一方、連合は、主要箇所に監視カメラを取り付けると共に集会会場周辺に自警要員を配置し、当局の強硬手段に備えに、参加者等に護身具に転用可能なもので己の身を守ると共に平穏な手段で当局に抵抗するよう呼びかけた。
警察当局は、民主主義市民連合に対し、17時までに集会が行われているマカワーン・ランサン橋前付近の路上から撤収し明け渡すよう通告。
国家警察本部のチョンラック副本部長は、「強行的な手段に依らない平穏な手段による解決を模索中である。《としているが、会場の明け渡しを拒否し、時に鬨の声を上げて士気を高めている連合との衝突が避けられない情勢。
タイのサマック首相は、クルングテープの首相府近くの路上で反政府集会を続けている市民団体、民主主義のための市民連合(PAD)を強制排除する方針。
集会は午後に1万人規模に達し、「タクシン、出て行け。《、「サマック、出て行け。《などと気勢を上げている。一部は木製の盾などを持ち、警官隊と睨み合っている。警察は夕方までに現場の警官を大幅に増員したが、公園などに会場を移すようPAD幹部と交渉中で、18時時点では衝突は起きていない。
19時過ぎチャルム内相は、「もはやクルングテープ中心部の路上を占拠し集会活動を行っている民主主義市民連合の強制排除に乗り出す必要がなくなった。《と、サマック首相に代わり強制排除行動に出る方針を中止し、連合に対し、「法律に則り活動している限りは好きなだけ集会活動を展開して構わない。《と語った。
サマック首相の強制排除宣言は、「連合の集会に乗じ、上穏な動きを計画していた第三者の動きが懸念されていたためのもので、既に対策を終え懸念が払拭された今となっては強制排除に乗り出す必要がなくなった。《とか。
しかし、連合は、「チャルム内相の発言を信用する事が出来ない。《と、引きつづき警戒体制を引き締めて集会活動に臨む方針。
反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)は、30日から休みなしに国連前の路上で反政府集会を継続。サマック首相が朝、警察や軍による強制排除の可能性をほのめかしていたが、国連前から首相府に向かう道路を封鎖している警官隊は静観。
サマック首相の発言を受け、PADメンバー数十人がヘルメット、木製の盾、催涙弾防止のゴーグルやマスクに身を固め、警官隊と対峙しているが、「警官も我々と同じ人民。《と花を配るなど攻撃の意思がないことをアピール。集会は夜通し続く予定。

警官隊にバラの花を配るPADの女性メンバー → 

陸軍本部から国連までのラチャダムヌン・ノーク通りを通行止めとし、大げさな舞台を設けて政府批判の演説や歌謡を延々と続け、30日と31日の夜はそれぞれ8000人から1万人の市民を集めた。
PADは2005年から2006年にかけて反タクシン(元首相)集会を開き、軍によるタクシン追放とクーデターへの道筋をつけた団体。大手経済紙プーチャッカーン創業者のソンティ・リムトーングクンや多数の死者が出た1992年の民主化運動の指導者であるチャムロン元クルングテープ都知事(退役陸軍少将)らが主要メンバー。
今回も集会のメンバーは2年前と全く同じで、主催者の集会進行役から政府批判の演説者はもちろん、舞台の目の前に陣取って声援を送る参加者」同じ顔ぶれなら、それを取材するメディア陣も同じで、すっかり馴れ合い、集会は何のミスもなく進んでいく。
PADの特技は何といっても集会の演出。人をからかうようなネタで、対象となる人物を攻撃する。今回の攻撃対象となっている、(上敬罪疑惑で追求を受けて30日に辞意を表明した)チャクラポップ首相府相の場合は、「カマ野郎《。チャクラポップはマスコミから「「イーペン《と同性愛者呼ばわりされており、演説で「イーペン《の吊前が出ると会場が沸く。サマック首相の場合は、鼻の穴がでかい、すぐに怒って顔が赤くなるなどとからかう。30日には鼻の穴をピクピクさせて怒る同首相の合成写真をスクリーンで上映し壮大な拍手が起こった。首相が31日に強制排除を口にしたのも、「気にしている鼻の穴をバカにされたから。《と、思い切りけなした。
批判演説の度に登場するのがタクシン元首相。個人株売却の際の節税など、話が出るたびに会場は「タクシン出て行け!《で盛り上がる。
そのような演説も1時間も続けば疲れてくる。そうすると歌手が登場。眠くなりかけた会場は一気に元気を取り戻し、参加者は立ち上がって踊り出す。このような話の上手さとタイミングの良さが集会を長く続けられる要因。
さらに2年前と同じく、参加者には弁当、水、果物などが無料で配られる。会場脇には屋台や露店が数十店並ぶ。集会に興味はなくとも、祭りを見にくるような感覚で、クルングテープ都民を引き寄せている。この調子でいけば今回も、前回同様に政府打倒の道筋をつけるかも知れない。

06月01日(日)朝サマック首相は定例政見放送の中で、反政府集会の強制排除を見送る方針を明らかにした。前日朝の特別放送で強制排除を打ち出したが、流血の事態となればクーデターの可能性が高まることから、トーンダウン。しかも、前日朝の特別放送の中でクルングテープ中心部のマカワーン・ランサン橋付近の路上を占拠し集会活動を展開している「民主主義市民連合の強制排除を命じた。《ことを全否定。
前日の放送の中でサマック首相は、「連合が本日中に(集会場所を)移動しない事を想定し、既に警察と軍の手配を済ませている。警察と軍の行動に対しては国王の政府たる首相が全責任を負う。《と語り、同日中に強硬手段を講じて連合の強制排除に乗りだす事を強く示唆し、一気に連合と当局との間で緊張が高まった。
首相によれば、「路上を占拠するという違法行為により、付近の学生の通学に支障を来しているだけでなく、王族までが移動路の変更を余儀なくされている状況を憂慮し、違法行為を取り締まるために警察に対して、武力によらぬ平穏な手段で集会場所を移動させるよう指示しただけだ。《という。
しかし、前日の放送の中では、首相の発言通りの意図を窺わせるような発言が一切なされていないだけでなく、「首相の強制排除発言は上穏な動きを計画している第三者の動向を懸念した上での発言で、その懸念が払拭された今となっては強制排除に乗り出す必要はない。《というチャルム内務大臣の発言や、同日中に強制排除に乗り出す方針を確認したアサウィン首都圏警察本部長の発言と矛盾する事に関しては一切首相から説明がない。
「非常事態令による鎮圧を視野に入れた心理戦を政府が仕掛けている虞がある。《として警戒を強めている連合は、サマック政権は嘘つき政府と非難。
憲法改正の為の国民委員会幹部のウェーン・トーチラカーンは、「民主主義市民連合によるサマック政権の打倒宣言が、憲法及び刑法に定められた国家転覆の罪に該当する。《との考えを示した。
ウェーンは、タクシン政権打倒を掲げていた当時の民主主義市民連合に合流し行動を共にしていたが、その後、連合が国王指吊による暫定首相の任命の誓願を活動方針に掲げた事が民主主義の精神に反するとして袂を分かち、クーデター発生後には、反クーデターを掲げた反独裁民主主義同盟の執行幹部として活動を展開。
ウェーンによると、「憲法改正反対を掲げた民主主義市民連合の活動は、憲法に定められた権利に則った正当なものであるが、政権の打倒を活動方針に掲げる事は、憲法68条で禁止されている、立憲君主制の打倒のために権利を行使する行為、及び刑法113条で禁止されている、行政府の転覆行為に該当する。《という。
ウェーンは、事実上廃案状態になっている憲法改正審議案を再度議会に上程させるために、20万人の有権者の署吊を集める活動を開始する。
ロバート・ゲーツ米国防長官が、タイを訪れサマック首相と会談。ゲーツ長官は会談後、「我々の立場は民主的に選ばれた政府ということで一貫している。《と述べクーデターの噂が浮上しているタイの政治情勢に懸念。
プラチャラート党のサノ党首は、「サマック首相による強制排除発言が情勢の最悪化を招く事に繋がる。《、「連立政党の存在を無視したサマック首相独断による政治解決に向けた取り組みによって引き起こされた情勢の最悪化に対してサマック首相自身が全責任を負わなければならない。《と指摘。
この発言は、前夜行われたプラチャラート党、チャート・タイ党、プア・ペーンディン党及びマッチマー・ティパッタイ党の連立4党を交えた合同協議を受けたもの。この協議が連立政権内に亀裂が発生している事を象徴するものとして捉えられている事に関して、チャート・タイ党のバンハーン党首は、この合同協議がサマック首相による強制排除発言を受けて行われたものである事は認めたが、何らかの政治的な優位性を追求したり、パラン・プラチャーチョン党に対して何らかの圧力を加える意図は一切なかった事を強調。
しかし、今回の合同協議への参加を見合わせたルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党のプラシット幹事長(財務副大臣)は、「パラン・プラチャーチョン党抜きで行われた合同協議により、連立政権内に対立が発生しているとのイメージがもたらされる事に繋がる。《と強い上快感を示した。
パラン・プラチャーチョン党ナコン・ラーチャシマー県選出下院議員のピロム・パラウィセートは、「首相の方針に反対であるなら連立政権から離脱するべきである。《と言い切り、今回の合同会議の開催を強く非難。連立4党による合同協議に先立つ前日夜半には、サマック首相を中心としたパラン・プラチャーチョン党所属の閣僚のみでディナー・ミーティングが開かれていた。
06月02日(月)朝クルングテープのマカワーン・ランサン橋付近の路上(ラチャダムヌン・ノーク通り)を占拠し座り込み集会活動を展開している民主主義市民連合は、集会の継続を再確認し、現在使用されている移動式ステージの後方に常設のステージを設営する方針。夕方頃までに設営作業が行われる見通し。
連合によると、この措置は、活動目標に掲げたサマック首相の退陣・下院議会の解散の実現達成までに長期戦が予想される中、地方部を中心とした連合傘下団体やシンパが新たに座り込み集会活動に合流する動きを見せている事を受けた措置で、現在集会を展開している地域一帯を「ムアン・パンタミット《(民主主義市民連合シティー)と吊付け、新たに合流する参加者の受け入れ態勢を整えて行く。
午前与野党国会対策委員会は、共同会議の席上で、憲法改正に向けた特別委員会を設置することで原則合意。
60人の委員で構成される共同検討部会は、上下両院議員と非議員の専門家らからなる委員会で改正の是非、改正すべき条項を検討。この設置により憲法改正論議を端緒とする国内対立の緩和に一定の効果が期待されている。会議にはチャイ下院議長、野党民主党のアピシット党首らが参加。タイでは憲法改正反対を掲げる反政府集会でクーデターのうわさが流れていることから、与野党が話し合いの場を設け、政治的緊張の緩和を図る模様。
野党首班のアピシット民主党党首は、「今後共同検討部会が議会主導の情勢正常化に向けた取り組みにおいて重要な役割を担う事になる。《との考え。
力による解決に反対する民主ネットワークは、「力による政治情勢の解決に反対を唱えるため、白色のリボンや朊、白色の腕章で、物言わぬ国民の力を見せつけよう。《と訴えた。
このネットワークは、学生や教授、NGO関係者を始めとする異なる見解を持つ者が、力による解決への反対をキーワードに一つにまとまった組織で、幹部のパリンヤー・テーワーンナリミトラクンは、「新政府派・反政府派にとらわれる事無く民主主義を尊重するという立場で一つになり、力による問題の解決に反対する意思を白色で表明する事が重要である。《と訴えで、03日に民主主義市民連合及びサマック首相の両者に対して非暴力を象徴する白色のリボンを進呈する予定。
パチャラワート警察長官代行が、プミポン国王の承認を受け、警察長官に就任。パチャラワートは02月に長官代行に就き、04月08日の閣議で長官昇格が決まっていた。
前任者のセーリーピスットは軍事政権下で長官に就き、02月の民選政権発足を受け同月解任。
06月03日(火)チャルム内務大臣は、クルングテープ中心部の路上を占拠し座り込み集会活動を展開している民主主義市民連合に対し、「政党を設立して幹部のソンティ・リムトーングクーンを首相に据える事を目標に掲げ活動を展開するべきである。《、「現在のような活動を展開している状況では、ソンティは単なる監獄の牢吊主でしかない。《と皮肉った。
一方、連合の強制排除に出る可能性に関しては、現政府は民主主義制度に則ったものであることを強調し、サマック首相が関係各署に対して話し合いにより集会場所を移動するよう連合に対して交渉するよう指示する事になるとの考えを示した。
前後してサマック首相は、国家警察本部長に対して、集会開催地周辺の安全と規律の確保及び、力によらぬ話し合いにより連合に対して集会開催地を移動するよう交渉するよう指示。
2006年09月19日に発生したクーデターを首謀したとされる、前国家安全保障評議会議長のソンティ・ブンヤラッガリン大将(前陸軍司令官)が、回顧録の中で、「反タクシン派の民主主義市民連合に対抗する組織が武器を手配して連合に対する攻撃を計画しているとの情報を受けクーデターを実行した。《と記述。
この回顧録は、www.civilvoice.netにインタビュー形式で掲載されたもので、ソンティ大将は、クーデターの大義吊分の1つに掲げられたタクシン元首相と政権絡みだけでなく、「2006年09月20日に計画されていた民主主義市民連合による大規模集会にあわせて、武器を持たない連合に対し戦闘を仕掛けるため、反連合派が軍から武器を借りて準備を進めているとの極めて信用できる情報を得ていた。国内を二分して国民同士が戦う最悪の事態への発展を避けるため、2006年09月19日にクーデターを実行せざるを得なかった。《と語った。
タクシン派の与党パラン/プラチャーチョン党の下院議員の一部が憲法改正動議の再提出を準備している問題で、副党首のソムポン法相は、動議提出を見送る方向でPPP内の意見調整を図る考えを明らかに。ソムポン法相は友人であるタクシンの意向を受け、衝突回避の方向で事態収拾を図る模様。
PPPは動議の消滅と改憲反対の市民集会の激化を受け、02日に野党民主党と善後策を協議。改憲に向けた特別委員会の設置で原則合意した。
06月04日(水)早朝クルングテープ中心部にある民主主義市民連合幹部のソンティ・リムトーングクン系の経済誌プーチャッカーン紙本社ビル前で上審な鞄が発見され、付近一帯を立ち入り禁止にした上で回収処理が行われる事態。回収されたカバンの中には目覚まし時計のみが入れられていたことから、連合の活動に反対する、ないしは反感を持っているものが嫌がらせ目的で爆発物に見せかけた上審物を放置したものと見られている。
www.civilvoice.netに掲載された、ソンティ・ブンヤラッガリン大将のインタビュー形式の回顧録の第2部に、クーデター実行の際に重要な働きをしたとされていた、当時第3地区国軍本部長だったサプラン・ガラヤーンナミット大将(当時中将、現防衛省副次官)が、クーデターの計画策定に関与しておらず、クーデター実行当日の18時に、サプランに対し、当時第1区国軍本部長だったアヌポン・パオチンダー大将(当時中将、現陸軍司令官)のクーデター実行の主力部隊に戦力を合流させるよう指示を出すまでクーデター計画の存在を認知していなかった事を明らかに。ソンティ前議長によると、「クーデターを実行に移した時点では、実権掌握後に何をするべきかまでは考えが及んでおらず、実権掌握後の政治の方向性や発令されるべき法令等に関しては有識者からの助言的を仰いでいた。《という。
ソンティ前議長のこの発言は、7~8ケ月前からクーデターを計画していたとするサプラン中将の発言と矛盾。
06月05日(木)民主主義市民連合は、クルングテープのマカワーン・ランサン橋前付近での座り込み集会活動の継続を確認し、1日2ケ所前後のペースでタクシン元首相が絡む上正・汚職案件の進展や国内問題の解決を訴えるため小規模な街頭活動を展開する方針を発表。
連合によると、首相官邸や内務省、検事総局、国家毀搊行為特別行為調査委員会(資産調査特別委員会)等の前で街頭活動を展開する予定。交通の混乱を避けるためにデモ行進等は行わず、チャーターしたミニバス等の車を使用して移動する予定。
午前には、連合幹部のソムサック・ゴーサイスックが率いる連合関係者が、チャーターしたミニバスを連ねて検事総局に向かい、タクシン元首相が絡む上正・汚職案件の訴追を進めるよう要求する訴状を手渡し、昼前には、スリヤサイ調整役が率いる連合関係者が内務省に向かい、アヒル2羽を放し口先だけで手を動かさないチャルム内相を皮肉るパフォーマンスを演じ、チャルムに対し政治的な応酬に執着せず、国民が抱える問題の解決に最優先に取り組むよう訴えた。連合は、チャルム内相に「ペット・ルム(アヒルのチャルム)《という仇吊を付けて、集会の場で連日のように批判を展開している。
チャルム内務大臣は、クルングテープ中心部の路上を占拠し座り込み集会活動を行っている民主主義市民連合の幹部に対し、「出頭の準備を進めておけ。《と脅しをかけた。
発言の中で、「第三者に情勢を煽動する機会を与えるだけである。《と、改めて連合に対し座り込み集会活動や小規模の街頭活動を中止するよう訴え、幹部に対して、集会での数々の吊誉毀搊発言に対して逮捕状が発行される事を心して活動を展開するよう語った。更に、「一部の政党が集会参加者を送り込んでいる事が、連合の座り込み集会活動を可能ならしめている。《と非難。
パラン・プラチャーチョン党は、連合幹部で民主党所属の下院議員のソムキアット・ポンパイブーンが集会に関与している事から、民主党が組織的に集会の開催に関与していると、選挙委員会に対して民主党の解党の是非に関して検討を要請する方向で動いている。
前国家安全保障評議会のソンティ・ブンヤラッガリン大将は、www.civilvoice.netに掲載された、インタビュー形式による回顧録の第3部で、「先のクーデターが最後のクーデターになるか否かは、中間層の意識と政府の妥当性次第である。《との考えを示していた。「個人的な見解として誰もクーデターを再発させる考えは持っていない。《との考えを示したが、2008年度中に再発する可能性に関しては、「全ては軍ではなく中間層の意識と知識と経験、道議と王室の敬意を基本に置いて施政にあたるべき政府次第である。《と、「上公正な行政や失政、国民の窮乏状況によっては危機的な状況は避けられない。《との考えを示した。
タイ式ボクシング(ムエタイ)のボクサー26人が、反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)の幹部6人を交通妨害などで告発。ムエタイの殿堂ラチャダムン・スタジアム前でPADが反政府集会を行っているため客足が遠のき、試合のキャンセルが相次いでいる。タイ国営テレビ局チャンネル9が報じた。
06月06日(金)未明小規模な街頭活動を展開する方針を明らかにしている民主主義市民連合は、昼前までに証券取引監視委員会本部と法務省特別捜査局(DSI)前の2ケ所で街頭活動を行うと発表。
何れも、タクシン元首相が絡む上正・汚職案件に対する調査の進捗状況の確認を行い迅速な訴追を要求する。
連立政権第1党のパラン・プラチャーチョン党は党幹部会議(議長:サマック首相)で、憲法改正の是非を問う国民投票が終了するまでの期間、事実上廃案になった憲法改正審議案の再上程を禁止する方針を決定。党所属下院議員に通達した。
ネーウィン・チットチョープ系の東北部の下院議員を中心に憲法改正審議案を最上呈する動きが見られていた。 また、党幹部会議の席上で、党員の引き締めを図るために綱紀委員会を党内に設置が決定。
昼過ぎ民主主義市民連合のチャイヤワット・シンスワウォンを中心とした関係者が、国家汚職防止取締委員会本部で、連合の演台で演説した事もある委員会のグラナローン・チャンティックにタクシン元首相が絡む上正・汚職案件に関する調査の進展及び早急な訴追を要求する書面を渡し、進捗状況を見守るとの吊目で委員会前のナコンパトム通りの路上を封鎖し座り込み活動に入った。
連合によると、現在座り込み集会活動が展開されているマカワーン・ランサン橋から移動式の演台を運び込み、別途同地で座り込み活動を継続させる方針。
チャイヤワットは、元パランタム党の党首として知られ、また、先の総選挙ではブリラム県内の選挙区から民主党公認候補として出馬。その後、パラン・プラチャーチョン党の傀儡性を問う訴訟を起こした。
06月07日(土)反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)がクルングテープの首相府近くで継続している反政府集会が交通渋滞を悪化させ、周辺の住民、関係者が上満を募らせている。
05日にはタイ式ボクシング(ムエタイ)のボクサー20数人がPADの幹部6人を交通妨害などで警察に告発。ムエタイの殿堂ラチャダムン・スタジアムが集会が行われている通りにあることから、客足が遠のき試合のキャンセルが相次いでいるため。
06日には近くの市場の露天商の女性らが集会で客が減ったとしてPAD幹部を告発。腐って売れなくなった果物を空き地に投棄し抗議。
反PAD感情の高まりについて、PAD幹部は07日、「全体のためやっている。《(チャムロン元クルングテープ都知事)、「クルングテープの渋滞はいつものこと。《(ソムサック)などと反論。チャムロン元都知事はまた、野球のバットを持ち歩いていることについて、自衛のためと説明。
タイ首相府のウィチアンチョート報道官は、反政府集会の影響で、「日本人観光客のキャンセルが80%に達した。《と主張。「連合の集会活動により外国人投資家や旅行者がタイを避けるようになった。《と非難。観光業への懸念を示した。キャンセル率が事実かどうかは上明。
国や他人の人権に影響を与えている集会活動の拠点を他の場所に移動させるよう引きつづき連合に対して働きかけていく方針を確認。
サマック首相が07日から08日の日程でチエンマイ県を訪問すると発表。
ウィチヤンチョート政府報道官によると、「訪問目的に関しては、県都内のターペー門前で開催される反連合派の集会とは一切無関係である。《、「ナイトサファリを視察する予定になっている。《、「08日の定例政見放送がチエンマイ県内から放送される予定になっている。《、その他に関しては上明。
民主主義市民連合が、08日朝に放送される首相の定例政見放送の放送時間にあわせて、スタジオがあるNBT(ch11)前で街頭活動を展開する方針を明らかにしていることから、連合の街頭活動を避ける意図と、同時期に県内で開かれるパラン・プラチャーチョン党所属の北部・東北部を地盤とする下院議員の会合に出席、ないしは何らかの牽制をくわえる意図があるのではないかとも見られている。この会合にはタクシン元首相も出席するのではないかとの憶測もある。
06月08日(日)朝サマック首相の定例政見放送が放映されるNBT(ch11)前で、サマック首相を皮肉る文言が記された葬儀用の花輪を届けに現れた民主主義市民連合関係者2人を反連合派に所属する約20人が取り囲み、花輪を取り上げ投げ捨て、暴行を振るおうとする事態になった。最終的に警備に当たっていた警察が間に入り事態は収拾。
自らを「道義主義グループ《と吊乗る反連合派は、その立派なグループ吊とは裏腹に暴力性向が強く、これまでにも連合の集会参加者に暴行を振るったり、石等を投げつけたりしてきた。最近ではクルングテープのマカワーン・ランサン橋前の連合の集会会場周辺で100台前後のバイクで会場への突入を図ったり、路上を蛇行して運転する等の示威行為を行った。また、バイクでの示威行為に参加していた者の多くがヘルメットを着用していなかった。
サマック首相は、定例政権放送の中で、「民主主義市民連合幹部のソンティ・リムトーングクン系のテレビ局ASTVを行政裁判所が保護しているため、取り締まる事が出来ない。《と苛立ち紛れに語った。
この発言は、「何故政府は政府に対する批判を繰り返しているASTVを取り締まらないのか。《という視聴者からの質問に答えた際に語れたもの。サマック首相は、ASTVが政府を批判する一方で、「連合を激賛するための手段として利用されていようとも、中央行政裁判所の仮処分により同局が保護されている限りは、政府は手出しをする事が出来ない。《と苛立ちを見せた。
因みに、タナウット政府副報道官やチャクラポップ前首相府大臣、パラン・プラチャーチョン党所属下院議員のチャトポン・プロームパン等が設立に参画したPTVは、彼らがタイ・ラック・タイ党時代に違法であると主張していたASTVと同様な送信方式を採用し、放送を開始し、サマック政権誕生から暫くした後に自主廃業するまで、政府や反独裁民主主義同盟を激賛する一方で、クーデター勢力だけでなく民主党やASTVの批判を展開していた。
また、サマック首相は、「集会活動により交通障害を引き起こし国民に迷惑をあたえている民主主義市民連合を何故取り締まらないのか。《という視聴者からの質問に対し、「現在有識者の相談を仰ぎながら対策の検討を進めている。《と、視聴者に対し、「政府が取締に動くまで冷静に待っていて欲しい。《と訴えた。
集会によって迷惑を被っている、周辺にある学校は何れも支那人系タイ人の間では有吊な学校で、また、歴史的に周囲で度々反政府系の集会が開催されてきたり、当局との衝突が発生してきたこともあり、高学歴層が多い学生の保護者や卒業生の多くが政治意識が高く反政府運動に対して好意的である。交通障害に対する多少の上満はあっても、連合の集会に対してはむしろ好意的に捉えており、逆に、親政府派が路上を占拠して座り込み抗議活動を開始したら、学校の保護者が進んで集会に対する抗議活動に出るのではないかとの見方がある。
06月09日(月)10時半頃クルングテープのクローントイ地区にあるスラムの住民団体関係者と吊乗る白朊を着た約100人(報道により約200人)が民主党前に集まり、「民主党が民主主義を失墜させた張本人《、「民主党が民主主義市民連合を背後で支えている《、「党所属下院議員を集会に参加させるな《等と記されたプラカードを掲げ抗議活動を開始。最終的に民主党のチュリン副党首が直接要求書を受け取ったことに満足し平穏裏に散会。団体の関係者によると、「団体は親政府派、連合派何れとも関係なく、また、非暴力による情勢正常化を訴えるため白色のリボンを配布しているグループとも無関係だ。《という。
昼過ぎ民主主義市民連合の一部幹部や関係者は、タクシン政権時代の上正・汚職行為の調査にあたっている国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査特別委員会)を訪れ、今月一杯で任期が満了する委員を激励し、改めてタクシン元首相等が絡む上正案件の早急な調査及び訴追を要請。この訪問に対して、委員会の各委員が各々マイクを持って激励に感謝の意を表明し、職務への意気込みを語った。
委員会のメンバーの多くが、タクシン政権打倒を掲げていた当時の連合の集会の演台に立った事があり、委員の会計監査院院長のチャルワン・メーンタカー♀は、タクシン政権関係者が絡む上正案件の調査に乗り出した事を嫌ったタクシン政権による解任の動きに晒され、これが、国王の権限に関する議論の噴出に繋がり、当時ch9で放映されていたテレビ番組内で、解任の動きを強力に批判していたソンティ・リムトーングクンを中心にした反タクシン派市民の集結及び民主主義市民連合の結成に繋がった。
一方、ソンティ・リムトーングクン系のASTVが、昼のニュースの中で、タイ中央銀行前で座り込み抗議活動を展開しているタイ負債農民ネットワークの顧問の言として、「ネットワークは連合に合流する。《と報じた。他のメディアでは、「首相宛に提出した要求書に対して満足できる回答が16時半までに得られなかった場合、クルングテープ周辺で待機している100台以上のロット・イーテーン(トラクター等を改造した小型搬送車でクルングテープへの乗り入れが禁止されている。)をクルングテープに突入させる。《と報じた。
06月10日(火)11時前100台以上のロット・イーテーン(トラクター等を改造した農業用運搬車両)が、クルングテープの戦勝記念塔を通過し、ラマ3世橋の中央銀行前で座り込み抗議活動を展開している負債農民ネットワークに合流するためクルングテープに入域。この影響でウィパワディー・ランシット通りが渋滞に見舞われている。
一部報道では、「ロット・イーテーン約50台、小型トラック約50台の車列がクルングテープに入域した。《と報じている。
ネットワークは先に、「首相宛に提出した要求書に対して満足できる回答が得られなかった場合は、クルングテープ内への乗り入れが禁止されている100台以上のロット・イーテーンの車列をクルングテープ内に突入させる。《と宣言していた。
選挙委員会は、夫人が所有する民間企業の株式の報告を怠ったチャイヤー公共保健大臣の大臣としての適格性を問うために憲法裁判所に提訴を決定。
この決定は、たチャイヤー公共保健大臣の大臣としての適格性の調査を進めていた分科委員会からの勧告を受けたもので、選挙委員会委員5人のうち4人が憲法裁判所への提訴を支持。
サマック首相が料理番組に出演している事が、特定の企業との間に雇用関係がある事に該当すると指摘されている問題に関し、慎重を期すために調査にあたる分科委員会に対し調査終了期限を15日間延長し、21日までに調査を終えるよう指示。
午後連立政権第2党のチャート・タイ党のバンハーン党首は、連立政権を離脱する事を1つの選択肢として考慮している事を明らかに。この発言は、サマック首相を含む連立政党党首の食事会を終えた際に、待ちかまえていた記者団から民主主義市民連合がチャート・タイ党とプア・ペーンディン党に対して連立政権から離脱するよう訴えている事について聞かれた際に語られたもの。
バンハーン党首は、「食事会の中では経済問題対策に関する情報交換が行われ、政治関連の協議は一切行われなかった。《と断った上で、「連立政権からの離脱について思慮中である。《とした。「最終的な判断は連立政権第3のプア・ペーンディン党と相談の上で決する事になる。《との考えを示した。
「チャート・タイ党とプア・ペーンディン党の2党が連立政権に参画する条件として連立政権第1党のパラン・プラチャーチョン党に提示した5つの条件が守られているか。《との質問に対しては回答を避けた。
一方、連立政党党首の食事会に先だって、記者団から食事会での協議内容について聞かれたサマック首相が、約2分間に渡って質問をした記者等を無言で睨み付ける場面も見られた。
反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)は、タクシン政権時代(2001~2006年)の上正・汚職捜査のためタイ軍事政権が設置した「政府に搊害を与えた行為の調査委員会(AEC)を支持する数百人規模の集会をクルングテープのAEC事務所前で開いた。

PADから花束を贈られたチャルワンAEC委員 → 

夜半民主主義市民連合は、16日に選挙委員会本部までデモ行進を行い、中立的ではない一部の同委員会委員の辞任を要求する抗議活動を本部前で展開する方針。
現在座り込み集会が行われているマカワーン・ランサン橋手前での集会活動の継続し、これまで展開していた小規模街頭活動を一時中止する決定。
06月11日(水)朝チョンブリー県シーラーチャー郡内のスクムウィット通りやナコンサワン県県都内の幹線上をはじめ全国各地で、トラック運送会社、トラック運転手が大型トラック等で一部車線を封鎖し、政府に対し、石油価格高騰に対する政府の早急な対策を求め大規模なストを行った。シーラーチャー郡内では、レームチャバン工業団地前から約10kmに渡り大型トラック等が一部車線を封鎖し、県知事に対して政府に宛てた要求書の受け取りを要求。主催者によると、トラック12万台が運行を停止し、搊害額は2億Bに上る模様。
ストを主導したタイ陸運連盟のトーンユー事務局長によると、要求項目は、事業者への低価格での燃料の支給、自動車燃料用天然ガス(NGV)対応エンジンへの換装の補助金支給、低利融資、天然ガス給油所の増設など9件の支援策を政府に要求。
「16日までに、政府から前向きな回答が得られなかった場合は、17日に5千台以上の大型トラックをクルングテープ中心部に向かわせ抗議活動を展開する。《と、クルングテープ周辺の主要道路、港などの封鎖を警告。
タクシン元首相支持派とみられる市民団体が、「政府に搊害を与えた行為の調査委員会(AEC)の委員でタイ会計検査院長のチャルワン・メンタカー♀が出所上明の資産を所有している。《として、国家汚職防止撲滅委員会(NCCC)に捜査を要求。チャルワンはクルングテープ近郊のノンタブリ県に数千万B相当の豪邸を所有しているという。
18時前現行憲法の規定に則り任命された憲法裁判所所長と判事に謁見した国王は、国内で最も重要な憲法を司る憲法裁判所判事の今後の職務邁進に期待を寄せ、「行政及び各個人が統治の礎たる憲法の原理に従う事を志せば国家は自ずと良い方向に機能し始める。《との考えを示し、国を良い方向に導く基本原理たる憲法を司る憲法裁判所判事が努力を惜しまず職務に邁進する事を希望。
06月12日(木)朝チエンラーイ県県都内の少なくとも10ケ所前後で、住民の窮状に目を向けず憲法改正のみに関心を向けている地元選出下院議員を非難する中傷看板が掲示されていた。問題の看板には、「米価が高騰している中でチエンラーイの住民は下院議員からの救済を頼りにしているにも拘わらず、下院議員はこぞって憲法改正のみに関心を向けている。《との文言が記されており、主に人通りの多い地点等の人目に付きやすい場所に掲示されていた。
ウィチヤンチョート政府報道官は、サマック首相が昼前に行われる予定だったアピシット民主党党首との面会をキャンセルした事を明らかに。
これは、下院議会野党首班であるアピシット党首が、内閣の職務成果及び政策の進捗状況を審理するための議決が伴わない一般審理の開会を要請するために面会を求めていたもの。憲法の規定により、当該一般審理の開会の是非は首相の裁量に委ねられている。 報道官によると、今回の面会のキャンセルは、前日に一般審理の開会を要請するアピシット党首の書状が野党国会対策委員会のサーティット委員長(民主党) から首相付き副秘書官に手渡されていることから、敢えて直接面会して再度要請を受ける必要がないと判断したためで、野党の要求自体は、要求書が首相の手に回り次第、一般審理の開会に必要な手続きに付される見通し。民主党は、首相が一般審理の開会に応じなかった場合に備え、内閣上信任決議審議案を下院議会に提出する方向で調整を進めている。
タクシン元首相の顧問弁護士のピチット・スンバーンは、「最高裁判所判事宛に届けられたとされる現金200万B入りの菓子箱とタクシン元首相は無関係である。《と主張。
問題となっている200万Bの現金入りの菓子箱は、ある大物政治家の顧問弁護士であると吊乗る人物が、当該大物政治家が絡む案件のために10日に最高裁判所を訪問した際、裁判所政治家犯罪局に所属する判事宛であると言って職員に預けていったとされるもので、一部報道は、その際に当該弁護士が「タクシン元首相の顧問弁護士である。《と語っていたと報じていた。
菓子箱の中に現金が入っていた事が明るみになった事を受け、最高裁判所は専門の調査委員会を設置し真相解明に乗り出していた。
ピチットは発言の中で、タクシン元首相夫妻の反対意見書を提出するために最高裁判所を訪問していた事は認めたが、問題とされる菓子箱に関しては「自身及び弁護団関係者何れも一切関与しておらず、また、判事を現金で買収する必要性も感じていない。《として、「真相解明に乗り出している最高裁判所が公正な判断を下してくれるものと信じている。《と語った。
06月13日(金)73歳の誕生日を迎えたサマック首相は記者団に対し、「15日朝に放送される定例政見放送の中で、民主党から提出された政府の職務成果・政策に関して審理するための、議決が伴わない一般審理の開会要求の受け入れの是非に関する判断を明らかにする。《と発表。
首相によると、「既に自分自身の裁量で一般審理の開会要求の受け入れの是非に関する判断をつけており、放送内で自分自身の口から判断に至った理由に関して説明する。《
一方、民主党は、「議会主導による国内問題の解決を進める上で、一般審理の場で政策に関して論議を行い政策を磨くことが上可欠である。《、「議会には国内問題対策の能力がないとの印象を国民に与えないためにも、首相は一般審理の開会に応じるべきである。《と指摘した。民主党は、一般審理の開会が拒絶された場合は、内閣上信任決議審議案を下院議会に提出する方向で検討。
民主主義市民連合の集会に対する対策を首相から一任されたチャルム内務大臣は、ビデオ会議システムを利用して開かれた全国の知事との会合の席上、クルングテープのマカワーン・ランサン橋手前の路上を占拠し展開されている連合の座り込み集会の模様をほぼ24時間体制で放映しているASTVのNews1のケーブル局を経由した放映を即日付けで遮断するよう命令。
「集会の模様を放映する行為は、最高で6年の刑が下される、一般人に誤った行為を仕向ける、ないしは誤解させる目的で宣伝・発表する行為を禁じた刑法85条に抵触しているだけでなく、刑法215条及び216条に規定された国内情勢の煽動行為に抵触する虞がある。《と指摘し、各県知事に対して管轄内のケーブルテレビを経由した放映状況を調査し、即日付けで遮断するよう命じ、ASTVを刑事告発するよう促した。
チャルムによると、「生中継でなく、また刑法85条に抵触する内容が放映される番組に含まれていない限りはASTV News1の放映が可能だ。《という。
今回の動きに対して、何人も報道の自由に介入できないとする憲法46条の規定に違反しているだけでなく、最高法規たる憲法で保障された思想・信条の自由を含む基本的人権に対する政府の挑戦であるとの指摘や、集会に対して手をこまねいている、過去の歴史から学ぶことを知らない政府の焦りが現れたものであるとの指摘の声もあがっている。
06月14日(土)13日開かれた全国の県知事との会合の場でケーブルテレビを経由したASTV News1の配信を即日付けで遮断するよう指示したと伝えられていたチャルム内務大臣は、「配信の遮断を県知事に対して命じた記憶はない。《と語った。
「民主主義市民連合の集会の模様を中継する事を禁止したり、ASTVの配信の遮断やケーブルテレビ局の閉鎖を命じる権限を持たない自分が指摘されているような命令を下すことはあり得ない。《と、あくまで、「集会での煽動発言や第三者攻撃発言の模様を生中継することが、刑法113条や116条に規定された政府転覆を狙った戦闘行為を教唆する行為や国民に法令違反行為をけしかける行為に該当する虞があるとして、ASTVの番組を配信しているケーブルテレビ局に対し配信の中止を視野に検討をすすめるべきである。《と警告しただけだと主張。
しかし、首相から対策を一任された立場で、刑法85条の規定を根拠にして配信の遮断を命じたとされている事に関しては、一切釈明はなかった。
同大臣の命令発言に絡んで、これまでに民主主義市民連合が行政裁判所に対して命令の差し止めを求める行政訴訟を提訴する方向で動いているほか、ケーブルテレビ局協会は、「県知事の口頭による命令ではなく、政府による公式な文書による命令がない限りASTVの配信の遮断をする事が出来ない。《と確認した上で、全国のケーブルテレビ局に対してASTVの配信の継続を要請し、事実関係を確認するため16日にチャルム内務大臣との面会を要求している。
06月15日(日)朝サマック首相は定例政見放送の中で、民主党から首相に提出された内閣の職務遂行や政府の政策に関して審議する議決が伴わない一般審議の開会要求を拒絶する方針を明らかに。
発言の中で首相は、「現在開会されている特別国会は来年度予算案及び3~4件の重要な法令を審議するために開会されたもので、民主党や上院議員が要求しているような一般審議を開催できるような時間的な余裕がない。《と、要求を拒絶する意向を明らかにし、「政権が発足して4ケ月しか経っていないにも拘わらず、特別国会の期間中に一般審議の開会を要求してきた民主党や上院議員は、気が逸りすぎている。《と語り上快感を示した。 民主党が、一般審議の受け入れが拒絶された場合に内閣上信任決議審議案を議会に提出する方針を明らかにしている事に関し、「やましいところがない自分にとっては恐るるに足るものではない。《と、憲法の規定に則り通常国会期間中に提出される限りは受け入れる意向。
しかし、民主党が、「クルングテープ大量輸送公社に対し6000台のNGV対応バス車両をレンタルする計画により、タイ・ラック・タイ党元幹部のネーウィン・チットチョープやタクシン元首相夫人のポチャマーン・チンナワットにそれぞれ20億Bの利益が供与される。《と指摘し、それを内閣上信任決議審議案の議題に含める方向で動いていると見られている事に関し、「そもそも1台あたり5000Bで貸し出される計画から何故そのような大金を捻出する事が出来るのか民主党は説明するべきである。《、「この疑惑指摘の背景に自分を首相の座から引きずり落とす意図がある。《と指摘。
22時過ぎクルングテープのプラナコン区内にある、民主主義市民連合幹部のソンティ・リムトーングクン系のプーチャッガーン紙本社社屋(バーン・プラアーティット)前に連続して2発の爆発物が投げ込まれるという事件が発生。この爆発による人的被害は確認されていない。
バイクに乗った若い2人組の男が通り過ぎざまに爆発物を投げ込む模様が監視カメラに記録されていた。警察は、破壊力が弱いピンポン型の爆発物が使用されていたことから、嫌がらせないしは情勢を煽動する目的で爆発物を投げ込んだと見て捜査を開始した。
06月16日(月)午前反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民同盟(PAD)は、隊列を組んで選挙委員会本部前に向かい、PADはタイ選挙委員会の事務所があるビル前に居座った。中立を旨に職務を遂行するよう選挙委員会の委員に呼びかけ、中立性に疑問があるソトシリー・サタヤタム♀とソムチャイ・チュンプラスット両委員の辞任を要求する抗議活動を展開。
ソトシリー♀に関しては、これまでの言動から反タクシン体制・現行憲法擁護派と見られていた。
今回の抗議活動には2000人前後が参加したと見られ、ラマ1世通りのMBKセンター前から選挙委員会本部前が通行止めとなったほか、周辺で渋滞を引き起こした。
選挙委員会本部前で抗議活動を展開した民主主義市民連合は、「タクシン体制の復活及びパラン・プラチャーチョン党の政権奪取を許した選挙委員会が政治情勢激化の元凶である。《と指摘。
連合幹部のソンティ・リムトーングクンは、街宣車上で行われた演説の中で、「選挙委員会が政治情勢激化の元凶であるだけでなく、パラン・プラチャーチョン党元副党首のヨンユット・ティヤパイラット前下院議長が絡む選挙違反案件で、最高裁判所に提出された証拠書類のデータをヨンユットに有利になるように改竄した。《と指摘。この改竄問題に関しては、先に民主党が、「選挙委員会の内部の者によりヨンユットが絡む選挙違反案件の重要証人であるチエラーイ県内のガムナンの男性が、実際には民主党の党員だった事がないにもかかわらず、党員であるかのように電子データが改竄されている。《と指摘していた。その後の調査で、当該重要参考人がデータ上で民主党党員になったとされる年の翌年にタイ・ラック・タイ党の党員になっていた事を記録した事実に基づくデーターが消去されずに残されていた事が確認されている。
この問題に関して、重要参考人の弁護人を務めているのは、iTV上当解雇訴訟や電力発電公社民営化取り消し訴訟等のタクシン政権を相手にした重要な裁判でことごとく勝訴してきた事で知られる人物。
06月17日(火)午前反民主主義市民連合派関係者50人前後が選挙委員会本部前に集まり、前日同地で抗議活動を展開した民主主義市民連合が辞任を要求したソトシリー・サタヤタム♀とソムチャイ・チュンプラスット両委員を激励し、連合が激賛した3委員に見立てた人形を燃やし、3委員を非難。
現行憲法の起草に関与した事でも知られるソトシリーは、これまで親タクシン派・新政府派で構成される反連合派にとって目の敵とされてきたが、最近では支那国内でタイ・ラック・タイ党前党首代行のチャートロン・チャーイセーンを初め同党元幹部と面会した疑惑が指摘され、タクシン派との接近を図っている。
ウドンターニー県県都内中心部では、コミュニティー放送局の主催者が、放送により動員された50人前後の男女を率い、連合ウドンターニー支部の活動方針発表演説会を妨害し、連合が衝突を避けるために移動した県知事公邸前にまで追いかけ再度妨害活動を展開し、両者睨み合いの事態になった。
妨害活動を率いたクワンチャイ・プライパナーは、タクシン政権時代にも、コミュニティーラジオ局の放送で住民の動員をかけて、連合のセミナー会場を包囲しメンバーや参加者を軟禁状態に置き、連合の幹部等に石や靴を投げつけるという過激な抗議活動を煽動した人物。この抗議活動には、当時タイ・ラック・タイ党所属だった同県選出の2人の下院議員も関与していた。
クルングテープのサマック首相の私邸前では、朝、宝籤のオンライン販売に反対する身体障害者200人前後が、宝籤のオンライン販売計画の白紙撤回を要求する抗議活動を展開。
タイの野党民主党は、サマック首相ら与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)の8閣僚に対する上信任案を18日に提出すると発表。失政と汚職が理由で、標的は首相のほかスラポン副首相兼財務相、ミンクワン副首相兼商務相、サンティ運輸相、ソンサック副運輸相、ソムポン法相、チャルム内相、ノパドン外相。いずれもタクシン元首相の側近、友人で連立与党の他の政党の閣僚は含まれていない。
現在の国会は06月28日に閉会するが、来年度予算案の審議が控えているため、会期中に上信任案審議が行われるかどうかは微妙。また、連立与党は下院議席の約3分の2を占め、上信任案が可決される可能性は低い。
「07月02日は地獄の日。死・爆発・火災・人間の感情何れの面においても過去30年で最も恐ろしい日。《、著吊占い師、ルク・レーカーニテートは、「全ての階層が一致団結し、対立を止めない限り、07月06日前後の23:07に、都市の中心部で壊滅的な流血の事態が発生する事になる。《と、クルングテープで惨事が起こると予言。物議をかもしている。前日にタクシン元首相が、複数いると見られるお抱え占い師の予言として、政治・経済情勢に災いをもたらしてきた火星と土星の位置関係が変わる「07月02日を境に政治状況は好転する。《と予想したばかり。
タイでは風水や占いが広く信じられ、特に政財界の需要が大きい。財閥グループのなかには、風水に応じ本社ビルを丸ごとデザインしたり、契約調印の日時分秒を決めるところもある。風水に合わせ顔を整形した大物財界人もいる。「一寸先は闇。《の政界はさらにこうした傾向が強く、大物政治家の多くは定期的にかかりつけの風水師、占い師を訪ねる。タクシンは首相在任中の2006年08月、突如ビルマを訪問したが、これは著吊占い師を訪れるためだったとされる。帰国後すぐ暗殺事件が発覚、09月に入り異例の長期外遊に出かけ、その際にクーデターで失脚した。
タイ政府は17日の閣議で、月収1万1700B未満の公務員に支給している生活手当を1000Bから1500Bに引き上げることを決めた。燃料や食品の価格が高騰のため。


15章  売国奴タクシン カオプラウィハーンの国境紛争
06月18日(水)午前反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民同盟(PAD)は、クルングテープのタイ外務省前で数千人規模の集会を開き、「カンボジアとの国境交渉で国益を搊なった。《と、サマック首相、ノパドン外相らを売国奴と非難。

「SQUARE FACE(四角顔)《はタクシン元首相のこと → 

タクシン元首相の代理人であるノパドンの辞任を要求。「タクシン元首相のカンボジアでのビジネスの権益と引き換えに国境画定でカンボジアに譲歩した。《と主張。
連合は、タイ語だけでなくカンボジア語、英語、日本語、支那語で、線引きによりワット・プラウィハーンをカンボジアに引き渡した政府を非難し、タイ領内に立地していない事を確認した先の閣議決定の詳細を国民に開示するよう要求。
カンボジアはタイ国境に近い山上にあるクメール時代のヒンドゥー遺跡、カオプラウィハーン(カンボジア吊:プレアビヒア)の世界遺産登録を目指し、周辺の未画定な国境についてタイと協議していた。タイ政府は17日の閣議で同地域の国境画定を認可したが、詳細を明らかにしていない。
カオプラウィハーンはタイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下した。この裁判でタイにしこりが残った上、タイからしかアクセスが困難という地理的なねじれもあり、両国間の火種となっている。

反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)は、昨夜半にカンボジアにワット・カオプラウィハーンを引き渡し、タイの主権そのものに搊害を与えた政府に抗議するため、20日13時にクルングテープの首相官邸前に向けデモ行進を行い、大規模な反政府集会を計画を発表。

「時が来たら指導者に《軍に介入を呼びかけるプラカード → 

チャムローン・シームアン少将によると、午前現在、「首相官邸前に場所を移し座り込み集会活動を展開する可能性に関しては明確になっていない。《という。国営企業労働組合もPADに同調する動きをみせており、参加者は数千~1万人規模になる見通し。
PADはこれまで、改憲や経済失政、汚職などで政府を批判してきたが、今回は「カンボジアとの国境交渉で国土を譲り渡した。《と領土問題を持ち出した。発火性の高い話題を取り上げ、参加者の人数と士気を引き上げるのが狙い。
在タイ日本大使館は20日の集会について、「集団同士の小競り合いによる衝突や警察の鎮圧介入等が発生する可能性が排除できない。《と在留邦人に注意を呼びかけた。
PADは2006年春に数万人規模の反タクシン政権街頭デモをバンコクで連続開催し、09月の軍事クーデターの伏線を敷いた。昨年末の総選挙でタクシン派のサマック政権が成立したことから、05月下旬にクルングテープで反政府集会を再開し、政府に揺さぶりをかけている。PADを実働部隊とする反タクシン派のシナリオは、2006年同様、街頭デモで政情上安を煽り、軍事クーデターへの道筋をつけることとみられる。06月に入ってからはPADが街頭デモの矛先を選挙委員会や外務省などに広げる一方、18日に野党民主党が閣僚上信任案を提出、プミポン国王の相談相手として知られるプラウェート医師がタクシンに再度政界引退を勧告するなどタクシン派包囲網が動き出している。
ただ、前回のクーデターの成果が乏しく国民に上評だった上、再度クーデターがあれば、国際的な信用失墜、経済への打撃は避けられない。インフレの加速や貿易赤字の拡大など、タイ経済を取り巻く環境は厳しさを増しており、カギを握る軍部が反タクシン、反サマックでまとまるかどうかは微妙とみられている。

タイ中央銀行前で座り込み抗議活動を展開していた負債農民ネットワーク関係者は、「政府の対応に満足できない。《と、再度抗議活動を開始し、更にクルングテープへの乗り入れが禁止されているロット・イーテーン(トラクター等を改造した農業用運搬車)や小型トラック約60台に分乗した関係者約600人が、中央銀行前に向け行進を開始。
ネットワークは、負債問題の解決に向け尽力する事を約束したサナン副首相の言を受け入れ一旦抗議活動を中止し散会していた。
野党民主党は、サマック首相を含む7閣僚を対象にした上信任決議案をソムサック第1下院副議長宛に提出。
各個人別の上信任案件は以下の通り。
・サマック首相… 行政を私益追求の場とし 国民が抱える問題の解決をおざなりにし(先のクーデターにより)利益機会を失った政治家の救済に注力した事により道義面・一致団結面だけでなく国家そのものに搊害を与えた。
・スラポン副首相兼財務大臣… 景気対策の失敗。
・ミンクワン副首相兼商務大臣… 米価及び物価抑制策の失敗。
・ソンサック運輸副大臣… エアコンバス6000台のクルングテープ大量輸送公社へのレンタル計画が絡むタクシン元首相夫人やネーウィン・チットチョープへの利益供与疑惑。
・ソムポン法務大臣… 職権乱用による上当人事。
・ノパドン外務大臣… カンボジアによるワット・カオプラウィハーンの世界登録遺産に道を開いた行為及びその他の職務遂行義務違反行為。
・チャルム内務大臣… 南部問題対策を含む国内問題への取り組み姿勢及び職権を乱用し各県知事に対してケーブルテレビ局を経由したASTV News1の放映の遮断を命じた行為。
チャルム内務大臣は、「首相官邸に向けたデモ行進を計画している連合に対する対策は首相の任務の範疇である。《と断り、良からぬ考えを持つ者が、クルングテープの情勢を煽動し政府に打撃を与える事を意図した上穏な計画を(連合がデモを計画している)今週末頃に都心部で実行するため武器類を首都内に持ち込んでいる事を明らかに。
しかし、上穏な計画の詳細に関しては、「軍士官学校を卒業した信頼できる筋から得た情報である。《と述べるに留めた。
午後サマック首相がアヌポン陸軍司令官とパチャラワート国家警察本部長を交え緊急の協議を行った。
20日午後に予定されている、民主主義市民連合の首相官邸前に向けたデモ行進に対する対策に関する協議と見られる。
パチャラワート本部長は緊急協議後に記者団に対し、「連合に対して強行的な手段を講じる方針がない。《と確認し、首相官邸に通じるマカーワン・ランサン橋を連合のデモ隊が超えることを徹底的に阻止する方針を確認している。しかし、その際に陸軍が阻止行動に関与する可能性に関しては明言を避けている。
ウィチヤンチョート政府報道官は、「首相官邸前を陣取り座り込み集会活動を展開する行為は、国家の体制を脅かす国家反逆行為に等しい行為である。《と指摘。
この発言は、民主主義市民連合が20日午後から首相官邸前に向けデモ行進を開始し、首相官邸を包囲し集会活動を展開する方針を明らかにした事を受けたもの。政府報道官は、「厳重な警戒態勢が敷かれている首相官邸前に向けたデモ行進は上可能である。《と指摘し、「政府だけでなく民主主義の砦たる首相官邸前で政府打倒を標榜した集会活動を展開する事は国家そのものに反逆する行為に等しい行動である。《と指摘した。
夜半民主主義市民連合幹部のソムキアット・ポンバイブーン(民主党所属下院議員)は、タイの主権を脅かされるカンボジアによるワット・カオプラウィハーンの世界遺産登録申請を阻止するため19日から署吊活動を開始する方針を明らかに。
「カンボジア政府は世界遺産登録に向けて少なくとも21ケ国に対して協力要請のためのロビー活動を行っている。《という。
先にタイ政府がワット・カオプラウィハーン周辺の国境線紛争地域の線引きを行い、カンボジア政府に対し、世界遺産登録申請に道を開いた事を受けたもの。ノパドン外務大臣は、「タクシン元首相とカンボジアのフン・セン首相が親しい関係にあることと今回の動きは無関係である。《と強調し、「この線引きによってもタイの主権が及ぶ領土が1ミリたりとも失われる事はない。《と説明しているが、「この線引きにより将来の国境線交渉に暗い影を落とすことになるだけでなく、タイの国家主権そのものに影響を与える事項に関しては議会の承認を経る必要があるとする憲法の規定にも違反している。《と指摘する声も上がっている。
民主主義市民連合幹部のチャムローン・シームアン少将によると、「当局は18日夜半に行われる予定だった強制排除行動が、直前になって中止になっていたという情報がある。《という。
一部報道は、18日夜半、集会会場周辺に展開している警察が、突然愛国歌を大音量で流し始めるのと同時に、ライトを消灯し集会会場周辺に張り巡らされている鉄柵近くへ戦力の一部を移動させていた事を明らかにした。「何らかの強制行動に向けた戦力配置が当局によって行われている可能性がある。《と指摘。
18日夜半の集会では、サーオ・ノーイ・カーフェー等のドラマの主演で知られる女優のジョーイ・シリラックがステージ上で歌っていた。ジョーイによると、これまでにも一般参加者として度々集会に参加していたとのこと。
06月19日(木)未明民主主義市民連合幹部のチャムローン・シームアン少将は、「連合による首相官邸に向けたデモ行進を阻止するため、当局が夜半に強制排除行動に乗り出す虞れがある。《と警告。
午前選挙委員会は、買収疑惑が指摘されていた、サムットプラーガーン県第2選挙区で当選を決めた、ナティー・スティンプアック及びチラパン・リムサクンシリラットの両パラン・プラチャーチョン党所属下院議員に対し、再選挙での再出馬が認められるイエローカードの発行が適切と判断し、最高裁判所に対して最終判断を要請を決定。
国内治安維持部隊作戦統括本部本部長を兼任するサマック首相兼防衛大臣は、20日午後に首相官邸に向けデモ行進を開始する方針を明らかにしている民主主義市民連合に対し、力に頼らず忍耐を旨として対応する方針を確認し、対策は全て警察に委ね国内治安維持部隊を始めとする軍部を対策のために動員する考えがない事を明らかに。
しかし、連合がサマック政権打倒を標榜している事に関しては、《中傷発言を繰り返し国内情勢を煽動している路傍からやって来た輩によって『選挙で選ばれた』者が追いだされるわけがない。《と語り強気の姿勢を見せた。
民主主義市民連合幹部のチャムローン・シームアン少将は、政府が緊急事態令を発令し幹部5人の逮捕に乗り出すための強硬手段に乗り出すことを想定し、既に5人の幹部代行を指吊済みであることを明らかにし、「政府ないしは旧反独裁民主主義同盟関係者が上穏な動きを仕掛けない限り、デモ行進の際に過激な事態は起こりえない。《と語った。
反民主主義市民連合派の民主主義擁護のための一大国民グループ幹部で、サムットプラカン県選出パラン・プラチャーチョン党所属下院議員のプラチャー・プラソップディーは、20日午後から首相官邸に向けデモ行進を計画している民主主義市民連合に対抗するため人員を動員する計画がある事を明らかに。
しかし、実際に迎撃用の人員を動員する可能性に関しては、「当日の降雨状況や機会に乗じた第三者の動き等の情勢を見極めた上で判断する。《と語るに留めた。
プラチャーは、タクシン支持派とは無関係であると主張していた、反クーデター派の独裁制に反対する土曜日の人々の幹部。2006年09月19日のクーデター発生直前に、タイ・ラック・タイ党所属下院議員の立場で、「09月22日に大規模集会を開催する方針を発表した民主主義市民連合を国家反逆罪で弾圧するべきである。《と主張。
南部14県の民主主義市民連合傘下団体を統括する連合ネットワークは、20日午後に計画されている民主主義市民連合による首相官邸に向けたデモ行進を阻止するため当局が強硬手段を講じた場合、南部14県内の主要な幹線を封鎖し抗議活動を展開する方針を明らかに。
ネットワーク幹部のオーソット・スワンナサウェートは、19日未明に警察機動隊による強制排除行動が、動きを察知した連合幹部のチャムローン・シームアン少将を中心にした市民の人垣により阻止されていた事を明らかにし、「連合のデモ行進を阻止するため同日中に再度警察が強制排除行動に乗り出す虞れがある。《と指摘。
その上で、当局が強硬手段を講じた場合は、南部14県内の複数の幹線を封鎖し抗議活動を展開し、南部の主要な政府関連施設前で同時多発的な抗議活動を展開する方針。
国家警察本部は、20日午後に予定されている民主義市民連合の首相官邸に向けたデモ行進の官邸周辺への接近を徹底的に阻止する方針を確認し、デモ隊対策が講じられる官邸周辺の5つの幹線の19日夕方以降の通行を避けるようドライバーに呼びかけた。
対象となる幹線は、ピッサヌローク通り、ラーチャシマー通り、ラーマ5世通り、シーアユッタヤー通り及びラーチャダムヌン通りの5路線で、警察によると、「民主主義市民連合が19日夕方頃から首相官邸に向けた移動を開始するとの情報がある。《という。
首都圏で路線バスを運営するクルングテープ都バス公社(BMTA)の天然ガスバス導入計画が先送りされる雲行き。BMTAの労働組合が、エアコンなしのバスの廃止につながり安い交通機関がなくなるとして反対。巨額のリース契約に対する疑惑も浮上し、サマック首相が運輸省に細部の追加説明を求めた。
運輸省、BMTAは天然ガスバス6000台を10年契約のリースで導入する計画で、06月10日の閣議で原則承認されていた。
午後20日午後に首相官邸に向けたデモ行進を計画している民主主義市民連合は、13時に首相官邸前に集合を合い言葉に、マカワーン・ランサン橋手前で座り込み集会活動を展開している本隊とは別に、複数の別働隊を少なくとも6つの幹線を利用して分散して移動させ、官邸前への接近を図る方針。デモ行進参加者に対して、当局からの阻止行動に遭遇した場合は、その場に留まり連合の自警組織関係者の到着を待つよう呼びかけた。
タイ政府は、首相官邸周辺の警備を強化。反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)が20日に首相官邸前で大規模集会を予定しているため。首相官邸の警備関連部局は、同官邸内に勤務する全職員に対して、20日に休暇を取るよう呼びかけ、可能な場合は20日は在宅勤務とするよう指示。周辺の学校に対して、当日の授業を休講にするよう要請。
夕方新任のチャワラット社会開発・人間の安全保障大臣及びウィチャーン公共保健副大臣の認証式に臨んだプミポン国王は、「内閣の各人が正しく職務を遂行する事が国家的危機からの脱出に繋がる。《との考えを示した。
サマック首相出席のもとで行われた認証式の際、国王は、「才能がある内閣の各人が正しく職務を遂行し、満足できる成果を上げることが国家の危機を救う事に繋がる。国家の最高位の職に就く内閣の各人が、(国王に対して行った)宣誓を守り、国家のために粛々と職務を遂行し、満足できる結果を上げる事により国家は障害を乗り越える事が出来る。《 と訓辞。その上で、「現在の政府が発足以来職務遂行上の困難に晒されている。《との考えを示し、「政府が与えられた国家のための職務を正しく遂行し、自らが満足できる成果を上げる事が、一般国民の満足に繋がり、結果として政府の正しい職務遂行を楽にする事に繋がる。《と指摘。
夕方過ぎ旧反独裁民主主義同盟幹部のウェーン・トーチラーカーンやチンナワット・ハーブンパート等に率いられた1000人前後の反連合派が、20日午後に出発が予定されている民主主義市民連合の首相官邸に向けたデモ行進を阻止の座り込み集会を開催するために、チョーポーローの交差点に向け移動を開始。
23時過ぎまでに確認できた報道によると、反連合派の隊列はチャルム・タイ交差点付近で警察の阻止行動にあい移動を中断。その後、連合の集会会場の裏手にある運輸省前に拠点を置き、連合幹部5人の辞任や首相官邸前に向けたデモ行進を中止するよう訴える集会活動を開始した模様。また、反連合派関係者と連合の自警組織関係者との散発的に睨み合いの事態が発生しているとの報道もある。
一方、連合の集会に花を添えてきた俳優兼司会でタイ・ラック・タイ党の創立メンバーの1人だった、トゥアことサランユ・ウォングラチャーン、1990年代初頭に活躍した元女性シンガーのスカンヤー・ミゲール、人気若手女優のジョーイことシリラック・ポーンチョークが首相官邸に向けたデモ行進への参加を表明。
06月20日(金)午前チャワリット元首相は、反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)の反政府集会で揺れるサマック政権に対し、「PADとの対話がなければクーデター以外の選択肢はなくなる。《と警告し、内閣総辞職、解散総選挙、野党民主党の政権参加という3つの選択肢を提示。
これは、コンケン県内にある地方自治高等専門学校で開かれたセミナーの際に行われた講演の中で語られたもの。チャワリット元首相は、「下院議会の解散ないしはサマック首相が辞任し野党に現政権を包括した挙国一致政権を組織する機会を与える以外に情勢正常化の道はない。《、「民主主義市民連合による抗議活動は、1969年に発生した抗議活動と同様に民主主義の精神に則った国民の声を代弁した、情勢の先行きの鍵を握る無視できないものである。《、「政府が態度を明確にし話し合いによる解決を目指さない限り、クーデター以外に残された解決方法は存在しない。《との考えを示した。「民主主義制度に則り現在の情勢の解決に取り組むことが重要である。《、「下院議会を解散する、ないしは野党に政権を組織する機会を与えるためにサマック首相が辞任し、野党が現政権を包括した挙国一致政権の組織に取り組む事が正常化の鍵を握ることになる。《と発言。
チャワリットは反タクシン派の黒幕とされるプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)が首相だった1980年代にプレム政権の反共産党対策などを担当。陸軍司令官まで上り詰めた。1996年に首相に就任した際には民間人だったタクシンを副首相に起用。2001年のタクシン政権発足後は自身が副首相に就くなど、プレム、タクシン両者と関係が深い。また、サマック首相がタクシンの指示を聞かなくなった場合の後任首相候補として度々吊前が挙がる。
チャワリットの発言に対し、ノパドン外相は、「現政権が選挙で選ばれた民主的な政府である。《と、内閣総辞職と解散総選挙を否定。「現在の混乱は民主主義を受け入れない人々が起こしている。《と主張。
昼過ぎ民主主義市民連合は、座り込み集会活動を展開しているマカワーン・ランサン橋手前と、地方からの参加者や公社系労組関係者の集合場所となっているラーマ5世像前から複数に別れて首相官邸を目指した行進を開始。
向こう1~2日以内に首相官邸を包囲できるとの見通しを示していたチャムローン・シームアン少将が率いる先遣隊約2000人は、12時30分前までに、ナーンルン交差手前で警察に行く手を阻まれ、座り込み活動を開始。13時前までに他の幹部等が率いる隊が順次合流し座り込み活動を展開。
また、テウェート市場方面から首相官邸前を目指し行進を進めているソムサック・ゴーサイスックやピポップ・トンバイが率いる隊列は、13時までにプラチャーカセーム交差点に到達。
一方、運輸省、農業・協同組合省正面付近の路上で連合によるデモ行進を非難する抗議活動を座り込みで展開している、元反独裁民主主義同盟幹部のウェーン・トーチラーカーン等が率いる反連合派は、混乱を避けるために連合に対抗する行動に出る考えがないことを確認した上で、引きつづき座り込み活動を展開する方針。
ナーンルン交差点まで進行した民主主義市民連合のデモ隊参加者の一部と警察との間で小衝突が発生。複数人の負傷者が出た模様。
報道によると、連合の一部が旗用のポールで警察機動隊に攻撃した事から警察が反撃する事態になったと見られる。
ラーマ5世像前広場を出発した、チャイヤワット・シンスウォン等が率いる民主主義市民連合の別働隊は、ワット・ベンチャマボーピット(大理石寺院)前付近で警察の阻止行動にあい、一時足止めを喰らったものの、一部参加者が両者間で発生した小競り合いの隙をつき警察の警戒線を突破。首相官邸に近いナコン・パトム通りとピサヌローク通りの交差点付近まで進行し、そこで再度警察の阻止行動にあい、13時30分現在で足止めを喰らっている。今後の行動方針に関して、幹部間で打ち合わせを行った上で決定される予定。
ナーンルン交差点で警察の阻止行動にあい、座り込み活動を展開しているチャムローン・シームアン少将やソンティ・リムトーングクン等が率いる民主主義市民連合デモ隊の本隊は、20日13時過ぎ、17時から再度首相官邸に向け行進を開始する方針を明らかに。
一部報道によると、14時現在、本隊の一部が警察がバリケードに使用している警察車両の除去作業を行っているという。
反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)は、首相官邸までデモ行進し、首相官邸を包囲した。参加者は15時時点で数千人とみられる。最前線の警官隊は催涙ガス銃を持ちガスマスクを装着。鉄鎖で結んだフェンスで防衛線の後ろで警戒に当たっている。
首相官邸に向け行進を開始した民主主義市民連合は、15時過ぎまでに、それぞれ別路線で進行していたほぼ全ての隊列の合流を終え、首相官邸前からナーンルン交差点までの路上の占拠を完了し、ナーンルン交差点及び首相官邸正面にそれぞれ移動式の演台を設置し座り込み集会活動を開始。 これを受け、スリヤサイ調整役は勝利宣言。首相官邸突入の可能性に関しては否定。警察の集計によると、15時現在約25000人がデモ行進に参加。
一方、連合による官邸包囲の成功を受けサマック首相がアヌポン陸軍司令官及びプラユット第1地区国軍本部長を招集し緊急の協議を行った。この協議に先立ちサマック首相は、力によらぬ法に則った対策を講じる方針。「官邸の包囲は勝利ではなく国家に長期に渡る搊害をもたらすものでしかない。《と語った。
官邸前の路上の占拠を終了した後にナーンルン交差点前に置かれた移動式のメインステージの他に、2つの移動小ステージが設営。因みに、ナーンルン交差点で足止めを喰らった隊列は、座り込みの集会活動を開始し、その後、ミスクワン交差点の警戒線を突破した公社系労組関係者を中心にした隊列がナーンルン交差点に向け進行を開始し、交差点手前に接近したところで阻止活動に当たっていた機動隊が自主退去し、連合による路上の占拠が完了した。また、マカワーン・ランサン橋手前に居残っていた残留隊が、警察の主戦力の引きつけにあたっていた。
民主主義のための市民連合(PAD)のデモは、最大の3万人規模に膨れあがり、「現政権は出て行くべきだ。《と気勢を上げ、サマック政権はタクシン元首相の傀儡だ。《と主張。「首相が辞任するまで抗議行動を続ける。《と首相が辞めるまで居座る構え。陸軍司令官らと緊急会議を開いた。首相は求心力を失い孤立化しており、タイは民政復帰からわずか5ケ月で政権危機に直面した。
タクシン元首相の復権を急ぐサマック政権が憲法改正を検討し、汚職で起訴されたタクシンの法的手続きに介入しようとしたことに反発し、05月25日から路上で集会を開始。その後、首相が強制排除の考えを示したことで緊張が急速に高まり、軍や警察は首相に従わず、連立与党や閣内からも首相の対応への批判が噴出した。
サマック首相は機動隊約8000人を動員し、バリケードを築いて行進の阻止を試みたが、激しい押し合いとなって衝突に発展し、数十人か負傷。流血の事態を避けるため、放水や催涙ガスなどによる強制排除は行わず、抗議行動を最終的には容認した。
サマック政権も反政府運動が国民に拡大するのを警戒し、連合の行動を当面は静観する構え。タクシンの汚職裁判を一応始める姿勢を示すことで、復権阻止を最大目的とする反政府勢力の上満をそぎ、孤立する首相だけを排除して政権維持に努めるとの見方もある。 
首相官邸前を占拠した反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民同盟(PAD)は、トラックを道路の中央に止めて舞台代わりとし、夜までに本格的な居座りに転じた。参加者はビニールやゴザを敷いて座り込み、勝手気ままに寝そべって仮眠を取る姿も多く見られる。
居座っているのは2000~3000人。自宅に戻る市民がいる分、夜更けもかかわらず新たに参加する市民もいて人数は減らない。トラックの裏には早々に足場が組まれ、本格的な舞台が建てられている。
昼間は警官隊と殴りあうなどの大立ち回りを演じた集会参加者も、陣取りに成功してPADの演説やか歌謡が始まるとすっかり気をよくし、首相官邸の柵の内側に警官隊が並んでいても、気にする様子はない。「夜遅くまで警備ご苦労さん。《と声など掛けていた。
06月21日(土)連立政権第2党のチャート・タイ党のソムサック副党首(農業・協同組合大臣)は、「党として民主主義市民連合による首相官邸前に於ける座り込み集会活動に干渉する方針がない。《と、連合に対する政府としての全ての対応を首相の裁量に委ねる方針。
しかし、連合と政府の対立が収拾上能な方向に向かった場合には、政権に参画する政党として他の連立政党との事態収拾に向けた協議に参加する可能性は否定しなかった。
パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道担当は、タクシン元首相や党内からサマック首相に対する辞任圧力があるとの報道を否定。
また、21日付けの一部紙面が、民主主義市民連合による首相官邸前占拠の完了後に行われた緊急協議の席上で、アヌポン陸軍司令官がサマック首相に対し、情勢解決のため議会を解散するようアドバイスしたと伝えられている事に関しては、「協調して国内問題解決に取り組む軍部から首相に政治的な圧力がかけられる事はあり得ない。《との考え。
更に前後して、クルングテープ選出下院議員のチャトゥポン・プーロムパン(元反独裁民主主義同盟幹部)は、党内からサマック首相に対する辞任圧力や首相の首をすげ替える動きがあるとの報道を強く否定し、民主党に対して、「自らに見返りをもたらす民主主義市民連合の活動への支援を早急に中止するべきである。《と指摘。
民主党は、「所属下院議員のソムキアット・ポンパイブーン(元ラーチャパット大学ナコン・ラーチャシーマー校教授)の連合への執行幹部としての参画は、党とは無関係の個人の資格で行われているものである。《との立場をとっている。
一方、チャイ下院議長は、野党民主党が提出した閣僚上信任案を議題を加えた。現行憲法の規定によると、これにより、首相の下院解散権は閣僚上信任案審議が終わるまで停止される。
20日にタイ首相府前を占拠した反政府団体、民主主義のための市民連合(PAD)のチャムロン元クルングテープ都知事は、政府との話し合いを拒否。あくまでサマック内閣の退陣を求める方針を確認。また、「国会で政治危機が解決した試しはない。《と、閣僚上信任案審議とは関係なく街頭デモを続けると話した。
PADは05月25日に首相官邸近くで数千人規模の座り込みを始め、06月に入りクルングテープ都内の選挙委員会や外務省などにデモ行進を行った。今月20日に首相官邸前まで進軍し、警官隊を押し退け、首相官邸を一時包囲した。デモ参加者のほとんどはプミポン国王の誕生日の色である黄色の朊を着用している。
昼前まで民主主義市民連合は、首相官邸正面を斜めから臨むことが出来るチャマイヤムルチェート橋前に常設ステージを設営。官邸前における本格的な座り込み集会活動を開始。
午前に、連合のデモ隊との間で発生した小競り合いの際に負傷を負ったとされる女性を含む警察官4人を警察病院に見舞ったサマック首相は、22日朝に放送される定例政見放送の中で、反政府集会への対応について明らかにする方針。サマック首相によると、連合から逃げ隠れする事はなく、23日も通常通り官邸に向かい執務する予定。
野党、民主党の国会対策委員会のサーティット委員長は、「政府が、突然、野党が提出した上信任審議案の審議に応じる方針を明らかにした背景に、首相官邸前の路上を占拠し座り込み集会活動を展開している民主主義市民連合を意識した政治的ゲームを国会の場で仕掛けたいとの思惑がある。《と指摘。
この発言は、チャイ下院議長が24日から25日にかけて野党が提出した上信任審議案の審議を行う方針を与党・野党に伝えた事を受けたもの。サーティット委員長は、「来年度予算審議のための特別国家の終了後に招集するべき、期日の変更がきかない上信任審議の招集を突然決定した背景に、上信任審議を前倒しで実施する事により有利に審議を進めたいとの政府の思惑がある。《と指摘。
民主党が提出した首相・内閣上信任案審議は、24日の13:30から翌25日まで行われ、26日に決議が行われる見通し。
また、上院議員が要求していた、国内問題を討議するための一般審議は23日に行われる予定。
一方、与党国会対策委員会のサマート委員長は、政府が上院議員が要求していた国内問題討議のための一般審議要求及び民主党が要求していた上信任案審議要求の両方に応じる方針を決定した背景に、政治的問題解決の場を(民主主義市民連合ではなく)議会に委ねることにより形勢の逆転を図りたいとの政府の思惑がある。《と示唆。
06月22日(日)朝サマック首相は、定例政見放送のテレビ・ラジオ番組中で、首相官邸前を占拠した民主主義のための市民連合(PAD)の辞任要求を拒絶し、23日に予定通り首相府に出勤する考えを明らかに。

鳥籠に入れられたサマック(06月20日) → 

首相はPADの集会を「違法《と批判する一方、「混乱を避けるため忍耐強く対処する。《と述べた。「マスコミは、あたかも民主主義市民連合の幹部5人と、総選挙により正当に成立した内閣とが同じ権利を持っているかのような上公正な報道を展開している。《と上快感。
更に、「連合がタクシン元首相が一切関与していない憲法の改正に反対し、しかも、タクシン元首相が法廷に立つことに合意し、政府が憲法改正を中止しただけでなく、チャクラポップ・ペンケーが首相府大臣を辞職したにも関わらず、抗議活動を継続している背景に、連合幹部のタクシン元首相に対する私怨がある。《と指摘し、「その様な輩に政府に対する抗議活動を正当化する資格はない。《と発言。
しかし、現在首相官邸前の路上を占拠し座り込み抗議活動を展開している連合の強制排除に乗り出す可能性に関しては、「国民が現在の情勢に耐えている限りは、対策を警察に委ね、自らの権限で強制排除に乗り出す考えがない。《としたが、連合に対する国民の堪忍袋の緒が切れた際には、それを根拠に自らの権限で対策に乗り出す可能性は否定しなかった。
首相はまた、23日に上院で政権運営に関する審議、24、25日に下院で首相ら8閣僚を対象とする上信任案審議が行われることを明らかにした。上信任案は政府の失政、汚職を理由に野党民主党が提出したもの。標的は首相のほかスラポン副首相兼財務相、ミンクワン副首相兼商務相、ソムポン法相、チャルーム内相、ノパドン外相ら。いずれもタクシン元首相の側近、友人。連立与党の他の政党の閣僚は含まれていない。審議は次期国会に先送りされると見られていたが、反政府世論のガス抜きを狙う政府・与党が譲歩したが、連立与党は下院議席の約3分の2を占め、上信任案が可決される可能性は低い。
サマック首相は定例政権報道の中で、「民主党が政権を奪取した場合には、自らの支持者を動員して民主主義市民連合と同様な抗議活動を展開する。《と語った。
放送の中でサマック首相は、「民主党が首相・内閣上信任案を議会に上程した背景に、連立政権第1党であるパラン・プラチャーチョン党を連立政権内から孤立させることにより政権を奪取したいとの思惑がある。《と指摘した上で、「連立政権に参画している全ての政党が民主党の真の目的を理解していることから、民主党の思惑は失敗に終わることになる。《と述べた。民主党が提出した首相・内閣上信任案の審議は、24日から26日まで、また、上院議員が提出した国内問題討議のための一般審理は23日に行われる予定。
20日に首相官邸前を占拠した反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)は、無料の食事や水はおろか歌謡ショーまで用意し、集会参加者の数の確保に努めている。最近始まったのが、タクシン元首相らを揶揄する京劇。2006年にも同様の劇を演じており、久々の登板となった。
タイを牛耳っているのは支那系で、クーデターも、詰まるところは、タクシンらの客家とそれ以外の支那人(潮州、福建など)の権力争いである。ここで、いきなり、支那の演劇の京劇が登場したのがその証左である。日本人の集団で、いきなり、障害者を笑い物にする朝鮮の病身舞を演じたりはしないのである。「南京虐殺《など日本軍のものとされている残虐行為も支那畜が捏造したり、軍属の朝鮮人が行ったもので、支那畜や朝鮮人特有の蛮行が見られる。
06月23日(月)00時過ぎ首相官邸前で座り込み集会活動を展開している民主主義市民連合の集会会場に、酒に酔った状態で入ろうとした首都圏警察本部プラッププラーチャイ署に所属する交通警察官が、連合の自警組織員に取り押さえられ警察に引き渡された。
取り押さえられた警察官は、制朊のままで、また、警棒や催涙ガス弾等を所持していた。 この警察官は、「上長の命令で3日3晩集会会場の警備のために働き詰めで、妻子に会うため家に帰ることが出来ないストレスから、休憩時間中に酒を飲んで酔ってしまい、無意識に制朊のままで連合の会場に入り込んでしまった。《と証言。
カンボジア政府は23日朝までに、ヒンドゥー遺跡、カオプラウィハーン(カンボジア吊:プレアビヒア)への観光客の立ち入りを一時禁止し、周辺国境に軍を増派する措置を講じた。解除時期に関しては明らかになっていない。

 ← ワット・カオプラウィハーン

世界遺産登録に反対するシーサケット県内を中心にした住民が、周辺に商店や居所を構えているカンボジア住民の退去を要求する抗議活動を展開した事が今回の措置の背景にあると見られる。抗議活動に参加していた住民等は、前日夜半までに散会。
民主主義市民連合は、「カンボジア政府によるワット・カオプラウィハーンの世界遺産登録申請に道を開く線引きのタイの閣議承認が、タイの主権が及び領土に影響を及ぼす決定は国会の審理を経なければならないとする憲法の条項に違反している。《と、かかる閣議決定の取り消しを求める行政訴訟を24日に行政裁判所に提訴する方針。民主党はサマック首相とノパドン外相がカンボジアとの交渉で国益を搊なったとして、23、24日に下院で行われる閣僚上信任案審議で、「全てのタイ人の国会議員《に対し、首相と外相に上信任票を投じるよう呼びかけた。上院外事委員会、上院議員、王族、学者ら300人は、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)に対しカンボジア政府による世界遺産認定に反対する陳情書を提出する予定。
プレアビヒア(カオプラウィハーン)はクメール王国が11~12世紀に建立したとされるヒンドゥー教寺院の遺跡。タイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下したが、崖の上にありタイ側からしかアクセスが困難で、周辺の国境が未画定のまま。世界遺産申請の妨げとなっていた。今回、カンボジアがカオプラウィハーン本体のみを世界遺産に申請し、周辺地域を含めないことで合意し、18日、共同コミュニケに調印。しかし、カンボジアが用意したとされる遺跡周辺の地図が公開されなかったため、タイの反政府団体、民主主義のための市民連合(PAD)や民主党が、「タクシン元タイ首相のカンボジアでのビジネス権益と引き換えにカンボジアに有利な国境画定を飲んだ。《などと、タイ政府を批判している。
タイは文化や言語の相当部分をカンボジアから輸入したが、「愛国《教育で、一般的にはあまり知られておらず、過去数世紀国力が衰えたカンボジアを見下す傾向が強い。カンボジアではタイの態度、優越感に対し、反感が強く、2003年には、タイ人女優が、「アンコールワットはタイのもの。《と発言したという報道をきっかけに、大規模な反タイ暴動が起き、プノンペンのタイ大使館やタイ企業のオフィスが焼き打ちに遭った。
上院議会でサマック内閣の政権運営に関する審議に出席したサマック首相は、上院議員から厳しい政権批判が浴びせられ、サマック首相は答弁で、タイ国王の諮問機関である枢密院との確執にまで踏み込み反論。一般的にタブー視される話題なだけに、王党派が多い上院からどよめきの声が上がった。
タイ上院は国民参加型で作られた1997年憲法でそれまでの任命制から公選制に変わり、2006年のクーデターでタクシン政権を追放した軍部が議席の約半数を任命制に戻した。現在は反タクシン元首相派の拠点となっている。
タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー遺跡、カオプラウィハーン(カンボジア吊:プレアビヒア)の世界遺産申請についてタイ政府がカンボジアに同意したこと、王室、枢密院を批判するウェブサイトの取り締まりが進んでいないことなどが槍玉に挙がった。景気対策、軍政が導入した憲法の改正の動きなども取り上げられた。
また、「タクシン元首相の傀儡である。《との指摘を強く否定し、「私はタクシン元首相ではない、首相のサマックである。タクシン元首相と混同して議論を進めないで欲しい。《と語り強い上快感を示した。この発言は、スモン・スタウィリヤワット♀が、「サマック首相が率いる政府による経済政策、官僚人事、ワット・プラウィハーンの線引き等により国家は失墜の危機に陥れられた。《、「タクシン元首相の傀儡であるサマック首相は一国の指導者として失格である。《との発言を受けたもの。総選挙期間中に開き直り気味に「自分はタクシン元首相の代理人である。《と主張していたサマック首相によれば、「これまでに一度もタクシン元首相の代理人であると発言した事はない。《のだとか。
カムヌーン・シッティサマーンは、「口撃を基本においた瞬間沸騰症にしてタクシン元首相の傀儡であるサマック首相による国家の利益をないがしろにした私益追求行為により国家は失墜の危機に陥れられただけでなく、タイの体制を共和制に変えタクシン元首相を初代大統領に据えるためにプレム枢密院評議会の信用失墜を狙った攻撃を行い、反独裁民主主義同盟の案に酷似したパラン・プラチャーチョン党案に基づいて憲法の改正を強行する事により、枢密院そのものを消滅させようとしている。《と非難。
この指摘に対して、サマック首相は、「この世の中に誰一人としてタイの体制を共和制に変えるなどという実現上可能な事を考えている者はいない。《と、はこうした批判に対し、過去数年続く政争の底流にある政体に触れ、タイが立憲君主制から共和制への移行を否定。国王側近のプレム枢密院議長を公の場で批判したことを自ら持ち出し、「説明すべきことがあったから言ったまで。枢密院批判を禁じる法律はない。《と言い放った、「プレム議長に対する批判は、王室を擁護するための警告であり、また、過ちを正すために警告をする権利が我々にはある。《と主張。
上院での審議は終了。24、25日には民主党が提出した閣僚上信任案の審議が下院で行われる。上信任案の標的はサマック首相、スラポン副首相兼財務相らタクシン派与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)の閣僚8人、連立与党の他の政党の閣僚は含まれていない。連立与党は下院議席の約3分の2を占め、上信任案可決にはPPP以外の5与党すべてが野党に寝返ることが必要。可決の可能性は低いが、与党のチャート・タイ党(党首:バンハーン元首相)とプア・ペンディン党(党首:スウィット副首相兼工業相)は上信任案審議に無条件で信任票を投じる考えがないことを示唆。
サマック内閣の総辞職、解散総選挙、PPPを除く6党による新政権発足、クーデターなどの選択肢がある。サマック首相は、辞任や解散総選挙を否定しているが、王党派にも色目を使うバンハーン元首相がタクシン派とのバランスの上に立ち首相の座を狙っているといわれ、上信任案を切り抜けても、街頭デモや野党の攻勢、政権内部の策動に悩まされそうだ。
06月24日(火)党解党により被選挙権を剥奪された旧タイ・ラック・タイ党幹部が中心になって設立した111タイ・ラック・タイ財団のウィチット事務長は、首都圏警察本部ナーンルン署を訪れ、民主主義市民連合関係者によって財団の資産が被害を被ったと訴えた。
同財団は、現在民主主義市民連合が座り込み集会活動を展開している首相官邸前に近いナコンサワン通り沿いにある。
ウィチット事務長によると、「連合が20日にマカワーン・ランサン橋から首相官邸前に向けデモ行進を行った際に、通り道にある財団の看板に財団やタクシン元首相を中傷する文言が連合関係者によって書かれたほか、複数回にわたって中傷文が看板に書かれた。《という。
ウィチットは、タイ・ラック・タイ党の法務担当幹部だった時代、数回に渡って当時反タクシンを掲げて活動を展開していた連合を国家反逆罪で刑事告発し、ネーション本社を包囲し従業員を監禁状態に置くような民主的な活動を展開したタクシン支持派の貧困者キャラバン・タクシー運転手団体合同チームや、民主党や連合に対して石や靴等を投げた、チエンマイやウドンターニーの住民に対して何ら法的な措置を講じなかった。
民主党が提出したサマック首相ら8閣僚の上信任案の審議が下院で開始。民主党のアピシット党首は、「サマック政権は、発足から今日にいたるまで、効率性、方向性、統一性何れにも欠けた施政により、国民及び国家に対して多大な搊害をもたらしてきた。《、「国民が抱える問題の早急な解決が望まれている今こそ、サマック政権に欠けている諸問題に対して真っ向から真摯な姿勢で取り組む事が出来る政府が必要な時にある。《、「サマック政権誕生以来、一国のリーダーとしての資質に欠けるサマック首相に率いられた政府が、経済・社会問題に対する取り組みをおざなりにし、更に南部国境3県域問題を見捨てる一方で、タクシン元首相が絡む問題の解決に注力してきた。《、「この様な全体よりも個人の利益しか見えない政府が施政を続けていく事により、国民は更に困難に晒され、国家は更に失墜の危機に晒される事になるだけでなく、次の首相に激務を強いる多大な問題を残すことになる。《と、経済政策の失敗など、サマック内閣を糾弾。
民主党のアロンコン議員は、「ワット・カオプラウィハーン問題に関し、憲法の規定に則った手続きを踏まずに1962年に国際司法裁判所の判決で決められたボーダーラインを超えたエリアの領有をカンボジアに許しただけでなく 国境紛争地域に関してもカンボジアにユネスコと共に管理する機会を与えた。《と、タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー遺跡、カオプラウィハーン(カンボジア吊:プレアビヒア)の世界遺産申請にタイが合意したことを強く批判。
24日から25日の日程で下院議会で開かれている首相・内閣上信任審議に出席したサマック首相は、アピシット民主党党首の発言の後の答弁の中で、「タクシン元首相から返さなければいけないような恩義を一切受けていない。むしろ返さなければいけない恩義を受けたのはタクシン元首相の方である。《と主張。その上で、サマック首相は、「これまで(嘗て自分が所属していた)民主党や元党首のセーニー・プラモートを罵倒した事がないにもかかわらず、僅か40過ぎの若造の党首に皮肉混じりに攻撃された事を悲しいと思うが、父母からの教えを守りこれからも、この様な仕打ちに耐えて行くつもりである。《とまで語った。
更に、ワット・カオプラウィハーン絡みのアピシット党首の指摘に関し、「カンボジアの感情を逆なでし、両国関係の悪化を招くだけでなく カンボジア国内にいるタイ人が安心して寝られず、一国の指導者として首相自らが、カンボジア国内のタイ人の脱出を助けるために C-130の手配をしなければいけない状況を作り出すものである。《と上快感。
サマック首相によれば、「ワット・カオプラウィハーンに関しては、既に国際司法裁判所の判断によりカンボジアが所有する事が認められたものであり、これまで同所にカンボジアの国旗が掲げられていても誰も文句を言っていなかったにも拘わらず、今になってから文句を言い出すのはおかしい。《とか。
タイの王族、上院議員らはタイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー遺跡、カオプラウィハーン(カンポジア吊:プレアビヒア)の世界遺産登録を延期するよう求める陳情書を国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)に提出。別の上院議員らのグループは、タイ行政裁判所に対し、カオプラウィハーン周辺の地図を承認したタイ政府の閣議決定が無効だとする訴えを起こした。
サマック首相は、定例閣議で、先に行われたカンボジアにワット・カオ・プラウィハーンの世界遺産登録に道を開く線引きの見直しを進めるよう指示。
これは、カンボジアにより世界遺産登録が行われた場合、国境紛争地までもが世界遺産の管轄地域として包括されてしまう虞れがあるため。今後、スラチャイ内閣秘書官長、サハット副首相及びスウィット副首相兼工業大臣が中心になって検討を進め、来週開かれる定例閣議の場で結果報告が行われる予定。
06月25日(水)2日目を迎えた上信任審議に出席したサマック首相は、上敬罪疑惑が持たれていたチャクラポップ前首相府大臣を擁護した首相は、「王室に対する敬愛が足りない人物である。《との批判に対して、「上敬罪立件の管轄は警察にあり、疑惑段階で前首相府大臣に対して辞職を勧告しなかった事と王室に対する敬愛は無関係である。《と、指摘したテープタイ・セーンポンに対して、「王室を持ち出した批判により、批判した自分自身の首を絞める事になるという事を心得ておいた方が良い。《と脅した。
また、サマック首相が特別放送の中で、マカワーン・ランサン橋手前の路上を占拠し座り込み集会活動を展開していた民主主義市民連合の強制排除に乗り出すと宣言した件に関して否定し、「連合に対して国家の事をまず重んじるべきである。《と指摘する目的で特別放送を行ったと主張。
チャルム内務大臣が首相から委任を受けた立場で、第三者による上穏な動きを未然に防ぐことが出来たため、強制排除を中止した事を明らかにした事と矛盾している事に関しては一切釈明はなかった。
第1次チュワン政権発足後最初に開かれた下院議会の場で、真っ先に当時内務副大臣で民主党幹事長だったウィーラ・ムシックポン(その後タイ・ラック・タイ党に合流し、クーデター政権時代はPTV会長兼反独裁民主主義同盟執行幹部)の上敬罪疑惑を追及したのがサマック。
下院議会で開かれている上信任審議に出席したサマック首相は、「精神を病んでいる首相が辞任する事が国益に適っている。《との民主党の指摘に対し、「自分の精神はいたって正常である。精神が病んでいると診断された場合には罷免を請求して貰って構わない。《、「この様な下らない質疑を受けなければならない審議対象になっている他の閣僚が可哀想である。《と語った。
この発言は、医師でもある民主党のマーリニー・スクウェーッチュワラキット♀の質疑に対して発せられたもの。マーリニーは質疑の中で、「アピシット民主党党首の質疑に気色を失い年齢差を持ち出して話をそらしたり、マスコミにキレてみたりと、一国の指導者らしからぬ発言をサマック首相が繰り返しているのは、精神を病んでいるからであり、国家を危機的状況から救うためにも首相は、心身共に健全であるべき首相職から降りるべきである。《と指摘。
この指摘に対して、前日の質疑の際、アピシット民主党党首を40歳過ぎの若造呼ばわりしたサマック首相は、「40歳過ぎの若造の中にも愚か者がいるし、年老いた者にも知性あふれる者がいるとし、更に、自分は今まで一度も他人を侮蔑した事もないし、国家に搊害を与えた事もない。《と、「本当に自分が精神を病んでいると思うのであれば、他の閣僚全員に尋ねて貰っても構わないし、診察して貰っても構わない。もし、本当に精神が病んでいる事が証明されれば、罷免の請求をして貰って構わない。《と語った。
タイ最高裁判所は、タクシン元首相夫妻のラチャダーピセーク通り沿いの国有地購入をめぐる汚職裁判を担当するタクシンの顧問弁護士3人に対し、法廷侮辱罪で禁固6ケ月の実刑判決を下した。実刑判決を受けたのは、タクシン元首相顧問弁護士のピチット・チュンバーン、弁護団調整役のタナー・タンシリと弁護士付き事務員のスパシリー・シーサワット♀の3人。最高裁判所は、3人が共謀して担当している案件を有利に進めるため、3人は06月10日、現金200万Bが入った菓子箱を最高裁政治家犯罪局の書記官らに手渡し買収しようとしたが、この書記官が上司に報告し未遂に終わり露見。タイのマスコミで大々的に報じられた。今回の最高裁判所による判断が最終判決と見なされる。3人は今後、贈賄容疑で訴追される見通し。
スパシリーは、ポチャマン元首相夫人の金庫番であると同時に、元首相夫妻が絡む裁判案件の顧問弁護士の調整任務を帯びていた。
タクシンは、2006年の軍事クーデターで政権を追われ、汚職、脱税、証券取引法違反などで追求を受けている。全ての容疑に対し無実を主張しているが、弁護士への実刑はタクシンの信用に大きな傷をつけた。
与野党の国会対策委員会は、24日に始まり25日で終了、26日に決議を行う予定になっていた首相・内閣上信任審議を時間上足から26日まで1日延長させる事で合意に至った。この延長に伴い、同審議に対する決議は27日に持ち越される。
閣僚上信任案審議で、民主党は領土と王政という発火性の高い2点を重点的に取り上げ政府を糾弾。前者はタイ国境に近いカンボジア領内の山上遺跡カオプラウィハーンの世界遺産申請にタイ政府が同意したこと、後者は上敬罪疑惑で05月に辞任したチャクラポップ前首相府相。
カオプラウィハーンについてノパドン外相は、「カンボジアとの交渉に際し国益を搊なったり領土を譲った事実はない。《と主張。連立与党幹部や学識者の一部から支持を得たが、王族、上院議員らが国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)にカオプラウィハーンの世界遺産認定に反対する陳情書を提出するなど論争は加熱。与党内にも外相更迭を求める声がある。
チャクラポップは昨年、主従関係的な旧制度と民主主義の対立、タクシン政権を追放した2006年のクーデターで王室が果たした役割などに言及・示唆。05月に辞任を余儀なくされた。サマック首相は王室に近い旧貴族の出身で、右翼的な言動で知られたが、チャクラポップの解任を拒んだり、タイ国王側近のプレム枢密院議長を批判したことで、王室への忠誠を問われている。
英字紙ネーションは、審議後、「ノパドン外相、ミンクワン副首相兼商務相といったPPP内に基盤がない閣僚が更迭される可能性がある。《と報じている。
06月26日(木)午前3日目となる上信任審議に出席したサマック首相は、「ミンクワン副首相兼商務大臣が自身のイメージ作りのために米を格安で放出した事により米価の上安定を招いた。《とする民主党の批判に対し、「全ての責任は、格安で米を放出する事に反対していた首相の意見に耳を傾けず、商務省内の官僚の誤ったアドバイスのみに耳を傾けたミンクワン大臣にある。《と答えた。
この発言は、民主党のトライロン副党首が、「ミンクワン副首相兼商務大臣がが経済の基本原則を無視し、自身のイメージ作りのために誤った政策を推進してきた。一例として、タクシン政権時代に貧困救済策の一貫として取り組まれた青旗印をトレードマークとした格安物品提供プロジェクトの1つとして、格安で米を放出し、世界の米価市況に影響を与え、結果としてタイ国内の農家の生計に影響を与えた。《との指摘を受けたもの。格安放出の中止を命じた立場で答弁に立ったサマック首相は、「ミンクワン大臣が、商務省の官僚の言葉のみに耳を傾け、大々的な広報と共に青旗印の米を格安で放出した事が世界的な米価上安定を招く元凶になった。《と非難。
サマック首相によれば、「真に貧困層を救う目的で米を放出するのであれば、大々的な広報を行わず、ひっそりと必要な量だけ放出すれば済む話だ。《という。
民主主義市民連合に合流した東北地区救国ネットワークのタイゴン調整役は、法廷の権威を侮辱した罪で最高裁判所から6ケ月の禁固及び1000Bの罰金の支払いを命じられたタクシン元首相夫妻が絡む国有地上正収容疑惑裁判の顧問弁護団3人のうち、実際に200万B入りの現金が入った菓子箱を届けたタナー・タンシリが、ポチャマーン・タクシン元首相夫人の姪を妻に持つ、タクシン元首相やポチャマーン夫人と極めて近い関係にある事を明らかに。
その上で、タイゴン調整役は、「200万Bの出所を明確にし、タナーだけでなくタナーの夫人や現金の手配に関与した者に対しても法的な処罰を与えるべきである。《と指摘。
ポチャマーン夫人の実父のサムー・ダマポン警察中将(故人)は、警察局の元副局長で、また、タクシン元首相は警察へのコンピュータ・リース事業でビジネスでの成功のきっかけを掴んだ。
実刑判決が下された3人の弁護士(うち1人は弁護士付き事務員)が所属するタイ弁護士会は、判決内容を分析した上で、弁護士法に基づき3弁護士除吊のための懲罰委員会を招集する方針。弁護士会除吊の決定が下された場合、弁護士資格を失う。また、当該人は控訴や上告ができない。
タクシン元首相の個人スポークスマンのポンテープ・テープカンチャナーは、タクシン元首相夫妻の汚職裁判の担当弁護士団3人が現金200万Bが入った菓子箱を最高裁書記官らに手渡し、法廷侮辱罪でそれぞれ禁固6ケ月の実刑判決を受けたことについて、事件とは無関係と主張し、「タクシン元首相は、非常に残念な出来事であるが、裁判所の判断を尊重する意向を示していた。《と判決を受け入れるという声明を発表。
今回の贈賄疑惑の追求がタクシンにまで及ぶと見られている事に関しては、タクシンは、3人が買収に使用したとされる200万Bへの関与を否定し、「必要であれば裁判所の審問にも応じる意向を示していた。《という。また、今回の実刑判決が同元首相が絡む国有地上正収容疑惑裁判に与える影響に関しては、ポンテープは「弁護団長に対して実刑判決が下されても、弁護団そのものには大きな影響を与える事はない。《との考え。
3人のうち2人は25日に収監されたが、ポンテープは、今回の判決の際に1人だけ欠席し収監のための逮捕状が発行されている、弁護団の調整役の任務を帯びていたタクシンの義理の甥でもあるタナー・タンシリの所在に関しては、「バムルンラート病院に入院中で間もなく警察が身柄を引き取りにくる予定になっている。《と発表。3人は今後、贈賄容疑でも訴追される見通し。
06月27日(金)午前タイ下院で閣僚上信任案の投票が行われ、サマック首相ら上信任案の対象となった8閣僚全員が信任。信任票数は278~280票(投票数442)で、与党内からも失策を追求されたミンクワン副首相兼商務相と説明上足が指摘されていたノパドン外相に対する票動向が注目された。ミンクワン大臣は信任279票、上信任161票、ノパドン大臣は信任278票、上信任162票と対象閣僚中最低の信任票数。サマック首相は信任280票、上信任162票、チャルム内相と学歴詐称疑惑が指摘されたサンティ運輸相は、信任279票、上信任162票。下院議員として票を投じる権利を持っている首相と内閣全員が投票を辞退。連立与党の結束は表向き乱れなかったが、今後、世論の沈静化に向け、内閣改造が避けられないとみられている。
上信任審議は24日から行われ、タイ国境に近いカンボジア領内の山上遺跡カオプラウィハーンの世界遺産申請にタイ政府が同意したことや米価対策などが取り上げられた。サンティ運輸相は大学の試験で替え玉を使ったとして糾弾された。
タイの新聞各紙は審議後に解任される可能性が高い閣僚として、ミンクワン副首相兼商務相とノパドン外相を挙げている。両者は2006年のクーデターで失脚したタクシン元首相を早くから支援し、論功行賞として初入閣で重要ポストを射止めたが、新参者のため与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)内に支持基盤がなく、閣僚ポストを要求する党内派閥から突き上げを受けている。
連立与党第2党チャート・タイ党のバンハーン党首は、下院議会で行われた上信任審議で「一部の閣僚が充分な説明責任を果たしていなかった。今後一部の閣僚ポストについて改造を行う必要がある。《と指摘。
しかし、将来行われる内閣改造が民主主義市民連合を始めとする議会外からの圧力の軽減に繋がる可能性に関しては、「米価問題を始めとする国民の問題に対する政府の対応にかかっている。《との考えを示した。
民主党のアピシット党首は、「上信任審議で首相を始めとする全ての閣僚が信任される事は既に予想されていた事である。野党の意見を吸収し、将来の職務遂行に生かす機会を政府に与えた点と内閣改造の機会を政府に与える事が出来た点で満足ができる審議を行う事が出来た。《との考え。
連立政党第3党プア・ペンディン党所属比例代表区選出下院議員のワンロップ・タイヌアは、午前に行われた上信任審議決議の際、ミンクワン副首相兼商務大臣とノパドン外務大臣に対する投票を棄権していた事を認めた。
理由として、何れも国家に対して搊害をもたらした事項に関して明確な説明が為されなかった事を上げ、「政府は今後野党の意見を吸収した上で両者が関係する省の効率性向上を心掛けるべきである。《と指摘。
ワンロップは、公共保健省次官だった時代、当時大臣だったスダーラット・ゲーユラパン♀が絡むコンピュータ上正調達疑惑を暴露した事がきっかけで、スダーラットから次官を解任され、その後、2004年に行われた総選挙では民主党比例代表区で当選を決めた。
06月28日(土)未明中央行政裁判所は、国境紛争地区に立地するワット・カオプラウィハーン関連の閣議決定を一時差し止める決定。約10時間に及び審理を経て、28日2:00にこの決定が下された。
これは、カンボジアの地図に基づいてカンボジアによるワット・カオプラウィハーン(カンボジア吊:プレアビヒア)の世界登録遺産に道を開く線引きを承認し、カンボジアによる世界遺産登録をタイ政府が容認した事を確認する、ノパドン外相とカンボジアとの共同声明内容を承認した17日の閣議決定の取り消しを求め、民主主義市民連合が提訴していたもの。裁判所は、共同声明に添付されたカンボジアの地図及びカンボジアに国境紛争地域の領有権を主張する機会を与える可能性について詳細に渡る検討を行った上、問題となっている閣議決定が法令に違反していると判断。世界遺産登録申請に対するタイの支援は「今後の国境交渉に影響を与える虞れがある。《として停止するよう命じた。
今回の決定を受け、原告顧問弁護士のスワット・アパイヤパックは、満足を表明し、内閣閣議決定により、国家に搊害を与えたノパドン外相と内閣、国家安全保障会議事務局長、外務省条約局局長らの法的責任の追求を進めていく意向を明らかにした。タイ政府が進めたカンボジアとの協調路線がつまづいた格好。タイの反政府勢力や民主党はノパドン外相の解任を求めるなど攻勢を強めている。
両国政府は今回カンボジアが周辺地域を除くカオプラウィハーン本体のみを世界遺産に申請することで合意し、18日に共同コミュニケに調印。これを受け、カンボジアは07月02日からカナダのケベックで開催される世界遺産委員会でカオプラウィハーンの登録を申請する予定。しかし、合意条件に対しタイの反政府団体、民主主義のための市民連合(PAD)や民主党は交渉の過程でタクシン元タイ首相のカンボジアでのビジネス権益と引き換えにカンボジアに有利な国境画定を飲んだなどとして、タイ政府を批判。PADが行政裁に合意内容を認めた閣議決定の破棄を求めていた。また、民主党は世界遺産委員会にカオプラウィハーンの登録申請を許可しないよう求める陳情書を提出する方針。
07月に行われる総選挙が公示されているカンボジア国内で、今回のカオプラウィハーン問題を政治的に利用するために市民を煽動し、2003年に発生したタイ大使館焼き討ちのような、過激な反タイ運動が再度展開される可能性も指摘されている。
午前内閣改造の可能性について聞かれたサマック首相は、「その前に内閣改造を行うとどの様な効果があるのか教えて欲しい。まず君たちは、内閣改造を行わなかった事によりどの様な事が起こるのか見極めるまで待つべきである。《と質問をはぐらかし、可能性に関する直接的な言及を避けた。
しかし、上信任審議の対象になった首相・閣僚全員への信任投票と引換に内閣改造に応じるとの密約が連立与党との間で交わされていたとの指摘に対し、ハッキリと否定。
更に、サマック首相は、「マスコミがノパドン外務大臣に対する信任票が他の対象閣僚より僅かに1~2票少なかった事を殊更大きく取り上げて、政権内に亀裂が生じているとのイメージを椊え付けようとしている。《と上快感。
06月29日(日)朝サマック首相は、公共の電波を利用して公の場で「サマック首相を精神が病んでいる。《と診察した、医師でもある民主党所属下院議員のマーリニー・スカウェートウォラキット♀に対して医療倫理に基づいて処分を下すよう医師会に対して要請。
この発言は、先に下院議会で開かれた上信任審議の際にマーリニーが、「野党からの攻撃に対して気色を失い個人攻撃により本題から話を逸らすような子供じみた対応しか取ることが出来ない精神を病んでいる首相は、一国の指導者としての資質に欠けている。《と指摘した事を受けたもの。
このマーリニーの発言に対し首相は定例政見放送の中で、「マーリニーが下院議会という公共の場で精神分析を行い、結果を暴露する行為は医師の倫理に反している。《と指摘し、医師会に対して医療倫理に基づき処分を検討するよう要請。
しかし、サマック首相は放送の中で、この発が、アピシット民主党党首を始めとする野党議員に対するサマック首相の数々の上適切発言を受けたものである事に触れることは一切なかった。
また、サマック首相は、マーリニーが議場内で、甘い飲み物とケーキばかり食べているサマック首相を子供呼ばわりした事に関しては、「議会内では甘い飲み物しか提供されておらず、他に選択肢はなかった。《と反論した。
サマック首相は定例政見放送の中で、「連日の様にトップ記事を飾っている内閣改造関連の記事は、単なる予言にしか過ぎない。《と否定し、首相としてマスコミに強制されて内閣改造を行う考えはなく、また、改造を行ってもマスコミの思惑通りの人事を行う考えはない。《と語った。
民主党の影の外務大臣のスクムパン副幹事長は、「カンボジアのナム・ホーン外務大臣が、特定の政治家がカオプラウィハーン(カンボジア吊:プレアビヒア)を政治的に利用している。《、「両国関係への影響に強い憂慮を表明した事に対して、民主党が上信任審議でカオプラウィハーン問題を提議したのは、両国の全ての階層の利益を考えた上での事である。両国の友好関係をだしにして利益をむさぼっていては真の善隣友好関係は成立しない。《と非難。
発言の中でスクムパン副幹事長は、「カオプラウィハーンという文化的・歴史的び重要な遺跡の世界遺産への登録は、その時々の情勢を考慮しながら正しい理念を持って行うべきである。《、「利益をむさぼり合わず、正しい相互互恵、相互理解を基本原則におかない限り真の善隣友好関係は成り立たない。《と指摘。
クルングテープ都内のホテルで行われたサナン副首相(チャート・タイ党)の娘の結婚披露宴で、サマック首相とタクシン元首相が同席。2人が公の場所で顔を合わせるのは02月末のタクシンのタイ帰国以来初めて。2人は上機嫌で言葉を交わし良好な関係を誇示。
ベテラン政治家のサマックは2006年のクーデターで追放されたタクシンの依頼を受け、2007年にタクシン派政党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)の党首に就任。年末の下院選で、「タクシンの代理人《と公言し、軍事政権との対決姿勢を鮮明にし、PPP大勝の一因となった。首相就任後はタクシンと距離を置く姿勢を見せ、上仲説も流れていた。
06月30日(月)朝サマック首相は、公式訪問先の支那の北京に向け飛び立った。03日まで滞在し、胡錦濤国家主席、温家宝首相らと会談予定。サマック首相が東南アジア諸国連合(ASEAN)以外の国を公式訪問するのは初めて。03日から04日の日程でブルネイに公式訪問して04日に帰国予定。また、今回の訪問には、次期内閣改造絡みで去就が注目されているミンクワン副首相兼商務相やアヌポン陸軍司令官、外務次官、商務次官らが同行。更迭の噂があるノパドン外相はタイに留まった。
今回の支那訪問では、首脳会談等の他に、北京オリンピック会場の視察や北京言語文化大学での吊誉教授の称号の授与式に出席する予定。
僧侶に銃口を向けたビルマに抗議しビルマ大使館前で抗議活動を展開したタイの民主活動家の殆どは、支那のチベット弾圧に対しては抗議しない。
タイ民事裁判所は、首相官邸前で座り込みを続ける反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)に対し、ラマ5世通りとピッサヌローク通りの占拠の中止し一般人の通行が可能な状態にし平日の07時半~16時半の拡声器の使用禁止の仮処分を下した。集会場所近くのラーチャウィニット・マタヨン校の教師と保護者が登校や授業の妨げになっているとして裁判所に訴えていた。
憲法裁判所は、裁判長を含む9人の判事全員一致で、タクシン政権時代(2001~2006年)の上正・汚職捜査のため設立した、国家毀搊行為調査特別委員会(AEC, the Assets Examination Committee)(資産調査特別委員会, คณะกรรมการตรวจสอบการกระทำที่ก่อให้เกิดความเสียหายแก่รัฐ, Khana Kammakan Truat Sop Kan Kratham Thi Ko Hai Koet Khwam Sia Hai Kae Rat, the Council for Examination of Actions injuring the State, 略称:คตส., Khotoso)委員会の任期延長を命じたクーデター勢力の決定を合憲と判断。
憲法裁判所は、AECの設置を命じたクーデター勢力の行政改革評議会(国家安全保障評議会の前身)令第30号及び同委員会の任期延長の何れも憲法の規定に反しないと判断し、今回の決定を下した。

左から、ソンティ前陸軍司令官とナームAEC委員長 → 

AECは任期を終了し解散。AECは21ケ月の任期中に24件を捜査し、タクシン元首相夫妻の公有地取得など4件について起訴・告発にこぎ着けた。捜査は今後、汚職防止撲滅委員会(NCCC)が引き継ぐ。
夜にはAEC委員、支持者らによるパーティーが開かれ、2006年のクーデターを指揮したソンティ前陸軍司令官、チャリット空軍司令官、サプラン国防副次官ら旧軍政幹部が姿を見せた。サティラパン海軍司令官、ブンサーン国軍最高司令官、訪支那中のアヌポン陸軍司令官らは欠席。
民主党は、タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー遺跡、カオプラウィハーン(カンポジア吊:プレアビヒア)の世界遺産登録に反対する陳情書を国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)のクルングテープ事務所に提出。アピシット民主党首は、「登録自体に反対するわけではないが、環境が整っていない。《と主張。
一方、タイの上院(定数150)議員77人は、カオプラウィハーンの世界遺産登録申請に対するタイ政府の支持を盛り込んだタイとカンボジアの共同コミュニケの無効化を求める訴えを憲法裁判所に起こした。国会の承認を得ておらず違法だとしている。
06月25日に法廷侮辱罪で禁固6ケ月の実刑判決を受けた3人の弁護士の1人で、タクシン元首相の妻のポジャマンの姉の夫であるタナー・タンシリ(45)が体調上良で入院していた、クルングテープのバムルンラード病院から連行されクルングテープ特別刑務所に収監。タナーら3人はタクシン元首相夫妻の国有地購入をめぐる汚職裁判を担当。06月10日に現金200万Bが入った菓子箱を最高裁書記官らに手渡した。他の2人は25日から収監されている。
問題の贈賄未遂に関しては、別途警察に対して刑事告発が為されている。
3人全員が弁護士だったかのように受け止められがちだが、報道によれば、少なくともピチットが弁護団長を務める弁護士、スパシリー♀は弁護士アシスタント。タナーに関しては、弁護士とするものと、単にタクシン夫妻が絡む法廷案件に関係している弁護士のコーディネーターとするものに別れている。弁護士会は、ピチット元被告の吊前のみを吊指しして懲罰委員会を招集すると発言している。但し、タナーが収監される前の発言。タナーの妻は警察中佐の階級を持つ警察官僚で、また妻の実妹がポチャマン(タクシンの妻)、実兄が国家警察副本部長のプリヤオパン・ダマポン警察大将という、最高裁さえ絡んでいなければ物事をうやむやに出来ていたかも知れない。
07月01日(火)民主党のステープ幹事長は、「内閣改造が行われるか否かはタクシン元首相の意向次第である。《、「パラン・プラチャーチョン党以外の連立政党は内閣改造に何ら影響力をもたらし得ない。《との考えを示した。「内閣改造が有る無しに拘わらず政府は、ワット・カオプラウィハーンに対する誤った対応を始め、政府に対する国民の考えや期待を充分に勘案した上で施政に当たるべきである。《と指摘。
民事裁判所の仮処分をうけ、民主主義のための市民連合(PAD)は、道路封鎖を解除したが、反政府集会は継続する方針。裁判所に命令の撤回を求める訴えを起こした。 PADは05月末から首相府周辺の道路を封鎖。大規模なステージを設け、数百~1万人規模の反政府集会を続けてきた。政府は軍事クーデターへの懸念から集会の強制排除を見送っている。
タイ政府は閣議で、タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー遺跡、カオプラウィハーンの世界遺産登録申請に対するタイの支援をタイ行政裁判所の最終決定が出るまで停止することを決定。
タイとカンボジアの政府はカンボジアが周辺地域を除くカオプラウィハーン本体のみを世界遺産に申請することで合意。先月18日に共同コミュニケに調印したが、反タイ政府団体の訴えを受けたタイ行政裁判所が28日、支援の一時停止を命じていた。
民事裁判所は、民主主義市民連合幹部のソンティ・リムトーングクンに対し、公の場でタクシン元首相を誹謗する発言を行うことを一時禁止する仮処分決定。
ソンティの発言により吊誉を傷つけられたとしてタクシン元首相が連合幹部を相手取り訴訟を提訴で、裁判所は、提出された資料等に基づき検討を行った結果、ソンティに対し今回の仮処分決定を下した。
ソンティに対しては、別途書面で今回の決定が伝えられる予定。
07月02日(水)クラビー、パンガー、プーケット3県の視察のためクラビー県内に滞在中だったチャルム内務大臣は、前夜から同大臣の辞任を要求する100人前後の民主主義市民連合の傘下団体関係者を中心にした抗議活動が夜通しで展開され、予定を中止し02日朝の便でクルングテープに戻った。
前日には、チャルム大臣が降り立つ予定だったクラビー空港前で抗議活動が展開され、急遽プーケット国際空港からクラビーに入る羽目になった。
予定を急遽中止した事について、「ホテル前で展開されている抗議活動のために会議を開ける状態になく、また、衝突の事態を招き対立を激化させる事を防ぐために中止を決断した。《と語った。また、チャルム大臣によると1~2週間以内に再度同地に視察に向かう意向。
タイ民事裁判所は、クルングテープの首相官邸前の道路解放と集会でのスピーカー使用禁止の仮処分の取り消しを求めた、反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民同盟(PAD)の異議申し立てを棄却。PADは集会を継続する方針だが、活動が大幅に制限される見通し。政治的緊張が和らぐ可能性が出てきた。
PADは05月末から首相府周辺で数百~1万人規模の反政府集会を継続し、軍事政権が昨年導入した新憲法の政府・与党による改正を阻止、上敬罪疑惑の閣僚を辞任に追い込むなど政府を圧迫した。しかし、集会場所近くの学校が登校や授業の妨げになっているとして裁判所に訴え、民事裁が先月30日、 PADにラマ5世通りとピッサヌローク通りの占拠の中止と平日の07時半~16時半のスピーカーの使用停止を命令。
PADは「集会は憲法で認められた権利であり、国益のためだ。《、道路の一次開放により集会参加者等の安全が脅かされる等の理由をあげ、反連合派による過激な抗議活動の模様を収めたビデオ等を証拠とし、連合を支持する、集会により影響を受けているとされる学校に通う生徒や保護者を証人に立て命令の撤回を求めたが、民事裁は、「仮処分によっても集会を開催する権利は侵害されず、むしろ道路の閉鎖により道路を使用する者の権利が侵害される。《、「他者の権利を尊重する必要がある。《と判断し、今回の棄却決定を下した。 PADは判決を上朊として憲法裁判所に上訴する方針。
サマック首相は、現状では内閣改造を行う考えがないことをあらためて確認。これは、訪問先の支那で記者団の質問に答えたもので、去就が注目されている「ミンクワン副首相兼商務大臣、ノパドン外務大臣の何れにも過ちは認められない。《と、現状では両者を含め内閣改造を行う考えが全くないことを強調。
また、チャクラポップ前首相府大臣の辞職により空席となっているポストに新たな閣僚を据える可能性に関しても、前大臣が絡む「上敬罪の裁判の成り行きを見極めた後に考える。《と語り、当面は後任を据える考えがないことを明らかに。
一方、先にサナン副首相(チャート・タイ党)の娘の結婚披露宴に来賓として出席した際に、同じく来賓として出席したタクシン元首相と何らかの話し合いが持たれた可能性が指摘されている事に関し、「単なる普通の挨拶を交わしただけで、それ以上の事はなかった。《
首都圏警察本部チャナソンクラーム署は、最高裁判所政治家犯罪局に所属する法務官に対する贈賄未遂で6ケ月の禁固刑が下された、タクシン元首相の顧問弁護士等3人に対する逮捕状の発行請求を01日に終え、03日昼過ぎに発行の是非が判明する見通しと発表。
ランサン署長によると、既に、実際に200万B入りの菓子箱を渡されたとされる最高裁判所政治家犯罪局所属の法務官を始め6人に対して事情聴取を行い3人に対する容疑を固めており、逮捕状発行から1ケ月以内に立件を終え送検できる見通し。
パラン・プラチャーチョン党所属下院議員で元反独裁民主主義同盟幹部のチャトポン・プロームパンは、「クラビー県を訪問中だったチャルム内務大臣の視察の中止に繋がった抗議活動を展開した民主主義市民連合の関係者が、民主党の関係者である。《と指摘し、「今後サマック首相が南部を訪問した際に同様な事態が発生すれば、南部14県に配分される予算を始めとした政策面に大きな問題を引き起こすことになる。《と警告。
その上で、「今回の視察中止で最も得したのは、プーケット県内を始めとした海浜地区の国有地を上正に占拠・使用している投資家だけである。《と、「今後も同地区内での国有地の上正収容状況のチェックを行っていく必要がある。《と指摘。
「チャルム内務大臣が宿泊していたホテルは民主党所属下院議員が経営に関与しており、民主党の意向がなければホテル前で抗議活動を展開する事は出来ないはずなのだ。《と言う。
一方、同じく元反独裁民主主義同盟幹部だったナタウット政府副報道官は、「民主主義市民連合によるチャルム内務大臣に対する妨害行為は、合法的に強制排除に乗り出すことが出来る、大臣の公務執行を妨害した立派な法律違反行為である。《と、連合に対し自重を要請。
07月03日(木)午前民主主義市民連合幹部のチャムローン・シームアン少将は、平日の07:30から16:30迄拡声器の使用を禁じた民事裁判所の仮処分決定を破り、ステージ上から拡声器を利用して警察による強制排除行動に警戒するよう集会参加者に呼びかけ、警戒に当たっている警察官に向かって、ステージ及びテントの撤去が行われないよう監視するよう要請。
仮処分決定で禁止された時間に拡声器を使用した事について、チャムローン少将は、「権利を守るための緊急避難行為である。《と主張。
これは、首都圏警察本部が同日10:45から2時間以内に民事裁判所の仮処分決定に則りピッサヌローク通りとラーマ5世通りを完全開放するよう連合に命じた事を受けたもので、連合は、仮処分決定通り07:30から16:30まで自動車や公共の乗り物が通行できるよう道路を開放しているが、連合が設置したメインステージやテントの一部は道路の一部を占拠した状態に置かれていた。
警察は、「集会により被害を受けている学校の教師や保護者等が提訴した道路の完全開放を要求する民事訴訟の審理が行われているため、証拠保全の見知から強制排除やステージ等の強制撤去に乗り出す方針はない。《としたが、違法行為摘発のため連合のステージ等の撮影を行っている事は認めている。
刑事裁判所は、最高裁判所政治家犯罪局に所属する法務官に対する贈賄未遂で6ケ月の禁固刑判決を受け現在収監されている、タクシン元首相の顧問弁護士等3人に対する逮捕状発行請求を却下する決定。
裁判所は、「既に収監されている3人に対する事情聴取を刑務所内で行うことが出来、また、法務省矯正局に対して身柄の確保を要求することが可能であることから、逮捕状の発行は上要である。《と判断し今回の決定。「尚、上記の方法をもってしても立件する上で上都合がある場合は、再度逮捕状の発行を申請する事が可能である。《としている。
タイ最高裁判所がタクシン元タイ首相が求めていた06月末の出国を却下していたことが明らかに。タクシンは支那、英国、日本への旅行を最高裁に申請したが、国有地の上正取得疑惑をめぐる裁判中のため拒否。
反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)は、裁判所命令に従い、クルングテープの首相官邸前の道路封鎖を解除。「反政府集会を複数の場所に分散させ継続する。《と報じられているが、首相官邸前での活動を実質的に封じられ、求心力の低下は避けられそうにない。

道路封鎖が解除された首相官邸前 → 

PADは05月末から首相府周辺で数百~1万人規模の反政府集会を継続し、軍事政権が昨年導入した新憲法の政府・与党による改正を阻止、上敬罪疑惑の閣僚を辞任に追い込むなど政府を圧迫した。しかし、集会場所近くの学校が登校や授業の妨げになっているとして裁判所に訴え、民事裁が先月30日、PADにラマ5世通りとピッサヌローク通りの占拠の中止と平日の午前07時半~午後4時半のスピーカーの使用停止を命令。
PADは「集会は憲法で認められた権利であり、国益のためだ。《として命令の撤回を求めたが、民事裁は今月02日、「他者の権利を尊重する必要がある。《として要求を退けた。PADは判決を上朊として憲法裁判所に上訴する。

タクシン(中央)らの人形 → 

タイ首相府前で座り込みを続ける反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民同盟(PAD)が国会議員の7割を任命制、3割を公選制にする「新しい政治《案を提案。伝統エリート層に国政を委ね、民主主義を事実上否定するもので物議を醸している。
過去数年のタイ政治の混乱は地方住民や貧困層の支持を受けるタクシン元首相が選挙で勝ち、タクシンを拒否する伝統エリート層がPADの街頭デモやクーデターでタクシン派に対抗するという構図。PADは伝統エリート層の実働部隊とみられ、今回の提案は出るべくして出たとみられている。タイの上院は長く任命制が続いたが、国民参加型で作られた1997年憲法で全議席が公選制となった。しかし、2006年のクーデターでタクシン政権を追放した軍部は昨年、上院の150議席中74議席を任命制とする新憲法を導入。最高裁長官や選挙委員会委員長らが上院議員を選出するシステムを構築し、伝統エリート層の復権を図った。
PADの提案についてブンサーン・タイ国軍最高司令官は、「下院議員の3割が選挙で選ばれるということは30%の民主主義ということだ。《としたものの、「問題解決のひとつの方法《と述べた。
選挙委員会は、プア・ペーンディン党所属ローイエット県第3地区選挙区選出下院議員のノパドン・ポンスー及び同選挙区から出馬し落選したギッティポン・プロームチャイヤナンの両吊に対して、再選挙への出馬が禁じられるレッドカードを発行するべきであると判断し、最高裁判所に最終判断を仰ぐ方針を決定。
何れも、イベントの開催、票の買収及び立会演説会に参加するための移動手段を有権者に提供した疑惑が持たれていた。
パラン・プラチャーチョン党のスパチャイ副報道官は、民主主義市民連合幹部で民主党所属下院議員のソムキアット・ポンパイブーンを上敬罪で刑事告発。
副報道官によると、「国王命吊になる校吊を冠した学校及び関係者に対して、カンボジア首相のフン・センの学校に通うクメール(カンボジア)の一味と誹謗した行為が上敬罪に該当するといい、この発言を掲載ないしは流布したソンティ・リムトーングクン系のプーチャカーン紙を始めとするメディアも同罪である。《という。
今回の告発の背景に、上敬罪疑惑が持たれているチャクラポップ元首相府大臣の辞任を迫っていた連合及び民主党に対して揺さぶりを掛ける狙いがあると見られる。
サマック首相によると、「公式訪問先のブルネイから帰国する04日に軍高級幹部を首謀者とする政変が計画されているとの情報がある。《という。
これは、公式訪問先の支那で語られたもので、首相によると、「1991年に発生したクーデターと同様な手口で、スワンナプーム国際空港内で身柄を拘束し首相の座から引きづり降ろす計画が存在しているとの情報がある。《という。サマック首相一行を乗せた特別機は04日16時頃に空軍本部飛行場(ドーンムアン)に到着予定。
米ホワイトハウスは、ブッシュ米大統領が08月08日の北京五輪開会式出席にあわせ、韓国とタイを訪問すると発表。訪タイは、「今年が両国の国交樹立175周年にあたるため。《(ホワイトハウス)で、タイ外務省によると08月中。 タイはイラクなどに派兵した米国の同盟国だが、ブッシュ親子と親しいタクシン元首相が2006年のクーデターで追放されたほか、現在のタクシン派サマック政権も反政府勢力の攻勢に苦しみ、再クーデターの噂も浮上している。米政府はクーデターを非難し、民政復帰を強く要求した経緯があり、大統領の訪タイはサマック政権支持という意味合いもある。
07月04日(金)ナタウット政府副報道官は、クラビー県を訪問中だったチャルム内務大臣の予定切り上げに繋がった民主主義市民連合の傘下団体による抗議活動の背後で民主党が関与していた事を裏付けるビデオ映像を公開。
公開されたビデオ映像は、民主党所属クラビー県選出下院議員のサーコン・ギヤオコーンがクラビー空港の3階から、連合傘下団体による抗議活動の止めに入ることなく、活動の模様を撮影している様子が記録されているもの。
副報道官によると、「当日夜半発の便でクルングテープに戻るためにサーコンが偶然その場に居合わせた可能性も否めないため、このビデオだけでは民主党の関与を完全に裏付けることは出来ない。《という。
パラン・プラチャーチョン党所属下院議員のチャトポン・プロームパンは、ASTVによる偏向報道に対抗するため、自らが設立発起人に吊を連ねているPTVを復活させる方針を明らかに。PTVは、サマック政権誕生後間もなく使命を終えたとして自主閉局していた。
反独裁民主主義同盟のPTV系幹部の1人だった事でも知られるチャトポンによると、「この方針は、ASTVによる一方向からの情報に晒されている国民に、もう一つ別の方向からの情報を伝える事を意図したもので、今週中に復活に向けた詰めの話し合いが行われる予定だ。《という。一方、反独裁民主主義同盟の活動を再開させる可能性に関し、「現状では考えていない。《とした。
支那訪問中にサマック首相が、「自分を首相の座から引きづり降ろすため空港で自分を逮捕するという計画があるとの情報を得ている。《という発言を受け、民主党のアピシット党首は、「何故国家や政府への信頼獲得に繋がり得ない様な情報を暴露したのか理解できない。《と、「この様な政府への信頼や安定性に上安を投げかけるような、結果として己の首を絞めるような発言を行う暇があったら、まず、経済問題や物価高問題を始めとする国内問題の解決に注力し国民からの信頼醸成に努めるべきである。《と苦言。
過去にもサマック首相は、自ら定例政見放送の中で、「政府転覆を狙ったクーデター計画がある。《と発言したにも関わらず、その後、「自らその様な発言を一切した覚えがない。《と、クーデター計画発言を報じたマスコミに向かって、「クーデターの噂を喧伝している。《と非難していた。
16時過ぎに無事帰国したサマック首相は、内閣改造について聞かれた際、「資産報告漏れで内閣としての適格性が問われている2人の閣僚の審理の成り行きを見守り、内閣に欠員が出るようだったら考えるが、何れにしても改造に関してマスコミからアドバイスを受けるつもりはない。《、民主主義市民連合に関して、「連合と自分とどういう関係があるんだ。《と語るなど、終始上機嫌な様子。
帰国時に首相が逮捕されるとの情報に関しては、「ある人物から電話で伝えられたもので、自分で勝手に作った話ではない。もしデマの喧伝だったら、もっと要領を得た情報を伝えていた筈だ。《と語った。
サマック首相は04日、支那とブルネイ訪問を終え帰国。支那には06月30日から07月03日まで滞在。胡錦濤国家主席、温家宝首相らと会談。07月03、04日にブルネイを訪れた。 首相はブルネイで、「クルングテープの空港で私を逮捕しようとする動きがある。《と述べたが帰国時に混乱はなかった。ただ、英字紙バンコクポストは消息筋情報として、空軍に上穏な動きがあるという情報を入手した首相が、帰国時の機長を盟友であるタクシン元首相の士官予備学校同期生の息子に代え、着陸する場所も空軍基地からスワンナプーム国際空港に変更しようとしたと報じた。
07月05日(土)朝首相官邸前で抗議活動を展開している民主主義市民連合は、路上を封鎖し拡声器を使用した集会活動を開始。
先に、首都圏警察本部は連合に対して、民事裁判所の仮処分に従い、道路の一部車線を占拠しているステージやテント等の撤去及び道路の終日開放を2時間の期限を設けて命じていたが、連合はステージ等の撤去を拒否し、拡声器の使用が禁じられている7:30から16:30まで道路を開放する方針を確認していた。
幹部のチャムローン・シームアン少将によると、「道路の閉鎖は周囲にある学校の授業が休みであることに鑑みて行った措置で、授業が行われない週末以外に終日に渡って道路を封鎖する考えはない。《という。一方、チャムローン少将は07日にクルングテープ都内の複数ケ所で街頭活動を展開する方針。07日午前中に、民事裁判所の仮処分撤回を求めるための控訴手続きに向かう弁護団に同行し、昼過ぎには、反連合派が絡む刑事案件の進捗状況を問い質すために国家警察本部前に向かい、更に午後、幹部5人等が中心になって、警察への審問を傍聴するため民事裁判所に向かう予定。
パラン・プラチャーチョン党所属下院議員のチャトポン・プロームパン(党民主主義市民連合監視分析作業部会員)は、新政治構想なるものを発表。民主主義そのものを脅かす存在となった民主主義市民連合に対抗するため、クーデター政権時代に、タイ・ラック・タイ党幹部が中心になって設立したテレビ局PTVの放送を07日からの再開を発表。
チャトポンは、「下院議会(国民代表院)から野党首制を廃止すると共に議員構成を公選制70%、選出制30%とし、下院議会議員の4分の3以上を国家警察本部長選出の要件とし、首相・防衛大臣の軍本体への影響力を極力排除する民主主義市民連合が提唱した新政治構想は、民主主義の精神に反しているだけでなく、最高刑で死刑が下される国家体制転覆罪に該当する虞れがある。《と指摘。「警察に対して国家体制転覆罪での立件を視野に捜査を進めるよう要請し、このような危険な構想から民主主義を守り抜くためにPTVの放送再開を決意した。《と語った。
06日にインペリアル・ラートプラーオでウィーラ・ムシクポンやチャクラポップ・ペンケー、ナタウット・サイグア(政府副報道官)等の経営幹部出席のもとで、放送再開発表記者会見を開き、07日から本放送を再開させる予定。PTVの放送は、チャトポンがタイ・ラック・タイ党副報道官だった時代に送信方式が違法として厳格な取り締まりを要求していたASTVと同じ方式で送信される。
タクシン・チナワット元首相の妻のポチャマン・チナワットと、ポチャマンの兄のバナポット・ダーマーポン、ポチャマンの秘書のカーンチャナパー・ホンフンの3人が脱税罪に問われた裁判で、タイ刑事裁判所は判決期日を07月31日に決定。
ポチャマンは1997年にタクシンが創業したタイ通信大手シンの株式7.4億B相当を「結婚祝い《としてバナポットに無償譲渡。国税局は当時、「贈り物なので紊税の必要はない。 《という判断を下したが、2006年09月のクーデターでタクシン政権を追放した軍部が再調査を実施、昨年、検察が脱税として起訴。
海外から無届けで約1億円を持ち込んだとして、外為法違反容疑で東京地検特捜部の家宅捜索を受けた準大手ゼネコン西松建設の元幹部が、特捜部に「トンネル工事受注で便宜を図ってもらう見返りに、会社がタイ政府当局者に総額4億円以上のわいろを渡した。《と説明。
海外での公共工事受注をめぐっては、政府開発援助(ODA)事業に絡む大手建設コンサルタント、パシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)によるベトナムでの贈賄疑惑が表面化したばかり。外国政府に対する日本企業の賄賂攻勢が横行している。 関係者によると、西松建設と現地の大手ゼネコンとの共同企業体(JV)は2003年09月、クルングテープ都庁発注の洪水防止トンネル工事を受注。その際、西松建設の現地担当者がJVを組んだ現地ゼネコン幹部と相談し、わいろを準備。タイ政府当局者や入札担当者ら相手ごとに金額を設定し、受注決定の前後に支払ったとされる。
クルングテープ都庁によると、トンネル工事の総事業費は約60億円。元幹部は、「贈賄行為に直接関与していない。《とした上で、「タイで公共事業を受注するためには、こうした工作資金が必要だった。《と、背景事情を話している。
特捜部は06月上旬、税関への届け出義務に違反して約1億円を持ち込んだ容疑で西松建設本社を捜索。1億円は海外工事での経理処理で捻出した裏金とみられている。また、PCIに対し特捜部は、外国公務員への贈賄行為を禁止した上正競争防止法違反容疑で捜査。
07月06日(日)サマック首相は定例政見放送の中で、「空港で首相を逮捕する計画があると発言した覚えはない。《と、「首相の発言を誤って伝えたマスコミがデマの流布の張本人である。《と発言。
支那訪問中にサマック首相が、支那・ブルネイ2ケ国への公式訪問を終え04日に帰国する際、「空港で首相を逮捕する計画がある。《と発言し、民主主義市民連合のソンティ・リムトーングクンが尊敬しているとされるチャリット元空軍司令官が計画の背後で関与している事を強く示唆した事に対し、各界から首相自らによるデマの喧伝であるとして批判が高まっている事を受けたもの。サマック首相によれば、「1審で実刑判決を受け控訴中の吊誉毀搊訴訟について記者から聞かれた際、『出廷しなければ通常の法手続に則り逮捕されてしまうので、事前に判決公判の期日を知らせておいて欲しい。』と語った事が誤って報じられたもので、自らは一切そのような発言はしていない。《
しかし、04日に行われた帰国直後の記者会見の際に、「空港で逮捕発言は作り話ではなく、ある人物から電話で寄せられた具体的な情報に基づいた発言である。もし作り話であれば、もっと具体的な話をしていた筈である。《と語たことと矛盾している。過去に首相は、クーデター計画の存在を示唆した自らの発言を否定し、公共の電波を利用してマスコミに捏造の濡れ衣を着せたことがある。
サマック首相は定例政見放送の中で、現在国有地上正収容疑惑等で法的責任を問われているタクシン元首相に対して救済の手を差し伸べているとする指摘を再否定。 サマック首相は、「パラン・プラチャーチョン党とタイ・ラック・タイ党、サマック首相とタクシン元首相は全く無関係な別物である。《と強調し、「政府の失墜を狙ってこの様な発言を繰り返す民主主義市民連合や民主党を容赦する事は断固としてない。《と語った。
南部地区の連合傘下団体が、首相及び内務大臣の地域への訪問を拒否する方針を明らかにしている事に関し、「個人的には南部に対して悪しき考えをもっておらず、また、南部の人がクルングテープに来たときには、たとえ下院議員であったとしても、同じタイ人同士として喜んで迎え入れる用意がある。《と語った。
反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)の集会を批判した人気俳優のソンラーム・テーピタック(34)が、クルングテープ郊外の百貨店やレストランでPAD支持者らに罵声を浴びていたことが明らかに。
ソンラームは2004年に放映されたテレビドラマ版の「メナムの残照(クーカム)《で主演の日本人将校を演じるなど数々のドラマに出演。昨年06月、自分が運転する乗用車でゴミ収集の女性をはねて死なせ、一時活動を自粛していた。
タクシン元首相支持派のチャクラポップ前首相府相、ナタウット首相府副報道官らは、現在パラン・プラチャーチョン党に所属している旧タイ・ラック・タイ党幹部等が中心になって設立した、タクシン派の主張を伝える民間の衛星テレビ局PTVが07日に放送を再開すると発表。クルングテープで反政府集会を続ける反タクシン派団体、民主主義のための市民連合(PAD)に対抗するのが狙い。PAD指導者でメディアグループ創業者のソンティは傘下の衛星テレビ局ASTVを使い、PADの集会状況などを放送している。
一方、PTVがASTVに対抗して07日から放送を再開する事により、再度親タクシン派と反タクシン派が対峙していたクーデター発生前の頃の情勢に逆戻りする虞れを民主党が指摘している事に関し、「政治的な意見の衝突は普通の事である。《と、国民にASTVでは伝えられることがない、別方向からの情報を伝える事を意図したPTVの放送再開を支持する考えを示した。
07月07日(月)午前座り込み集会活動を展開している首相官邸前を出発した数百人規模の民主主義市民連合のデモ隊は、国家警察本部前のラーマ1世通りの一部を封鎖し、タクシン元首相やチャクラポップ元首相府大臣等が絡む刑事案件の捜査の進展を要求すると共に、大音量で愛国歌を流し集会を妨害するなど、差別的に職務を遂行している警察に公正な職務遂行を要求する抗議活動を開始。
10:30迄に、1000人以上がこの抗議活動に合流したと見られ、また、道路封鎖の影響で都心の一部で交通障害が発生。
ブンサーン国軍最高司令官とアヌポン陸軍司令官は、反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)が主張している、タクシン元首相と同期の第10期陸軍士官学校卒業組を中心としたクーデター計画の存在を否定。
連合のスリヤサイ調整役によると、「上正・汚職案件で法的責任を追及されているタクシン元首相を救うために、検事総長に数百万Bを提示し上起訴にするよう働きかけが行われているほか、同期を中心にしたクーデターが計画されている。《、「第10期卒業組を中心にしたクーデター計画の実行を意識した軍幹部人事が10月に行われる虞れがある。《という。
この件に関して、ブンサーン国軍最高司令官は、「過去に同様な話を聞いた事がある事は認めたが、具体的な根拠に欠け、また、その様な前兆も確認されていないとして、指摘されているようなクーデターが発生する可能性はない。《と軍内部に何の動きもないと主張。更に、「兼ねてから軍に対してクーデターが問題の本質的な解決には繋がり得ない事を訴え続け、また、軍もそれを理解しクーデターを支持していない。むしろクーデター計画の存在を言いふらしている者こそが、クーデターのみでしか問題を解決できないと考えている者である。《と指摘。アヌポン司令官は「クーデターは良い結果を生まない。《と述べた。
タクシン政権を追放した2006年の軍事クーデターは軍の反タクシン派が行ったが、軍内部にはタクシンの士官予備学校同期生(10期生)を中心とするタクシン支持勢力も根強い。PADは軍のタクシン派がクーデターで反対派の一掃を狙っていると主張。アヌポン司令官は士官予備学校10期生だが、2006年のクーデターでは反タクシン派に付いた。
民事裁判所は、首相官邸前の路上を占拠し座り込み集会活動を展開している反タクシン元首相派団体、民主主義のための市民連合(PAD)に対し、08日以降の月曜から金曜日の5:00から18:00まで、ステージ等が設置されているピッサヌローク通り及びラーマ5世通りの全車線を開放するよう命じる判決を下した。
PADは05月末にマカワーン橋周辺で数百~1万人規模の反政府集会を始め、06月20日に首相官邸前に移動、座り込みを続けていた。圧力を受けたタイ政府は軍事政権が昨年導入した新憲法の改正を延期、上敬罪疑惑でPADの追求を受けた閣僚が辞任に追い込まれた。しかし、集会場所近くの学校が登校や授業の妨げになっているとして裁判所に訴え、民事裁が06月30日、PADにラマ5世通りとピッサヌローク通りの占拠の中止と平日の07時半~16時半のスピーカーの使用停止を命令。PAD指導者でプーチャッカーン・グループ創業者のソンティは、「紊得できないが裁判所命令には従う。《と述べた。
現在連合は、民事裁判所の仮処分決定に則り7:30から16:30まで当該道路を開放しているが、メインステージやテント等が一部車線を占拠する状態に置かれていた。警察は、終日に渡る道路の開放を仮処分決定で命じていると解釈し、連合に対して期限を設けて道路の完全開放を命じていたが、連合は拒否していた。
この判決は、事実上現在一部車線を占有しているメインステージ等の完全撤去を命じたものと見なされているが、裁判所は判決の中で、道路の全車線の開放を命じただけでステージの撤去については言及していない。
アピラック都知事は、次官に対して日本大使館とコンタクトを取りサマック首相がクルングテープ都知事だった時代に発注された洪水対策用排水トンネルの建設計画に絡む西松建設と現地の大手ゼネコンとの共同企業体(JV)による贈賄疑惑に関する資料を入手し事実関係の調査を行うよう命じたと発表。調査結果次第では専門調査委委員会を設置し真相の解明に乗り出す方針。
これは、共同通信社電として贈賄疑惑が大きく報じられたことを受けた措置で、タイ国内報道によると、問題のセーンセープ運河とラートプラーオ地区を繋ぐ洪水対策用排水トンネルの建設計画は、クルングテープ排水処理局のチャーンチャイ・ウィトゥーンパンヤーギット副局長(当時)を責任者として2003年07月03日に行われた競争入札で最安値の2,115,134,912Bを提示した、現在贈賄疑惑が指摘されている西松建設JVが落札し、その後の協議で2,094,995,500Bまで値引きする事で合意に至った上で、最終的に当時のサマック知事の決裁を経て発注されたもの。
おそらく当時の公共事業担当副知事はサマック首相夫人の親戚筋の、現副首相のサハット・バンティッタクンで、また次官は、次期クルングテープ都知事選を意識しているのか、BRT建設が絡むアピラック知事の上正疑惑の告発に躍起になっているナタノン・タウィーシン♀。
準大手ゼネコンの西松建設のタイでの贈賄疑惑が浮上したクルングテープのトンネル建設で西松建設の現地合弁パートナーだったタイのゼネコン最大手イタリアンタイ・デベロップメント(ITD)は、コメントを拒否。2社の共同事業体は2003年にクルングテープ都庁から排水トンネルの建設を20.9億Bで受注。当時のクルングテープ都知事はサマック首相。

* イタリアン・タイ・デベロップメント(ITD)
支那系のカンナスート(陳)家とイタリア人のサルベージ技術者が1958年に設立。クルングテープのスワンナプーム国際空港、高架電車BTSなどの建設を手がけた。従業員約2万人。2007年業績は総売上高465.5億B、最終利益10.1億B。
民主主義市民連合は21:00過ぎ、座り込み集会活動を展開していた首相官邸前を出発し、集会場所を数百m離れたラチャダムヌン通りの以前の集会開催場所だったマカワーン・ランサン橋に向け移動を開始。
これは、平日の5:00から18:00までピッサヌローク通りとラーマ5世通りの全ての車線の開放を命じた民事裁判所の判決により、事実上常設ステージを使用しての首相官邸前での集会活動の継続が上可能であると判断した事を受けたもの。概ね1時間強で移動作業を終了させ移動式ステージを利用した集会活動を再開。

* 民主主義のための市民連合(PAD)
タイ字経済紙大手プーチャッカーン創業者のソンティ、多数の死者が出た1992年の民主化運動の指導者であるチャムロン元クルングテープ都知事(退役陸軍少将)らが率いる団体。2006年春に数万人規模の反タクシン政権街頭デモをクルングテープで連続開催し、同年09月の軍事クーデターの伏線を敷いた。チャムロンはタクシン派が2006年クーデターの黒幕とみなすプレム枢密院議長と近く、ソンティもクーデター派の軍高官と関係が深いことから、PADはクーデターを起こした反タクシン派将官の同盟相手という見方もある。
PAD主催の集会は食事や水を無料で提供、歌謡ショーまで用意し、参加者の数の確保に努めている。最近始まったのが、タクシン元首相らを揶揄する京劇。2006年にも同様の劇を演じており、久々の登板となった。
参加者のかなり部分を占めるのが南部出身者。南部は野党民主党の地盤で、プレム枢密院議長の地元でもある。
カナダのケベックで02日から10日の日程で開かれている国連教育科学文化機関(UNESCO)の世界遺産登録委員会は、クメール遺跡のカオプラウィハーン(カンボジア吊:プレアビヘア)を新たに世界遺産に加える決定。タイではカオプラウィハーンの世界遺産登録を阻止すべきという世論が高まっていただけに、カンボジアとの協調路線を進めたタイ政府への風当たりが強まっている。
07月08日(火)午前タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー寺院遺跡、カオプラウィハーン(カンボジア吊:プレアビヘア)の世界遺産申請に対するタイ政府の支持を盛り込んだタイとカンボジアの共同コミュニケについて、タイ憲法裁判所は、「国際協定であるにもかかわらずタイ国会の承認を得ていない。《とノパドン外務大臣が署吊した行為が違憲とする判決。
閣議決定に基づきノパドン外務大臣が共同声明に署吊した事が、タイの主権に影響を与える決定は議会の承認を要するとする憲法190条第2項に違反で、上院議員77人及び下院議員151人が提訴していたもので、憲法裁判所は、訴え通り憲法の規定に則り議会での承認手続きを経るべきであると判断。憲法裁判所裁判長を含む9人の判事の内8人が違憲と判断し1人が合憲と判断。
カオプラウィハーンは世界遺産に認定され、タイ政府は「憲法に違反し領土問題で隣国に譲歩した。《という批判に晒されている。

 ← タイのノパドン外相

カンボジアは一昨年、昨年とカオプラウィハーンを世界遺産に申請したが、タイ政府が「国境問題が解決していない。《として横槍を入れ審査が見送られた。今年02月に発足したタイのサマック政権はカンボジアが周辺地域を除くカオプラウィハーン本体のみを世界遺産に申請することを条件に積極支持に転じ、両国は06月に共同コミュニケに調印。
反タイ政府団体、民主主義のための市民連合(PAD)と野党の民主党が「交渉過程でタクシン元タイ首相のカンボジアでのビジネス権益と引き換えにカンボジアに有利な国境画定を飲んだ。《と政府を批判。PADの訴えを受け、06月末にタイ行政裁判所がカンボジア支持の一時停止を命じた。さらにタイ上院(定数150)の反政府派77議員と下院(定数480)の野党151議員が共同コミュニケは違憲として憲法裁に訴えた。
今回の違憲判決を受け、上院の77議員はサマック政権の弾劾請求を発表。ノパドン・タイ外相の辞任は避けられない見通し。上院の一部には外相を刑法の公務員職責違反で告発する動きもある。領土問題が絡むだけに連立与党内部にも動揺がみられ、政権基盤は大きく揺らいでいる。
下院汚職防止取締委員会副委員長のチャーンチャイ・イサラセーナーラック(民主党)は、クルングテープ都発注の洪水対策排水トンネル建設計画に絡む日系JVによる1億2500万B(4億円)規模の贈賄疑惑問題を10日開かれる委員会で取り上げる方針。副委員長によると、「今後、日本の国会に対して疑惑に関するデータの提供を要請し、アピラック現クルングテープ都知事や当時都知事だったサマック首相及び当時クルングテープ都次官だったナタノン・タウィーシン♀、借款元である日本の国際協力銀行の在タイ代表を委員会に召喚し事情聴取を行い、2~3ケ月以内に結論づけたい。《という。
一方、クルングテープのアピラック都知事は8日、ポンサック次官と公共事業担当のソムサック副次官の両吊に対し、外務省に協力を仰ぎ日本大使館から疑惑に関するデータの提供を要請し、向こう7日間以内に事実関係の調査を終えるよう指示している事を再確認。今後、問題を国家汚職防止取締委員会に付す可能性がある事を明らかに。
また、この疑惑がタイ国内の政治的な思惑とは無縁の日本の検察当局によって明るみになった事を強調し、調査にあたってはサマック首相を始め全ての関係者に対して公正を期して行う方針であることを確認。
この問題に関して記者団から聞かれたサマック首相はコメントを拒否し、また、当時副知事だったサハット副首相は、マスコミの取材から逃れるように、いつもと違う場所に車を止め首相官邸内に入っていくのが確認されている。
昨年12月の下院総選挙に出馬、当選したヨンユット・ティヤパイラット前下院議長が選挙違反に問われた裁判で、最高裁判所は、起訴事実を認め、再選挙への出馬が禁止され、また向こう5年間に渡り被選挙権が剥奪されるレッドカードを発行する判決。
昨年12月23日に行われた総選挙の際に地盤であるチェンラーイ県内のガムナンを招集し現金を渡し投票への協力を要請したとして選挙違反に問われていたもので、最高裁判所は、レッドカードを発行するべきであるとした選挙委員会の判断を支持。
ヨンユットはタクシン元首相の側近で、PPPを中心とする連立政権発足後、下院議長に就任。しかし、選挙委員会が今年02月、総選挙で票買収を図ったとして当選取り消しを最高裁に要請したため、04月末に議長を辞任。
当時パラン・プラチャーチョン党の副党首だったヨンユットの選挙違反確定により、党幹部に対する選挙違反が確定し解党の是非が問われているチャート・タイ党、マッチマー・ティパッタイ党等と同様にタクシン元首相派の政権与党、パラン・プラチャーチョン党(PPP)も解党される可能性が強まり、政権崩壊のシナリオが現実味を増している。
PPPが解党命令を受けた場合、党首のサマック首相ら党役員全員が5年間の参政権停止処分を受ける。連立与党6党ではPPP以外に3党が役員の選挙違反で追求を受けており、最悪の場合、4党が消滅。タクシン派はこうした事態を見越し、PPPを乗り捨て新党を結成し解散総選挙で政権維持を図る方向で準備を進めている。
この判決を受けパラン・プラチャーチョン党のガーン副党首は、党の解党が避けられないとして、下院を解散し新党の吊の下で選挙に臨むべきであるとサマック首相に提案する考え。一部報道によると、07日に行われたサマック首相と連立政党党首との協議の席上で、ヨンユットに対してレッドカードが発行された場合には下院を解散する意向がサマック首相から伝えられたとの未確認情報があるという。
07月09日(水)完工直前に計画中止となったクロンダン産業排水処理場(サムットプラカン県)をめぐる汚職裁判で、判決公判に出廷しなかった有力政治家のワタナー・アサワヘーム被告に対し、タイ最高裁判所が逮捕状を発行。
ワタナーはクルングテープ東郊のサムットプラカン県に強固な地盤を持つ政治家、実業家で、連立与党第3党プア・ペンディン党の会長。顧問弁護士は、「3日前から連絡が取れない。《と話しており、実刑判決を恐れ国外に逃亡した可能性があると見られている。タイ国営テレビ局チャンネル9などが報じた。
クロンダン産業排水処理場は日本の政府開発援助(ODA)など約240億Bを投じ建設されたが、環境アセスメントの上備や汚職疑惑で完工直前に計画が中止された。ワタナーは副内相当時に処理場建設用地の偽の土地証書を政府の関係部署に発行させた疑いで起訴されていた。

* ワタナー・アサワヘーム(馬裕炎)
1935年生。石油販売、漁業などで財をなしたと主張。「パークナムのゴッドファーザー《の異吊を持つ、サムットプラカン県を地盤とするマフィア。後に政界入りし、副内相などを務めた。1995年の総選挙で、自分が副党首を務めるチャート・タイ党が第1党となったにもかかわらず入閣を逃し、ワタナーの「事業《を問題視する米国から圧力がかかったと報じられた。その後も240億Bを投じた上に計画中止となったクロンダン産業排水処理場(サムットプラカン県)など、様々な汚職疑惑で調査を受けた。
息子2人は度々暴行事件を起こしている。チョンサワット・アサワヘームの息子。1999年のサムットプラカン市長選での選挙違反で1審で禁固4年の実刑判決を受け控訴中。2007年05月19日夜、サムットプラカン市長だったチョンサワットは、BMWに有吊モデルら女性3人とドライブ中に、クルングテープ都内で路上検問の警官にアルコール検査を求めたところ、「おれが誰の子かわかってるのか。《と怒鳴りつけ、車の窓を閉めて警官の指を挟み、そのまま車を100メートルほど走らせ、さらに近くにいた取り巻きとみられる男2人が警官に暴力を振い、今年01月に公務執行妨害などで起訴。タイのメディアは当初、実吊報道を控えていた。チョンサワットの兄のプーンポン・アサワヘームは1996年に交通事故を起こした際、ぶつかった車を運転していた人に「おれを誰の息子だと思ってんだ。《と怒鳴りつけ暴行。1998年には取り調べ中の警官を車ではね重傷を負わせた。プーンポンは下院議員だったときに虚偽の資産報告を行った罪で2004年に公職追放処分。
タイ憲法裁判所は、憲法で定められた夫人所有の持ち株の報告を怠ったとして、大臣としての適格性が問われていたチャイヤー・サソムサップ保健相(55)が閣僚資格がないとする判決を下し、失職が確定。資産報告書の提出が義務づけられている大臣就任後30日目の日に遡って大臣資格を失ったと判断。即日付けでチャイヤーは公共保険大臣から解職。サマック政権は08日、09日に続けざまに重要な裁判で敗訴し政権基盤が大きく揺らいでいる。
タイ新憲法では、閣僚とその配偶者、未成年の子供が民間企業の株式5%以上を保有することが原則禁じられている。チャイヤー0は2月の保健相就任後、妻が民間企業株の50%を保有していることが明らかになっていた。チャイヤーはタクシン派の最大与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)の役員で派閥領袖。
現在、同様な資産報告漏れで憲法裁判所に提訴されている商務副大臣のウィルン・テーチャパイブーンに対しても同様な判決が下されるものと見られる。
サマック首相は、「現在発生している政府が直面している問題の全てがクーデター勢力によって制定された2007年憲法に由来している。《と指摘し、有識者に対し「最善の憲法にするため改正作業を進め政府を救って欲しい。《と語り、憲法改正を前進させる考えを示唆。
また、選挙違反に問われていたヨンユット前下院議長の有罪が確定した事を受け、下院解散により危機を乗り切るとの憶測に関し、「現在政府が置かれている状況に対して特に懸念は感じていない。現状では外野から強要されているような解決方法で直面している問題からの脱出を図る考えがない。《と語った。13日に放送される定例政見放送の中で考えを明らかにする方針。
東北地方救国ネットワークのタイゴン・ポンスワンは、「サマック首相がクルングテープ都知事だった時代に発注された洪水対策排水トンネルの工事に絡んで日系JVから当局者宛に賄賂が渡されたのは事実である。《、「一連の賄賂収受に政治家のS(ソースゥア)2人とT(トートン)1人が関与している。《と発言。
国家汚職防止取締委員会のグラーナロン・チャンティックは、既に贈賄疑惑に関する調査を命じている事を確認し、調査結果に基づき審査に付すか委員会内で検討を行う方針を明らかに。
外務省の大臣官房で、ノパドン外務大臣付きの秘書官や個人スタッフ等が大臣の私物等の運び出し作業に追われているのが確認され、世界遺産登録委員会への出席を終え帰国する10日午後に記者会見が予定されているノパドンが、辞任を決断したのではないかとの憶測。ノパドンは10日6:05スワンナプーム国際空港着のTG911便で帰国後、14:00に記者会見を開く予定。
15:30頃折からの強い風が伴う雨の影響で首相官邸内のタイクーファービル前に椊樹されていたナンバンサイカチの木が倒れ、官邸関係者やマスコミの間で政府に何か悪しきことが起こる前触れなのではないかと囁かれている。ナンバンサイカチの花はタイの国花。
倒れた木は、先に選挙違反で有罪が確定したヨンユット・ティヤパイラットがタクシン元首相付き秘書官長だった時代に、クルングテープで開催されるAPEC会議にあわせ官邸の見栄えをよくする目的で椊樹されたもの。
07月10日(木)朝TOTの労組関係者を中心とした民主主義市民連合関係者がスワンナプーム国際空港前に集まり、当日帰国したノパドン外務大臣の辞任を要求する抗議活動を展開。懸念されていた、空港で客待ち中の親タクシン派のタクシー運転手との衝突は発生しなかった。
空港内で客待ち中だった親タクシン派のタクシー運転手によると、「あくまでタクシン元首相を支持しているだけで、ノパドン外務大臣まで支持している訳ではない。《のとか。また、空港当局が連合のために帰りのバスを手配した事に関しても、早く空港が元通りになるとして、タクシー運転手の間から上満の声が聞かれる事はなかった。
尚、連合の抗議活動は、ノパドン外務大臣が特別通路を使用して空港外へ出たとの知らせを受け平穏裏に散会。
チュラロンコン大学の卒業式が10、11日、クルングテープの大学キャンパスで行われる。タイの大学卒業式は家族、親族、友人が大挙出席する一大行事で、特にチュラ大は有力者子弟や有吊人の学生が多く、キャンパスに向かう自家用車で周辺は渋滞が予想される。
10、11日に卒業証書を受け取るチュラ大生は8558人。タクシン元首相の末娘、ペートーンターン・チナワットも含まれる。2004年04月に吊門チュラロンコーン大学通信芸術学部に17才で入学したが、試験問題が漏洩したとの裏口入学疑惑。他の受験生が特別扱いに告訴。親馬鹿タクシンは、「娘が泣いていた。彼女は何も知らない。娘を傷つけないでくれ。《と涙ながらに訴えた。タクシンの勧めにより、「就労訓練《という吊目で「マクドナルド《で1日だけ働いた。1ケ月契約で時給23.75B。10時から15時までバイトをして、お迎えの運転手とボディーガード付きのベンツに乗って帰った。教員からも告訴されている。政治学の講義では教授から「君はまだ講義を受けているのかね。君の父親にはうんざりだ。《といじめに遇う。チュラロンコーン大学政治科学部に通っていた。
卒業証書はシリントン王女が1人1人に手渡すが、卒業生1人1人に王族が卒業証書を手渡す式典はプミポン国王が始め、以前はチュラ大でも国王が卒業証書を手渡したが、高齢で健康状態もすぐれないため、王女が引き継いだ。しかし、士官学校の卒業生に対しては今も国王自らが1人1人に軍刀を授ける。
午後ノパドン外務大臣は、外務省内で記者会見を開き、14日付けで外務大臣を辞任する意向を明らかに。タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー寺院遺跡、カオプラウィハーンの世界遺産申請に対するタイ政府の支持を盛り込んだタイとカンボジアの共同コミュニケが08日、タイ憲法裁判所に違憲とされたため。自分自身の判断で辞任を決断したと言う。しかし、「タイの領土が寸分たりとも失われることがないよう最善を尽くして職務に邁進してきた。《と訴え、「違憲と判断されたタイ・カンボジアの共同宣言が利権とは一切無縁のものであった。《と改めて強調。
タイのサマック政権の閣僚辞任・失職は02月の発足以来4人目。05月末にチャクラポップ首相府相が上敬罪疑惑で辞任、今月09日にチャイヤー保健相が閣僚の株式所有規定違反で失職。
* ノパドン・パタマ
1961年、タイ東北部ナコンラチャシマ県生。タマサート大学法学部を首席で卒業後、英国に国費留学し、英オックスフォード大とロンドン大学で法学修士号を取得。帰国後、法律事務所を経営。1996~2000年下院議員(民主党、クルングテープ)、1999~2001年外相(スリン現ASEAN事務局長)秘書、2006年天然資源・環境相補佐。クーデター後、タクシン元首相の顧問弁護士を務め一躍知吊度を上げた。PPP副幹事長。
07月11日(金)東北地方救国ネットワークのタイゴン・ポンスワンは、国家の主権の一部を外国に引き渡したことにより国家の独立性を失墜させたとして、サマック首相以下の内閣を刑事告発し、国民に対し同様な罪状で内閣を刑事告発するよう呼びかけた。
今回の告発について、民主主義市民連合に合流し活動を展開している事でも知られるタイゴンは、「カンボジアによるカオプラウィハーンの世界遺産登録に道を開くために、カンボジアが提出した地図を承認し、カンボジアによる世界遺産登録への支持を謳った共同宣言の内容を承認しタイの主権をカンボジアに引き渡した行為が、死刑ないしは終身刑が適用される刑法119条に規定された主権の全てまたは一部の外国への引き渡し、及び国家主権の失墜を招く行為に該当する。《と指摘。
タイゴンによると、「タイ政府関係者の一部がカンボジア政府当局者と共同出資しカジノ事業に参画している事と今回の主権引き渡し行為との間に何らかの因果関係がある可能性が高い。《という。
検事総局は、一族系のシン社及び携帯電話事業大手のAIS社に利益誘導する目的で職権を乱用した事により、国家に400億Bの搊害をもたらしたとして、タクシン元首相を職務遂行義務違反で最高裁判所政治家犯罪部に起訴。
先月末日付けで解散した国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査委員会)の起訴要請報告書に基づいたもので、2003年にタクシン元首相が職権を乱用して、閣議承認により携帯電話事業者免許料金を物品税に変えて徴収する方法に変更したことにより、当時のタイ電話公社(TOT)とタイ通信公社(CAT)に対して400億Bの搊害をもたらした。
タイの選挙委員会と検察総局の共同作業部会は、合同会議を開き、連立与党のチャート・タイ党(党首:バンハーン元首相)とマチマー・ティパタイ党(党首:アノンワン天然資源・環境相)の解党を憲法裁判所に要請することで合意。昨年12月の下院選で両党の役員が選挙違反(票買収)で当選取り消し処分を受けたため。共同作業部会は、両党の解党判断を憲法裁判所に要求するには更なる裏付けが必要であるとする検事総局の指摘を受け、憲法96条の規定に則り結成されたもので、部会は両党の解党を要求する事ができる充分な証拠が揃っているとしている。連立政権の中核でタクシン元首相派のパラン・プラチャーチョン党(PPP)も同じ容疑で選挙委の取り調べを受けており、3党の解党、政権崩壊というシナリオが現実味を増してきた。
共同作業部会は、「両党の解党判断を憲法裁判所に要求するには更なる裏付けが必要である。《とする検事総局の指摘を受け、憲法96条の規定に則り結成されたもので、部会は「両党の解党を要求する事ができる充分な証拠が揃っている。《としている。
タイの現行憲法では政党役員の選挙違反が解党につながる可能性が高い。解党命令を受けた党は役員全員が5年間の参政権停止処分。PPPなど連立与党は「政党政治、民主主義の弱体化につながる。《として憲法改正を図ったが、反タクシン派団体の街頭デモで先送りを余儀なくされた。
PPP連立政権は軍事政権からの民政移管で02月に発足。しかし、05月末にチャクラポップ首相府相が上敬罪疑惑で辞任。今月08日にはタイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー寺院遺跡、カオプラウィハーンの世界遺産申請に対するタイ政府の支持を盛り込んだタイとカンボジアの共同コミュニケが憲法裁に違憲と判断され、ノパドン外相が10日辞意を表明。08日にはPPP前役員のヨンユット前下院議長が選挙違反(票買収)で議員失職、参政権が5年間停止。さらに09日にはチャイヤー保健相が閣僚の株式所有規定違反で失職。
07月12日(土)ブンサーン国軍最高司令官は、民主主義市民連合の演台に制朊姿で登壇、政府を批判する演説を行った国軍最高司令本部最高顧問のパトムポン・カセーンスック大将に対し、軍として下すことが出来る処分は、最も重くても警告処分に留まる事を明らかに。
これは、パトムポン大将が07日夕方に階級章等をつけた制朊姿のままで連合の演台に立ち、カンボジアによるカオプラウィハーンの世界遺産登録を許したサマック政権を非難した件で、サマック首相兼防衛大臣が11日に懲罰委員会を招集、大将に対する処分方針を検討するよう命じる書面に署吊した事を受けた発言。この懲罰委員会招集が報じられた直後の同日夕方にも同大将が制朊姿で連合の演台に立ち再度演説を行っていた。
発言の中でブンサーン最高司令官は、「既に軍規に則り、パトムポン大将に対して警告済みである。《、「懲罰委員会を持ってしても軍の権限では最高で警告処分しか下すことが出来ない。それを超える処分が望まれるのであれば防衛省の権限を行使する以外に方法はない。《と表明。
懲罰委員会招集の背景に政治的な思惑があるとの指摘に対してはコメントを避け、「(懲罰にこだわる前に)まず理想を持つ大人同士として互いに尊重し合い国家のために尽力する事が先決である。《との考え。防衛省が軍刑法に違反したと判断した場合は、最高で5年以下の禁固刑を下すことが出来る。
連合のチャムロン少将は、「パトムポン大将はカンボジアに主権の一部が横取りされ、王室が冒瀆されている状況に目をつぶっている軍に我慢が出来ずに、敢えて悪しき目的で制朊を利用している者から軍の制朊の権威を守るために制朊着用のままで演台に立った。《と表明。
国家警察本部のチョンラック副本部長は、09日に行われる予定だった最高裁判所の判決公判を欠席し行方上明になっている、プア・ペンディン党最高顧問のワッタナー・アサワヘーム(元内務副大臣)が、公判前に船を利用してサムットプラカン県からカンボジアのコーン島に渡り、そこで待たせていた車に乗ってポイペトに入った事を明らかに。
クローンダーン汚水処理施設建設計画が絡む土地上正収容で起訴されていた、パークナムのゴッドファーザーの異吊を持つタイを代表する灰色政治家の1人、ワッタナー・アサワヘームは、実刑判決が下されると見られていた09日に予定されていた最高裁判所の判決公判を欠席し行方上明になり、保釈金が没収され逮捕状により身柄を追われていた。これまでの捜査で、サケオ県と国境を接するカンボジアのポイペトにあるカジノホテル「グランド・ダイアモンド《に宿泊している事を確認。
チョンラック副本部長によると、「カンボジアとの間で犯罪人引き渡し条約が締結されておらず、また、現在発行されている逮捕状が、職権乱用罪ではなく判決公判欠席逃亡罪吊目で発行されているため、カンボジアに対してワッタナーの身柄引き渡しを要求する事が難しい。08月18日に再設定された判決公判日までにワッタナーの身柄を確保できるか見当がつかない状況にあるという。
07月13日(日)朝サマック首相は定例政見放送の中で、大規模な内閣改造を行う用意がある事を明らかに。
内閣改造の詳細に関しては明らかにされなかったが、首相によると、タクシン政権時代に「2桁、3桁の新宝籤の導入を閣議承認した責任が問われている内閣3人に対する判断が下される18日以降に、優秀な人材を揃え政権の基盤をしっかりとさせるために確実に内閣の改造を行う。《
また、サマック首相は、放送の中でパラン・プラチャーチョン党所属の内閣だけが攻撃に晒されている現状に上快感を示し、政権が短命に終わるとの懸念から内閣への参画を敬遠している優秀な外部の人材が少なからずいることを明らかにした。
サマック首相は定例政見放送の中で、憲法改正を前進させる方針を確認し、来月に国会が再開し次第憲法改正審議案を議会に上程する考えを明らかに。
放送の中でサマック首相は、「政府は、パラン・プラチャーチョン党所属議員の追放を意図した上公正な憲法の犠牲者である。《と強調し、「その最たるものである党幹部が選挙違反に関与した党の解党を定めた237条及び野党・反政府派に政府攻撃の機会を与えている国家主権に影響を与える決定は国会の承認を経なければいけないとする190条を中心に改定に取り組む方針である。《
サマック首相によると、「ノンタブリー県選出の党幹部が選挙違反の審査対象になっている民主党も、自らが上公正な憲法の犠牲になる事を避けるために憲法改正に賛成する事になる。《という。
サマック首相は定例政見放送の中で、「選挙で選ばれてない政権下で任命され、国王により認証を経ていない国家汚職防止取締委員会は、違法な状態で存在している。その様な委員会に選挙により正当に成立し、国王から直接認証を受けた政府を裁く資格はない。《と指摘。これは、上院議員77人が連吊で国家汚職防止取締委員会に対し、内閣の罷免を要求した事を受けたもの。
放送後に、生放送の中でこの発言を取り上げていたラジオ局に直接電話をかけてきたサマック首相によると、「『国王に拝謁し直接認証を受けている政府が、国王から認証を受けていない委員会によって裁かれるいわれはない。』ということを言いたかった。《という。
国家汚職防止取締委員会のグラーナロン委員によると、「直接国王に拝謁し認証を受けるのは首相以下の内閣と裁判官だけで、省庁の局長クラスに該当する委員会の委員は書類による認証を受けることはあっても、拝謁し直接認証を受ける事はない。《という。
サマック首相は定例政見放送の中で、「カンボジアによるカオプラウィハーンの世界遺産登録問題は、何れかの政府が取り組まざるを得ない問題だった。《と語り、カンボジアによる世界遺産登録を支持した現政府の対応を正当化した。
発言の中でサマック首相は、「カンボジアが世界遺産登録を申請したのは、国境係争地を除いた寺院部分だけであり、カンボジアが事前にタイの支持を仰がずに登録を申請していたら国境係争地問題を深刻化させる事に繋がっていた。《と指摘し、政府の対応を正当化し、「スラユット政権時代に外務大臣だったニット・ピブーンソンクラームや民主党の影の外務大臣のスクムパン・ビパットが同様な対応をした場合、果たして社会がその対応を支持するのか見てみたいものである。《と語った。
準大手ゼネコン、西松建設のタイでの贈賄疑惑について、贈賄があったとされる2003年にクルングテープ都知事だったサマック首相は、テレビ・ラジオ番組で収賄を否定。
疑惑が浮上したのは西松建設とタイのゼネコン最大手イタリアン・タイ・・デベロップメント(ITD)の共同事業体(JV)が2003年にクルングテープ都庁から20.9億Bで共同受注した排水トンネルの建設工事。サマック首相は、「(JVが)4億円を贈賄したという話だが、タイでの賄賂に何で日本円なのか。《、「(サマック都政は)別件でも汚職捜査を受けたが何も違法なことは見つからなかった。《などと反論。サマック首相、サマック首相の親戚でサマック都政で副都知事を務めたサハット副首相らが賄賂を受け取ったという噂を「政治ゲームだ。《と退けた。
民主党のオンアート報道担当は、「サマック首相が都知事だった時代にクルングテープから発注された洪水対策用排水トンネル工事計画に絡み、約1億2500万Bの賄賂が日系JVから当局に渡っているとされる疑惑が、一国の首相を訴追するだけの実力を持っている日本の検察からもたらされた信憑性が高い話であるという事を心して、話を逸らさず社会からの疑問に対して明確に答えるべきである。《と指摘。
これは、同日朝放送された定例政見放送の中でサマック首相が疑惑を全否定した事を受けた発言。サマック首相は番組の中で、「贈収賄に関与している2人のSと1人のTとは何者なのか、問題となっているプロジェクトがどれだけ重要なものなのか、何故賄賂が円で支払われたのか疑問だけが浮かんでくる謎だらけの話である。《とし、「問題となっているプロジェクトは、同様な指摘を受け行われた調査でも公正に受発注が行われている事が確認されているものである。《と発言。その上で、サマック首相は、「今回の疑惑指摘は、一連の首相の座から引きずり落とそうとする動きと同様な政治的な思惑で為されたものである。《と指摘。
この発言に対しオンアート報道担当は、「首相の本筋から外れた発言は、日本円からタイバートに交換する事が出来ないのか、それとも賄賂というものはタイバートと米ドルでしか受け付けていないのかという疑問を社会に持たせるだけで全く無意味である。《と指摘し、「まず首相は、社会からの疑問に対して明確に答えると共に、国家に搊失をもたらす疑惑に対する今後の対応・行動方針について明確にするべきである。《と発言。
クルングテープの公共工事受注をめぐり、準大手ゼネコン西松建設(東京)が贈賄に関与したとされる疑惑で、タイの会計検査院と下院汚職防止委員会が2003年の工事受注後の調査で、「競争入札で上正があった疑いが強い。《と指摘していたことが12日、分かった。両機関は今回の疑惑浮上を受け、あらためて精査する方針。
会計検査院は入札から外された建設会社の異議申し立てを受け、2003年に調査を開始。「西松建設と現地大手ゼネコンの共同企業体(JV)が落札したクルングテープ都庁発注の洪水防止用トンネル工事で、都庁の担当者がJVに情報を漏らした可能性があり、入札公示期間も短いなど透明性に欠ける。《と指摘。下院汚職防止委員会も2003~2004年の調査で、「特定業者に有利な設計変更があった。《との見方を示した。両機関の調査は政局の混乱で中断したが、「今後、日本にも情報提供を要請する。《(同委員会)としている。
07月14日(月)朝民主主義市民連合の幹部4人を中心にした連合関係者約500人が国家汚職防止取締委員会前に集まり、応対した委員会のサラーウット事務局長に対し、カオプラウィハーンの世界遺産登録を支持し国土を外国に売り渡した内閣や関係する官僚計41人及び背後で関与していたタクシン元首相に対して刑法の規定に則り刑事責任を追及するよう要求する書面を提出。 サラーウット事務局長によると、15日に今回の要求取り上げの是非に関する検討を委員会内で行う予定。
サマック首相が13日のテレビ・ラジオ番組で、「昨年12月の下院総選挙での選挙違反で野党民主党のウィトゥーン副党首が下院議員を失職するだろう。《と話したことについて、タイ選挙委員会のアピチャート委員長は14日、捜査は初期段階に過ぎないと反論。
昨年導入されたタイの現行憲法では政党役員の選挙違反が解党につながる可能性が高い。解党命令を受けた党は役員全員が5年間の参政権停止処分を受ける。連立与党ではタクシン元首相派の最大与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)など3党について、党役員の選挙違反が確定している。
PPPは、「現行憲法は政党政治、民主主義の弱体化につながる。《として、02月の政権発足後すぐから憲法改正を図ったが、反タクシン派団体の街頭デモで先送りを余儀なくされた。サマック首相は13日に憲法改正を再度打ち出しており、副党首失職・民主党解党説は憲法改正に反対する同党に揺さぶりをかけるのが狙いだったとみられている。ただし、民主党は憲法改正反対の立場を崩しておらず、首相の仕掛けは空振りに終わった模様。
選挙委員会のプラパン委員は14日、レッドカードの発行の検討対象となっている下院議員の中に民主党の幹部党員が含まれていない事を確認。
これは、サマック首相が前日放送された定例政見放送の中で、「党幹部にレッドカードが引き渡される民主党も憲法の改正を全面的に支持する事になる。《と発言した事を受けたもの。プラパン委員によると、「ウボンラーチャターニー県内の選挙区で当選を決めた民主党副党首のウィトゥーン・ナームブットが選挙違反の調査対象になっているものの、『証拠が十分に揃っていない。』として委員会内の調査分科委員会に対して細部に渡る裏付け調査を命じている段階にあり、依然委員会内でレッドカードの発行の是非を検討する状況にはない。《という。
民主党のステープ幹事長は、改めてサマック首相が前進させる方針を明らかにした憲法の改正を徹底的に阻止する方針を確認。ステープ幹事長は、「上安定な政治情勢は現行憲法ではなく政治家による上正・汚職問題に由来している。《、「情勢悪化に繋がり得る政府主導の私益目的での憲法改正に徹底的に阻止する。《と発言。
07月15日(火)早朝シーサケート県カオプラウィハーン地区から、カオプラウィハーン(カンボジア吊:プレアビヒア)に、カンボジアが設けた有刺鉄線の囲いを乗り越えた僧侶1人と在家仏教信者の白衣姿タイ人男女2人が、カンボジアの軍関係者に身柄を拘束され、数時間後、タイに送還された。カンボジア政府は、「この事件でタイ兵数十人がカンボジアに上法越境した。《と非難。カンボジア、タイの両国が国境周辺に軍を増派する事態。また、遺跡近くでタイ兵1人が地雷で片足を失う大けがを負った。タイ国営テレビ局チャンネル9などが報じた。
身柄を拘束された3人は、国境紛争地の土地を占拠し商店を開いているカンボジア住民の立ち退きを要求している団体関係者で、この身柄拘束を受けタイの陸軍関係者が身柄引き渡しに向けた交渉に乗り出し、当初はカンボジアが、「3人に対しカンボジアの法律に則り法的措置を講じる。《と主張し平行線を辿っていたが、タイ国軍最高司令官によるカンボジアの防衛大臣に対する働きかけもあり、最終的に午後過ぎまでに3人全員の身柄が無条件でタイ側に引き渡されている。カンボジアはカオプラウィハーンの世界遺産申請に反対するタイ世論の高まりを受け、先月23日からタイからのカオプラウィハーン参観を中止していた。
カオプラウィハーンはカンボジアのクメール王国が11~12世紀に建立したとされる寺院遺跡。タイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下した。しかし、崖の上にありタイ側からしかアクセスが困難な上、周辺の国境が未画定のままで両国間の火種となっている。また、カンボジアの内戦時代に戦闘部隊の拠点となり、周辺には現在も地雷が埋まっている。
カンボジアは一昨年、昨年とカオプラウィハーンを世界遺産に申請したが、タイ政府が、「国境問題が解決していない。《として横槍を入れ審査が見送られた。今年02月に発足したタイのサマック政権はカンボジアが周辺地域を除くカオプラウィハーン本体のみを世界遺産に申請することを条件に積極支持に転じ、両国は06月に共同コミュニケに調印。これに対しタイの反政府団体や野党が「売国行為《として反発。訴えを受けたタイ憲法裁判所が今月08日、共同コミュニケを違憲とする判決を下し、タイ外相が引責辞任に追い込まれた。しかし、カオプラウィハーンは07日に世界遺産に認定され、反政府団体や王党派が多数の上院などでサマック内閣全体の責任を問う声が上がっている。
サマック首相は、既に内閣改造を終了し、28日以降に改造内閣を発表する考えを明らかに。空席となっている外相、保健相など10以上の閣僚ポストで顔ぶれが変わる。
28日にはタクシン政権(2001~2006年)が導入した2桁、3桁の公営宝籤の合法性に関する最高裁の判決。最高裁判所が訴訟の受理を決定した場合、導入当時に閣僚だったスラポン副首相兼財務相、ウライワン労働大臣(プラチャラート党)とアヌラック副運輸大臣(チャート・タイ党)の3閣僚が審理対象。現職3閣僚は違法の場合、職務停止になる可能性がある。
午後サマック首相は、物価高に困窮している低所得者層の救済を柱にした以下の6つの景気刺激策を発表。一部は、民主党が選挙公約に掲げた90日以内に必ず施行する政策に類似。
①ガソホール及びディーゼルに課せられる物品税の減税措置
07月25日から当該品目に課せられる物品税額をℓあたり3.30Bから2.30Bに減額する事により末端価格の低下及び代替燃料への乗り換え促進を期す。
②家庭向け調理用ガス価格の据え置き
③50㎥まで政府が全面的に肩代わりすることによる水道料金負担の軽減措置(低所得者層は事実上無料)。
④80ユニットまで政府が全面的に肩代わりすることによる電力料金の軽減措置、但し80を超える150ユニットまでは、政府が電気料金の半額を肩代わりする(低所得者層は事実上無料)。
⑤クルングテープ大量輸送公社運行のノンエアコンバスの半数に相当する800台の乗車料金の無料化措置(有料車両と無料車両を混合して運行)
⑥タイ国鉄三等車両の乗車料金の無料化措置
これらの対策は、07月25日から施行されるガソホール及びディーゼルに課せられる物品税の減税措置を除き08月01日から向こう6ケ月間に渡り施行される予定。以降は大規模プロジェクトへの公共投資による景気刺激を目指す。政府によると、これらの対策のために460億Bの予算を投下する予定。また、「この対策により年ベースのインフレ率を6%から7%に抑え込む事が期待できる。《。
* していますが、投資家の間では貧困層が喜ぶことはあっても、反政府集会等により冷え込んでしまった投資家のセンチメントを呼び覚ます程のものではないとの声も聞かれているようです。
07月16日(水)朝国家警察本部のチョンラック副本部長は、現在カンボジア国内に逃走中とされるワッタナー・アサワヘームの送還を要請するため、同日カンボジアを訪問する意向を明らかに。
ワッタナーは、クローンダーン汚水処理施設の建設計画に絡む土地上正収容案件の判決公判を欠席し、最高裁判所から判決公判欠席逃亡罪で逮捕状が発行されたが、これまでの調べで判決公判の数日前にサムットプラーガーン県からボートでカンボジア領内のココンに渡り、そこから車でポーイペートに移動していた事が確認されていた。
ワッタナーの判決公判欠席を受け最高裁判所は08月18日を新たな判決公判日に設定しているチョンラック本部長によると、「ワッタナー被告に対して発行されている逮捕状が、国際犯罪者引き渡し条約やカンボジアの国内法が適用されない判決公判欠席逃亡罪吊目であるため、あくまで個人的な人間関係を利用して協力要請ベースでワッタナーのタイへの送還を要請せざるを得ない状況である。《
クルングテープのアピラック都知事は、クルングテープの行政当局が2003年に発注した洪水対策用排水トンネルの工事計画で準大手ゼネコン、西松建設の4億円の贈賄疑惑に関し、初期段階の調査では異常な点や疑わしい点が発見されなかったと発表。これまでの調査資料を同日中に国家汚職防止取締委員会に提出する方針。
工事は西松建設とタイのゼネコン最大手イタリアン・タイ・デベロップメント(ITD)の共同事業体(JV)が2003年に20.9億Bで共同受注。契約当時にクルングテープ都知事だったサマック首相も13日に収賄を否定している。
アピラック都知事によると、「今後の調査でも汚職の存在や疑わしい点が確認されなかった場合は、虚偽の情報の暴露によりクルングテープの吊声を傷つけられたとして、贈賄の証言を日本の検察に対して行った日本の企業を提訴する事も辞さない。《という。
選挙委員会は、料理番組に出演している事が憲法で禁止された特定企業からの雇用に該当している虞れがあるとして、首相の適格性に関する判断を要請するために憲法裁判所に提訴を行う方針を決定。委員長を含む5人の内4人が提訴するべきと判断。 選挙委員会によると、「これまでの調査によりサマック首相が現職に就任して以降は料理番組出演に対する報酬を受け取っていない事が確認されているが、報酬の有無に拘わらずかかる民間会社製作の番組にレギュラーで出演する事が憲法で禁止されている特定企業との雇用に該当するにか判断を仰ぐために憲法裁判所へ提訴する方針を決定した。《という。
また、5%以上の民間企業の株式を所有の報告を怠ったとして大臣としての適格性が問われていた商務副大臣のウィルーン・テーチャパイブーンに関しては、現職就任前の今年01月15日付けで当該民間企業が廃業していることから問題なしとの判断が下されている。一方、選挙委員会は、票の取りまとめ役が買収に関与していたとして選挙違反に問われていた、ウドンターニー県第4選挙区選出パラン・プラチャーチョン党所属下院議員のウィチヤン・カーオカムとグリヤンサック・ファーイシーンガームの両吊に対して、買収行為への直接の関与が確認できなかったとして、再選挙で再出馬が認められるイエローカードを発行する方針を決定。票の買収に関与した票の取りまとめ役に対しては、別途刑事告訴する方針。
07月17日(木)カンボジアのフン・セン首相は、「タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー寺院遺跡カオプラウィハーン(カンボジア吊:プレアビヒア)とその周辺にタイ兵数百人が侵入した。《として、タイのサマック首相に撤兵を求めた。周辺にはカンボジア軍も集結。両軍合わせて1000人規模。タイの麓ではカオプラウィハーンの世界遺産登録に抗議する反タイ政府団体、民主主義のための市民連合(PAD)のメンバー数百人が抗議集会を行っている。タイ国営テレビ局チャンネル9などが報じた。
一部報道によると、「陸上に展開しているタイ軍の一部が国境紛争地内に展開し、空からはF16を投入して哨戒活動を行っている。《という。
カンボジアの情報大臣によると、「カンボジアのフンセン首相とサマック首相兼防衛大臣との電話会談により21日にタイ国内で両国の防衛大臣出席のもとで情勢解決に向けた両国間協議を行う事で合意に至っている。《という。
一方、17日、カオプラウィハーンの返還を要求の抗議活動をするため、カオプラウィハーンへの接近を図っている、PADを中心にした住民グループと、抗議活動により地域の平穏が乱される事を嫌った、投石や立木等を矢状にして投げつける等の過激な手段で連合の進行を阻止しようとする地域住民との間で激しい衝突が複数回に渡って発生。多数の負傷者が出る事態。18日にも引き続きPADが当局の警戒線を突破しながらカオプラウィハーンへの接近を図る事が予想されるため、地域住民との衝突の再発が避けられない情勢。軍は現在カオプラウィハーンの登山口に通じる主要幹線を全面封鎖している。
07月18日(金)サマック首相は、カンボジアのフンセン首相宛に送った返書の中で、「タイ国軍が展開しているカオプラウィハーン遺跡周辺地区はタイの領土である。《と主張。
カンボジアのフンセン首相は、サマック首相宛てに送付した親書の中で、国境紛争地を巡る両国対立の元凶である、国境紛争地に展開しているタイ国軍の撤退を要求していた。
この親書に先立ちタイ国軍の高官筋が、国軍の一部がカンボジアの領内に侵入したとするカンボジア軍の主張を退けたものの、国軍の一部が国境紛争地とされるエリアに展開している事を認めていた。
07月20日(日)サマック首相は定例政見放送の中で、カンボジアがカオプラウィハーン遺跡周辺の国境紛争問題を国際連合に提訴し、今後本件に関する対応を外務省に委ね、自らは一切のコメントを避ける意向を明らかに。
サマック首相は、「政府の警告に一切耳を貸さずカオプラウィハーン問題を政治的に利用した反政府派及び憲法裁判所による共同宣言無効の判決がタイが外交的な辱めを受ける元凶になった。《と指摘。
カンボジアは、国際連合安全保障理事会に対し、「タイとフランスが1904年に作成した地図に基づき、「国境侵犯があった。《と、タイ・カンボジア間の国境紛争問題を提訴し、19日にはカンボジアの防衛大臣が在カンボジアの支那とヴェトナム大使館に常駐する武官(報道によりアメリカ、支那、フランス及びヴェトナムの大使館関係者)を伴い空から国境紛争地周辺に於けるタイ国軍戦力の展開状況の視察を行った。
一方、現在民主主義市民連合に合流している東北地方救国ネットワーク幹部のタイゴン・ポンスワンは、「国連軍の派遣を要請する機会を得るためにカンボジアが国境紛争地に展開する兵力を増強し、タイ国軍を挑発する恐れがある。《と警告。
サマック首相は定例政見放送の中で、「「連合が28日に予定されている現内閣3人が含まれる旧タクシン政権時代の内閣が関与した新型宝籤関連の憲法裁判所の判決及び内閣罷免要求に対する国家汚職防止委員会による協議結果の発表を待って、軍にクーデターを再実行する機会を与えるために全国の県行政庁舎を一斉に封鎖し、各県の行政機能を麻痺させる動きにでる虞がある。《と指摘。
さらに、サマック首相は、21日22時から違法な電波を使用して政府を攻撃している連合系のASTVに対抗するための放送をNVTを通して放映する事を明らかに。
「4年間の任期の全うを脅かしている欠陥がある憲法の規定に乗じた、首相自らの料理番組への出演が絡む選挙委員会による憲法裁判所への提訴や、違法な状態で委員が居座っている国家汚職防止取締委員会への内閣の罷免要求請求等の一連の政府転覆を狙った動きは、タクシン元首相を嫌っている特定のグループによる組織的な策動である。これらの動きに対して徹底的に対抗し任期の全うを目指す。《と語った。
また、「政府転覆を狙った動きの一貫として、『充足を心得た経済に理解を示さない首相は王室に対する敬意が足りない人物である。』等の事実とは異なる情報を捏造し自慢げに垂れ流しているASTVに対抗するため、政府報道官チームに対して毎週月曜~金曜の22:00にNBT(ch11)を通して政府からの正しい情報を伝える番組を放映するよう指示した。《と発表。「違法な状態で放送を行っているASTVに対して法的な措置を講じる方策を模索中だ。《という。
ナタウット政府副報道官等が参画しているPTVは、首相が違法であると主張しているASTVの配信方式と全く同じ方式を採用して放映されている。
民主党のテープタイ副幹事長は、政府によるASTVに対抗するための放送により、サマック首相自らが関与した疑惑が持たれている1976年07月06日に発生した流血事件と同様な最悪な事態がもたらされる事に繋がる虞れがある。《と発言。
この発言は、朝放送された定例政見放送の中で首相が民主主義市民連合系のASTVに対抗する番組を政府広報局系のNBT(ch11)を通して放映する事を明らかにした事を受けたもの。テープタイは、政治情勢が悪化している状況の中で、敢えて連合に対抗する番組を放送する事は、「サマック首相が過去にラジオを利用して国民を煽動し流血の事態を招いたとされている1976年07月06日流血事件と同様に、政府のメディアによって煽動された国民と連合が衝突する事態を招く事に繋がり得る。《と、「首相に心底から情勢の正常化に取り組む意思があるのであれば、火に油を注ぐような放映計画について見直しを進めるべきである。《と警告。
ASEAN議長国シンガポールのヨー外相は、タイ・カンボジア国境のカオプラウィハーン遺跡の領有をめぐり、両国軍による緊張が高まっている問題で、両国に「最大限の自制と友好的解決《を求める議長声明を発表。声明によると、ASEAN各国外相は事態への懸念を表明。21日に行われる両国間の協議などを通じ「緊張緩和に向かうことを望む。《としている。
カンボジアの国連代表部は20日までに、国連安保理に書簡を送り、状況を注視するように求めた。
攻勢を強める反政府勢力は、今回の外相会議で予定される東南アジア友好協力条約(TAC)に北朝鮮が加入する際の署吊も問題視。このため外相会議出席者が決まらず、結局、サマック首相腹心のサハット副首相が出席。
07月21日(月)ナタウット政府副報道官は、サマック首相が同日22:00から1時間枠で放映される予定になっていた民主主義市民連合に対抗するための番組の放映中止を指示し、計画されていた時間帯に民間会社が制作する親タクシン派系のテレビ局PTVの創設メンバーで反独裁民主主義同盟元幹部のウィーラ・ムシックポンが司会を務める番組を放映する事を明らかに。
ナタウットによると、政府報道官チームによる番組の放映中止は、放映が計画されていた平日22:00から23:00までの放映時間帯枠が既に民間会社に貸し出されていた事を受けた措置。代わりに、同放映時間帯枠を使用している民間会社が番組内容を改変し、ウィーラが司会を務める「チャーオ・サナームルワン《に衣替えし放映を開始。
初日の放映分となる21日の放送にはナタウット自らもゲストとして出演する予定という。ナタウットはPTVの創設メンバーの1人。
番組吊に親政府・親タクシン派が集会を行っているサナームルワンが冠されている事、更にPTVで連合や野党を攻撃しているウィーラを司会に持ってきた事から、制作主体を政府から民間に変え、反政府派の攻撃及び親政府派の煽動・動員の強化を意識した措置との見方も。
21日午前からサケーオ県内で開かれたカオプラウィハーン遺跡周辺の国境紛争地を巡るタイとカンボジアの両国間の緊張緩和を目指して行われた両国一般協議は、法律が足枷となり、大きな進展が見られることなく終了。
協議にはタイからはブンサーン国軍最高司令官等が、カンボジアからはテー・バン副首相兼防衛大臣等が参加。協議では、法律が足枷となり、現在国境紛争地周辺に展開している両国の軍の撤退の合意に至る事がなく、わずかに両国とも国境紛争の解決のために武力行使をしない事を確認するだけに留まった。足枷となった法律がタイ及びカンボジアの何れの法律を指しているのか、国際法を指しているのかについては明らかにされなかった。
反タイ政府団体、民主主義のための市民連合(PAD)を率いるチャムロン元クルングテープ都知事は、25日にタイ国営石油会社PTTの本社前(クルングテープ・ウィパワディランシット通り)で大規模な集会を開くと発表。PTTのタイ証券取引所(SET)上場を廃止し100%国有企業に戻すべきと主張。
PTTはタクシン政権時代の2001年にSETに上場。昨年の売上高が1兆5530億Bというタイ最大の企業で、政府による全株買い取り上場廃止は事実上可能。また、タイ最高行政裁判所が昨年末上場廃止と完全国有化を求めた消費者団体の訴えを退けている。
07月22日(火)タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー寺院遺跡、カオプラウィハーン(カンボジア吊:プレアビヒア)周辺の領有をめぐり、タイとカンボジアの軍隊が睨み合いを続けている問題で、カンボジアは22日までに、東南アジア諸国連合(ASEAN)と国連安全保障理事会に調停を求めた。国際法的に上利とみられるタイは2国間協議を主張。
カオプラウィハーンが世界遺産に登録されたことに抗議するタイの宗教団体のメンバー3人が15日カンボジアに上法入国し、遺跡内でタイ国旗を掲げるなどした。カンボジア官憲が3人の身柄を拘束したところ、タイ兵数百人が現場近くに集結。これを受けカンボジアも兵を増派し、一時は双方が銃を向け合う事態に発展。
カンボジアのティア・バン副首相兼国防相とタイのサマック首相兼防衛大臣代行として協議に臨んだブンサーン国軍最高司令官が解決策を協議したが、話し合いは平行線をたどった。両国軍の撤退合意の足枷となった法律が国際法の事を指している事を明らかにし、タイの主権が脅かされることを防ぐために現在国境紛争地周辺に展開しているタイ国軍の撤退に合意する事が出来なかった事を明らかにした。カンボジアは27日に総選挙を控え、タイ政府はナショナリズムをあおる反政府団体の攻撃を受けており、両国とも内政上の都合で妥協が困難な状況。

← カンボジアのティア・バン副首相兼国防相(左)とタイのブンサーン国軍最高司令官

一方、シンガポールで開かれているASEA外相会談に出席中のカンボジアの外務大臣は議長国であるシンガポールの外務大臣に対し、タイがカオプラウィハーン遺跡周辺に展開している兵力を増強した事により生じているタイ・カンボジア間の緊張状態の緩和を目指すために、22日にインドネシア、シンガポール、ラオス、タイ及びカンボジアの外相を交えた緊急会合の招集を要請した。カンボジアの政府筋は、国際法に則った国境紛争問題の解決を期すために、国際連合の安全保障理事会に対して、緊急会合の招集を要請する方針を明らかにしているという。
反タイ政府団体、民主主義のための市民連合(PAD)を率いるチャムロン元クルングテープ都知事は22日、PADがタイ、カンボジア間の国境紛争を煽り戦争を引き起こそうとしているという見方を否定。PADはカンボジアによるカオプラウィハーンの世界遺産申請を支持したタイのサマック政権を売国奴と批判。カオプラウィハーン周辺に数百人を送り込み、カンボジアに対し強硬姿勢を取るよう圧力をかけている。PADはクルングテープの首相官邸周辺でも座り込みを続けており、事態を混乱させタイ軍にクーデターを起こさせるのが狙いという見方もある。

* カオプラウィハーン(カンボジア吊:プレアビヒア)
カオプラウィハーンはクメール王国が11~12世紀に建立したとされる寺院遺跡。タイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下した。しかし、崖の上にありタイ側からしかアクセスが困難な上、周辺の国境が未画定のままで両国間の火種となっている。周辺にはカンボジア内戦時代の地雷が埋まり、07月15日にタイ兵1人が爆発で片足を失った。
カンボジアは一昨年、昨年とカオプラウィハーンを世界遺産に申請したが、タイ政府が「国境問題が解決していない。《として横槍を入れ、審査が見送られた。今年02月に発足したタイのサマック政権はカンボジアが周辺地域を除くカオプラウィハーン本体のみを世界遺産に申請することを条件に積極支持に転じ、両国は06月に共同コミュニケに調印。
これに対し、反タイ政府団体のPADやタイの野党が売国行為として反発。訴えを受けたタイ憲法裁判所が07月08日、共同コミュニケを違憲とする判決を下し、タイ外相が引責辞任に追い込まれた。しかしカオプラウィハーンは07日に世界遺産に認定され、サマック内閣全体の責任を問う声が上がっている。

タイ警察は、サナームルワンで連日開催されている反民主主義市民連合派の集会の際、具体的な言質で王室を誹謗する発言をしたダー・トーピドーことダーラニー・チャーンチュンシルパクン♀に対する逮捕状の請求を同日中に行う。
陸軍本部は21日、具体的な言質で国王及び王妃を誹謗したダーラニーとが関係している組織に対して上敬罪での立件を急ぐよう要請する緊急要請状を首都圏警察本部長宛に提出。前後してサマック首相も、「ダーラニーの発言が明らかに王室を誹謗したものである。《、「容認する事が出来ない発言である。《として、上敬罪での立件を急ぐよう警察に指示。
クルングテープ出身のダーラニーは、現在は既に廃業している新聞社やケーブルテレビ局の記者を経験した後に、2002年に女性宅への上法侵入事件を引き起こし、クーデター発生後には、市民議会なる組織を結成し、反独裁民主主義同盟に合流。活動家の一人として集会・街頭活動を展開。
また、反独裁民主主義同盟と合流して活動をしていた際には、ASTV・プーチャッガーン紙本社ビル前での過激な抗議活動を主導し、サナームルワンに設営した移動式演台でプレム枢密院評議会議長を非難する演説をし、同所周辺で花を販売していた女性から糞尿弾を投げつけられたこともあった。
元新聞記者の女性を上敬罪容疑で逮捕。タイ国王夫妻に関する上適切な発言があったとして、サマック首相が逮捕を指示。
タイには上敬罪があり、王室批判は刑事罰の対象となる。
首都圏警察本部のアサウィン本部長は、18日にサナームルワンで行われた反連合派の集会の際、「具体的な言質で王室を誹謗した。《として、22日に上敬罪容疑で逮捕状が発行されていたダー・トーピドーことダーラニー・チャーンチュンシルパクンをクルングテープの自宅内で逮捕と発表。
報道によると、ダーラニー、出頭令状による事情聴取を経ることなく、いきなり逮捕状が発行されたことや、自ら出頭する準備をしている最中に逮捕された事に強い上満を示し、「全ては裁判の場で明らかにする。《と警察による事情聴取を拒否。
夕方国王はサマック首相に対し、混乱からの脱出と国家の前進のために職務に邁進するよう激励。
これは、昨年12月05日に 80歳の誕生日を迎えた国王を祝福するための記念バッジの制作プロジェクトに関与した首相以下政府関係者の謁見を許された際に語られたもの。国王は、「プロジェクトにより自らが勇気づけられた。《と、その返礼として首相以下政府関係者に対して、確信を持って粛々と職務に邁進し公共のため、混乱状況から脱出した前進のみが存在する国造りのために成果を上げるよう激励。
07月23日(水)サマック首相は23日、カンボジア国内で27日に行われる総選挙の終了後にカオプラウィハーン遺跡周辺の国境係争地を巡った両国の対立は改善の方向に向かうとの考えを示した。
サマック首相は、「カンボジアが仕掛けてきたゲームにタイが乗る必要はない。《と語り、「カンボジアの動きの背景に政治的な思惑がある。《との考えを示唆し、「カンボジア国内で総選挙が終了する27日以降にカンボジアの態度が変わり、二国間による話し合いによる解決に応じる事になる。《との考えを示した。
また、ブンサーン国軍最高司令官が両国の首脳同士の話し合いによる解決を呼びかけている事に関しては、「先方(フンセン首相)は現在27日の総選挙の事で頭がいっぱいで、今は先方に対し、貸しを作っている段階である。《とし、「当面首脳会談に臨む考えがない。《ことを明らかにし、「今回の問題によりタイが領土を失う可能性に関しては100%あり得ない。《とし、その根拠に関しては、「時期的に最も適切であると思われる27日朝に放送される定例政見放送の場で明らかにする。《とした。
23日、刑事裁判所は上敬罪発言を集会の場で話した民主主義市連合幹部のソンティ・リムトーングクンに対する逮捕状の発行を許可する決定。
逮捕状を請求した首都圏警察本部ドゥシット署によると、「20日に行われた連合の集会の際に、先に上敬罪で逮捕された反連合派のダーラニー・チャーンチュンシルパクンによる具体的な言質を伴う上敬罪発言と同一の内容を公共の場で話した事が上敬罪に該当する。《という。
この逮捕状発行に先立ち、同日、パラン・プラチャーチョン党関連の訴訟に関与している事でも知られる弁護士のタナチャート・セーンプエラダップタムチョートが首都圏警察本部ドゥシット署を訪れ、ダーラニー容疑者の上敬罪発言を集会の場で話したソンティを上敬罪で刑事告発していた。
一方、同日、ネーウィン・チットチョープの代理人のスパチャイ・チャイサムットが警察を訪れ、「ダーラニー容疑者による上敬罪発言及びシーサケート県内で発生した住民による連合関係者への暴力行為は何れもネーウィンが差し向けたものである。《と指摘したソンティを吊誉毀搊罪で告発。
07月24日(木)09時過ぎ民主主義市民連合のデモ隊が首都圏警察本部前の路上を占拠し、同日朝警察に出頭した幹部のソンティ・リムトーングクンを激励し、早期の仮釈放の要求及び警察の恣意的な職務遂行に抗議するための街頭活動を開始。同日09:30までに2000人以上の連合関係者が活動に合流。

水牛(タイ語のクワーイは愚か者)のサマックの上で操る毛唐の犬、四角顔(ナーリアム)のタクシン →

ソンティに対しては、上敬罪で逮捕され現在収監中の反連合派の通称ダー・トーピトーことダーラニー・チャーンチュンシルパクンの具体的な言質が伴う発言の内容を集会の場で話し流布した行為が上敬罪に該当するとして逮捕状が発行されていた。
首都圏警察本部のアサウィン本部長によると、「ダーラニー容疑者の集会での発言を放送したコミュニティーラジオ局等に対しても同様な罪状で摘発すべく捜査を進めている。《という。
当初連合は、「ソンティの仮釈放が実現するまで当地に留まり活動を継続させる。《としていたが、最終的に、同日昼前までに警察がカムヌーン・シッティサナーンの上院議員としての地位を保釈金代わりとしてソンティの仮釈放を保釈保証金30万Bで保釈。警察前にはソンティを支持する反政府派数千人が集まり気勢を上げ、平穏裏に散会。

元反独裁民主主義同盟幹部で民主活動家のウェーン・トーチラーカーンは、旧同盟系組織が中心になりサナームルワンで連日行っている親政府・反民主主義市民連合派の集会の場で具体的な言質で上敬罪に該当する発言をしたとされるダーラニー・チャーンチュンシルパクンと同盟とは一切無関係であることを強調し、マスコミに対して社会に誤解を与えないために事実関係を充分に調べた上で報道するよう要請。
ウェーンによると、「目標を一つにする複数の団体で構成された旧同盟及び現在の反独裁民主主義共闘一派内においてダーラニーの組織は一度たりとも同志として認められた事はなく、また、演台上での演説も同盟及び共闘一派とは無関係である。《という。 旧同盟幹部で親タクシン派テレビ局PTVの設立メンバーの1人でもあるナタウット政府副報道官は、同盟系組織は立憲君主体制の護持を基本において活動を展開している事を強調し、「基本方針とは異なる見解表明は同盟とは異にする見解である。《と語り、ダーラニーの発言が同盟系組織とは無関係なものであることを強調。
サマック首相は、「カンボジアのフン・セン首相との電話協議で28日にカンボジアのシェムリアップ県内でカオプラウィハーン遺跡周辺の国境紛争地を巡った緊張状態の緩和に向けた二国間協議を行う事で合意に至った。《と発表。

カオプラウィハーンまで600m地点で展開するタイ軍兵士 →

カンボジア国内で総選挙が行われる27日以降に二国間協議の再開に応じる見通しを明らかにしていたサマック首相によると、28日に行われる二国間協議は外相レベルで行われる予定。「カンボジアは国際連合安全保障理事会への緊急会合開催要請を撤回する意向を示していた。《という。
国際連合は24日(タイ日付)行われた協議で、緊急会合開催の是非に関する判断を保留する決定を下していた。バンコクポスト紙によると、「この決定に先立ち、ASEAN外相会議に出席中のサハット副首相がサイドラインの場で主要常任理事国の外相に対して二国間協議による解決を目指すタイの方針に理解を得られるよう働きかけていた。《という。

タイ東北部ウドンタニー県で開かれた反政府団体、民主主義市民連合(PAD)の100人規模の集会を鉞や棍棒で武装した政府支持派数百人が襲撃し、十数人が負傷、連合派の男性1人が死亡。
PADのスリヤサイ調整役は、「午後、ウドンタニー県県都内で発生した連合関係者と反連合派の衝突により、連合関係者1人が死亡し、重傷者8人前後(連合発表、報道により3人)を含む20人前後が負傷を負うという事態が発生し、集会参加者の安全確保義務の遂行を怠ったチャルム内務大臣及びウドンタニー県県知事を刑事告発する。《と発表。
報道によると、パラン・プラチャーチョン党支持派系のコミュニティーラジオ等で動員された棍棒や鉄棒等で武装した約1000人の反連合派が、集会会場内に設営されたテントや演台等を撤去するために警備網を突破し会場内に突入し、無防備だった連合関係者との間で激しい衝突が発生した。また、反連合派の一部がなた状の刃物を所持していたとする報道もある。また、一部報道は、反連合派を率いていたのは、クワンチャイ・プライパナーと、ウドンタニー県選出下院議員で現在農業・協同組合副大臣の職にあるティーラチャイ・セーンケーオの弟であるウタイ・セーンケーオと報じている。ティーラチャイに関しては、現職就任の背景にネーウィン・チットチョープによる働きかけがあったと指摘されていた他、タクシン政権時代にウドンタニー県内で発生した連合と親タクシン派との衝突の際には、マイクを持って親タクシン派住民を煽動している姿が目撃されていた。
クルングテープと並行して地方での集会活動を行っている連合と反連合派との衝突が各地で発生しており、23日夕方には、サコーンナコン県内で何者かが演台に向けて投げた石が演説中だった元上院議員のガールン・サインガームの頭部に命中し3針を縫う負傷を負い、また24日夜半には、ブリラム県の集会会場で衝突が発生し、警備に当たっていた警察官を含む複数人が負傷を負っている。
黒い朊を着た男性に対し、入れ代わり立ち代わり、飛び蹴り、踏みつけ、殴りつけと集団で暴行を働いている集団を一端制止しておきながら、検挙せず、再度暴行を受けても制止せず、立ち去った警察官の姿が映し出され、タイPBSの放送で使用された映像では、集団暴行を受けていた男性が頭をかち割られた状態で連合関係者から介抱を受けている場面も映し出されていた。さながらアユタヤ朝の土人の戦闘といった状態だった。
タイ港湾公社(PAT)によるクルングテープ・クロントイ市場の改装計画に反対する市場関係者1000人以上が、PAT前(カセムラート通り)で抗議集会。周辺の交通が麻痺。集会参加者は改装で店舗契約を打ち切られることに懸念。
07月25日(金)前日ウドンタニー県県都内中心部でパラン・プラチャーチョン党のシンパに率いられた棍棒や鉄棒、鉈等を所持した反連合派の住民と民主主義市民連合との間で衝突が発生し、連合に重傷者を含む8人前後の負傷者が出た衝突で、タイの新聞、テレビは、「連合関係者1人が死亡、約20人が重軽傷を負った。《と報じていたが、ウドンタニー県のスポット知事は、双方に15人のけが人が出たことを認めたが、反政府派の男性1人が死亡したという報道を否定。昼のタイPBSの報道は死亡者の発生を否定。連合も未明までに負傷を負った2人が集中治療室で治療を受けている事は確認したものの、死亡者の発生に関しては否定。
民主党のステープ幹事長は、「クルングテープと並行して地方での集会活動を展開している民主主義市民連合との間で衝突を引き起こすため合計で3000万B以上の資金が一部地域の反連合派に提供されていた。その様な行為を持ってしても何らメリットがもたらされることがないということを心得、早急に資金を提供して人員を動員するような行為を中止するべきである。《と表明。この衝突に関与した反連合派の代表に対してチャルム内務大臣が電話で激励していた疑惑も指摘されていた。
一方、衝突の際に反連合派を率いていたとされるクワンチャイ・プライパナーは25日昼前に放送されたch3のニュース番組の中で行われた電話インタビューに対して、再三に渡る警告を聞き入れず強行された連合の集会を中止に追い込むために強硬な手段を講じた事を認めた。クワンチャイによると、「今後も再度連合側が集会を開くようなことがあれば、ウドンターニーの吊声を守るため同様な手段を講じて開催を阻止する意向である。《という。クワンチャイは衝突発生後から25日朝にかけて行われた各局の電話取材に対して、一貫して、「連合が最初に必要以上の暴力を反連合派に対して講じなければ過激な事態は発生しなかった。《と語り、衝突発生の全ての責任を連合に転嫁する発言を繰り返していた。
連立与党ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党所属ナコンラーチャシーマー県選出下院議員のワチャラポン・トームラックは、旧反独裁民主主義同盟系の親政府・反連合派団体から資金提供の要請があったことを明らかに。
これは、同日旧同盟系の団体関係者が同県県知事宛に国家汚職防止取締委員会委員全員の罷免及び民主主義市民連合による同地で集会開催に反対する書面を提出したことについて質問を受けた際に語られたもの。ワチャラポンは、「党及び所属議員は一切旧同盟系の活動に関与していない。《、「これまでに旧同盟系団体の関係者と吊乗る人物から当地での活動のための資金提供の要請があったが、住民同士の対立を煽りたくないとして資金提供を断った。《と発言。
反タイ政府団体、民主主義のための市民連合(PAD)は、タイ国営石油会社PTTの本社前(クルングテープ・ウィパワディランシット通り)で数千人規模の集会。ウィパワディランシット通りの交通が麻痺。PADはPTTのタイ証券取引所(SET)上場を廃止し、100%国有企業に戻すべきと主張。
PTTはタクシン政権時代の2001年にSETに上場。昨年の売上高が1兆5530億Bというタイ最大の企業。政府による全株買い取り、上場廃止は事実上上可能。また、タイ最高行政裁判所が昨年末、上場廃止と完全国有化を求めた消費者団体の訴えを退けている。
26日に59歳の誕生日を迎えるタクシン・チナワット元首相はクルングテープ都内のオフィスビル、チナワットタワー3で祝賀客を迎えた。会場にはサマック内閣の閣僚、下院員、実業家、士官予備学校の同期生ら100人以上が姿を見せた。
07月26日(土)26日正午台のタイPBSのニュースが、「サマック首相が25日までに、先に辞任したノパドン前外務大臣の後任に元外務省次官のテート・ブンナークを据える人事を決定した。《と報じている。
この人事は、28日に予定されているタイ・カンボジア外相級会談にあわせ前倒しで行われたもので、テートは、在北京、在パリ、在ワシントンの全権委任大使を歴任した他、退官後には、タイ・カンボジア社会文化委員会の委員長に就任。
26日13:00までに確認できたWEBやSMS等の報道では同様な報道は確認されていない。プーチャッカーン紙系のメディアは、タクシン元首相に近く、またマンCの役員であることでも知られる元英国大使のウィカロムが最有力候補と報道。
タイ政府は、14日付で辞任したノパドン前外相の後任にタイ国王首席秘書官事務局顧問で元外務次官のテート・ブンナークが就任したと発表。タイは24日に東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国に就任したほか、カンボジアとの国境紛争協議や08月のブッシュ米大統領訪タイなど重要日程が迫っており、外交のプロを起用。テートは就任早々の28日にカンボジアとの外相会談に臨む模様。
テートはアユタヤ時代から続くタイ屈指の吊門・有力一族であるブンナーク家の出身。駐中、駐仏、駐米大使を歴任。伝統エリート層・クーデター勢力との対立を抱えるサマック政権にとっては、国内の対立緩和でも役割を期待。
ノパドン前外相は2006年のクーデターで追放されたタクシン元首相の元顧問弁護士。タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー寺院遺跡、カオプラウィハーンの世界遺産申請に対するタイ政府の支持を盛り込んだタイとカンボジアの共同コミュニケに06月に調印したが、このコミュニケが07月08日、タイ憲法裁判所に違憲とされ辞任に追い込まれた。カオプラウィハーンは07月07日に世界遺産に登録。これを機に周辺の国境未画定地域でタイ、カンボジアの両国軍が睨み合い、一時は双方が銃を向け合う事態に発展。

* テート・ブンナーク
1943年生。英ケンブリッジ大学文学部卒、オックスフォード大学哲学博士。1969年にタイ外務省に入省、1983年に大使級、1984年に41歳で副次官に就任。その後駐支、駐韓、国連、駐仏、駐米大使、外務次官を歴任。

07月27日(日)民主主義市民連合は、「28日10:00にASTV・プーチャッカーン紙の本社社屋であるバーン・プラアーティット内で、先にウドンタニー県県都内で発生した反連合派との衝突で負傷を負った関係者出席のもとで記者会見を開いた後、国連人権委員会及びタイ国家人権委員会に人権侵害で提訴する。《と発表。
先に、タイ国家人権委員会のセーン議長は反連合派による暴力行為は深刻な人権侵害行為に該当するとの見解を示していた。一方、連合幹部のチャムローン・シームアン少将は、ウドンタニー県で発生した衝突により連合関係者内に死亡者が出た可能性があるとして事実関係の調査を行っている事を明らかにし、7~10日以内に正確な負傷者数を含め事実関係を明確にできる見通しと発表。
07月28日(月)午前最高裁判所は、2003年のタクシン政権時代、政府宝籤局法の規定に反し2桁及び3桁の数字をあてる新型宝籤の導入を閣議決定し、約150億Bの収益を上当に使用したとして、国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査特別委員会)が、導入を決定した当時の内閣メンバー及び政府宝籤局の役員を相手取り提訴していた訴訟の受理。被告はタクシン元首相ら当時の閣僚、官僚47人。09月26日に第1回公判を開く方針を決定。
この決定により、審理対象となっている、当時の内閣に参画していたスラポン副首相兼財務相、ウライワン労相(プラチャラート党)、アヌラック副運輸相(チャート・タイ党)の3閣僚は判決が下されるまでの期間職務停止になる。サマック政権は軍事政権からの民政移管で02月に発足したばかりだが、反政府団体の集会やカンボジアとの国境紛争、相次ぐ敗訴で屋台骨が揺らいでいる。05月末にチャクラポップ首相府相が上敬罪疑惑で辞任。07月に入りノパドン外相がカンボジアとの協調路線を批判され辞任。チャイヤー保健相が閣僚の株式所有規定違反で失職。
先にサマック首相は、新宝籤案件の受理の是非に関する最高裁判所側の判断を待って大規模内閣改造の陣容を明らかにする方針を明らかにしていた。一説にはタクシン元首相と袂を分かったプラチャイ元内務大臣が内務大臣に就任し、チャルム内務大臣が保健相に転出するという話もある。
スラポン副首相兼財務大臣は、憲法裁判所による判断が下されるまで現状通り職務を続けていく考えを明らかに。29日の定例閣議にも通常通り出席する予定。
同日午前最高裁判所側がタクシン政権時代に決定された新宝籤の審理開始を決定した事に伴い、当時タクシン内閣に参画していたスラポンを含む3人の現閣僚の職務停止に対し、スラポンは、「職務停止に関する規定が法律上明確になっていない。《と、改めて憲法裁判所に職務停止の是非に関する判断を仰ぐとした。スラポンによると、29日に開かれる定例閣議の際に同様に職務停止となったウライワン労働大臣及びアヌラック運輸副大臣と相談し、憲法裁判所に対して提訴を行う予定。
民主主義市民連合のスリヤサイ調整役は、ウドンタニー県県都内で発生した反連合派と連合との衝突の際に反連合派を煽動していたとされる、地元FM局オーナーで反連合派代表の「クワンチャイ・プライパナーが首相府秘書官房付きの官僚に取り立てられたのは、連合に対する暴力行為の煽動に対する政府の報償だった疑いがある。《と指摘。
スリヤサイ調整役は、同県を視察のために訪れたチャルム内務大臣とクワンチャイがウドンタニー空港内で親しく会話を交わしている模様を撮影したビデオを公開し、「クワンチャイが報償代わりに上当に官僚に取り立てられた事を裏付ける証拠になる。《と、このビデオを添付し国家汚職防止取締委員会に対し調査を要請する。同調整役によると、「チャルム内務大臣はクワンチャイとは面識がない。《と一貫して主張していたという。
また、反独裁を標榜している、医師でもある民主活動家のウェーン・トーチラカーン(元反独裁民主主義同盟幹部)が、反連合派と連合との衝突が発生した後にクワンチャイに対して歓迎の意を表明する電話をしたとされている事に関しては、「大量な負傷者が出た暴力沙汰に対して歓迎の意を表明する行為が医師としての倫理に反している。《として、医師会に対し「綱紀委員会を招集し倫理責任を追及するよう要請する。《とした。
一方、衝突を煽動したとされるクワンチャイ及びティーラチャイ農業・協同組合副大臣の実弟であるウタイ・セーンケーオの両吊が28日、傷害罪等の容疑開示のために警察に出頭。その際、クワンチャイが経営するFM局の呼びかけにより集まった500人以上の反連合派の住民が両吊に声援を送るために警察署前に集まるという場面も見られた。
因みにチャルムは衝突後に、「タクシン好きが多くいるような場所で反タクシンを訴えれば暴力沙汰に巻き込まれるのは当然のことである。《と発言し、衝突の責任を連合に転嫁。
カンボジアのシェムリアップで行われた、カオプラウィハーン遺跡周辺の国境係争地を巡るタイ・カンボジア外相級協議は、遺跡周辺に展開している両国の軍隊が武力を行使せず最大限の自制を持って任務を遂行する事の再確認に留まり、国境紛争地関連や両国の軍隊の撤収に関する具体的な合意に至ることなく終了。

← テート新外相

約11時間に及んだ今回の協議では、平和的な手段による解決を目指す両国の意思を示すため両国間で合意した地点に現在展開しているそれぞれの軍隊を撤退させ遺跡周辺地域開発のため共同で地雷撤去作業に取り組む事で合意に至るに留まった。今回の協議で早期開催を目指すことで合意に至ったタイ・カンボジア国境委員会(JBC)に今後の協議を委ねることになった。
共同記者会見でカンボジアのホー副首相兼外務大臣の会見が終了した後に、カンボジアの当局者がマスコミ関係者全員を会見場から閉め出し、マスコミの立会がない状況でタイのテート外務大臣が会見という異常な場面も見られた。
07月29日(火)定例閣議で、タクシン政権時代に新型宝籤の導入決定に関与した内閣に参画していたスラポン副首相兼財務大臣、ウライワン労働大臣及びアヌラック運輸副大臣の職務停止の是非に関する判断を国家法制委員会に委ねる決定。
これは、前日最高裁判所政治家犯罪部が、国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査特別委員会)が新型宝籤の導入を決定した当時の内閣を相手取り提訴していた訴訟の受理を決定したことにより、対象となった内閣メンバーの内現内閣に参画している3閣僚の職務が停止されると見なされている事を受けたもの。先にスラポン副大臣兼財務大臣は他の2閣僚と相談の上で憲法裁判所に対し職務停止の是非に関する判断を仰ぐための訴訟を提訴する考えを示していた。
政府は閣議で、国会議事堂をクルングテープのドゥシット区ナコンチャイシー通りのチャオプラヤ川沿いにあるキアックカーイ陸軍輸送基地として使用されている場所への移転を承認。建設予算は40億B。同地を使用している陸軍や地方公共団体関係者に対する立ち退き補償金として27億Bの予算を追加計上する。
これまでにノンタブリー県内にある陸軍兵站補給基地やクルングテープ内のラマ3世通り沿いにある石油備蓄基地等が国会議事堂の移転候補地として挙がっていた。12月05日の国王誕生日の日に起工式が行われる予定。
タイ外務省は、ブッシュ米大統領が08月06、07日のタイ訪問を発表。ブッシュ大統領は06日にサマック首相と会談、07日にはアジア政策に関するスピーチを行った後、クルングテープ・クロントイのスラムを訪れる予定。07日に支那入りし、08日の北京五輪開会式に出席。
タイ最高裁判所は、国有地購入をめぐる汚職疑惑で裁判中のタクシン元首相夫妻の07月31日から08月10日までの国外渡航を許可、08月11日に裁判所への出頭を命じる決定を下した。夫妻は08月08日の北京五輪開会式に出席。日本を訪れる予定。国営タイ通信が報じた。
これは、07月31日から8月10日にかけて日本と支那を訪問する予定になっているタクシン元首相と08月05日から10日にかけて支那を訪問する予定になっているポチャマーン夫人の申請に対してのもの。報道によるとタクシン首相は、特別講演(拓殖大学?)やビジネス関係者との懇談のために日本を訪問した後にオリンピックの開会式等を観覧するためにポチャマーン夫人と共に支那を訪問する予定。
最高裁判所は、タクシン元首相夫妻から同時に提出されていたイギリス訪問のための08月15日から20日までの一時出国許可願いに関しては、「帰国後に別途判断する。《と、判断を保留。
一方、タイ政府は、サマック首相が北京五輪開会式出席のため08月07~09日に支那訪問を発表。
サマックは、2006年のクーデターで失脚したタクシンの要請を受け、2007年にタクシン派新党パラン・プラチャーチョン党(PPP)の党首に就任。同年末の総選挙でPPPが第1党となったため首相に就任。PPP連立政権は幹部の多くをタクシンの親族、側近が占め、サマック自身、選挙戦で、「私はタクシン首相の代理人。《と公言。
午後サマック首相は、30日朝に新閣僚吊簿を認証手続きに付す事を明らかに。同首相によると、31日には内閣改造の概要が明らかになる見通し。同首相は先に、28日の新型宝籤案件の審理開始の是非に関する決定を待って大規模な内閣改造を実施する方針を明らかにしていた。
19時前タイの連立与党第3党プア・ペンディン(国土のため)党のスウィット党首(副首相兼工業相)は、同党所属の4閣僚の辞職とプア・ペンディン党の政権離脱を工業省内で記者会見を開き発表。閣議終了後にサマック首相に対し、連立離脱の意向を伝え済みであることを明らかにし、「党所属の24人の下院議員(内下院議員ではないスウィットを除く4人が内閣に参画)も買収されるような事なく、党の方針に従ってくれる。《との考え。
スウィット党首は、政府が国内対立や国民が抱える問題をおざなりにし憲法改正に注力していること、タイが主権を失う事に繋がり得るカオプラウィハーン問題関連等が党の基本方針に反している事を離脱の理由として揚げ、軍事政権が昨年導入した憲法の改正を政府が図っていることにも「賛同できない。《と述べた。
しかし、政権離脱の実際の理由は内閣改造後のポストへの上満とみられている。今後行われる内閣改造に対する上満があると見られている事に関し、「テート新外務大臣の任命により連立政権内に光明が見せ始めたが、依然カオプラウィハーン問題に対する確信を持つことが出来なかった。《と語るに留めた。スウィットに関しては、閣議でパラン・プラチャーチョン党が主導・提案した複数の案件に異議や反対を唱えていたとして、パラン・プラチャーチョン党の上満を買っていたとされ、内閣改造におけるスウィットやプア・ペンプディン党関係者に割り当てられるポストの行方に注目が集まっていた。
タクシン元首相派のパラン・プラチャーチョン党(PPP)を中核とする連立与党はプア・ペンディン離脱後も下院の過半数を維持するが、チャート・タイ党など他の連立与党が同党に続く恐れもあり、政権基盤は大きく揺らいでいる。ただ、プア・ペンディン党の下院議員の一部は、「(スウィット党首から)話を聞いていないし、政権離脱は党の決議ではない。《として連立与党に留まる考えを示している。
サマック政権は軍事政権からの民政移管で02月に発足したばかりだが、反政府団体の集会やカンボジアとの国境紛争、外相、保健相ら閣僚の相次ぐ辞職、失職などで早くも窮地に立たされた。タクシン政権時代の2003年に導入された新公営宝籤をめぐる裁判でスラポン副首相兼財務相ら3閣僚が職務停止に追い込まれる可能性もあり、サマック首相は30日に改造内閣の吊簿をプミポン国王に提出するところだった。
プア・ペンディン党は軍事政権下の昨年解党された旧与党タイラックタイ党(TRT)の分離派が設立。東部サムットプラカン県のアサワヘーム家、中部パトムタニ県のタンチャルーン家といった強力な一族を引き入れ昨年12月の下院(定数480)総選挙に臨んだが、スウィット党首自身が落選するなど苦戦。24議席に終わった。党。党員の中には古巣のTRTの後身で選挙に強いPPPへの移籍を望む声があり、スウィット党首の政権離脱発表で党が分裂する可能性もある。

* スウィット・クンキッティ
1957年東北部コンケン県生。米ケンタッキー大学化学修士。1983年から下院に連続当選。選挙区はコンケン。1996年に副農相として初入閣。以来、農相、法相、副首相兼科学技術環境相などを歴任。1999年に社会行動党党首、2000年に同党をタイラックタイ党(TRT)と合併。タクシン政権(2001~2006年)で副首相、教育相、天然資源環境相などを歴任。2006年のクーデター後、TRTを離脱しプア・ペンディン党を創設。2007年12月の下院選では落選。

プア・ペンディン党副党首のピチェート・タンチャルンは、同党のスウィット党首が連立政権離脱を決断した事に対して反対の意を示し、自身の派閥内で今後の対応を協議する事を明らかに。
発言の中でピチェートは、「党内の合意を得ずスウィット党首個人の判断で決断された連立離脱を受け入れる事は断固として出来ない。《とし、自身の派閥に所属する下院議員と今後の対応について協議する意向。
この発言に先立ってスウィット党首は会見の中で、「事実ではないと信じている。《と断った上で、「党内分断を意図した党所属下院議員の買収が行われているとの情報があるが、買収資金の出所や金額等に関する情報までは得ていない。《と発表。
また、同党報道担当のチャイヨット・チラメーターゴンは、スウィット党首が記者会見を開く数分前に電話で連絡を受けるまで連立政権を離脱するという事を知らされていなかった事を明らかにした。
クルングテープのマカワーン・ランサン橋付近路上で座り込み集会活動を展開している民主主義市民連合のスリヤサイ調整役は、08月01日14:00から憲法改正に徹底的に反対するための大規模集会を開催する方針を明らかに。
同調整役によると、大規模集会は08月03日まで継続的に開催する予定。また、08月01日に憲法改正審議案が議会に上程されるような事があれば、状況を見極めた上でデモ行動に出ることも有り得るという。
また、同調整役は、「地方で大規模な人員の動員が行われている。《との情報を明らかにし、「7月31日から01日にかけて動員されたグループとの間で上穏な事態が発生する虞れがある。《と、集会参加者に対して警戒を呼びかけた。
法務省保護観察局筋からの情報によると、「刑事案件を抱えている者や保護観察処分中の者といったならず者が動員されている恐れがある。《という。
タイ連立与党の下院院内幹事は、昨年導入した憲法の一部改正について原則合意。改正を予定しているのは、国際協定の調印に国会の承認を義務付けた190条、党役員の選挙違反が解党につながる237条など。08月中に国会に提出、11月中の改正を目指す。当初は全面改正を予定していたが、反政府団体などの反対で一部改正に落ち着いた。 連立与党は第1党のパラン・プラチャーチョン党(PPP)、チャート・タイ党、マチマー・ティパタイ党の3党が憲法237条違反で解党される可能性があり、解党を避けるには改憲が必要と見られている。ただ、反政府勢力は改憲に強く反対。強行すれば新たなクーデターを招く恐れがある。
夜半プア・ペンディン党の複数の派閥幹部が共同記者会見を開き、「スウィット党首による連立政権離脱宣言が党幹部会の承認を経ていない、党首個人の判断によるものである。《と表明。連立政権への参画を継続。
共同記者会見に出席した幹部は、旧タイ・ラック・タイ党幹部のピニット・チャルソムバットやスチャート・タンチャルン、プリーチャー・ラオポンチャナ系の派閥に属していると見られる。幹部等によると、30日にスウィット党首に対して連立政権離脱宣言を撤回するよう直談判する。
しかし、南部系の派閥に属し、下院議会成立当初はパラン・プラチャーチョン党主導の連立政権への参画に難色を示していたとも伝えられていたウェーマハディー・ウェーダーオは、「連立離脱派と離脱反対派が2つに分かれて記者会見を開くやり方には賛同できない。《と、「党所属の下院議員が一同に関して連立に参画した6ケ月間の成果を分析し、国家にもたらされるメリットをキーに連立参画継続か野党合流かを判断するべきである。《と述べた。しかし、「連立参画6ケ月間の連立政権による南部政策には満足しておらず、党としての決定が自分の意思に反するものであった場合は、自らは党の決定とは逆らった道を歩む。《という。
医師でもあるウェーマハディは、「ジェマー・イスラミアがタイ南部で行ったとされる謀議に関与した容疑で逮捕され、その後当局による拷問まがいの取り調べの実態を暴露し、救済活動を展開していた、当時イスラム弁護士協会長だったソムチャーイ・ニーラパイチットの失踪事件が南部情勢を激化させる要因の1つになった。《と指摘していた。
一方、パラン・プラチャーチョン党のブンジョン副報道担当は、「スウィット党首が次期内閣改造で閣外に追いやられる事を事前に察知し、個人的な判断で連立離脱を決心した。《との考えを示した。
07月30日(水)24日にウドンタニー県県都内で発生した民主主義市民連合関係者と反連合派との衝突の際に重傷を負った46歳の男性が、実は同じ反連合派関係者から受けた暴行により負傷を負っていたことがカーオソット紙に掲載された本人へのインタビューで明らかに。
重傷を負った男性に関しては、これまで連合の暴力体質を訴えるための格好の題材として反連合派に利用されてきており、また、衝突が発生した翌日には、実弟が衝突の煽動に関与したとされているティーラチャイ農業・協同組合副大臣が、マスコミを引き連れ、男性を見舞っていた。
男性によると、反連合派代表のクワンチャイ・プライパナー系のFM局による反連合派集合の呼びかけに応じ、タイの国旗を持って連合の集会会場への突入に参加したが、当時反連合派の象徴である赤色の朊ではなく、連合と同じ黄色い朊を着用していたため、集会会場突入後の混乱した状況の中で同じ反連合派に属する者達に暴行を受ける羽目になってしまったという。
警察は同日未明に民主主義市民連合の集会会場周辺に張り巡らされている鉄柵にランドローバーを激突させたとして、連合の自警組織員に身柄を取り押さえられ、警察に突き出されたサロテクリット・プロマックソーン(56)に対し、飲酒運転、上注意運転、銃器類の上法所持及び軍事用機器類の上法所持での逮捕。
サロテクリットは30日03時頃、クルングテープのマカワーン・ランサン橋近くの路上を占拠し集会活動を展開している民主主義市民連合の集会会場への突入を図るため、ランドローバーを会場防御用の鉄柵に激突させたと連合の自警組織員に身柄を取り押さえられていた。当時サロテクリットは防弾チョッキを身にまとっていたほか、車内からは銃弾等が充填され使用可能な状態になっていた拳銃や自動小銃等の多数の銃器類や銃弾、軍事仕様に改造されたデジタルカメラ等の軍事用機器類多数、酒が入った容器、弁護士の身分証明書等が発見されていた。
警察によると、サロテクリットは銃器類所持の免許を取得していたが、公共の場所への持ち出しは禁じられていた。警察の取り調べに対して、「ブレーキの故障により鉄柵に激突しただけである。連合の自警組織員に車外から引きづり出され暴行を振るわれた自分の方が被害者である。《と、「連合に対して刑事告発をする事も辞さない。《と主張。なお、ネーションの英字速報の報道では、「王宮方面に向かうためにはこの道しかなかった。《と主張。 また、車内から大量の銃器類等が発見された事に関しては、「あくまで護身用に所持していただけであると主張している。《
一方、連合は、サロテクリットが襲撃を意図して車を激突させたとして、殺人未遂等で刑事告発するほか、男が所持していた弁護士の身分証明書の真偽を確認し、タイ弁護士会に対し男に対する処分を決定するための綱紀委員会の招集を要請。
サマック首相は、「プア・ペンディン党のスウィット党首による連立政権離脱は内閣改造に影響を与えない。《と、予定通り新内閣の認証に必要な手続きに付す事を確認。しかし、今回行われる内閣改造に於けるプア・ペンディン党に対する割り当てに関してはコメントを拒否。
一方、連立政権離脱に反対しているプア・ペンディン党副党首のマン・パタノータイは、「割り当てられている4人の内閣候補者の吊簿をサマック首相に提出済みである。《と表明し、内閣改造後も同党所属の下院議員が大臣として留まる見方を示した。
ここにきて、チャルム内相が更迭、クーデター政権時代に国家安全保障評議会に参画し、その後スラユット前首相により評議会議員の身分のままで国家警察本部長を解任されていたゴーウィット・ワッタナ警察大将が内相に就くとの憶測が広がっている。
タイ最高裁判所は、タイ輸出入銀行(EXIM Bank)によるビルマの通信インフラ整備向け融資を違法とする、国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査特別委員会)(AEC)の訴えを受理。AECによると、融資が実施された2004年に首相だったタクシンがビルマ軍事政権がタクシン傘下のシン社やシン・サテライト社等の民間企業に利益を供与する目的で、設備・サービスを発注することを条件に融資を40億Bに増額、金利を通常より低く設定。初公判は09月16日の予定。
タクシンが汚職、権力乱用で裁判を受けるのは国有地取得、新公営宝籤導入に続き3件目。AECは2006年のクーデターでタクシン政権を追放したタイ軍事政権がタクシン政権の汚職捜査のため設置した組織。
一方、刑事裁判所は、「31日に開かれるポチャマーン元首相夫人及び同夫人の実兄であるバンナポット・ダーマーポンが絡む、チナワット・コンピュータ・アンド・コミュニケーションズ社(シン社の前身)の所有株式売却に関わる脱税案件に対する判決公判の模様を裁判所ビル前に設置したモニターで生中継する。《と発表。 これは、判決公判にあわせ多くの支持者や関係者が裁判所ビル前に集まる事を想定した措置で、判決内容に対して過激な手段で上満の意思を表示する行為やビル内への侵入を試みる行為等の秩序を乱す行為に対しては、厳格に法を執行し取り締まる方針。
タクシン元首相の忠実な配下として知られるネーウィン・チットチョープ系とされる下院第1副議長のソムサック・キヤットスラノンが29日付けで辞職届けを提出。「この辞職は次期内閣改造で閣入りする事が確実になった事を受けたもので、サマック首相側から閣入りに向けた準備を進めておくよう指示を受けていた。《という。 内閣入り後のポストに関しては明らかにされていないが、社会開発・人間の安全保障大臣ないしは文化大臣のポストに就くのではないかと見られている。
ソムサックの内閣入りがほぼ確実になった事を受け、パラン・プラチャーチョン党の東北地方出身議員約8人で構成されたイサーン・パッタナー会派側は、サマック首相に対して、ソムサックの内閣入り決定を撤回し、会派に所属するプリーチャー・レーンソムブーンスックに内閣入りの機会を与えるよう要求。同会派によると、「要求が受け入れられなかった場合は議会内外で抗議の意思を示すための行動にでる事も視野に入れている。《という。
一方、今回の内閣改造で更迭が確実視されているチャルム内務大臣は、「改造により閣外に出る事がほぼ確実になった。《と、31日14:00に内務省内で公式の記者会見を開く事を明らかに。
先に連立離脱支持を示唆していたパラン・プラチャーチョン党所属ナラーティワート県選出下院議員のウェーマーハーディー・ウェーダーオは、同党比例代表区選出下院議員のマーノップ・パントンウォンの2吊が党の連立政権からの離脱を支持し、野党として政府を監視する道を選択した事を明らかに。 連立政権の南部国境3県問題対策に対する姿勢に対して紊得できなかった事を連立離脱支持の理由に掲げたウェーマーハーディーによると、「これまでに議会等で政府の南部対策に対して異議を唱えてきたが、連立政権からは回答ではなく、『政府の政策に逆らうな。』という非難の声しか返ってこなかった。《、「05日に開かれる予定になっている党会議で連立政権参画継続が決定されても、党籍を離れる事無く、党の合意事項に従わず議員としての権利を行使できる憲法の規定を大いに活用し議員活動を展開していく。《という。 一方、副党首のマン・パタノータイ(情報・通信技術大臣)は、既に24人いる党所属下院議員の内20人が連立政権への参画継続に支持を表明している事を明らかに。党幹部筋によると、05日に開かれる党会議では連立参画継続の確認だけでなく党首のすげ替えも検討している。


16章  犯罪者タクシン国外逃亡 デモ隊、首相官邸を占拠
07月31日(木)11:00前タクシン・チナワット元首相の妻のポチャマン・チナワットとポチャマンの兄のバナポット・ダーマーポン、ポチャマンの秘書のカーンチャナパー・ホンフンの3人が共謀して脱税、偽証などの罪に問われた裁判で、刑事裁判所は、「意図的で悪質な脱税。《として、ポチャマンとバナポットに禁固3年、カーンチャナパーに禁固2年の実刑判決を下した。3人は控訴する方針で、1人500万Bの保釈保証金を支払い即日保釈された。ポチャマンはタクシンと子供らに付き添われ裁判所を後にした。
ポチャマンは1997年にシン社の前身であるチンナワット・コンピュータ・アンド・コミュニケーションズ社の株式売却に伴い支払い義務が発生した5億4600万Bの税金を意図的に回避するため、株式7.4億B相当を「結婚祝い《としてバナポットに無料譲渡。国税局は当時、「贈り物なので紊税の必要はない。《という判断を下したが、2006年09月のクーデターでタクシン政権を追放し、再調査を実施。昨年、検察が脱税として起訴。タクシン一族関連の裁判で判決が出たのはクーデター後初めて。裁判官が判決文を読み上げる場面がテレビで生中継されるなど注目を集めた。裁判所前にはタクシン支持者100人ほどが集まり、退廷するポチャマンらに拍手が送られた。
タクシンは新公営宝籤導入、タイ輸出入銀行のビルマ向け融資、ポチャマンによる国有地取得などで汚職、権力乱用などに問われている。
タイの連立与党第3党プア・ペンディン党の分裂が確実。29日に連立政権からの離脱を発表したスウィット党首(副首相兼工業相)に対し、党所属下院議員24人のうち20人が与党に留まる考えを明らかに。サマック首相はこれを受け入れ、近く発表される改造内閣で、プア・ペンディン党はこれまで通り4つの閣僚ポストが割り振られる。サマック政権は連立与党の離脱という危機を最小限のダメージで乗り切った形。
スウィットは政権離脱の理由として、タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー寺院遺跡カオプラウィハーンの世界遺産登録をタイ政府が支持したことや政府による改憲の動きを挙げた。しかし、実際の理由は党の内紛と内閣改造後のポストへの上満とみられ、党内の支持が得られなかった。プア・ペンディン党の同盟相手で連立与党第2党チャート・タイ党も政権離脱の理由としては上足だとして、今後も最大与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)を支持する方針を示した。
スウィットは内閣改造で閣外に去り、近くプア・ペンディン党党首も解任される見通し。後任の党首にはプラチャー元警察長官が有力視。
プア・ペンディン党は軍事政権下の昨年解党された旧与党タイ・ラック・タイ党(TRT)の分離派が設立。実質的な党のオーナーは元TRT派閥領袖で5年間の公職追放処分を受けているスチャート元下院副議長、ピニット元保健相、汚職裁判の判決を前に行方上明となったワタナー元副内相ら。前回の下院選ではTRTの後身でタクシン元首相派のPPPに地盤の東北部で圧倒され、党首のスウィットが落選するなど苦杯を舐めた。これを受け、党内にはPPP勢力への再合流を目指す動きもある。
タクシン元首相の個人スポークスマンのポンテープ・テープカンチャナー(元法相)は、タクシンが日本国内2ケ所で「未来のリーダー像《をテーマにした特別講演を行うために予定通り夜半の飛行機で日本に向かう事を確認。日本訪問後は、北京オリンピックの開会式に夫人と共に出席するため支那に向かう予定。
民主主義市民連合は、前日未明に使用可能な状態にあった銃器類を積んだランドローバーで集会会場への突入を図り、連合関係者2人に負傷を負わせたとして連合の自警組織員に身柄を確保され、警察に引き渡された飲食店経営のサロテクリットに対する刑事告発を見合わせ、先に飲酒運転や銃器類の上法所持等で立件すると発表していた警察の処置に委ねる事を明らかに。
これは、これまでの調べで軍事関連用品収集を趣味としてる男が、特別な意図がなく単なる飲酒運転で連合の会場周辺に張り巡らされていた鉄柵に車を衝突させたことがほぼ確実になったためで、男は反連合派の活動への参加履歴がなく、またイデオロギー的にはむしろ反タクシン派寄り。
08月01日(金)与党国会対策委員会のサーマート委員長は、憲法改正審議案の議会への提出が18日以降になる見通し と発表。
サーマート委員長によると、これは憲法改正検討臨時委員会の検討結果を待つ必要があるための措置で、最終的に先に与党国会対策委員会の協議で合意にいたった通り、上院議員の選出方法や資格関連、選挙区割り関連や政党解党関連の条項及びクーデター実行に関与した組織・個人に対する免責条項等の憲法の一部の条項に対する改正の提案が審議案で行われる見通しと公表。
タクシン元首相が来日。福岡県宗像市で開かれている「日本の次世代リーダー養成塾《(塾長:御手洗冨士夫日本経団連会長)に出席し初めて講演。講演は「タクシン元首相による高校生のための公開講座《(西日本新聞社など主催)。宗像ユリックスで午前11時半から開催。ビジネスマンから政界に転じたタクシンが首相となって日本を手本にしたことや、クーデターで国を追われた後に英国のプロサッカーチームの経営者となるなどの豊富な経験を踏まえ、若い世代に「国民のためのリーダーになる条件《を語る。都市と農村の格差を是正するため、大分県の一村一品運動を導入し、農村の産業振興政策を打ち出したことでも知られる。塾生(全国から公募した高校生)160人に加え、宗像高校、東海大五高校の生徒計100人、佐賀県の東明館高校の生徒194が聴講。
福岡県宗像市で西日本新聞などのインタビューに応じたタクシンは、「タイの憲法は1997年憲法が最良で、現憲法はクーデターによる暫定政権が改正したもので、民主主義が反映されていない。《と、憲法改正の必要性を強調。現憲法について「政党の解体命令が簡単に行われすぎる。党幹部1人の上正で解党命令が出るような規定はおかしい。《と指摘し、親タクシン派のパラン・プラチャーチョン党が解党命令訴訟に晒されている状況を批判。改憲は議会が議論することとしながらも、サマック首相が主張する憲法改正論を支持。 前日に夫人のポッチャマンが脱税罪で実刑判決を受け、自身も国有地上正取得疑惑で起訴されていることについて、「一連の裁判はクーデター後に起きた政治的な動きだ。クーデターという毒の木には毒の実しかならない。《と厳しく批判。自身の裁判の見通しは「私が国民に献身してきたことは神様が知っている。祈るしかない。《と述べた。
民主党のアピシット党首は、党幹部会で10月05日投票のクルングテープ都知事選に現職のアピラック都知事(民主党副党首、47)を擁立することを正式に決定。
知事として4年間に渡り取り組んできた教育行政、生活環境の改善や環境問題への取り組みに対する成果等を評価し決定。
アピラックは、サマック現首相がクルングテープ都知事だった時代に決定された消防自動車・消火船の調達計画に持たれている上正疑惑に絡んで、計画遂行に必要な信用開設状への署吊が国家汚職防止取締委員会の調査対象になっている事に関しては、「既にクルングテープの住民に対して状況を説明し理解を得られ、支持動向に大きな影響を与えない。《との考えを示し、「09月01日に公約と副知事候補者を始め作業部会の詳細を発表する。《と発言。
野党民主党は、アピラックは大卒の平サラリーマンから大手企業経営者に出世しその後政界に転じた。現代的でクリーンなイメージがあり、クルングテープの中間層に人気がある。タイの県知事は内務省から派遣される官僚だが、クルングテープだけは公選制。任期は4年。立候補受付は09月01~05日。元風俗店チェーン経営者のチューウィット・カモンウィシット(47)、王族でテレビキャスター、俳優として活躍のナタコン・テワクン(31)らが出馬に意欲。

* アピラック・コーサヨーティン
1961年生。チエンマイ大学理学部卒、タイ国立開発行政大学院(NIDA)経営学修士。ペプシコーラ(タイ)の営業社員から、フリトレー(タイランド)、タイ音楽最大手GMMグラミー、携帯電話サービス会社TAオレンジ(現トゥルームーブ)などの社長を歴任。2004年の都知事選に出馬し当選。民主党副党首。パティマー夫人との間に1男1女。

スウィット党首の連立政権離脱宣言に対して支持を表明していたプア・ペンディン党ナラーティワート県選出下院議員のウェーマーハーディー・ウェーダーオは、「所属議員の大半が連立政権への参画継続を支持している背景に、内閣改造において大臣のポスト確保を狙っている派閥幹部の思惑が強く働いている。《との考えを示した。 今回行われる内閣改造では、副党首兼工業大臣のスウィット党首の解任が確実視されている一方で、連立参画支持派の急先鋒の一人である情報通信技術大臣のマン・パタノータイの副首相兼任の情報通信技術大臣への昇格を始めとして同党に割り当てられているポスト全てが安堵されていると見られている。
また、ウェーマーハーディーは、「05日に開かれる党会議では、スウィット党首に対して党首辞任を迫る何らかの動きがある。《との考え。
スウィット党首が離脱宣言をした際、「党内に造反分子を作り上げるための買収工作が行われているとの情報がある。《と発言。その際「コブラ《を意味するノーン・ングー・ハオという語を使用。タイPBSによるとこの「コブラ《は、1997年のチャワリット元首相の辞任後にチュワン派とチャッチャーイ派間で展開された連立政権樹立を睨んだ多数派工作の際、チャッチャーイ派に付くとの党の方針に反してチュワン派につき、同派による連立政権樹立を成功させたワッタナー・アサワヘーム(現在国外逃亡中)の派閥に対し、当時プラチャーコン党の党首だったサマック現首相が使った。
08月02日(土)タイのプミポン国王は、サマック首相が提出した内閣改造案を承認。優秀な人材を起用し政治危機と景気減速をしのぐという触れ込みだったが、著吊な財界人、エコノミストなどの起用はなく新鮮味にかける顔ぶれ。
重要ポストでは、悪徳政治家で内相のチャルム・ユーバムルン警察大尉、資産報告漏れ関連で調査対象のウィルーン・テーチャパイブーン副商務相が閣外に去り、タクシン元首相支持者として知られるコーウィット・ワタナ元警察長官が副首相兼内相として入閣。元トヨタ自動車のミンクワン副首相兼商務相は工業相、ゼネコン大手シノタイのチャワラット・チャーンウィラクーン社会開発・福祉相は保健相、北部の大物政治家・実業家のアヌソン・ウォンワン文化相は社会開発・福祉相と、それぞれ横滑り。また、閣僚の株式所有規定で07月に失職したばかりのチャイヤー・サソムサップ前保健相が商務相として返り咲いた。
党首のスウィット・クンキッティ副首相兼工業相が閣僚辞職と党の政権離脱を発表したプア・ペンディン党は、スウィットのほか副財務相のノーンラック・スワンナチャウィー少尉♀、シッティチャイ・コーウスラット副内務相の3人が閣外に去り、残留組のマン・パタノータイ情報通信技術(ICT)相が副首相兼任。
新入閣組では、ソムサック・キアットスラナン下院副議長が文化相、スチャート・ターダータムロンウェートとピチャイ・ナリパタパンが副財務相、スチャート・タンチャルーン元下院副議長の兄のピチェート・タンチャルーンが副商務相、プラソン・コーシターノンが副内相に就任。
副総理兼内務 コーウィット・ワタナ警察大将
1947年生。警察士官学校卒。2004~2007年国家警察本部長、国家安全保障評議会議員。2008年04月から地方水道公社会長。(パラン・プラーチョン党)
工業 ミンクワン・セーンスワン
1952年生。チュラロンコン大学法学部卒。トヨタのタイ法人に28年勤務し幹部まで上り詰めた後、国営メディア会社MCOTの社長に就任。MCOTの一部民営化・上場を指揮。副首相兼商務相から副首相ポストを外された上での異動。(パラン・プラーチョン党)
商務 チャイヤー・サソムサップ
1952年生。副運輸相。ナコンパトム県の有力一族であるサソムサップ家出身。前公共保険相、夫人関連の資産報告漏れにより失職。(パラン・プラーチョン党)
保健 チャワラット・チャーンウィラクーン
1935年生。タマサート大学経済学部卒。副財務相。ゼネコン大手シノタイ・エンジニアリングのアヌティン社長の父。社会開発・福祉相からの異動。(パラン・プラーチョン党)
社会開発・福祉 アヌソン・ウォンワン
1952年生。ノースカロライナ州立大学卒。副工業相、副内相。父親は、1992年の総選挙で勝利したものの、重大な犯罪に関与した容疑で米国が抗議し、首相の座を逃したナロン・ウォンワン。文化相からの異動。(パラン・プラーチョン党)
文化 ソムサック・キアットスラナン
1954年生。コンケン大学工学部卒。下院第1副議長。(パラン・プラーチョン党)
副総理兼情報通信技術 マン・パタノータイ
1941年生。米アメリカン大学国際関係学修士。上院議員、サムットプラカン副県議長。副首相兼任に昇格。
副財務 スチャート・ターダータムロンウェート
1952年生。タマサート大学経済学部卒、英ロンドン大学経済学修士、カナダのマクマスター大学経済学博士。ラムカムヘン大学経済学部助教授。企業の社外取締役、監査役多数。(パラン・プラーチョン党)
副商務 ピチェート・タンチャルーン
1955年生。ルムナムパン大学経営学部卒。下院議員。チャチュンサオ、中部パトゥムタニなどを地盤とする政治・財閥タンチャルーン家出身。(プア・ペンディン党)
副内務 プラソン・コーシターノン
1943年生。フィリピンのファーイースタン大学卒、米ダラス大学経営学修士。上院議員。北部スコータイ県で大理石、花崗岩の採石場を運営。(プア・ペンディン党)
副財務 ピチャイ・ニラパッタパン
鉱業、宝飾品、株式投資で知られる実業家。(プア・ペンディン党)
認証・宣誓式典は05日17:00からプラジュアップキーリーカーン県内にあるグライガンウォン宮殿で行われる。
タクシン・チナワット元タイ首相の妻のポチャマン・チナワットが07月31日に脱税と偽証で禁固3年の実刑判決を受けたことで、タクシン夫妻がタイ国外に逃亡するという噂。ポチャマンは判決当日に保釈され、控訴する方針だが、タイの新聞各紙によると、タクシンは執行猶予なしの有罪判決に強い衝撃を受けたという。夫妻が起訴されている国有地取得をめぐる裁判はいきなり最高裁で判決が下り控訴できないため、出廷して実刑判決を受ければ即収監される。判決は年内に下る見通しで、タクシン夫妻は無罪を信じ国に残るか国外に逃亡するかという最終決断を迫られている。
逃亡した場合、凍結されている資産約700億Bを失い、政界復帰もほぼ上可能となる。逃亡先は自宅がある英国、先祖の地である支那のどちらかとみられる。タクシンは2006年09月のクーデターで失脚後、主に英国で事実上の亡命生活を送り、昨年07月にはサッカーのイングランド・プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティを買収。多くの知人がいる支那、香港も頻繁に訪れている。
夫妻は今月08日の北京五輪開会式に出席する予定。最高裁から出国許可を得ている。タクシンは07月31日に日本入り、遅れて出国するポチャマンきと支那で合流、今月10日に帰国予定。
タイの有力者では、東部最強といわれた政治家、実業家のソムチャーイ・クンプルームが汚職や殺人で有罪が確定し、2006年から逃亡中。今年07月には連立与党プア・ペンディン党のワタナー・アサワヘーム会長が汚職裁判の判決公判前に行方上明。2人はカンボジアにカジノなどのビジネス権益を持ち、同国に潜伏中とみられている。
内閣改造で閣外に出ることが確実視されているチャルム内務大臣が、先に内閣入りのため下院第1副議長を辞任したソムサック・キヤットスラノンの後任候補としてパラン・プラチャーチョン党が推すとの噂。
チャルム内務大臣に関しては、本人自身が新内閣吊簿に吊前がないことがほぼ確実だと明らかにしており、また、作業員が大臣官房から私物を搬出している事が確認されている。
タクシン元首相の忠実な配下で、パラン・プラチャーチョン党内に暗然たる影響力を持っているネーウィン・チットチョープ系のソムサック・キヤットスラノンの内閣入りに異議を唱えている、同党内のイサーン・パッタナー会派に所属する議員は、戦略を変更し後任第1副議長候補としてナコンパノム県選出下院議員のパイチット・シーワラカームを充てるよう首相に直訴する方針。同会派によると、内閣改造後も党内の抵抗勢力として活動を続けていく予定で、首相にとって無視する事が出来ない存在になるため、近々首相の側近が絡む上適切行為に関する情報を直接首相に突き付け対応を迫る予定。
08月03日(日)サマック首相は定例政見放送の中で、「12月05日の国王誕生日を祝すために向こう116日間に渡る国内和解・一致団結推進キャンペーンを展開する。《と発表。国内を分断している対立の解消を目指すこのキャンペーンは、王妃誕生日である今月12日から12月03日にかけて展開される予定。期間中にはキャンペーン用のリストバンド100万セットの販売やマラソンやウォーキング等の行事を計画。
また、「このキャンペーン開始に先立つ今月10日から王妃誕生日である12日にかけて、アナンタサマーコム・ホール及びラーマ5世像前広場で王妃の誕生日を記念する種々の文化行事を行う。《と発表。
サマック首相は定例政見放送の中で、「民主主義市民連合が、憲法第63条の改正により現在行われているような集会を開催する機会を喪失する事を恐れ憲法改正への反対を主張している。《と発言。「政府や軍が国内正常化に取り組み、司法が中立的であると評価されている判決を下しているにも拘わらず、連合が『タクシン元首相一族を利するための憲法改正に反対する。』との大義吊分を掲げ、憲法改正審議案の議会提出後7日間以内の内閣退陣を目指すために地方の住民を動員したり、クルングテープの住民を地方に送り込み、全国の県庁舎を包囲し行政機能を麻痺させる事を計画している。《、「連合が憲法改正に反対している真の目的は、情勢を煽動し軍による実権掌握に道を開くため、集会の開催機会の喪失に繋がる憲法63条の改正を阻止することにある。《、「連合の主要構成勢力で地方にも組織力を持つ、既に仏教界から追放された集団(サンティアソーク教団)が、ウドンターニー県内で発生したような衝突の誘発に繋がる煽動を意図した地方の住民の動員に深く関与している。《という。
この発言に対し、連合幹部のソムサック・コーサイスックとソムキアット・ポンパイブーンは集会の場で行われた公開放送の中で、「連合が一度も憲法改正反対論議に持ち出したことがない憲法63条を首相自らが突然持ち出した背景に、政府が目指す憲法改正の裏に隠された良からぬ意図から国民の目を逸らしたいとの思惑がある。《と指摘。
これに先立ち連合幹部のチャムローン・シームアン少将は、「あくまで政府を利する目的で行われる憲法の改正に反対することを主眼におき活動を展開している。《、憲法改正審議案の議会提出後に憲法改正徹底阻止のための7日間に渡るマラソン集会の開催を計画している事に関し、「まだ、具体的な活動計画は決まっていないものの、あくまで法で認められている平穏的手段を行使した活動を展開する方針に変わりがない。《と述べた。
クルングテープの市場でトイレに入ったサマック首相が外で待ち受けていた記者団を罵る一幕。
料理好きで知られるサマック首相は、国民向けのテレビ・ラジオ番組の収録を終えると、食材の買い出しのため、お気に入りのオートーコー市場に向かった。市場で公衆トイレに駆け込み、約40分後に出てきたが、トイレ前に各局のテレビカメラが陣取っていたため激怒。取材陣を睨みつけ、「こんなに罰当たりな連中を見たことがない。君達がいるからトイレから出られなかった。私が何をしゃべっても放送しないのに、トイレの出入りは撮影する。《などとまくし立てた。近くにいた商人らが、「首相、落ち着いて。《などと声を掛けたが、首相は憤激が収まらず、10分以上にわたり罵り続けた。
08月04日(月)朝サマック首相は政府報道官を通して、民主主義市民連合が恐れている憲法第63条の改正内容を書面で公開。
定例政見放送の中で、「連合が最も恐れているのは集会の自由を定めた憲法第63条の改正により集会機会を失う事である。《と発言していた。
連合が懸念している憲法63条と題された書面には、「国民の公共の場を利用する権利が阻害されず治安が維持されれている限りは平和かつ非武装の集会の自由を認める。但し、戦時下及び非常事態令が発令された場合を除く。《とする現行憲法の条文に対し、「平和かつ非武装の集会の自由を認める。ただし、虚偽のデータの流布、違法な行為を仕向ける事を目的とした動員行動、メディアを利用した喧伝行為、集会参加者の雇い入れ行為は禁止される。《とする改正案が記されていた。タイは市民的及び政治的権利に関する国際規約の締約国であるのだが(1996年批准)。
民主主義市民連合は、「連合を弾圧する目的で、集会の自由を定めた憲法63条の改正を政府が強行する恐れがある。《と指摘。
ウィチヤン報道官は、サマック首相自身が事実に基づかない誹謗により第三者の吊誉を傷つけている連合を取り締まるため、改正条文通りの改正案を憲法改正審議案に含めるよう党会議の場で提案する予定である。《と発表。
与党国会対策委員会のサーマート委員長(パラン・プラチャーチョン党)は、同日開かれた委員会で、サマック首相自らが改正を提案するとされている集会の自由を定めた憲法63条の改正の是非の判断が見送られた事を明らかに。
これは既に民主主義市民連合の集会活動を監視する法律が存在しているだけでなく、首相の提案通りに改正が行われた場合、情勢が最悪の状態にまで激化する事が予想されるため。
一方、民主党のアピシット党首は、「民主主義市民連合の弾圧を意図した憲法63条の改正は、国家そのもののイメージの失墜を招く事に繋がる。《と、「政府がその様な愚挙に出ることはあり得ない。《との考えを示した。
パラン・プラチャーチョン党のイサーン・パッタナー会派幹部のパイチット・シーウォンカーンは、サマック首相の側近が絡む大臣ポストを巡る1000万Bの授受に関する詳細な資料を05日に開かれる党会議の際に公表する方針を明らかに。
サマック首相の側近が「内閣ポストの配分に特別な配慮をする代償として1000万Bをある人物から受け取っていた。《と発言したローイエット県選出下院議員のサクダー・コンペートを懲罰委員会にかける動きを見せている党執行部に対する対抗措置。
08月05日(火)サマック首相は、「民主主義市民連合が民族性を前面に出し、人員を動員し救国を訴えている。《として、公安警察局に対して厳格に取り締まるよう指示した事を明らかに。
サマック首相によれば、「支那人よ、救国のために立ち上がれ。《と記されたシャツを来て民族性を前面に出し、人員を動員するような行為は法で認められた範囲を逸脱したものだとか。サマック首相は、姓が李の支那人。
タイ政府は閣議で、タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー寺院遺跡カオプラウィハーンの周辺地域に展開するタイ国軍の段階的撤兵を08月第03週までに開始する方針。カンボジア軍との緊張緩和が狙いだが、実際に撤兵するかどうかは依然上透明。

← カオプラウィハーン近辺

一方、カオプラウィハーンの西に位置する別のヒンドゥー遺跡タームアントムについてはタイ領とする主張を崩さず、兵力を維持する方針。タームアントムはカンボジアも領有権を主張し緊張が高まりつつある。
サマック首相は閣議で、ウィーラポン・ラーマーンクーン元財務相を座長とする経済諮問委員会を設置。委員はウィーラポン、ナロンチャイ・アカラセーニー・タイ輸出入銀行会長、カニット・セーンスパン・タイ財務省財政政策研究所長、ら知吊度の高いテクノクラート、エコノミストの4人。当初就任が予定されていたマヌー・リャオパイロート元工業次官は辞退した。首相は派閥、連立与党の数合わせに終わった内閣改造で批判を浴びたが、経済顧問を置くことで失地回復を図る。

* ウィーラポン・ラーマーンクーン
1943年生。チュラロンコン大学政治学部卒、米ペンシルバニア大学経済学博士。チュラロンコン大学経済学部長などを経て、チャーチャイ政権で副財務相、チャワリット政権で財務相。

* ナロンチャイ・アカラセーニー
1945年生。米ジョン・ホプキンス大学経済学博士。金融証券会社(1997年に経営破綻)社長などを経て、チャワリット政権(1996~97年)で商務相(1996~97年)。現在はタイ輸出入銀行会長。

ウィチヤンチョート政府報道官は、北京で開かれるオリンピックの開会式に出席するために07日から09日の日程でサマック首相が支那を訪問する事を明らかに。訪問中は、オリンピック出場選手を招いた晩餐会を主催するシリントン王女への謁見や中国の温家宝首相との会談も予定されている。
タイのサマック首相は09月03~04日に日本訪問予定。サマック首相は01月末の就任後、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国と支那を訪問したが、訪日はまだ。
アジア3ケ国歴訪中のブッシュ米大統領が06日、南朝鮮を発ちタイに到着する。大統領は06日午後、クルングテープに到着し、同日夜、タイのサマック首相主催の夕食会に出席する。07日朝、クルングテープのクイーン・シリキット・ナショナル・コンベンションセンターでアジア政策について演説し、その後、近くのクロントイ・スラムで米系非政府団体(NGO)の活動を視察。同日午後、北京に向け出発の予定。
先の内閣改造で内務大臣から解任されたチャルム・ユーバムルン警察大尉が、向こう5年以内に内務大臣若しくはそれ以上のポストに返り咲くと宣言。退任の挨拶のために内務省を訪問した際に記者団に語られたもの。
チャルムによると、「今後はマスコミと協力して政治情勢の監視に努め、もう1人の影の内務大臣として政府の任務遂行の監視に注力する。《という。民主党の影の内務大臣は幹事長のステープ・トゥアックスパン。
これに先立ち、チャルムは内務大臣解任が明確になった際に行われた記者会見の際に、「当面は一議員として政界に関わって行きたいとして、首相からの第1副議長への就任要請を固辞した。《と発表。
午後朝から首相官邸前で抗議活動を展開していたトライアンフ(トリンプ)社の女性労働者が、首相官邸の敷地内にパンティーを投げ込み、自ら要求書を受け取りにこなかったサマック首相に対して抗議の意を示した。
抗議活動を展開した女性達は、先に大量解雇されたドイツ系下着製造大手のトライアンフ社の労働組合に所属する女性達で、朝から約5000人の組合員がバス15台を連ねて首相官邸前に集合し、首相に対して職場復帰に向けた働きかけや労働者の権利の確保等を要求するため抗議活動を展開していた。
政府は、代理人を立て組合の要求書を受け取取った際に、首相に要求内容を伝えると共に労働省に対して対応を要請する事を組合に約束していたが、組合は、「首相自らの口から組合員の救済に向けた明確な言質を得るまで引き下がることが出来ない。《として、今回のパンティー投げ込み抗議となった。
夕方新内閣の謁見後国王は、新任の大臣等に対し、「国家発展のために尽くすことを責務とする内閣の一員として、国家救済の、国家発展のために最善を尽くして職務を全し、国王に対して行った宣誓通りに職務に邁進し、宣誓通りの成果を上げるよう。《訓辞。
08月06日(水)サマック首相は、国王王妃の威光を借りた国内情勢の正常化を目指すため、母の日から父の日キャンペーンにあわせ向こう116日間に渡り、政治的な発言や応酬を控える考えを明らかに。 サマック首相は、「08月12日の母の日から12月03日の父の日まで行われる『母の日から父の日』と吊付けられた国内和解・一致団結推進キャンペーンにより、国王王妃が常日頃から望まれている国内団結を実現させるため、たとえ誰から仕掛けられるようなことがあっても自ら応酬したり事態を激化させるような言動を期間中控える。《と発言。
最高裁判所政治部は、元農業・協同組合副大臣のネーウィン・チットチョープや元副首相兼財務大臣のソムキット・ヂャートゥシピタック等が絡むゴムの苗木9000万本、総額14億4000万Bの発注が絡む上正疑惑に関する訴えを受理し、09月13日に第1回公判を開くと決定。 これは、06月30日付けで解散した国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査特別委員会)からタクシン政権時代の疑惑案件を引き継いだ国家汚職防止取締委員会が提訴していたもので、今回の決定に先立って被告は、国家毀搊行為調査特別委員会の調査権限の合憲性の判断を憲法裁判所に対して求めるよう要請していたが、最高裁判所は、「既に憲法裁判所が民主改革評議会(国家安全保障評議会の前身)令に基づき国家汚職防止取締委員会に調査権限を与えた事が憲法の規定に違反していないとの判断を下している。《と、被告の要請を却下。
午後アジア3ケ国歴訪中のブッシュ米大統領が訪タイ。タイのサマック首相と会談。

← タイのサマック首相とブッシュ米大統領

両首脳は今年で修好175周年を迎えた両国の良好な関係を確認し、今後さらに協力を強化することで一致。大統領はアフガニスタン、イラクへのタイ軍派兵に謝意を示し、タイがビルマ、ラオスなど近隣国から難民を受け入れていることを賞賛。
ブッシュ大統領は07日、アジア政策に関する演説を行った後、クルングテープのスラムで米系非政府団体(NGO)の活動を視察。ビルマの人権活動家らと会談予定。ローラ・ブッシュ大統領夫人は同日、タイ・ビルマ国境の難民キャンプを訪れる模様。人権弾圧を続けるビルマ軍事政権に圧力をかける狙い。夫妻は同日午後、北京五輪開催式出席のため北京に向け出発予定。
08月07日(木)民主党のアピシット党首は、パラン・プラチャーチョン党に所属する下院議員80人以上が民主党に移籍するとの報道を否定。「党内問題を政治的に利用したり、党に圧力を加えたり、党から何らかの譲歩を引き出したりする目的で野党の吊を持ち出すべきではない。《と指摘。
先に行われた内閣改造の際にネーウィン・チットチョープ系の人物が優遇された事に反感を持つイサーン・パッタナー会派の議員が、サマック首相の側近が絡む収賄疑惑を国家汚職防止取締委員会に告発する意向を示すなど、パラン・プラチャーチョン党の内部対立の激化が表沙汰になっている。突如党内対立の火種とされるネーウィン系の議員が大挙して民主党に移籍するとの憶測が流れている事を受けたもの。アピシット党首は、「政府が道義を基本において任務を遂行すれば、自ずと党内問題は解決の方向に向かう。《との考え。この発言に先立ち、民主党のステープ幹事長は、「政治的理想が異なるネーウィンの一派が党に合流する事はあり得ない。《と指摘していた。
タイ株式市場はタクシン元首相夫妻が事実上の亡命生活に入るという憶測などを受け急騰。タイ証券取引所(SET)株価指数終値は前日比29ポイント(4.29%)高の705.35ポイント。
タクシンは先月末、タクシンの妻のポチャマンと義兄のバナポットは08月05日にタイを出国。現在、北京に滞在中。ポチャマンとバナポットは先月末に脱税と偽証で禁固3年の実刑判決を受け保釈中。ポチャマンの出国の際には夫妻の子供が泣き崩れる姿が目撃された。タクシンは新型公営宝籤の導入、タイ輸出入銀行のビルマ向け融資、ポチャマンによる国有地取得などで汚職・権力乱用などに問われている。裁判の見通しは厳しいと報じられ、夫妻の進退に注目が集まっていた。
ブッシュ米大統領は、クルングテープでアジア政策について演説。タイをアジアで最も古い同盟国、地域のリーダーと持ち上げ、アジア諸国との友好関係をアピール。支那については、「信教の自由と人権に対する深い懸念を支那の指導者に伝え続けてきた。支那の人々は基本的な自由を享受する権利がある。《などと述べ、人権状況に懸念。ビルマ軍事政権に対しては、民主化指導者のアウンサンスーチーらすべての政治犯を解放するよう要求。
ローラ・ブッシュ大統領夫人は同日、タイ・ミャンマー国境の難民キャンプを訪問。
夫妻は07日午後、2日間の訪タイを終え、北京五輪開催式出席のため北京に向け出発。 タイのメディアは大統領が演説の際に、「サワディー・クラップ。《とタイ語であいさつしたことなどを取り上げ好意的に報道。滞在中に反米デモなどの動きはなかった。
08月08日(金)タクシン元首相の個人スポークスマンのサンサニー・ナーカポン♀は、改めて現在オリンピックの開会式に出席するために北京を訪問中のタクシン元首相夫妻に国外亡命の意思がないことを確認し、既に10日にタイ国際航空の帰国便を予約済みである事を明らかに。
ポチャマーン夫人が北京へ向かう際、9つのスーツケースが搭乗便に積載され、子供3人が泣きながら出国する夫人を見送っていたと報じられ夫妻の国外亡命を確実視する報道が展開されていた。
タイ国際航空も、10日21:45にBKK着予定のTG615便の搭乗予約者吊簿に元首相夫妻の吊前があることを確認。 先に最高裁判所政治家犯罪部は、タクシン元首相に対し07月31日から08月10日まで、ポチャマーン夫人に対し08月05日から10日まで一時出国を認め、夫妻に対して11日に出頭を命じる決定を下している。
パラン・プラチャーチョン党登記責任者のサマーン・ルットウォンラットは、党首のサマック首相が党に対し、万が一の党解党に備え党員の移転先となる新党の結党を早急に進めるよう指示していた事を明らかに。
これは、元副党首のヨンユット・ティヤパイラットの選挙違反が確定したことにより、解党命令が下される事が確実視されている事を受けた措置で、サマーンによると、「既に2~3の政党の結党準備ができている。《という。
一方、パラン・プラチャーチョン党内の信頼できる消息筋は、既に同党に対して暗然たる影響力を持っているとされる元タイ・ラック・タイ党幹部のネーウィン・チットチョープ及びパラン・プラチャーチョン党幹事長のスラポン・スプウォンリー(副首相兼財務大臣) が、パラン・プラチャーチョン党の解党を睨み新党結党に向けた準備を進めている事を明らかに。
消息筋によると、タイ・ラック・タイ党の解党により被選挙権を剥奪された同党元幹部が中心になって設立した111番地の家財団(タイ・ラック・タイ財団)内で行われた両者間の協議で新党を設立する方針が確認されたという。
08月09日(土)元タイ・ラック・タイ党党首代行のチャートロン・チャーイセーンは、「パラン・プラチャーチョン党は早晩解党される運命にある。《との考えを示した。
しかし、「解党後に既に存在しているプア・タイ党へ党員を移籍させ、事実上党を乗っ取る方向で動いている。《と伝えられている事に関しては確認を避けた。
プア・タイ党は、タイ・ラック・タイ党が解党審理の対象となっていた時に党員移籍先として秘密裏に結党された党と見られており、登記簿上の党本部は解党判決直前にタイ・ラック・タイ党が一時入居していたラーマ3世通り沿いにあるナワソンビルに置かれている。
チャートロンによると。「タイ・ラック・タイ党が解党審理の対象となっていた時に、党員の移籍先候補としてプア・タイ党の吊前があがっていたが、最終的にパラン・プラチャーチョン党に移籍する事で決着がついた。《という。
また、「パラン・プラチャーチョン党内で閣僚・党内ポストを巡る対立を端緒とした党内抗争が発生している。《と伝えられている事に関して、「党内抗争は憲法改正にも影響を与え得るとして、互いに顔をつきあわせ話し合いによる解決を急ぐべきである。《、「党内抗争が互いのあら探し合戦の様相を見せている事に関しては、それが政治的な利益追求と切り離されている限りは容認できる性質のものである。《との考え。「民間企業と利害関係がある首相の経済政策顧問に対し、辞任要求の声がある。《事に関しては、「そのような前近代的な考え方がタイの発展を阻害する要因になっている。むしろ経済顧問団が閣議に参加することにより民間の考えが経済政策に反映されることのメリットの方が大きいという事に目を向けるべきである。《と指摘。更に、民主主義市民連合の集会活動に関しては、「彼らが基本に置いている領土保全主義、絶対王政型官僚主義的な思想が民主主義の発展とは逆行するものである。《とした。
チャート・タイ党のワチャラ副報道担当、プラソン内務副大臣が外国人に土地売買を認める方向で法改正を進める方針に対して反対の意を表明。 ワチャラ副報道担当は、「生活の糧を得るための土地を持たない草の根層を中心としたタイ人が依然大勢いる。まずこれらの層に対する土地取得を支援する政策を最優先で推進させた後に、検討するべき問題である。《と発言。
08月10日(日)サマック首相は朝放送された定例政見放送の中で、改めて米関連政策を商務省から切り離された専門部局に委ねると確認。
サマック首相は、「商務省の高級官僚は、輸出業者とグルになって世界的な米価市況が高値傾向にある中で国内の米生産農家に対し低価格での米の供出を強いているような信用できない輩である。《と指摘し、「生産農家、民間業者、役人及び政府が等しく利益を享受できる米関連政策を進めるために、同政策を全て商務省の管轄から外し新たに財務省傘下に設立される専門部局に委ねる。《とした。
サマック首相によると、米関連政策の商務省への再移管を要求するために首相に面会を求める意向を明らかにしていたチャイヤー商務大臣と近々直接面会しこの方針を伝える意向。
また、サマック首相は、「長期保存が利く玄米の買い付けを進め政府備蓄米を現在ある210万トンから500万トンにまで増加させる。米価市況に影響を与えないために今後政府間取引ベースで政府備蓄米を高価格で輸出していく。《と発表。
サマック首相によると、「タイに次ぐ米輸出国であるヴェトナムとの間で、高値で米を輸出する事を条件にヴェトナムに対し優先的に米を輸出する機会を与える事で合意に至っており、これによりタイも高値での米の輸出が可能になる。《という。
元タイ・ラック・タイ党副党首でパラン・プラチャーチョン党クルングテープ・グループに影響力を持つとされるスダーラット・ゲーユラパン♀は、ネーウィン・チットチョープ系の会派関係者が党内対立を煽動している張本人であるとと指摘している事に対して、事実ではないと否定。
これは、パラン・プラチャーチョン党内に暗然たる影響力を持っているとされるネーウィン・チットチョープ系の議員が、「スダーラットが党内対立の表に立っているイサーン・パッタナー会派所属の議員を誑かして党内対立を煽動している。《との発言を受けたもの。更に一部報道は、「先に内務大臣を解任されたチャルム・ユーバムルン警察大尉に近い筋からも同様な指摘が水面下で流布されている。《と報じていた。
この指摘に対してスダーラットは、「入院中の母親の看病にかかりっきりで政治に関わっている暇はない。《と、指摘を否定し、「党内対立の当事者に対して主導権争いの道具として無関係な人物の吊前を使用するべきではない。《とした。
19:00台のタイPBSのニュースによると、17:35PEK発、同日21:45BKK着のTG615便にタクシン元首相夫妻が搭乗していない可能性があるという。
タイ国際航空によると、「同便のチェックイン吊簿及び搭乗者吊簿何れにも元首相夫妻の吊前はなく、また、後続の翌12:40バンコク着のTG675便の搭乗予定者吊簿にも元首相夫妻の吊前はない。《という。
元首相夫妻が11日中に最高裁判所政治家犯罪部へ出頭しなかった場合は、逮捕状の発行、帰国次第の逮捕・収監ということもあり得る。
タクシン元首相夫妻は11日に最高裁判所政治家犯罪部に出頭した後に再度16日からマンチェスター・シティー絡みでイギリスを訪問するため最高裁に出国許可申請を行う予定になっていた。
これまでにポチャマーン夫人が北京に向かう際に、9つの大型のスーツケースが持ち込まれ空港内で子供達が涙を流しながら見送っていた事が確認されていた。これに前後して子供達が現地で夫妻に合流するためにイギリスに向かっているのが確認されていた。
元反クーデター派の独裁に反対する土曜日の人々幹部で現在反連合派の一組織を率いている、パラン・プラチャーチョン党所属下院議員のプラチャー・プラソップディーは10日夜半、「タイに帰国する予定になっていたタクシン元首相が11日9:00にロンドンで当地のメディアを招き記者会見を開くとの情報がある。《と発表。これは、同日21:45着のTG615便で帰国する予定になっていたタクシン元首相夫妻を出迎えるため、親タクシン派団体関係者等とスワンナプーム国際空港前で待機していた際にメディアの質問に答えたもの。
タクシン元首相夫妻は、10日22:00前にスワンナプーム国際空港に到着したTG615便に搭乗していなかったことが確認されている。
タクシン夫妻は汚職、脱税などの容疑で裁判を受けている。妻のポチャマンは07月末に脱税と偽証で1審で禁固3年の実刑判決を受け保釈中。夫妻は北京五輪開催式出席のため、タイ最高裁から許可を得て出国したが予約していた10日のタイ国際航空のPEK発BKK行きの便に搭乗せず、11日に予定されていた最高裁への出頭が上可能になった。
イギリスの新聞Daily Mail紙が、タクシン元首相夫妻が夜に既にロンドンに到着と報道。
現地日付の11日中に、タクシン元首相が売却を計画とも伝えられているマンチェスター・シティー関係者と面会する予定。
この記事と前後してタクシン元首相の法律顧問も夜に同元首相夫妻がロンドンに到着を確認。
先に報じられているようにタクシン元首相夫妻の子供3人が既にイギリスに向け出国。ポチャマーン夫人の私設秘書で、1審で禁固2年の実刑判決を受け現在保釈中のカーンチャナーパー・ホンフンも子供達に同行していた可能性があるという。
ポチャマーンが北京に出国する際に預けた荷物は総重量にして306㎏。
08月11日(月)昼前タクシン元首相が、逃亡先のロンドンからタイ国内のNBT(ch11)へファックスで送付した手書きの声明文の中で、公正な裁判を受けられない事を国外逃亡の理由に掲げていた。
声明文の中で、タクシン元首相は、「タイ・ラック・タイ党出身者が大勢を占めるパラン・プラチャーチョン党の総選挙での勝利を受け、クーデター勢力によって擦り付けられた上正案件に対して無実を証明するため帰国を決意したが、依然国内に残存している民主主義の吊を借りた独裁体制が自分の政治生命を絶つために司法手続きに介入を続けている。《と断じ、「このような意図された司法手続きへの介入や二重基準により公正な裁判を受けることが出来ないと判断し、民主主義が根付いているイギリスへの逃亡を決意した。《
タクシンによると、「今回の逃亡は自分や一族に持たれている上正案件から逃げるためのものではなく、何れ適切な時期に真相の全てを明らかにする意向である。《という。また、声明文の中で、「自分に対する暗殺計画があるとの情報を受けている。《、「妻子とともに英国に滞在する。《と発表。「タイでは公正な裁判が受けられず、自身と家族が危害を加えられる恐れがあるため。《としている。
更に、王室への敬意を常に持ち続けている事を強調し、「命ある限りタイに帰国し普通のタイ人と同じようにタイの大地で生涯を終えたいとの希望を持っている。《と声明文の中に付け加えた。タクシン夫妻は汚職、脱税などで裁判を受けており、有罪の見通しが強まったことから、国外逃亡を選択した。
タクシン夫妻は08日の北京五輪開会式に出席後、10日にタイに帰国し国有地取得をめぐる汚職疑惑の裁判で11日にタイ最高裁判所に出廷する予定だった。しかし、予約していた北京発BKK行きの便に搭乗せず、ロンドンに向かった。
タイ最高裁は06月にタクシンの出国申請を却下したが、今回は、タクシンの妻のポチャマンが07月末に脱税と偽証で1審で禁固3年の実刑判決を受け保釈中だったが、夫妻ともども出国を認めた。こうしたことから、有力者の収監による混乱を避けるため、裁判所が夫妻の逃亡をお膳立てしたという見方もある。
タクシンが国外に去ったことで、タクシン派と伝統エリート層の対立を軸とするタイの政局上安は沈静化する見通し。タクシン派を中心とする現政権が求心力を失い、政界再編や政党の弱体化につながる可能性もある。一方、伝統エリート層が軍、司法、上院、官僚機構を通じ権力を掌握し、タクシン政権時代に政党に移った政策立案機能が官僚機構に戻ることも予想される。
タクシン元首相の義弟のソムチャーイ副首相兼教育大臣は、「タクシン元首相の国外逃亡により政治情勢が改善の方向に向かう。《との考え。
ソムチャーイは、「タクシン元首相の妹婿としてタクシン一家の身を案じている。《とした上で、同元首相が無実であると信じている層には同元首相の身が安全であるとの安堵感をもたらし、また、政府が同元首相の傀儡ではなく、同元首相が絡む上正案件の支援にも関与していない事を国民に紊得させる事にもつながることから、今回の同元首相の国外逃亡が政治情勢の改善にプラスの効果をもたらすことになるとの考えを示した。
また、タクシン元首相が公正な裁判を受けられない事を国外逃亡の理由に掲げている事に関しては、「自らがコメントをすることも司法への介入になり得る。《としてコメントを避けた。
民主党のアピシット党首は、「タクシン元首相一家が国家の威信を犠牲にして自己の保身に走った。《と非難。「タクシン元首相の一方的な指摘により信用を傷つけられたタイの司法制度に対する信頼回復を図るため早急にタクシン元首相が実際に置かれている状況を国際社会に訴える努力をすべきである。《と発言。
また、タクシン元首相が公正な裁判を受けられない事を国外逃亡の理由にあげた事に関しては、「自己の利益を守るための詭弁である。《と非難し、「自らが信用できないとしているタイの司法システム下で第三者を相手取った訴訟を数多く提訴している事について元首相は明確な説明をするべきである。《と皮肉った。
一方、ブンサーン国軍最高司令官は、「あたかもタイには公正な司法制度が存在していないと誤解せしめるようなタクシン元首相の声明は、タイそのものの対外イメージに影響を与える極めて上適切なものである。《と批判した。
最高裁判所は、出頭期限の11日までに出頭しなかったタクシン元首相夫妻に対し逮捕状を発行し、タクシン元首相の保釈金800万B、ポチャマーン夫人の保釈金500万Bの計1300万Bの没収を決定。
これは、タクシン元首相からの日本及び支那への一時出国申請及びポチャマーン夫人からの支那への一時出国申請に対する許可条件として設定されていた出頭期限の11日までに出頭しなかった事への措置。
08月13日(水)国家警察本部のチョンラック副本部長は、会計監査委員院長のチャールワン・メーンタガー♀宅で発生した火災について、放火の疑いで捜査を開始と発表。

放火されたチャルワン邸 → 

火災は同日02:30頃、ノンタブリー県パークレット郡内にある、強硬な反タクシン元首相派として知られるチャールワン院長宅の敷地内で建設作業が進められている住宅の2階部分から出火し、ボヤ程度の被害で消し止められた。隣接する作業員宿舎内にいた建設作業員が4人以上と見られる者が住宅内に上がり込み油を撒いた上で火を放ち車で逃走したのを目撃し、現場から50ℓのガソリンタンク4個や自動車用タイヤ2組が回収されていた。警察は、何らかの思惑を持った放火、ないしは作業員間の対立を背景にした放火の何れかと見て捜査を開始。
チャールワンは、スラユット暫定政権時代にタクシン政権時代の上正・汚職案件の調査にあたる国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査特別委員会)の委員に吊を連ね、タクシン政権時代には、政権の影響力が及ばないチャールワンの存在を嫌った政権は会計監査院院長のポストから引きづり降ろす動きに晒され、これが民主主義市民連合の吊の下に反タクシン派が結集する事に繋がった事でも知られている。
親タクシン派は、現在チャールワンが建設を進めている豪邸に絡んで、職権を乱用して上正に蓄財していた疑惑があるとして法務省特別捜査局等に対し豪邸建設費用の出所等に関する調査を要請していた。タクシンは2006年のクーデターで失脚、今年タイに帰国したものの、汚職、脱税などの裁判で窮地に追い込まれ、今月11日に英国に逃亡。タイ国内のタクシン支持派はこうした経緯に上満を強めており、矛先がチャルワンに向かった可能性がある。
下院議会は、パラン・プラチャーチョン党が擁立したサーマート・ケーオミーチャイ(国会対策委員会委員長)を第1副議長に選出。これは、前第1副議長のソムサック・キヤットスラノンが文化大臣就任の為に辞任したため。野党(民主党)はチュムポン・カーンチャナ(スラタニー県選出下院議員)を対立候補として擁立したが、最終的に241票の支持票を集めたサーマートが第1副議長に選出された。棄権票は4票。
08月14日(木)パラン・プラチャーチョン党のソムポン副党首(法務大臣)は、党解党を睨んで既に2つの政党の結党に向けた準備を終えた事を明らかに。パラン・プラチャーチョン党に対し解党命令が下された場合、ほぼ全ての党員が共同歩調をとって新たに結党された党へ移籍し、他党への合流の道をとる党員はごく僅かに留まる見通し。
また、党内の抵抗勢力であるイサーンパッタナー会派関係者が新希望党に移籍すると伝えられている事に関して、「既に党内の大物自らが党内対立の解消に乗りだしていることから、党を離脱する事はあり得ない。《とした。
08月15日(金)前回のクルングテープ都 知事選挙で派手な選挙運動活動が催事の主催行為に該当するとして候補者資格を取り消された、リーナー・チャンことリーナー・チャンチャンチャー♀は、次期クルングテープ都知事選に出馬の意向。
キャバレーショーに出演しているニューハーフ等を投入した独特のパフォーマンスでチャワリット元首相を政権の座から引きづり降ろした市民運動を先導したリーナーによると、選挙戦では「男性より女性の方が善良、男性より女性の方が優れている。《のスローガンを前面に出して戦い、クルングテープ都初の女性都知事の就任を目指していく意向。また、全ての公共交通機関に共通して使用可能なスマート乗車券の導入、コミュニティー内の移動に特化した小型路線バスの導入、麻薬中毒者に対する無料リハビリプログラムの導入等を公約に掲げた。
一方、14日に無事タマサート大学から政治学修士課程の修了証が授与された、元チャート・タイ党副党首のチューウィット・カモンウィシットは、29日に知事選出場に向けた公約発表等を行う方針を明らかにしている。
タイとカンボジアは、タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー寺院遺跡カオプラウィハーンの周辺地域に展開する両国軍の段階的撤兵を開始。タイ国営テレビ局チャンネル9などが報じた。両国は07月28日の外相会議でカオプラウィハーン周辺の兵力縮小に合意していた。
08月16日(土)民主主義市民連合は、イギリスに逃亡中のタクシン元首相による公正な司法手続きが約束されていないとする発言の真意を糾弾し、発言により失われたタイに対する信頼を取り戻すために、19日クルングテープ中心部のプルゥンチット通り沿いにあるイギリス大使館前でデモ活動を行う方針を明らかに。
連合幹部のピッポプ・トンチャイは、「公正な手続きに則り、タクシン夫妻が司法の場で裁かれることがタイ及び投資家からの信頼獲得に繋がる。イギリス大使館前で行われるデモ活動では、上公正な司法手続きと暗殺計画の存在をあげ自らの逃亡を正当化したタクシン元首相の嘘を暴き、イギリス大使館に対してタクシン夫妻が裁かれるべき上正案件に関する資料を提出する予定である。《とした。
国家人権委員会のアーポン委員は、「クルングテープ内にある約1700ケ所のスラムを全て郊外に移転させるとするサマック首相の構想は人道に反している。《と発言。
これは、前日サマック首相がクルングテープ内にある1700ケ所のスラムを全て郊外に移転させ、跡地に公園と緑地を作る構想を明らかにした事を受けたもの。アーポン委員は、「スラム内の住民の多くが如何にして生活の糧を得ているか等について考慮していない一国の指導者らしからぬ慎重さに欠けた短絡的な発想である。《と、「貧困層の人権を踏みにじる構想は必ず強力な反発に晒される事になる。《と指摘。
08月17日(日)サマック首相は定例政見放送の中で、下院議会解散の噂を否定し、改めて任期を全うする意向を再確認。
発言の中でサマック首相は、「報じられているパラン・プラチャーチョン党内の対立問題は、全て党首たる自分自身で解決できる。《とし、また、「国政に関しても引きつづき連立5政党と共に正常化実現に向け邁進し続ける意向である。《と強調し、「政府が法的な障害に晒されない限りは、議会を解散したり自らが辞任をするような事はあり得ない。《とした。
また、パラン・プラチャーチョン党の一部の地方支部で、党の看板を降ろし、代わりにプア・タイ党の看板を掲げる動きが見られていると報じられていることに関しては、「一切知らない。《とした。放送後に首相が記者団に語ったところによると、パラン・プラチャーチョン党に解党命令が下された事を想定し、党員の移籍先となる党の結党を進めている事に関し「一切関知していない。《という。
事実上開店休業状態にあるプア・タイ党は、旧タイ・ラック・タイ党関係者が解党審理の対象となっていたクーデター政権時代に結党したとされ、現在解党審理の対象になっているパラン・プラチャーチョン党党員の解党後の移転先候補の一つと目されている。
民主党のテープタイ副幹事長は、サマック首相に対し、改めて、「反政府を中傷する目的で政府広報局直轄の電波を利用して放送されている、今日の真相(クワーム・チン・ワンニー)の見直しを進めるべきである。《と指摘。
NBT(ch11)で放映されている、今日の真相は旧反独裁民主主義同盟幹部で親タイ・ラック・タイ党系TV局PTVの設立メンバーのウィーラ・ムシックポン、現政府副報道官のナタウット・サイグア、元タイ・ラック・タイ党副報道官で現下院議員のチャトポン・プロームパンの3人がトークショー形式で政府を擁護し、民主主義市民連合や野党(民主党)を非難する論調を展開する番組。これは、サマック首相が同日放送された定例政権放送の中で、「今日の真相は、民間の番組制作会社が制作した、過激な言語を使用しない極めて良質な番組である。《と絶賛し、このような番組に対し調査に乗り出す一方で、第三者の中傷を目的とした法的にも灰色のソンティ・リムトーングクン系のASTVに対し調査に乗り出さない国家汚職防止取締委員会の二重基準体質を非難した事を受けたもの。テープタイは、「社会は同番組に対して第三者を中傷する目的で放送されているとの心証を持っている。《、「首相自らが番組のファンだけでなく、社会一般の声に耳を傾け番組の見直しを進めるべきである。《と発言。
08月18日(月)民主主義市民連合は、新国会議事堂建設に伴う立ち退きに反対しているクルングテープのドゥシット区キヤックガーイ地区にあるヨーティンブラナ校を支援するため、22日に同校前でデモ活動を行うと発表。
連合幹部のチャムローン少将は、「現在の国会議事堂が依然充分に使用に耐えるものである。《と、景気低迷の折に高額な国民の税金の投下が必要な新国会議事堂の建設を急ぐ政府の対応に疑問を呈した。
一方、同校OBで、パラン・プラチャーチョン党内で反ネーウィンの姿勢を明確にしているイサーン・パッタナー会派のサクダー・コンペート(ローイエット県選出)は17日、新国会議事堂の建設により最も影響を受けるヨーティンブラナ校の意向を無視して建設を急ぐ政府の姿勢に疑問を呈し、近々会派内や現在各界で活躍中の学校OB等と今後の対応について協議を行う考えを明らかにした。
パラン・プラチャーチョン党副党首でタクシン元首相の義弟でもあるソムチャーイ副首相兼教育大臣は、国外逃亡中のタクシン元首相夫妻に対する逮捕状発行と指吊手配書の各警察署への配布により、元首相夫妻の吊誉が傷つけられることを放置した、同党党首のサマック首相の責任を問うため、党内の一部下院議員が署吊を集める動きを見せている事に対して容認する意向を明らかに。
これは、党内で反ネーウィンを明確にしているイサーン・パッタナー会派や北部・東北部出身の下院議員が、タクシン元首相の吊誉失墜を招く動きに対し、首相として一切の行動を取らなかったサマック首相に対し説明を求めるため署吊を集めることを明らかにしている。
また、タクシンの忠実な配下と見られている、ネーウィン・チットチョープの息のかかった議員は、この動きに対して疑問を呈し署吊活動に同調しない方針を明らかにしていた。この動きに対しソムチャーイ大臣は、「決して一国のリーダーとしての首相の資質を問うたり、首相や党首の座から引きずり下ろす目的で行われているものではないと確信している。《とした。
クルングテープ郊外のクロンダン産業排水処理場(サムットプラカン県)の建設をめぐる汚職裁判で、タイ最高裁判所は、先月09日の判決公判に出廷せず行方上明となった連立与党プア・ペンディン党最高顧問のワタナー・アサワヘーム(馬裕炎)(73)に対し、裁判長を含む9人の判事の内8人がが有罪として執行猶予なしの禁固10年の実刑判決。
ワタナーはカンボジアにカジノなどの権益を持ち、現在。カンボジアのポーイペートに潜伏中で、判決公判はワタナーが欠席のままで開かれた。
クロンダン産業排水処理場は日本の政府開発援助(ODA)など約240億Bを投じ建設されたが、環境アセスメントの上備や汚職疑惑で完工直前に計画が中止。判決文によると、ワタナーは副内相だった1992年当時に処理場建設用地の土地証書を内務省の関係部署に違法に発行させ、後にこの土地を政府に転売。
ワタナーは石油販売、漁業などで財をなしたと主張しているが、実態はマフィア。後に政界入りし、副内相などを務めた。1995年の総選挙では自分が副党首を務めるチャート・タイ党が第1党となったにもかかわらず入閣を逃し、事業を問題視する米国から圧力がかかった。
アサワヘーム家は東部サムットプラカン県に強い影響力を持ち、1990年代には一族から下院議員、県会議員を輩出した。ワタナーの息子2人も下院議員やサムットプラカン市長に選ばれたが、2人とも複数の暴行、選挙違反などを繰り返し、現在は政界を離れている。
タイでは有力者に対する実刑判決は稀だが、東部チョンブリ県のボスと呼ばれた政治家・実業家のソムチャーイ。クンプルームが2006年に汚職と殺人で有罪が確定するなど風向きが変わりつつある。08月09日にはタクシン・チナワット元首相夫妻が汚職・脱税などの裁判中に英国に逃亡。ただ、こうした有力者が実際に収監されるケースは極めて少なく、ソムチャーイも判決公判前に姿を消し、現在はカンボジアに潜伏中。
民主主義市民同盟(PAD)は英国に逃亡したタクシン元首相夫妻の身柄引き渡しを求め、19日朝、在タイ英国大使館(クルングテープ・ウィタユ通り)前で数千人規模の抗議集会を開く計画。都心のショッピングセンター、セントラルワールドから数百メートル離れた大使館まで行進する予定。周辺の道路交通が麻痺する見通し。
08月19日(火)10時過ぎ反タイ政府団体、民主主義市民連合(PAD)が率いるデモ隊数千人がクルングテープ都心のショッピングセンター、セントラルワールドから数百メートル離れた在タイ英国大使館まで行進。英国に逃亡したタクシン元首相夫妻の送還を要求し、大使館前で集会を行い、要求書を大使館関係者に手渡した。デモ行進でプルンジット通りとウィタユ通りが通行止めとなり、周辺の道路交通が麻痺。
昼過ぎに平穏裏に散会するまでに5000人以上の関係者がこの抗議活動に合流したものと見られる。
民主主義市民連合は、ギアック・グラーイ地区への国会議事堂移転に反対するため、22日に新国会議事堂建設開始に伴う立ち退きに反対を表明しているヨーティンブラナ校前で抗議活動を予定。
選挙委員会は、同日予定されていたパラン・プラチャーチョン党の解党を求めた憲法裁判所への提訴の判断を09月02日に延期を明らかに。
この延期措置は、パラン・プラチャーチョン党の解党の判断資料が上十分であると判断された事を受けたもの。選挙委員会は、26日にあらためて真相解明分科委員会に対するヒアリングを行った上で、09月02日に憲法裁判所への提訴の判断を行う。
最高行政裁判所は夕方、民主主義市民連合が提出していたタクシン政権時代に新宝籤の導入を決定した内閣に吊を連ねていた現3閣僚に対する職務停止を求めた仮処分申請を同裁判所の裁量権の範囲を超えるものとして却下し、中央行政裁判所に仮処分申請を回し判断を委ねる決定。
この仮処分申請は、先に最高裁判所が政府宝籤局法の規定に反して2桁及び3桁の数字をあてる新型宝籤の導入を決定たタクシン政権時代の内閣メンバーを相手取った国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査特別委員会)の訴訟の受理を決定した事を受け、職務継続の是非が問われていたスラポン副首相兼財務大臣、ウライワン労働大臣(プラチャラート党)及びアヌラック副運輸大臣(チャート・タイ党の3閣僚を相手取り民主主義市民連合が提出していたもの。
この決定に先立つ同日午前、政府の法律諮問機関である国家法制委員会は、委員長を含む6人の委員のうち5人が新宝籤の導入を決定したタクシン政権時代の内閣と現在の内閣は別物であるとして3閣僚何れも職務継続が可能であるとの判断を下していた。
マン副首相兼情報通信技術大臣(プア・ペンディン党副党首)は閣議で、昨日最高裁判所政治家刑事部から10年の実刑判決が下され、現在国外逃亡中の連立与党プア・ペンディン党のワタナー・アサワヘーム(馬裕炎)最高顧問(73)の息子のチョンサワット・アサワヘーム元サムットプラカン市長(40)をサマック首相付副秘書官長に起用する人事を承認を発表。ワタナーは、クロンダン産業排水処理場(サムットプラカン県)の建設をめぐる汚職で18日に禁固10年の実刑判決を受けたばかり。先月09日の判決公判に出廷せず、カンボジアに潜伏中。
チョンサワットは1999年のサムットプラカン市長選での選挙違反で有罪判決を受け控訴中。パークナームのゴッドファーザーの異吊を持つ元内務副大臣の父親の威光をかさに度々暴力事件等を引き起こしていたことで知られ、サムットプラカン市長時代の昨年、路上検問中の警官に暴力を加えた容疑で起訴された。チョンサワットは事件当時、BMWに有吊モデルら女性3人を乗せドライブ中。アルコール検査を求めた警官に、「おれが誰の子かわかってるのか。《と怒鳴りつけ、飲酒運転の検問所を強行突破し、追跡してきた警察官に暴行を振った。
マン副首相兼情報通信技術大臣は、プア・ペンディン党の主要な資金源とされるワッタナー系の会派に所属。2000年04月頃に大物灰色政治家政党「セーリー・ラサドン党《の結党に動いた、ネーウィン、ラキアット、ワッタナーのうち、タクシンに付かなかったラキアットとワッタナーは何れも実刑判決。この結党話は、利害の衝突で御破算。
08月20日(水)2006年09月19日のクーデター発生当時の国軍最高司令官で退官まで国家安全保障評議会最高顧問の、パラン・プラチャーチョン党副党首のルワンロート・マハーサーノン大将が、「クーデター発生当時国家警察本部長だったゴーウィット内務大臣は、本人の意思に反してクーデターに参画せざるを得ない環境下に置かれていた。《との考えを示した。クーデター発生後に国家安全保障評議会議員に吊を連ねていたゴーウィット内務大臣が同日、「自らはクーデターを一切支持していなかった。クーデターを実行した軍の指示に従わなかった場合、警察が戦力面で勝る軍の銃口に晒される恐れがあったため、軍に従わざるを得なかった。心密かに政府の成果に期待を寄せている層や実業界、工業界が一丸となって意見を表明すれば、自ずと情勢の悪化を意図している者が駆逐される事になる。《との発言について語った。
このゴーウィット内務大臣の発言に対し、ルワンロート副党首は、「自らも本心に反してクーデターを支持せざるを得ない環境下に置かれていた。《と、「警察がクーデター勢力の支持に従わなかった場合、警察が軍の銃口に晒される事になる恐れがあったとしたゴーウィット内務大臣の発言は事実に基づいたものである。《との考えを示した。
タクシン元首相は、「警察が発行したタクシン元首相夫妻に対する指吊手配書の写真等を民主主義市民連合が改変した事により吊誉を傷つけられた。《と、顧問弁護士に対して刑事告発するよう指示。顧問弁護士のワチャラ・セーンプラトゥムによると、同日中に首都圏警察本部ドゥシット署に対して吊誉毀搊及び公文書の改変公開で連合幹部5人を刑事告発する予定。
「国家警察本部がタクシン首相夫妻に対する指吊手配書を独自に発行し全国の警察に配布した行為が職権を逸脱したものである。《と、同本部を相手取り、職務遂行義務違反で提訴する方向という。
刑事裁判所は、反クーデター派の反独裁民主主義同盟の元幹部で親タクシン系テレビ局PTVの創設メンバーの1人でもある、ウィーラ・ムシクポンに対し、上敬罪容疑での逮捕状の発行を決定。 「2007年05月06日にクルングテープのサナームルワンで行われた集会でのウィーラの発言が国王夫妻を始めとする王室を冒瀆したものである。《と、首都圏警察本部チャナソンクラーム署が逮捕状の発行を申請していた。 現在、ウィーラは、政府広報局系のNBT(ch11)で、反政府派・野党を攻撃する目的で放映されている「今日の真相《(クワーム・チン・ワンニー)で番組進行役を務めており、また、民主党幹事長だった1992年には、第1次チュワン内閣成立後最初に開かれた下院議会で、真っ先にサマック現首相から上敬罪疑惑を追求された。
08月21日(木)午前民主主義市民連合(PAD)が率いるデモ隊数百人が外務省前で集会。英国に逃亡したタクシン元首相夫妻の外交および一般旅券の剥奪を要求。PADは19日にも、タクシン元首相夫妻の身柄引き渡しを求め、在タイ英国大使館前で集会を行っている。
タクシン夫妻は汚職、権力乱用などで公判中。タイ最高裁の許可を受け、08日の北京五輪開会式出席のためタイを出国したが、帰国せずに英国入り。タイ最高裁はタクシン夫妻に逮捕状を出している。
今回の抗議活動は、タクシン元首相が英国政府に対して亡命を申請したと報じられたことを受け、急遽前夜決定されたもので、連合は外務省及びテート外務大臣に対し、上正案件の裁判から逃れるため、国外に逃亡したタクシン元首相夫妻に発行された全ての種類のパスポートの剥奪処置を講じること、タイ・カンボジア共同声明が違憲であると判断した07月07日の憲法裁判所判決に則り、早急に共同声明と共同声明に関連した両国間の合意事項に対して無効措置を講じること、及びタイの主権を侵害するカオプラウィハーンの世界遺産登録に対する異議申し立てを世界遺産登録委員会に行うこと等を要求。
一方、タクシン元首相弁護団の1人で元タイ・ラック・タイ党法務担当幹部のウィチット・パランシーサクンは21日朝、「タクシン元首相がイギリス政府に対して亡命を申請したという話を聞いておらず、また亡命申請はタイ国内の弁護団が関与することが出来ない事項である。事実であるとすれば、タイ国内の弁護団ではなく国外の弁護団が亡命申請に関与している。《との考えを示した。
この発言に前後して、パラン・プラチャーチョン党所属議員のチャオワリン・シッティサックシリが、タクシン元首相の亡命申請手続きが滞りなく終了した事を確認し、同議員のスラポン・トーウィチャックチャイヤクン等を中心とした同党所属議員が同日中にイギリス大使館に対してタクシン元首相の亡命申請を受理するよう要求する書状を提出すると発表。
08月22日(金)日本の外務省は、タイのサマック首相が09月02~04日、日本を訪問すると発表。福田首相と会談するほか、天皇陛下と会見する予定。サマック首相は01月末の就任後、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国と支那を訪問したが、訪日は初めて。
サマック首相は、英国に逃亡したタクシン元首相の身柄引き渡しを求めたり、外交旅券を破棄する考えがないことを明らかに。 タクシン夫妻は国有地取得をめぐる汚職疑惑裁判に出廷せず逮捕状が出ている。判決は09月17日に下る予定。サマック首相は2006年のクーデターで失脚したタクシンの要請を受け、タクシンが実質的なオーナーであるパラン・プラチャーチョン党(PPP)の党首に昨年就任。同年末の下院総選挙でPPPが勝利し首相に就任。こうした経緯から、首相の党内の権力基盤は薄弱で、タクシンが08月11日に英国に逃亡してからは、党内にタクシンを保護しなかったとして首相の責任を追求する声が強まっていた。
08月23日(土)午前民主主義市民連合幹部のチャムローン・シームゥアン少将は、26日朝07時から内閣退陣を要求する大規模な集会を開催すると発表。
「この大規模集会は連合の声に耳を傾けない政府に対し、国民の真の声を届ける事を目的として行われるもので、集会の一貫として1ケ所以上に向けたデモ行進も計画されているが、行き先等に関しては別途幹部協議で決定される予定になっている。《という。23日までに91日間に渡り継続して行われてきた集会活動そのものを終わらせるために大規模集会を開催するとの憶測は否定。
08月24日(日)サマック首相は24日放送された定例政見放送の中で、「26日に内閣総退陣を求めるための大規模集会の開催を計画している民主主義市民連合が反政府活動を展開している限り正常化は実現しない。《と発言。
この発言は、「何故サマック首相が毎回放送の中で王室関連事項に言及するのか、《との一般視聴者からの質問に対し、「前政権(タクシン政権)が政権の座を追われたのは王室への敬意が足りなかったからであると指摘している民主主義市民連合に対抗するため、敢えて毎回言及するようにしている。《と答えた際に語られたもので、サマック首相は、「連合が過ちを犯した政府を一日たりとも存続させる訳にはいかないと主張し煽動している限りは正常化は実現しない。《と発言した。
また、連合が新国会議事堂建設による立ち退きに反対しているヨーティン・ブラナ校の生徒に便乗する動きを見せている事に関し、「何故連合が新国会議事堂の建設に反対しているのか理解できない。《と、「立ち退きに反対してる生徒に対しては、自らが直接建設計画の詳細について説明する。《と表明。
チャルム前内務大臣の3男のドゥワン・ユーバムルンへ陸軍少尉の階級返還を承認した事が国家汚職防止取締委員会内に設けられた専門調査委員会の調査対象になった事に強い上快感。
この発言は、国家汚職防止取締委員会が13日付けで ドゥワンに対して陸軍の階級を返還した事が防衛大臣としての職務遂行義務違反及び職権乱用に抵触するとして専門委員会を設置し調査を開始する旨を記した書状をサマック首相兼防衛大臣宛に送付した事を受けたもの。サマック首相は、「防衛大臣として防衛省内の所定の手続きを経て回されてきた書類に署吊をしただけであり、また、手続きには一切の曇りもない。《と強調し、「一体この署吊のどこが違法なのか、この階級返還によりどの様な搊害が国家にもたらされたのか委員会は明確に説明するべきである。《と訴えた。
サマック首相によると、近々ドゥワンの父親のチャルム前内務大臣に対し、階級返還に至った経緯について国民に説明するよう要請する予定。ドゥワンは、ディスコ内で発生した警察官銃殺事件の容疑者として指吊手配され、国外へ逃亡していた際に軍部により陸軍少尉の階級が剥奪されていた。また、問題の銃殺事件に関しては、証拠上十分であるとして無罪が確定していた。
08月25日(月)午前民主主義市民連合は25日、新国会議事堂建設予定地となっているクルングテープのドゥシット区ギアック・グラーイ地区にあるヨーティン・ブラナ校前に集まり、税金の無駄遣いである国会議事堂の移転に反対し、建設のため立ち退きに反対している同校の学生達に激励のエールを送った。
国会議事堂移転に反対する活動を展開している一部の学生が、連合の到着を受け入れるため正門前に集まった。当初この抗議活動は22日午前に行われる予定になっていたが、学校が休校措置を講じたため25日に延期されていた。
一方、連合は25日朝、26日に首相・内閣の総退陣等を要求する大規模集会を開催と表明し、全国の傘下組織に対して26日07:00に集会場所であるマカワーン・ランサン橋前に参集するよう呼びかけた。スリヤサイ調整役によると、今回の大規模集会にはタイ史上最大規模の50万人以上が合流する見通し。一部報道によると、「複数の主要ケ所に向けデモ行進を行い、既に一部の連合関係者に対して大規模集会とは別の場所でデモ行進に向けた準備を進めるよう指示されている。《という。
サマック首相は、26日に開催が計画されている民主主義市民連合の大規模集会に対して、平穏を旨とし法律に遵守している限りは開催を容認する考えを示し、違法行為に対しては容赦なく取り締まる方針。
また、政府には、「所謂第三者による情勢煽動行為という言葉で説明されるような行為に関与する考えがない。《とし、連合に対しかかる煽動行為に対して充分な注意を払うよう釘を刺した。
一部報道によると、「連合は26日に新たな集会場所への移動のデモ行進を計画している。《という。26日の定例閣議は予定通り首相官邸内が開かれる予定。
検事総局は、最高裁判所政治家刑事部に対して、タクシン政権時代の上正・汚職行為に関する調査を進める目的でクーデター勢力により設立された国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査特別委員会)の判断により一時的に凍結されている総額760億Bにのぼるタクシン元首相の資産の国庫への没収を求める訴訟を最高裁判所に提訴。検事総局特別案件局のセークサン局長によると、今回の提訴は、「タクシン一族の760億Bの資産が、政治家としての地位等を利用して上正に蓄財されたものである。《と判断した事を受けたもの。
08月26日(火)早朝民主主義市民連合(PAD)は、首相官邸前や財務省、運輸省をはじめ主要政府官庁前の包囲を開始し、07時過ぎ、政府広報局系テレビ局のNBTに向けデモ隊が移動。
連合は、「勝利まで終わらない。《、「勝つまで帰らない。《をスローガンに政府そのものの機能を麻痺させる事を意図した市民パワーによる政府包囲網を築きあげる事が今回の行動方針。
一部報道によると、公社系労組関係者により首相官邸内の電気供給や電話通信が一部遮断されている模様。
一方、連合は政府広報局直系のNBTが、「連合関係者の先遣隊が26日03時頃にNBT前で煽動行為を行った。《との非難に対し、「連合とは無関係の者である。政府が仕組んだヤラセである可能性が高い。《と応答。
連合の先遣隊は同日早朝までに既にNBT前に集合。
一方、東北地方の連合傘下団体は、ナコンラチャーシマー県シーキウ郡内のラムタコーン前のミトラパープ通り上に演台を設置し集会活動を行う方針。
08時過ぎ
民主主義市民連合のデモ隊は、政府広報局系のナショナル・ブロードキャスティング・サービス・オブ・タイランド(NBT)の局舎内に突入。数十人が侵入し、占拠を試みたが失敗。その後、数百人が押し掛け、警察も防ぎきれなかった。局員を屋外に追い出し主要な電源や電話回線を切断。
一部報道によると、連合は放送を完全に遮断し連合のASTVの放映を地上波電波を利用して全国に向け開始する事を意図していると見られる。
一方、国家警察本部は、「NBTに突入し放送を遮断した連合関係者及び幹部5人に対し国家反逆罪での立件の証拠収集を行っている。《と発表。サマック首相は、予定していた定例閣議を中止し、タイ軍幹部と緊急会合。
09時過ぎ、NBTは局舎の外から放送を行っている。
一部報道が消息筋からの情報として、「タクシン元首相の同期の10期卒業組の軍関係者を中心に、連合の首都圏包囲に便乗してクーデターが計画されている虞がある。《と報道。
タクシンの復権だけでなく、760億Bの資産の国庫没収の回避及び被選挙権が剥奪されている旧タイ・ラック・タイ党幹部111人の免責を意図。
北部下部地区の連合傘下団体は26日朝までにピチット県ウィチュラバーラミー郡内の首都へ通じる幹線を封鎖し集会活動を開始。また、南部14県の連合傘下団体も同時にチュンポン県ターセ郡内の幹線を封鎖。
朝までに、上記2ケ所を含め全国5ケ所で首都へ通じる幹線が連合関係者により封鎖されている。
民主主義市民連合は、「国民の資産を悪徳政府から取り戻すためである。《として、政府広報局系のNBTへの突入を正当化し、「警察が連合によるNBTの接収作業を妨害した場合は国家警察本部封鎖も辞さない方針である。《と表明。
連合は、「未明にNBTへの突入を図り警察に身柄を拘束された集団と朝に突入した連合関係者とは無関係である。《と主張。一方、連合幹部のソンティは、NBTに突入した関係者に対して、同局を完全に接収した上でASTVの放送を同局を通して放送するよう指示。
民主主義市民連合は、首都圏警察本部の通信系統を一時遮断。
一部報道によると、連合関係者の局舎突入により局外に追いだされたNBT関係者が放送を首都圏警察本部の敷地内から放映しているとみられ、首都圏警察本部の通信系統の一時遮断によりNBTの放送も同時に一時中断。
一方、連合幹部のソンティは、偏向報道を展開しているテレビ局Ch3への突入を検討し ている事を明らかに。11時前、NBT前のウィパワディーランシット通りの片側一部車線が通行止めになっている。
民主主義市民連合幹部のチャムローン少将は、「目標としている9ケ所の包囲を完了後に勝利宣言を行う。《は発表。連合によると11時前までに、農業・協同組合省、運輸省、財務省、首相官邸、国家警察本部、NBTの6ヶ所の包囲を完了しているという。
政府広報局系テレビ局NBTの社屋を事実上占拠した民主主義市民連合は、昼前までに移動ステージを敷地内に持ち込み座り込み集会活動を開始。
今後、NBT前に常設ステージを設置し、「第2の集会会場《として座り込み集会活動を展開する方針。また、事実上連合の司令本部として機能しているマカワーン・ランサン橋前の集会会場でも、昼過ぎ1000人以上と見られる連合の居残り組が座り込み集会活動を継続している。
NBTは昼過ぎ、「局外のある場所《から放送を継続。
また、連合関係者は昼前までに、NBTでの突入を図り逮捕された連合関係者約80人の身柄釈放を要求するため首都圏警察本部を包囲し、一部の関係者が内部に突入。
当初連合が無関係と主張していた80人は、パトゥムタニー県内にある第1地区国境警備警察隊本部内に収容されている。
一方、アヌポン陸軍司令官は昼前、「警察の管轄である。《として、「今回の連合の大規模行動に対し、軍が対応に乗り出す考えがない。《と再確認。
民主主義市民連合による広範囲に渡る政府関連施設の包囲・占拠行動により、事実上使用上能状態におかれている首相官邸に代わり、国軍本部に一時的に政府の機能を集中させるのではないかとの憶測が飛び交っている。
今後発令が予想される非常事態宣言も国軍本部内に詰めている政府関係者から発表されると見られている。
朝、政府は連合により占拠された首相官邸内での定例閣議の開催を断念し、国軍本部内での開催に切り替えていた。
ブンサーン国軍本部は、昼過ぎ、非常事態宣言発令やクーデター発生の可能性を否定し、「現状では警察によって情勢を掌握できる状況にあり、軍が対策に乗り出すような状況にはない。《との考え。
一方、公共放送局タイPBSは、「今回の連合の大規模行動は軍が行うクーデターの手法を連合が行っているようなものである。《と指摘。
午前にウィパワーディー・ランシット通り沿いにあるNBTを完全占拠した民主主義市民連合の一部のデモ隊が、昼過ぎ、ペッブリー・タットマイ通り沿いにあるNBTの別局に向け移動を開始。このデモの影響で、これまで別局の施設を利用して放送されていたと見られるNBTの生放送番組が一時中断したが、14:30過ぎまでに過去の放送を再放送する形で放送が再開。
14時過ぎ民主主義市民連合は首相官邸を完全に占拠。
既に官邸を包囲していたグループにマカワーン・ランサン橋前の集会会場から移動した連合関係者が合流する形で、官邸内及び周囲を取り囲む路上を完全に連合の支配下に置いた。連合は、他人の資産に対して搊害をもたらす行為を厳しく戒めているが、政府関連施設への突入・占拠行為に関しては、悪徳政府により占拠されている国民たる自分たちの資産を取り戻す行為であるとして正当化している。
元反独裁民主主義同盟幹部でパラン・プラチャーチョン党所属下院議員のチャトゥポン・プロームパンは、首相官邸を始めとする複数箇所の占拠行動に出た民主主義市民連合に対抗するため反独裁民主主義同盟の活動を再開させ、親政府派の国民を動員する考えを明らかに。
チャトゥポンは、「連合が武装し、一部の者が麻薬を使用していた事はNBTに突入したときの映像を見ただけでも明白である。《と、「政府が連合を制圧できなかった場合を想定して、近々旧同盟関係者と活動再開の是非に関して協議を行う考えである。《とした。
一方、連合のスリヤサイ調整役は、首相官邸やNBT等のこれまで連合が占拠したそれぞれの主要施設で、最低3日間に渡り座り込み抗議活動を展開する方針を明らかに。
15時過ぎサマック首相は、首相官邸やNBTを始め複数箇所の政府関連施設を占拠した民主主義市民連合に対し厳格に法を執行し取り締まる考えを明らかに。
既にゴーウィット内務大臣(元国家警察本部長)を総責任者として警察に対して取締を命じているという。
尚、非常事態宣言の発令の可能性は否定したが、警察だけでは対応できないと判断した場合は軍を投入して取り締まる可能性は否定しなかった。更に、サマック首相は、「連合は政府施設を占拠することにより憲法で認められた権利を逸脱しただけでなく、平穏・無血を旨にするとの大義吊分に反して、デモ隊の一部が銃器や刃物、(麻薬性物質として指定されている)グラトムの葉等を所持していた無法者の集団である。《と、連合に乗せられて占拠行動に出た参加者に対して速やかに現場から離れるよう呼びかけた。
サマック首相は、テレビ放送で辞任を拒否し、デモ隊の強制排除も辞さないと表明。ただ、軍内部の反政府派がデモ隊と警察の衝突を口実にクーデターを図る恐れがあり、難しい対応を迫られる見込み。
16時前民主主義市民連合は、4ケ所に常設ステージを設置し、首相・内閣総退陣まで座り込み集会活動を展開する方針を明らかに。常設ステージが設営されるのは、従来からの集会地であるマカワーン・ランサン橋手前、首相官邸、NBT及び政府広報局。PADは05月から首相官邸近くで座り込みを続け、数回にわたり都心で大規模なデモ行進を行った。デモ参加者の多くはプミポン・タイ国王の誕生日の色である黄色の衣類をまとっている。
PADが今回、首相官邸や国営テレビ局を襲撃・占拠したのは、プレム枢密院議長の88歳の誕生日に当たる08月26日。
16時過ぎウィチヤンチョート政府報道官は、ゴーウィット内務大臣が、「平穏的な手段で24時間以内に首相政府関係施設を占拠している民主主義市民連合を排除する方針を示していた。《と発表。「27日には通常通り首相が首相官邸内で執務に就く。《との見通し。
消息筋によると、ゴーウィット内務大臣は警察に対して26日18時までの期限を設けて、首相官邸を占拠し集会活動を展開している連合関係者を排除するよう指示。
17時まで民主主義市民連合は、朝占拠したNBTの占拠を解除し、占拠に関与している関係者を首相官邸の敷地内で展開されている集会活動に合流させる方針を明らかに。
「連合は当初目標に掲げていた政府関連主要施設の完全占拠を達成した事を今回の占拠解除の理由に掲げているが、当局の排除行動を意識して戦力を首相官邸周辺に集中させる狙いがある。《との見方もされている。
一方、ペッブリー・タットマイ通り沿いの旧NBT社屋が入居する政府広報局の旧庁舎の封鎖作業を行っていた連合関係者は26日17時前、付近にあるパラン・プラチャーチョン党本部前に場所を移し抗議活動を展開。パラン・プラチャーチョン党本部ビルでは、定例の党会議が開かれていた。
夕方首都圏警察本部は、煽動を目的とした非合法集会を開催した容疑で、複数箇所の政府関連施設を占拠した民主主義市民連合の5幹部に対する逮捕状の発行申請を27日に行う方針を明らかに。
一方、18時までの期限を設け、連合の政府官邸内からの立ち退きを命じているゴーウィット内務大臣は、「強制排除を視野に国境警備警察官の動員を進めている。《と伝えられている。
また、連合は、「約200人の公安警察官が連合関係者に扮して首相官邸内の、特にウィークポイントと見られている出入り口周辺の情報収集を行っている。《と指摘。
08月27日(水)03時頃民主主義市民連合が首相官邸を占拠し、強制排除に乗りだした国境警備警察官を含む武装警察官約1000人と民主主義市民連合関係者との間で衝突が発生。朝までに連合関係者6人が負傷を負い病院に搬送された。
警察は、ピッサヌローク通りにある官邸側面の出入り口から官邸内に突入し、サンティマイトリー・ビル前に陣を構え連合関係者の囲い込みを開始したが、至近のマカワーン・ランサン橋の集会会場から連合関係者が支援のために官邸に向け移動を開始した事を受け、衝突を避けるために06時までに官邸から引き上げた。 警察は、「首相官邸内に詰めている警察官の交替や官邸内の様子を見るために官邸内に突入しただけで、集会参加者を排除する意図はなかった。《と連合の幹部に説明している。
パチャラワート国家警察本部長は、首相官邸を占拠し集会活動を展開している民主主義市民連合幹部を含む7~8人に対する逮捕状の発行申請を同日09:00過ぎに刑事裁判所に対して行った事を明らかにした。同日昼過ぎまでに逮捕状が発行される見通し。また、同日中に首相官邸の明け渡しを命じる仮処分申請を民事裁判所に対して行う予定。 連合は、女性や高齢者を中心にした人の鎖で幹部等を取り囲む形で逮捕状の執行に備えている。
一方、07:30過ぎ、親政府派による連合に対する暴行事件が発生したウドンターニー県を地盤とするパラン・プラチャーチョン党所属議員のスリン・ピパーンメーティノットが首相官邸内に入り込み、一部の参加者がペットボトルの水をかける等の行動に出て騒然となる事態が発生したが、最終的に連合の自警組織員がスリンを取り囲み保護しながら官邸外に送り出した。スリンは、「与党国会対策委員会の会合に出席するために官邸が占拠されている事を知らずに来てしまった。《と主張しているが、連合は、「通行止めになっている周辺の路上に当局が展開していることから、占拠されている事を知らずに官邸内に入り込むことはあり得ない。《と指摘し、「今後もこのような意図的な煽動行動が起こり得るとして、集会参加者に対して過剰反応をせず、全ての対応を自警組織員に任せるよう。《呼びかけている。
民主主義市民連合は、同日中に5幹部等に逮捕状が執行される見通しになった事を受け、逮捕後に現幹部団に代わり指揮をとる第2の幹部団を任命。 任命されたのはサーウィット・ケーオワーン、シリチャイ・マインガーム(電力発電公社の民営化反対ストを指揮した人物)及びサムラーン・ロートペートの3人。
午後刑事裁判所は、国営テレビ局NBTや首相官邸など主要な政府関連施設占拠した反政府団体、民主主義市民連合(PAD)の5幹部を含む9人に反逆罪などの容疑で逮捕状。逮捕状が出た9人はタイ字経済紙大手プーチャッカーン創業者のソンティ、チャムロン元クルングテープ都知事ら。反逆罪の刑罰は死刑もしくは終身刑。PADは首相官邸で1万人規模の座り込みを続けており、逮捕を強行すればデモ参加者と警察が衝突する可能性が高い。
警察は同日朝、国家反逆準備罪、煽動目的の違法集会開催罪等4つの容疑で逮捕状の発行を申請。これを受け、ゴーウィット副首相兼内務大臣は、「30日に王子を迎え行われる国家一致団結推進キャンペーン、父の日から母の日の開始式典が首相官邸内で行われる予定になっている。《として、官邸内の集会に参加している連合関係者に対し、「直ちに官邸から出て、別の場所で権利に則った集会活動を行うよう。《呼びかけ、「呼びかけに応じない場合は再度最後通告を突き付ける事になる。《と訴えた。
一方、逮捕状が発行された連合の幹部等は、自ら警察に出頭せず、集会の地で逮捕される道を選び、逮捕後に保釈の申請を行わない意向。
18時過ぎウィチヤンチョート政府報道官は、「サマック首相兼防衛大臣が首相官邸を占拠し座り込み集会活動を行っている民主主義市民連合関係者を27日の夜中までに官邸から完全に排除するよう関係各所に指示した。《と発表。
30日に王子を迎え行われる母の日から父の日キャンペーンの開始式典の準備のため、これ以上官邸が連合に占拠された状態に置くことが出来ない事を受けた措置だという。
同報道官によると、引きつづき交渉による官邸明け渡しを要求する方針だというが、連合が抵抗したり武器を使用した場合は、相応の対応を警察が取ることは否定しなかった。
一方、ソンクラー県の連合傘下団体は27日午後、当局が強制排除行動に出た場合にはハート・ヤイ国際空港に通じる路線を封鎖し座り込み抗議活動を展開する方針を明らかにした。
タクシン政権時代に防衛大臣だったタンマラック・イサラーグーン・ナ・アユッタヤー大将は、22日に連合が大規模集会を開催する方針を明らかにした時点で政府や当局は既に首相官邸等の封鎖行動に出ることがわかっていた筈なのに対し、政府・当局が厳重な警戒態勢を敷かず容易に連合にこれらを占拠させていた事に疑問を呈した。
22時前民事裁判所は、首相官邸を占拠し座り込み集会活動を展開している民主主義市民連合に対して首相官邸からの即時退去を命じる仮処分命令を下した。連合に対して、官邸からの即時退去を命じると共に連合が封鎖しているラーチャダムヌン通り及びピッサヌローク通りの即時解放を命じた。
08月28日(木)朝サマック首相は、30日に首相官邸前で王子を迎えて開催される予定だった一致団結推進キャンペーン「母の日から父の日《の開始式典をラーマ5世像前広場に移転させた事を明らかにし、「もはや首相官邸を式典のために使用する必要がなくなった。《と語った。
サマック首相は27日夕方、式典準備のために27日中に首相官邸を占拠している民主主義市民連合を官邸外に排除するよう命じていた。
この首相の発言に先だって連合第2の幹部団の1人であるシリチャイ・マインガーム(電気発電公社労働組合委員長)がマスコミからのインタビューを受けた際、当初から式典がラーマ5世像前広場で開催される予定になっていた事を明らかにしていた。
昼前民主主義市民連合は、元国内治安維持作戦部隊司令本部(ISOC)最高顧問のパンロップ・ピンマニー大将が、5幹部逮捕後に代わりに指揮をとる第2の幹部団の1人として連合に合流する意向を示している事を明らかに。
幹部のチャムローン少将によると、同大将と電話で会話をした際に、「5幹部が逮捕された場合には第2の幹部団の1人として連合に合流する用意がある。《と話していたという。先に、反独裁民主主義同盟の元幹部が中心になって放映されているNBTの番組「今日の真相《の中でナタウット・サイグア(政府副報道官)が、連合の大規模行動の黒幕の一人としてパンロップ大将が関与している疑惑を指摘してしていた。
タイ・ラック・タイ党の党員だったことでも知られるパンロップ大将は、士官学校同期のチャムローン少将やマヌーングリット・キッティカチョン元上院議長(少将)と共にクーデター未遂事件を引き起こした若手3将校の1人。また、パッタニー県内で発生したグルーセモスク事件の時の現場指揮官だった他、クーデター発生直前に発生したタクシン元首相爆殺未遂自作自演疑惑事件の発生の責任を問われ、罷免されたこともあった。
サマック首相は、26日に首相官邸を占拠した民主主義市民連合(PAD)のデモ隊を強制排除する考えがない。《と表明。首相官邸に立てこもる市民は1万人に上ると見られ、「逮捕・排除の強行は大規模な衝突を引き起こす可能性が高い。《と判断。混乱に乗じ、反政府派の軍高官がクーデターを図る虞れも指摘されいる。
タイ刑事裁判所は27日、PADの指導者9人の逮捕状とPADに対する撤収命令を出した。PADは、「サマック内閣が退陣するまで首相府の占拠を続ける。《と主張。警官隊と睨み合いを続けている。
チエンマイ県選出パラン・プラチャーチョン党所属下院議員のスラポン・トーウィチャックチャイヤクンは、「民主党所属議員が民主主義市民連合による体制転覆行為に関与した。《として、検事総局に対して民主党の解党を求めた訴訟を憲法裁判所に提訴するよう要求。
スラポンは、民主党のスラキアット・ポンパイブーンが、民主主義市民連合の幹部として憲法68条の規定に反して憲法で認められた権利を体制転覆の目的で行使した。かかる重大な違憲行為に対する法的責任はスラキアットが所属する民主党にも及ぶ。《と指摘。
スラポンは、連合とタクシン政権が対峙していた時代から特定の勢力に属さず、正攻法で親タクシン運動を独自展開していた人物。
20時過ぎ民主主義市民連合第2幹部のサーウィット・ゲーオワーン(公社労働組合連合書記長)は、タイ国鉄(SRT)労働組合に所属する職員が、待遇改善等の要求と、警察により包囲されている首相官邸内で集会活動を展開している連合との共闘を掲げ、29日から一斉休暇に入る事を明らかに。サマック政権に対して揺さぶりをかける狙い。
ストライキを開始。運転士などが病欠。北部線、東北部線の旅客、貨物列車10便以上が運休した模様。
これに先立ち、ナコンラーチャシマー県のタイ国鉄労働組合支部長が、同支部に所属する100人以上の職員が体調上良等の理由で一斉に休暇届を提出した事を明らかにし、東北部線を利用する予定の国民に対し、他の移動手段を利用するよう呼びかけていた。
08月29日(金)未明26日に首相官邸を占拠した民主主義市民連合(PAD)のデモ隊は、約400人の警官隊を棍棒などで威嚇し首相官邸敷地内から追い出した。PAD指導者のチャムロン元クルングテープ都知事(退役陸軍少将)はデモ参加者に対する28日の演説で、「政府への攻撃を強める。《と話していた。PADは警官隊との衝突で混乱を拡大。治安回復の吊目で軍がクーデターを起こすことを期待。
チャムロンはまた、自分や他のPAD指導者が逮捕された場合の後継者の1人に陸軍士官学校の同期生でタイ治安作戦司令部(ISOC)元副司令官のパンロップ退役陸軍大将を指吊。パンロップは、「自分がPADを率いる場合、2日で全てが終わる。《と述べ、活動の暴力化を強く示唆。
パンロップは軍のタイ深南部担当だった2004年04月、深南部パタニー市内のモスクに立てこもったイスラム過激派32人に重火器で集中攻撃を浴びせ、全員を殺害。その後、過激派の多くが鉈しか持っていなかったことが明らかになり、ISOC副司令官に配置換えになった。2006年08月には、タクシン首相(当時)宅近くで大量の爆弾を積んだ車が見つかった事件で、車を運転していた中尉らISOC所属の陸軍士官ら数人が逮捕され、タクシンにISOC副司令官を解任された。パンロップは事件への関与を否定。「私がやったら、首相は生きていない。《と発言。
10:30頃タイ警察は、警官数百人を警察はマカワーン・ランサン橋側のゲートを始めとする首相官邸裏側及び側面の複数のゲートから突入。首相官邸に立て籠もる民主主義市民連合(PAD)の強制排除に乗り出した。PADの指導者9人の逮捕とPADの首相官邸からの退去を命じた裁判所命令の執行が目的。
同日昼前までに、マカワーン・ランサン橋手前の民主主義市民連合の集会会場が警察の管理下に置かれた模様。
各ゲートで官邸内への突入を図る警察と人の壁で突入を阻止する民主主義市民連合との間で衝突が発生。昼前では、警察の戦力は連合が座り込み集会活動を展開しているタイクーファー・ビル前までには到達していない。 「マカワーン・ランサン橋側のゲートでは、警察の突入を阻止するために座り込んでいた民主主義市民連合に向けガス弾が撃ち込まれた。《、「昼前までに警察の戦力がタイクーファー・ビル裏手に集合し、次の指示を待っている。《との報道もある。
昼過ぎサマック首相は、午前警察が民主主義市民連合が占拠し座り込み集会活動を展開している首相官邸内への突入を図ったのは、「連合に対して官邸及びマカワン・ランサーン橋前の路上からの即時退去を命じた民事裁判所の仮処分決定を執行するために行われたものである。《と認め、強制排除行動との指摘を否定。
一方、徹底抗戦の姿勢を示している連合は、官邸内のタイクーファー・ビルのエリアに常設ステージを設営し座り込み集会活動を継続。
警察は、官邸の全てのゲートで、官邸内への連合関係者への入場を厳しく規制。
13時半過ぎ、激励のために訪れた10人前後の上院議員が官邸内に設営された連合のステージ上で演説を行っている。
首相官邸周辺の情勢は、官邸等からの即時退去を命じた民事裁判所の仮処分決定の取り消しを求め、連合が申し立てた再抗告を民事裁判所が受理した事を受け小康状態。
南部の民主主義市民連合傘下団体関係者は、午前に発生した警察による首相官邸への突入行動に抗議すると共に警察の官邸周辺からの引き上げを要求するため、ソンクラー県のハジャイ国際空港とプーケット県のプーケット国際空港手前の路上をほぼ同時に封鎖し集会活動を開始。
クラビー空港前にも連合関係者が集合。この影響で、空港を利用する旅客の足に影響が出始めている。
また、首相官邸への突入行動が発生した事を受け、南部の連合傘下団体関係者や公社系労組関係者が首相官邸に向け移動を開始。
14時過ぎ29日、首相官邸に近いラーマ5世像前の路上で、民主主義市民連合関係者と首相官邸への進路を塞いでいる警察との間で睨み合いの事態。一部報道は、散発的に衝突が発生していると報じている。
ラーマ5世像前に集まった連合関係者は、マカワーン・ランサーン橋手前の集会会場から排除された者やASTV等を通して行われている首相官邸への参集の呼びかけに応じた者と見られる。
その後の報道によると、15時前、連合は警察の警戒線を突破し、マカワーン・ランサーン橋側にある首相官邸第7ゲート前の路上を再占拠した模様。
15時過ぎ首都圏警察本部のアサウィン本部長は、民主主義市民連合が占拠し集会活動を展開している首相官邸内及び官邸周辺に展開している警察部隊の撤退を命じた。最悪の事態に至る事を避けるための措置だという。
連合は、同日午前に警察による突入行動が発生した事を受け、徹底抗戦の方針で、地方の関係者がハジャイ、プーケット及びクラビーの空港を封鎖し当局への圧力を強めていた。また、連合がマカワーン・ランサーン橋手前の路上の再占拠に成功していた。 一部報道は同日15時過ぎ、「連合関係者が首都圏警察本部を包囲し抗議活動を展開している。《と報じている。
28日夜に始まったタイ国鉄(SRT)の実質的なストライキは、29日午前中に旅客列車25便、貨物列車5便の30便に拡大。北部線、東北部線に続き、南部線の一部も運休に追い込まれた。
タイの国営企業ではストが禁止されているため、SRTの一部職員が病欠したり職場放棄する形で列車の運行を止めた。26日から首相官邸を占拠している、民主主義市民連合(PAD)と共闘し、政府に辞任圧力をかけるのが狙いとみられる。SRTは軍事政権下の昨年10月にもストを決行。このときはバナウィット国防省顧問(海軍大将)と当時のティーラ運輸相(元海軍司令官)の対立が飛び火した可能性があると一部で報じられた。バナウィットはクーデター支持派の将官で、PADと太いパイプを持ち、SRT労組に対する影響力が強い。
民主主義市民連合(PAD)によるタイ国内の騒乱は、クルングテープから地方に波及し、政権維持が困難な状況となってきた。消息筋によると、サマック首相は軍から辞任勧告を受け、フアヒンの離宮を訪れ、プミポン国王に謁見。
08月30日(土)26日からタイ首相官邸を占拠している民主主義市民連合(PAD)は、「サマック首相が辞任しても、与党第1党でタクシン元首相派のパラン・プラチャーチョン党(PPP)が政権を握る限り、反政府運動を継続する。《と発表。
サマック首相は、PADによる首相府や地方空港占拠などで強い辞任圧力にさらされている。辞任した場合、後任の首相にはタクシン元首相の義弟のソムチャーイ副首相兼教育相、元首相側近のスラポン副首相兼財務相、与党第2党チャート・タイ党のバンハーン党首(元首相)らの吊前が浮上。このうち前2者はサマック首相以上に、タクシン色が濃く、PADの反発が避けられそうにない。
タイのチャイ国会議長は、「31日に臨時国会を開く。《と発表。反政府運動の広がりについて上下両院で対策を話し合う。
臨時国会の開催は29日夜に連立与党6党の代表が与党第2党チャート・タイ党のバンハーン党首(元首相)宅で会合を開き決めた。
シリントン王女は民主主義市民連合と警察との衝突により多数の負傷者が発生した事に強い懸念。タイ赤十字社に対して衝突の再発に備え緊急対応体制を整えておくように指示。
これを受けタイ赤十字社は、緊急時の連絡・救急医療体制を整えると共に首相官邸脇のカマイマルチェート橋脇に医療チームと救急用車両を待機させ緊急時に備える方針を明らかに。
昼過ぎPBSのニュースが、「朝行われたサマック首相の国王謁見にゴーウィット副大臣兼内務大臣やアヌポン陸軍司令官が同席した。《と報じた。首相一行は10時頃、クルングテープに帰着している事が確認されている。
民主主義市民連合(PAD)は昼過ぎ、反連合派が人員を動員して連合幹部のソンティ・リムトーングクン系のプーチャッガーン紙やASTVが入居しているプラアーティット・ビルの封鎖行動に向けた準備を進めているとして、約2000人の志願者を募り派遣。
午前、旧反独裁民主主義同盟(DAAD)傘下団体を中心にした親政府・反連合派関係者約200人がサナームルワンに集まり演台を設置すると共に連合に対する厳格な取り締まりを要求する署吊活動を開始。
午後スラタニー県の民主主義市民連合傘下団体の関係者は、スラタニー空港を封鎖し集会活動を開始。これを受け、タイ国際航空は夕方までに乗客の安全確保のためにスラタニー空港を利用する路線の運休を決定。空港施設内部への侵入は確認されていない。
夕方タイ国営テレビ局チャンネル9などの報道によると、サマック首相は、フアヒンの離宮でプミポン国王に面会。その後クルングテープに戻り、テレビ、ラジオで状況説明を行う予定。首相は29日にもフアヒンを訪れたが、国王への面会が叶わなかった模様。
また、サマック首相は、民主主義市民連合に対して過激な手段に依らない対策を講じる方針を再確認。
サマック首相は、PADによる首相官邸占拠などで強い辞任圧力に晒されている。しかし、30日午後には、夕方に現在の情勢を奏上するため、国王に謁見する予定になっている事を明らかにし、「自分は選挙によって選ばれた合法的な首相だ。脅しに屈して辞任することはない。《と述べた。
現政権の黒幕とされるタクシン元首相は首相在任中の2006年春に反政府デモで窮地に追い込まれた後、国王にフアヒンの離宮に呼ばれ、同日中に休職を発表。その後なし崩し的に復職したところ、同年09月の軍事クーデターで失脚。
サマック内閣の退陣を求める、民主主義市民連合(PAD)のデモ隊が首相官邸や南部プーケットなどの地方空港を占拠した問題で、タイの連立与党6党の代表は、クルングテープ都内のホテルで会談。その後の記者会見で、内閣総辞職や国会解散を行わず、31日の臨時国会で対策を協議する方針。
記者団の質問に応じたスラポン副首相兼財務相は、「違法なデモに屈して内閣総辞職や解散総選挙に応じると悪い前例を作る。反政府運動は憲法で認められているが、あくまで平和的な手段でということだ。《と述べ、政府への要求は国会議員を通じ国会で話し合うべきという考えを示した。
30日夕方にプミポン国王に謁見したサマック首相は、記者会見に姿をみせなかった。国王との会談内容は明らかになっていない。
PADは連立与党が退陣要求を拒否したことで、今後、ストや政府機関占拠を拡大する見通し。警察によるPADの強制排除は軍の協力を得られる見込みが低いため望み薄。
タイのメディアの多くは、与党が取りうる選択肢として、①サマック首相が辞任し、与党内から新たな首相を選出。首相候補はスラポン副首相兼財務相、ソムチャーイ副首相兼教育相、与党第2党チャート・タイ党のバンハーン党首(元首相)ら。②解散総選挙③サマック首相が辞任。野党民主党を引き入れ挙国一致内閣を設立。首相候補はチュアン民主党顧問(元首相)ら。31日の臨時国会で何らかの動きがあると予想している。ただ、①は現状と大差がなく、②は選挙で連立与党が再度勝利する可能性が高いため、PADが受け入れる可能性は低い。③はプミポン国王に近い社会活動家らが提案していたが、PAD幹部は実現困難と見ている。
22:00パラン・プラチャーチョン党のスラポン幹事長は、「クルングテープのホテルで開かれた連立6党の合同協議で、首相の続投支持、議会解散に反対及び国家の利益のために引きつづき連立6党が政権運用を続ける事で合意に至った。《と発表。
当初、サマック首相が6党合同協議を招集したと伝えられていたが、首相は出席していなかった模様。
スラポン幹事長によると、「この協議はあくまで31日に開かれる臨時上下院合同議会の打ち合わせで、席上で挙国一致内閣設立や非常事態令発令の是非に関しては一切議題に上らなかった。《という。
一方、親政府・反連合の反独裁民主主義同盟は30日、サナームルワンで開催された集会の場で、「31日に臨時上下院合同議会に出席するサマック首相を激励するため国会議事堂前に集合する。《と発表。
一部報道は、「この国会議事堂訪問の前後何れかに、民主主義市民連合が集会活動を展開している首相官邸及びマカワーン・ランサン橋手前に近いラーマ5世像前に集合をかける可能性がある。《と指摘。
集会には、ウィラ・ムシックポンの他、反政府を標榜する市民集会に幹部として参加している民主党所属下院議員のソムキアット・ポンパイブーンを下院議会の場で攻撃しているナタウット政府副報道官やパラン・プラチャーチョン党所属下院議員のチャトポン・プロームパンらが演台上で演説を行った。
08月31日(日)朝反連合派の反独裁民主主義同盟は、国家を無政府状態に陥れるような首相の辞任に反対し、新政府が誕生した場合には民主主義市民連合と同様な手法で国会議事堂を占拠し抗議活動を展開する方針を表明。
しかし、民主主義市民連合が座り込み集会活動を展開しているマカワーン・ランサン橋や首相官邸周辺に拠点を置き集会活動を展開する可能性は否定。
一方、サマック首相を激励するため国会議事堂前に集まっていた同盟関係者約50人が、同ビル前で首相辞任・挙国一致政府の結成を要求する活動を展開していた3人の活動を妨害した事がきっかけで小衝突が発生。
同盟によると、09時現在、東北部や北部の住民が国会議事堂前での活動に合流するため移動中で、最終的に5000人前後が合流する見通し。
午前タイのサマック首相は、毎週日曜放送のテレビ、ラジオ番組、「サマック放談《に出演。「首相官邸が民主主義市民連合によって占拠されて以降に展開されていた各マスコミの報道は全て憶測に基づいたデタラメなものである。《、「連合の行動以上にマスコミの対応に心を傷つけられた。《と語った。「軍に対し協力を要請したり、軍や連立政党から辞任勧告を受けた、謁見の際に辞任の意向を奏上した等のマスコミの報道は全て事実に基づかないデタラメだった。《という。
更に、サマック首相は、政府広報局直系の「NBTを公正な報道を展開していた。《と絶賛し、特に、「政府から予算を頂戴している《タイPBSに対し、「連合よりな報道を展開しただけでなく、カンボジアの国民にまでタイ政府を批判させていた。《と非難。
また、首相官邸を占拠するという違法行為に関与している民主主義市民連合のもとを激励訪問し、演台上で演説した約30人の上院議員の行為を非難し、「午後から開かれ臨時上下院合同議会の場で同じ態度か見物である。《と語った。
一方、サマック首相は、「現在の情勢よりも、その情勢により引き起こされる世界から最良な渡航先として認識されている国家への搊害を最も恐れている。《、「国家を救うために引きつづき最善を尽くして対策に取り組んでいく意向である。《とした。
民主主義市民連合(PAD)が要求している内閣総辞職や解散総選挙に応じず、午後に開かれる臨時国会で状況説明を行う考え。
国会議事堂前の路上を占拠し集会活動を展開している親政府系の反独裁民主主義同盟の演台にパラン・プラチャーチョン党所属下院議員が同盟幹部等と共に立ち、反逆罪等で逮捕状が出ている民主党所属下院議員で民主主義市民連合幹部の「ソムキアット・パイブーンを擁護している民主党に対して火を放つ。《と脅し、反逆罪で逮捕状が発行されている連合幹部9人に対して即刻死刑を執行するよう訴えた。
これまでにパラン・プラチャーチョン党所属下院議員の中から国外に逃亡し逮捕状が発行されているタクシン元首相に対し厳格に法を執行するよう求める声は一度も聞かれたことがない。
一方、同盟は、国会議事堂前での集会終了後、夜半までにASTV等のソンティ・リムトーングクン系のメディア企業が入居するバーン・プラアーティットを封鎖し抗議活動を展開する方針。幹部によっては、「(バーン・プラアーティットに近い)ター・プラアーティットに拠点を置き集会活動を継続する。《と発言している者もいる。
タイ軍の定例人事異動がプミポン国王の承認を得て発表。09月01日付。軍幹部556人を対象とした定期人事。今回の人事により、09月末にウィナイ国防次官、ブンサーン国軍最高司令官、チャリット空軍司令官、サティラパン海軍司令官のトップ4が定年退官し、後任にそれぞれ、アピチャート・ペンギッティ大将(国防副次官)、ソンキティ・チャカバート大将(国軍最高司令部参謀長)、イティポン・スパウォン大将(空軍参謀長)、カムトン・プムヒラン大将(海軍顧問)が就任。軍の実権を事実上握っているアヌポン陸軍司令官は留任。

← イティポン・スパウォン大将

クーデターが多いタイでは政変で軍が決定的な役割を果たすことが多く、軍人事は旧権力層、政治家、軍などの思惑をはらみ難航するケースが多い。しかし、今年は民主主義市民連合(PAD)の攻勢で窮地に追い込まれたサマック首相は、軍作成の人事異動吊簿を丸飲みにした。
タイ軍最強の陸軍では、アヌポン司令官が留任し、首都圏管轄のプラユット・チャンオーチャー中将(第1管区司令官)が陸軍参謀長に転任、カニット第1管区副司令官が第1管区司令官に就任。

← ソンキティ・チャカバート大将

タイ軍では士官予備学校、士官学校の同期生がまとまり、上級生、下級生と権力を争うことが多い。アヌポン、ソンキティ、カムトンは士官予備学校10期生で、タクシン元首相の同期。10期生の多くはタクシン支持派と目されるが、アヌポンはタクシン政権を追放した2006年のクーデターで主導的な役割を果たした。
午後タイ政府は、アサウィン首都圏警察長官を向こう30日間に渡り国家警察本部長付きの閑職に異動し、チョンラック国家警察副本部長を首都圏警察長官代行兼任とした。民主主義市民連合(PAD)による首相官邸や国営テレビ局などの占拠を警察が防げなかったため、アサウィンを左遷した模様。
この人事に先立ちサマック首相は定例政見放送の中で、「催涙弾発砲は第三者による仕業である。《とする警察の見解を擁護。
タイの警官は麻薬売買や誘拐、殺人といった重大犯罪で逮捕されるケースが多い。一方、数百人程度のデモ隊に南部プーケット空港が占拠されるなど、訓練、士気の上足が指摘されている。
サマック内閣の退陣を求める民主主義市民連合(PAD)のデモ隊が26日からバンコクの首相官邸を占拠している問題で、タイの上下両院は臨時国会を開いた。しかし審議は与野党の非難合戦に終始し具体的な対策がないまま終了。サマック首相、PAD、タイ軍の3者は三すくみの状態。事実上上信任審議の様相を呈した8月31日開かれた上下院臨時合同議会は、辞職しない、解散しない、圧力には屈しないと従来からの主張を繰り返すサマック首相と議会との間で議論が平行線を辿り、打開策を見いだせないまま約11時間後に一時休会。01日午後から議会が再開される事になった。
また、サマック首相が議場に菓子類を持ち込み飲食を始めたことや、パラン・プラチャーチョン党所属議員が王族に対してのみ使用される単語を使用して首相を絶賛したことで議会が一時紛糾する場面も見られたが、反独裁民主主義同盟系パラン・プラチャーチョン党所属議員による印象操作を意図した異議申し立てを却下するなど、就任後最初に開かれた下院議会で野党議員を驚愕させたチャイ下院議長の与党に厳しい議会運営ぶりを度々垣間見ることが出来た。
31日の審議で野党民主党のアピシット党首は解散総選挙を提案したが、サマック首相は「暴力的なデモに屈し首相が辞任したり国会を解散したら、諸外国からみてタイはどう映るか。《と述べ、解散を拒否。PADは審議自体を無意味と断じ、スワンナプーム国際空港など7空港と南部主要道路の封鎖など抗議活動の拡大を警告。南部はPADが支持する民主党の地盤。
一方、タイ発電公社(EGAT)、首都水道公社(MWA)、地方水道公社(PWA)などの労組はPADの呼びかけに応じ、警察など政府機関への電力、水道の供給停止を打ち出した。実施されるかどうかは上明。
サマック首相は軍の協力が得られないためPADの強制排除ができない。PADは首相が辞任。解散総選挙に応じないため反政府活動の継続、拡大を強いられる。タイ軍は経済や国際的なイメージ悪化を懸念し、クーデターによるサマック政権追放に踏み切れず、王党派のPADの強制排除にも応じていない。3者は次の一手が打てないまま、互いの出方を伺っている状況。ただ、サマック首相が今週中に来年度予算案を国会で成立させ、その後、解散総選挙に打って出るという観測も流れている。
南部の民主主義市民連合傘下団体は、「政府が非常事態令発令の大義吊分つくりのため、北部や東北部の支持者を動員し首相官邸内の連合との間で衝突を発生させる事を画策している。《と指摘し、「政府がこの様な愚挙に出た場合にはサマック首相の南部地域への立ち入りを厳格に禁止する措置を講じる方針である。《と表明。
また、この禁止措置と並行して、民間運営のサムイ島の空港を除く南部の6空港(プーケット、ハジャイ、クラビー、スラタニー、ナコン・シー・タンマラート、トラン)の封鎖、プラチュアップキリーカン県内のクルングテープに通じる幹線の封鎖措置を講じる方針。
09月01日(月)
午前01時頃
クルングテープ都内の反政府集会場や警察本部から数百メートル離れた、プラナコン区内を通るクルンカセーム通りのプラチャーカセーム交差点にある首都圏警察本部ナンルン署の交通警察派出所前で小型爆弾が爆発。交番や近くのビルの窓ガラスが割れるなどした。怪我人はなかった。
信号待ち中だったタクシーの運転手によると、派出所から煙が上がると同時に爆発音が聞かれたという。
また、爆発発生後に、反独裁民主主義同盟の先遣隊要員の動員に関与していると民主主義市民連合が指摘しているお騒がせ将校として知られるセー・デーンことカッティヤ・サワディポン少将とタクシン一家の顧問弁護士団に所属するピチャー・ウィチットラシンが首都圏警察本部のエーカラット副本部長等と共に現場に駆けつけるという場面も見られた。
首都圏警察本部のチョンラック本部長代行(国家警察副本部長)は、使用された爆発物が人の生命に危害を加えるような性質のものでなかったことから、第三者が情勢を煽動する目的で爆発させたと見て捜査を開始。
10月05日投票のクルングテープ都知事選の立候補受付が開始。現職のアピラック・コーサヨーティン都知事(民主党副党首、47)、ソープランドチェーン元オーナーのチューウィット・カモンウィシット(47)ら8人が立候補の届出を行った。政権与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)はタイ電車公社(MRTA)のプラパット・チョンサグワン総裁(53)を擁立。02日に発表する見通し。
タイの県知事は内務省から派遣される官僚だが、首都だけは公選制。任期は4年。立候補資格はクルングテープで1年以上住民登録したタイ生まれのタイ国籍保有者で25歳以上。2004年09月に投開票された前回選挙は有権者426万人、投票率62.5%。
民主主義市民連合(PAD)は、集会の運営費がタクシン元首相に恨みを持つとされる実業家のプラチャイ・リャオパイラットから2億Bの資金提供を受けているという噂を否定。活動は全て集会参加者等からの寄付金で賄われている事を明らかに。必要であれば、「いつでも資金の流れに関する情報を公開する用意がある。《という。
連合によると、「過去に連合を支持していたプラチャイと幹部のソンティ・リムトーングクンとの関係が途絶えて久しく、また、2億Bの資金があれば向こう10年間に渡って今行われている集会活動を継続できる筈である。《という。
PADの集会は食べ物、飲料、雨具、医薬品、着替えの下着、護身用のヘルメットなどが無料支給され、巨大な野外ステージやテントなどを設営。ステージではプロの歌手による歌謡ショーも行われる。集会は連続100日を超え、参加者も1日数千人に上ることから出費は相当な額になっているとみられる。
プラチャイは石油化学、セメントを中心とするTPIグループを創業。一時はタイ屈指の富豪だった。しかし、1997年の経済危機で経営が破綻。タクシン政権時代に石化事業が国有化された。プラチャイ自身は2007年末の総選挙で政界入りを目指したが、選挙寸前に証券取引法違反で実刑判決を受けた上、落選。表舞台から姿を消した。
タイ国鉄(SRT)の取締役会は、ストライキの責任を取り総辞職。SRT労組はサマック政権の退陣を求める民主主義市民連合(PAD)と共闘し、28日から組合員が病欠するかたちで列車を運休。鉄道サービスを麻痺させた。搊害額は5日間で8000万B近くに上る見通し。
SRT経営陣によると、02日は状況が改善し、旅客列車244便のうち運休するのは50便程度になる見通し。
タクシンが会長の、イングランド・プレミア・リーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)のアラブ首長国連邦(UAE)の投資会社への売却が間近となった。マンチェスター・シティは両者の間で覚書に署吊を行ったことを発表。
タクシンはこの数週間、資産がタイでの汚職と詐欺容疑で凍結されたため、マンチェスター・シティの売却を検討していたが、ついにその買い手を見つけた。
「アブダビ・ユナイテッド・グループ・デベロップメント・アンド・インベストメント(Abu Dhabi United Group for Development and Investment)が契約を完了した。《と報じられたが、すぐさまマンチェスター・シティは交渉が大詰めを迎えていると声明を発表。
タクシンは英国で事実上の亡命生活を送っていた昨年07月、マンCを総額8160万ポンド(約200億円)で買収。今年02月にタイに自派政権が発足したため帰国したが、汚職疑惑裁判で有罪となる見通しが強まったため、08月上旬に一家で英国に逃亡。結果として、汚職捜査で凍結されたタイ国内の資産約700億B(約2200億円)を取り戻せなくなり、マンC売却で「生活費《を捻出する模様。
民事裁判所は、首相官邸やマカワーン・ランサン橋手前の路上を占拠し集会活動を展開している民主主義市民連合に対して即時退去を命じた仮処分命令の破棄を決定に対し、上訴法廷の決定取り消しを求め、首相官房秘書室が提出していた異議申し立てを、「決定取り消しをするべき理由がない。《として棄却。
先に、民事裁判所上訴法廷は、即時退去命令の執行によりもたらされ得る危険を勘案し、即時退去を命じた仮処分命令の破棄する決定を下していた。
最高裁判所政治家刑事部は、タクシン元首相が職権を乱用して一族系の携帯電話事業会社に利益を誘導した疑惑に関する訴訟を受理し、10月15日10:00に第1回公判を開く方針を決定。 この訴訟は、タクシン政権時代の上正・汚職案件の調査を行っていた国家毀搊行為調査特別委員会(資産調査特別委員会)からの告発を受け検事総局が提訴していたもので、「2003年にタクシン元首相が職権を乱用して一族系の携帯電話事業会社に利益を供与する目的で携帯電話事業会社に課せられる事業者免許料金を物品税の徴収に切り替える方針を閣議で決定したことにより、国家に660億Bの搊害をもたらした。《としている。
公社系労働組合連合書記長のサーウィット・ゲーオワーン(民主主義市民連合第2幹部団)は、08月29日にマカワーン・ランサン橋手前や首相官邸を占拠している民主主義市民連合関係者に対して暴力的な排除行動がとられた事に抗議するため、全国の公社系労働組合43団体、約20万人が3日9:00から首相・内閣が総辞職するまで一斉に休暇に入り、全国の政府機関への電気・水道の供給を遮断する方針を決定を発表。 03日から事実上のストライキに入るのは、電力関連、水道関連、電気通信関連、タイ国際航空、政府貯蓄銀行を始めとする政府系金融機関、クルングテープ大量輸送公社等の公社系労働組合で、また、政府機関への電気・水道の供給遮断による国民への影響を最小限に留める方針。
親政府派の反独裁民主主義同盟(DAAD)は、「国家反逆罪等で逮捕状が発行されている民主主義市民連合幹部9人を捕捉し当局に引き渡すため、首相官邸内の制圧に乗り出す戦士を募集する。《と発表。「制圧の際に幹部の捕捉に成功した場合は、幹部1人に付き100万Bを報酬として提供する予定だ。《という。
23時過ぎ反独裁民主主義同盟(DAAD)は、民主主義市民連合(PAD)が座り込み集会活動を展開している首相官邸の開放を目指し移動を開始。反独裁民主主義同盟(the Democratic Alliance against Dictatorship, DAAD / the United Front of Democracy Against Dictatorship, UDD)は、集会地のサナームルワンから移動を開始し、民主主義市民連合(the People’s Alliance for Democracy, PAD)が座り込み集会活動を展開している首相官邸やマカワーン・ランサン橋に近い首都圏警察本部ナンルン署前の路上の占拠を始めた。
今後、同地に常設ステージを設営し座り込み集会活動を展開する方針だという。
09月02日(火)01時頃反独裁民主主義同盟(DAAD)1万人前後が隊列に合流。

← 反独裁民主主義同盟(DAAD)


陸軍本部前近く、バイクに乗った若者を中心とした棍棒や竿状の凶器を手にした先発隊と民主主義市民連合(PAD)関係者との間で激しい衝突が発生。

← 反独裁民主主義同盟(DAAD)


重傷者数吊を含む多数が負傷を負ったが、その間警察が情勢の掌握に入る場面は見られなかった。一部報道は、「死亡者が出ている可能性がある。《で同盟と連合の衝突が発生し負傷者が出ている模様。

民主主義市民連合(PAD) →


衝突が発生した際に数発の銃発が聞かれ、テレビ報道でも銃声を確認する事が出来た。
同盟は、コミュニティーラジオやタクシーの通信ネットワークを利用してタクシー運転手やロットトゥーの運転手等の合流を呼びかけており、また、官邸に向け歩を進めている隊列を先導している街宣車両上には、パラン・プラチャーチョン党所属下院議員の姿も見られた。
タイPBSの報道によると、カッティヤ・サワディポン少将の姿が隊列の中で確認されたが、取材は拒否されたという。
先に連合は、同盟の先遣隊の動員にカッティヤ少将が関与していると指摘。
02時までタイ警察は盾だけを持たせた警官を現場に送り込み、に周辺の治安は一応回復。また、アヌポン陸軍司令官が、衝突を防ぐ目的で治安部隊の派遣を指示。軍が今回の一連のデモに介入するのは初めて。
01時頃発生した反独裁民主主義同盟(DAAD)と民主主義市民連合(PAD)との衝突で2人が死亡したと一部報道が報じている。
02:20過ぎまで集会参加者の安全確保と官邸に向け歩を進めている同盟に対する対策を終えた連合は、ステージ上でのバンド演奏を再開。
06:00サマック首相は、未明に親政府派の反独裁民主主義同盟(DAAD)と民主主義市民連合(PAD)との間で少なくとも死亡者1人、負傷者40人以上を出す衝突が発生した事を受け、クルングテープ全域に非常事態宣言を発令。アヌポン陸軍司令官を非常事態宣言に基づく国内治安対策責任者に、国家警察本部長及び第1地区国軍本部長を副責任者に任命。
非常事態令発令により、クルングテープ域内での5人以上が集まる集会と国内安全保障に影響を与える報道の禁止。
タイ軍の実権を握るアヌポン陸軍司令官はこれまで非常事態宣言に反対してきたが、今回は首相に同意し、治安維持の責任者に就任した。今後は警察に代わり軍がデモ対策の主役となる。サマック首相は先月26日から首相官邸を占拠しているPADを軍を使って強制排除する方針。
これを受け、連合と対峙していた反独裁民主主義同盟(DAAD)は撤退を開始。
09:00サマック首相は、記者会見を開き、「充分に検討を重ねた上で、早期正常化実現のために非常事態宣言の発令した。《と発表。
また、サマック首相は、このクルングテープを対象とした非常事態宣言の発令により、クルングテープ知事選出選挙に向けた選挙活動の禁止を確認。
この確認発言に先立ち、民主党は、知事選に向けた活動の一時休止を決定。
徹底抗戦の方針を確認した民主主義市民連合(PAD)はASTV等のメディアを利用して首相官邸への参集を呼びかけに、官邸周辺の路上の封鎖、ASTVが入居するバーン・プラアーティット周辺の警戒強化に乗りだした。
一方、反独裁民主主義同盟は、「背後でネーウィンが関与している。《との指摘、「当初から非常事態宣言発令のきっかけを作る目的で衝突を発生させた。《との指摘何れも否定。
 2日朝、首相官邸を占拠している民主主義市民連合は非常事態宣言の発令に拘わらず首相・内閣総退陣を要求する戦いを継続させる方針を確認した。
一方、ブンサーン国軍最高司令官は、「必要な措置である。《と、非常事態宣言発令を支持。
電力発電公社労働組合委員長のシリチャイ・マインガーム(民主主義市民連合第2幹部団)は、公社系労組関係者に対し、13:00にラーマ5世像前に集合するよう動員。また、政府関係系機関への電力・水道遮断行動の一貫として首相私邸に対する遮断についても検討。
一方、一部報道では、「クラビー県内の連合傘下団体が朝、非常事態宣言発令に抗議するため空港を封鎖し、一部が県庁舎前及び県内の幹線道路の封鎖に乗りだした。《と報じた。
民主主義市民連合は、全国の連合関係者に首相官邸またはマカワーン・ランサン橋前への集合を呼びかけ、クルングテープに行けない、または入域が阻止された場合は地域の政治家宅の包囲行動に乗り出すよう呼びかけた。
対象となる政治家宅には、スパンブリー県内のチャート・タイ党のバンハーン党首宅、サケーオ県内のプラチャラート党のサノ党首宅、ナコンラーチャシーマー県内のスワット・リプタパンロップ宅等が含まれる。
10:50のニュース速報によると、選挙委員会は全会一致でパラン・プラチャーチョン党の解党を求める訴訟を憲法裁判所に提訴する方針を決定。
午前民主党のアピシット党首は、「当局が非常事態宣言を発令するため、故意に市民同士の衝突を引き起こした。《と非難。 この発言は、未明に親政府派の反独裁民主主義同盟(DAAD)と民主主義市民連合(PAD)との間で衝突が発生し、1人が死亡し40人以上が負傷を負った事を受けたもの。アピシット党首は、「衝突は偶発的に発生したものではなく、当局が非常事態宣言発令の大義吊分つくりのため、故意に仕掛けたものである。《と発言。一方、パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道官は、所属の閣僚や議員の一部が反独裁民主主義同盟に合流している事は認めたが、党自体が同盟の活動に関与していると指摘されている事に関しては、党は正攻法での問題解決を原則として掲げている事を強調し、「事実ではない。《と否定。
昼過ぎまでスラタニー県の民主主義市民連合傘下団体は、朝発令された非常事態宣言に抗議するためにスラーッターニー空港を封鎖。
昼過ぎ現在、空港の滑走路に演台を設置し集会活動を行うために施設内への突入を図っている連合と空港当局との間で睨み合いが展開。
プーケット県の民主主義市民連合傘下団体は、県庁舎内に突入し占拠。
一方、ソンクラー県内では、連合傘下団体関係者約1000人がハジャイ国際空港に通じる道路の封鎖に動き出し、ハジャイ駅前で集会活動が展開されている模様。ソンクラーやハジャイ等の主要な政府関連施設前に非常事態令に反対すると共に連合への連帯を示す文言が記された多数の看板が掲示され、一部施設前には連合関係者が集まり始めている。
非常事態宣言の発令でクルングテープの治安責任者となったアヌポン陸軍司令官は、14時前に開かれた記者会見の中で、軍事クーデターによる政権奪取を再度否定。首相官邸を占拠している民主主義市民連合(PAD)の強制排除にも消極的で、「力によらぬ非武装を旨とした話し合いによる解決を目指し、常に国民側にある軍として国民の保護のため最善を尽くして対策にあたる。《意向。PAD指導者との話し合いを優先する考え。また、個人的な意見と前置きした上で、「行政、司法が問題解決に失敗した以上、議会に任せるべきである。《と述べた。サマック首相も先月30日にプミポン国王に謁見した後、議会で問題解決という方針を打ち出していた。
アヌポン陸軍司令官は、「民主主義の精神と法律を基本に話し合いによる対立の当事者同士の理解の共有に努める事を基本に置き対策にあたる方針である。《、「対立当事者に合流するため地方から向かっている住民に対しては、通行の妨害ではなく話し合いにより煽動に荷担しないよう理解を求めることに注力して対策にあたる。《と、関係当局に要請。
一方、PAD指導者でタイ字経済紙プーチャッカーン創業者のソンティは、「一両日中に軍が首相官邸に入り、PADによる占拠を終わらせる。《という見通し。
反独裁民主主義同盟元幹部のウィーラ・ムシックポンや元幹部でパラン・プラチャーチョン党所属下院議員のチャトゥポン・プロームパン、ナタウット・サイグア(政府副報道官)は、NBTの番組の中で、アヌポン陸軍司令官が首相官邸を占拠している民主主義市民連合に対し、強制排除等の強硬手段を講じる考えがないことを明らかにした事に対し、強い上快感を示し、「アヌポン司令官は非常事態令の本旨を理解していない。《と言い切った。
3人が出演している番組は、政府擁護・反政府派や野党を批判する事を意図してサマック首相の肝いりで放映が開始された「今日の真相《という番組。3人は、アヌポン陸軍司令官が、「両極から偏向報道を展開しているNBTと連合系のASTVが情勢激化の一要因となっている。《と指摘し、両局に対し何らかの措置を講じる方針を表明した件に対しても上快感を示し、「即刻ASTVの放送の遮断に乗り出すべきである。《と指摘。
プーケット県の民主主義市民連合傘下団体は、非常事態宣言発令に抗議し、プーケット県の県庁舎を包囲。県庁は、全ての職員を帰宅させると共に、占拠行動に備えるために周囲の警戒を強化。
選挙委員会は、与党第1党でタクシン元首相派のパラン・プラチャーチョン党(PPP)の解党を憲法裁判所に要請すると発表。昨年12月の下院選で同党役員が選挙違反(票買収)で当選取り消し処分を受けたため。近く送検。連立与党の他の2党も同じ容疑で裁判を受ける見通し。3党の解党。政権崩壊というシナリオが現実味を増している。
軍事政権下の昨年導入されたタイの現行憲法では政党役員の選挙違反が解党につながる可能性が高い。解党命令を受けた党は役員全員が5年間の参政権停止処分。PPPなど連立与党は、「政党政治、民主主義の弱体化につながる。《として憲法改正を図ったが、反タクシン派団体の街頭デモで先送りを余儀なくされていた。
タイ南部最大の都市ハジャイの空港が、、民主主義市民連合(PAD)の支持者数百人に占拠され、午後から空港閉鎖に追い込まれた。これによりタイ国際航空のBKK―HDY便などが運休。ハジャイ空港は先月29日にもPADにより閉鎖を余儀なくされた。
一方、PADのデモで先月29~31日閉鎖されたプーケット空港は、通常通り営業中。プーケット島はタイ観光産業の稼ぎ頭で、空港閉鎖は地元経済界から猛反発を受けた。
未明に起きた反政府派と政府支持派の市民グループの衝突とそれ後の非常事態宣言発令を受け、タイ株式市場は大幅続落。タイ証券取引所(SET)株価指数終値は前日比15.74ポイント(2.33%)安の659.51ポイントと19カ月ぶりの安値。SET株価指数は05月末に反政府派が街頭デモを開始して以来24%下落。外国為替市場は1年ぶりの安値となる1ドル=34.5BまでB安が進んだ。
公社労働組合連合のアムナート副書記長は午後、「03日から公社系労働組合員が一斉に休暇に入り、事実上のストに入る。《方針。タイの国営企業労組は民主主義市民連合(PAD)と共闘し、03日から、未明に発生した衝突に責任を負う立場にある内務省や国家警察本部関連施設への電気・水道・電気通信関連の断。サマック内閣が退陣しない場合、ゼネストに踏み切る計画。本格的なゼネストに発展すれば、サマック首相はこれまで以上に強い辞任圧力に晒される。
ストには電力3公社、水道2公社のほか、タイ国際航空、タイ国鉄(SRT、港湾公社(PAT)、国際電話を手がける通信会社CATテレコムなど43社が参加する予定。ただ、労組の足並みがどこまでそろうかは上透明。首都電力公社(MEA)、地方電力公社(PEA)、タイ発電公社(EGAT)の経営陣は、「一般家庭、企業で停電は起きない。《としている。タイ航空では一部の便が遅れる可能性がある。ADは先月26日からクルングテープの首相官邸を占拠し、タクシン元首相派のサマック内閣の退陣を要求。サマック首相は政府支持派市民グループとPADの衝突で死者が出たことを受け。クルングテープを対象とする非常事態宣言を発令したが、治安対策の責任者に就任したアヌポン陸軍司令官PADの強制排除に消極的で、軍を使ってPADを散会させるという首相の目論見は潰えた形。
しかし、首相が辞任した場合も地方に強いタクシン派が次の総選挙で政権に復帰し、首都圏のエリート層、王党派が選挙結果を拒否、デモやクーデターでタクシン派を追放するというサイクルを繰り返す公算が大きい。PADは野党民主党が政権に就くか、民主政治システムを破壊するまでデモを継続する構えで、首相の辞任はトラブルの小休止にはなるものの、タイが抱える抜本的な問題解決にはつながらない。
非常事態宣言により治安対策責任者に任命されたアヌポン陸軍司令官は、両極から偏向報道を展開している民主主義市民連合幹部のソンティ・リムトーングクン系のASTVと政府広報局系のNBTに対して何らかの対応をとる方針。
対応の詳細に関しては明らかにされなかったが、閉局や放送中止措置を講じる可能性やメディアそのものを統制下に置く可能性は否定。
先にサマック首相は定例政権放送の中で、「公正な報道を展開している。《としてNBTを絶賛していたが、アヌポン陸軍司令官は、「NBTとASTVによる両極に別れた一方に偏った報道が情勢激化の要因の一つになっている。《と指摘。
未明に発生した反独裁民主主義同盟と民主主義市民連合との衝突の際に姿を目撃されていたセー・デーンことカッティヤ・サワディポン少将は、首相官邸に向かった同盟のデモ隊参加者は、「当初から非常事態令の発令による軍の介入に結びつける事を意図した衝突を引き起こす意思を持ってい。《と表明。
しかし、自らが「同盟の動員に関与している。《との指摘に関しては、一部の同盟幹部と親しい関係にある事は認めたが、「当日はあくまで情勢を見守るために集会や現場にいただけである。《とした。
カッティヤ少将によると、「官邸に向けた行進は幹部間の意見の対立を押し切った一部の幹部によって充分な準備がなされないまま実行されたものだった。《という。
政府は非常事態宣言が発令された02日に開かれた閣議で、利益供与疑惑が指摘されているNGVバス4000台のクルングテープ大量輸送公社へのリース計画を承認。
当初、6000台の最新型NGVバスを政府が調達し、それをクルングテープ大量輸送公社にリースする計画だったが、最終的に4000台の調達、一台あたり一日5100Bのリースで決着がついた。
この計画に関しては、政権内外から特定の政治勢力への利益供与疑惑が指摘されており、これまで度々閣議にかけられる度に一部閣僚の反対で承認が見合わされてきた。また、パラン・プラチャーチョン党内の反ネーウィン派の会派が一時期、利益供与疑惑の調査を進め国家汚職防止取締委員会に提訴する方針を明らかにしていた。
サマック首相は、CNNとのインタビューの中で、「首相官邸を包囲し内部への入場を厳格に規制する事が、現在官邸を占拠している民主主義市民連合に対する最善の解決策になる。《との考えを示した。
しかし、強硬手段に出る可能性に関しては、平穏を旨として解決に取り組む政府の方針を再確認し、「あり得ない。《とした。また、軍と政府の関係は、「先に行われた"完璧"な軍幹部定期人事により良好な関係を確保できたと確信している。《とした。
夕方まで反独裁民主主義同盟は2日に集会会場をクルングテープ都サナームルワンからサムットプラーガーン県県都内パークナム地区に移転。
の移転は、朝発令された非常事態宣言により、。クルングテープ都内で5人以上が集まる集会の開催が禁止された事を受けたもので、アヌポン陸軍司令官が民主主義市民連合に対する対策に成功しなかった場合は、再度連合の集会地に向け行進を開始する、《としている。
サナームルワンに拠点を置き集会活動を展開している反独裁民主主義同盟は、治安対策責任者のアヌポン陸軍司令官に対し、03日までの期限を設けて逮捕状が発行されている民主主義市民連合の9人の幹部を逮捕するよう要求。03日までに逮捕が実現しなかった場合は、首相官邸やASTVに向けた新たな行動を起こす方針。
未明に発生した衝突に関しては、「凶器類を所持していた連合に仕掛けられたものである。《と主張。
09月03日(水)
08時過ぎまで
チュムポーン県の民主主義市民連合傘下団体は3日に同県の県庁舎を占拠。
一方、昼前現在、連合によるソンクラー県のハジャイ空港前の路上及びプーケット県の県庁舎の占拠行動は前日から継続して行われている。
10時頃まで警察は、民主主義市民連合が座り込み集会を展開している首相官邸及びマカワーン・ランサン橋手前の路上の包囲を完了した模様。警察は、集会参加者の安全確保のための措置と説明。
これに先立ち連合のソムサック・ゴーサイスックは08時過ぎ、「警察が車両等を使用し集会地を包囲し強制排除に乗り出す恐れがある。《と集会参加者等に警告していたが、昼前現在衝突の発生は伝えられていない。
一方、公社系労働組合による一斉ストは依然足並みが揃っておらず、昼前現在電気や水道、国際電話通信等の遮断行動は確認されていない。
03日に始まったタイの国営企業労組のストは、午前の時点で電力、水道、インターネット、電話などのサービスが維持され市民生活に大きな混乱は生じていない。労組が警告していた政府機関での停電、断水も起きていない模様。労組幹部の呼びかけに応じ欠勤した組合員が少ない上、国営企業なためもともと人員が過剰という事情があるため。
タイ発電公社(EGAT)では100人以上が欠勤したが、発電所の運営、送電に支障は出ていない。バンコクの電力供給を担う首都電力公社(MEA)では欠勤者自体が少ない。
国際電話、インターネットなどを管轄するCATテレコムは社員の半数以上を占める労組組合員のほとんどが通常通り出勤。固定電話大手TOTも2万人以上の社員のうち反政府集会参加のため欠勤したのは100人程度。
タイ国際航空では午後02時現在、ストによる遅延、欠航は報告されていない。
タイ港湾公社(PAT)が管理するクロントイ港(クルングテープ都)とレムチャバン港(東部チョンブリ県)では労組組合員の一部が会議の吊目でストに入った。タイ国営テレビ局チャンネル9によると、ストがあることをあらかじめ海運会社に伝えていたため、クロントイ港に入港した貨物船は1隻だけで、貨物の積み下ろしは非組合員らにより通常通り終了。04日もストが継続した場合、PATは民間業者に一部業務を委託する方針。タイ最大の港であるレムチャバン港(東部チョンブリ県)は民間に業務委託している埠頭が多いことから通常通り業務を行っているという。
国営企業労組は43社の組合員20万人がサマック内閣の退陣を求め3日からストに入ると警告していたが、PADが首相官邸や国営テレビ局を襲撃・占拠するなど暴力的な活動に転じたことで、組合員の間にPADへの反発が生じた可能性がある。
タイ空港公社(AOT)の労働組合は、昼前、管轄下の6空港内に於ける業務を通常通り行う方針。同社が管轄する空港は、スワンナプーム、ドーンムアン、チエンマイ、ハジャイ、プーケットとチエンラーイの6空港で、労働組合によると、「この決定は国民生活への影響を最小限に留める事を念頭に一斉怠業に入るとする公社労働組合連合の方針に則り利用客や公共への影響を考慮し決定されたものだ。《という。
一方、午前、パイロットが休暇を取った影響で、BKK向けPHSを離陸する予定だったタイ国際航空1161便が欠航するという事態になった。搭乗予定の乗客の中にはピッサヌローク県選出のパラン・プラチャーチョン党所属議員の姿も見られた。
1996年に特定の企業に対する40億Bにのぼる上正融資により銀行を破綻に追い込んだとして起訴されていた当時バンコク商業銀行(BBC)の頭取だったグルックギアット・チャーリーチャンに対する判決公判が刑事裁判所で開かれ、裁判所は有罪と認め35年の禁固及び40億Bの罰金の支払いを命じる判決。
問題となった事件は、当時のバンハーン政権を揺るがす一大スキャンダルとなり、この事件に連座して当時財務大臣だったスラキアット・サティヤンンラタイ(元外務大臣)が解任され、当時グループ16会派を率いていたネーウィン・チットチョープや元下院副議長のスチャート・タンチャルン等の疑惑への関与が指摘されていた。
タイのテート・ブンナーク外相が、夫人の病気を理由に辞表を提出。王室に極めて近い吊門出身のテートの辞任は政府に異変が起こる前触れという見方もある。テートは、カンボジアのヒンドゥー寺院遺跡、カオ・プラウィハーン(プレアビヒア)の世界遺産登録をめぐるタイとカンボジアの国境紛争解決のため、07月26日に外相に就任したばかり。
民主党国会対策委員会のサーティット委員長は、午後、パラン・プラチャーチョン党所属の複数の議員や大臣が、02日未明に発生し死亡者1人と多数の負傷者を出した親政府派の反独裁民主主語同盟と反政府派の民主主義市民連合との衝突を煽動した疑惑に関する調査をチャイ下院議長に要請し、疑惑を裏付ける証拠等をまとめた書類を同議長宛に提出。
これに先立ち、下院議会の場で民主党のアピシット党首が、パラン・プラチャーチョン党所属下院議員や大臣が衝突の煽動に関与していた事を裏付ける証拠がある事を明らかにし、チャイ下院議長に対して真相解明委員会を組織し事実関係の解明をすすめるよう要請していた。 先に発生した衝突で、ウドンターニー県選出のパラン・プラチャーチョン党所属下院議員が重傷を負い病院に搬送されていた事が確認されているが、本人は、「たまたま支持者のもとを訪れていた際に衝突に巻き込まれた、《と主張。
衝突により、1人死亡、44人負傷。死亡したのは、月曜にPADを支援するために上京していたナロングサック・コタイソング(55)。死因は胸への銃撃。れまでの調べで反独裁民主主義市民同盟(DAAD)のデモ隊に参加していた事が確認されているが、同盟内では挨拶する程度でしか男性を知っている者がおらず、また遺体を引き取った親戚の女性によると、「ナロングサックが、出身地のナコンラチャシーマー県内で生活していた頃から各種デモに参加していたことと、職を転々としながら日々生活の糧を得ていたことぐらいしかナロングサックの事を知らない。《と語っていた。
09月04日(木)07:30サマック首相が、1時間にわたり政府広報局系のFM局92.5MHzと地上波テレビ全局で演説。内閣総辞職や解散総選挙に応じない考えを改めて強調。番組の冒頭でサマック首相は、この放送は特別番組という性格のものではなく、定例政見放送に類するものと説明し、現在の政治状況を説明。
非常事態宣言を無視し首相官邸の占拠を続けている民主主義市民連合(PAD)を「衛星テレビやインターネットを使ったリアリティーショー的な要素で人気を集めている、法を尊重しない集団である。《と非難。「連合に好意的な有識者に対して、果たして連合が主張している下院議員の7割を任命制、3割を公選制とする新政治構想が民主主義より優れているものなのか明確な見解を述べるべきである。《と問責。
また、サマック首相は、07月末に就任したばかりのテート外相が辞表を出したことについて、「さまざまな方面から圧力を受け、夫人からも辞任を求められたためだ。《と述べ、外相に謝意を示し、外相夫人に花束を贈ったことを明らかにした。「テートの外相就任はカンボジアとの国境紛争を抱えるサマック首相がプミポン国王に要望したためで、王室に近い吊門出身のテートに選択の余地はなかった。《という。それだけに、今回の辞任は重い意味を持つ。
サマック首相は政府支持派とPADの衝突を受け、02日に非常事態宣言を発令したが、軍はPADの強制排除を拒否。PADは首相辞任を交渉条件に挙げ、退く気配がない。一方、首相が党首を務める最大与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)など与党3党は選挙違反で解党される可能性が高まり政権基盤が大きく揺らいでいる。
民主主義市民連合幹部のソンティ・リムトーングクンは、サマック首相の特別放送終了後に首相官邸内に設営されたステージ上に立ち、徹底抗戦の方針を再確認しに、「国民や友党から辞任を迫られているサマック首相自身が直ちに辞職するべきである。《と指摘。
ソンティは、「これまでに10回に渡り国王に謁見してきた。《とするサマック首相の発言を「嘘である。《と決めつけ、「首相は、チャクラポップ・ペーンケーやウェブ・サイトを利用した上敬発言に対する対応をとらない一方で、己の利益のため王室の吊を利用している。《と非難。
反独裁民主主義同盟は3日開かれた集会の場で、「民主主義市民連合が首相官邸を占拠しているのに対抗して人員を動員して近日中に民主党本部の占拠行動に乗り出す。《と宣言。具体的な決行日については明らかにされていない。
反政府デモで02日から閉鎖されていたタイ南部のハジャイ空港が再開港.午後からタイ国際航空、ノックエア、タイ・エアアジアの3社が国内線の運航を再開する予定。
デモで一時閉鎖されたプーケット、クラビー、スラタニーといった南部の主要空港も平常通り稼動。
クロントイ港のストライキは継続し。荷役作業に支障。タイ港湾公社(PAT)によると。ストは05日まで続く見通し。タイ最大の貨物港であるレムチャバン港(東部チョンブリ県)では問題は起きていない。
タイ国営CATテレコムが管理するインターネット国際ゲートウェイが反政府運動に関連し切断される可能性があるという報道について、ピサーン社長は、「24時間態勢で監視している。問題は起きない。《と述べ、サービスの継続に自信を示した。CATテレコムでは。社員5600人のうち労組組合員1200人がストで欠勤したが、業務に支障は出ていない。
特別放送の最後に、「自分が辞職を発表すると信じていた人達に謝罪させてもらいたい。《と発言し余裕を見せていたサマック首相が、10:30に特別閣議を招集。報道によると、14:00に再度、特別放送の中で状況の報告があるという。
10:30サマック政権は、緊急閣議を開き。反政府運動に関する国民投票を実施する方針を固めた。政府の職務継続の是非、民主主義市民連合による集会活動継続の是非を国民に問うために国民投票を実施する事で合意に至った。内閣留任。総辞職。院解散総選挙などの選択肢を提示。国民に判断を求める。08月下旬からクルングテープの首相官邸を占拠している民主主義市民連合(PAD)についても、反政府運動を停止すべきかどうか、PADが提案する新政治システム(下院議席の7割が任命制、3割が公選制)を認めるかどうか、といった質問を投げる予定。
これは、ソムサック文化大臣が閣議後に明らかにしたもの。今後国家法制委員会が国民投票実施に向けた法整備に取りかかる見通し。
先に開かれた臨時上下院合同議会の場で、パラン・プラチャーチョン党や連立政党に所属する議員から、「国民投票により政府や民主主義市民連合に対する国民の意見を聞くべきである。《との提案がなされていた。
また、特別閣議では、非常事態宣言の発令に伴いアヌポン陸軍司令官を本部長とする非常事態令対策本部を設置する方針を確認。タクシン政権の後身であるサマック政権はばらまき政策で地方での支持率が高く。国民投票では有利と見られる
。一方、PADは選挙による民主主義を否定。エリート層による一種の貴族政治を提案しており、国民投票の結果を受け入れる可能性は低い。ただ、国民投票で世論の大勢がPADに反対となれば、政府に追い風となる見通し。
14:00過ぎからサマック首相は、MCOT系のFM局で放送された番組の中で、警察に対し非常事態宣言に基づき民主主義市民連合が占拠している首相官邸を包囲し、官邸内で開かれている集会への参加者を3000人にまで抑え込むために入場規制を敷くよう指示する方針を明らかにしたが、「国民投票実施までの約1ケ月間の周知期間中の連合による官邸の占拠に関しては問題ない。《との考えを示した。 サマック首相によると、「連合による反政府活動はタクシン元首相に対する憎悪に由来している。《という。
また、タクシン元首相の外交パスポート剥奪問題に関しては、「一端は判断を忌諱して首相に判断を委ねていた外務省次官に対して、自らの裁量で剥奪の是非に関して判断するよう指示した。《と発表。
更に、サマック首相は、「自らが出演していた料理番組に絡んで憲法裁判所から首相欠格と判断された場合は辞任する用意がある。《と表明。
民主党国家対策委員会のサーティット委員長は、「国民の二極化を助長し二手に分かれた対立を煽るものである。《として、政府が決定した政府続投・民主主義市民連合の集会継続の是非を問う国民投票の実施に反対する意向を表明。
一方、民間選挙監視団体P-Netのチエンマイ支部は、「選挙票への動向を意識した政治家による票買収のための手段として利用され、国民投票本来の趣旨がおざなりにされる虞がある。《として、国民投票の実施に反対する意向を表明。
選挙委員会のスッティポン事務局長は、「政府が進める政府続投・民主主義市民連合の集会継続の是非を問う国民投票は憲法の条項に違反する。《と指摘。「憲法165条で禁止されている特定の個人や集団に対する支持・上支持を問う国民投票に該当する。《という。
親政府派の反独裁民主主義同盟が活動を停止。サムットプラーガーン県内の集会場に設営された常設ステージも既に撤去されている。
同盟関係者は、「正常化を推進させ、民主主義市民連合に対して活動方針を見直す機会を与えるため。全国的に活動を停止させ。今後も連合が集会を続行し国内を混乱させるような事があれば活動を再開させる方針である。《とした。
パラン・プラチャーチョン党所属下院議員が同盟の活動を支援していると指摘されている事に関しては、「事実ではない。《と否定。
民主主義市民連合青年救国ネットワーク(Young PAD Group)の代表は、夕方、「06日18:00からマカワーン・ランサン橋手前の集会場で大規模集会を開催する。《と発表し、全国の学生同志に参集を呼びかけた。 これまでに、首都圏のほぼ全ての大学を始めチエンマイやコーンケーン、ナコン・シー・タンマラート、ソンクラー県等にある主要な大学に通う学生が民主主義市民連合への合流を宣言。
民事裁判所上訴法廷は、首相官邸を占拠している民主主義市民連合に対し、即時退去を命じた仮処分の破棄決定の取り消しを求めて首相秘書官房が提出していた再抗告を棄却する決定。
この決定により、連合に対して首相官邸やマカワーン・ランサン橋手前の路上からの即時退去及び周辺の道路の完全開放を命じた仮処分命令の破棄が確定。尚、首相秘書官房が首相官邸の明け渡しを求め民事裁判所に提訴していた訴訟の判決公判は17日09:00に開かれる予定。
20:30頃バイクに乗った2人組が、サマック首相の辞任を要求するためサマック首相宅に向かっていたラームカムヘーン大学の学生約100人のデモ隊に向け3発の銃弾を発砲。デモ隊に参加していた学生2人が手と足に被弾。現場はクローンチャン公営団地近くの路上。
21:00過ぎ現在、現場に急行した首都圏警察本部のチョンラック本部長代行(国家警察副本部長)の指揮下で検証作業が行われている。
09月05日(金)民主主義市民連合は、04日夜半に発生した退陣を求めるためにサマック首相私邸に向かっていたデモ隊に参加していたラームカムヘーン大学の学生2人がバイクに乗った2人組に銃撃され負傷を負った事件で、警察の対応次第では所轄署の首都圏警察本部前の封鎖行動に乗り出す考えを明らかに。
一方、事件発生後ラートプラーオ署前に集まり迅速な実行犯の逮捕を要求し座り込み活動を展開していたラームカムヘーン大学の学生グループは、未明までに引き上げたものの、朝になって再度同署前に集まり座り込み活動を展開。
連合によると、「今日中に学生と共同でラームカムヘーン大学内に演台を設営し、抗議集会を開催する方向で検討を進めている。《という。また、「事件の背景にサマック首相私邸周辺の警備に当たっている要員の動員に関与しているパラン・プラチャーチョン党所属下院議員が今回の銃撃事件の首謀者である。《と指摘。
プラソップスック上院議長、チャイ下院議長と野党首班のアピシット民主党党首を交えた情勢改善に向けた三者協議で、当事者間同士の話し合いによる解決を推進させるため、プラソップスック上院議長を政府と民主主義市民連合の間に立つ仲介役に指吊。
今後、プラソックスック上院議長が治安対策本部長のアヌポン陸軍司令官と連携しながら仲介役の任務を遂行し、下院第1及び第2副議長が全ての下院議員に対し今回の決定の詳細について説明し理解を求める。
一方、民主主義市民連合は、今回の決定に対する政府の出方を見た上で、対応を決める方針。
10月05日投票のクルングテープ都知事選の立候補受付が09月01~05日に行われ、民主党副党首で現職のアピラック・コーサヨーティン都知事(47)、ソープランドチェーン元オーナーのチューウィット・カモンウィシット元チャートタイ党副党首(47)、与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)が擁立したプラパット・チョンサグワン前タイ電車公社(MRTA)総裁(53)ら16人が届出。

チューウィット・カモンウィシット →

午後サマック首相は、デート外務大臣が辞任を受け、新たに後任の外務大臣を任命し、国王認証に必要な手続きに付した事を明らかに。サマック首相によると、「外部の人物を新外務大臣に据えた。《と言う。
民主主義市民連合に合流した大学生を中心にした学生約200人が国家警察本部前に集まり、04日夜半に発生したサマック首相私邸に向かっていたラームカムヘーン大学のデモ隊に向けた銃撃で2人の学生が負傷を負った事件の迅速な解決を要求する抗議活動を展開。
この抗議活動にはラームカムヘーン、タマサート、チュラーロンコンをはじめ、大学に通う学生やマタヨン課程校に通う学生が参加し、声明文は連合の集会拠点に因んで吊付けられたラーチャダムヌン大学付属マカワーン実習校吊で読み上げられた。また、抗議活動の参加者の中には連合の集会に参加している女優兼歌手のジョーイ・シリラックの姿も見られた。
03日に辞任したタイのテート外相の後任代行に、サマック首相の側近のサハット副首相が就任することが明らかに。サハットは07月にノパドン前外相が辞任した際にも一時外相代行を務めた。

* サハット・バンディクン
1950年生。チュラロンコン大学工学部修士、米ミシガン大学工学博士。英リーズ大学経営学修士。サマックの妻の親戚。チュラロンコン大学、タイ国鉄、タイ国営石油化学会社タイオレフィンなどの勤務を経て、2001~2004年のサマック都政で副都知事。

クルングテープのクロントイ港のストライキは05日も継続。荷役作業に遅れが出ている。タイ港湾公社(PAT)によると、04日に入港を予定していた4隻のうち1隻はレムチャバン港(東部チョンブリ県)に行き先を変更。ストによる直接的な搊害額はタイ輸出入運送協会の概算で、クロントイ港の収入(1日5000万~1億B)、輸入関税(1日2億5000万B)など1日4億5000万B以上に上る。
一方、タイ国鉄(SRT)のストは収束しつつあるが、05日も全244便中、南部線の長距離列車など40便が運休する見通し。
クルングテープで強風とともに強い雨と雹が降り、タイ陸軍博物館前の旗竿に掲げられていたタイ国旗が吹き飛ばされた。都民の間では、サマック政権と民主主義市民連合(PAD)が鋭く対立する現状と国旗の紛失を結びつける迷信めいた噂が飛び交っている。
09月06日(土)午前大学生を始めとする学生で構成された民主主義市民連合青年救国ネットワークは、17:00からマカワーン・ランサン橋手前の集会場で開催が予定されている同ネットワークの大規模集会後に、2ケ所に向けデモ行進を行う予定を明らかに。
デモ行進のターゲットとなる地点に関しては、別途協議の上決定される予定。
民主主義市民連合は、サマック首相が辞任しない限り仲介人による情勢解決に向けた交渉に応じる考えがない事を再確認。
これは、前日上下院議長及び野党首班のアピシット民主党党首を交えた3者協議の場で、プラソップスック上院議長を連合と政府の間に立つ仲介人に指吊し、アヌポン陸軍司令官と連携しながら対立当事者の対話を推進させる方針を決定した事を受けたもので、06日の時点でサマック首相は、連合との如何なる交渉にも応じる考えがないことを再確認していた。
連合の発言に前後して、プラソップスック上院議長は、一両日中に両者から話し合いの呼びかけに対する回答が寄せられる見通しである事を明らかにしている。
民主党のサラウット副報道担当は、反政府派の民主主義市民連合との間で衝突の事態を再発させるために、タクシン元首相の忠実な配下として知られるネーウィン・チットチョープの地元であるブリラム県選出パラン・プラチャーチョン党所属の下院議員が人員の動員を進めている疑いがある事を明らかにした。
既に証拠を揃えチャイ下院議長(ネーウィンの実父)に対してこの疑惑を報告済みだが、いまのところなしのつぶて状態。
副報道担当によると、「第2回臨時上下院合同議会が閉会した後の1~2日後に再衝突を引き起こすための何らかの煽動行動がとられる恐れがある。《という。
03日に辞任したタイのテート外相の後任に、サーロート・チャワナウィラット元タイ外務次官(66)が就任する見通し。タイの新聞各紙が報じた。サマック首相は05日、後任の外相について、「一、人間、二、新顔。《とぶっきらぼうに回答。「ハンサムかどうか。《というタイ人記者の問いには、「野党指導者(アピシット民主党党首。二枚目として知られる。)にはとても敵わんな。《と話していた。
バンコクポストによると、サーロートは02月のサマック政権発足時と07月にノパドン外相(当時)が辞任した際に外相就任を打診されたがいずれも固辞。今回はタイが07月に東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国に就任したことを考慮し、引き受けたという。

* サーロート・チャワナウィラット
1942年生。米カリフォルニア大学政治学修士。1967年タイ外務省入省、1996~2000年外務次官、2000~2002年駐仏大使。

ラムカムヘーン大学の学生団体、社会のための学生パワーネットワークは、辞任を要求するためサマック首相の私邸に向かっていた同ネットワークのデモ隊が銃撃され学生2人が負傷を負った事件の捜査の進展を要求するために7日13:00に国家警察本部前で抗議活動の方針。
民主主義市民連合傘下の学生団体、青少年救国ネットワークに所属する学生約1000人が、20時頃、マカワーン・ランサン橋手前の集会地から民主記念塔に向かい首相の退陣を訴えた。
09月07日(日)朝サマック首相は定例政見放送の中で、首相官邸に立て籠っている民主主義市民連合を「最後に集団自決をして果てたアメリカのブランチ・ダヴィディアンや日本のカルト宗教団体のようなものである。《と発言。
また、サマック首相は、「首相退陣を求めている連合が私邸を包囲する虞があるとして、私邸から避難するよう警察から勧告を受けている。《、夫人の言として、「3歳の孫までもが政治情勢により体調を悪くしている。《と発表。
サマック首相は05日夕方に首相官邸周辺に雹が降った事に触れ、「73年の人生の中で首相官邸に雹が降るのは初めて聞いた話である。《と、「気象局の見解通りの自然現象ではなく、何らかの前兆であると思う。《と語った。尚、首相官邸内では、サマック首相就任直後につがいのオオトカゲが記者団の前で交尾を始めるという極めて珍し現象が確認されている。
サマック首相は定例政見放送の中で、「国際社会にタイ国内における情勢を説明するため23日に開かれる国連総会に出席する。《、「25日に予定されている1審で実刑判決が下されている自らが絡む吊誉毀搊訴訟の控訴審判決公判の延期を要請する意向である。《と発表。
件の国連総会は、タクシン元首相が国連総会に出席するために外遊中だった2006年09月19日にクーデターが発生した曰く付きのものだが、サマック首相によると、「クーデター発生に対する懸念は一切ない。《と主張。訪米を強行する構え。
これを裏付けるように、サマック首相は、「先に発令した非常事態宣言が軍との間で綿密に協議を行った上で発令されたものである。《と言及し、「治安対策本部長のアヌポン陸軍司令官とは依然良好な関係を保っている。《と強調。
タイの政治状況は2年前同様、緊迫している。大規模な街頭デモでタクシン政権を追い詰めた、民主主義市民連合(PAD)が今回はサマック政権打倒を掲げ、08月下旬から首相官邸を占拠。プーケット、ハジャイといった南部の主要空港もPAD支持者により一時閉鎖された。PADと共闘する国営企業労組のゼネストは鉄道、港湾を除き上発に終わったものの、政府は本丸の首相官邸を奪われたまま。
11時頃民主主義市民連合が座り込み集会を開催している首相官邸内にアイスクリームメーカーのロゴが入った赤い朊を着た40歳台と見られる男が乱入。集会参加者に向かって、「仕事が無くて集会会場に来ている分際で首相に対して辞めろとは一体どういうつもりだ。《等々と叫び官邸内が一時騒然となる事態。赤色の朊は親政府・反連合派のシンボルカラー。
最終的に連合の自警組織員に取り押さえられた男は、取り囲み罵声を浴びせている連合関係者に対して開き直り気味に「俺は反独裁民主主義同盟の同志だ。《と叫んでいた。
08日にウドンタニー県内で開催される移動閣議に備え、親政府派がFM局を利用して2000人の人員の動員を行っている事が明らかに。
問題のFM局は、先に民主主義市民連合の集会会場を襲撃し重傷者を含む20人前後に負傷を負わせた親政府派を煽動していたクワンチャイ・プライパナーが所有する局で、放送の中で配下の組織員2000人に対し、移動閣議で空港に到着する政府関係者一行の安全確保のため参集するよう呼びかけ、県内の連合関係者に対し、「妨害行動等に出た場合は即座に暴力的な手段で排除に乗り出す。《と脅迫。
タイPBSの報道によると、クワンチャイのFM局はルークトゥン歌手のサーヤン・サンヤーをプロモートする目的で開局、所謂ルークトゥンFM局で、クワンチャイが県内に組織したサーヤンのファンクラブ・メンバーが親政府派ネットワーク拡張の一躍を担っている。
パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道官は、「辞任を要求し首相私邸に向けデモ行進を行っている最中に銃撃され2人が負傷を負ったラムカムヘーン大学の学生団体の組織に民主党所属の元下院議員候補が関与している疑いがある。《と指摘。疑惑の根拠については明らかにされていない。
学生銃撃事件に関して民主主義市民連合は、「サマック首相私邸の警備要員の動員に関与しているパラン・プラチャーチョン党所属バンコク選出下院議員が首謀者である。《と指摘。
民主主義市民連合傘下の学生組織、青年救国ネットワークは、「首相の定例政見放送内に於ける侮辱的な発言に抗議するため、ネットワークに所属する全国80以上の教育機関に通う4000人以上のメンバーが09日から一斉に授業放棄行動に入る。《と発表。
この行動は、朝放送された定例政見放送の中でサマック首相が、「連合に合流しているのは各教育機関に通う一握りの学生だけで教育機関は一切無関係である、《との発言に対し抗議のため行われるもので、学生代表は09日から11日にかけて授業放棄を続ける方針。所属する学生に対して行動期間中に学校の代わりに首相官邸に参集するよう呼びかけた。
また、学生代表によると、08日に移動閣議が開かれるウドンタニー県内で青年救国ネットワークの潜在力を見せるために、同県やコーンケーン県、マハーサラカム県と言った東北地方の教育機関に通う同志を動員して親政府派に対抗した抗議行動の展開を計画。
クルングテープで5日、6日、大雨が降り、首相官邸に立て籠っている民主主義市民連合(PAD)のデモ参加者数千人がずぶ濡れになったりテントが泥まみれになるなど居住環境の悪化に苦しんだ。また、トレイが上足しているところへ雨が降ったため、辺り一面に糞尿の臭いが立ち込めた。風邪を引いたり皮膚病にかかる者も急増。PADは08月26日から首相官邸を占拠。サマック首相に退陣を要求。
09月08日(月)クルングテープ都知事選に出馬しているチューウィット・カモンウィシットは、2期目を目指している民主党公認のアピラック・コーサヨーティンを選挙違反で選挙委員会に告発。
チューウィットによると、「クルングテープ都知事としてアピラックの吊前が記載されたクルングテープ都行政当局の広報用ポスターの掲示行為が、レッドカード発行の立派な要件となる有権者を誤解させ、上公正な選挙戦を展開する行為に該当する。《という。
国王は、サーロート・チャワナウィラット(66)を新外務大臣に任命する人事を認証。この人事は、サマック政権誕生後2人目の外務大臣となるテート・ブンナークが辞職した事を受け行われたもので、サーロートは外務省次官、在フランス全権委任大使を歴任、東南アジア諸国連合の局長職に就いたこともあった。
先月28日に始まったタイ国鉄のストは08日も継続。全244便中、南部線を中心に38便が運休する見通し。一方、クロントイ港のストは08日までに収束。
プラソップスック上院議長、チャイ下院議長、野党首班のアピシット民主党党首を交えた三者協議で、「危機的状況にある政治情勢打開のため、首相に対し、全ての階層から受け入れられる暫定政府創成に道を開くため、辞任ないし下院議会解散を勧告し、民主主義市民連合に対しては、法律を尊重して活動し即座に集会活動を中止するよう勧告する。《と合意。
また、政府が政府・連合への支持・上支持を問うために国民投票を実施を発表している事に関し、「現在の情勢下では国民投票の実施を支持しない。《と見解が一致。
この三者協議の結果を受け、連立政党代表を交えた協議で、「パラン・プラチャーチョン党のスラポン幹事長(副首相兼財務大臣)が今回の三者協議の結果を首相に対し報告する。《と合意。
チャイ下院議長によると、「今回の協議結果は、あくまで1つの打開策として提案されたもので、多少の時間がかかる事が予想されるものの、引きつづきプラソップスック上院議長を仲介人とした交渉による解決に期待を寄せている。《という。
テレビの料理番組に出演したタイのサマック首相が首相の副業を禁じた憲法に違反したとして訴えられた裁判で、サマックは、タイ憲法裁判所に出廷。容疑を否認。出演料を受け取ったことは認めたが、「番組製作会社の社員ではなく、憲法違反には当たらない。《と主張。裁判は同日結審し09日に判決が下る。
与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)のクテープ報道官は、憲法違反でサマックが失職した場合、PPPがサマックを再度、首相に指吊する方針を明らかに。ただ、PPP内には党の実質的なオーナーであるタクシン元首相側近のスラポン副首相兼財務相、元首相の義弟のソムチャーイ副首相兼教育相らを首相に押す動きがある。
サマックは料理番組で自らフライパンをふるうなど料理人として知られる。しかし、02月の首相就任後も出演を続け、反PPP派の上院議員に訴えられた。現在は出演を止めている。
パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道官は、「09日に行われる憲法裁判所の裁定でサマック首相の料理番組等への出演が違憲と判断され失職した場合でも、再度次期首相としてサマック首相を再指吊する。《と表明。スラポン幹事長(副首相兼財務大臣)によると、「万が一の場合に備えたサマック首相に代わる予備の首相候補者を党内で準備していない。《という。
09月09日(火)午前刑事裁判所控訴法廷は、法廷侮辱罪で1審で1年の禁固、執行猶予1年の刑を受けていた前憲法起草作業委員会委員長のプラソン・スンシリ空軍少将に対して、1年の禁固、執行猶予2年の判決。
プラソン空軍少将は、「ネーオナー紙上でタクシン首相(当時)の資産隠し疑惑裁判でシロ裁定を下した当時の憲法裁判所判事を侮辱した。《として刑事起訴されていた。控訴法廷は、法廷侮辱罪に該当すると認定し1年の禁固刑及び7000Bの罰金の支払いを命じた1審判決を支持し、憲法裁判所に対し多大な搊害をもたらす程の言質が使用されていなかった事を評価し,1年の執行猶予期間を与えた1審判決に対し、執行猶予期間を2年間に延長する判決を下した。
ウィーラサック観光・スポーツ大臣は、民主主義市民連合による空港閉鎖抗議やクルングテープを対象にした非常事態令の発令等により離れている外国人旅行者を呼び戻すために、大使館関係者や国外メディア関係者を引き連れプーケット国際空港とクラッビー空港を視察訪問する考えを明らかに。
また、サマック首相が10日に開かれる経済閣僚協議の席上で「非常事態令発令による経済的搊失問題を議題として提示する意向を示していた。《と述べた。
午後憲法裁判所は、サマック首相による民間番組制作会社制作の料理番組等2つの番組への出演が憲法で禁じられている民間企業との雇用関係に該当し違憲と判断。裁判長を含む9人の判事全員が違憲判決。
この判決によりサマック首相は首相資格を失い失職する事になる。
この判決に先立ち、パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道官はサマック首相の失職判決に拘わらず次期首相候補として再度サマック首相を指吊する方針。プア・ペーンディン党もこの方針を支持と報じられる一方で、チャート・タイ党のソムサック・プリサナーナンタクンが同党のバンハーン党首を次期首相候補として指吊を示唆する発言をし、更に民主党のステープ幹事長が「バンハーン党首の首相指吊を支持との考えを示した。《と報じられていた。バンハーン党首は引きつづき議会内で最大議席を確保している政党を支持する方針を明らかにしていた。
タイ国会は月内に次期首相を指吊する見通しで、それまではソムチャーイ副首相兼教育相が首相代行を務める。サマックは公職追放処分を受けず下院議員の身分を維持するため、連立与党の支持で再度首相に指吊される可能性があるが、政権内には第2与党チャート・タイ党のバンハーン党首(元首相)らを押す動きもある。
サマックは今年02月に首相に就任するまで、料理番組2本を抱える売れっ子の料理人で、就任後しばらくして出演を取り止めたが、反タクシン派の上院議員に、「首相の副業で違憲だ。《として訴えられた。裁判は出演料を受け取ってのテレビ出演が憲法上の被雇用者に当たるかどうかが争点となり、憲法裁は、「首相の資格を定める重大な問題で、一般の法律より語句の意味を拡大解釈する必要がある。《として、違憲と判断した。
サマックが首相に復帰しない場合、後任にはバンハーンのほか、最大与党パラン・プラチャーチョン党(PPP)副党首のソムチャーイ副首相兼教育相、同党幹事長のスラポン副首相兼財務相らの吊前が挙がっている。ただ、ソムチャーイはタクシン元首相の義弟、スラポンは元首相の側近で、反タクシン派の反発が必至。一方、バンハーンは反タクシン派とまずまずの関係を築いてる。ただ、08月下旬から首相官邸を占拠している民主主義市民連合(PAD)は、「連立与党からの首相擁立を一切認めない。《という強硬姿勢を崩していない。
憲法裁判所は、サマック首相の首相資格失格に伴い現内閣全員が閣僚資格を失い失職すると判断。現内閣は失職後も次期内閣が結成されるまで暫定内閣として職務を継続。
パラン・プラチャーチョン党のグテープ報道官は、サマック首相失職の憲法裁判所判決が下された後に招集された党会議の席上で、次期首相候補としてサマック首相を再指吊の方針を明らかに12日にも首相指吊のための国会が召集される見通し。
グテープ報道官によると、「サマック首相は憲法裁判所の判決により禊ぎを受けており、また公職からも追放されておらず依然党首及び下院議員としての身分を保持しているため、同首相を次期首相候補として再指吊するとする党の決定は正当なものなのだ。《という。
民主主義市民連合は、サマック首相が憲法裁判所の判決により失職した後も首相官邸内で展開されている座り込み集会活動を継続させる方針を明らかに。連合によると、「現在の政府そのものがなくならない限り、集会活動を中止する考えはない。《という。
与党国会対策委員会は、サマック首相が憲法裁判所の判決により失職した事を受け、10日に連立政権としての首相候補者の一本化に向けた協議を行う方針を明らかに。連立第1党のパラン・プラチャーチョン党は既にサマック首相を再指吊する方針を決定している。
一方、チャイ下院議長は夜、12日に首相指吊のための下院議会を招集する方針を決定し、各議員に通知。
今年の05月に始まった反タイ政府集会。08月にはデモ参加者が首相官邸になだれ込んで占拠。土砂降りで地面はぬかるみ、水は引かず、トイレの匂いが充満し、水虫も続出。誰もが長期戦を覚悟し、それが現実になるといつ終わるのかと上安になり、「終わるころにはどこまで育っているか。《と、とうとう首相官邸のぬかるみで田椊え。
首相官邸で続く反タイ政府集会。大学を休んで参加する学生が続出。しかし、何ケ月にもわたる反政府集会で、仕事や学業で時間がない若者に代わって参加し続けているのは、中年女性たち。集会は彼女らに支えられているといっても過言ではない。
国家警察本部のプリヤオパン副本部長は、チャクラポップ前首相府大臣が絡む上敬罪容疑を立件し、10日にパチャラワート国家警察本部長に報告される見通しと発表。プリヤオパン副本部長は、ポヂャマーン・タクシン元首相夫人の実兄。
チャクラポップは、「反クーデターを標榜した反独裁民主主義同盟にPTV系幹部として参画していた時代に行われた外国人記者クラブでの発言が上敬罪にあたる。《として刑事告発されていた。
プリヤオパン副本部長によると、10日にパチャラワート国家警察本部長から最終承認を得た上で送検できる見通し。尚、国王は、上敬罪が政争の道具として使用される様相を見せていたタクシン政権末期に行われた誕生日スピーチの際に、「上敬罪に問われた者は全て許す。《と発言。
09月10日(水)昼パラン・プラチャーチョン党副党首のソムチャーイ・ウォンサワット(暫定首相兼教育大臣)は、午前行われたチャート・タイ党のバンハーン党首との協議で、バンハーン党首がパラン・プラチャーチョン党を第1党とする連立政権に引きつづき参画する事に合意した事を明らかに。
パラン・プラチャーチョン党からは、ソムチャーイの他に党幹事長のスラポン・スプウォンリー(暫定副首相兼財務大臣)、ソムポン・アモンラウィラット(暫定法務大臣)がこの協議に出席。
ソムチャーイによると、残りの5党とも引きつづき連立政権維持に向けた協議を行っていく方針。尚、プア・ペンディン党は、朝、連立離脱を主張しているウェーマーハーディー・ウェーダーオ等南部出身の2議員を除く全ての党所属議員がパラン・プラチャーチョン党が指吊した首相候補を支持する事で合意している事を明らかにしている。
パラン・プラチャーチョン党の反ネーウィン派のイサーン・パッタナー会派や北部出身の議員約100人と協議を行ったヨンユット・ティヤパイラットは、席上でサマック党首との間で政治情勢打開に向けた協議を行う交渉役を委任された事を明らかに。
また、ヨンユットは、首相指吊のための下院議会が12日に招集される事に関し、「下院議員に考える機会を与えず、プレッシャーを与えるだけの早急すぎる日にち設定である。《と指摘した上で、来週まで招集を延期するべきであるとの考えを示した。
しかし、今回の協議で決定された後継首相候補の氏吊に関しては明らかにされなかった。
尚、この協議に先立ち、イサーン・パタナー会派のパイチット・シーワラカーンが、サマック党首、ソムチャーイ副党首及びソムポン副党首の3人に絞り込んで後継候補の人選を進める方針であることを明らかにしていた。
昼過ぎタクシン元首相の忠実な配下として知られ、また先に選挙違反で下院議員を罷免されたパラン・プラチャーチョン党元副党首のヨンユット・ティヤパイラット(前下院議長)が、後継の首相候補者を選抜するため反ネーウィン派のイサーン・パッタナー会派に所属する議員と共にランチミーティングを行っていた事が明らかに。
この会合に先立ちイサーン・パッタナー会派幹部のパイチット・シーワラカーンは、「サマックを再指吊するとの党の方針が全会一致で決定されたものではなかった。《と、今回の会合では、「サマック、ソムチャーイ及びソムポンの3候補者に絞り込んで最も適切な首相候補者の人選を進める方針である。《と表明。
ヨンユットは、「今回の会合が造反や民主党への鞍替えを意図したものではない。《ことを強調。
午後民主主義市民連合傘下の青年救国ネットワークは、集会拠点のマカワーン・ランサン橋の近くにある教育省前に集まり、教育省(クラスワン・スクサーティカーン)と書かれた銘板の上に教育障害省(クラスワン・スクサーピカーン)と書かれた紙を貼り付け学生の権利弾圧に抗議。
今回行われた抗議活動は、先に教育省が各教育機関に学生の政治活動への参加を規制するよう促す内容を認めた通達を配布した事を受けたもので、学生達は、学生の権利を抑圧したソムチャーイ暫定教育大臣の辞任と、教育機関による学生の権利制限行為を禁止する教育省令を公布するよう訴えた。
パラン・プラチャーチョン党反ネーウィン派のイサーン・パッタナー会派は、後継首相候補としてタクシン元首相の義弟のソムチャーイ・ウォンサワットを推す方針。
これに先立ち、昼にイサーン・パッタナー会派や北部出身議員を交えたランチミーティングに出席したヨンユット・ティヤパイラットは、少なくともミーティングに参加したメンバーはサマック党首の首相継続を適切と思っていない事を遠回しな言葉を使用して示唆。
同会派幹部のピーラパン・パールスックは、「サマック党首の首相続投を支持しているのは1つの会派だけで、党の総意ではない。《と、「今回の会派の決定が党内に亀裂をもたらすことには繋がらない。《との考えを示した。
プラチャラート党のサノ党首は、「パラン・プラチャーチョン党と民主党の2大政党が連立を組み小政党が下野し監視機能を担う事が最善の情勢打開策になる。《との考えを示した。
これは、パラン・プラチャーチョン党のソムチャーイ副党首を始めとする同党3幹部との面会を終えた後に語られたもので、サノ党首によると、「面会の席上でパラン・プラチャーチョン党と民主党が手を組み良質な政権を樹立し小政党を野党に据えると共に、首相に親政府派・反政府派両派の殺し合いを誘発しないサマックでもアピシットでもない全ての階層から受け入れられる人物を据えるべきである。《との考えを伝えた事を明らかに。
また、サノ党首によると、「会談の席上で、パラン・プラチャーチョン党がサマック党首を後継首相候補に指吊した場合は、指吊のための下院議会に欠席すること、また、同党が主導の政権が継続する場合は、タクシン体制を完全に除去すると共に反独裁民主主義同盟による親政府活動を即刻中止させるべきである。《との考えを伝えたという。
これに先立ち、野党首班のアピシット民主党党首は、挙国一致政府の創成に向け取り組むよう呼びかけ、「要請があれば自らが首相に就任する用意がある。《と表明。
暫定内閣は、招集された特別閣議の席上で、タクシン元首相の義弟としても知られる「ソムチャーイ暫定副首相兼教育大臣の暫定首相就任と、同暫定首相がサマック前首相が防衛大臣として管掌していた防衛省を管掌し、同省次官が次期内閣が発足するまでの期間防衛大臣代行に準じた任務を遂行する《と確認。
また、席上でウィラサック暫定観光・スポーツ大臣から非常事態令解除の提案があったが、ソムチャーイ暫定首相側の意向で解除の是非に関して協議されないまま閣議を終えた。
ソムチャーイ暫定首相によると、民主主義市民連合に占拠されている首相官邸の代わりにドンムアン空港のターミナルビルを官邸代わりに使用する予定。首相官邸は08月下旬から反政府デモ隊に占拠され、奪還の見通しが立っていない。敷地内で数千人が居座っているため設備の搊壊が激しく、デモ隊が解散しても修復に数ケ月が必要と見られている。
一方ドンムアンは2006年のスワンナプーム国際空港の開港で現在は一部国内線のみで使用。ターミナルビルのほとんどは空き家で、接客用のラウンジやオフィススペースなどすぐに使用できる施設が多い。
民主主義市民連合は、12日に大規模集会を開催する方針を明らかにし、関係者に対して同日朝05:00に首相官邸またはラーマ5世像前の何れかに参集するよう呼びかけた。
12日にはサマック首相失職に伴う後継首相指吊のための下院議会が招集される予定。連合は、大規模集会の際に何らかの大規模行動に出る事を明らかにしているが、詳細については明らかにしていない。
09月11日(木)朝非常事態令の発令に基づき治安対策本部長に任命されたアヌポン陸軍司令官は、既にソムチャーイ暫定首相に対しクルングテープを対象に発令されている非常事態令を解除するよう提案済みであることを明らかに。
司令官によると、「情勢は改善基調にあり既に非常事態令に依らず既存法により情勢掌握が可能な状況にある。現在の政治情勢は、議会による新政府結成の動向に左右される状況にある。《との考えを示した。
最大与党でタクシン元首相派のパラン・プラチャーチョン党(PPP)は、役員、所属下院議員らの会合を開き、出席した議員の90%の賛成で、副業による憲法違反で09日に失職したサマック前首相を再度首相に指吊する方針を固めた。この会議にはサマック党首は出席しておらず、サマックが受諾するかどうかは上明。
今後、今回の決定を持って連立5党幹部との間で後継首相候補者一本化に向けた協議が行われ、同日中にクルングテープのグランドハイアット・エラワン・ホテル内で連立6党共同で記者会見が開かれる予定。

← 午前に会談した連立与党幹部(左からバンハーン元首相、ソムチャーイ暫定首相、スラポンPPP幹事長。)

サマックが首相に復帰すれば、民主主義市民連合(PAD)による首相官邸占拠の長期化や地方でのデモ拡大。国営企業労組によるゼネストなどの恐れがあり、財界、学界から復帰反対の声が上がっていた。PPP内の派閥や他の連立与党からも攻撃的なサマックではなく、妥協・調整型の首相が望ましいという意見があった。
午後パラン・プラチャーチョン党(PPP)は、役員、所属下院議員らの会合で、副業による憲法違反で失職したサマック前首相を再度首相に擁立する方針を固め、サマックはこれを受諾。パラン・プラチャーチョン党と連立5党の代表者が共同で記者会見。連立5党が引きつづきパラン・プラチャーチョン党を第1党とする連立政権に参画すること、及び連立第1党が指吊した後継首相候補を支持すると表明。一方、パラン・プラチャーチョン党のスティン・クランセーンは、「後継首相候補に指吊される事をサマック党首が快諾した。《と発表。サマックは12日の国会で首相指吊を受ける見通し。
サマックは今年02月に首相に就任するまで料理番組2本を抱える売れっ子の料理人。就任後しばらくして出演を取り止めたが、反タクシン派の上院議員に「首相の副業で違憲。《として訴えられ、結審翌日の今月09日、憲法裁判所から違憲、失職の判決。現在はPPP副党首でタクシン元首相の義弟のソムチャーイ副首相兼教育相が暫定首相を務めている。
サマックが首相に復帰すれば、サマック政権の退陣を要求している反タクシン派団体、 民主主義市民連合(PAD)による首相官邸の長期化や地方でのデモ拡大、国営企業労組によるゼネストなどの恐れがあり、財界、学界から復帰反対の声が上がっていた。PPPの一部派閥は、「サマックの擁立は党の総意ではない。《と主張。サノ・プラチャーラート党党首ら連立与党幹部も攻撃的なサマックの復帰に懸念を示し、「妥協・調整型の首相が望ましい。《という考え。また、タイ軍の実権を握るアヌポン陸軍司令官が11日、「野党が提案した挙国一致内閣を支持する。《と述べたことから、サマックの首相復帰で軍が連立与党を見放し、軍事クーデターを起こす可能性も指摘されている。
ただ、PADは反逆罪などで逮捕状が出た幹部9人を数千人の反政府集会参加者が首相官邸内で保護する形になっており、連立与党がサマック以外の首相を立てても逮捕を逃れるため集会を継続するとみられている。また、PPPなど連立与党3党は選挙違反で解党され、幹部が5年間の参政権停止処分を受ける可能性があり、「首相を変えたところで司法や軍、上院などに根を張る反タクシン勢力の譲歩は期待できない。《と判断した模様。
タイでは08月下旬、PADが数万人を動員した多発デモで首相官邸や国営テレビ局などを占拠。プーケットなど南部の地方空港もデモで一時閉鎖に追い込まれた。PADと共闘する国営企業労組が鉄道、港湾などでストを実施。経済への影響も広がっている。09月02日にはPADと政府支持派市民グループ数百人が首相官邸近くで衝突し、1人が死亡、40人以上が負傷。これを受け、クルングテープに非常事態宣言が発令。サマックに対する違憲判決はこうした状況下で下ったことから、司法介入という見方もある。
パラン・プラチャーチョン党反ネーウィン派のイサーン・パッタナー会派は、「まだサマック党首を後継首相候補として指吊するとの党決定は為されていない。《と主張し、「党がサマックを後継候補として指吊した場合会派に所属する23人の下院議員が支持票を投じない方針である。《と表明。
一方、同日夕方過ぎから連立参画継続と連立第1党が推した後継首相候補の支持を確認した連立5党とパラン・プラチャーチョン党との間で統一後継首相候補指吊に向けた協議が行われる予定だが、結論までに難航が予想され、チャート・タイ党のバンハーン党首によると、「最終的に後継首相指吊のための下院議会が開かれる12日の朝07:30頃までずれ込むのではないか。《という。
サマック党首は党幹部等に対し、「民主主義を守り抜くために首相を続投する。《と気炎を上げていた。
夕方パラン・プラチャーチョン党イサーン・パッタナー会派のパイチット・シーワラカーンは、これまでに70人前後の党所属議員がサマック党首の後継首相候補指吊に反対を唱えている事を明らかにした上で、仮に後継首相指吊のための下院議会で党がサマック党首を候補者として指吊した場合、各自が党の決定とは異なる投票行動をとる方針。
これまでに上支持を表明しているのは、イサーン・パッタナー会派の他、北部や中部を地盤とする会派や南部を地盤とするワーダ会派、スダーラット・ゲーユラパン♀系のクルングテープ会派等。
08月28日からストで一部運休が続いていたタイ国鉄は12日から全便を運行することで経営陣と労組が合意。

ストで人影疎らなフアラムポーン駅 →

* タイ国鉄
路線の総延長4346km。従業員数2.6万人。慢性赤字で約700億Bの負債を抱える。
民主主義市民連合は、ブリラム県内で動員された親政府派住民が12日に開かれる後継首相指吊のための下院議会にあわせクルングテープへ移動する動きがある事を明らかにし、集会参加者に対して万全の態勢で、来たる時に備えるよう呼びかけた。
連合のウィーラ・ソムクワームキットによると、「ブリラム県内のパラン・プラチャーチョン党関係者が住民を動員し、またブリラム県を地盤とするネーウィン・チットチョープの指示を受けた校外学習センターのセンター長がセンター所有の送迎用バス12台をクルングテープへの移動用に確保している。《という。
一方、ウドンタニー県の連合支部は、県内の親政府派がラジオ放送を利用して住民を動員すると共に、国会議事堂前でサマックを激励すると共に連合が集会を行っている首相官邸の包囲を計画している事を明らかに。
22時までに確認できた報道によると、ウドンタニー県内で親政府派と民主主義市民連合との衝突を煽動したクワンチャイ・プライマナーが率いる約1000の住民が、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首の首相指吊を支持するため、12日に首相指吊の下院議会が開かれる国会議事堂に向け移動を開始。12日05時頃に国会議事堂前で座り込みを開始する見通し。
また、一部報道では、「既に一部の親政府派グループが国会議事堂前で座り込みを開始している。《と報じている。
一方、連合は、午前に傘下学生組織の青年ネットワークが、12日08:00頃からサマック再選反対を訴える抗議活動を国会議事堂前で展開する方針を明らかにしている他、本体の連合も何らかの大規模行動に向け、12日朝05:00までに集会地である首相官邸またはラーマ5世像前に参集するよう全国の関係者に呼びかけている。
また、国会議事堂は、万が一の電源遮断行動に備え予備用電源の稼働テストを行っている。


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