タイクーデター Thai Coup d'etat
2006年09月19日(火)夜半
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2006年10月01日(日) 16時45分 | 元枢密院評議会議員(30日付けで議員を辞任)のスラユット・チュラーノン大将(63)を暫定首相(公式には第24代首相)に認証。国王側近で元陸軍司令官のプレム枢密院議長の直系。民主改革評議会は「退役軍人は民間人。」として民政移管を果たしたと主張し、国家安全保障評議会に名称を変更。 |
39条からなる暫定憲法を公布。 | |
前暫定首相の側近のチットチャイ前暫定副首相兼法務大臣、プロミン前暫定首相秘書官、ネーウィン暫定首相府大臣及びヨンユット前天然資源・環境大臣、元前暫定首相秘書官の4人を解放。 | |
10月02日(月) | 陸軍部隊が首都主要占拠地より撤退開始。 |
タイラックタイ党幹部の離党相次ぐ。約350人のタイラックタイ党前議員のうち、前議員100人以上を擁する大派閥ソムサック・テープスティン派(ワン・ナム・ヨム派)を率いていたソムサック前労働相ら、ソンタヤー・クゥンプルゥム派(チョンブリー派)の20人も離党し、離党者は120人(報道により80人、100人)以上。 他にも、CP財閥系のワタナー・ムァンスック前社会開発・人間安全保障相、前下院副議長で旧新希望党系のスチャート・タンチャルゥン、前首相府相でアピシット民主党党首の年上の従兄弟としても知られるスラナン・ウェーッチャーチーワ、前情報通信技術相でサノ・ティヤントーン系のワン・ナム・イェン派に一時所属していたソロアット・グリンプラットゥン、第1次内閣から経済政策を担当してきたソムキット前副首相兼商務相 ソンタヤー・クゥンプルゥム前観光・スポーツ大臣は、前政権崩壊時には首相顧問を務め、タイを代表する大物マフィアの息子。古巣のチャート・タイ党に復党するとか。 チャート・パッタナー党を解党しタイラックタイ党に合流した前副首相のスワット・リプタパンロップや前副運輸相で、嘗ての学生運動のリーダーの一人としても知られていたプミタム・ウェーチャヤチャイ、前公共保健相で旧セーリータム党系のピニット・チャルソムバットの党離脱も時間の問題。 タイラックタイ党に怨みを抱く、元ワン・ナム・イェン派領袖のサノ・ティヤントーンは、「タイラックタイ党が分裂するとは気分がいい話だ。」と語った。 民主改革評議会は先月30日付の布告で政党法を改正。違法行為で解散を命じられた政党の役員に対する罰則を強化し、これまでの政党法では憲法裁判所に解散を命じられた場合、政党役員は新党結成や政党役員就任が禁じられていたが、立候補は認められていた。改正法では選挙権、被選挙権とも剥奪される。不正で解散を命じられた政党の役員は実質的に2期8年の議員活動が不可能となることが党員の大量流出を招いた。 | |
ロンドンに滞在中のタクシン前暫定首相がタイラックタイ党党首を辞任。「状況が変化した。」、「党の将来のため自身が党首を辞任するのが適当と判断した。」と表明。ただ、離党はしない方針。「党員が140万人に上り、過去2回の総選挙で大勝した。愛国党は真の国民の政党である。」と強調。退陣運動が激しくなったことについては、「民意を問うため議会解散・総選挙を実施したが、受け入れられなかった。」、「クーデターで政権を追われたことについては、党員に謝罪する。」と述べた。 スダラット副党首(前農業・協同組合相)が党首代行。スダラットは、タクシンが政界入りの際に入党したパランタム党在籍当時からの同志。タクシンが愛国党を旗揚げする際にも協力した。 | |
9月19日ネットワーク、陸軍司令部前で反軍集会。 | |
10月04日(水) | スダーラット・ケーユラパンがタイラックタイ党の暫定党首を固辞し、前教育相のチャートゥロン・チャーイセーン副党首のが暫定党首に繰り上がり。 |
10月05日(木) | 旧タイラックタイ党の4Sが新党結党の動き。4Sとは、ポー・モット・ダム派のスチャート・タンチャルゥン(前下院副議長)、ワン・ナム・ケム派(チョンブリー派と呼ぶことも)のソンタヤー・クゥンプルゥム(前タクシン首相顧問、前観光・スポーツ相)、ラーチャブリー派のソロアット・グリンプラトゥム(元情報通信技術相)及びワン・ナム・ヨム派のソムサック・テープスティン(前労働相)。前副首相兼財務相のソムキット・チャートゥシピタックに新党党首就任を打診。 |
タイラックタイ党副党首のチャートゥロン・チャーイセーンも暫定党首を固辞。 | |
民主党所属元下院議員のワロン・デーチャキットウィグロムは、国家汚職取締委員会に対して、公共保健省の高官が絡むとされる救急車調達汚職疑惑に関する調査を前進させ関与した高官に対して法的責任を追及するよう要求。 疑惑は2004年から2005年の間に納入された救急車332台、4億6400万B。過去に内閣不信任決議案審議の議題として取り上げられ、当時公共保健相のスチャイ・チャルンラタナクン(タクシン前暫定首相一家の主治医。ポチャマーン夫人の意向で大臣に就任。)が専門調査委員会を設立し、入札段階で特定の業者に有利になるよう納入仕様が決められたと結論。決定権限を持たない下位職員だけが処分されただけで調査が終了。 | |
10月06日(金)早朝 | ワン・パヤーナン派を率いてタイラックタイ党を離脱したと伝えられていた、領袖のピニット・チャールソムバットはタイラックタイ党残留を決断。 |
10月09日(月) | スラユット暫定首相と26人の新閣僚を国王が認証。暫定内閣が正式発足。 |
10月11日(水) | CTX9000調達汚職疑惑のスリヤ・チュンルンルゥアンキット、タイラックタイ党幹事長(前副首相兼工業相、前運輸相)も離党。 スリヤの離党により、元下院議員57人を含む93人が離党。先に111人が離党と発表したのは、離党者と党幹部だけ辞職を混同したためと説明。 カセム・パンウドムラックが離党。一旦離党を取り消したプラヤナーク派領袖、ピニット・チャールソムバットは11日までに離党。 |
10月12日(木) | 国家安全保障評議会が提出した国家立法議会(サパー・ニティパンヤット・ヘーンチャート)のメンバー242人を国王が承認。 国家立法議会は、政党、官僚、司法、軍部64人(うち現役35人)、警察7人、公社幹部及び従業員、金融機関、通商、運輸、建設、不動産、法律顧問及び弁護士、学識経験者、宗教、マスコミ、作家等の各界・各階層の代表者で構成された上下院議会に代わる立法機関。 民主主義市民連合幹部の1人としても知られるチャムローン・シームゥアン少将、暫定憲法起草委員会の委員長を務めたミーチャイ・ルゥチュパン、依然国民に人気が高い社会引締政策推進者のプラチャイ・ピヤムソムブーン警察大尉。政党代表として、カンチャナー・シルパアーチャー(チャートタイ党)、ピニット・チャールソムバット(1972年当時の学生活動家、タイラックタイ党を11日に離脱)、スリン・ピッスワン(元外務大臣、民主党)、アカポン・ソラスチャート(マハーチョン党)の4人が、また宗教代表には南部国境3県内のイスラム系住民に影響力を持つパッターニー県中央イスラム教委員会委員長のウェードゥーラーメー・マミンチ。 | テマセクが、シン・コーポレーションの持ち株比率について、現有の96%から49%以下に引き下げ、罰金も支払うという早期の政治的解決を提案。 外国企業であるテマセクに売却したこと自体が、外資法違反(通信事業の外資の持ち株比率は49%制限)という主張が最高行政裁判所に上訴され、AIS(携帯電話事業)、iTV(テレビ局)、ShinSat(衛星事業)などの事業免許が取り消しになる可能性が出てきたため。 |
10月13日(金) | タイラックタイ党のチャートゥロン・チャーイセーン前教育相は、固辞していた暫定党首に就任。 |
10月14日(土) | スラユット首相に現在イギリスで事実上亡命のタクシン前首相から直接電話があり、帰国を打診。 「情勢を見極めかつ国家安全保障協議会を含む各界と協議の上で適切であると判断される時期まで帰国するべきではない。」と応じた。 |
9月19日ネットワーク、民主記念塔前で反クーデタ集会。 | |
10月17日(火) | スラユット首相は閣議の席上で5人以上が集まった政治集会を禁止する民主改革評議会令第7号を解除する方針を決定。 |
10月18日(水) | ムスリム系のワーダ派(ワンムハマッドノー・マッター代表)が愛国党を離党。 |
ポチャマン前首相夫人が14:50着のTG917便でタイに帰国。総重量にして約130kgになる6個のスーツケースを運ぶ。タクシン前首相の資産報告書の国家汚職取締委員会への提出期限がこの18日だった。 | |
タクシン前暫定首相を貧民の英雄として礼賛する漫画が発行。発行元: KKパブリッシング社(パコーン・スックサートゥ代表)、原作者:ポサトン・ブットアナンナ | |
10月20日(金) | 国家汚職防止取締委員会は、集計したタクシン前暫定首相一家の総資産額を127億B(2006年03月14日現在)でタクシン名義が5億1200万Bと公表。 |
10月22日(日) | 国家立法議会第1回議会はミーチャイ・ルチュパンを議長に選出。ミーチャイ242票中167票、プラソン・スンシリ元外相47票、プラチャイ・ピアムソムブーン元内相21票。 |
10月24日(火) | プレム枢密院議長はミーチャイ・ルチュパンの国家立法議会議長に選出について、「適切な人選である。」と支持。 |
ブンロート・ソムタット国防相は、治安を脅かす虞れのある「水面下の動き」が地方数ケ所で確認したと述べた。私書の形を取った怪文書、パンフレット類、コミュニティ・ラジオを通じた呼び掛けなど。 | |
タクシン前暫定首相が帰国を強行するとの観測が強まり、国軍が特別警戒体制を敷いたとの風説が流れた。 | |
10月25日(水)12時 | スラユット暫定首相は首相公邸(バーン・ピサヌローク)に43政党の代表を集め意見交換会を主催。主要議題は新憲法起草。 |
10月26日(木)09時過ぎ | 国家汚職取締委員会のパンテープ委員長や前首相の天敵のグラーナロン委員、国家毀損行為調査特別委員会の関係者がプレム枢密院議長宅で面会。 |
朝 | ポチャマン・タクシン前首相夫人が実兄のバンポット・ダマポンと、プレム枢密院議長宅を訪問。議長と15分ほど面談。 クーデターを指揮したソンティ陸軍司令官はスラユット首相(元陸軍司令官)の元直属の部下。スラユット首相はプレム枢密院議長(元陸軍司令官)の元直属の部下。反タクシンの街頭デモを指揮したチャムロン元クルングテープ都知事(退役陸軍少将)はプレム議長の元秘書官長。 |
ソムサック・テープスティン前労相 (ワン・ナム・ヨム派領袖)、ピニット・チャールソムバットのプラヤナーク派、ソンタヤー・クゥンプルゥムのチョンブリ派,スチャート・タンチャルンのバン・リムナム派とともに軍部の支援を受けた新政党を結成するとの観測。 | |
10月28日(土) | タクシン前首相が不正疑惑に対する訴追に備え弁護チームの結成に動く。 |
タイラックタイ党のチャトゥポン副報道官が新憲法の起草は1997年憲法を下地とすべきと主張。 「1997年憲法を下地に憲法の起草作業を進めることは、あたかもロールスロイスで無理矢理田畑を耕すようなものである。」と一笑に伏したミーチャイ国家立法評議会議長の発言に、「過去に自らが起草作業にあたった1991年憲法を下地に起草作業を進めることこそ、まさにロールスロイスで無理矢理田畑を耕す行為に等しい。」と応酬。 | |
タクシン体制支持派の「民主主義の為の市民パワーネットワーク」代表のスラポン・トーウィチャックチャイヤクン(元チエンマイ県選挙区タイラックタイ党下院議員候補)が国家毀損行為調査特別委員会を恣意的・差別的だと非難。 | |
ワチラロンコン王子の秘書官長のサティットポン・スクウィモン空軍大将は、シンガポールのテマセク社がタイ国内に開設した事務所の顧問就任の噂の元王子秘書のトーンノーイ・トーンヤイは「己の私利私欲の為に立場を悪用する不逞の輩。」とした上で、王室や王子とは一切無関係であることを強調。「トーンノーイは単に王子の為に英語の翻訳や原稿を書く仕事のみに関与している秘書官の末席でしかない。」、「2000年から王子の資産管理を任されていた。」というマスコミ報道を強い口調で否定。 1991年クーデターでも評判を落としたワチラロンコン王子だが、今回の疑惑が加わった。 | |
10月30日(月) | スラユット首相は、支那の南寧市(ASEAN+支那首脳会談)で、シンガポールのリー・シェンロン首相と会談。シンガポール政府の投資会社テマセクによるタイ通信最大手シンの買収問題は司法の手続きに委ね、政治介入する意向がないと伝えた。 |
国家毀損行為特別調査委員会が解明を進めている、ポチャマン前首相夫人が国に差し押さえ物件のラチャダーピセーク通り沿いの一等地を不当に安く落札した疑惑について、民主党のアピシット党首は、プリーディヤトーン副首相が「入札は公正・透明に行われていた。」という発言に対し「慎重な発言を心掛けるべきである。」と指摘。 プリディーヤトン副首相は問題の入札時に当該用地を管理していたタクシン政権が設立したタイ資産管理会社の総裁職。取引の正当性を主張したが、党独自に行った調査では落札工作の疑いが濃厚。 | |
10月31日(火) | 国家安全保障評議会のソンティ議長は同評議会メンバーには権力に固執したり、政界入りを目指す意向が一切ないことを再確認。 |
定例閣議で、ノンタブリー県知事のプラナーン・スワンナラットを国務省副次官兼南部国境域行政センター長に、39県の県知事の人事異動を発表。 チエンマイ県知事のスワット・タンティパットがロッブリー県知事に、チエンラーイ県知事のウドム・プワサックがウタイターニー県知事に異動。スコータイ県知事で元副首相のスチャイ・チャルゥンラタナクンの実兄のスキット・チャルンラタナクン、カムペンペート県知事のパイサーン・ラタナパンロップ、ブリラム県知事のヤイ・ロートスワンナラットなどを閑職と見られている監察役ポストに左遷。タクシン系の県知事を一掃の人事。 | |
ウィナイ国防次官、ソムサック前労相、タイラックタイ党離党会派による親軍新党結成の風説を否定。 | |
夜 | 09月30日早朝に戦車に体当たり攻撃をして激突、重傷を負ったタクシー運転手のヌアムトン・プラワン(60)が都内チャトゥチャック区内のウィパワーディー・ランシット通り沿いにあるタイ・ラット社本社ビルの正面付近の歩道橋で首吊り自殺。 最近退院し、31日は通院のため朝に家を出て、そのまま行方がわからなくなっていた。妻ブーンチュさん(51)はヌアムトンが自殺する兆候はなかったと言っている。 24:00過ぎ頃に発見された遺体近くにあった遺書とみられる文書に「元・民主主義のために命を捧げるタクシー運転手。」、「夕方に10月14日記念館で自殺を試みたが断念し、新たな場所で自殺する。」、「(激突事件の際)『主義主張がそんなにある人はいない。誰も体当たり攻撃を理想として受け入れない。』という(当時の)民主改革評議会副報道官アカラティプロット警察大佐の発言に抗議する。」と記されていた。 遺体はノンタブリのブワクアン寺に運ばれ、その後民主化グループの要望で、10月14日記念碑に運ばれようとしたが警察に道路で阻止された。死を悼むタクシー運転手たちがSMSメッセージで連絡しあい抗議デモを行おうしたが警察に阻止された。 |
11月01日(水)夕刻 | 王宮前広場で「白い鳩 2006 民主主義回復を訴える会」(ナパポット・ワラチットウティクン)の反軍集会が開催。参加者200~500人。5人以上の政治集会禁止令を緩和している国家安全保障評議会はこの動きを注意深く静観。 |
11月02日(木) | 国家安全保障評議会のソンティ議長は、「特に東北地方を中心に反クーデター、反国家安全保障評議会を標榜した政治行動を監視している。」、「理想よりも自己の利権に固執しているタムボン行政機構や県行政機構の一部のグループが関与しているだけで、決して大多数の組織ではない。」と発言。ブンロート防衛大臣は、「特に北部地方を中心に依然水面下の動きが確認され、当面戒厳令の施行を継続させる必要がある。」との認識を示した。 クーデターに抗議して戦車に体当たりして自殺したタクシー運転手の事件について、反クーデターを掲げる「ピラープ・カーオ2006」と名乗る団体が毎夕抗議集会を開催すると表明。反クーデター政治活動が地方にまで波及するのではとの指摘を受けたもの。 |
11月03日(火) | 国家安全保障評議会のソンティ議長は、タクシン前首相が現在支那に滞在中で、ASEAN+支那首脳会議に出席するスラユット首相が支那を訪問に合せたが、結局会えなかったという報道を追認。 タクシン前首相の法律顧問のノパドン・パタマも支那入りを確認。 ネーション等の速報によると、タイラックタイ党のチャートゥロン暫定党首が、支那滞在中のタクシン前首相と協議を行うために2~3日以内に支那に飛び立つ模様。チャートゥロン暫定党首によると、タクシン前首相が支那に滞在中なのは休暇目的で、本人が来週に支那の西安に行くのは同地の教育関係当局からの招待によるもので、前首相と接触する予定はないと語った。ここまであからさまな嘘は汚職知事や偽装教育の校長、偽装耐震構造の鮮人社長とかで見飽きた。華僑は諸悪の根源。 |
ソムサック・スントンワット、タイラックタイ党離党。ワン・ナム・ヨム派に従う意向。先に離党済みのソンタヤー・クゥンプルゥム(チョンブリー派)は,ワン・ナム・ヨム派に合流するかタイ国民党に合流するか検討中。 | |
11月06日(月) | タイラックタイ党のチャートゥロン暫定党首が党本部ビルをポチャマン前首相夫人に返却すると表明。しかし、暫定的な本部の移転先候補のラーチャウウィティ通り沿いの事務所は、現在ポチャマンの実兄であるバンナポット・ダマポンが理事長、オーラーン・チャイヤプラワットが副理事、タクシン前首相の長男パーントーンテーや長女ピントーンター等が理事会評議員、前首相の実妹で元AIS社長のインラクが評議員兼秘書として名を連ねる、タイコム財団が現在事務所。 |
11月07日(火) | スラユット首相が、現在全土に渡って施行されている戒厳令を一部の地域に限って解除するよう国家安全保障評議会に対して検討を要請。 |
シロート国税局長はタクシン前首相一族によるタイ通信最大手シンの売却で、前首相の長男パーントーンテーと長女ピントーンターに個人所得税の支払いを求める方針を明らか。税率は37%、納税額は約60億Bに上る見込み。 2001年の総選挙前、タクシンとポチャマンが保有するシン社株を息子、娘、妹、義兄らの名義に書き換え、シン社株(発行株式の49.6%)をシンガポール政府系投資会社テマセクなどに733億Bで売却。 「小ッチャイ」前副首相だの、「素人」国税局長だのこのクーデターでは、脇役の名前が面白い。 | |
11月09日(木) | タクシン・チナワット前首相一族の不動産会社のSCアセットのサハット社長が11月末で辞任、社長代行に前首相の妹のインラク・チナワット(39)が就任すると発表。 インラクは携帯電話最大手AISの社長だったが、シンガポール政府の投資会社テマセクの傘下に入ったため2月末に退職していた。 SCアセットはオフィスビルのチナワット・タワー、マンションのロイヤルパークといった高層ビルが主力。過去数年は住宅開発にも注力。1-9月決算は、売上高が前年同期比45%増の14億B。最終利益が同比11%増の2.3億B。 |
タイの携帯電話2位DTACと3位のトゥルー・ムーブが共同戦線。国家通信委員会(NTC)に改善を要求。 2社が取り上げた問題は、以前から度々指摘されたがその度にタクシン前首相の政治力の壁に阻まれた。 ①AISのプリペイド(前払い)サービスの事業権料は売り上げの20%。DTAC、トゥルーの25~30%に比べ低い。AISは契約期間内に850億~1000億B有利。 ②国営固定電話会社TOT回線への接続料がAISだけ免除。 ③AISはコスト上の優位による値下げ戦略で公平な競争を阻害。 ④番号継続制度の導入の遅れが市場の硬直化を招く。通信マスタープランでは2006年末までに準備を終えるはずだが、全く進展がない。 AISはタクシン前首相が創業した企業グループ、シンの旗艦。シンは今年前半、シンガポール政府の投資会社テマセクに買収されたが、クーデターで前首相が政権を追われたため政治的な保護を失い、事業権、外資出資比率規定、売買時の脱税といった問題で一斉に追及を受けている。 | |
民間テレビ会社iTVの7-9月期最終利益は、前年同期比47%減の8900万B。総売上高同比12%減の5億1000万B。 iTVはタクシン前首相の企業。今年第1四半期にシンガポール政府の投資会社テマセク傘下に入り、政局の混乱で同社への広告を避ける企業が増え大幅減収。事業権違反で総理府に訴えられ1審で敗訴。総理府が要求している追徴金は940億B。 | |
立法評議会、全会一致で5人以上の政治集会を禁止する民主改革評議会令の解除を決定。政党の政治活動については禁止措置継続。 10月17日付けの閣議決定に基づくもの。評議会令では、5人以上の政治集会を開いた者は最高6ヶ月の禁固または1万Bの罰金の両方または一方が科せられると規定されていた。 |
チャワリット・ヨンチャイユット(ชวลิต ยงใจยุทธ、Chavalit Yongchaiyudh) 1932年05月15日生。1980年代の陸軍の民主主義グループのリーダー格。陸軍大将。愛称は「ビッグ・チュウ」。大きなねずみ。金権政治家の代名詞。若い頃は、共産党対策で発揮した智謀から「タイの諸葛孔明」とも呼ばれた。タイ第22代首相。陸軍士官学校を首席で卒業。陸軍参謀長を経て1986年5月に陸軍司令官、同年10月から国軍最高司令官代行を兼任。1990年に退役しチャーチャイ政権の副首相兼国防相、2ケ月後に辞任し、新希望党を結成。1992~94年内相、1993~94年労働・社会福祉相、1994年副首相、1995~96年副首相兼国防相。1996年の総選挙で新希望党が第1党となり、1996年11月25日、バンハーン・シラパアーチャー首相の次に、首相兼国防相に就任。経済危機であまりの無策に「アルツハイマー」説が浮上。1997年11月6日に辞任。後任はチュアン・リークパイ。2001年のタイラックタイ(愛国)党政権誕生で副首相兼国防相、2002年に新希望党を愛国党と合併。タクシン政権で副首相などを務めた。しかし2005年の総選挙後、政界から距離を置き、クーデター前にはプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)らと行動をともにした。真意の見えない不明瞭な発言や行動が多く様々な憶測を呼ぶ。 地下鉄の総工事費は約3772億円。この資金は、日本のODAで、日本の国際協力銀行(JBIC)の円借款ローンと債券発行によって調達された。チャワリットは地下鉄工事の業者が決定・着工時期に首相を務め、裏金(賄賂)のそれまでの相場の3%を10%に跳ね上げた。工事資金は元々が日本からの援助であり、本来日本の国民を豊かにするために用いられるべき税金や、日本に還元されるべき収益の一部が、「ビッグ・チュウ」、チャワリットを通って、タイの腐敗政治家や財界人に流出した。いかにも金に汚い支那畜という人相。日本でいうと、金権売国奴の金丸信か野中広務、牟田口廉也中将か。 |
05月30日(水)朝 | 憲法裁判所は、「2大政党に対する解党審理の判決文の朗読を民主党に関しては13時30分から、タイラックタイ党に関しては14時30分から開始する。」と発表。判決文の朗読終了後、10~20分以内に憲法裁判所のサイト(www.concourt.or.th)に判決文が掲載される予定。 タイラックタイ党(愛国党)は昨年4月の下院選を主要野党がボイコットしたため、選挙成立に向け、小政党を買収し参加させたとして起訴。民主党は選挙妨害が起訴理由。憲法裁判所は、愛国党の罪について、幹部2人が小政党に金銭を渡し、不正があったとし、党の指示と断定。判決では、各党役員の5年間の被選挙権剥奪になる。従来、政党法は、政党が解党となった場合、党幹部は5年間、新党結成に加われないことなどを規定しているだけだが、軍は昨年09月のクーデター後の布告で、有罪となった党幹部は5年間被選挙権を剥奪すると発表。愛国党に有罪判決が出た場合、党首だったタクシン前首相に布告が適用される可能性が高く、5年間政界から追放となる。 | スラユット首相は、クルングテープで衝突が起きた場合は「非常事態宣言を出す用意がある。」と語り、憲法裁判所周辺は物々しい警戒態勢が敷かれ、携帯電話が爆弾の起爆装置に使われないよう電波を停止する措置が取られた。 |
前政権与党のタイラックタイ党(愛国党)と民主党というタイの2大政党が昨年04月の下院総選挙での選挙法違反に問われた裁判で、憲法法廷は、民主党に対する解党命令要求は却下の判決。民主党は昨年04月の総選挙をボイコットするなどタクシン前首相追放の動きに同調してきた。裁判では、総選挙の際に零細政党を資金援助し愛国党を攻撃させた容疑。いずれも選挙委員会からの告発に基づき検察側から提訴されていた。ただし、同時に判決が下された、民主党が「雇った」とされる民主前進党(進歩民主党)は党員記録を偽造で有罪となり解党命令。既に党を離党、在党に拘わらず当時の幹部全員に5年間の被選挙権剥奪の判決。 ▽民主党の解党に関する判決文 ・総選挙をボイコットし、タクシン体制という言葉を使用して民主主義市民連合と同調してタクシン前首相やタイラックタイ党を批判し両者の信用を失墜させ票の動向に影響を与えた事に関し、憲法・法律で認められた公人・公的機関に対する批判行為の範囲内であり、またタクシン体制という言葉は既にティーラユット・ブンミーを初めとする学識経験者や批評家が使用しており、民主党が攻撃の為に独自に作り出した言葉ではなく、違法性は認められない。 ・民主党幹部のサーティット・ウォンノーントゥーイがタイラックタイ党を陥れるために、トラン県内の個人をそそのかし、進歩的民主主義党から立候補させたとされている件は、具体的な証拠がない。 ・タイラックタイ党を陥れる為にステープ幹事長が東北地方救国団体のタイゴン調整役を雇って小政党の生活向上党をそそのかし小選挙区からの立候補させた件は、ステープ幹事長の関与の具体的な証拠がない。 ・民主党副党首のトライロン・スワンキーリーが近い関係にある地元ラジオ局のキャスターをそそのかし、住民を動員して小政党の借金帳消し懇願者党擁立候補の立候補届の提出を妨害したとされている件は、タイラックタイ党側から提出された目撃証言は一貫性に欠けトライロンがそそのかした証拠とはなり得ず、当該キャスターはラジオ番組を通して住民と近い関係にあり、政治的な思惑を持って住民を動員して立候補届の提出を妨害したとは認められない。 | |
夜 | タイ憲法裁判所は、2006年04月の下院選での政党法違反に問われた5政党に対する判決公判を開き、タクシン前政権の与党で最大政党のタイラックタイ党(愛国党)の解党を命じた。判決は、民主党について強要の事実を認定せず、無罪としたのに対し、小政党幹部買収現場の録画ビデオが証拠として提出された愛国党に対しては、タンマラク前国防相ら幹部2人の有罪を認定し解党命令を下した。小政党2党(ペーンディーン・タイ党、パタナ・チャート・タイ党)についても解党命令を下した。 愛国党は昨年04月の下院選を主要野党がボイコットしたため、選挙成立に向け小政党を買収し参加させた、民主党は選挙妨害の政党法違反が起訴理由。最高検察庁は「喧嘩両成敗」で、この2大政党の解党と両党幹部の公民権停止を求刑。起訴状によると、愛国党は「単独参加」にならないように小政党を買収し対立候補擁立を仕掛け、民主党は「異常選挙」を強調するため小政党に擁立断念を強要した。憲法裁判所は、愛国党の罪について、幹部2人が小政党に金銭を渡し不正があり党の指示と断定。判決では、各党役員の5年間の被選挙権剥奪。 検察が主張した愛国党幹部の公民権停止については30日午後11時過ぎ(日本時間31日午前01時過ぎ)の時点では判断が出ていない。 民主党は午後の時点で無罪判決を受けており、次期政権の中核となる公算が高まっている。民主党を無罪放免にしたことで、愛国党支持者が「不公正な政治裁判だ」と反発するのは必至。 チュラロンコーン大のスチット教授は「軍、暫定政府、政党のいずれも、現状を掌握する十分な力がない。不安定な状況は解消されないだろう。」と悲観的な見通しを示した。 スラユット首相による暫定政府が、ちぐはぐな経済政策などで批判が相次ぐ中、軍がタクシン追放に向けて描いたシナリオ通りに、政党解散につながる判決が出るかどうかが焦点となり、実際、憲法裁判事9人は、2006年09月の軍事クーデターでタクシン政権を崩壊させた軍部が任命した。このため、亡命状態にあるタクシンの政治的復権を阻止するため、その基盤となる愛国党を解党するのではないか、との見方が出ていた。 愛国党は、民主党など有力野党がボイコットした昨年04月の総選挙で、単独候補が当選するのに選挙区内の有権者の2割以上の得票が必要という規定(20%規定)を回避するため零細政党に資金援助し、対立候補を出馬させた容疑で有罪とされた。同党が「雇った」小政党2党も解党命令を受けた。法廷はまた、タクシン前首相と愛国党が民主主義システムに害を与えたとして非難。決定は最終で控訴できない。 軍部主導のタイ暫定体制は新憲法を今年09月に国民投票に問い、制定発効させ、12月に予定している総選挙を経て民政復帰を実現する方針。党員1439万人を抱える最大政党の消滅による政治的空白状態が出現し、タイ政情は混迷の様相。 |
憲法裁判所は、タイラックタイ党、ペーンディーン・タイ党、パタナ・チャート・タイ党に対する解党の是非に関する判決文の中で、 20%規定により選挙が無効になる事をおそれたタイラックタイ党幹部のタンマラック・イサラーングーン・ナ・アユッタヤー大将とポンサック・ラクタポンパイサーンが、パタナー・チャート・タイ党を買収し、タイラックタイ党の単独候補者選挙区になる虞がある選挙区に候補者を送り込むよう働きかけ、パタナー・チャート・タイ党と共謀し、候補者資格要件を満たさない同党の擁立予定候補者の党員データの改竄を選挙委員会に働きかけたと認定。その際、タンマラック大将は買収への関与を隠匿するため、政治家ではないトライロン・イントラタット大将を買収資金の受け渡し役に指名と指摘。 パタナ・チャート・タイ党のカッティマー♀が、「民主党のステープ幹事長に軟禁状態に置かれ、タイラックタイ党による党買収の告発を強要され、実際には党の買収や資格要件の改竄はなかった。」との主張は、同党がタイラックタイ党から買収されており、信用性のない証言として却下。 ペーンディーン・タイ党に関しては、資格要件を満たすために偽造した書類を使用して3人の候補者を擁立したと認定し、3党いずれにも民主主義制度を脅かす重大な違法行為があったと認定。タイラックタイ党及び小政党2党に対して解党命令。各党の当時の党首及び幹部は連帯して解党の責任を負うべきであるとの判決。 タクシン前首相や既に離党している者を含む当時のタイラックタイ党幹部118人(報道により111人、119人)が向こう5年間に渡って被選挙権を剥奪される事になる。また、対象者には新党結党に動いているソムサック・テープスティンやソムキット・チャートゥシピタックも含まれる。 | |
判決後に混乱が起きる懸念もあったことから、治安当局は30日、1万人以上を配置して厳戒態勢。最大政党の消滅に対し、前首相支持派は不満を高めており、厳戒下のクルングテープは緊張が高まっている。事態が悪化した場合、クルングテープで戒厳令を発令の方針で、政情がさらに不安定化する可能性もある。 | |
クルングテープの王宮前広場には、タクシン前首相の支持者約2000人が集まり、抗議集会を行った。 判決後、タイラックタイ党のチャートゥロン暫定党首は党本部前に集まった党員や支持者等の前で、「今回の判決は銃口下で用意された不公正な陰謀で、将来専門家の間で議論を呼ぶ事になる判決だった。」と語り、国家安全保障評議会の思惑が強く働いた判決だと非難し、判決結果に強い不快感を示したが、集まった支持者に対しては、「判決を受け入れい抗議行動は起こすべきではない。」と呼びかけ、今後については、「国民から支持されている大衆政策の継続と、失われた民主主義を取り戻すために戦い続ける。」と気勢を挙げ喝采を浴びた。今後、街頭デモで抗議する見通し。 タイラックタイ党(タイ愛国党)は、警察官から実業界に転進し、通信事業でタイ屈指の富豪となったタクシンが1998年に設立。バラマキ型政策を前面に出した選挙手法と巨額の資金で2001年の総選挙で歴史的な大勝。政権樹立後はタクシンの政策実行力と派手なパフォーマンスで高支持率を維持。中小政党の吸収合併で、2005年の総選挙ではタイ史上初の単独過半数を制した。しかし、強権政治に不満を強めた都市中間層の一部と利権を奪われた旧勢力が反対に回り、2006年09月の軍事クーデターで政権崩壊した。毀誉褒貶があるものの、愛国党は、選挙での具体的な政策提示、政党による政策立案と優れた実行力、単独過半数、首相の任期満了、再選などで、タイ政治の常識を次々と打ち破った。反対派からは選挙対策と批判されたものの、1回一律30B診療の医療制度など、それまでの政府に無視されていた地方、貧困層に目を向けた。2005年、2006年の2度の総選挙で下院の過半数の議席を得た政党を軍事クーデターで追放し解党という手法は欧米からは民主的とみなされない可能性が高い。 | |
タクシン前首相は、ロンドン滞在中に受けたAFP及びCNNのインタビューの中で、「憲法裁判所によるタイラックタイ党の解党を命令判決は非常に残念だった。」と述べ、タイラックタイ党の支持者に対し、判決を尊重し抗議行動に出ることがないよう呼びかけた。 | |
被選挙権剥奪の対象と見られていた新旧党幹部のうち、死亡ないしは問題となった総選挙以前に離党していたプレムサック・ピヤルラ(出家)、サノ・ティヤントーン(新党結党)、リキット・ティラウェーキン(新党結党)、ゴン・タップパランシー(政界引退)ら8人が対象から外れ、合計111人の新旧党幹部が被選挙権剥奪の対象。 タクシン前首相ら選挙当時の愛国党役員111人は5年間被選挙権が剥奪。復権は当面困難。2001~2006年にタイ政治の主役だった政治家の多くが政界を追放され次期選挙の行方や地方での反軍事政権の動きに大きな影響。被選挙権を失ったのは、党に残留したチャトゥロン党首代行、スダーラット前農相、ネーウィン前首相府相、ポンテープ副党首らのほか、離党し政治グループ、政党を結成していたソムキット前副首相兼商務相、ソムサック前労相、スワット前副首相、ピニット前保健相、ソンタヤー元観光スポーツ相、プラチャーラート党のサノ党首など。大派閥の領袖であるソムサックは経済政策で内外の評価を得たソムキットを党首に担ぎ新党を結成。次期総選挙で台風の目になる可能性。ネーウィン、スワット、ソンタヤーらはいずれも東北部、東部などに強力な地盤を持つ派閥領袖で被選挙権剥奪後も地元での影響力を維持する見通し。 | |
05月31日(木) | 解党を命じられた前与党のタイラックタイ党(愛国党)のチャトゥロン党首代行は、新党設立で再起を期す考え。愛国党支持者に対し、これ以上の騒乱は避けるべきと判決への抗議行動を自重を求めた。 |
タイ憲法法廷に解党を命じられた前与党・タイラックタイ党(愛国党)スダラット副党首は、判決後、海外で亡命生活を送っているタクシン前首相と電話で話したことを明らかに。タクシンは、党員に対し、判決を受け入れ抗議行動を自重するよう求めた。 | |
解党を命じられた前与党のタイラックタイ党(愛国党)のチャートゥロン暫定党首は、幹部会議を開き、タイラックタイ(タイ愛国)党」の名前で再度政党登録し政治活動を続ける方針。選挙委員会のソットシリー委員が解党された党が同じ党名で新党登録を行う事は不可能との見解。チャートゥロンは法廷闘争に持ち込んででも是が非でもタイラックタイ党として復権を狙っている。チャートゥロンによると、正午までに既に200人以上の元下院議員・幹部がタイラックタイ参加する為の署名を行った。 新党の党首には元新希望党党首のチャワリット・ヨンチャイユット大将(元首相)が就任するとの憶測も飛び交っている。 チャートゥロンが、法的根拠に欠ける民主改革評議会(国家安全保障評議会の前身)令27号で党幹部部全員に対し被選挙権剥奪の命令は不当な措置であるとして控訴する方針。 法務省次官(兼憲法起草作業委員会副委員長)のチャラン・パックディーサナークン(元最高裁判所長付き秘書官)は、憲法裁判所の判決が最終判決であり不可能との見解。チャートゥロン側から控訴に向けた具体的な方法や手続は明らかにされていない。 | |
国家安全保障評議会のソンティ議長は、政党の政治活動を禁じた民主改革評議会令15号及び27号の解除に関し政府側と協議を行う用意。1~2週間以内に今後の評議会令の扱いに関する方針を明確にする事が出来るとの見通し。 政党活動を禁じた評議会令解除の是非に関しては、先にスラユット首相、ソンティ議長どちらも憲法裁判所による政党解党の判決後に解除するのが適切であるとの認識を示し、また憲法裁判所の判決を受け、解党を免れた民主党及び解党処分が下されたタイラックタイ党両方から解除要求。 | |
タクシン前首相の顧問弁護士は、タクシンが前与党のタイ愛国党の党員、支持者に宛てた手紙をクルングテープで公開。タクシンは、愛国党に対する解党命令を受け入れるよう求める一方、「憲法法廷の判決は、今後長い間、調査研究の対象になる。」と不当判決という認識を示唆。暫定政府に対しては早期の総選挙実施を重ねて求めた。自らの帰国については土地取得をめぐる汚職裁判などで裁判所に召喚されない限り、当面帰国の意思がないことと表明。タイ軍事政権・暫定政府はタクシンの帰国を事実上禁じているが、タクシンの脱税、汚職裁判を進めるには本人を召喚する必要があるとみられる。 | |
夕方 | タイラックタイ党の元幹部等が中心になって設立されたPTVは共同記者会見の席上で、「タイラックタイ党に対する解党判決は国内の大物の指示によるもので、国家安全保障評議会のソンティ議長は事前に判決内容を知っていた。」と指摘。「国家安全保障評議会を追い出すために大衆を動員し抗議活動を開始する。」と表明。 |
反クーデターを標榜する独裁制に反対する土曜日の人々は、解党判決によって被選挙権を剥奪されたタイラックタイ党幹部111人に対する恩赦を国王に請願署名活動を開始の方針。 | |
夜 | 独裁制に反対する土曜日の人々が合流したタイラックタイ党(タイ愛国党)の支持者約1000人(2,000人前後?)が、クルングテープで抗議集会。軍事政権の追放、解党命令の撤回などを要求。演台に立ったタイラックタイ党(愛国党)元幹部らは、「民主主義を破壊したのは愛国党ではなくクーデターを起こした軍部。」と主張。 集会開催中には純粋に演説に耳を傾けるグループと警戒作業に当たる警官隊に悪態をつくグループとの明確に2つに別れる場面も。また会場内には爆発物を持った不穏な輩が参加者に混ざっているとのデマが飛び交った。 集会開催に先立ちラーマ5世像前広場の使用を当局側に阻止された事に不満を持つ一部の過激な参加者が、PTVのウィラ会長の制止を振り切り、警察が設置した鉄柵の排除に動き、一時は警官隊と揉み合った。 小衝突発生後PTV役員のチャクラポップ・ペンケー(元政府報道官)は、集会の参加者の中に煽動目的の参加者(一括りに「クルム・ハードコアー」と呼ぶ)が少なからず混ざっていることを認めた。 |
23時過ぎ | 集会が終了後、約100人の集会参加者が陸軍本部前に居座り「評議会出て行け(コー・モー・チョー・オーク・パイ)。」と叫び、鉄柵を挟んで警戒作業にあたる警官隊と睨み合いを展開。 |
06月01日(金)01時 | プーチャッガーン紙とASTV社屋前に向かい創立者のソンティ・リムトーングクンを罵る叫びをあげ、一部が社屋に向け瓶等を投入、敷地内に侵入を試み、警戒にあたっていた警官隊と睨み合いになる場面も見られた。 次回の集会は02日にサナーム・ルワンで開催を予定。 |
マッチマー派を率いるソムサック・テープスティンは、派閥総会で、次期政権成立後、恩赦法に則り、タイラックタイ党に対する解党判決で被選挙権を剥奪された当時の111人の幹部の剥奪解除を申請する方針。自らも剥奪の対象になっているソムサックによると、今回の決定は次期総選挙後に被選挙権剥奪処分に関しマッチマー派と考えを同じにする民主党が下院を支配し政権を握るとの読みに基づいたもの。 幹部のオンワン・テープスティン♀によると、新党として次期総選挙に候補者擁立を視野に今後も政策立案機関として会派を存続させる。先の憲法裁判所判決によりマッチマー派所属の元下院議員80人の内15人が被選挙権を剥奪された。 | |
旧チャート・パッター党のラムタコン派を率いるスワット・リプタパンロップは、タイラックタイ党に合流する方針がないと表明し、チャート・パッタナー党を復活させる方針。 | |
元タイラックタイ党幹部のソンティナー・サワッディー(元同党副報道官、現民主選挙推進連合委員)が、警察犯罪抑止制圧局を訪れ、姑息な手段を講じてプレム枢密院評議会議長の王室への罷免誓願の署名を募り、1997年憲法で保障された国王の指名権を侵害した市民団体「独裁制に反対する土曜日の人々」の幹部2人を不敬罪で告発した。 ソンティナーによると、独裁制に反対する土曜日の人々は、国民の間で人気があり常に品薄状態にある、お守り「チャトゥカーム」を集会参加者に1Bで配布すると喧伝し、1Bとプレム枢密院評議会議長の罷免誓願署名と引換えにチャトゥカームを希望者に配布し、署名自体も半強制的に行われていた疑いがある。 | |
国家安全保障評議会のソンティ議長は、5年間の被選挙権剥奪処分を受けた前与党のタイラックタイ党の役員に対する恩赦を提案。「国内和解推進の見知からも、解党の要件となった違法行為に直接関与していない一部の幹部の被選挙権剥奪の解除は必要な措置である。」、「最終的に国家立法議会側が恩赦の是非に関して検討する。」と考えを示した。役員のほとんどは処分の原因となった選挙違反に関与しておらず、被選挙権を失った役員111人には、タクシン前首相のほか、スラユット首相と親しいソムキット前副首相兼商務相、軍部と関係が深いソムサック前労相、ピニット前保健相といった有力者に加え、地方の政治閥領袖も多い。タイ政界の「顔」の半分以上が出馬禁止の状態で総選挙を実施すれば将来に禍根を残すという見方がある。次期総選挙での勝利が有力視される民主党のアピシット党首、チュアン元首相が軍に批判的という事情もあり、軍政内にはソンティ司令官の提案を支持する声が強い。 | |
タイ株式市場は大幅続伸。タイ証券取引所(SET)平均株価指数終値は前営業日終値比2.24%高の753.93ポイント。過去1年の最高値を記録。タイの前与党、愛国党に対する解党命令やアメリカ株高を好感。 | |
06月02日(土) | ソンティ議長の恩赦の提案発言に対し、タイラックタイ会派(旧タイラックタイ党)のチャートゥロン・チャーイセーンは、「国家の為になる建設的な発言」と一定の評価を示したが、旧幹部111人に対する剥奪解除の恩赦の誓願は、「各個人が恩赦を誓願する事を妨げるつもりはないが、個人的な見解として恩赦の誓願により(不当判決による)被選挙権剥奪の解除を要請する考えはない。」また先に表明していた剥奪解除を求めた上訴も会派の総意として断念したことを明らかにした。 |
旧タイラックタイ党のタイラックタイ会派を率いるチャートゥロン・チャーイセーンは、今後選挙関連の権利を持たない外国人と同様な二流市民(ポンムゥアン・チャン・ソーン)という立場で解党を命じた憲法裁判所の不当判決を国際世論に訴えていく方針。 チャートゥロンは、「既に自分はタイ人一般に認められている選挙関連の権利を剥奪された、外国人と同様な権利しか持たない2流市民の立場に置かれている。」、「今後憲法裁判所の判決に対する見解を英語でまとめ、各国の憲法裁判所や最高裁判所関係者、人権関連機関等に判決の不当性を訴える。」と発言。 既定の法律ではなくクーデター後に制定された民主改革評議会令に則り、当時の幹部全員に被選挙権剥奪の判決が下された事に関し、議論の余地があるが、既定の法律と不正行為を証明する証拠に則った解党判決に関しては、昨年04月に国王が3裁判所に対して国内情勢不安解消を視野に解散総選挙の正当性に関する検討・介入を指示するまで、独立機関の多くを支配下に置いていたタクシン政権側がタンマラックらが関与した小政党の買収工作疑惑の隠匿工作を行い、また当時の選挙委員会がぎりぎりまでタイラックタイ党の告発を保留したこと(これに関しては1審で職務遂行義務違反で実刑判決)、また、タクシン体制下で当時の憲法裁判事によって同様な審理が行われた場合、タンマラックやポンサックの買収の明確な証拠があったとしても果たして解党の判決が下されていたのかという事を含めて議論するべき。旧タイラックタイ党の支持層の多くが民主主義(プラチャッテイパタイ)の理想や主権(アティパタイ)、民主選挙の意味を理解していない階層で占められている事が解党判決に対する不満を増長させる1つの要因。 | |
夜 | タイ軍事政権に抗議する集会が、王宮前広場で開かれ、新聞、警察の推計で5000~6000人が参加。集会参加者は前与党のタイ愛国党に対する解党命令に抗議。「軍政出て行け」などと気勢を挙げたが、周辺を警備する警官隊との衝突はなく、午後11時ごろから豪雨となったため散会。 ウィラ会長は、31日の集会後に一部の参加者がプーチャッガーン紙、ASTVの社屋前に集まり、投石行為等により警備員に傷害を負わせた事に関しては、PTVの集会に参加した者とは無関係な者の仕業であると主張。 PTV幹部のナタウット・サイグゥアは、今後目標に掲げている国家安全保障委員会が「出て行く」まで毎日16時から王宮前広場(サナーム・ルワン)で集会を開催する方針。 |
19時頃 | 親タクシンのPTVが集会を開催していたサナーム・ルワンに近い民主記念塔前に黄色い服を着た者を含む主に屈強な男300人前後の集団が現れ、和解推進を訴え付近で集会を開催していたPTVを非難したが、僅か1時間足らずで殆どの者が現場から退散した。
集団に参加していた者が、クルングテープ清掃関係当局の大物の指示で参加したと語っているようだが、集団と背後関係に関しては不明。 その後、同様な活動がラーマ8世橋、ラーマ4世橋付近やカオサン通り等8ヶ所で行われていた事が確認された。 PTVのウィラ会長は、集会で、軍側がクルングテープに非常事態令が宣告された状況を想定して戦力を配置し、クルングテープの行政当局が各特別区事務所に対して1000人の人員と4万Bの食事代を確保しチャトゥチャック公園に於ける反PTV集会を標榜した集会に参加させるよう指示を指摘。 クルングテープのアピラック知事は、PTVの集会に対抗する勢力を動員したとの指摘を否定。 |
午後11時頃 | 反国家安全保障委員会集会は、豪雨となったため散会。 |
06月03日(日) | 大衆民主主義キャンペーンのスリヤサイ事務局長(民主主義市民連合調整役)は、解党判決と共に向こう5年間の被選挙権が剥奪された旧タイラックタイ党幹部111人に対する恩赦は、国内和解推進には繋がらないと指摘。恩赦推進に関しては、先にスラユット首相が慎重な姿勢を見せる一方で、国家安全保障評議会のソンティ議長が解党の要件となった違法行為に直接関与していない旧幹部に対する恩赦を支持する方針を明らかにしていた。 スリヤサイは、旧政権関係者がタクシン前首相や一家・一族が関与した不正・汚職案件に対する圧力と新憲法制定の為の国民投票の妨害を策動している限り、早急な恩赦決定は一切国内和解に効果がないばかりか、社会に評議会の一部構成員とタイラックタイ党旧幹部の一部が水面下で繋がっているとの新たな疑惑をもたらす虞を指摘し、恩赦決定にあたり国民の意識動向など総体的に検討すべきと述べた。政党活動を禁じた民主改革評議会令の解除要求の声が旧与野党からあがっている事に関して、活動禁止が解除された機会に乗じた対立を煽る動きが起こり得る事を念頭に置き検討を行うべきと指摘。 |
元タイラックタイ党幹部が中心になって設立したPTV幹部のナタウット・サイグゥアは、06月24日迄の民主主義奪還を目標に掲げ集会活動を継続を明らかに。06月24日は、タイが立憲君主制に移行して76周年を迎える日。 チャトゥポン・プロームパンは、今後集会の場を「反独裁民主主義同志」(ネーオ・ルワム・プラチャティッパタイ・カップ・ライ・パデッヂャガーンを意訳)の場とし、クーデターに反対する団体の集会への結集を促し新組織名を発表する方針を発表し、PTVが目標に掲げている国家安全保障評議会の解体及び民主主義の奪還が達成されるまで、連日16時からサナーム・ルワンで集会を開催する方針を確認。当面サナーム・ルワン以外での場所での集会を計画していない事を明らかに。 しかし、場合によっては国家安全保障評議会の本部が置かれている陸軍本部へのデモ行進も否定しなかった。 スリン県から来たという40人組の1人は、マスコミの取材に対して「オーナー(タオゲー)から4日間集会に参加するように言われて来た。宿や食事だけでなく1日あたり200B貰えるので、何もしないで家にいるよりいい。」と語った。 元タイラックタイ党副報道官のチャトゥポンは、PTVの基準で充分に民主主義の精神に則った活動の範疇に属する集会活動を行っていた反タクシン派の民主主義市民連合を国家反逆罪で告発すると大騒ぎしていた当時のタイラックタイ党幹部の1人。 | |
新希望党党首のチンチャイ・モンコンタムは、前新希望党党首のチャワリット・ヨンチャイユット大将(元首相)から党合流とチャワリットを党首とした新希望党再建の打診があった事を明らかに。チンチャイは、旧新希望党がタイラックタイ党に吸収合併された際に、合流を忌諱、党を存続させ党首に就任。反タクシン派の民主主義市民連合の集会で演説を行った事もあった。 チャワリット大将との合流の可能性に関しては、前向きな姿勢を見せる発言が聞かれたが、詳細に検討中と明言を避けた。先のタイラックタイ党に対する解党判決に関し、政界に新たな法の執行基準を作り、また政界の未来に変革をもたらす歴史的にも重要な判決との認識を示した。 | |
夜 | 反軍政派は王宮前広場で集会を行い、2000~3000人が参加。 |
06月04日(月)午前 | 旧タイラックタイ党系のタイラックタイ会派のポンテープ・テープガンチャナーの率いる30人が首相官邸を訪れ、政党活動を禁じた民主改革評議会令の早期解除と新党結党に向けた道を開くよう要請する書状を提出。ポンテープは記者団に対して、政治活動が解禁された機会を利用して大衆を動員し煽動するつもりはないと強調。 スラユット首相代行として書状を受け取った首相秘書官のポンテープ・テートプラティップ大将は、首相の言として05日に開かれる定例閣議の席上で政党活動解除関連が議題の1つとして上る見通しを明らかに。前後してパイブーン副首相(兼社会開発・人間の安全保障大臣)は、被選挙権が剥奪された旧タイラックタイ党幹部111人に対する恩赦の是非を含め1~2週間以内に結論が出る見通し。 |
タイ免税店最大手キングパワーは、タイの主要空港を運営する国営企業AOT(エアポーツ・オブ・タイランド)に約700億Bの損害賠償を求める民事訴訟を提訴。 前政権当時にキングパワーに与えたスワンナプーム国際空港と南部ハジャイ空港、プーケット空港の免税店・商業施設運営事業権に対し、今年03月に事業権の内容が違法だったとして、エアポーツ・オブ・タイランド(AOT)は契約の無効を宣言し破棄。昨年09月のクーデターで政権を奪取したタイ軍部は、実力者のサプラン陸軍司令官補をAOTの会長に送り込み、空港事業をめぐる不正を追及。AOTは05月にスワンナプーム空港の空港ホテル事業権についても不正が濃厚と検察に捜査を依頼。 | |
反タクシン派の民主主義市民連合傘下の民主主義ソンクラー連合は、政府と国家安全保障評議会に対し、「憲法裁判所の判決に対して異議を唱えている誤った認識を持っている旧党幹部に対して恩赦措置を講じることは本末転倒である。」と、解党により被選挙権を剥奪された旧タイラックタイ党幹部111人を始め違法行為に関与した全ての者に対する刑事処分を早急に進めるように要求。被選挙権剥奪解除の恩赦措置が講じられた場合は抗議活動を開始する方針を表明。 民主主義ソンクラー連合幹部のグリヤンサック・リウチャンパッタナーは、タイラックタイ会派を率いる「チャートゥロン・チャーイセンが憲法裁判所の判決に対する不満を国際社会に訴える事は、判決結果に対する正しい理解を国際社会に広めるものであるとして支持できる。」と皮肉混じりで論評し、チャートゥロンに対して英文翻訳で内容を捏造せずありのままを伝えるよう要求。 | |
夕方 | ヨンユット政府報道官は、05日に開かれる閣議の席上で政治活動禁止解除に関して協議されるとの報道を否定。その後国家安全保障評議会のソンティ議長が05日に政府側と恩赦に関して話し合う予定になっている事を明らかに。 |
06月05日(火) | かつて反クーデターを標榜していた市民団体テムジン代表のチャナーパット・ナ・ナコンは、タクシン前首相がイギリスに政治亡命すると共に同国内で亡命政府(ラタバーン・パラット・ティン)の樹立を画策。スラユット首相に対して事実関係を確認するよう要請。 チャナーパットによると、前首相が政治亡命及び亡命政府樹立を画策している背景に現在法的手続きが進められている前首相や家族や一族が関与した不正・汚職案件の起訴を阻止したいとの思惑があり、前首相の知己としても知られるハロッズのオーナーであるモハメッド・アル・ハイエドが設立を支援という。チャナーパットの指摘に対しタクシン前首相の法律顧問であるノパドン・パッタマは、否定し、タクシン前首相は逃げも隠れもせず真っ向から法廷の場で戦う意向を示していると表明。 |
スラユット暫定政権は閣議の席上で、政党活動を禁じた民主改革評議会令第15号第1項を解除。昨年09月のクーデター後禁止していた政党活動の再開を認めた。この決定で、総選挙に向けた集会や会合が可能。タクシン前首相支持派の小政党の行動も活発化し、新憲法制定に向けた国民投票や総選挙への影響や暫定政権への抗議行動が拡大の可能性も。 但し、政党の新設を禁止した第15号第2項、憲法裁判所の判決により被選挙権を剥奪された旧タイラックタイ党幹部111人の解党判決の根拠の党の幹部に対する選挙権(被選挙権及び投票権)剥奪を規定した第27号には依然解除されていない。従って、今回の措置は、05月30日に憲法裁が解党命令を下したタイラックタイ党など3政党は適用外。 第15号第2項に関しては、国家法制委員会側に検討を委ね、委員会側の答申に基づいて新法が必要。「今後2週間以内に法案を作成、暫定議会に提出する。」と、来週中にあらためて検討を行うとのこと。国家法制委員会の答申に基づき第15号第2項に対する処置が決定次第、第1項を含めて国家立法議会の承認にかけられる見通し。タイラックタイ(タイ愛国)党解体に伴う政界再編への具体的な動きは法律制定後。 05月30日の憲法裁判決の解党命令で、年末に予定されている次期総選挙での前政権派の復権がほぼ不可能になったと判断、対外の見栄えなどを意識し早めの解禁に踏み切った。政党の新規登録の解禁は見送ったのは、タイラックタイ(タイ愛国)党勢力が新党結成を目指していることから、登録を遅らせ、立ち直りの機会を与えないことが狙い。 | |
連日サナームルワンで集会を開催しているPTVは、集会の場でタクシン前首相の生の声を集会参加者に届ける方針。国家安全保障評議会に対し、妨害工作を行うことがないよう釘を刺した。タクシン前首相が集会を背後で支援していると指摘されている事に関しては否定。現状ではあくまで計画段階で、具体的にいつ生の声を届ける事が出来るかに関しては反独裁民主主義同盟加入団体の幹部と協議した上で決定する予定。 「コー・モー・チョー オークパイ」 | |
タクシーやバイタク運転手を中心にした「反独裁タクシン支持者同盟」なる団体や地方のタクシン支持派団体が、PTVが結成を目指している反独裁民主主義同盟へ合流の意向。反クーデターを標榜している非タイラックタイ党系の団体の合流の動きは見られていない。 | |
21時頃 | サナームルワンで開催されていたPTVの集会において、演台上で国家安全保障評議会やプレム枢密院評議会議長を激しく攻撃する演説を行っていたダーラニー・チャーンチェングシラパクン♀に向けて糞を詰めたプラスティック袋を投げつけるという事件が発生。 現場で逮捕された34歳の女、ユパー・イムデンは、警察に対し、「粗野な言葉を使用してプレム枢密院評議会議長を非難した事が気に入らなくてやった。」と語っている。 ユパー・イムデンと暴言婆ダーラニー・チャーンチェングシラパクン
糞を投げつけられたダーラニー・チャーンチェングシラパクンは、過去に新聞社を解雇され、PTVの集会では、粗野な言葉で憲法裁判所判事を非難する演説を行ったり、31日未明にはタクシーやバイタク、サムローの運転手等約100人を率いてASTV前で抗議活動を展開。また、ASTV前での抗議では、抗議側が社屋に向けて行った投石行為により警備員が負傷を負ったASTV社側は警察に被害届を提出している。 |
06月06日(水) | タクシン前首相が07日に日本の拓殖大学で行われる特別講演の後に記者発表を行う予定。「Industry and People」と題された記念講演でアジアビジネスの方向性等を中心に語られる予定で、講演終了後に記者会見。記者会見では客員教授受諾に関する話題が中心になると見られ、自身の身の振り方を含む政治的な話は不透明。 |
午後 | チャート・タイ党党首のバンハーン・シルパアーチャー(元首相)は、煽動したいと欲する旧タイラックタイ党所属の元下院議員が首都で開催されている反クーデター集会に地方住民を参加させるため現金を配って継続的に動員の情報を明らかに。買収行為を 止めるべきと糾弾。次期総選挙で民主党が最大議席を獲得した場合、チャート・タイ党として民主党のアピシットを次期首相として支持する事はあり得ると言及。 |
元新希望党副党首で同党がタイラックタイ党に吸収合併された際に合流を嫌い独自に党を結党し政治活動を行っていたチャルゥム・ユーバムルン警察大尉が、元党首のチャワリット・ヨンチャイユット大将の自宅を訪問。新希望党復活に向けた協議。チャワリット大将に近い消息筋によると、現在チンチャイ・モンコンタムが党首に就任している新希望党に合流する形で党を復活させ、党首にはチャワリット大将、幹事長に元陸軍副司令官のウィチット・ヤーティップ大将、副党首にチャルゥム警察大尉が就任する見通し。過去に新希望党に所属していたスチャート・タンチャルゥン(元下院第1副議長)が率いるポー・モット・ダム派を始めとする旧新希望党系会派やマッチマー派の合流も取り沙汰されている。来週中に党復活の正式発表の見通し。 | |
05日の政党活動解禁措置を受け、旧タイラックタイ党所属の元下院議員60人が、タイ軍事政権の追放を掲げた政治団体「タクシン愛、独裁者不要団体」を結成。幹部のニシット・シントゥパイ(ローイ・エット県)によると、今後反クーデターを標榜する団体として全国的な活動を開始し、方向性が同じPTV主催する反独裁民主主義同盟に合流し、首都で大規模な反軍政集会を開催予定。軍政や暫定政府への圧力が増す見通し。 | |
反独裁民主主義同盟(クルム・ネーオ・ルワム・プラチャーティパタイ・カップライ・パデーチャガーン)幹部のチャトゥポン・プロームパンはサナームルワンで開催された集会の壇上で、民主主義奪還の目標日に定めている24日までに国家安全保障評議会の本部が置かれている陸軍本部に向け大規模なデモ行進。先に評議会のソンティ議長が、大衆の多くが評議会を支持していると発言に対してのもので、チャトゥポンによると、デモ行進は24日の「評議会の崩壊日」にむけて反評議会勢力の力を誇示。チャトゥポンは、チャート・タイ党のバンハーン党首が旧タイラックタイ党所属の元下院議員が金銭で大衆を動員しているとの指摘を否定し、「国家安全保障評議会の広報担当に成り下がった者の取るに足らない発言でしかない。」と切り捨てた。反独裁民主主義同盟は、PTVが中心となって組織作りが進められている反クーデターを標榜する団体の集合体。06日現在旧タイラックタイ党やタクシン支持派系の団体のみが合流の意向。 | |
タイ政府が05日の閣議で昨年09月のクーデター後禁止していた政党活動の再開を認め、政党の新規登録解禁を見送ったこきについて、05月30日に解党処分を受けたタイラックタイ党のチャトゥロン前党首代行は、「政党登録の解禁見送りはタイラックタイ党支持派による新党結成阻止を狙ったもの。」と主張。 ソンティ陸軍司令官は、タイラックタイ党の元下院議員らを引き込み、親軍政党「ラックチャート(国を愛する)党」の設立に動いているという報道を否定。 | |
06月07日(木) | タクシン前タイ首相は、東京都文京区の拓殖大学との打ち合せなどのため来日。記念講演後に開かれた記者会見で、拓大客員教授就任を正式発表し、「(クーデターによる)失業後、初めての就職」と冗談を交えながら、「大変名誉なことだ。」、「「政府は今年12月に選挙を行うし、政治集会も今は許可が出ている。タイに民主主義が戻れば、言論の自由も戻る。その時にはすぐにでも帰りたい。」と述べ、条件が整えば早期帰国したい意向。「民主主義が戻ればタイは再び繁栄の道をたどるので、私はそこで一市民として貢献したい。」と、言論思想の自由が保障された民主主義体制に復帰した後に帰国し、一般人として自身のビジネス経験を元に、若い世代に経営学などを教え、「私の経験を若い世代と分かち合いたい」と抱負を述べた。 タクシンが創設した旧与党のタイラックタイ(タイ愛国)党のタイ憲法裁から解党判決に振られると、「政治的な質問には答えられない。」と逃げた。 拓大では07月に、政界入り前に実業家として成功した経験を「アジア型ビジネス経済モデル」として特別講義の予定。また、07月に学生対象の第1回講義。年に数回の講義の予定。 タイ暫定政権側は、タクシンの客員教授就任に不快感。 拓殖大学関係者を入国禁止にしてみたらどうだろうか。タイの実情が現れ、日本にとって良いと思う。 それにしても、こんな腐臭ぷんぷんの羊頭狗肉のタクシンを客寄せパンダに引っ張ってきた拓殖大学にはほとほと幻滅。土侯国を金で支配した支那人宰相タクシンが、民主主義を説くなど、野中広務が説く正義、朝鮮人が説く権利のようなものだ。 |
市民団体グッドガバナンス(クルム・タンマピバーン)は、国家立法議会のミチャイ議長に対し、過去に旧タイラックタイ党執行部に名を連ねていた事があるウィサヌ・クルゥアンガーム元副首相、ボウォンサック・ウワンナノー元内閣秘書官長)、チュワンピット・チャーウヌァヌォン♀の3人の立法議会議員に対して辞職勧告を要求。タノーム調整役は、先の憲法裁判所の判決により、旧タイラックタイ党執行幹部111人の被選挙権が剥奪され、「元幹部のピニット・チャルソンバットは自ら議員を辞職した。」と指摘し、「元タイラックタイ党執行幹部の3人がこのまま議員として留まることは、国民に対して範を示す上でも、また国民を混乱させない上でも好ましくない。」と言明。 | |
夜 | タクシン支持派の民主化要求団体などは、王宮前広場で反クーデター集会。警察の推定で約8000人が参加。08日にも集会を開催する予定。治安当局との衝突が懸念される。集会についてブンロート国防相は、「参加者の多くは金銭で雇われている。」と、治安維持に自信。 |
06月08日(金)午前 | 独裁に反対する土曜日の人々がサイト遮断措置解除を要求し、通信技術省(ICT省)前で抗議活動。開設しているサイトに対する遮断措置を解除するよう要求。最終的に09日までに解除されなかった場合は、再度抗議活動を開始するとして散会。 情報通信技術省は、既に07日の時点でサイトに対する遮断措置を解除。今回の独裁に反対する人々の抗議活動は一方的な誤解に基づいたものと主張。報道によると、既に、hi-thaksin.org(hi-thaksin.net含む)に対する遮断措置も解除。 |
市民団体テムジン・ネットワーク代表のチャナーパット・ナ・ナコンは、PTVの会長のウィラ・ムシガポンがが強力な爆発物の製造に使用可能な物質を首都内2ケ所に隠匿所持と発表。 チャナーパットは、ウィラに近い筋からの情報として、ウィラが配下のスラチャイ・セーダーン等に命じて、届け出が義務づけられている硝酸ウラン(硝酸アンモニアか?)が混合された肥料約500Kgをソンクラー県内から2回に分けてクルングテープのエーカチャイ地区やバーン・ボーン地区内の拠点に運び込ませたとの情報。関係当局に対し早急な事実確認と必要な処置を要請。 | |
タクシン前首相の妻のポチャマンが、ソンティ陸軍司令官の掛かりつけの占い師、ワーリン・ブアウィラットルートをチエンマイに訪ね、運勢を占ってもらいソンティ司令官との仲裁を依頼。 ソンティ司令官は翌09日にチエンマイを訪問したが、ワリンの許を訪れなかった。 ソンティ司令官の行動に対し、前野党の民主党のアピシット党首は、「占い師に頼っても結果は出ない。国の指導者は理性で問題を解決すべき。」と苦言。 | |
元タイラックタイ党幹部のソンティナー・サワッディー(元同党副報道官、現民主選挙推進連合委員)は、警察犯罪抑止取締局を訪問。PTVのウィラ会長とタイ社交界の広報官的存在として知られるダールニー・クリットブンヤーライ♀を刑事告発。告発についてソンティナーは、ウィラが会長を務めるPTVが05月30日にラーマ5世像前で開催した集会で、王室の車列が付近を通過の際、警察の一時中止要請を無視し拡声器を使用し続けた事が不敬罪にあたり、またダールニーに関しては、独裁に反対する土曜日の人々が1Bで配布していたチャトゥカーム・ラーマテープの受け取り予約登録をサナーム・ルワンで行った際、プレム枢密院評議会議長の罷免を請願する為の署名簿に署名した疑惑。署名した場合は独裁に反対する土曜日の人々と同様に不敬罪との主張。 | |
06月09日(土)未明 | 国連貿易開発会議事務局長のスパチャイ・パーニッチャパック(元民主党副党首、元副首相兼商務大臣等)は、政治政党の党首に就任の噂を否定。スワンナプーム国際空港に到着した際に語られたもの。先だって、マハーチョン党党首のサナン・カチョンプラサート少将(元民主党幹事長)からスパチャイに対して党首就任要請の打診があったとの噂が広がっていた。 スパチャイは発言の中で、クーデター発生前にある政党から党首就任要請の打診は認めたが、「現在はその様な要請を受けておらず、また今後も国連貿易開発会議事務局長の立場でタイに貢献していきたい。」と語り、党首就任の噂を否定。 スパチャイは、11日に国家立法議会で経済のグローバル化と充足を心得た経済についての特別講演を行う予定。 |
民主党のアロンゴン副党首は、選挙委員会が09月19日に新憲法案の是非を問う国民投票を実施の発表について、「総選挙の実施日を当初計画の12月から11月に早める事に繋がる。」と支持。しかし、新憲法実施後の民主主義復興は、「全ての層の努力と、新憲法が1997年憲法の精神を踏襲しているかに掛かっている。」との考え。憲法起草作業委員会が、上院議員の構成を選挙区選出制と任命制の2本柱の方向で検討している事に関し、「代議士は国民から選ばれた者であるとの観点からも上院議員は選挙によって選出されるべきである。」 | |
新希望党党首のチンチャイ・モンコンタムは、元新希望党党首のチャワリット・ヨンチャイユット大将を新党首として迎え入れについては否定しなかったが,現新希望党がタクシン制度を信奉する旧タイラックタイ党の「代理人」に成り下がる事を防ぐため、「チャワリット大将の政治信条や民主主義感等について総体的に検討した上で迎え入れの是非を判断する。」との考えを示した。総選挙の実施時期に関し、「まずタイ国内からタクシン制度の残骸を一掃し民主主義を根付かせることが先決である。」と、総選挙の実施を急ぐべきではないとの考え。 | |
21時過ぎ | PTVが中心になって組織作りが進められている、タクシン支持色が強い反独裁民主主義同盟は、集会が開催されていた王宮前広場(サナーム・ルワン)を出発。国家安全保障評議会本部が入居する陸軍本部に向けでデモ行進を開始。PTVのウィラ会長によると、今回のデモ行進は、反独裁を訴える市民のパワーを見せつける為のものである。集会には、21時前迄に半分近くが帰宅の途についた。 連日行われている反軍事政権集会の規模が徐々に拡大。警察発表で約1万人、複数紙の推計で1万3千~1万5千人(2万人とも?)が参加。参加者は昨年09月のクーデターで追放されたタクシン前首相の帰国、即時民政復帰などを要求。軍政との対決姿勢を鮮明にしている。 |
23時過ぎ | 数㎞離れた陸軍本部に到着した同盟側は、国家安全保障評議会に対して向こう7日以内に辞職するよう要求。向こう1時間以内に陸軍の代表者が要求事項を受け取るための面会に応じない場合は陸軍前で座り込み抗議活動を展開すると宣言。軍政に退陣を要求、警備の警官隊と揉み合いになった。 タイ軍部はタクシン政権の汚職、国家の分断、王室軽視などを理由にクーデターで政権を転覆。前政権の汚職捜査やイスラム過激派と治安当局の対立が続く深南部情勢で進展がみられない一方、経済失政で景気が急速に悪化。国民の支持を失いつつある。05月末には軍政が任命した判事による憲法法廷が前与党のタイラックタイ(タイ愛国)党に解党を命じタクシンの支持層だった地方住民やクルングテープの低所得者層が不満を強めている。 陸軍本部前では、視察に来ていた元上院議員のクライサック・チュンハワンを見つけた一部の参加者が暴走し、PTV幹部の制止を振り切って暴行を振るおうと取り囲む場面も見られたが、警察が間に入り、クライサックは難を逃れた。 チャチャイ元首相の実子としても知られるクライサックは、父親とは対照的にリベラル系の言動で知られ、また民主主義市民連合の演壇に立った事でも知られる。 権力基盤を身内で固め、選挙結果に基づいて県を譜代と外様とに分けて差別的な政策を施行したタクシン前首相を支持することが、「反独裁」、「民主主義」との矛盾について考えてもいない。集会には、公社系の労組が不参加で、スラムから動員された低学歴の若い貧乏人やバイタク運転手など血の気の多い階層が参加し、ちょっとした挑発や一部の参加者の先走りで統制が取れなくなる危険性を孕む。 |
06月11日(月) | ヨンユット報道官は、PTVが中心になって組織された反独裁民主主義同盟の幹部に対し、平穏に集会活動を行い、最悪の事態を招く虞がある一部の参加者による当局への挑発や暴力に対し監視を強化するよう要請。 09日夜半に行われた陸軍本部へ向けたデモ行進で、一部の参加者が鉄柵でデモ行進の流れを規制していた警察関係者を挑発。デモ行進の視察に来ていたクライサック元上院議員を取り囲み軽傷を負わせ悪態をつく場面等が見られた。これまでにも集会開催中に警備に当たる当局関係者に対する挑発がしばしば発生していた。 |
午後 | 市民団体テムジン代表のチャナーパット・ナ・ナコンは、集会活動及び演説で使用される過激な言葉等により国民の反国家感情を煽動し国内の安全保障に脅威を与えたとして、同盟幹部のウィラ・ムシックパン等を警察に告発。 |
国家毀損行為調査特別委員会(資産調査委員会)は、権力を乱用した利益誘導行為により国家に損害を与えたとして、タクシン前首相一族の全資産を差し押さえると発表。タクシン夫妻と夫妻に近い一部親類らの全銀行口座の差し押さえを決定。 委員長を含む11人の委員の内4人の委員が反対票。反対票を投じたのは、反タクシンの言論人として民主主義市民連合に合流した事でも知られる元上院議員のサック・コーセーンルアン、チラニット・ハワーノン、ウィロート・サオハパン、アムヌワイ・タントラー。一方、ナーム委員長や反タクシン派の言論人としても知られる元上院議員のケーオサーン事務局長、タクシン政権時代に不当解任の憂き目にあった事もある会計監査院院長のチャールゥワン・メンタガー♀、タクシン前首相が絡む資産隠し裁判当時の国家汚職防止取締委員会事務局長で、前首相の天敵として知られるクラーナロン・チャンティック等7人は賛成票を投じた。 差し押さえ対象には、タクシン前首相及びポチャマン夫人が所有する内外の銀行口座の他、シンガポールのテマセク社との株式売買の際に開設した口座も対象。差し押さえ額は21の銀行口座に預金された528億8400万B(約2000億円)。タクシン一族は昨年、タイ通信最大手シンをシンガポール政府の投資会社テマセクに売却し733億Bを得たが、口座の移転や株式取引等により隠匿され、200億Bは所在不明。 委員会によると問題になった不正・汚職案件は、スワンナプーム新国際空港に納入されたCTX9000の不正調達、ポチャマン夫人が関与したラチャダーピセークの国有地の不正落札、新型宝籤の導入、シン社に有利になるように電話事業免許費用の支払いを免除した等の5件。首相在任中の権力乱用、汚職の捜査のためとしているが、反軍政の街頭デモが活発化するなど国内情勢が不安定なことから、前首相の資金力を封じ反対派の押さえ込みを図ったという見方。 タクシン一族の資産は、昨年09月のクーデター直後から影響力の根源であり凍結すべきという意見が軍政内にあった。スラユット首相は法治主義に基づき、要求を退けてきたが、権力乱用の証拠がある程度固まったことから資産凍結を認めた模様。 タイラックタイ(タイ愛国)党は選挙違反容疑の裁判で05月末に解党命令を受け、党役員の参政権が5年間剥奪。判決後、反軍政デモは規模が急速に拡大。先週末には1万人以上の参加。陸軍司令部前で警官隊と揉み合う。軍政はこうした動きをタクシンの差し金と判断。取り巻きの政治家に続いて資金を封じ前首相の復権阻止を図る。 タクシン前首相夫妻には向こう60日以内に今回の決定に対して異議申し立てを行う権利が認められている。 今回の決定に関して国家安全保障評議会のサンスゥン報道官は、タクシン前首相と集会勢力との間にある水面下の資金ルートを塞ぐ事に繋がるものであると評価。 | |
タクシン前首相は、顧問弁護士を通じ、タイ軍事政権による資産凍結を不当と非難。裁判で争う姿勢を示した。 | |
06月12日(火) | プラソン憲法起草作業委員会委員長は、国家毀損行為調査特別委員会がタクシン前首相一族の全銀行口座を凍結したことにより、「タクシン前首相から反クーデター勢力に流れていた資金の流れの一部を塞いだ。」と認識。「タクシン前首相と支持派が真相を無視し感情だけで今回の決定に対して異論を唱えることは、タクシン前首相自身に困難をもたらす。」と警告。 クーデター後に発令された民主改革評議会令第30号に則った今回の決定は、「充分な証拠に基づいたものであり、政治的な迫害行為には該当しない。」との考え。 |
民主主義市民連合のスリヤサイ調整役(大衆民主主義キャンペーン事務局長)は、「口座凍結の決定が反独裁民主主義同盟の集会活動が過激化させ衝突の事態に至らせる事に繋がり得る。」とし、同盟の幹部に対して自重を求めると共に国家毀損行為調査特別委員会に対して国民の誤解を解くためにも早急に決定の情報公開をすべきと指摘。 裏資金を塞ぐことに繋がるとの指摘は、前首相が塞がれても、利権を喪失した者の資金ルートは今後も存在し続けるとの考え。 | |
タクシン前首相の顧問弁護士のノパドン・パッタマによると、タクシンが近く帰国して、自ら口座凍結措置に対して全面的に争う意向。2~3日中に日程を決める。タクシンはクーデターで政権を追われ、英国や支那などで事実上の亡命生活を送っている。軍政は帰国しないよう警告しているが、現時点で帰国を禁じる法的手段はない。 | |
スラユット首相は、国家毀損行為調査特別委員会による口座凍結措置に異議を申し立てにタクシン前首相が帰国することについて、スラユット首相は、政府の許可を得ずに帰国できると述べ、「異議申し立ては前首相に認められた権利であり、タイ国民として等しく権利を持つ前首相の自由意思による帰国を妨げない。帰国後の身柄の安全は警察が責任をもつ。」と、帰国後、タクシンを警護する考え。 | |
タクシンの顧問弁護士のナパドン・ポッタマによると、タクシンがまだイギリス名門のサッカークラブ、マンチェスター・シティーの購入に意欲。しかし、タイ国内の口座が凍結され、イギリスのプレミアリーグクラブは、タクシンに買うことが本当にできるのか尋ねた。マンチェスター・シティーは「タクシンは正式にロンドン株式市場に価格を提示した。クラブがタクシンの状況を理解し、締め切りは柔軟にするよう信じている。」とタクシンの代理人と話したと、月曜日の夜に声明発表。 | |
夕方過ぎ | PTV幹部のチャクラポップ・ペンケー(元政府報道官)は反独裁民主主義同盟の集会の壇上で、国家安全保障評議会崩壊後にタクシン前首相を首相として擁立する方針を明らかに。早期帰国宣言をしたタクシン前首相に対して、「暗殺計画がある今ではなく、国家安全保障評議会が崩壊した後に帰国するべきである。」と呼びかけ、「帰国後は反独裁民主主義同盟が全力を挙げてタクシン前首相を『被告席』から解放し、次期首相として後押しをする。」と語り、集会参加者の拍手喝采を浴びた。チャクラポップは、一両日中にタクシン前首相の生の声を直接集会会場に届け、参加者と対話する機会を約束。 |
06月13日(水) | タイのタクシン前首相は米国の有力法律事務所ベイカー・ボッツを通じ、タクシン一族の口座を凍結したことを法律無視として非難。ベイカー・ボッツはジェームズ・ベイカー元米国務長官の法律事務所。タクシンは以前にワシントンに本拠を置く世界最大の未公開投資会社カーライルのアドバイザリー・ボードに、ベイカー、ジョージ・ブッシュ元大統領らと名を連ねたことがある。 |
チャート・タイ党副党首のソムサック・プリサナーナンタクン(元下院第2副議長)は、アメリカのロビイストを利用したタイへの攻撃は、国家のみならず6000万人以上の国民に困難をもたらすと、早急に止めるようタクシン前首相に呼びかけ。 | |
タクシン前首相の帰国の意思について、ソンティ陸軍司令官は、「タクシンに反対する人は多く、帰国すれば本人が危険にさらされる。」と述べ警告。帰国発言は観測気球で実際には帰国しないという考え。 スラユット首相は同日、「タクシンの帰国は権利」と述べ、帰国を阻止しない考えを強調。タクシンが米法律事務所を通じ軍事政権を非難したことについて、「政権就任以来国際社会との理解の共有に努めており、国際社会も現政権が早期の民主主義体制への復帰の為の暫定政権であることを理解しており、今後の投資動向に大きな影響を与えるものにはならない。」と述べた。 | |
憲法起草作業委員会のプラソン委員長は、タクシン前首相の口座凍結処分と戦うための早期帰国宣言は、支持派を勢いづかせ国内情勢を煽動する目的で、「タクシン前首相が身の安全を確信するまでは帰国する事はあり得ない。」と、本人自身には早期帰国をする意思はないとの考えを示した。 国内治安維持作戦本部のパンロップ顧問は、「タクシン前首相の帰国宣言は煽動目的で、その背後にタクシン支持派が活動目標に掲げている24日までの国家安全保障評議会の崩壊に向け支持派を勢いづかせ、国内情勢の激化により、国連難民高等弁務官事務所から政治難民の認定を受けたいとの思惑がある。」との考え。 | |
タクシン一族の口座凍結を決定した国家毀損行為調査特別委員会の11人の委員には怒ったタクシンの支持者による襲撃があり得ると警備を強化。委員の1人、ケーオサン・アティポーは月曜に身の安全に対する脅威を感じても動じなかった。「適切に義務を果たした。何があっても、恐怖に竦まないだろう。」と述べた。 | |
タイ通信最大手シンは、マレーシアの格安航空会社エアアジアと合弁のタイの格安航空タイ・エアアジアから撤退すると発表。06月中に、タイ・エアアジアに50%出資する持ち株会社アジア・エイビエーションの株式49%をタイ・エアアジアの経営陣、取締役に4.7億Bで売却。 シンはタイのタクシン前首相が創業した企業グループの持ち株会社。2006年01月にシンガポール政府の投資会社テマセクに買収されたため、タイ・エアアジアの株主構成が外資出資比率規定に違反する可能性が強まり、シンが49%、タイ人投資家が51%出資し設立したアジア・エイビエーションにタイ・エアアジア株50%を移していた。 タイ・エアアジアは2004年に運航を開始。現在の路線は、クルングテープを起点に、タイ北部チエンマイ、チエンライ、南部クラビー、プーケット、シンガポール、ペナン、ランカウイ島、ハノイ、ヤンゴンなど。 | |
スタンダード紙が、タクシン前首相が、2億1000万香港ドル(2700万US$)で、5100平方フィート(475㎡)の香港島の一等地のビクトリア・ピークの豪邸を買ったと報道。同一の開発で他の物件と隣接していて、一軒家ではないのに、1平方フィート当たり4万1000香港ドルと、アジアの不動産取引として過去最高値で、多くの者が驚いている。香港の有名な港の全景が見渡せ、プール、最新式の警備体制を誇る。買い手は販売時点で明らかではなかったが、多くの証拠によりタクシンであると認識。 | |
法務省次官のチャラン・パックディータナークン(憲法起草作業委員会副議長、元最高裁判所所長秘書官)は、憲法裁判所に於ける2大政党に対する解党審理で、1人の官僚が憲法裁判所判事2人に対する買収の動きを証明する信書があり、14日に詳細な証拠を国家汚職防止取締委員会に提出を明らかに。買収に絡んだ官僚が「取り計らい」を要求した政党名は明らかにしていないが、買収が失敗に終わっていた事は明らかにした。 | |
反軍政集会は05月末に旧与党、タイラックタイ(タイ愛国)党に解党命令が出て以来、参加者が急増。09日には1万人規模に膨らんだ。13日にも数千人が王宮前広場に集まったが、夜になり大雨で散会。 タクシン支持派などタイ軍事政権に反対する勢力は16日土曜に首都や地方の中心都市で大規模な反軍政集会を開く模様。首都では王宮前広場から陸軍司令部前もしくはタイ国王側近のプレム枢密院議長宅までデモ行進する見通し。 第2クーデターや首都での夜間外出禁止令発令の噂もあり、12日にタクシン前首相が帰国の意思を示したという報道があり、騒乱を恐れた国内投資家が大きく売り越し、12、13日のタイ株式市場は大幅続落。タイ証券取引所(SET)株価指数終値2日間の下落率は3.7%。 夜間外出禁止令を軍政トップのソンティ陸軍司令官が事実無根と否定。 | |
国家毀損行為調査特別委員会は、タクシン前首相一族の銀行口座から、06月04~11日にかけ80億B以上がそれ以前に200億B以上が引き出されていたと発表。タクシン一族の銀行預金、約529億Bを凍結する前に、こうした動きを事前に掴み、先手を打った模様。 | |
06月14日(木)朝 | 法務省次官のチャラン・パックディーナタークンは、2人の高級官僚が解党審理中の憲法裁判所判事の買収未遂を証明する証拠書類を国家汚職防止取締委員会委員長のパーンテープ・グラーナロンラーンに提出。買収に関与したとされる高級官僚や担当判事の名前、対象となった政党の名前等は明らかにされていない。チャランは、今回の告発により、解党審理を担当した憲法裁判所の判事全てが買収される事なく公正な判決を下していた証左と発言。 買収に旧タイラックタイ党に繋がるタマサート大学第19期卒業組の人物が関係しているとの指摘に対し、元副党首のポンテープ・テープカンチャナー(元法務大臣)は、自身は第17期卒業組でり、自身及び党の関与を否定し、むしろ旧タイラックタイ党を意図的に陥れる行為ではないかとの考え。 |
午前 | タクシンの顧問弁護士ノパドン・パッタマは、安全上の理由により、タクシンが06月中の帰国を見送ったと発表。ソンティ国家安全保障評議会議長が13日に「タイにはタクシンを嫌う者が大勢いる。帰国すれば危険。」と発言。ノパドンは、「帰国しても身の安全の保障できないとするソンティ議長の発言が考えを改めさせる機会を与えてくれた。」と皮肉。帰国後のタクシン前首相の身の安全を保障しない限り、首相在任中に発生した自動車爆弾未遂事件のような事故が怒りかねないと、現時点での帰国は生命に関わると判断。自動車爆弾未遂事件はタクシンによる狂言疑惑もある。 ソンティ議長は、タクシン前首相の帰国に先立ち評議会に事前通告をする必要があるとの考え。ソンティ議長によると、タクシン前首相の帰国の是非の判断はスラユット首相の裁量に委ねられるものの、帰国を決断した場合は帰国後の前首相の身の安全に対して責任を負う立場にある評議会に対して事前通告が必要との意見。 タクシンは昨年09月のクーデターで追放されて以来、海外で亡命生活を送っているが、一族の資産が凍結処分を受けたことに抗議し、12日に近く帰国する考えを表明していた。 |
ソンティ司令官とスラユット首相は、第2クーデターや首都での非常事態宣言発令を否定。タクシン支持派を中心とする反軍政集会が勢いを増していることから、ソンティ司令官がスラユット首相を解任し首都に戒厳令を敷くといった噂が流れていた。 | |
民主党幹部のコープサック・サパーワスは、タクシン前首相は口座凍結命令の無効化及び自らが関与した不正・汚職案件に対する免罪のため、国連難民高等弁務官事務所からの政治難民認定を取ろうとしていると指摘。口座凍結の決定の際にタクシン前首相の法律顧問であるノパドン・パッタマが、国家安全保障評議会側が前首相の身の安全を保障しない場合、国連難民高等弁務官事務所の保護下で帰国を強行するとの発言に対してのもの。コープサックによると、先にタイへの投資凍結を呼びかける声明を発表したアメリカの大手国際法律事務所は、国連難民高等弁務官事務所から政治難民としての認定を貰う目的で前首相が雇った可能性が高いという。 ニット外務大臣は14日、国連は当該国の要請が無い限り内政干渉をしない事を原則とし、国連難民高等弁務官事務所が前首相の帰国の保護に乗り出すという事はあり得ないとの考え。 ノパドンは、タクシン前首相には政治難民認定を申請するつもりはないと否定。 | |
ソンティ議長のタクシンの帰国に先立ち評議会に事前通告をする必要という発言に対し、ノパドンは、午後、前首相の帰国前に評議会側の許可をとる必要はないとの認識。帰国見送りの理由に国内和解推進のとし、安全上の理由とした前言を修正。 | |
第2地区国軍本部のスチット本部長は、管轄内のブリラム県を地盤とするネーウィン・チットチョープが頻繁に旧タイラックタイ党関係者等と面会し政治的な動きが確認されたと監視している事を明らかに。 ネーウィンに対して出頭要請は、現状では煽動目的の大衆動員等の活動が見られていないから必要はないとの考え。 | |
仏教の国教化を要求し、国会議事堂前で座り込み活動を展開している仏教信者団体は、PTVが中心の反独裁民主主義同盟からの合流打診を拒否したことを明らかに。広報担当のウィチット師によると、PTV側から国教化要求勢力の合流によって国家安全保障評議会の崩壊及び新憲法案の廃案がより現実的になるとして同盟へ合流の打診があったが、政治的な道具として利用されたくないと打診を拒否。PTVに対して、それぞれの団体が目標実現に向けた活動に注力する事が重要で、間違っても集会の場で国教化要求勢力が同盟に合流したと喧伝すべきではないと指摘。 | |
スラユット首相が14日16:30に国王に拝謁する予定。今回の拝謁は、表向きには警察士官学校の卒業生への訓辞等を受けるためだが、再クーデターの憶測やタクシン支持派の活動激化が予想されている最中での拝謁に注目が集まっている。 | |
タイのタクシン前首相の顧問弁護士は、前首相一族の銀行口座から引き出された230億Bのうち、160億Bは株式、不動産などに投資、70億Bは英プレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティの買収資金として保管と主張。いずれもタイ国内にあるという。 11日に前首相一族の銀行預金を凍結すると発表したが、一時700億B以上あった預金残高が現在は約430億B程度で、凍結を避けるため資産を海外に持ち出した疑い。 | |
反独裁民主主義同盟のチャクラポップ・ペンケーは集会の壇上で、15日21時に遠隔会議システムを使用してタクシン前首相の生の声を集会会場に届ける事を明らかに。チャクラポップによると、タクシン前首相は現在の心境や今後の政治との関わり合い、昨年09月19日に発生したクーデターの背後関係についても詳細に語る予定。タクシン前首相の「出演」に対する妨害行為があった場合に備え、過激な手段に依らない3つの対抗手段を準備。 タクシンは昨年09月、ニューヨーク滞在中にクーデターで政権を追われ以来一度もタイに帰国していない。肉声がタイで流れれば支持者への影響は大きいと予想される。集会は1万人以上の参加が予想されることから、治安当局は警官数千人を会場周辺に配備し、陸軍本部前、プレム枢密院議長(元首相)宅などに兵員を配置。 一方、チャクラポップは、国家安全保障評議会内及びその他の3つの情報源から、帰国後のタクシン首相を狙った暗殺計画を明らかに。暗殺計画は、ロッブリー県パーワーイ郡内にある特殊戦闘部隊関係者10人が5つのグループに分かれてスワンナプーム国際空港に到着したタクシン前首相を自動車爆弾で一般人もろとも爆殺するというもの。 | |
反独裁民主主義同盟に合流した民主主義連盟代表のウェーン・トーチラカーンは、15日にタクシン前首相の声を会場に届ける方針を決定するなど、親タクシン色を強めている同盟の活動方針に抗議、同盟から離脱すると表明。嘗て民主主義市民連合に合流した事もある反タクシン派としても知られるウェーンによると、タクシン前首相がクーデターの真相を参加者に明らかにするのは必要だが、15日にタクシン前首相の声を会場に届ける件はウェーンを含む同盟幹部7人の合意に基づいたものでなく、またタクシン前首相の復帰を活動目標に掲げる事も自身の理想に反するため。 | |
夜半 | 親タクシン派色を明確にしている反独裁民主主義同盟からの離脱を表明した、民主主義連盟代表のウェーン・トーチラーカーンは、前言を翻し同盟の集会に再合流する方針。同盟を離脱するとする報道は、自身の理想と反するタクシン前首相の政権復帰推進を同盟が目標に掲げた場合は、離脱もあり得るとの発言を意図的に拡大解釈した「誤報」で、タクシン前首相は民主主義の信奉者である点で自身の信条と合致しており、同盟から離脱する事はないとか。 ウェーンは昨年初旬に反タクシン派の民主主義市民連合の集会に合流した際に、演台上で「タクシン首相(当時)はシン社株式の売却により国家主権まで外国に売却した売国奴である。」と非難していた。その後民主主義市民連合側が国王による首相指名を誓願する方針は民主主義に反するとして、連合から離脱していた。 |
06月15日(金)朝 | 21時からの反タイ軍事政権集会にタクシン前首相がビデオ会議システムを使い登場について、シティチャイ情報通信技術(ICT)相は中継を遮断しない考え。スラユット首相とソンティ陸軍司令官の同意を得ている。前後してソンティ議長は、「前首相の集会会場への登場は、これまでの自らの発言に反して政界から手を引く意向がないことを窺わせるものである。」と述べたが、妨害する意図は否定。 |
スラユット首相は、集会勢力が過激化した場合、状況を見極めた上で「最終手段」として非常事態宣言も。朝に行われた国家警察本部のセーリーピスット本部長代行及び国家安全保障評議会のソンティ議長との協議を終えた後に語られたもの。 | |
スラユット首相は、首相官邸内で貧民連合の代表約30人と2時間に渡って貧困層が抱える問題に関して意見交換。出席した閣僚は、パイブーン社開発・人間の安全保障大臣、アーリー国務大臣、チャローンポップ財務大臣、ティラ農業・協同組合大臣、アパイ労働大臣、ガセーム天然資源・環境大臣等。 貧民連合は、親タクシン派・反タクシン派とは距離をおいて活動している農民団体で、主に官邸前での強硬な座り込み要求活動や政府関係のセミナー会場前での要求活動を展開してきた。タクシン政権時代に、政権側が権力を乱用して反政府勢力の1つとして不当に代表者の資産調査を行った。 協議を終えたスラユット首相は、「今後も国民を抱える問題に全力をあげて取り組むとし、早急に解決できない問題に関しては今後も政府・関係機関と利害代表者との間で意見交換を行う機会を持っていきたい。」と語った。 | |
反独裁民主主義同盟の集会にタクシン前首相は、最終的にロンドンの邸宅で録画されたビデオでの登場。集会前の時点でマスコミの間で録画済みビデオでの出演になるとの憶測が飛び交っていた。同盟側は直前まで生での出演になると主張していた。 アンプ付きの5台の宣伝車が集会の参加を呼びかけ、10000~15000人が参加。 タクシンのビデオ演説が終わるとすぐに、開催地を去っているのが見られた。30000~50000部のVCDを配布する予定。 約27分間のビデオの中で、タクシン前首相は、資産凍結決定は根拠の無い不当な政治的な迫害で、「私は威厳を取り戻すために戦うつもりで、そうでなければ、国は信頼を失う。」 と、戦いの継続を宣言。「不明になっているとされる資産は投資で、隠匿された資産はない。」「更に貧困だった子供時代から国の為に役立ちたいと思い首相に就任した。政界復帰の可能性に関しては直接政治と関わりあうつもりはない。」と語り、従来からの主張を繰り返した。 国民に対して国王が80歳の誕生日を迎える年であり挙国一致に取り組むよう呼びかけた。 生でなくビデオ出演し、集会参加者を煽動発言がなかったのは、タクシン前首相なりの配慮か。 国軍最高司令官のブーンサン・ニアムプラディットは、反クーデター集会と警備状況を21国の大使館付武官に事情を知らせた。 旧タイラックタイ党関連の人間が相次ぎ出国。タクシンの妻のポチャマンと長男パントーンテー、次女ペーントーンターンはシンガポールに滞在。ネーウィン・チットチョプとプロミン・レルトスリデンは香港に向かった。スダラット・ケユナラパン♀はシンガポールに向かったとされたが後に否定。 | |
06月16日(土)07時過ぎ | 国家立法議会議員のバンナウィット・ゲンリヤン海軍大将率いる超党派の国民約3000人がラーマ5世像前に集まり、国王が80歳を迎える年であり国内和解、挙国一致に取り組むべきであると訴え、対立を煽り国家に損害を与える反独裁民主主義同盟の集会活動を非難。国家安全保障評議会に対して4つの公約の早期達成を要求。 参加者には、民主党幹事長のステープ・トゥアックスバンやパランタム党元党首のチャイヤワット・シントゥウォン、元タイラックタイ党出身でサノ・ティヤントーンが設立したプラチャラート党に合流し最近離党したプラムワン・ルチャナセーリーら。 |
タマサート大学のスラポン学長が、05月末に参政権の5年間停止処分を受けたタイラックタイ(タイ愛国)党の幹部111人の一部に対する恩赦を提案。大物政治家の大量退場処分で政治が不安定化、処分の原因となった選挙違反に関与していないとみられる元幹部を次期総選挙に出馬させ愛国党支持者の不満を和らげるべきと主張。 元幹部に対する恩赦はソンティ陸軍司令官が提案し反発を受け撤回していた。スラポン学長は「恩赦案は政府や軍政が提案すべきではない。」と主張。支持が得られれば、自らが議員となっている立法議会(国会に相当)に恩赦法案を提案する考え。 参政権停止処分を受けた政治家は、タクシン前首相、チャトゥロン前副首相、ソムキット前副首相兼商務相、ソムサック前労相、スワット前副首相、プラチャーラート党のサノ党首ら。2005年、2006年の総選挙で下院議席の3分の2以上を押さえた愛国党の派閥領袖。特に地方では、こうした大物抜きの選挙は非現実的という見方もある。 | |
夜 | 陸軍本部へ向けたデモ行進を予定していた反独裁民主主義同盟は、雨のため、5万人動員を豪語していたが、ほとんど1万人に達せず、陸軍本部とプレム枢密院議長邸への行進も意気が上がらず、非暴力を訴えた約2000人の警官隊が陸軍本部周辺とラチャダムヌン通りの橋に配備、別動隊4000人がサナーム・ルアンを包囲され消沈。大雨のため散会。向こう3日間はデモ行進を行わない方針。集会に関しては当初計画通り24日まで連日サナームルワンで開催される予定。 決定に先立ち、幹部のチャトゥポン・プロームパンが、デモ行進に紛れ込んだ当局関係者が同盟を陥れる為に政府関係施設に放火する計画があるとして、デモ行進の中止を示唆。実際には当初見込みよりも参加者が集まらなかったこと、21時に前から降り始めた雨の影響で帰宅の途につく参加者が多く、居残った参加者の士気も下降したことが大きな要因。 |
06月17日(日) | 朝、反独裁民主主義同盟が国家安全保障評議会本部が置かれている陸軍本部を訪れ、評議会委員の総辞職と早期の国民への主権回復を要求する書状をソンティ議長宛に提出、要求書は陸軍秘書官のウィーラン・チャンタサーソット中将が代理で受領。 クルングテープのアピラック都知事は、「反独裁民主主義同盟の幹部がデモ行進に代えて国家安全保障評議会メンバーの辞任要求の書状を提出した事は、正常化に向けた取り組みの1つとして評価できる。」との考え。あらためて同盟に対して安全確保の見知から、また良からぬ考えを持つ第三者による煽動行為の犠牲にならない為にもデモ行進を思い留まりサナームルワン内で平穏な集会活動を継続するよう要請。 |
反独裁民主主義同盟幹部のチャトゥポン・プロームパンは集会の際に、国家安全保障評議会を崩壊に導く決定的な秘密情報を24日までに公開すると発表。 機密情報は権威のある人物や社会的に知られた人物3人の会談の断片を記録で、社会的に不適切な内容が記録され情報の公開により3人の地位に致命的なものであるという。 | |
06月18日(月)午前 | 刑事裁判所は、ポチャマーン夫人が国家毀損行為調査特別委員会等を提訴した訴訟を棄却。 ポチャマーン夫人は、クルングテープのラチャダーピセーク通り沿いの土地不正取得疑惑の調査過程で職務遂行義務違反があったと、国家毀損行為調査特別委員会及び土地不正取得疑惑調査分科委員会の委員17人を提訴していた。刑事裁判所は、疑惑の調査は憲法で認められた権限を行使したものであり、職務遂行義務違反の具体的な証拠が原告側から提出されていない事が理由。 |
国家経済社会諮問会議議長のコートム・アーリーヤー(元中央選挙委員会委員)は、国内和解推進の為に中立的な立場で国家安全保障評議会と反独裁民主主義同盟やタクシン前首相との対話実現の仲介を買って出る意向。コートムは、「意見が対立する層同士が対立し激化する傾向を見せ始めている今こそ、両者間の意見の溝を埋める為の話し合いの場を作るべきで、国家に損害を与えないためにも対話を通して解決の糸口を模索する事が重要である。」と述べた。 | |
ソンティ陸軍司令官は、「反軍政集会参加者のうち自発的に参加しているのは2000人程度。他は1日500Bで雇われているだけだ。」と、反軍政派の抑えこみに自信。年内に予定されている下院総選挙については旧野党が選挙で勝ち政権につくという見通し。 | |
タイラックタイ会派を率いるチャートゥロン・チャーイセーンは、「クーデター後9ケ月の間に4つの公約はおろか大義名分に掲げた立憲君主体制下に於ける行政改革(ないしは統治改革)すら実現していないばかりか、独裁体制の創成にむけ牽制機能を担う独立機関に介入し、社会対立を煽動している。」と政府・国家安全保障評議会は「改革」を捨て「独裁」の道を歩み始めていると指摘。 チャートゥロンは、新党結党にあたっては従来通りの党名を使用し、従来通りの幹部構成で党を発足させる。月末に新党結党及び情勢分析の研究会を開催する。タイラックタイ党の創設メンバーの1人で、その後党と袂を分かったプラチャイ・ピヤムソムブーン警察大尉を次期首相にとの声が一番多かった事に関し、タイラックタイ党が解党されても国民の支持が民主党やチャート・タイ党、マハーチョン党に動いていない事を覗わせるものと逃げた。 | |
民主主義市民連合幹部のチャムローン・シームゥアン少将は、16日朝にラーマ5世像前に集まり和解推進・挙国一致を訴えた「超党派の静かなる力」と名乗るグループは民主主義市民連合と無関係と表明。 15日夜半にASTVで放映された番組の中で、ソンティ・リムトーングクンが16日朝にラーマ5世像前に集まって挙国一致の早期実現を望む物言わぬ国民の力を反独裁民主主義同盟に見せつけようと呼びかけていた。英字紙のネーション紙等が民主主義市民連合が主催し、参加者の動員をかけたとの報道に対し、チャムロン少将によると、「この動きについては連合内で協議が行われておらず、ソンティ独自の判断で呼びかけたものではないか。」という。 民主主義市民連合として活動を再開する可能性に関しては、「現在は活動を再開するべき状況にはない。」と、連合として活動を再開する場合は幹部間による事前協議での合意を受けた後になるとの考え。 | |
民主党のステープ幹事長は、タクシン前首相がクーデター阻止のためソンティ議長に20億Bを支払い、対立解消及び自らが問われている疑惑の帳消しを求めたとの噂が広がっている件に関して、「賄賂の収受が行われていたら何故クーデターが発生したのか説明ができず、そもそもケチな前首相が大金を払うわけがない。」と一笑に付した。 ソンティ議長側に対し、意図的にこの様な噂を流す輩に対して何らかの法的措置を講じるべきであると指摘。 | |
国家安全保障評議会のソンティ議長は、19日にタクシン首相が絡む汚職疑惑案件の捜査結果発表が法務省特別捜査局(DSI)によってなされ、スラユット首相にとって良い内容の話になるだろうとの考え。タクシン前首相が絡む証券取引法違反関連の捜査結果が発表される見通し。 ソンティ議長は、先に反独裁民主主義同盟が24日までにクーデターに絡む有名な陸軍将校クラス3人(同盟のチャトゥポンは権威のある人物と社会的に有名な人物の3人と発言)の会談の模様を記録した資料を公開するとの宣言は、「特に不安を感じない。」と語った。 前後して、特別捜査局のサマイ局長は、タクシン一族系のSCアセット社の持ち株をブリティッシュ・バージン諸島のウィン・マーク社名義に書き換え資産隠匿を図ったとされる案件に対する捜査結果と証券取引法違反での告訴の是非について19日に記者発表を明らかに。 | |
タイ検察庁検事総局は、タクシン前首相夫妻を汚職防止法違反で起訴と発表。昨年09月に政権を奪取したタイ軍事政権はタクシン政権の汚職をクーデターの主な理由に挙げたが、タクシン本人が起訴されるのは今回が初めて。 タクシンが首相在任中だった2003年に妻のポジャマンがタイ中央銀行から不動産を購入した取引が国家機関と当該機関の管理・監督職である国家公務員もしくはその配偶者が事業契約などを結ぶことを禁じた汚職防止法に抵触と判断。問題の土地はクルングテープの都心から近い地下鉄沿線ラチャダーピセーク通り沿いにある国有地、33ライ(5.3ha)。ポジャマンはタイ中銀が実施した差し押さえ不動産の競売でこの土地を7億7200万Bで落札。不当に低価格で落札したとして、21日に最高裁判所政治家刑事案件部に対し、土地の国家再収容を要求する訴訟を提訴。 軍政がタクシン政権の汚職捜査のため設置した国家毀損行為調査特別委は、タクシン一族の 新たに発見された7つの銀行口座、総額約80億Bを凍結すると発表。他人名義や会社名義で開設されていた。11日に21の口座に預金されたタクシン一族の資産529億B(約2000億円)の凍結を命じたが、04~11日にかけ当該口座から80億B以上が引き出されていたことが明らかになり資金逃しを防ぐための追加措置。 軍事政権は05月末に旧与党タイ愛国党を解党するなど、ここへ来てタクシンに対する攻勢を強めている。タクシン支持、反軍政の動きは政権を揺るがすには至っておらず、軍政は強気の政局運営に自信を深めている。 | |
反独裁民主主義同盟は、国家安全保障評議会を崩壊に導く決定的な証拠を開示する大規模集会を22日に開催し、23日昼12時から陸軍本部へ向けデモ行進を行うと発表。決定的な証拠を開示する模様を収めたビデオCDを5万部作成し配布し、街宣車を使用し集会に参加できない人々に内容を伝える予定。 | |
06月19日(火) | アピラック都知事が、反独裁民主主義同盟の集会が激化、最悪の事態が懸念されている中に、ワンロップ副知事に定例幹部会の議長役を委任し、私用でイギリスへ向け飛び立っていた事が明らかに。帰国予定は、反独裁民主主義同盟が国家安全保障評議会の崩壊日と定めている24日から一夜明けた25日。最悪の事態に備え24時間滞在先で連絡を取れる体制を整えているとのこと。 |
タイ法務省特捜局(DSI)スマイ局長は、不動産会社SCアセットの証券取引法違反容疑でタクシン前首相夫妻とSCアセット社元幹部のブサバー・ダマポン♀に出頭を要請。今月26~29日に出頭しない場合、逮捕状に切り替える。国外にいるタクシン前首相に関しては、罪状開示を受ける意思を見極めた上で対応を決定。 SCアセットはタクシン一族の不動産会社。オフィスビルや分譲住宅を開発・運営。2006年は総売上高19.9億B。最終利益3.3億B。2003年にタイ証券取引所(SET)に上場した際タクシン一族のSCアセット社(当時はOAIプロパティー社)の株式の名義を株式を分割し総額9億6900万Bでブリティッシュ・バージン諸島に設立登記されたウィン・マーク社に書き換え、意図的に資産報告所に株式の所有の報告をしなかった。2003年にSCアセット社が株式を上場する直前に、ウィン・マーク社の持ち分がマレーシア国内に設立登記された資金運用会社2社に転売され、更にその一部が1株あたり10Bでタクシン前首相の2人の娘ピントーンター・チナワットとペートーンターン・チナワットに転売。上場により3億5000万Bの利益が一族にもたらされた。 有罪が確定した場合は最高で5年の禁固及び問題となった取引総額(969M)の2倍(報道により問題となった株式の時価総額の2倍)の罰金の両方または一方が課せられる。 スマイ局長によると、意図的に資産報告書内でSCアセット社の株式所有に関わる資産を報告しなかった行為は国家汚職防止取締委員会法にも違反するとして、今月中に国家汚職防止取締委員会に対しても告発の手続きを行う予定。 スラユット首相は、「出頭命令に応じタクシン前首相が帰国する場合は政府が身の安全を保障する。」と語った。 | |
昨年04月02日に行われた総選挙の際、小政党の買収に関与したとされる元タイラックタイ党幹部2人に対する刑事起訴の検討を進めていた選挙委員会第4分科委員会は、問題となった2人を刑事起訴が妥当と、選挙委員会の最終判断に付すると決定。 裁判所によるタイラックタイ党に対する解党決定の1つの要件となった小政党の買収に関与したとされるのは、タンマラック・イサラーングーン・ナ・アユッタヤー大将及びポンサック・ラクタポンパイサーン。 | |
06月20日(水) | タクシン前政権の汚職捜査のため設置した国家毀損行為調査特別委は、タクシン前首相一族の7つの銀行口座を追加で凍結すると発表。凍結された前首相一族の口座は合計で35。預金額660億B(約2400億円)。 |
スラユット首相は、新憲法の国民投票を08月19日に実施、賛成多数となった場合、下院総選挙を11月25日(日)に前倒しする考えを明らかに。ドゥシットタニーホテルでの泰日協会の日本人重役との昼食会の席上で、記者団に語られたもの。当初は12月16日もしくは23日を予定。軍事政権は05月末に旧与党のタイラックタイ党が解党。新党の結成は依然認めていない。総選挙が早まれば旧与党派が対策を講じる時間が減り、民主党など既存政党にとって有利に働くとみられている。 | |
06月21日(木) | 国家安全保障評議会のソンティ議長は、タクシン前首相に陸軍司令官の職をねだったとされているのは、「事実ではない。」と否定。 反独裁民主主義市民連合側が「国家安全保障評議会を崩壊に導く」情報として、ソンティ議長がタクシン前首相に陸軍司令官の職をねだる模様を収めたテープの公開を明らかにしたのを受け、ソンティ議長は「職をねだった事実はなく、何ら不安を抱いていない。」と語った。当初は評議会を崩壊に導く決定的な情報として、権威がある人物と社会的に有名な人物の3人の会談の断片を記録した情報を公開すると発表していた。 タクシン前首相と民主主義市民連合との対立が激化していた頃、英字紙のネーションがタクシンの意に反し、王室側の強い意向でソンティ議長が陸軍司令官に着任したと断定していた。 |
タイ検察庁は、タクシン前首相の妻のポジャマンが2003年にタイ中央銀行から土地を購入した取引が汚職防止法に違反し、前首相夫妻を最高裁判所に起訴。問題の土地の差し押さえを要請。 クーデター後、タクシン本人が起訴されるのは今回が初めて。最高裁は07月10日に受理するかどうかを決める。 | |
英大衆紙ザ・サンは、英サッカープレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティの株主がタイのタクシン・チナワット前首相に株式の66%を売却で合意したと発表。売却額は1億800万ポンド(約266億円)。ただ、プレミアリーグによるオーナー資格審査に失格すると買収は成立しない。 06月中旬にタクシン一族のタイの銀行預金667億B(約2400億円)を凍結した。ザ・サンは、タクシンは「買収資金が手元にあると約束した。」タイでは一定額以上の国外送金にタイ中央銀行の許可が必要で、タクシンがどうやって資金を国外に持ち出したかは不明。 タクシンによる買収成立の場合、マンチェスター・シティの監督には、スウェーデン人で元イングランド代表監督のズベン・ゴラン・エリクソンが就任する可能性が高い。 | |
英サッカープレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティの取締役会は、タイのタクシン前首相による総額8160万ポンド(約200億円) の買収提案について、「提案は公正、合理的。」と、株主に受け入れを薦めると発表。プレミアリーグによるオーナーの資格審査に合格すると、タクシンによる買収が成立する見通し。 タクシンは「マンチェスター・シティの取締役会が私の買収提案を株主に薦めてくれてうれしく思う。」と述べた。 | |
タイのタクシン前首相は、英経済紙フィナンシャル・タイムズのインタビューでタイ軍事政権による資産凍結を違法として訴える考えを示した。タイへの帰国は軍政と市民の衝突を引き起こす恐れがあるとして当面先送りする模様。 | |
タイ国営通信大手TOTは取締役会で、ウティポン取締役兼社長代行を解任。軍事政権幹部、シティチャイ情報通信技術(ICT)相らとの衝突が原因とみられる。ウティポンは解任についてのコメントを避けたが、TOTが軍部に盗聴機器を8億Bで購入するよう迫られていると軍の不正を示唆。 軍事政権は今年01月、幹部のサプラン陸軍司令官補をTOT会長に送り込み、事実上支配下。05月には当時のTOT社長と副社長兼携帯電話子会社タイモバイル社長を事実上解任。 | |
06月22日(金) | イギリスのサッカーチームマンチェスター・シティーの買収がほぼ確実視されているタクシン前首相は、チンナワットではなく、これからは「シナトラー」と叫びながら歓声をあげて欲しいと注文。 |
反独裁民主主義同盟は、23日14:30から陸軍本部に向けデモ行進を開始の予定。10万人規模の参加者が見込まれると豪語。 デモ行進では、街宣車4台を投入する他、警備と平穏な行進を確保するためボランティア要員を要所に配置し、街宣行動に対する妨害行動を防ぐためバイクやタクシー車両をしんがりに配置する予定。 不穏の事態に陥った場合、即座に行進を中止させる方針。状況を見極めた上で夜通しで陸軍本部前で座り込み要求活動を展開する可能性もある。 | |
反独裁民主主義同盟幹部のチャトゥポン・プロームパンは、民主党のアピシット党首が選択徴兵制に基づく応召を回避した防衛省の資料を24日に公開すると発表。チャトゥポンによると、アピシットが応召を回避し不正な手続きにより士官学校の教員に就任した資料もあるという。 | |
反独裁民主主義同盟は、集会において高等裁判所判事と高級官僚との電話の会話と最高裁判所所長秘書官と高級官僚との電話の会話の断片を記録した2つのテープを公開。「プレム枢密院評議会議長が国王の訓辞の主旨を歪め、クーデター実現の為の手段として悪用した。」と指摘。 チャクラポップ・ペーンケーによると、テープは昨年04月25日に国王が憲法・行政裁判所判事に訓辞を与えた際に、当時の野党や民主党が要求していた国王による暫定首相の任命を拒絶し、「3裁判所が共同で04月02日に行われた総選挙の有効性のる判断を含め、危機的な状況にある国家の救済に動くべきである。」との発言を受けて交わされた電話会話。幹部クラスではないプレム枢密院評議会議長に近い判事が高級官僚に電話をしている事が、プレーム議長が野望実現の為に国王の訓辞の主旨を歪め、総選挙を無効化し、選挙委員会委員の罪を問い実刑判決を下させ、クーデターを実現させ、タイラックタイ党に対する解党を覗わせているのだという。 公開されたテープの音声は極めて不鮮明で殆ど聞き取りが不可能な代物だが、チャクラポップによると、会話の中では総選挙の無効化及び選挙委員会委員に対する辞職勧告の決定に向けた会話が記録されている。 先に権威がある人物と社会的に知られた人物3人の会話の断片を国家安全保障評議会を崩壊へ導く決定的な情報として公開すると予告。マスコミは評議会のソンティ議長が陸軍司令官のポストをタクシン前首相にねだった模様を収めたテープが決定的な情報として公開されるのではないかとの憶測が飛び交っていた。 | |
06月23日(土)午後 | 反独裁民主主義同盟は、15時前、サナームルワンからデモ行進をを出発。16時頃に陸軍本部前に到着。 その後陸軍司令部前で集会を23時半に終了し散会する予定だった。 デモ隊がパンファー橋付近を通過した時点で18000人前後(数千人)がデモ行進に参加していたと見られる。陸軍本部前に到着したデモ隊は、折からの強い雨の影響で帰宅の途につく参加者が出始め、わずかに4000人弱の参加者のみが残る状況になり、その後19時前までに幹部側がサナームルワンへの引き上げを決定。当地で集会の散会が決定された。但し一部報道は、雨が止んだ後に再度得陸軍本部前に人が集まり出したと報じでいる。治安当局は警官約2000人を配備し警戒に当たった。 ネーション紙は消息筋の情報として、参加者の多くが500Bから1000Bの支給が約束されていた、イデオロギーではなく金で引き寄せられていた者達だったが、雨による散会の為に殆どの者が受け取ることが出来なかった。 今回のデモ行進は、タクシン支持派色が濃かった前回の行進を嫌い一時同盟からの離脱を示唆していたウェーン・トーチラーカーンを始めとする非PTV系の幹部が主導している模様。今回の結末は、タクシン支持色を排除し反クーデター・早期民主主義回復を全面に打ち出しただけでは、人が集まらず、参加者を引き止める事が出来ない事を覗わせている。 |
06月24日(日) | 独裁民主主義同盟は、25日13時に幹部8~10人がプレム枢密院評議会議長の公邸に赴き7日間以内の辞職を要求し、プレム議長が辞職を表明しなかった場合、集めた署名を添えて王室管理事務所に罷免要請請願の予定。 幹部のチャクラポップ・ペンケーは、公開された会話の断片によりプレム議長が国王の発言を歪め総選挙を無効化し、クーデターを起こした事を充分に証明できると強調。26日か27日に会話の断片を収録したCDを添え議長、会話の当事者である最高裁判所判事補のウィラット・チンナワニチャクン、高等裁判所判事補のパイロート・ナ・ワーヌットを不敬罪で告発する方針。幹部のチャトゥポン・プロームパンは、今後集会活動を地方で展開と発言。 |
06月25日(月) | 国家安全保障評議会のソンティ議長は、政府及び反独裁民主主義同盟を交えた三者協議実現の呼びかけを支持。長老学識経験者のプラウェート・ワシーが公開三者協議の実現を呼びかけた事を受けたもの。ソンティ議長は良い解決策であるとの考えを示したが、同盟側が要求している評議会委員の総辞職には応じる考えがないと明言。一方、パイブーン副首相(兼社会開発・人間の保障大臣)は、「政府は中立的な立場、当事者の立場のいずれの立場でも前向きに協議へ参加する用意がある。」、「協議実現に向けた取り組みに関しては、まず中立的な人物が間にはいって三者間で調整を進めた上で段階的に協議の規模を広げていくべきである。」との考え。 |
国家警察本部のセーリーピスット本部長代行は、反独裁民主主義同盟が決定的な証拠として最高裁判所の判事補等と名前が明らかにされていない高級官僚との電話での会話の内容の断片を収録したテープを公開しプレム枢密院評議会議長を攻撃した事が不敬罪に該当しないかプレム枢密院議長と協議を行う方針。「枢密院評議会議長の名誉を毀損する行為は不敬罪に該当する。」との考えを示し、プレム議長の意向を直接確認し、議長が名誉を毀損されたと感じていないか、感じていても警察に告発する意向がないときは、不敬罪での立件を断念。同議長側が告発する意向を示しせば、本人ないしは代理人による告発手続きに基づき不敬罪での立件を視野に捜査を開始する。 | |
昼過ぎ | 反クーデターを標榜する独裁制に反対する土曜日の人々の幹部を中心にした反独裁民主主義同盟の幹部はプレム枢密院評議会議長公邸前に赴き、「あたかも民主主義体制下に存在する3権の上に立つ国家の長のように振る舞い、クーデターを共謀しクーデター勢力を支持した行為は枢密院評議会議長として極めて不適切な行為である。」として、議長に対して7日間以内に辞職するよう要求する公開状を差し出した。向こう7日間以内にプレム議長が辞職しない場合は、10万人以上の国民の署名を添えて議長の罷免を要請する請願書を王室管理事務所に提出する。 |
マッチマー会派を率いるソムサック・テープスティンは、道義会派を率いるソムキット・チャートゥシピタックが新党ルアム・チャイ・タイ党を結党する方針を明らかにした事に関し、歓迎の意を表明したが、新党との合流の可能性に関しては依然不透明。先に、ソムサックは香港でソムキットと協議を行い共同で新党を結党する方向で合意に至っていた。ソムキットによる新党結党に向けた方針発表は26日に行われる。 | |
タクシン政権の汚職捜査のため設置した国家毀損行為調査特別委は、タクシン前首相の義兄のバナポットの銀行預金47.8億Bを凍結。国家毀損行為調査特別委が凍結した前首相一族の資産は合計714.4億B(約2700億円)。前首相一族は昨年タイ通信最大手シンの株式約50%をシンガポール政府の投資会社テマセクに733億Bで売却。売却益の大半をタイ国内の銀行口座に預金。軍政はこの取引による売却益をすべて凍結する方針。 | |
06月26日(火) | 憲法起草委員会のプラソン委員長は、「下院総選挙の投票日は12月05日の国王誕生日以降が望ましい。」と、スラユット首相が提案した11月25日への前倒しに反対。今年はプミポン・タイ国王が80歳を迎えるため、盛大な式典が予定され、街中に選挙ポスターが貼られ、式典前に街が見苦しくなることに懸念。総選挙は12月16日または23日に予定されているが、国内世論のガス抜きを狙ったスラユット首相が今月20日、前倒しを提案。 |
タクシン前首相は、タイの顧問弁護士を通じ、年末に予定されている下院総選挙が終わるまで帰国しない考えを明らかに。タクシン夫妻には証券取引法違反容疑で出頭命令が出ており、26~29日にタイ法務省に出頭しない場合、逮捕状が出る可能性がある。 タクシンは昨年09月のクーデターで失脚。英国、支那などで事実上の亡命生活。帰国しない理由には、タイは軍事政権下にあり公正な裁判が受けられず、身の危険もあると主張。 タイ軍政は当初、国内のタクシン支持派を抑えるため、帰国を認めない方針を取ったが、英サッカープレミアリーグのクラブのマンチェスター・シティの買収で脚光を浴びたタクシンが海外メディアで軍政批判を展開したことから帰国を迫る戦術に切り替えた。タクシンは、帰国しタイの法廷で争う方針を海外での揺さぶりに切り替えた模様。両者は立場を入れ替えた形。 | |
タクシン政権の経済政策を指揮したソムキット・チャトゥシーピタック前副首相が支援する政治集団「ルアム・チャイ・タイ」が、旗揚げの記者会見。特定の組織や特定の利権に固着しない戸口の広い政党を設立する方針。政党登録解禁後結党し、年内に予定される下院総選挙に挑む。記者会見に出席したのは、元マハーチョン党党首(元民主党副党首)のアネーク・ラオタンマタット、元クルングテープ都知事でモット・ンガーム会派を率いるピチット・ラッタクン、前タイ証券取引所(SET)所長のキティラット・ナ・ラノン、元民主党幹事長のプラディット・パトラプラシット、ソムキット副首相兼商務大臣時代に商務大臣補佐官だったスウィット・メーシンタリー、元新希望党やタイラックタイ党所属下院議員のスラチャイ・ダナイタントラグーン及び元上院議員のスラポン・ダナイタントラグーンの7人。当初見込まれていたソムキット・チャートゥシピタックやスラナン・ウェーチャーチーワの姿は見られなかった。 当初はソムキットを党首の予定だったが、前与党のタイ愛国党に対する解党命令で参政権を5年間剥奪され、党首、幹事長は今のところ未定。党の設立登記を終了した後に発表予定。 7人は党設立方針発表の中で、ルアム・チャイ・タイ党とソムキット・チャートゥシピタックが率いる道義主義会派やソムサック・テープスティンが率いるマッチマー(中道)会派との関係、解党判断が下されたタイラックタイ党の代理政党との指摘を強く否定。特定の組織や特定の利権に固着しない戸口の広い政党として道義主義会派やマッチマー会派を始め他政党・派閥関係者の合流を歓迎していく方針。既にタイを代表する学識経験者として知られるチャイアン・サムッタワニット(元憲法裁判事、民主主義市民連合に合流)やソムチャーイ・ポクパートウィワットの2名が合流を表明している他、複数の元上院議員が党への合流に関心を示している ルアム・チャイとの合流が噂されたソムサック・テープスティンが率いるマッチマー(中道)会派は独自路線。ソムサック・テープスティンは遊説先のイサーン(東北)地方で、農業関係者・貧困層志向の新党の結党を表明。東北地方救国団体調整役でタイラックタイ党による小政党の買収疑惑を最初に暴露したタイゴン・ポンスワンを次期総選挙でコンケン県内の選挙区から擁立する方針を明らかに。 ルアム・チャイは高学歴の学者タイプが多く、首都圏ではある程度の得票が期待できそうだが、現状では地方の基盤が皆無に等しく総選挙で議席が稼げるかどうかは疑問視。 * アネーク・ラオタマタット 1954年、北部ラムパング県生。父は客家、母はタイ系で精米所を経営。チュラロンコーン大学医学部在学中に学生会長となり、軍部の弾圧事件後、南部の共産党地域に3年間潜伏。投降後、米コロンビア大学で政治学博士号を取得。1999~2000年タマサート大学政治学部長、 2000~2004年民主党副党首。2004年にマハーチョン党を結党。2005年の総選挙で大敗し党首を辞任。 * プラディット・パタラプラシット 1955年、北部ピチット県生。金融、ホテル、セラミックなどで知られる支那人 財閥のパタラプラシット家出身。米フランクリン・ピアス大学卒。1995年に民主党から下院選に出馬し当選。1997~2001年副運輸通信相、2003~2005年民主党幹事長。 * キティラット・ナ・ラノン 1958年生。米ノースウエスタン大学経営大学院ケロッグ校で経営学修士号(MBA)取得。民間の証券会社、投資会社の経営に携わり、2001~2006年SET所長。 | |
国家安全保障評議会は、反独裁民主主義同盟の集会参加者が現金で買収されたサクラの証拠の隠し撮りビデオを公開。組織的に集会参加者の動員が行われたり、参加者が金銭で買収されている模様が記録。集会では、一定の時間になると参加者が一斉帰宅も連日の様に見られている。 | |
反独裁民主主義同盟は、30日からクルングテープの全ての区内で同盟の活動を訴える街頭活動を開始。同盟幹部のウェーン・トーチラーガーンによると、今後地方及び海外での活動を視野に4つの組織を同盟内に創成し、クルングテープにおいては30日から政治的な知識を豊富に持つメンバー8人を中心に配置した100から200の小グループを組織。全区内において演説やビラ・CD等の配布を行い同盟側の主張を訴える方針。 雨天の為に途中で中止になった23日に行われた陸軍本部へのデモ行進は、タクシン体制やタイラックタイ党を全面に出さず平穏時に終了した事に満足を表明。 ウェーンは、反タクシン体制派としても知られ、タクシン支持色を明確にしているPTV等の同盟内の傘下団体との間で度々意見が対立していた。 | |
06月27日(水) | タイ法務省特捜局(DSI)は、06月26~29日としていたタクシン前首相夫妻への出頭命令を07月27日まで1ケ月延長すると発表。DSIは前首相一族の不動産会社SCアセットをめぐる証券取引法などの違反容疑でタクシン夫妻を取り調べる予定。出頭しない場合は逮捕状をとる。 |
チャート・タイ党副党首のウィーラサック・コーウスラットは、「憲法起草議会の新憲法制定の是非の国民投票への参加呼びかけ広告に国民に誤った脅迫概念を植え付ける極めて不適切な文言が記されている。」、「『総選挙を実現するために憲法を承認しよう。』とする文言は、国民に新憲法案に反対すると選挙が行われなくなるとの誤った認識を植え付ける恐れがある。」と洗脳広告を非難。「広告には新憲法案の内容や国民投票への参加を呼びかける内容の記載に留めるべき。」とした。 | |
06月28日(木) | ブンロート防衛大臣は、スラユット首相及びソンティ国家安全保障評議会議長が身の安全を保障をしている中で、「Killing Zone」という言葉を使用し、身の安全に確信が持てない限りタイ国内に帰国する意思はないとするタクシン前首相の発言を批判。「タイ国内で罪に問われる事を恐れている事を誤魔化すための詭弁でしかない。」、「政治的な機会を含む自己の将来に繋がる機会を掴むためにもタイ国内での嫌疑に対し正々堂々と戦う姿勢を見せるべきである。」と発言。 スラユット首相は、タクシン前首相が身の危険を強調している事に対し、半ば冗談めかして、「私はタクシン前首相の生命保険を預かる事を業とはしていないが、同前首相の帰国後の安全を保障する。」、「前首相がもたれている嫌疑に対しては万人に与えられる公正な法的手続きを保障する。」と語った。 |
スラユット首相は、あらためて総選挙の早期実施を目指す方針を確認。国家立法議会行政改革臨時委員会委員長のウィサヌ・クルゥアンガームが、タイ主催の東南アジアスポーツ大会がナコンラーチャシーマー県内で開催される等の理由をあげ、年内の総選挙の実施が不可能であるとの認識を示した事を受けたもので、スラユット首相は、政党を始めとする各階層の考えや準備状況を勘案した上で選挙日程を先延ばしにする事もあり得るとの認識を示したものの、国際社会からの信頼獲得や国益の為にも可及的速やかな総選挙の実施が好ましいとの考えを示した。 | |
ルアム・チャイ・タイ党の設立発起メンバーの1人のアネーク・ラオタンマタットは、道義主義会派を率いるソムキット・チャートゥシピタックの党への合流を発表。 アネークによると、ソムキットは5年間に渡って被選挙権が剥奪されている身であることから、当面表舞台に出ず非公式に党の活動を支援する見通し。 | |
06月29日(金) | 国家立法議会議員のチャイアナン・サムタワーニットは、政界に進出する意向を表明。最終的に現実的で国益に適った政策方針をもつマッチマー会派とルアム・チャイ・タイ党のどちらか合流。 マッチマー会派を率いるソムサック・テープスティンから党首就任の要請に関しては、ルアム・チャイ・タイ党に合流したとされているソムキット・チャートゥシピタックの動向及び新憲法の内容が明確になった後に決める意向であるとすると共に、次期総選挙においては政権の一画を担う気概で望むとした。 かつて憲法裁判所判事や憲法起草議会の議長を務めた事もある法学者としても知られるチャイアナンは、タクシン政権時代に民営化されたコーフォーポー社 (EGAT・旧電力発電公社)の会長に就任したものの、「タクシン前首相一族のシン社持ち株のテマセク社への売却はコーフォーポー社の国外企業による支配への布石である。」と抗議し辞任。その後民主主義市民連合の活動に合流した。昨年03月には自宅前で爆破事件が発生。コーフォーポー社は昨年03月に民営化は違法との判決で公社に復帰。 マッチマー会派のソムサックは、あらためてルアム・チャイ・タイ党に合流せず独自に党を結党する方針。協調する可能性に関しては将来の話であり両者間の対立を誘発しないためにも現在は明言しないと述べた。ソムサックは、「依然ソムキット・チャートゥシピタックやルアム・チャイ・タイ党の行く末に懸念を抱いているが、人材の引き抜きを行ったり自会派内で両天秤をかけている者を迫害する方針はない。」と発言。 |
国家安全保障評議会副事務局長のアヌポン・パオチンダー大将(陸軍副司令官)は、「密集地に於ける警備上の問題だけでなく、経済の中心地で活動を行うことは経済に悪影響を与える。」、「国内が総選挙実施に向かっている最中にあらたな混乱と対立を国内にもたらす事が得策であるのかよく考えるべきである。」とサイアム・パラゴン前での街頭活動を行う予定の反独裁民主主義同盟に対して計画を再考するよう呼びかけた。これは、30日から首都全区内で街頭活動を開始する同盟PTV系幹部のチャクラポップ・ペーンケーがサイアム・パラゴン前での街頭活動を行うとした事を受けたもの。 同盟非PTV系幹部のウェーン・トーチラーガーンは29日開かれた集会の壇上で、30日12時過ぎ頃にサナームルワンを出発し13時頃にサイアム・パラゴン前に到着し、そこで街頭活動を展開すると共に、首都全域52ケ所で街頭活動を展開を明らかに。サイアムパラゴン以外の52ケ所の詳細に関しては、当局側からの妨害の恐れがあるとして明らかにされなかった。新憲法案に対する最終採決が行われる07月06日に国会議事堂を取り囲んで抗議活動を展開する予定。 同系PTV幹部のチャトゥポン・プロームパンは、07月01日13時頃にプラアーティット通りにあるプーチャッカーン紙・ASTVの社屋前を封鎖し抗議活動を展開する方針。 | |
06月30日(土) | 民主党のアロンゴン副党首は、今後小規模なグループで首都圏を始め各地で同時多発的に街頭活動を展開を表明している反独裁民主主義同盟に対し、「今回の方針発表の背景に日を追うごとに集会参加者が減少に対する同盟側の焦りがあり、同盟が国益よりも私益に固執している限りは今後も参加者の減少をくい止める事が出来ない。」と、現実を素直に受け入れ方針を見直すべきだと批判。 |
昼過ぎ | 最近では「謀反人討伐隊(プラープ・ガボット)」と自称する反独裁民主主義同盟の非PTV系幹部のウェーン・トーチラーガーンを中心にした約50人の同盟関係者がサイアム・パラゴン前に集結。辞任を要求する為に01日に行われるプレーム枢密院評議会議長邸前へ向けたデモ行進への参加を呼びかけた。ウェーンによると、01日12時にサナーム・ルワンに集合した後にプレーム議長公邸に向け行進を進め、14時から約3時間に渡って公邸前で抗議活動を展開する予定。 当局側は、サイアム・パラゴンの地上階入り口を封鎖し周辺を鉄柵で防御するなど、厳戒態勢で警備に臨んだ。 サイアム・スクエア前のバス停付近でウェーンが演説を行っている最中、子供2人を連れた女性が「出て行け、お前等のような売国奴・悪人の手先には抗議活動をする資格はない。」と叫び、当局側が制止する場面も見られたが、大きな混乱はなかった。 |
07月01日(日) | 第2地区国軍本部のスチット本部長は、所轄内の旧タイラックタイ党所属元下院議員、ネーウィン・チットチョープ(ブリラム県周辺に影響力を持つ)に不審な動きがあると発表。現状では反独裁民主主義同盟の同時多発型街頭活動に呼応した動員は確認されていないが、ネーウィンがブリラム県内の票の取りまとめ役と頻繁に会っており、監視体制を強化。カラシン県やコンケン県など戒厳令が施行されている東北地方13県内でも、旧タイラックタイ党所属下院議員が頻繁に票の取りまとめ役や住民の代表に会っている事が確認され、同盟の街頭活動に呼応した住民動員を策謀の虞があり、監視を強化。 |
ブンロート防衛大臣は、「仏教国教化を要求している勢力が、反独裁民主主義同盟に合流すれば新憲法制定に大きな障害になる。」と警告。「国民自身の判断で新憲法が制定される事が将来の国内正常化につながる。」と、国民に対して新憲法制定の是非を問う国民投票への協力を呼びかけた。 国家安全保障評議会のソンティ議長は、依然新憲法制定の阻止を画策している勢力が存在し、これらの勢力の思惑の犠牲になりやすい草の根層を中心に、自己の意思で新憲法制定の是非を問う国民投票に参加する事が民主主義の発展の為に重要であるかを訴える啓蒙活動の強化を関係当局に要請。 | |
午後 | プレム枢密院評議会議長公邸へ向けデモ行進を開始した反独裁民主主義同盟は、進路上にクルングテープ行政当局のゴミ収集車両等を路上に配置し行進の進行を阻止され陸軍本部前で滞留していた際、滞留し根気強く当局側と交渉を行うべきであると主張する反タクシン派の非PTV系幹部であるウェーン・トーチラカーンと、迂回してでもプレーム公邸前への進行を強硬すべきと主張するタクシン支持派のPTV系幹部であるウィラ・ムシクポン等の一派との間で意見の対立が発生。ウィラを中心にした一派が迂回路を利用してプレム公邸に進行を始める事態に。 デモ行進は、前回と同様に行進の規律を守る集団を先頭に配置し、4台の街宣車を中心とした4つの集団が続き、殿にタクシー車両とバイクの車列を配置。滞留先の陸軍本部前で発生した幹部間の意見対立により、16時過ぎ頃、PTV系幹部を中心にした2台の街宣車と行動を共にしていた集団が迂回路を利用してプレム公邸へ向け行進を再開。 デモ行進開始前にサナーム・ルワンで行われていた演説の最中に、酒を飲みながら参加している集会参加者に向かって幹部が壇上から苦言を呈する場面も見られた。 陸軍本部前とプラウェートの交差点前で滞留を強いられていた同盟のデモ隊は、20時までにプレム公邸前への進行を断念しサナーム・ルワンへの引き上げを決定。同盟の幹部の1人は、「プレム議長のクーデターへの関与を国内だけでなく海外のメディアを通して国外にも訴えることが出来たことは1つの勝利である。」と言明。 |
反タクシン派の民主主義市民連合幹部のソンティ・リムトーングクン(林明達)のプーチャッカーン紙は、開設しているサイト上で01日行われたプレーム枢密院評議会議長邸へ向けたデモ行進の参加者の買収を物語る「拾い物」を公開。行進が滞留していたメーカワン橋付近で回収された、「評議会出て行け!」と書かれた黄色いハチマキと寺へのお布施や寺の信者が中心になって行う学校等の建設支援の為の募金活動の際に使用される寺の〆印が押された白い封筒。動員された集会参加者へ支給された現金が封入されていたのではないかと推測している。 | |
23時過ぎ | ナコンラーチャシマー県コンブリー郡内の路上で、自宅に帰るために車で走行中だった元タイラックタイ党所属下院議員のスポン・アッターウォンが、小型トラックに乗った人数不明の一味に銃撃され、左頬をかすった弾丸で負傷。 スポンは、訪問先のスゥンサーン郡内から帰宅の途上で、当時車内には運転をしていたスポン1人だけだった。警察は、地方政治を巡る対立が事件の背景にあると見ている。銃撃を受けた際に相手側に向け銃弾2発を発砲し応戦。相手側の被害状況については判らないとか。 スポンは、下院議員時代に旧野党関係者が絡む汚職告発の旗手だった事で知られ、またその武闘派を思わせる言動からイサーンのランボーの異名を持つことで知られている。タクシン政権誕生間もない頃に、当時の野党関係者が絡む汚職疑惑を手当たり次第に告発していたが、間をおかずして自らが絡む建設関連の汚職疑惑を暴露された。 |
07月02日(月) | 旧タイラックタイ党のタイラックタイ会派を率いるチャートゥロン・チャーイセーンは、会派内に対立があるとの噂を否定。 午前に旧本部があったIFCTビル内で行われたタクシン前首相の実妹であるヤオワパー・ウォンサワットを中心にした旧主流派系のメンバーが集まって開かれた会合の席上にチャートゥロンの姿がなかったため、会派内を二分する対立が発生しているとの憶測が飛び交っていた事を受けた発言。ヤオワパー♀やスダーラット♀等との間で対立があるとの噂も否定。 チャートゥロンは、会派の首班を降り政界から一時遠ざかるとの噂を否定し、一両日中に会派としての統一した政治的方向性を明確にする事は明言。 一方、IFCTビル内で行われた会合に出席したポンテープ・テープカンチャナーは、当日チャートゥロンが会合を欠席したのは単に本人が知らなかっただけで、会派内の対立とは一切無関係とし、会合は新憲法案に対する意見交換の為に開かれたもので、前党首のタクシン前首相への忠誠心を示す招集の噂は事実ではないとした。IFCTビル内で開かれた会合には、ヤオワパーを始め旧主流派系の旧幹部の姿が多く見られ、また久しく表舞台に登場しなかったネーウィン・チットチョープの姿も見られた。午後になってチャートゥロンが会合に合流を確認。会合にはタクシン前首相が買収を目指しているマンチェスター・シティーのThomas Cookのロゴ入りのユニフォームを着た者もいた。ポチャマン夫人はシンガポールのラッフルズ病院に入院中。 |
07月03日(火) | 民主党のステープ幹事長は、旧タイラックタイ党系のタイラックタイ会派による新憲法案ボイコットのキャンペーンは失敗に終わるとの考えを示した。02日開かれたタイラックタイ会派の会合の席上で、全国の旧タイラックタイ党党員1900万人を対象に新憲法のボイコットを訴える決定に対して発言。民主的選挙と正常化の早期実現を望んでいる国民の多くが憲法制定の重要性を認識し、新憲法制定関連のニュースに注目しており、旧タイラックタイ党系の票の取りまとめ役や支持層による影響を排除し国民自らの考えで新憲法に関する是非を判断できる状況にあり、ボイコットを呼びかける動きによる影響は殆ど考えられないとか。 先にラームカムヘーン大学が義務教育課程のみを終了した中学歴層を対象に行った意識調査では、中学歴層の多くが国民投票と政治改革の関連性に関して理解していないなど、依然国民自身の判断以上に政党の票の取りまとめ役や地域に影響力を持つ大物の思惑が国民投票の動向に影響を与え得る結果。 |
旧タイラックタイ党系のタイラックタイ会派を率いるチャートゥロン・チャーイセーンは、新憲法案を巡る政党間協議を提案している国家安全保障評議会のソンティ議長の呼びかけに応じる意向。朝、ソンティ議長が各政党の代表者を交えた新憲法案及び国民投票、総選挙実施をキーにした協議を呼びかけた事を受けたもので、チャートゥロンは、国民投票や総選挙の方向性に大きな影響を与える新党結党の是非を中心にした意見交換が主体になるとの考え。 02日開かれた会派の会合の席上で新憲法案のボイコットキャンペーンの展開を決定したと伝えられている事に関しては、まだ会派としての最終結果ではないとし、04日午前に開かれる幹部協議の席上で今後の方向性が決定され、国民投票で新憲法案が否決されても、選挙そのものの中止には繋がらないとの考え。 | |
プレム枢密院評議会議長の出身地であるソンクラー県の議長支持派団体は、毎週日曜日に同議長公邸に向けたデモ行進を行い辞職を迫る事を明らかにしている反独裁主主義同盟PTV系幹部のウィラ・ムシックポンに対して攻撃の中止を呼びかける書状を提出する方針。05日11時に団体関係者やクルングテープに居住するソンクラー県出身者を中心にした約100人がクルングテープのドン・ムアン区内にあるウィラの自宅前に赴き、ソンクラーの住民から尊敬されているプレム議長に対する攻撃を中止するよう要請する書状を手渡す予定。 | |
タイ政府は閣議で、情報通信技術(ICT)相に反軍事政権のウェブサイトの検閲と閉鎖権限を与えた軍政布告の破棄を承認。今回の措置で動画投稿サイトのユーチューブへのアクセスが解禁されるかは不明。昨年09月のクーデターで政権を奪取して以来、政治的なサイト多数を閉鎖。今年04月からは、「プミポン・タイ国王を侮辱する内容の動画が投稿された。」として、ユーチューブへのタイからのアクセスを遮断中。 | |
元サコンナコン県選出のタイラックタイ党所属下院議員のチャルゥムチャイ・ウラーンクンは、タイラックタイ会派による新憲法案ボイコットのキャンペーンの失敗が、会派の政治的敗北に繋がる不安。チャルゥムチャイは、「会派の方針には従うが、会派内には依然キャンペーンが失敗に終わることは会派の政治的機会の喪失に繋がり、また、成功に終わっても、国家安全保障評議会側による1997年憲法の恣意的な運用により新たな利権の葛藤が発生し得るとの懸念の声が上がっている。」と発言。 | |
英BBCテレビによると、タクシン前首相が04日中に英サッカープレミアリーグのクラブ、マンチェスター・シティの株式75%を取得し、経営を掌握する見通し。プレミアリーグによるオーナーの資格審査に合格すると、買収が成立する。タクシン体制下のマンCの監督には、スウェーデン人で元イングランド代表監督のズベン・ゴラン・エリクソンが有力視。タクシンは昨年09月のクーデターで首相の座を追われて以来、主に英国で亡命生活を送っている。タイ軍事政権に汚職で訴追され、タイ国内の資産を凍結されたため、帰国は困難な状況。マンC買収の政治的意図を否定しているが、タイではプレミアリーグが圧倒的な人気を誇るだけに、マンCは帰国できないタクシンのタイ向けの広告塔として機能。 | |
夕方過ぎ | 反独裁民主主義同盟非PTV系幹部のウェーン・トーチラカーン率いる関係者や住民が、ヤソートン県の県庁舎前の路上を封鎖。県知事の指示のもとでサナームルワンで開催されている集会への住民の参加が妨害されたと抗議。一部報道によると県庁前の抗議活動には2万人近くが参加。 夜開かれた集会には、ウェーンの他にPTV系のチャトゥポン・プロームパンやナタウット・サイグゥア、チャクラポップ・ペンケーや、旧タイラックタイ党所属元下院議員等の姿も見られた。 |
07月04日(水) | 旧タイラックタイ党系のタイラックタイ会派を率いるチャートゥロン・チャーイセーンは、会派の幹部会終了後に、「07月06日から開始するキャンペーンでは新憲法案ボイコットや国家安全保障評議会メンバーの総辞職だけではなく、旧政権の復興を否定し総選挙結果を背景にした新権力勢力として政権の奪取を目指す会派の姿勢を訴える。」と発表。 前日の幹部会では、チャートゥロン・チャーイセーンを会派の首班、ポーンポン・アディレークサーンを副首班とし、タクシン前首相直系系のネーウィン・チットチョープやスダーラット・ケーユラパン♀、前首相の実妹であるヤオワパー・ウォンサワット♀、新党結党に動いているとも伝えられていた旧新希望党系会派を率いるスチャート・タンチャルゥン等を執行幹部、同じく新党結党の噂もあるソロアット・グリンプラトゥンや旧セーリータム党党首のプラチュワップ・チャイヤサーン等5人を会派顧問に据える人事を決定。 これにより合計23人の旧タイラックタイ党幹部が会派幹部に就任したが、一部の幹部は、今回の会合で幹部に据えられた事を知らされていないという。今回の幹部会にスダーラット・ケーユラパン♀が出席していなかった事に関して、兼ねてからの対立が噂されているチャートゥロンは、「スダーラット♀は自身が絡む名誉毀損訴訟絡みで出席できなかっただけで、出席できないとの連絡を既に受けていた。」と、あらためて会派を二分する対立の存在を否定。 |
ルアム・チャイ・タイ党設立発起メンバーのアネーク・ラオタンマタットとプラディット・パトラウィシットが記者会見を開き、副大臣経験者を含む元上院議員15人が党に合流し、更に複数人の元下院議員や上院議員が党合流の意向を打診中と発表。 | |
反クーデターを標榜しているクーデターに反対する9月19日ネットワークは、国民に国民投票に関する間違った情報を伝えているとして、国家憲法起草議会のノラニット議長及び起草議会広報委員会のチュティナン委員長を越権及び職務遂行義務違反で告発し、国民に対して国民投票に関する正しい情報を伝える為のキャンペーンを展開する方針。 告発の際に現在行われている国民投票に関する広報活動の中止を命じる仮処分を裁判所に申請し、国民に対して自分自身で充分に新憲法の内容を吟味し良心に従って新憲法の是非を検討した上で国民投票に行くよう呼びかけるという。 | |
反独裁民主主義同盟非PTV系幹部のウェーン・トーチラカーンは、05日にカラシン県内で集会を開催を発表。集会には同盟の主要な幹部が参加する予定で、集会の場では新憲法案の隠された真実を住民に訴え新憲法案のボイコットを呼びかける方針という。10日から12日にかけて北部地方で集会を開催する方向で調整を進めているともいう。 | |
05日に同盟PTV系幹部のウィラ・ムシクポンの自宅前で抗議の書状を手渡すと発表していたソンクラー県の団体を中心にしたプレム枢密院評議会議長支持派団体は、自宅に赴く代わりにプレム議長に対する攻撃を止めるよう呼びかける公開書簡を送付し、パッタルン県選出民主党所属元下院議員のニピット・イントラソムバット率いる住民団体がプレム議長公邸を激励訪問すると発表。代表のチャーリー・ノプウォン・ナ・アユッタヤーによると、ウィラが率いる勢力が予定通り06日にプレム議長公邸へ向けたデモ行進を行った場合は、直接ウィラの自宅前で抗議活動を展開する。 | |
ソンティ国家安全保障評議会議長(陸軍司令官)は毎日新聞と会見。ソンティ議長は改めてクーデターを正当化したものの、総選挙の年内実施を確約。一方で事実上の亡命状態にあるタクシン前首相に対して「自ら裁判に臨んでほしい。」と帰国を促した。議長はクーデターについて「タクシン前政権は外からは立派に見えたが、内部は腐敗していた。民間のビジネスに不当に介入するなど一種の独裁政権と化していた。」として軍の介入を正当化。一方で民主的政権への復帰のための総選挙について「(前提となる)新憲法制定手続きの関係から、年内実施は困難という懸念もあった。しかし、今は年内実施を確約できる。」と述べ、クーデター政権の早期解消へ向けた意欲を強調。 国有地不正取得を巡る汚職防止法違反などで先月、起訴されたタクシン前首相については「裁判が公正に行われるために帰国が必要だ。」と語り、「帰国に賛成しない国民も多いため安全上の懸念はあるものの、帰国して裁判に臨むのなら身の安全を保証する。」と言明。「タクシンが帰国すれば安全は保証できない。」と発言していたが、タクシンへの刑事責任追及と政治的影響力の排除が進み、また先月来の前首相支持者による反政府デモも先細り状態にあり、タクシンの封じ込めに一応の目処が立ったとの自信。タクシンの今後については「起訴で、国民の彼への信頼は劇的に低下した。政治活動を再開できる可能性は低いだろう。」と政治的復活の道はほぼ閉ざされたとの見方。 | |
07月05日(木) | チュラーロンコン大学政治学部行政学科長のチャイヤン・チャイヤポンは、「国家憲法起草議会による国民投票参加を呼びかける広報は、国民を臣民に見立てた前近代的なものである。」と指摘。「国民投票は本来国民自身が新憲法案の内容を総体的に検討した上で投じられるものである。」、「現在行われている広報はあたかも国民が抑圧されていた時代の様に支配階級が国民に賛成票を投じるよう強要する極めて不適切な内容になっている。」と非難し、
今後憲法の内容を含め熟考を重ねた上で国民投票のボイコットを呼びかける何らかの行動に出る可能性を明らかにした。 民主主義市民連合に合流した事でも知られる反タクシン派のチャイヤンは、昨年04月02日に行われた総選挙の際に、総選挙を強行したタクシン前首相に抗議し投票所で投票用紙を破るパフォーマンスを演じた人物。 |
タイのタクシン前首相が客員教授を務める東京都内の拓殖大学で「アジアの経営・経済モデル」をテーマに特別講義。 「失業後初めての仕事」とユーモアを交えて切り出したタクシンは、別室のモニターで聴講した学生も含め約600人を前に「私の信念は、お荷物とされた地方の貧しい人々を生産者に変え、社会の宝にすることだ。」などと話し、在任中の経済政策の成果を披露。一方、軍事政権による汚職捜査に対しては「政府の告発は、自分で自分の金を盗んだというような(矛盾した)内容。反対に彼らが私の金を取り上げたと告発したい。」と批判。出頭命令に対する帰国の可能性については触れないまま、約1時間半の講義を終えた。講義終了後、香港に向け出国したとみられる。拓殖大での2回目の講義の予定はない。 | |
タイのタクシン前首相は、都内で共同通信と会見。汚職などの罪で訴追されたことについて「私は何も間違ったことはしていない。」と反論。さらに「タイの司法は現政権に破壊された。今、帰国すれば、当局は司法に介入して私を罪に問おうとするだろう。」と早期の帰国をあらためて否定。拓殖大学での特別講義のため来日した前首相は、タイ最高検察庁が土地の不正取得に絡む汚職でタクシンと妻を訴追したことに触れ「(当局は)事実や法の手続きを無視している。」と反発。憲法法廷が05月、選挙違反を理由にタクシン政権与党のタイ愛国党の解党命令を出したことに対しては「予期していなかった。司法を信じていたが、タイに司法は存在していなかった」と語った。 | |
夜 | 反独裁民主主義同盟非PTV系幹部のウェーン・トーチラーカーンは、新憲法案の最終可決が行われる06日朝に国会議事堂前で新憲法案の廃案を要求する大規模な集会を開催すると発表。従来のデモ行進を行わず06日朝06時に各自が国会議事堂前に集まり、12時頃まで集会活動を展開する予定。少なくともカラシン県内で行われた集会に集まった5万人(ウェーンの自己申告)を超える参加者が集まる見通し。06日には仏教国教化の憲法明文化を要求している勢力も国会議事堂前で大規模な要求活動を展開の予定。 |